JP2005230867A - プラズマアークハイブリッド溶接方法 - Google Patents
プラズマアークハイブリッド溶接方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005230867A JP2005230867A JP2004043934A JP2004043934A JP2005230867A JP 2005230867 A JP2005230867 A JP 2005230867A JP 2004043934 A JP2004043934 A JP 2004043934A JP 2004043934 A JP2004043934 A JP 2004043934A JP 2005230867 A JP2005230867 A JP 2005230867A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welding method
- welding
- mass
- plasma
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Arc Welding In General (AREA)
Abstract
【課 題】 ガスシールドアーク溶接法とプラズマ溶接法とを組み合わせて、高能率で優れたビード形状を得る溶接方法を提供する。
【解決手段】 非溶極式のプラズマ溶接法と溶極式のガスシールドアーク溶接法を組み合わせて用いるプラズマアークハイブリッド溶接法において、プラズマ溶接法およびガスシールドアーク溶接法ともに正極性とし、かつプラズマ溶接法の電極とガスシールドアーク溶接法の電極との距離を50mm以下とする。
【選択図】 図1
Description
Cは、溶接金属の強度を確保するために重要な元素であり、溶融メタルの粘性を低下させて流動性を向上する効果がある。しかしC含有量が0.20質量%を超えると、正極性のガスシールドアーク溶接において溶滴および溶融メタルの挙動が不安定となるのみならず、溶接金属の靭性の低下を招く。したがって好適には、C含有量が0.20質量%以下を満足する必要がある。
Siは、脱酸作用を有し、溶接金属の脱酸のためには不可欠な元素である。Si含有量が0.05質量%未満では、溶融メタルの脱酸が不足し、溶接金属にブローホールが発生する。さらに、正極性のガスシールドアーク溶接におけるアークの広がりを抑え、溶滴を微細にし挙動を安定化する効果を有する。一方、 2.5質量%を超えると、溶接金属の靭性が著しく低下する。したがって好適には、Siは0.05〜2.5 質量%の範囲内を満足する必要がある。ただしSi含有量が0.65質量%を超えると、小粒のスパッタが増加する傾向が現われるので、0.05〜0.65質量%の範囲内が一層好ましい。
Mnは、Siと同様に、脱酸作用を有し、溶融メタルの脱酸のためには不可欠な元素である。Mn含有量が0.25%未満では、溶融メタルの脱酸が不足し、溶接金属にブローホールが発生する。一方、3.5質量%を超えると、溶接金属の靭性が低下する。したがって、Mnは0.25〜3.5 質量%の範囲内を満足するのが好ましい。なお、溶融メタルの脱酸を促進し、ブローホールを防止するためには、0.45質量%以上が望ましい。そのため、0.45〜3.5 質量%の範囲内が一層好ましい。
Pは、鋼の融点を低下させるとともに電気抵抗率を向上させ、溶融効率を向上させる元素である。さらに正極性のガスシールドアーク溶接において、溶滴を微細化し、アークを安定化させる作用も有する。しかしP含有量が0.05質量%を超えると、正極性のガスシールドアーク溶接における溶融メタルの粘性が著しく低下し、アークが不安定となり、小粒のスパッタが多量に発生する。また、溶接金属に高温割れを生じる危険性が増大する。したがって、Pは0.05質量%以下とするのが好ましい。なお、0.03質量%以下が一層好ましい。一方、鋼素線の鋼材を溶製する製鋼段階でPを低減するためには長時間を要するので、生産性向上の観点から 0.002質量%以上が望ましい。そのため、 0.002〜0.03質量%の範囲内がさらに好ましい。
Sは、溶融メタルの粘性を低下させ、溶接用鋼ワイヤの先端に懸垂した溶滴の離脱を促進し、正極性のガスシールドアーク溶接においてアークを安定化する。また、Sは、正極性のガスシールドアーク溶接においてアークを広げ溶融メタルの粘性を低下させてビードを平滑にする働きを有する。S含有量が0.02質量%を超えると、小粒のスパッタが増加するのみならず、REM析出物が粗大化し、鋼素線の製造段階における加工性が劣化して歩留まりが低下する。したがって、Sは0.02質量%以下とするのが好ましい。一方、鋼素線の鋼材を溶製する製鋼段階でSを低減するためには長時間を要するので、生産性向上の観点から 0.002質量%以上が望ましい。そのため、 0.002〜0.02質量%の範囲内がさらに好ましい。
希土類元素(すなわちREM)は、製綱および鋳造時の介在物微細化、靭性改善に有用な元素である。ガスシールドアーク溶接においては、スパッタの発生を抑制する効果を有する。特に、正極性のガスシールドアーク溶接においては、溶滴の微細移行に不可欠な元素である。また、通常の多電極溶接ではアークが干渉して不安定となるが、鋼素線に REMを添加することによってアークを集中させ、アークの指向性を高めることによって、アークの干渉を防止でき、しかも深い溶け込みを得ることができる。
Ti,Zrは、いずれも強脱酸剤として作用するとともに、溶接金属の強度を増加する元素である。さらに溶融メタルの脱酸によって粘性を低下して溶滴の挙動を安定化し、ビード形状を安定化(すなわちハンピングビードを抑制)する作用も有する。このような効果を有する故に350A以上の高電流溶接においては有効な元素であり、必要に応じて添加する。Tiが0.02質量%未満,Zrが0.02質量%未満では、この効果が得られない。一方、Tiが0.50質量%を超える場合,Zrが0.50質量%を超える場合は、溶滴が粗大化して大粒のスパッタが多量に発生する。したがって、Ti,Zrを含有する場合は、Ti:0.02〜0.50質量%,Zr:0.02〜0.50質量%の範囲内を満足するのが好ましい。
