JP2005231134A - 積層体及び自動車内外装部品 - Google Patents

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JP2005231134A JP2004041644A JP2004041644A JP2005231134A JP 2005231134 A JP2005231134 A JP 2005231134A JP 2004041644 A JP2004041644 A JP 2004041644A JP 2004041644 A JP2004041644 A JP 2004041644A JP 2005231134 A JP2005231134 A JP 2005231134A
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学治 進
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Abstract

【課題】熱可塑性エラストマー層と基材層とを積層してなり、押出成形性、耐傷付き性、シボの転写性に優れ、自動車用内装材として有用な積層体を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマー層と、ポリオレフィン系樹脂を含む基材層とを積層してなる積層体。該熱可塑性エラストマー層は、下記(イ)成分50〜95重量部と、(ロ)成分:オレフィン系樹脂50〜5重量部とを含む(ただし、(イ)成分と(ロ)成分の合計量は100重量%とする。)。
(イ):少なくとも2つの(A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの(B)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックとを含有し、全ビニル芳香族化合物単位含有量が50〜70重量%であり、(B)ブロックに含有されるビニル芳香族化合物の含有量が20〜60重量%であり、共役ジエン系化合物由来のビニル結合含量が30〜75%であるビニル芳香族系ブロック共重合体を水素添加してなる水添ビニル芳香族系ブロック共重合体

Description

本発明は積層体及び自動車内外装部品に係り、詳しくは、熱可塑性エラストマー層と基材層、好ましくは発泡体層とを積層してなり、自動車用内装材などとして有効に使用される積層体と、この積層体よりなる自動車内外装部品に関する。
従来、インストルメントパネル、ドアトリム等の表皮に使用される自動車内装用シートには、表面が皮革模様にエンボス加工されたポリ塩化ビニル層と発泡体層、及び必要に応じて樹脂基材層が順次積層された積層体が用いられてきた。
しかしながら、自動車部品の軽量化、リサイクル性、易焼却性等の環境問題のニーズ、耐熱性、耐寒性、耐熱老化性、耐光性を高めると共に、臭気を防止し、更に、高級感を付与し見た目の安物感を解消するため、近年、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー材料(以下、単に「TPO」と略記する場合がある。)が実用に供され始めた。かかるTPOとして、例えば特開平6−1888号公報にはオレフィン系共重合ゴム、オレフィン系共重合体及び結晶性パラフィンを含んでなる組成物を基材とするシート状積層体が開示されている。
特開平6−1888号公報
しかしながら、従来のTPOを基材としたシート状積層体においては、押出成形時にダイス出口への付着物(目やに)が多く発生し、これが成形品表面を汚染することから、この付着物を除去するために、押出機を停止して清掃する必要があり、このため生産性が低下する等の問題があった。更に、耐傷付き性が悪く、用途によっては使用が不可能であるという問題もあった。耐傷付き性を改良するために樹脂成分を増加させると硬度が上がり、所望のソフト感が得られない。また、インストルメントパネル、ドアトリム等の内装表皮材では皮革状の風合いを出したり、反射防止のためにその表面にシボ(エンボス模様)が施されるが、従来のTPOを基材としたシート状積層体においては、シボの転写性が低く、複雑な意匠のシボを施すことは困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、押出成形性に優れ、耐傷付き性、シボの転写性に優れた積層体とこの積層体を用いた自動車内外装部品を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定のスチレン系熱可塑性エラストマー組成物層と基材層とを積層してなる積層体により、上記の目的を達成し得るとの知見を得、本発明の完成に至った。
本発明の積層体は、熱可塑性エラストマー層と、ポリオレフィン系樹脂を含む基材層とを積層してなる積層体において、該熱可塑性エラストマー層が、下記(イ)成分50〜95重量部と、下記(ロ)成分50〜5重量部とを含む(ただし、(イ)成分と(ロ)成分の合計量は100重量部とする。)ことを特徴とする。
(イ):少なくとも2つの(A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの(B)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックとを含有し、
全ビニル芳香族化合物単位含有量が50〜70重量%であり、
(B)ブロックに含有されるビニル芳香族化合物の含有量が20〜60重量%であり、
共役ジエン系化合物由来のビニル結合含量が30〜75%である
ビニル芳香族系ブロック共重合体を水素添加してなる水添ビニル芳香族系ブロック共重合体
(ロ):オレフィン系樹脂
本発明において、前記熱可塑性エラストマー層は前記(イ)成分と(ロ)成分との合計100重量部に対して250重量部以下の(ハ)成分:炭化水素系ゴム用軟化剤を含んでいても良い。
(ロ)成分のオレフィン系樹脂としては、プロピレン系重合体が好ましく、基材層はポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはそれらの混合物を含む発泡体からなることが好ましい。この発泡体は架橋されたものであることが好ましい。また、熱可塑性エラストマー層の表面はエンボス加工されていることが好ましい。
本発明の自動車内外装部品は、このような本発明の積層体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、熱可塑性エラストマー層と基材層とを積層してなる積層体であって、押出成形性、耐傷付き性、シボの転写性に優れた積層体と、この積層体を用いた自動車内外装部品が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱可塑性エラストマー層に含まれる(イ)成分及び(ロ)成分と、任意成分としての(ハ)成分について説明する。
(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合体は、少なくとも2つの(A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの(B)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックとを含有し、全ビニル芳香族化合物単位含有量が50〜70重量%であり、(B)ブロックに含有されるビニル芳香族化合物の含有量が20〜60重量%であり、共役ジエン系化合物由来のビニル結合含量が30〜75%であるビニル芳香族系ブロック共重合体を水素添加してなるものである。
このようなブロック共重合体は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の不活性有機溶媒中、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物、又はこれらと共重合可能な他の単量体とを、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合し、ブロック共重合体(以下「水添前共重合体」と称す場合がある)を得た後、該水添前共重合体を水素添加することにより容易に得ることができる。
原料のビニル芳香族化合物としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等の1種又は2種以上が挙げられる。この中で、スチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等の1種又は2種以上が挙げられる。この中で、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
重合開始剤である有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物等の1種又は2種以上が挙げられ、特にn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が好ましい。
有機アルカリ金属化合物の使用量については特に限定はなく、必要に応じて種々の量を使用できるが、通常はモノマーに対して0.02〜15重量%、好ましくは0.03〜5重量%程度用いられる。
共役ジエン化合物のビニル結合含量の調節は、ルイス塩基、例えばエーテル、アミンなど、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ブチルエーテル、高級エーテルや、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのポリエチレングリコールのエーテル誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、トリブチルアミンなどの第3級アミンなどを前記有機溶媒と共に用いることにより調節される。
重合温度は、一般に−10℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃である。重合は一定温度にコントロールして実施してもよく、除熱をしないで上昇温度下に実施してもよい。
重合系の雰囲気は窒素ガス等の不活性ガスをもって置換することが望ましい。重合圧力は、上記重合範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。
また、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン系化合物を含有する共重合ブロックを重合する過程において、それら化合物の単量体を重合系に投入する方法としては特に限定されず、一括、連続的、間欠的及びこれらの組み合わせの方法が挙げられる。
更には、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン系化合物を含有する共重合ブロックを重合するときの、その他の共重合成分の添加量、極性物質の添加量、重合容器の種類等、及び上記単量体の投入方法は、最終的に得られる熱可塑性エラストマーの物性が好ましくなるよう適宜選定すればよい。
本発明に係る水添前共重合体は、上記の方法で得られたブロック共重合体を、カップリング剤を使用して更に共重合することにより、共重合体分子鎖がカップリング残基を介して重合した共重合体であってもよい。
この場合、使用されるカップリング剤として、例えばジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエチル、ピロメリット酸ジアンヒドリド、炭酸ジエチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,4−ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラエトキシシラン、テトラクロロスズ、1,3−ジクロロ−2−プロパノンなどの1種又は2種以上が挙げられる。この中で、ジビニルベンゼン、エポキシ化1,2−ポリブタジエン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラクロロシランが好ましい。
本発明に係る水添ビニル芳香族系ブロック共重合体は、上記のようにして得られた水添前共重合体を部分的あるいは選択的に水添することにより得られる。この水添の方法、反応条件については特に限定はなく、通常は、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下に水添することによって行われる。
この場合、水添率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、又は反応時間等を変えることにより任意に選定することができる。水添触媒として通常は、元素周期表Ib、IVb、Vb、VIb、VIIb、VIII族金属のいずれかを含む化合物、例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を用いることができる。具体的には、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物、Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒、Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒、Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体、及び水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等が挙げられる。この中で、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれかを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。特に、Ti,Zr,Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましく、とりわけチタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させた水添触媒は、安価で工業的に特に有用な触媒であるので好ましい。なお、上記水添触媒は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
水添後は、必要に応じて触媒の残渣を除去し、或いはフェノール系又はアミン系の老化防止剤を添加し、その後、水添ビニル芳香族系ブロック共重合体溶液から水添ビニル芳香族系ブロック共重合体を単離する。水添ビニル芳香族系ブロック共重合体の単離は、例えば、水添ビニル芳香族系ブロック共重合体溶液にアセトン又はアルコール等を加えて沈殿させる方法、水添ビニル芳香族系ブロック共重合体溶液を熱湯中に撹拌下投入し、溶媒を蒸留除去する方法等により行うことができる。
水添前共重合体であるビニル芳香族系ブロック共重合体中に占める全ビニル芳香族化合物単位の含有量は、50〜70重量%、好ましくは52〜67重量%、最も好ましくは55〜65重量%の範囲内である。このビニル芳香族化合物単位の含有量が70重量%を超えると、得られる熱可塑性エラストマー層が硬くなる傾向にある。また、ビニル芳香族化合物単位の含有量が20重量%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー層の機械的強度が低下する傾向にある。
また、水添前共重合体であるビニル芳香族系ブロック共重合体中の(B)ブロックに含有されるビニル芳香族化合物単位含有量(以下「BS含量」と記述する場合がある)は20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%、最も好ましくは35〜40重量%である。BS含量が20重量%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー層の機械的強度が低下するとともに耐傷つき性が劣るものとなる。また、BS含量が60重量%を超えると、得られる熱可塑性エラストマー層の柔軟性が低下するとともに低温性に劣るものとなる。
また、水添前共重合体であるビニル芳香族系ブロック共重合体中の共役ジエン化合物由来のビニル結合含量(共役ジエン化合物により導入される全ビニル結合のうち、側鎖に導入される1,2−及び3,4−ビニル結合の割合)は30〜75%、好ましくは40〜75%、最も好ましくは50〜70%である。この割合が30%未満であると、得られる熱可塑性エラストマー層が硬くなる傾向にあるとともに耐傷付き性が劣るものとなる。一方、75%を超えると得られる熱可塑性エラストマー層の耐熱性、機械的強度が悪くなる。
(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合体の水添率は、水添前の共役ジエン化合物由来の二重結合の90%以上、特に95%以上が水添されていることが好ましい。この水添率が90%未満の場合、得られる熱可塑性エラストマー層の耐候性が低下する傾向にある。なお、共役ジエン化合物由来の二重結合は側鎖二重結合として1,2−及び3,4−ビニル結合と、主鎖二重結合として1,4−結合とがあるが、それらのうち、少なくとも1,2−及び3,4−ビニル結合は90%以上水添されていることが好ましい。
本発明において、(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合体の230℃、21.2N荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、用途により異なるが、押出成形に使用する場合は、0.01〜100g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.05〜50g/10分、特に好ましくは0.05〜15g/10分である。メルトフローレート(MFR)が0.01g/10分未満では、押出成形時の負荷が過大となり、また押出成形品の肌が荒れるなど、好ましくない。一方、メルトフローレート(MFR)が100g/10分を超えると、ドローダウン等の押出し成形性に問題が生じる恐れがあるため好ましくない。
また、この(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合体の質量平均分子量(Mw)は、外観、強度に優れる成形体を得るためには3万〜40万であることが好ましく、特に5万〜30万であることが好ましい。該質量平均分子量が3万未満であると、得られる熱可塑性エラストマー層に粘着性が発生する場合があるほか、耐熱性及び耐候性が不十分となる場合がある。また、該質量平均分子量が40万を超える場合は、流動性が劣るため、十分な外観及び機械的強度を有する熱可塑性エラストマー層を形成することができない。
なお、(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合体は、ヒドロキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基等の官能基を該水添ビニル芳香族系ブロック共重合体に導入して、変性水添ビニル芳香族系ブロック共重合体として用いることも可能である。
一方、(ロ)成分のオレフィン系樹脂としては、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、結晶性ポリブテン−1樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系樹脂を挙げることができる。これらのオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が好適に用いられ、その具体例としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂等が例示できる。重合様式は、樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用しても差し支えない。
これらのプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂のメルトフローレート(JIS−K7210、230℃、21.2N荷重)は通常0.05〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分である。メルトフローレートが上記範囲以外のものを用いたときには、押出成形性に不具合が生じてくる。
(ハ)成分の炭化水素系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油系炭化水素、及び、ポリブテン系、ポリブタジエン系等の低分子量物等の合成樹脂系炭化水素等が挙げられるが、中でも、鉱物油系炭化水素が好ましく、また、重量平均分子量で300〜2,000、特に500〜1,500の分子量を有するものが好ましい。
鉱物油系炭化水素からなるゴム用軟化剤は、一般に、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素、及びパラフィン系炭化水素の混合物で、パラフィン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30〜45%のものがナフテン系オイル、芳香族系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30%以上のものが芳香族系オイルと、それぞれ呼ばれているが、本発明においては、パラフィン系オイルを用いるのが特に好ましい。
また、ゴム用軟化剤としての前記鉱物油系炭化水素は、40℃の動粘度が20〜800cst、特には50〜600cstであるもの、流動点が−40〜0℃、特には−30〜0℃であるもの、引火点が200〜400℃、特には250〜350℃であるもの、がそれぞれ好ましい。
本発明に係る熱可塑性エラストマー層は、前記(イ)成分の水添ビニル芳香族系ブロック共重合、前記(ロ)成分のオレフィン系樹脂を含有してなるが、これら各成分の組成割合は、(イ)成分と(ロ)成分との合計100重量部に対して、前記(イ)成分が50〜95重量部、前記(ロ)成分が50〜5重量部であって、(イ)成分が55〜90重量部、(ロ)成分が45〜10重量部であるのが好ましく、(イ)成分が60〜85重量部、(ロ)成分が40〜15重量部であるのが特に好ましい。
ここで、(イ)成分が前記範囲未満で(ロ)成分が前記範囲超過では耐傷付き性の改良が不十分で柔軟性も劣ることとなり、一方、(イ)成分が前記範囲超過で(ロ)成分が前記範囲未満では、耐熱性や押出成形加工性が劣ることとなる。
更に、(ハ)成分の組成割合は、(イ)成分と(ロ)成分との合計100重量部に対して0〜250重量部であって、5〜200重量部であるのが好ましく、7〜150重量部であるのが耐傷付性と、柔軟性を両立させる上で、特に好ましい。ここで(ハ)成分が所定量未満では柔軟性の改良が不十分となり、所定量を超えて配合すると(ハ)成分がブリードアウトする可能性がある。
なお、本発明に係る熱可塑性エラストマー層は、前記(イ)、(ロ)及び(ハ)成分を含有する組成物よりなる層であるが、この組成物は架橋剤の存在下に動的に熱処理されていてもよく、この動的熱処理により、組成物の耐熱性、耐油性を向上させることも出来る。ここで、架橋剤としては有機過酸化物、硫黄、フェノール系架橋剤、マレイミド系、オキシム類、ポリアミン等の1種又は2種以上が用いられるが、有機過酸化物、マレイミド系、フェノール系架橋剤が好ましい。
なお、動的に熱処理するとは、前記(イ)、(ロ)成分、或いは(イ)、(ロ)及び(ハ)成分を、必要に応じ有機過酸化物又は更に架橋助剤と共にヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の混練装置を用いて溶融混練した組成物を、必要に応じ架橋剤の存在下に又は更に架橋助剤の存在下にて混練することである。動的熱処理は、例えば、通常、有機過酸化物を(イ)、(ロ)成分、或いは(イ)〜(ハ)成分の合計100重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部、架橋助剤を5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部用いて、通常、100〜300℃、好ましくは110〜280℃の温度で、10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分間の時間行われる。また、動的熱処理時の材料の状態は使用する材料の種類や動的熱処理温度によって異なり、通常は半溶融状態または溶融状態となるが、特に制限されない。混練に際しては、各成分を一括して混練しても良く、また任意の成分を混練した後、他の残りの成分を添加して混練する多段分割混練法を用いても良い。
なお、前記動的熱処理時に用いられる有機過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類等の1種又は2種以上が挙げられる。中で、1分間の半減期温度が140℃以上のものが好ましく、例えば、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン又は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、又は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等が好ましい。
また、前記動的熱処理時に前記有機過酸化物と共に必要に応じて用いられる架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン、m−フェニレンビスマレイミド等の過酸化物架橋用助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等の1種又は2種以上が挙げられる。
本発明に係る熱可塑性エラストマー層には、上記必須成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて他の任意の配合成分を配合することができる。
任意成分としては、例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物、上記必須成分以外の熱可塑性樹脂、上記必須成分以外のエラストマー、フィラー等を挙げることができ、これらの中から任意のものを単独でまたは併用して用いることができる。
ここで、必須成分以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等の1種又は2種以上を挙げることができる。
また、任意のエラストマーとしては、例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィン系ゴム、本発明以外のスチレン系ゴム、ポリブタジエン等の1種又は2種以上を挙げることができる。
更に、充填材としては、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等の1種又は2種以上を挙げることができる。
これらは、前記(イ)成分又は前記(ロ)成分又は前記(ハ)成分のいずれかに予め含有させておくか、又は、各成分の均一混合時、溶融混練時或いは動的熱処理時に配合される。
本発明に係る基材層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、或いはエチレンとプロピレンとの共重合体、エチレン及び/又はプロピレンと他の成分との共重合体が挙げられる。基材層中には、これらのポリオレフィン系樹脂の2種以上が含まれていても良い。基材層におけるポリオレフィン系樹脂の含有量は、高い方が好ましく、通常50重量%以上、好ましくは80重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。
本発明に係る基材層は発泡体層であることが好ましく、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはそれらの混合物を含む発泡体からなることが好ましい。更に好ましいのは少なくとも部分的に架橋されている発泡体である。これらの発泡体を用いることにより、本発明の熱可塑性エラストマー層と強固に融着した積層体を得ることが出来る。発泡体の製造は、特公昭39−25500号公報、同40−25351号公報、同40−25352号公報などに記載されている通り、アジド発泡剤を用いて行われる他、放射線による架橋発泡体などであってもよい。また、市販されている架橋発泡体をそのまま使用することもできる。発泡体の発泡倍率は、積層体を自動車用内装材として用いる場合には、約5〜50倍程度であることが望ましい。
本発明の積層体は、特に表面がエンボス加工された前記の熱可塑性エラストマー層と基材層としての発泡体層からなることが好ましい。熱可塑性エラストマー層のエンボス加工においては、例えば以下の方法が使用される。
即ち、押し出し成形法、カレンダー加工法などにより成形されたシートを溶融状態、或いは半溶融状態でシボ付け(エンボス模様加工)用ロールとゴムロール等の圧着ロールの間を通す方法、予め巻き取ったシートを加熱ドラム、赤外線ヒーターにより再加熱し、シボ付け(エンボス模様加工)用ロールとゴムロール等の圧着ロールの間を通す方法、エンボス模様を付した金型を用いてシートをプレスする方法、更にエンボス模様を付した雌雄金型を用いて真空成形することにより、シートの賦形と同時にシボ付け(エンボス模様加工)する方法である。なお、シボ(エンボス模様)とは、シートの表面が皮革状あるいは幾何学状等の凹凸の浮き出し模様にエンボス加工された状態をいう。
本発明の積層体は、例えば押し出し成形法、カレンダー加工法などにより成形された溶融状態或いは半溶融状態の熱可塑性エラストマーシートと基材層の発泡体シートとを重ね合わせて、一対のロール間を通すことにより製造することが出来る。その際、熱可塑性エラストマーシートはロール温度約30〜70℃の(エンボス加工用)ロール側に、また発泡体シートは加熱されていない通常ロール側に接触させる。他の方法としては、一度押し出し冷却した熱可塑性エラストマーシートを再度加熱し、溶融状態もしくは半溶融状態にし上記と同様に積層する方法、シート状の熱可塑性エラストマーを発泡体シートと積層させた状態でプレスする方法、二層射出成型法などがある。
本発明の積層体を構成する熱可塑性エラストマー層の厚さと基材層の厚さは、当該積層体の用途に応じて任意に決定されるが、自動車内外装部品としての積層体の場合、熱可塑性エラストマー層は通常0.1〜2mm程度、基材層は通常0.5〜5mm程度であることが好ましい。
本発明の積層体には、更に骨材(ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂層等)、発泡体、綿布などの織布、不織布、紙等を積層することができる。また、積層体の少なくとも一面にコート層を塗布することもできる。更に、これら積層体を真空成形、圧空成形等により、賦形させたものも本発明の積層体に含まれる。
本発明の積層体は、前述の如く、熱可塑性エラストマー層の表面に皮革状あるいは幾何学状等の凹凸の浮き出し模様を施したシボ付き(エンボス模様加工の施された)のシート状成形体とすることができる。このようなシート状成形体は、例えば、内装用表皮材、特に自動車部品において内装部材に使用されるシート状表皮材として好適に使用することが出来、より具体的には、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、天井材シート、ハンドルパッド等の表皮材や、座席用シート等に好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例で用いた(イ)成分、(ロ)成分、及び(ハ)成分は次の通りである。
(イ)成分
イ−1
内容積50リットルのオートクレーブに、脱気・脱水したシクロヘキサン25kg、スチレン500gを仕込んだ後、テトラヒドロフラン500g及びn−ブチルリチウム3.5gを加え、50℃からの断熱重合を20分行った。反応液を20℃とした後、1,3−ブタジエン2000g及びスチレン2000gを加え断熱重合を行った。転化率がほぼ100%になった後、さらにスチレン500gを加え重合を行った。
重合が完結した後、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。
反応溶液を90℃にし、テトラクロロシラン(1.7g)を添加し、約20分間撹拌した後、チタノセン化合物を主体とした水添触媒を加え、水素圧1.0MPaで2時間水添反応を行った。
得られた水添前共重合体、及び水添ブロック共重合体を、H−NMR、GPC、IRで分析し以下の値を得た。
全ビニル芳香族化合物単位含有量:58重量%
Bブロックに含有されるビニル芳香族化合物の含有量:40重量%
共役ジエン系化合物由来のビニル結合含量:56重量%
水素添加率:99%
重量平均分子量:118,000
メルトフローレート(MFR)(230℃、21.2N荷重):4g/10分
(ロ)成分
ロ−1;プロピレン重合体樹脂(メルトフローレート:0.9g/10分)
(ハ)成分
ハ−1;パラフィン系オイル(重量平均分子量:540、出光興産社製「PW90」)
実施例1〜3
<熱可塑性エラストマーの製造>
表1に示す配合量(重量部)にて配合したエラストマー組成物の成分(イ)〜(ハ)の合計量100重量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名「イルガノックス1010」チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.1重量部を添加し、圧縮比L/Dが33、シリンダー径45mmの二軸押出機を用いて180℃の温度に設定して溶融混練させ、これをダイよりストランド状に押し出し、カッティングして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
<成形方法>
(1)積層体の製造
