JP2005230850A - 鋼材の停止方法および搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼材を停止する際のカキ疵の発生を抑制する。
【解決手段】ローラ群上に載置されて上流側から搬送されてくる鋼材16の先端部が、基点30を通過するとローラ群が上昇位置から下降位置に下降する。また各可変ブリッジ34が閉成位置に移動して対応する空間Sが閉成され、第2制動部28と可変ブリッジ34とで制動面36が形成される。このとき鋼材16はローラ群の鋼材載置面24から制動面36に所要の速度を有したまま乗り移る。鋼材16の後端部が基点30を通過すると、制動テーブル26は基点30を傾動中心として下流端側が押し上げられて傾斜姿勢に至る。これにより、制動テーブル26の制動面36上を摺動している鋼材16には、該制動面36と鋼材16との摩擦による制動力に加えて、傾斜した制動面36に沿う下方への力が作用して停止する。
【選択図】図1
【解決手段】ローラ群上に載置されて上流側から搬送されてくる鋼材16の先端部が、基点30を通過するとローラ群が上昇位置から下降位置に下降する。また各可変ブリッジ34が閉成位置に移動して対応する空間Sが閉成され、第2制動部28と可変ブリッジ34とで制動面36が形成される。このとき鋼材16はローラ群の鋼材載置面24から制動面36に所要の速度を有したまま乗り移る。鋼材16の後端部が基点30を通過すると、制動テーブル26は基点30を傾動中心として下流端側が押し上げられて傾斜姿勢に至る。これにより、制動テーブル26の制動面36上を摺動している鋼材16には、該制動面36と鋼材16との摩擦による制動力に加えて、傾斜した制動面36に沿う下方への力が作用して停止する。
【選択図】図1
Description
この発明は、ローラ群上を移動する鋼材を停止させる停止方法および搬送装置に関するものである。
例えば、圧延材料等の鋼材は、その圧延工程において、現工程から次工程へ移行する等の理由から、上流側から搬送されてくる鋼材を一旦停止させる必要を生じる。このような場合、一般に鋼材と搬送装置の搬送面との間に生じる摩擦による制動力によって、該鋼材を所要位置に停止させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示される鋼材の停止方法が実施される搬送装置18は、図2(a),(b)に示すように、複数のローラ10,10によって形成される搬送面12に、鋼材16を載置して所定の速度で搬送するよう構成されると共に、該搬送面12より下側の退避位置と上側の制動位置との間を昇降動する制動リフタ14を備えている。この搬送装置18で搬送される鋼材16を停止させる際は、図示しない昇降シリンダ等を作動させることによって、前記制動リフタ14を退避位置から制動位置に上昇させ、前記鋼材16を制動リフタ14により搬送面12より上方へ押し上げることで該制動リフタ14上に乗り移らせる。そして、この制動リフタ14と鋼材16との間に生じる摩擦力により、該鋼材16は次第に速度を低下しながら停止するようになっている。
特開平9−24412号公報
しかし、このような摩擦力によって鋼材16を停止させる従来の方法では、制動リフタ14に対して鋼材16が摺動するため、該鋼材16における制動リフタ14との接触面には「カキ疵」と呼ばれる線上の疵が不可避的に発生し、製品の品質が低下するという問題があった。また、このカキ疵を消すには表面研磨等の二次工程が必要となり、結果的に製品の製造コストが嵩んでしまう難点も指摘される。なお、前記「カキ疵」は、鋼材16に制動リフタ14が当接してから該鋼材16が停止するまでの制動距離xに比例して多くなるため、鋼材16の搬送速度を遅くすることで「カキ疵」の低減は可能であるが、その場合にはライン全体の処理速度が低下するために製造能力が低下する問題を招く。
すなわち本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、鋼材を停止する際のカキ疵の発生を抑制し得る鋼材の停止方法および搬送装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係る鋼材の停止方法は、
複数のローラからなるローラ群上に載置されて移動する鋼材を停止させる鋼材の停止方法であって、
前記ローラ群から鋼材が移載されると共に、鋼材移動方向上流側に設定された基点を傾動中心として傾動可能な制動テーブルを設け、