Oは、正極性のガスシールドアーク溶接において溶接用鋼ワイヤの先端に懸垂した溶滴に発生するアーク点を不安定にするとともに、溶滴の挙動を不安定にする作用がある。しかし、O含有量が0.0080質量%を超えると、 350A以上の高電流の正極性ガスシールドアーク溶接におけるアークの安定カという REM添加の効果が損なわれ、溶滴の揺動が増大してスパッタが多量に発生する。また、Oは、鋼素線の鋼材を溶製する段階で REMと激しく反応してスラグを形成する性質を有しており、O含有量が0.0080質量%を超えると、REM の歩留りが著しく低下する。したがって、Oは0.0080質量%以下とするのが好ましい。ただし、O含有量が0.0010質量%未満では、O添加の効果は十分に得られない。したがって、0.0010〜0.0080質量%の範囲内が一層好ましく、0.0010〜0.0050質量%の範囲内がさらに好ましい。
Caは、製綱および鋳造時に不純物として溶鋼に混入したり、あるいは伸線加工時に不純物として鋼素線に付着する。正極性のガスシールドアーク溶接では、Ca含有量が0.008質量%を超えると、高電流溶接における REM添加のアーク安定化効果が損なわれる。したがって、Caは、0.0008質量%以下とするのが好ましい。
Alは強脱酸剤として作用し、さらに溶接金属の強度を増加する元素である。さらに溶融メタルの脱酸による粘性を低下してビード形状を安定化(すなわちハンピングビードを抑制)する効果がある。逆極性のガスシールドアーク溶接では、明確な溶滴の安定化効果は認められないが、正極性のガスシールドアーク溶接では、 350A以上の高電流溶接において溶滴移行の安定化効果が顕著に発揮される。一方、低電流溶接においては、短絡移行回数を増加させて溶滴移行の均一化とビード形状の改善を達成できる。また、Oとの親和力によって、溶接用鋼ワイヤの製造段階における REMの酸化ロスを低減する効果も有する。Alが 0.005質量%未満では、このような効果は得られない。一方、Alが3.00質量%を超えると、溶接金属の結晶粒が粗大化し、靭性を著しく低下する。したがって、Alは 0.005〜3.00質量%を満足するのが好ましい。
Cr,Ni,Mo,Cu,B,Mgは、いずれも溶接金属の強度を増加させ、耐候性を向上させる元素である。これらの元素の含有量が微少である場合は、このような効果が得られない。一方、過剰に添加すると、溶接金属の靭性低下を招く。したがって、Cr,Ni,Mo,Cu,B,Mgを含有させる場合は、それぞれCr:0.02〜3.0 質量%,Ni:0.05〜3.0 質量%,Mo:0.05〜1.5 質量%,Cu:0.05〜3.0 質量%,B:0.0005〜0.015 質量%,Mg: 0.001〜0.20質量%の範囲内を満足するのが好ましい。
Nb,Vは、いずれも溶接金属の強度,靭性を向上し、アークの安定性を向上させる元素である。これらの元素の含有量が微少である場合は、このような効果が得られない。一方、過剰に添加すると、溶接金属の靭性の低下を招く。したがって、Nb,Vを含有する場合は、Nb: 0.005〜0.5 質量%,V: 0.005〜0.5 質量%の範囲内を満足するのが好ましい。
2 溶接用鋼ワイヤ
3 ビード
4 上板
5 下板
Claims (7)
- 非溶極式のプラズマ溶接法と溶極式のガスシールドアーク溶接法とを組み合わせて用いるプラズマアークハイブリッド溶接法において、前記プラズマ溶接法および前記ガスシールドアーク溶接法ともに正極性とし、かつ前記プラズマ溶接法の電極と前記ガスシールドアーク溶接法の電極との距離を50mm以下とすることを特徴とするプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記ガスシールドアーク溶接法で溶極として用いる溶接用鋼ワイヤが、希土類元素を0.015〜0.100質量%含有する鋼素線からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記鋼素線が、前記希土類元素に加えて、Ti:0.02〜0.50質量%およびZr:0.02〜0.50質量%のうちの1種または2種を含有し、かつO:0.0080質量%以下、Ca:0.0008質量%以下を含有する組成を有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記鋼素線が、前記組成に加えて、Al: 0.005〜3.00質量%を含有することを特徴とする請求項3に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記溶極式のガスシールドアーク溶接法で用いるシールドガスが、CO2 を60体積%以上含有するガスであることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記シールドガスが、 100体積%CO2 であることを特徴とする請求項5に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
- 前記シールドガスが、CO2 を60体積%以上含有し、かつAr、He、H2 およびO2 のうちの1種以上を合計40体積%以下含有する混合ガスであることを特徴とする請求項5に記載のプラズマアークハイブリッド溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043934A JP4606751B2 (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | プラズマアークハイブリッド溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043934A JP4606751B2 (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | プラズマアークハイブリッド溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005230867A true JP2005230867A (ja) | 2005-09-02 |
JP4606751B2 JP4606751B2 (ja) | 2011-01-05 |
Family
ID=35014344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004043934A Expired - Fee Related JP4606751B2 (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | プラズマアークハイブリッド溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4606751B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008161899A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Jfe Steel Kk | 重ね隅肉溶接継手の継手疲労強度を向上するプラズマアークハイブリッド溶接方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103506762B (zh) * | 2013-10-10 | 2015-09-30 | 上海航天精密机械研究所 | 用于Plasma-MIG复合焊枪的电弧引弧控制系统及控制方法 |
