JP2005230477A - ミシン - Google Patents

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泰典 畠山
Tarou Tetsumi
太郎 鐡見
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Abstract

【課題】カーシート(自動車用座席)の縫製作業等のように、糸替え作業を頻繁に行う場合における省力化を可能とし、作業性に優れたミシンを提供する。
【解決手段】ミシン101の縫い針105と、該縫い針に糸20・21を供給する複数のボビン103・104と、の間に、作動スイッチ119を操作すると糸20・21の先端部を同じ方向に重ね合わせ、該先端部を糸継孔7内に挿入し、該先端部に圧縮流体を作用させる1サイクルの糸継動作を行うことにより、糸20と糸21とを連結させる糸継装置1を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、縫い針の針穴に新たな糸を通す作業を容易とすることにより、糸替え作業の省力化を可能としたミシンの技術に関する。
従来、ミシンにおける糸替え作業は、(1)現在ミシンに旧糸を供給しているボビンと、ミシンの縫い針との間の適当な箇所で旧糸を切断し、旧糸が巻かれているボビンと、縫い針に通されている旧糸とを切り離し、(2)次にミシンに供給される新糸の先端部と、縫い針に通されたままになっている旧糸の先端部(先に切断した箇所)とを作業者が手で結び、(3)縫い針に通されたままになっている旧糸を送って旧糸と新糸との結び目を縫い針の針穴の手前まで移動させ、(4)該結び目部分で旧糸と新糸とを切り離し、(5)新糸の先端部を針穴に通す、という手順で行われていた。
また、旧糸と新糸とを結ぶ際に作業者の手によらず、糸継装置を用いる技術も知られている。このような糸継装置としては、フィッシャーマンノットやウィーバースノットといったノット(結び目)を形成して糸継ぎを行うノッターと呼ばれる装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
また、旧糸の中途部に新糸の端部を沿わせ、該新糸の端部に気流を作用させ、旧糸に新糸が連結された後に旧糸のボビン側を切り離す糸継方法も知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
さらに、予め二本の糸端部を解撚し、該糸端部が糸継孔内で互いに逆方向となるように重ね合わせ、該重ね合わせ部分に圧縮流体(圧縮空気など)を旋回気流として作用させることによって二本の糸端部を旋回・振動させて絡み合わせ、糸継ぎを行うスプライサーと呼ばれる装置が知られている。例えば、特許文献3に記載の如くである。
実公平7−1110号公報 特開平7−80175号公報 特公昭60−39767号公報
糸替え作業は上記の如く煩雑であり、カーシート(自動車用座席)の縫製作業のように糸替え作業を頻繁に行う場合には、作業効率の低下(糸替え作業に要する時間が長い、作業が困難)の原因となる。
本発明は以上の如き状況に鑑み、糸替え作業の省力化を可能とし、作業性に優れたミシンを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、縫い針と、該縫い針に糸を供給する複数のボビンと、の間に糸継装置を配置したものである。
請求項2においては、前記糸継装置は、作動スイッチを操作すると複数の糸の先端部に圧縮流体を作用させて複数の糸を連結させる1サイクルの糸継動作を行うものである。
請求項3においては、前記糸継装置は、複数の糸の先端部を同じ方向に重ね合わせ、該先端部を糸継孔内に挿入し、該先端部に圧縮流体を作用させることにより、複数の糸を連結させるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、糸替え作業を行う際に容易に糸継ぎ作業を行うことが可能であり、作業性に優れる。
また、糸継装置により連結された糸の継ぎ目は手で結んだ場合や従来のノッターやスプライサーにより連結した場合と比較して継ぎ目が小さく、縫い針の針穴を通過可能であるため、従来の糸替え作業の如く、糸継作業後、連結した糸を送り、継ぎ目が縫い針の直前まできたら継ぎ目にて切断し、新糸の先端部を縫い針の針穴に改めて通すという繁雑な作業を大幅に省略することができる。従って、糸替え作業の省力化と作業時間の短縮(ひいてはミシンによる作業効率の向上)が可能である。特に、カーシート(自動車用座席)の縫製作業のように糸替え作業を頻繁に行う場合には効果が大きい。
請求項2においては、糸継作業の際に作業者は作動スイッチを操作するだけでよく、糸継作業を容易かつ確実に行うことが可能である。
請求項3においては、継ぎ目近傍における糸の長手方向に関する撚りの変化が少なく、従来の糸継方法により連結されたものよりも強い張力を付加しても継ぎ目で断線しない。
また、継ぎ目が小さく、かつ、糸の胴体部分からの継ぎ目の突出量が小さいので、縫い針の針穴を通過可能である。従って糸替え作業の省力化と作業時間の短縮(ひいてはミシンによる作業効率の向上)が可能である。
以下では、図1から図3を用いて、本発明に係るミシンの実施の一形態であるミシン101における糸替え作業の手順を説明する。