前記鋼材がローラ群から制動テーブルに乗り移った際に、該制動テーブルを、前記基点を傾動中心として下流端側が上方に移動するよう傾斜させることで、前記鋼材が有している運動エネルギーを位置エネルギーに変換して、該鋼材を停止するようにしたことを特徴とする。
複数のローラからなるローラ群上に載置されて移動する鋼材を停止させる鋼材の停止方法であって、
前記ローラ群から鋼材が移載されると共に、鋼材移動方向上流側に設定された基点を傾動中心として傾動可能な制動テーブルを設け、
前記鋼材がローラ群から制動テーブルに乗り移った際に、該制動テーブルを、前記基点を傾動中心として下流端側が上方に移動するよう傾斜させることで、前記鋼材が有している運動エネルギーを位置エネルギーに変換して、該鋼材を停止するようにしたことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本願の別の発明に係る鋼材の搬送装置は、
鋼材の移動方向に所定間隔離間して回転自在に配設された複数のローラを備え、このローラ群上に載置された鋼材を搬送する鋼材の搬送装置において、
前記鋼材の移動方向に隣り合う各ローラ間に臨む複数の制動部を備え、鋼材移動方向上流側に設定された基点を傾動中心として傾動可能な制動テーブルと、
前記制動テーブルを、前記基点を傾動中心として傾動する傾動手段と、
前記制動テーブルの上面を、前記ローラ群の鋼材載置面より下方の待機位置および上方の作動位置に臨ませる作動手段とからなり、
前記制動テーブルの上面を待機位置から作動位置に臨ませてローラ群上の鋼材を制動テーブルに乗り移させた後、該制動テーブルを、前記基点を傾動中心として下流端側が高くなるよう傾動することで、前記鋼材を、制動テーブルとの摩擦力および該鋼材が有している運転エネルギーの位置エネルギーへの変換により停止するよう構成したことを特徴とする。
鋼材の移動方向に所定間隔離間して回転自在に配設された複数のローラを備え、このローラ群上に載置された鋼材を搬送する鋼材の搬送装置において、
前記鋼材の移動方向に隣り合う各ローラ間に臨む複数の制動部を備え、鋼材移動方向上流側に設定された基点を傾動中心として傾動可能な制動テーブルと、
前記制動テーブルを、前記基点を傾動中心として傾動する傾動手段と、
前記制動テーブルの上面を、前記ローラ群の鋼材載置面より下方の待機位置および上方の作動位置に臨ませる作動手段とからなり、
前記制動テーブルの上面を待機位置から作動位置に臨ませてローラ群上の鋼材を制動テーブルに乗り移させた後、該制動テーブルを、前記基点を傾動中心として下流端側が高くなるよう傾動することで、前記鋼材を、制動テーブルとの摩擦力および該鋼材が有している運転エネルギーの位置エネルギーへの変換により停止するよう構成したことを特徴とする。
本発明に係る鋼材の停止方法によれば、ローラ群から鋼材が乗り移った制動テーブルを傾斜することで、該鋼材が有する運動エネルギーを位置エネルギーに変換して停止するようにしたから、制動テーブルに回転ローラを設けて鋼材が摺動しない状態で停止させることが可能となり、カキ疵の発生を抑制することができる。また、制動テーブルに対して鋼材を摺動するようにした場合は、位置エネルギーへの変換に加えて摩擦力も作用するため、摩擦力によってのみ停止させる従来に比べて、鋼材が停止に至るまでの制動距離は短くなり、カキ疵の発生を抑制することが可能となる。
本発明に係る鋼材の搬送装置によれば、ローラ群から鋼材が乗り移った制動テーブルを傾斜することで、該鋼材を、制動テーブルとの摩擦力に加えて、鋼材の有する運動エネルギーの位置エネルギーへの変換により停止し得るよう構成したから、摩擦力のみにより停止させる従来に比べて、該鋼材が停止に至るまでの制動距離を短くすることができ、カキ疵の発生を抑制することが可能となる。また、鋼材の制動距離が短くなるため、搬送装置全体の寸法を短く設定し、該搬送装置自体をコンパクト化し得る利点も有する。更に、制動テーブルの上面が作動位置に臨んだ際に、各制動部の間の空間を可変ブリッジで閉成することで、鋼材の前端部が制動部に引っ掛かったり衝突するのを防止でき、鋼材の損傷等の発生を抑制し得る。
次に、本発明に係る鋼材の停止方法および搬送装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、従来の技術と同じ部材については、同一の符号を付して、その詳細説明は省略する。