得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを用いて、渡辺加工機製の45mmφ押出機(シングルフライトタイプスクリュウ)のTダイから、シリンダー温度190℃、ダイス温度210℃、スクリュウ回転数70rpmの条件下、幅250mm、厚さ0.35mmのシートとして押し出し、続いてシボ付け(エンボス模様加工)用ロール(30℃)と圧着ゴムロールとの間を通した。このとき、ポリプロピレン樹脂の架橋発泡体シート(発泡倍率10倍、厚さ1mm)を圧着ゴムロール側に重ね合わせて通し、熱可塑性エラストマー層とポリプロピレン樹脂の架橋発泡体層との積層体を製造した。
(2)真空成形
得られた積層体を赤外線ヒーターにより表面温度が100℃から130℃の温度になるまで加熱した後、展開率が200%となるように雌引き真空成形を行なった。成形機としては(株)浅野研究所製「真空成形機FCP−4APA−W−30−L」を用いた。
<評価方法>
得られた積層体について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
(1)成形加工性:上記の成形条件で成形上に問題が無く、さらに得られた積層体の著しい外観不良が無い場合、成形加工性を良好とした。
(2)耐傷付き性:(株)東洋精機社製(テーバースクラッチテスタ)を用いて、真空成形前の熱可塑性エラストマー層表面をタングステンカーバイト製のカッターで、加重700gにて引っ掻き、目視にて表面を観察し、下記の3段階で評価した。
○…傷付かない
△…殆ど傷付かない
×…傷が付く
(3)シボの転写性:真空成形前の熱可塑性エラストマー層表面を目視にて観察し、シボの転写性を下記の3段階で評価した。
○…シボの転写性が良好。
△…ほぼシボが転写されている。
×…シボの転写性が不良。
(4)真空成形後のシボ(エンボス模様)保持性:(株)東京精密製表面粗さ形状測定機(サーフコム570A)を用い、積層体の同一場所での真空成形前後のシボ深さを測定し、10点の平均粗さを求めた。真空成形後の平均粗さの真空成形前の平均粗さに対する割合を求め、Rz残率(%)とした。Rz残率の値により下記4段階で評価した。
◎…Rz残率50%以上
○…Rz残率40%以上50%未満
△…Rz残率35%以上40%未満
×…Rz残率35%未満
(5)破れ:真空成形時の積層体表面を目視観察し、下記の3段階で評価した。
○…破れた箇所が全く認められない
×…破れた箇所が認められた
比較例1
成分(イ)〜(ハ)から得た熱可塑性エラストマーの代りに、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムとポリプロピレンとのブレンド物の動的架橋品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「サーモラン3602N」三菱化学(株)製)を使用したこと以外は、上記実施例1と同様の成形及び評価を行い、評価結果を表1に示した。
Figure 2005231134
本発明の積層体は、押出成形性、シボの転写性に優れ、耐傷付き性の良好な積層体であり、自動車部品の内装部材、例えばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、天井材シート、ハンドルパッド等の表皮材や、座席用レザーシート、家具用表皮材等に有用である。

Claims (7)

  1. 熱可塑性エラストマー層と、ポリオレフィン系樹脂を含む基材層とを積層してなる積層体において、該熱可塑性エラストマー層が、下記(イ)成分50〜95重量部と、下記(ロ)成分50〜5重量部とを含む(ただし、(イ)成分と(ロ)成分の合計量は100重量部とする。)ことを特徴とする積層体。
    (イ):少なくとも2つの(A)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つの(B)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体ブロックとを含有し、
    全ビニル芳香族化合物単位含有量が50〜70重量%であり、
    (B)ブロックに含有されるビニル芳香族化合物の含有量が20〜60重量%であり、
    共役ジエン系化合物由来のビニル結合含量が30〜75%である
    ビニル芳香族系ブロック共重合体を水素添加してなる水添ビニル芳香族系ブロック共重合体
    (ロ):オレフィン系樹脂
  2. 請求項1において、前記熱可塑性エラストマー層が前記(イ)成分と(ロ)成分との合計100重量部に対して250重量部以下の下記(ハ)成分を含むことを特徴とする積層体。
    (ハ):炭化水素系ゴム用軟化剤
  3. 請求項1又は2において、前記(ロ)成分のオレフィン系樹脂が、プロピレン系重合体であることを特徴とする積層体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記基材層が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはそれらの混合物を含む発泡体からなることを特徴とする積層体。
  5. 請求項4において、前記発泡体が架橋されたものであることを特徴とする積層体。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記熱可塑性エラストマー層の表面がエンボス加工されていることを特徴とする積層体。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層体を含むことを特徴とする自動車内外装部品。
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