本発明に係るミシンの実施の一形態であるミシン101は、縫い針105と、該縫い針105に糸(糸20・21)を供給する複数のボビン(本実施例ではボビン103・104)と、の間に、糸継装置1(または糸継装置51)を配置した(本実施例の場合、糸継装置1は糸継機構110の内部に設けられている)ものである。
ミシン101で使用する糸を旧糸(糸20)から新糸(糸21)に交換する糸替え作業を行う場合、まず、図1に示す如く、縫い針105と、糸20が巻かれたボビン103との間において、糸20を糸継機構110にセットする。
次に、ボビン104に巻かれた糸21の端部を糸継機構110にセットする。このとき、糸20のボビン103側と、糸21の先端部(先端21a)がミシン101の正面から見て手前側に来るようにセットする。
続いて、ミシン101の上部に取り付けられた糸継機構110の作動スイッチ119を押して(操作して)、糸継作業を行う。
糸継作業では、糸継装置1(または糸継装置51)がミシン101の奥側において糸20・21をクランプし、ミシン101の手前側において糸20および糸21を切断する。すなわち、糸21のうち、糸継機構110からミシン101の手前側に突出した余剰の部分を切除し、糸20を針穴105aに通された状態の部分とボビン103に巻かれている部分とに切り離すとともに、糸継機構110にクランプされている糸20と糸21の端部の位置を切り揃える。さらに糸20と糸21の端部に圧縮流体を作用させ(圧縮空気を噴出し)、糸20と糸21の端部を解撚しつつ互いに絡み合わせて糸20と糸21とを連結する。
糸継機構110による糸継作業(糸20と糸21との連結)が終了したら、図2に示す如く糸20と糸21が連結されたものを糸継機構110)から取り外す。
最後に、図3に示す如く、糸20と糸21との連結部位である継ぎ目30が縫い針105の針穴105aを通過する位置まで糸20と糸21が連結されたものを送っていき、継ぎ目30の近傍で糸21を切断して糸21から糸20を切り離す。
以上の如く、ミシン101は、従来のミシンと比較して以下の如き利点を有する。
第一に、縫い針105と、該縫い針105に糸(糸20・21)を供給する複数のボビン(本実施例ではボビン103・104)との間に、糸継装置1(または糸継装置51)を配置しているので、糸替え作業を行う際には容易に糸継ぎ作業を行うことが可能であり、作業性に優れる。
第二に、糸継装置1により連結された糸20・21の継ぎ目30は手で結んだ場合や従来のノッターやスプライサーにより連結した場合と比較して継ぎ目が小さく、継ぎ目30は縫い針105の針穴105aを通過可能であるため、従来の糸替え作業の如く、糸継作業後、連結した糸を送り、継ぎ目が縫い針の直前まできたら継ぎ目にて切断し、新糸の先端部を縫い針の針穴に改めて通すという繁雑な作業を大幅に省略することができる。従って、糸替え作業の省力化と作業時間の短縮(ひいてはミシンによる作業効率の向上)が可能である。特に、カーシート(自動車用座席)の縫製作業のように糸替え作業を頻繁に行う場合には効果が大きい。
なお、本実施例においては、ボビンは二個(ボビン103・ボビン104)であったが、ボビンの数は複数であればよく、限定されない。例えば三種類の糸を糸替え作業する場合には、三個のボビンにそれぞれ異なる糸を巻き取ったものを使用することが可能である。
また、本実施例では糸継機構110はミシン101の上部に取り付けられていたが、糸継機構110が縫い針105と、該縫い針105に糸を供給する複数のボビンと、の間に配置されていれば同様の効果を奏する。例えば、糸継機構110をミシン101と別体としてミシン101の傍らに置いても良く、ミシン101に対して着脱可能としても良い。
以下では、図5および図6を用いて、糸継機構110の詳細構成について説明する。なお、図5に示す矢印Aの方向は、図1に示すミシン101に糸継機構110を取り付けた場合におけるミシン101の正面から背面(手前側から奥側)への向きである。
糸継機構110は大きな結び目や突出した継ぎ目を形成することなく、二本の糸を連結する(糸継作業を行う)ものであり、主に、糸継装置1(または糸継装置51)、筐体111および糸継装置1を作動させるためのアクチュエータや切替バルブ、空圧配管等で構成される。
糸継装置1(または糸継装置51)は複数の糸(糸20・糸21)の先端部(先端20a・21a)を同じ方向に重ね合わせ、該先端部を糸継孔7内に挿入し、該先端部に圧縮流体を作用させることにより、複数の糸(糸20・糸21)を連結させるものである。糸継装置1(または糸継装置51)の詳細構成については後述する。
図5に示す如く、筐体111は糸継装置110を構成する他の部材を収容するものであり、本実施例においては略直方体形状の箱である。
筐体111の上面にはセット溝111aが形成されており、該セット溝111aに糸20および糸21をセットして糸継作業を行う。このとき、セット溝111aにセットされた糸20および糸21はクランプ部材80によりクランプされ、糸継作業終了時においても糸を把持し続けることができ、端糸や旧糸を保持させることができる。
図6に示す如く、メインバルブ112は、カムシリンダ113を伸長または収縮させるための切替バルブである。
メインバルブ112の弁体は、ポート112aとポート112bとを連通するとともにポート112cと排気口112dとを連通する位置(カムシリンダ収縮位置)、または、ポート112aとポート112cとを連通するとともにポート112cと排気口112eとを連通する位置(カムシリンダ伸長位置)、のいずれかの位置をとることができる。
カムシリンダ113は空圧式の複動アクチュエータ(複動エアシリンダ)である。カムシリンダ113のシリンダロッド113aにはカム147およびカム148が設けられている。カムシリンダ113が伸長または収縮することにより、カム147は当接部材144・145に当接または離間してホルダ開閉バルブ114・エンドバルブ115を切り替えるとともに、カム148は当接部材146に当接または離間してスプライサーバルブ116を切り替える。
ホルダ開閉バルブ114は開閉シリンダ117を伸長させるための切替バルブである。
ホルダ開閉バルブ114の弁体は、ポート114aと排気口114cとを連通するとともにポート114bを閉塞する位置(開閉シリンダ収縮位置)、または、ポート114aとポート114bとを連通するとともに排気口114cを閉塞する位置(開閉シリンダ伸長位置)、のいずれかの位置をとることができる。ホルダ開閉バルブ114の弁体は、バネ114dにより開閉シリンダ収縮位置側に付勢されている。
エンドバルブ115はメインバルブ112を切り替えるためのパイロットバルブである。
エンドバルブ115の弁体は、ポート115aと排気口115cとを連通するとともにポート115bを閉塞する位置(リリーフ位置)、または、ポート115aとポート115bとを連通するとともに排気口115cを閉塞する位置(パイロット位置)、のいずれかの位置をとることができる。エンドバルブ115の弁体は、バネ115dによりリリーフ位置側に付勢されている。
スプライサーバルブ116は糸継装置1(または糸継装置51)への圧縮空気の供給および停止を行う切替バルブである。
スプライサーバルブ116の弁体は、ポート116aとポート116bとを遮断する(連通しない)位置(停止位置)、または、ポート116aとポート116bとを連通する位置(噴出位置)、のいずれかの位置をとることができる。スプライサーバルブ116の弁体は、バネ116cにより、停止位置側に付勢されている。
開閉シリンダ117は空圧式の単動アクチュエータ(単動エアシリンダ)であり、糸継装置1(または糸継装置51)のホルダ4の開閉を行う。開閉シリンダ117はバネ117aにより、開閉シリンダ117が収縮する方向(シリンダロッド117bが没入する方向)に付勢されている。
起動スイッチバルブ118は糸継機構110を作動させるためのパイロットバルブである。
起動スイッチバルブ118の弁体は、ポート118aを閉塞するとともにポート118bと排気口118cとを連通する位置(停止位置)、または、ポート118aとポート118bとを連通するとともに排気口118cを閉塞する位置(パイロット位置)、のいずれかの位置をとることができる。起動スイッチバルブ118の弁体は、バネ118dにより、停止位置側に付勢されている。
作動スイッチ119は筐体111の一側面(本実施例においては、ミシン101の正面と略一致する面)から突出したスイッチであり、作業者が該作動スイッチ119を操作することにより起動スイッチバルブ118を切り替える。
以下では図6を用いて糸継機構110の糸継動作手順について説明する。
作業者が作動スイッチ119を押し、起動スイッチバルブ118の弁体の位置をバネ118dの付勢力に抗して停止位置からパイロット位置に移動させると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管122、分岐点138、空圧配管123を経てポート118aに圧送された圧縮空気は、ポート118b、空圧配管126を経てパイロットポート140に到達し、メインバルブ112の弁体を移動させる。その結果、メインバルブ112の弁体はカムシリンダ収縮位置からカムシリンダ伸長位置に移動する。
なお、本実施例における作動スイッチ119は押したままにするものではなく、作業者が手を離すと起動スイッチバルブ118の弁体はバネ118dの付勢力によりパイロット位置から停止位置に戻る。
メインバルブ112がカムシリンダ伸長位置に移動すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管122、分岐点138、空圧配管129を経てポート112aに圧送された圧縮空気は、ポート112c、空圧配管127を経てシリンダ基部側のポート113bからカムシリンダ113内に供給される。その結果、シリンダロッド113aが突出してカムシリンダ113が伸長する。
シリンダロッド113aが突出していくと、まず、シリンダロッド113aに設けられたカム147が当接部材144に当接し、ホルダ開閉バルブ114の弁体がバネ114dの付勢力に抗して開閉シリンダ収縮位置から開閉シリンダ伸長位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管134、分岐点139、空圧配管132を経てポート114bに圧送された圧縮空気が、ポート114a、空圧配管131を経てシリンダ基部側のポート117cから開閉シリンダ117内に供給される。
その結果、シリンダロッド117bがバネ117aの付勢力に抗して突出し、開閉シリンダ117が伸長する。シリンダロッド117bの先端部は糸継装置1(または糸継装置51)のホルダ4に回動可能に枢着されており、シリンダロッド117bが突出するとホルダ4が閉じる。
シリンダロッド113aが続けて突出していくと、シリンダロッド113aに設けられたカム148が当接部材146に当接し、スプライサーバルブ116の弁体がバネ116cの付勢力に抗して停止位置から噴出位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管124を経てポート116aに圧送された圧縮空気が、ポート116b、空圧配管125を経てノズル孔12から噴出し、糸20と糸21とを連結する。
なお、ノズル孔12から圧縮空気が噴出される時間は該カム148の形状により調整可能である。すなわち、本実施例の如くカム148の形状を略三角形とした場合には、シリンダロッド113aが続けて突出していくとすぐにカム148と当接部材146とが離間し、スプライサーバルブ116の弁体がバネ116cの付勢力により噴出位置から停止位置に戻る。そのため、ノズル孔12から圧縮空気が噴出される時間が短い。一方、カム148の形状を略台形とすればカム148と当接部材146とが当接している時間が長くなり、その分ノズル孔12から圧縮空気が噴出される時間が長くなる。
シリンダロッド113aが更に続けて突出していくと、シリンダロッド113aに設けられたカム148が当接部材145に当接し、エンドバルブ115の弁体がバネ115dの付勢力に抗してリリーフ位置からパイロット位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管134、分岐点139、空圧配管133を経てポート115bに圧送された圧縮空気が、ポート115a、空圧配管130を経てパイロットポート141に到達し、メインバルブ112の弁体を移動させる。その結果、メインバルブ112の弁体はカムシリンダ伸長位置からカムシリンダ収縮位置に移動する。
メインバルブ112の弁体がカムシリンダ収縮位置に移動すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管122、分岐点138、空圧配管129を経てポート112aに圧送された圧縮空気が、ポート112b、空圧配管128を経てシリンダロッド側のポート113cからカムシリンダ113内に供給される。その結果、シリンダロッド113aが没入してカムシリンダ113が収縮する。
なお、ピストン113dを隔ててカムシリンダ113のシリンダ基部側の空気は、ポート113b、空圧配管127、ポート112c、排気口112dを経て外部に排出される。
シリンダロッド113aが没入していくと、カム147が当接部材145から離間し、エンドバルブ115の弁体がバネ115dの付勢力によりパイロット位置からリリーフ位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管134、分岐点139、空圧配管133を経てポート115bに圧送された圧縮空気が該ポート115bにて閉塞される。
シリンダロッド113aが続けて没入していくと、再びカム148が当接部材146に当接し、スプライサーバルブ116の弁体がバネ116cの付勢力に抗して停止位置から噴出位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管124を経てポート116aに圧送された圧縮空気が、ポート116b、空圧配管125を経てノズル孔12から噴出する。
シリンダロッド113aが更に没入していくと、カム148が当接部材146から離間し、スプライサーバルブ116の弁体がバネ116cの付勢力により噴出位置から停止位置に移動し、ノズル孔12からの圧縮空気の噴出が停止する。
続けてシリンダロッド113aが没入していくと、カム147が当接部材144から離間し、ホルダ開閉バルブ114の弁体がバネ114dの付勢力により開閉シリンダ伸長位置から開閉シリンダ収縮位置に移動する。すると、エアーコンプレッサ120から空圧配管121、分岐点136、空圧配管134、分岐点139、空圧配管132を経てポート114bに圧送された圧縮空気が該ポート114bにて閉塞される。また、シリンダロッド117bがバネ117aの付勢力により没入し、開閉シリンダ117が収縮してホルダ4が開く。
なお、開閉シリンダ117内の空気はポート117c、空圧配管131、ポート114a、排気口114cを経て外部に排出される。
以上の如く、糸継機構110は、作動スイッチ119を操作する(押す)と、ホルダ4を閉じて複数の糸20・21をクランプし、該糸20・21の先端部に圧縮流体(空気)を作用させて複数の糸20・21を連結させ、ホルダ4を開いて連結された糸20・21を取り出し可能な状態(クランプしない状態)とする、という1サイクルの糸継動作を行うものである。
このように構成することにより、糸継作業の際に作業者は作動スイッチを操作するだけでよく、糸継作業を容易かつ確実に行うことが可能である。
なお、本実施例では、ミシンに供給されているボビン103に巻かれた糸20とボビン104に巻かれた糸21とを糸継機構110にセットする作業、糸20と糸21とが連結されたものを糸継機構110から取り外す作業、および継ぎ目30が縫い針105の針穴105aを通過するまで糸20と糸21とが連結されたものを送った後で糸20を糸21から切り離す作業、については作業者が行う構成としているが、これらの作業も1サイクルの糸継動作に含め、作動スイッチを操作すると当該1サイクルの糸継動作が行われるように糸継機構を構成することも可能である。
以下では、図7、図8および図9を用いて本発明に係る糸継装置の第一実施例である糸継装置1について説明する。
なお、以下の説明では、「糸」は綿、毛、麻などの天然繊維、化合繊のフィラメント糸をショートカットしたいわゆるステープルファイバ、およびこれらの混合繊維を集束した、短繊維の紡績糸を総称したものとする。また、「ファイバ」はこの紡績糸を構成する短繊維を示すものである。
糸継装置1は主に、本体部を構成する下部糸継部材2や上部糸継部材3、ホルダ4、固定ねじ5などからなる。下部糸継部材2には該下部糸継部材2の左右側面を貫通する孔8が穿設され、該孔8にホルダ4を下部糸継部材2に回動可能に枢着するためのホルダ軸6が遊嵌される。該ホルダ4には上部糸継部材3が固定ねじ5により螺設される。上部糸継部材3の下面には糸継溝13および当接面14が設けられる。
なお、本実施例ではホルダ4は下部糸継部材2に対して回動する構成であるがこれに限定するものではなく、上部糸継部材3が下部糸継部材2から離間し、後述する糸継孔7が大きく開口する構成であれば良い。また、本実施例では上部糸継部材3が固定ねじ5等の締結部材によりホルダ4に固定される構成としたが、例えば溶接や接着剤による接着など他の方法で固定してもよい。さらに、上部糸継部材3とホルダ4とを一体的に成形してもよい。
図8に示す如く、ホルダ4を下方に回動させた状態(図8において二点鎖線で図示)では、下部糸継部材2側の当接面10と上部糸継部材3側の当接面14とが当接・密着する。そして下部糸継部材2側の糸継溝9と上部糸継部材3側の糸継溝13とによって、側面断面視略円形の糸継孔7(図8において斜線で示す部位)が形成される。
すなわち、糸継孔7が二分割された部材(下部糸継部材2および上部糸継部材3)の合わせ面に沿って形成されている。言い換えれば、糸継孔7(本実施例では円筒形状)の両端面を通過する位置に二分割された部材の合わせ面が来るように構成されている。
このとき、本実施例においては下部糸継部材2側の斜面15と上部糸継部材3側の斜面16とは当接せず、所定の大きさの隙間17が形成される。これは糸継孔7内の圧縮流体の流れ方を適宜コントロールするためのものであって、糸の種類、太さなどにより、該隙間17の幅を変えたり、あるいは該隙間17を閉塞するなどしても良い。
一方、ホルダ4を上方に回動させた状態(図8において実線で図示)では、糸継作業の際に二本の糸端部がセットされる糸継孔7は大きく開口されており、前記二本の糸端部を容易にセット可能に構成される。また、糸継孔7の一方の端部にはプレート18が設けられる。該プレート18には、糸止め溝19が設けられている。
また、流体導入孔11は下部糸継部材2の下面から穿設され、エアーコンプレッサ120からの空圧配管125が接続される(図6に図示)。そして、流体導入孔11の上端と糸継孔7とを連通するノズル孔12が穿設される。
また、下部糸継部材2の前部には、ボルト締結用のボルト孔22が上面から下面に貫通して穿設される。
なお、本実施例では糸継孔7は断面視略円形であるが、V字型、U字型、矩形など種々の形状とすることが可能であって、限定されない。すなわち、糸継孔の断面形状、サイズおよび長さは糸継ぎされる糸の性状(種類、ファイバ太さ、撚り方)、作用させる圧縮流体の圧力、後述するノズル孔の性状(個数、形状、配置、大きさ)などにより適宜選択するものである。
また、本実施の一例では長手方向に伸びたオーバル型のノズル孔12を糸継孔7の長手方向に関して略中央に一個配置し、糸継ぎ孔7の中心に向けて圧縮流体を噴出させる構成であるが、形状を略円形としたり、矩形としたり、複数個配置したり、糸継孔7の長手方向に関して中心からずれた位置に配置したり、ノズル孔のサイズを変えたり、中心からずれた方向に向けて圧縮流体を噴出させるように構成しても良い。すなわち、糸の性状(種類、ファイバ太さ、撚り方)、作用させる圧縮流体の圧力、糸継孔7の断面形状あるいは長さによって適宜選択すれば良く、限定されない。
このように、下部糸継部材2及び上部糸継部材3に形成される糸継孔7が、ちょうどその両端面を通る断面で二分割されていることにより、従来の方法(糸継孔が設けられている部材が二分割されておらず、両端面を通る挿入溝を形成することにより糸を糸継孔に挿入する方法)に比べ、糸の挿入が容易になるだけでなく、糸の挿入を考慮した大きな挿入溝を設ける必要がないので前記隙間17を小さくすることができ、糸継孔の密閉性が高く、糸に作用させる圧縮流体(空気などの気体)を効率よく糸に作用させることが可能である。このことは後述する継ぎ目の強度が向上する(断線しにくい)とともに、糸に作用させる圧縮流体の圧力が従来法と比較して小さい場合でも継ぎ目の強度が得られるという利点がある。
以下では図10、図11および図12を用いて本実施の糸継方法の一例を示す。
図10に示すように、糸継ぎを行う二本の糸20・21の糸端部を引き揃えて、その端部が同じ方向を向くように重ね合わせ、糸継溝9上に横架させる。このとき、二本の糸20・21の先端は、プレート18が設けられていない方に向け、二本の糸20・21の中途部を糸止め溝19に差し込む形でセットする。このようにすることにより、二本の糸20・21は中途部において、糸止め溝19により緩やかに拘束された形となる。
続いて、図11に示す如く、ホルダ4の後部に回動可能に枢着された開閉シリンダ117のシリンダロッド117bを伸長させることによりホルダ4を下方に回動させると、下部糸継部材2と上部糸継部材3とが当接面10・14で当接し、側面断面視略円形の糸継孔7が形成されるとともに、二本の糸20・21が糸継孔7の内部に貫装された状態になる。この状態で下部糸継部材2と上部糸継部材3とが離間しないようにホルダ4を固定し、流体導入孔11に接続されたエアーコンプレッサ120からの空圧配管125よりノズル孔12を経て、糸継孔7内に圧縮流体(本実施例では圧縮空気)が噴出される。
このとき、糸継孔7の開口部は糸継装置1の両側面に位置するが、二つの開口部のうち、二本の糸20・21の根元側(糸20・21の端部が配置されている反対側)は、プレート18により開口部の断面積が小さくなっている。
そのため、糸継孔7内に噴出された圧縮空気の多くは、糸20・21の端部が配置されている側に流れ、糸継孔7外部に排出される。この圧縮空気の流れにより、糸20・21の先端部において、ノズル孔12より下流側に位置する部分は解撚されるとともに、互いに複雑に絡み合う。
結果として、図12に示す如くノズル孔12に対応する部位において、小さな連結部23(糸20・21の解撚されたファイバ同士が強固に絡み合った部分)が形成されるとともに、該連結部23よりさらに先端側は、解撚されたファイバが互いに強固に絡まず、束状になったテール24が形成される。以後、連結部23、境界部23aおよびテール24を合わせて継ぎ目30と呼ぶ(図4の(a)に図示)。
なお、本実施例では糸20・21の端部は予め解撚せずに行ったが、予め解撚しておいても同様に糸継ぎを行うことが可能であることから、糸先端部の撚り状態については限定されない。ただし、予め糸端部を引っ張るなどしてある程度解撚しておくなどの処置をした後、本実施の糸継方法を用いると、圧縮流体の圧力が小さくとも強固な連結部を形成することが可能となる利点がある。
このように、糸継装置1は、二本の糸の先端部を同じ方向に重ね合わせ、該先端部を糸継孔内に挿入し、該先端部に圧縮流体を作用させることにより解撚・連結させるので、強固かつサイズの小さい連結部が形成可能である。また糸端部を予め解撚しておく必要がなく、作業を簡略化することが可能である。
なお、本実施例では二分割された部材からなる糸継装置1を用いたが、作業性はやや劣るものの、例えば一体成形された部材に同形状の糸継孔およびノズル孔を設ければ同様の効果を奏することから、使用される糸継装置は本実施例に限定されない。
以下では、図13および図14を用いて本発明に係る糸継装置の第二実施例である糸継装置1について説明する。
糸継装置51は、下部糸継部材2、上部糸継部材3、及びホルダ4等にて構成される糸継装置の第一実施例である糸継装置1に加えて、クランプ部材68、カッター部材69および開閉アーム70を設けたものであり、その他の部分は前記糸継装置1と同様の構成となっている。
クランプ部材68は、前記糸継装置1のプレート18の代わりに糸継孔7の一方の端部に配置されるクランプ板68aと、クランプ板68aが配置される側のホルダ側面4aとで構成されている。
クランプ板68aには、糸端部(先端20a・21a)を引き揃えて糸継溝9上に横架される二本の糸20・21を載置するガイド溝68bが形成されている。ホルダ側面4aの下部には、ホルダ4を上方回動して糸継溝9やガイド溝68bに糸20・21をセットするとき等に、該糸20・21の通り道を確保するための切り欠き部4bが形成されている。
カッター部材69は、糸継孔7の他方の端部に配置される下刃69aと上刃69bとで構成されている。下刃69aは下部糸継部材2側に取り付けられ、上刃69bは上部糸継部材3側に取り付けられており、上部糸継部材3の下部糸継部材2に対する上下回動動作に伴って、該下刃69aと上刃69bとが開閉する。
また、糸継装置51には、ホルダ4の上面に締結部材55にて開閉アーム70が取り付けられており、該開閉アーム70を把持操作する(シリンダロッド117bに接続する)ことで、上部糸継部材3の下部糸継部材2に対する上下回動動作を容易に行うことが可能となっている。
以上の如く構成される糸継装置51にて糸継ぎを行う場合の、クランプ部材68及びカッター部材69の作用について説明する。
図15、図16に示すように、糸継ぎを行う場合には、まず下部糸継部材2を上方回動して、二本の糸20・21を引き揃えた状態で糸継溝9上に横架する。
このように、下部糸継部材2が上方回動された状態では、ホルダ側面4aとクランプ板68aのガイド溝68bとの間には、切り欠き部4bにより糸20・21の通り道が確保されており、糸20・21は糸継溝9及びガイド溝68bにより載置位置をガイドされながらも、自由に動くことが可能である。
また、カッター部材69は開いており、下刃69aと上刃69bとの間を糸20・21が通過している。
図17、図18に示すように、この状態から上部糸継部材3を下方回動すると、下部糸継部材2側のクランプ板68aと上部糸継部材3側のホルダ側面4aとが、側面視にてオーバーラップして糸20・21の通り道がなくなる。
これにより、糸20・21の糸端の途中部が、クランプ部材68を構成するクランプ板68aとホルダ側面4aとにより、糸継孔7の一方の端部にて挟持される。
すなわち、ニ分割された本体部である下部糸継部材2と上部糸継部材3とが合わさった状態で、該本体部に形成された糸継孔7に糸継ぎされる二本の糸20・21の糸端部を引き揃えて、その端部が同じ方向を向くように横架したときに、クランプ部材68により二本の糸端の中途部がクランプされる。
糸継溝9に横架される糸20・21は、クランプ部材68によりクランプされることで、その載置位置が固定されることとなる。
一方、糸継孔7の他方の端部では、上部糸継部材3が下方回動されると、下部糸継部材2側の下刃69aと上部糸継部材3側の上刃69bとが側面視にてオーバーラップするため、該下刃69aと上刃69bとにより、糸20・21の糸端の先端側が切断される。
糸端の先端側が切断されることで、糸20・21における、クランプ部材68によりクランプされた部分から切断された部分までの寸法を一定にすることができる。本例の場合、クランプ部材68は糸継孔7の一端に配置され、カッター部材69は糸継孔7の他端に配置されているので、その寸法は、ほぼ糸継孔7の長さ分の寸法となる。
このように、クランプ部材68により糸20・21の位置が固定されること、及びカッター部材69により糸20・21が一定長さにて切断されることで、糸継ぎ時の糸20・21の解撚度合いや絡み度合い、継ぎ目が形成される位置から糸端までの寸法等のばらつきが減少し、糸継ぎした糸20・21及び結び目の品質を安定させることができる。
特に、クランプ部材68を糸継孔7の一端に配置し、カッター部材69を糸継孔7の他端に配置することで、糸20・21が固定されている位置から圧縮空気が噴出するノズル孔12までの寸法、及び該ノズル孔12から糸端までの寸法を一定にすることができ、結び目の品質を一定とすることができる。
また、糸継装置51では、下部糸継部材2における糸継孔7のカッター部材69配置側の端部に、糸継孔7と直交する方向に排気溝74が形成されている。また、ホルダ4におけるカッター部材69配置側の側面には排気孔75が形成されている。ホルダ4を下方回動した状態で、排気溝74と糸継孔7とが連通し、排気溝74と排気孔75とが連通する。
ホルダ4を下方回動した状態では、糸継孔7の両側部は、それぞれクランプ部材68とカッター部材69とで閉じられるが、糸継孔7のカッター部材69側は、排気溝74と排気孔75により外部に対して大きく開口している。これに対し、糸継孔7のクランプ部材68側は、該クランプ部材68により閉じられているため、開口部は下部糸継部材2とクランプ部材68との間の僅かな隙間のみとなり、カッター部材69側に比べて小さな開口となっている。
即ち、糸継孔7の両側面の開口部の断面積は、クランプ部材68が配置される糸20・21の根元側の方が、カッター部材69が配置される糸20・21の先端側の方よりも小さく構成されている。
そのため、糸継孔7内に噴出された圧縮空気が、乱れることなく安定して、糸20・21の先端部が位置するカッター部材69側へ向かって一方向に流れ、糸継孔7の外部に排出されることとなる。
この圧縮空気の乱れることのない一方向への流れにより、糸20・21の先端部において、ノズル孔12より下流側に位置する部分が解撚されるとともに、互いに複雑に絡み合い、安定した継ぎ目30を形成することが可能となっている。
次に、本実施の糸継方法により得られる継ぎ目について、図4を用いて説明する。
従来のスプライサーによる糸継ぎの場合、図4の(b)に示す如く、糸25・26の糸端部を予め解撚しておき、糸端部が互いに逆向きになるように重ね合わせ、または交差させ、糸継孔内で異なる二箇所から圧縮流体(空気)を噴出させる。このとき、解撚された糸端部が、糸継孔内で糸25・26の撚り方向と同方向に旋回するように圧縮空気の噴出孔を形成することにより、従来のスプライサーにおける連結部27は糸25・26と同方向の撚りを持つ。以後、連結部27およびテール25a・26aを合わせて継ぎ目31と呼ぶ。
また、従来のノッターまたは作業者の手による糸継ぎの場合、図4の(c)に示す如く、糸28・29の糸端部を結んでフィッシャーマンノットやウィーバースノットといったノット(結び目)32を形成する。以後、結び目32およびテール28a・29aを合わせて継ぎ目33と呼ぶ。
一方、図4の(a)に示す如く、本実施の糸継方法により得られた継ぎ目30は、図4の(b)および図4の(c)に示す手作業、従来のノッター、または従来のスプライサーにより得られる継ぎ目31・33と比較して、幾つかの利点を有する。
第一に、本実施の継ぎ目30は、予め糸20・21の先端部を解撚しておかなくとも、糸継ぎを行うことが可能である。これは、従来のスプライサーによる継ぎ目31は糸と同方向に撚りを形成する必要があったため、予め解撚しておき、次に解撚された糸端部を撚り方向に旋回させることが必須条件であったことによる。一方、本実施例では、撚り方向を考慮する必要がなく、糸の側面より圧縮空気を噴出してやれば圧縮空気が当たった部分は解撚し、かつ二本の糸からのファイバがランダムに絡み合って継ぎ目30が形成される。
さらに、圧縮空気が当たる部分より根元側の糸20・21は撚りが戻らないため、予め解撚しておく従来のスプライサーによる糸継方法に比べて、糸の長手方向に関する撚りの変化が少ないという利点もある。
第二に、本実施の継ぎ目30は、従来のスプライサーによる継ぎ目31と比べて絡み合う力が強い(より強い張力を付加しても継ぎ目で断線しない)。これは、前述したように、従来のスプライサーによる継ぎ目31はファイバがある程度同じ方向に旋回して絡み合っているのに対し、本実施の継ぎ目30は振動したファイバ同士がランダムに絡み合うことによる。
第三に、本実施の継ぎ目30は、従来のスプライサーによる継ぎ目31や、手作業または従来のノッターによる継ぎ目33と比べて継ぎ目を小さくすることができる。これは前述の絡み合う力が強いこととも関係している。すなわち、従来のスプライサーによる継ぎ目31では、絡み合う力が弱いため、その分糸継作業時に重なり合う糸端部の長さを大きくとる必要がある(だいたい15mm程度)ことによる。また手作業または従来のノッターによる継ぎ目33はその性質上結び目32を小さくすることが不可能であり、結果として継ぎ目33は大きいものとなる。
第四に、従来のスプライサーによる継ぎ目31は、他の部位(糸25・26の胴体部)と比較すると、糸の周方向に略均一に膨らみ、段差が形成される。さらに、図4の(b)に示すように、継ぎ目31の両端の段差がある部分にはファイバが毛羽立った形状のテール25a・26aが形成されている。
例えばニット編機において編針を通過する場合、糸25・26は長手方向に送られ、編み針の鉤爪部に当接しつつ摺動される訳であるが、該テール25a・26aはちょうど継ぎ目31の両端部(糸25・26の胴体部と比較して段差が生じる箇所)に、糸25・26の摺動方向に逆らう方向に形成されている。従って、ノットが編針の鉤爪部を通過する場合に比べれば可能性はかなり低いものの、継ぎ目31は鉤爪部を通過する際に引っかかる場合がある。また、本実施例のミシン101においては、縫い針105の針穴105aを通過する際に引っかかったり、ひどい場合には針穴105aを通過することができない場合がある。
同様に、手作業または従来のノッターによる継ぎ目33も他の部位(糸28・29の胴体部)から結び目32が大きく突出し、段差が形成されるため、本実施例のミシン101においては、縫い針105の針穴105aを通過する際に引っかかったり、ひどい場合には針穴105aを通過することができない場合がある。
これに対し、本実施の継ぎ目30は、図4の(a)に示す如く連結部23が糸の周方向において特定の方向にのみわずかに突出した形状であり、連結部23の突出した先端部分より毛羽立ちの少ないテール24が形成されている。そして、糸の周方向において継ぎ目30の突出方向の反対側は境界部23aとなっており、糸20・21が突起や段差無く糸継ぎされた状態になっている。
このように、本実施の継ぎ目30は、従来のスプライサーによる継ぎ目31や、手作業または従来のノッターによる継ぎ目33と比べて継ぎ目が小さく、かつ糸の周方向において一方向にのみわずかに突出し、その先端にテール24が形成されており、二本の糸20・21が平滑に連続した状態の境界部23aを有している。このことから、糸20・21がニット編機等において使用され、編針の鉤爪部を摺動しつつ通過する際にも、継ぎ目30は境界部23aが該鉤爪部に当接するように旋回するので、連結部23が編針に引っかかって断線する確率が従来の継ぎ目31に比べて低い。そして、断線の確率が格段に低下することは、断線時のやり直しが困難なニット編機において、特に有効性が高い。また、ノットや従来のスプライサーによる継ぎ目は、断面積や糸の撚り状態が他の部位と異なることから、手触りや、染色の具合が他の部位と異なるという問題があったが、本実施の継ぎ目30は、境界部23aの左右で糸20・21の撚り状態が変化することがなく、手触りや、染色の具合への影響が小さい。また、連結部23およびテール24は前述した如く、ニット編機等で使用した場合、鉤爪部と当接しないように旋回するため、結果としてセーターなどの衣類等の内側に連結部23およびテール24が位置する形になることから、外観を損ねたり、手触りで違和感を覚えることがない。
糸替え作業における糸継作業時の本発明に係るミシンを示す図。 糸替え作業における糸継作業終了後の本発明に係るミシンを示す図。 糸替え作業終了時の本発明に係るミシンを示す図。 継ぎ目を示す模式図。 糸継機構の外観を示す斜視図。 糸継機構の空圧回路図。 糸継装置の第一実施例を示す斜視図。 糸継装置の第一実施例を示す右側面図。 糸継部材を示す平面図。 糸継装置の第一実施例において糸をセットした状態を示す図。 糸継装置の第一実施例において糸継孔に糸がセットされた状態を示す図。 糸継装置の第一実施例において糸継作業後の糸を示す図。 糸継装置の第二実施例を示す斜視図。 糸継装置の第二実施例においてホルダが上方回動した状態を示す左側面図。 糸継装置の第二実施例においてホルダが上方回動した状態を示す右側面図。 糸継装置の第二実施例においてホルダが上方回動した状態を示す正面図。 糸継装置の第二実施例においてホルダが下方回動した状態を示す右側面図。 糸継装置の第二実施例においてホルダが下方回動した状態を示す正面図。
符号の説明
1 糸継装置(第一実施例)
20 糸(旧糸)
21 糸(新糸)
101 ミシン
103 ボビン
104 ボビン
105 縫い針

Claims (3)

  1. 縫い針と、該縫い針に糸を供給する複数のボビンと、の間に糸継装置を配置したことを特徴とするミシン。
  2. 前記糸継装置は、作動スイッチを操作すると複数の糸の先端部に圧縮流体を作用させて複数の糸を連結させる1サイクルの糸継動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記糸継装置は、複数の糸の先端部を同じ方向に重ね合わせ、該先端部を糸継孔内に挿入し、該先端部に圧縮流体を作用させることにより、複数の糸を連結させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミシン。
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