図1に示す如く、実施例に係る鋼材の搬送装置20は、鋼材16の搬送方向(移動方向)に所定間隔離間して回転自在に配設される複数のローラ22を備えており、このローラ群上に鋼材16を載置して搬送するようになっている。前記ローラ群は、流体圧シリンダ等の昇降シリンダ40により、常には図1(a)に示すように、後述する搬送テーブル38および制動テーブル26の上面から略半身を露出させた上昇位置に臨み、該ローラ群によって鋼材16を載置する鋼材載置面24を形成している。そして、鋼材載置面24上を移動している鋼材16を停止させる際には、昇降シリンダ40によって前記ローラ群を前記搬送テーブル38および制動テーブル26の上面より下側の下降位置に下降し、鋼材16を前記鋼材載置面24から制動テーブル26に乗り移らせるよう構成される。すなわち、実施例では、昇降シリンダ40が、制動テーブル26の上面を、ローラ群の鋼材載置面24より下方の待機位置および上方の作動位置に臨ませる作動手段として機能する。なお、昇降シリンダ40は、複数のローラ22が配設される図示しないフレームに接続されて、該フレームを昇降することでローラ群を移動するようになっている。
鋼材搬送(移動)方向に隣り合う各ローラ22,22間に臨む複数の第1制動部38aを備えた搬送テーブル38の下流端に、同じく隣り合う各ローラ22,22間に臨む複数の第2制動部(制動部)28を備えた制動テーブル26が、その上流端に設けられた基点30を傾動中心として下流端側が高くなるよう傾動可能に設けられている。そして、前述したようにローラ群を上昇位置から下降位置に下降した際に、ローラ群に載置されている鋼材16が両制動部38a,28上に移載され、そのときに発生する摩擦力により該鋼材16を制動するよう構成される。また制動テーブル26における下流端に、前記基点30を傾動中心として該制動テーブル26を傾動させる傾動手段としての傾動シリンダ32の伸縮自在なアーム32aが接続されている。そして、この傾動シリンダ32を正逆付勢することで、前記制動テーブル26は、前記第2制動部28の上面が略水平となる水平姿勢(図1(a))と、下流端側が上方に所定角度傾斜した傾斜姿勢(図1(c))とに変化するよう構成される。すなわち、後述するように鋼材16が乗り移った制動テーブル26を傾斜姿勢に変化することで、該鋼材16を、制動テーブル26との摩擦力および鋼材16が有している運転エネルギーの位置エネルギーへの変換により停止するようにしてある。なお、前記搬送テーブル38は、その上面が常に水平姿勢に保持されるよう構成される。
ここで、前記制動テーブル26の傾斜姿勢における上面の、水平姿勢における上面に対する傾斜角度は、鋼材16の重量や前記第2制動部28との摩擦係数等を考慮して適宜決定される。
前記制動テーブル26の各第2制動部28には、鋼材搬送(移動)方向に隣り合う第2制動部28,28間に画成されて、前記ローラ22の昇降動を許容する空間Sを開放する開放位置と、閉成する閉成位置との間を移動可能な可変ブリッジ34が夫々設けられている。各可変ブリッジ34は、常には前記第2制動部28の内部に収納されて、前記空間Sを開放することで、各ローラ22が該空間Sよりその半身を露出するのを許容している。そして、ローラ群が上昇位置から下降位置へ下降した後に、前記各可変ブリッジ34が、第2制動部28の内部に設けられた図示しない押し出し手段により、該制動部28の内部から前記閉成位置に押し出され、前記空間Sを閉成するよう構成される。また可変ブリッジ34が閉成位置に押し出されることで、前記制動テーブル26の上面に、鋼材16が載置される開口部のない制動面36を形成するようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、本実施例に係る鋼材の搬送装置の作用につき、停止方法との関係で説明する。なお、図1(a)に示す如く、前記ローラ群は上昇位置に保持されると共に、前記制動テーブル26は水平姿勢に保持されているものとする。
次に、本実施例に係る鋼材の搬送装置の作用につき、停止方法との関係で説明する。なお、図1(a)に示す如く、前記ローラ群は上昇位置に保持されると共に、前記制動テーブル26は水平姿勢に保持されているものとする。
前記搬送装置20のローラ群上に載置されて所要の速度で上流側から搬送されてくる鋼材16の先端部が、図1(b)に示すように、前記基点30を通過したことを図示しない検知手段が検知すると、前記昇降シリンダ40が作動してローラ群を上昇位置から下降位置に下降する。またローラ群の鋼材載置面24が第2制動部28の上面より下降した以後に、前記各可変ブリッジ34が対応する空間Sを閉成するよう第2制動部28の内部から夫々押し出され、該制動部28と可変ブリッジ34とで開口部のない制動面36が形成される。このとき、鋼材16はローラ群と共に下降し、該ローラ群が前記制動テーブル26の下側へ下降する際、該鋼材16はローラ群の鋼材載置面24から前記制動面36に所要の速度を有したまま乗り移る。なお、可変ブリッジ34で空間Sを閉成することで、制動面36上を摺動する鋼材16の前端部が、前記第2制動部28に引っ掛かったり衝突するのは防止され、該鋼材16の損傷等の発生は抑制される。
そして、前記鋼材16の後端部が前記基点30を通過したことを図示しない検知手段が検知すると、前記傾動シリンダ32はアーム32aを延出するよう付勢され、図1(c)に示すように、前記制動テーブル26は、前記基点30を傾動中心として下流端側が押し上げられて所要の角度だけ傾斜した傾斜姿勢に至る。これにより、前記制動テーブル26の制動面36上を摺動している鋼材16には、該制動面36と鋼材16との摩擦による制動力に加えて、傾斜した制動面36に沿う下向きの重力の分力が作用することで、該鋼材16は次第にその速度が低下して停止する。すなわち、搬送時において有していた鋼材16の運動エネルギーは、前記制動テーブル26との摩擦による熱エネルギー等、および重力による位置エネルギーとに変換されるので、該運動エネルギーは消失し鋼材16は停止に至る。
前記鋼材16の停止後、前記各可変ブリッジ34が対応する第2制動部28の内部へ収納されて各空間Sを開放すると同時に、前記傾動シリンダ32がアーム32aを引き込む方向に付勢されることで前記制動テーブル26の下流端が下降し、該制動テーブル26は水平姿勢に戻る。そして、前記昇降シリンダ40の付勢によりローラ群が下降位置から上昇位置に上昇することで、制動テーブル26上の鋼材16は、該ローラ群の鋼材載置面24に再び載置され、図示しない手段により次工程に移動される。
以上に説明した如く、実施例に係る鋼材の搬送装置によれば、摩擦力のみを利用して鋼材16を停止させていた従来の方法に比べ、前記制動テーブル26を傾斜させることで鋼材16に重力の分力を作用させているから、該鋼材16が停止するまでの制動距離を短くすることができ、カキ疵の発生を少なくし得る。また、鋼材16が停止するまでの制動距離を短くし得るので、搬送装置全体を短くすることが可能となり、設置スペースを小さくし得ると共に製造コストも低廉とし得る。
〔変更例〕
実施例における鋼材の搬送装置では、前記制動テーブルによる摩擦力と重力の分力(運動エネルギーの位置エネルギーへの変換)とによって鋼材を停止させるようにしたが、該制動テーブルの制動面に回転ローラ等を設けたり制動面を滑らかに加工して、鋼材との摩擦を極力低減させ、重力の分力のみで該鋼材を停止させるようにしてもよい。この場合には、鋼材に生じる「カキ疵」の発生が回避され、更なる品質の向上をなし得る。また、制動面の鋼材に対する摩擦を低減した構成の制動テーブルを用いる場合には、実施例のようにローラ群を昇降させることなく、制動テーブルの上面を常にはローラ群における鋼材載置面と同一レベルに設定しておき、該制動テーブルの上面に鋼材が到来した際に傾動させる構成を採用し得る。また、ローラ群の下流端に制動テーブルを設け、ローラ群から制動テーブルに鋼材が乗り移ったときに傾動させるようにしてもよい。
実施例における鋼材の搬送装置では、前記制動テーブルによる摩擦力と重力の分力(運動エネルギーの位置エネルギーへの変換)とによって鋼材を停止させるようにしたが、該制動テーブルの制動面に回転ローラ等を設けたり制動面を滑らかに加工して、鋼材との摩擦を極力低減させ、重力の分力のみで該鋼材を停止させるようにしてもよい。この場合には、鋼材に生じる「カキ疵」の発生が回避され、更なる品質の向上をなし得る。また、制動面の鋼材に対する摩擦を低減した構成の制動テーブルを用いる場合には、実施例のようにローラ群を昇降させることなく、制動テーブルの上面を常にはローラ群における鋼材載置面と同一レベルに設定しておき、該制動テーブルの上面に鋼材が到来した際に傾動させる構成を採用し得る。また、ローラ群の下流端に制動テーブルを設け、ローラ群から制動テーブルに鋼材が乗り移ったときに傾動させるようにしてもよい。
前記制動テーブルを傾動させる傾動手段は、実施例の傾動シリンダに限定されるものでなく、例えば、制動テーブルの下流端側をワイヤ等の索体で上方から吊下げ、該索体を昇降することで制動テーブルを傾動させるもの、あるいはその他各種の手段を採用可能である。また実施例では、制動テーブルに対してローラ群を昇降動することで、該制動テーブルの上面を待機位置と作動位置とに臨ませるようにしたが、ローラ群に対して制動テーブルを昇降動させるようにしてもよい。更には、制動テーブルおよびローラ群の両方を相対的に昇降動させる構成も採用し得る。なお、ローラ群あるいは制動テーブルを昇降動させる作動手段としては、実施例の昇降シリンダに限らず、シリンダあるいはモータ等により作動する平行リンク機構等、各種の手段を採用することができる。
また、実施例では可変ブリッジを第2制動部に収納するよう構成したが、制動テーブルの側方に配設し、空間に対して進退あるいは回動により閉成位置と開放位置との間を移動するものであってもよい。なお実施例においては、圧延工程において鋼材を停止させる場合で説明したが、本発明に係る停止方法および搬送装置は、該工程に限られず、速度を有した鋼材を停止もしくは減速する必要がある設備等に採用可能である。
〔比較シミュレーション〕
次に、実施例に係る搬送方法の効果を検証するため、鋼材を停止させるのに必要な制動距離を算出し、従来の搬送方法における制動距離との比較を行なった。
鋼材サイズ
直径 20mm
長さ 6250mm
質量 m=15kg
とする。
鋼材の制動開始前速度v0=10m/sとする。
鋼材が停止するまでの摩擦係数は常に一定で、その値をk=0.3とする。
次に、実施例に係る搬送方法の効果を検証するため、鋼材を停止させるのに必要な制動距離を算出し、従来の搬送方法における制動距離との比較を行なった。
鋼材サイズ
直径 20mm
長さ 6250mm
質量 m=15kg
とする。
鋼材の制動開始前速度v0=10m/sとする。
鋼材が停止するまでの摩擦係数は常に一定で、その値をk=0.3とする。
(1) 従来の方法の場合
鋼材を停止させる場合の制動距離をx1とする。
停止するまでに鋼材になされる仕事をFとする。
また停止するまでの鋼材の加速度をαとすると、α<0であるから
F=mα=−kmg
α=−kg ・・・・・(a)
また停止するまでの時間をtとすると
v=v0+αt
α=(v−v0)/t ・・・・・(b)
(a),(b)より
−kg=(v−v0)/t
t=−(v−v0)/kg ・・・・・(c)
鋼材の距離xは次式であらわされる
x=v0t+αt2/2
(c)を代入して
x=−v0(v−v0)/kg+[(v−v0)/kg]2・α/2
x=(v−v0)2/2kg
よって制動距離x1は
x1=(0−10)2/2・0.3・9.8=17[m]
鋼材を停止させる場合の制動距離をx1とする。
停止するまでに鋼材になされる仕事をFとする。
また停止するまでの鋼材の加速度をαとすると、α<0であるから
F=mα=−kmg
α=−kg ・・・・・(a)
また停止するまでの時間をtとすると
v=v0+αt
α=(v−v0)/t ・・・・・(b)
(a),(b)より
−kg=(v−v0)/t
t=−(v−v0)/kg ・・・・・(c)
鋼材の距離xは次式であらわされる
x=v0t+αt2/2
(c)を代入して
x=−v0(v−v0)/kg+[(v−v0)/kg]2・α/2
x=(v−v0)2/2kg
よって制動距離x1は
x1=(0−10)2/2・0.3・9.8=17[m]
(2) 実施例の方法の場合
鋼材を停止させる場合の制動距離をx2とする。
停止するまでに鋼材になされる仕事をFとする。
また、実施例に係る方法によって鋼材が停止したとき、該鋼材がh=3[m]だけ鉛直方向に上昇したとすると
mv0 2/2−mgh=Fx2
=kmgx2
v0 2/2−gh=kgx2
x2=(v0 2/2−gh)/kg
=v0 2/2kg−h/k
∴ x2=17−10
=7[m]
となる。
鋼材を停止させる場合の制動距離をx2とする。
停止するまでに鋼材になされる仕事をFとする。
また、実施例に係る方法によって鋼材が停止したとき、該鋼材がh=3[m]だけ鉛直方向に上昇したとすると
mv0 2/2−mgh=Fx2
=kmgx2
v0 2/2−gh=kgx2
x2=(v0 2/2−gh)/kg
=v0 2/2kg−h/k
∴ x2=17−10
=7[m]
となる。
以上の結果から、
x2/x1≒0.41
となるので、実施例に係る鋼材の停止方法によれば、従来の方法に比べて制動距離を約59%減少することが可能となる。すなわち、鋼材の停止時において発生するカキ疵は、その制動距離にほぼ比例するので、今回のシミュレーションの場合、カキ疵の発生量を約59%低減することが可能となることが確認された。
x2/x1≒0.41
となるので、実施例に係る鋼材の停止方法によれば、従来の方法に比べて制動距離を約59%減少することが可能となる。すなわち、鋼材の停止時において発生するカキ疵は、その制動距離にほぼ比例するので、今回のシミュレーションの場合、カキ疵の発生量を約59%低減することが可能となることが確認された。
16 鋼材
22 ローラ
26 制動テーブル
28 第2制動部(制動部)
30 基点
32 傾動シリンダ(傾動手段)
34 可変ブリッジ
40 昇降シリンダ(作動手段)
S 空間
22 ローラ
26 制動テーブル
28 第2制動部(制動部)
30 基点
32 傾動シリンダ(傾動手段)
34 可変ブリッジ
40 昇降シリンダ(作動手段)
S 空間
Claims (3)
- 複数のローラ(22)からなるローラ群上に載置されて移動する鋼材(16)を停止させる鋼材の停止方法であって、
前記ローラ群から鋼材(16)が移載されると共に、鋼材移動方向上流側に設定された基点(30)を傾動中心として傾動可能な制動テーブル(26)を設け、
前記鋼材(16)がローラ群から制動テーブル(26)に乗り移った際に、該制動テーブル(26)を、前記基点(30)を傾動中心として下流端側が上方に移動するよう傾斜させることで、前記鋼材(16)が有している運動エネルギーを位置エネルギーに変換して、該鋼材(16)を停止するようにした
ことを特徴とする鋼材の停止方法。 - 鋼材(16)の移動方向に所定間隔離間して回転自在に配設された複数のローラ(22)を備え、このローラ群上に載置された鋼材(16)を搬送する鋼材の搬送装置において、
前記鋼材(16)の移動方向に隣り合う各ローラ(22)間に臨む複数の制動部(28)を備え、鋼材移動方向上流側に設定された基点(30)を傾動中心として傾動可能な制動テーブル(26)と、
前記制動テーブル(26)を、前記基点(30)を傾動中心として傾動する傾動手段(32)と、
前記制動テーブル(26)の上面を、前記ローラ群の鋼材載置面(24)より下方の待機位置および上方の作動位置に臨ませる作動手段(40)とからなり、
前記制動テーブル(26)の上面を待機位置から作動位置に臨ませてローラ群上の鋼材(16)を制動テーブル(26)に乗り移させた後、該制動テーブル(26)を、前記基点(30)を傾動中心として下流端側が高くなるよう傾動することで、前記鋼材(16)を、制動テーブル(26)との摩擦力および該鋼材(16)が有している運転エネルギーの位置エネルギーへの変換により停止するよう構成した
ことを特徴とする鋼材の搬送装置。 - 前記制動テーブル(26)は、前記各制動部(28,28)の間の空間(S)を開放する開放位置と閉成する閉成位置との間を移動可能な可変ブリッジ(34)を備え、前記制動テーブル(26)の上面が作動位置に臨んだ際に該可変ブリッジ(34)を開放位置から閉成位置に移動するよう構成した請求項2記載の鋼材の搬送装置。
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JP2004041975A Pending JP2005230850A (ja) | 2004-02-18 | 2004-02-18 | 鋼材の停止方法および搬送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005230850A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114192578A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-03-18 | 武安市裕华钢铁有限公司 | 带钢轧制效能高效释放工艺及设备 |
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2004
- 2004-02-18 JP JP2004041975A patent/JP2005230850A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114192578A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-03-18 | 武安市裕华钢铁有限公司 | 带钢轧制效能高效释放工艺及设备 |
CN114192578B (zh) * | 2021-12-10 | 2024-04-26 | 武安市裕华钢铁有限公司 | 带钢轧制效能高效释放工艺及设备 |
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