-
2004
- 2004-02-20 JP JP2004043934A patent/JP4606751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008161899A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Jfe Steel Kk | 重ね隅肉溶接継手の継手疲労強度を向上するプラズマアークハイブリッド溶接方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4606751B2 (ja) | 2011-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100553380B1 (ko) | 탄산가스 실드 아크용접용 강(鋼) 와이어 및 이를 이용한용접 방법 | |
JP5472244B2 (ja) | 厚鋼板の狭開先突合せ溶接方法 | |
JP2007118068A (ja) | 厚鋼板の狭開先突合せ溶接方法 | |
JP4930048B2 (ja) | 重ね隅肉溶接継手の継手疲労強度を向上するプラズマアークハイブリッド溶接方法 | |
JP2002239725A (ja) | 鋼板のガスシールドアーク溶接方法 | |
JP4830308B2 (ja) | 厚鋼板の多層炭酸ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP6969705B1 (ja) | ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ、ガスシールドアーク溶接方法、およびガスシールドアーク溶接継手の製造方法 | |
JP3951593B2 (ja) | Mag溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いたmag溶接方法 | |
JP3941528B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用ワイヤ | |
JP4725700B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いた溶接方法 | |
JP3945396B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いた溶接方法 | |
JP4738824B2 (ja) | 多電極ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP2007118069A (ja) | ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP4606751B2 (ja) | プラズマアークハイブリッド溶接方法 | |
JP2005219062A (ja) | Yagレーザアークハイブリッド溶接方法 | |
JP2022135634A (ja) | 片面溶接の溶接方法及びフラックスコアードワイヤ | |
JP4529482B2 (ja) | 隅肉溶接方法 | |
JP3861979B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ | |
JP3906827B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いた溶接方法 | |
JP5051966B2 (ja) | 横向き炭酸ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP4639599B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接方法 | |
JP3941756B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの鋼素線 | |
JP4639598B2 (ja) | エレクトロガスアーク溶接方法 | |
KR100501984B1 (ko) | 정극성 mag 용접용 강 와이어 및 이것을 사용한 정극성 mag 용접 방법 | |
JP3941755B2 (ja) | 炭酸ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびそれを用いた溶接方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061026 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080909 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090126 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090224 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090413 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090424 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20090619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100909 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101006 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4606751 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |