JP2005229706A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 DC/DCコンバータが異常である場合においても、できる限り通常状態の走行を実現する。
【解決手段】 車両には、走行用バッテリ100と、走行用バッテリ100からの電力を3相交流に変換するインバータ200と、変換された3相交流電力により駆動されるモータジェネレータ300と、走行用バッテリ100の高電圧を降圧するDC/DCコンバータ400と、ECU600とを含む。DC/DCコンバータ400は、異常を検出するとECU600に異常通知信号を出力する。ECU600は、DC/DCコンバータ400から異常通知信号を受信したか否かを判断するステップと、車両の走行に不可欠な車両制御ECU700への電力供給を制限することなく、車両の走行に不可欠ではない12Vデバイス800の動作を制限する指令信号を出力するステップとを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両には、走行用バッテリ100と、走行用バッテリ100からの電力を3相交流に変換するインバータ200と、変換された3相交流電力により駆動されるモータジェネレータ300と、走行用バッテリ100の高電圧を降圧するDC/DCコンバータ400と、ECU600とを含む。DC/DCコンバータ400は、異常を検出するとECU600に異常通知信号を出力する。ECU600は、DC/DCコンバータ400から異常通知信号を受信したか否かを判断するステップと、車両の走行に不可欠な車両制御ECU700への電力供給を制限することなく、車両の走行に不可欠ではない12Vデバイス800の動作を制限する指令信号を出力するステップとを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、走行用バッテリを搭載した車両の制御装置に関し、特に、走行用バッテリからの電力を変換する電力変換機構が異常な状態となった場合に、安全な走行を可能とする車両の制御装置に関する。
エンジンに代えて走行用モータを搭載した電気自動車(走行用モータを燃料電池で動作させる車両を含む)が開発されて実用化されつつあり、また、エンジンに加えて走行用モータを搭載したハイブリッド自動車が開発されて実用化されている。このような車両は、走行用モータへの駆動電力を出力する走行用バッテリを備えている。この走行用バッテリ電源は、たとえば複数のバッテリを直列に接続したもので、モータ駆動に必要な200〜300V程度の高電圧を出力する。
また、このような車両であっても、エンジンのみを走行源とする一般的な車両と同じように、電力を必要とする機器として、電装機器(ECU(Electronic Control Unit)、灯火装置、エアコンディショナ、パワーウィンドウ、オーディオ)等の補機を搭載している。この補機へ供給される電力は、走行用モータと補機との動作電圧が異なるので、高電圧の走行用バッテリから直接供給することができない。そのため、一般的な車両と同じように、電気自動車やハイブリッド自動車にも、出力電圧が12V系のバッテリ(鉛蓄電池であることが多い)が搭載されて、補機へ電力が供給される。
また、直流電力の電圧値を変圧するDC/DCコンバータが、走行用バッテリと12V系のバッテリとの間に設けられ、回生制動時にモータジェネレータにより発電された電力により充電された高電圧バッテリの電力を降圧して、12V系の補機に供給するようにしたり、12V系のバッテリを充電するようにしたりする車両もある。
このようなDC/DCコンバータは、異常に対して、過電流保護や過電圧保護の回路を備えている。この保護機能が働くと、DC/DCコンバータの動作が停止し、12V系の補機への電力供給や、12V系のバッテリの充電が不可能となる。また、DC/DCコンバータは、動作中にかなりの高温となり、その温度の影響から内部に断線等の異常を起こすことがある。この場合も、12V系の補機への電力供給や、12V系のバッテリの充電が不可能となる。
このような車両に関連する技術が、以下の公報に開示されている。
特開平8−214409号公報(特許文献1)は、補機用バッテリ電源に対する充電が不可能となった場合でも、補機の動作をなるべく長い期間継続して走行距離を延ばすことができ、これにより車両を安全な場所あるいはメンテナンス可能な場所まで十分に到達させ得ることができる電気自動車の電力供給装置を開示する。この電気自動車の電力供給装置は、複数のバッテリを有し、走行用モータへの駆動電力を出力する走行用バッテリ電源と、補機への電力を出力する補機用バッテリ電源と、走行用バッテリ電源の電圧を変圧し、その電圧を補機用バッテリ電源に対する充電電圧として出力する充電電圧出力回路と、その充電電圧出力回路の異常を検出する異常検出回路と、この異常検出回路が異常を検出したとき、補機用バッテリ電源を走行用バッテリ電源の一部のバッテリに並列に接続する接続切換回路とを備える。
この電気自動車の電力供給装置によると、走行用バッテリ電源の電圧により走行用モータが駆動されるとともに、補機用バッテリ電源の電圧により補機が動作する。また、走行用バッテリ電源の電圧が充電電圧出力回路により降圧されて補機用バッテリ電源に充電される。充電電圧出力回路に異常が生じた場合は、それが異常検出回路により検出される。このとき、補機用バッテリ電源が走行用バッテリ電源の一部のバッテリに直結され、補機の動作をなるべく長い期間継続して走行距離を延ばすことができる。
特開平7−107620号公報(特許文献2)は、DC/DCコンバータの出力電圧を監視し、その電圧が異常に低下あるいは上昇したとき、警報を発することにより、補機バッテリの充電不足や過充電を未然に防止し得る電気自動車用DC/DCコンバータの異常監視装置を開示する。この電気自動車用DC/DCコンバータの異常監視装置は、主バッテリによりDC/DCコンバータを介して補機バッテリを充電する電気自動車用DC/DCコンバータの異常監視装置において、DC/DCコンバータの出力電圧を監視し、出力電圧の異常低下及び/又はその異常上昇を検出したとき、異常信号を出力する異常検出回路と、DC/DCコンバータの作動時に、異常検出回路からの異常信号を入力したとき、警報器を動作させる警報発生回路とを備える。
この電気自動車用DC/DCコンバータの異常監視装置によると、電気自動車の電源スイッチが投入され、DC/DCコンバータが作動中、DC/DCコンバータの故障等により、その出力電圧が異常に低下、あるいは異常に上昇した場合、異常検出回路がその出力電圧の異常を検出し、異常信号を出力する。そうすると、この異常信号を入力した警報発生回路は、警報器を動作させて、その出力電圧の異常を示す警報を発生させる。このように、DC/DCコンバータの出力電圧に異常が生じた場合、警報を発して使用者に知らせるため、出力電圧の異常に伴なって生じる補機バッテリの過充電や充電不足等の不具合を未然に防止することができる。
特開2002−200948号公報(特許文献3)は、車載電気負荷や給電系統の異常にもかかわらず、車両機能特に車両走行機能の低下を最小限に抑止可能な車両用配電装置を開示する。この車両用配電装置は、多数の車載電気負荷を搭載した自動車に装備され、車載電源と、車載電源から給電された電力を車載電気負荷へ個別に断続可能に配電する配電制御部とを備える車両用配電装置において、配電制御部は、各車載電気負荷を重要度別に複数のグループに区分けする負荷重要度情報を記憶する記憶回路と、車載電源及び配電制御部を含む給電系の部分給電可能な異常を検出する検出回路と、当異常を検出した時に負荷重要度情報に基づいて重要度が高いグループの車載電気負荷に優先給電し、重要度が低いグループの車載電気負荷への給電を遮断する給電制御回路とを含む。
この車両用配電装置によると、予めソフトウエア的に記憶する(あるいは回路的に固定される)各車載電気負荷の重要度に基づいて、給電系の部分給電可能な(たとえば全給電能力の50%の給電能力低下が生じた場合など)異常発見時に重要度が高い車載電気負荷にのみ優先給電することにより、車載電気負荷全般への給電が不可能な場合でも、重要な車載電気負荷には給電を確保する。これにより、たとえば発電系や電池系などの車載電源の不調などにより生じた給電能力低下に対して、これら重要負荷の駆動による車両機能の遂行を確実に維持することができる。
特開平8−214409号公報
特開平7−107620号公報
特開2002−200948号公報
しかしながら、上述した特許文献では、それぞれ以下に示すように問題点がある。
特許文献1に開示された電気自動車の電力供給装置では、DC/DCコンバータの異常時に、補機用バッテリ電源を、走行用バッテリ電源の一部のバッテリに並列に接続されるので、走行用バッテリ電源の一部のバッテリが補機用バッテリ電源になり、補機を動作させることができる。しかしながら、このような構成とすると、その一部のバッテリのみが著しく充電状態(SOC(States Of Charge))が低下するという問題点や、接続切換回路等の新たな回路が必要になるという問題点がある。さらに、走行用バッテリ電源の一部が補機を動作させることによる走行用バッテリ電源内のSOCのばらつきを平準化するためにはさらに新たな複雑な回路が必要になる。
特許文献2に開示された電気自動車用DC/DCコンバータの異常監視装置は、DC/DCコンバータの異常を検出するものに過ぎない。
特許文献3に開示された車両用配電装置は、給電制御回路により、重要度が低いグループの車載電気負荷への給電が遮断されてしまい、その電気負荷を作動させることができない。すなわち、給電するか、給電を遮断するかのいずれかの選択肢しかなく、車両の走行に不具合が生じる場合がある。また、この特許文献3に開示された車両用配電装置は、走行用バッテリやDC/DCコンバータを搭載した電気自動車やハイブリッド自動車を想定したものではない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電力変換機構から、または電力変換機構により供給された電力で蓄電された蓄電機構から、電気機器である補機に電力が供給される車両において、電力変換機構に異常が生じても、できる限り通常状態の走行を実現することができる、車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、電力変換機構により供給された電力により蓄電される蓄電機構と、電力変換機構または蓄電機構から電力の供給を受ける複数の電気機器とを搭載した車両の制御装置である。この車両の制御装置は、電力変換機構の異常を検知するための検知手段と、検知手段により異常が検知されると、予め定められた優先順位に従って、複数の電気機器の中から動作を抑制する電気機器を選択するための選択手段と、選択手段により選択された電気機器に動作抑制信号を出力するための出力手段とを含む。
第1の発明によると、たとえば、電力変換機構として車両に搭載されたDC/DCコンバータが異常状態になって電力変換が不可能になると、蓄電機構である、走行用の高電圧バッテリから、車両に搭載された電気機器である補機へ供給される電力の変換(降圧)や、補機用の低電圧バッテリ(充電電圧14V、放電電圧12Vの12V系バッテリ)へ供給される電力の変換(降圧)ができない状態になる。そのような場合には、走行用の高電圧バッテリの電力を降圧して補機を動作させることができなくなり、12V系バッテリから補機に電力が供給されて補機が動作することになる。12V系バッテリにより動作される複数の補機の中で、車両の走行に不可欠な、エンジンECU、パワートレーンECU、ブレーキECU等のECU関係や、エンジン電装機器、自動変速機油圧制御機器、ブレーキ電装機器、ステアリング電装機器等への電力の供給を維持した状態で、車両の走行に不可欠でない補機の電力消費を削減すべく、動作抑制信号がそれらの補機に出力される。たとえば、エアコンディショナであれば、消費電力が少なくなるように、動作状態が「強」から「弱」へ変更されるような動作抑制信号が出力される。その結果、電力変換機構から、または電力変換機構により供給された電力で蓄電された蓄電機構から、電気機器である補機に電力が供給される車両において、電力変換機構に異常が生じても、できる限り通常状態の走行を実現することができる、車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、優先順位は、車両の走行に不可欠な電気機器ほど順位が高いように設定されている。
第2の発明によると、エンジンECU、パワートレーンECU、ブレーキECU等のECU関係や、エンジン電装機器、自動変速機油圧制御機器、ブレーキ電装機器、ステアリング電装機器等への電力供給の優先順位は高く設定される。他の補機である、エアコンディショナ、オーディオ、パワードア、パワーウィンドウ等への電力供給の順位は低く設定される。すなわち、車両が「走る」、「止まる」および「曲がる」の基本的動作を維持することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置は、第1または2の発明の構成に加えて、蓄電機構の蓄電状態を検知するための手段をさらに含む。蓄電状態が予め定められた蓄電状態よりも蓄電量が低い状態であると、選択手段により動作を抑制する電気機器を選択するものである。
第3の発明によると、通常、蓄電機構としての12V系バッテリの充電状態(SOC)が高い状態であると、車両の走行に不可欠でない補機であってもその電力消費を抑制しないで、低い状態であると、車両の走行に不可欠でない補機の電力消費を抑制して、車両の走行に不可欠な補機の動作を維持する。これにより、車両が「走る」、「止まる」および「曲がる」の基本的動作を維持することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、電力変換機構は、DC/DCコンバータであって、蓄電機構は、DC/DCコンバータを介して高電圧バッテリから電力の供給を受けて充電される低電圧バッテリである。検知手段は、DC/DCコンバータの異常を検知するための手段を含む。
第4の発明によると、DC/DCコンバータが異常であって、電力変換できない状態であると、高電圧バッテリの電力を降圧して、補機に電力を供給したり、低電圧バッテリを充電することができなくなる。このような場合には、車両の走行に不可欠でない補機の動作を抑制して、車両の走行に不可欠である補機の動作を維持して、できる限り通常状態の走行を実現することができる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、高電圧バッテリは、車両の走行用回転電機へ電力を供給するものである。
第5の発明によると、高電圧バッテリは、大容量、高電圧のバッテリであるので、DC/DCコンバータが正常に動作しているときには、たとえば回生制動で得られた電力を用いて、補機に十分な電力を供給することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置について説明する。図1に、本実施の形態に係る制御装置であるECU600を含む車両の制御ブロック図を示す。この車両は、エンジンに代えてまたはエンジンに加えてモータジェネレータ300を有し、エンジンとモータジェネレータ300とにより、またはモータジェネレータ300単独で、車両を走行させるための駆動力を発生させる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置について説明する。図1に、本実施の形態に係る制御装置であるECU600を含む車両の制御ブロック図を示す。この車両は、エンジンに代えてまたはエンジンに加えてモータジェネレータ300を有し、エンジンとモータジェネレータ300とにより、またはモータジェネレータ300単独で、車両を走行させるための駆動力を発生させる。
図1に示すように、この車両には、車両の駆動輪にその回転軸が接続されたモータジェネレータ300と、モータジェネレータ300に3相交流電力を供給するインバータ200と、インバータ200に電力を供給する走行用バッテリ100とを含む。走行用バッテリ100は、たとえばニッケル水素電池や、リチウムイオン電池などの二次電池セルを多数直列に接続した、高電圧大容量のバッテリである。また、このような二次電池ではなくコンデンサなどの蓄電機構であってもよい。
走行用バッテリ100は、インバータ200に電力を供給するとともに、DC/DCコンバータ400に接続され、高電圧の電力をDC/DCコンバータ400に供給する。DC/DCコンバータ400は、走行用バッテリ100の高電圧の電力を降圧して、バッテリ(12V)500や12Vデバイス800に電力を供給する。
DC/DCコンバータ400の異常検知方法については、たとえば、上述した特許文献2等に開示されている。そのため、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
バッテリ(12V)500は、たとえば鉛蓄電池であって、エンジンのみを走行源とする通常の車両に搭載されるバッテリである。このバッテリ(12V)500またはDC/DCコンバータ400から、12Vデバイス800に電力が供給される。12Vデバイス800としては、たとえば、車両の補機として搭載される、エアコンディショナ、ヒータ、空調用ファン、オーディオ装置、パワーウィンドウ、電磁ドアロックシステム、エンジンスタータ、制動灯、前照灯、ワイパ、方向指示器、シートベルト電装品、エアバッグ電装品、エンジン電装品、自動変速機電装品、ステアリング電装品などである。
これらの12Vデバイス800は、それぞれを制御するECU600により制御され、指令信号によりその動作が制御されている。この12Vデバイス800の車両の走行に不可欠でないデバイスは、ECU600からの指令信号により、その動作を抑制して、消費電力を削減させることができるものを含む。
DC/DCコンバータ400は、ECU600に異常通知信号を送信する。異常通知信号を受信したECU600は、12Vデバイス800に対して指令信号を出力する。これらについての詳細な説明は後述する。
また、DC/DCコンバータ400またはバッテリ(12V)500から車両制御ECU700に電力が供給される。この車両制御ECU700は、たとえば、エンジン、インバータ200およびモータジェネレータ300、ステアリング装置、ブレーキ装置などの車両の基本的走行性能に関わる部分を制御する。この車両制御ECU700および、エンジンの電装品、モータジェネレータ300の電装品、ステアリング電装品およびブレーキ電装品などの12Vデバイス800に電力が正常に供給されている限り、車両は正常に走行を続けることができる。
図2を参照して、図1のECU600で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU600は、DC/DCコンバータ400から異常通知信号を受信したか否かを判断する。DC/DCコンバータは、その断線や温度異常を自らが検知して異常通知信号をECU600に出力する。DC/DCコンバータ400から異常通知信号を受信すると(S100にてYES)、処理はS110へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S110にて、ECU600は、12Vデバイス800の動作を制限する指令信号を出力する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU600を搭載した車両の動作について説明する。
車両の走行中に、たとえば、DC/DCコンバータ400のパワー素子の温度が異常に上昇して、DC/DCコンバータ400がECU600に異常通知信号を出力する。異常通知信号をECU600が受信すると(S100にてYES)、ECU600により12Vデバイス800に、その動作を制限する指令信号が出力される。12Vデバイス800の中で、このような動作を制限する指令信号を受信したデバイスにおいては、消費電力を削減すべく、動作が制限される。
たとえば、12Vデバイス800が電動コンプレッサを有するエアコンディショナである場合には、電動コンプレッサの消費電力を削減すべくその動作が制限されたり、電動ファンの風量が低く変更されたりする。このような状態においても、車両制御ECU700や、車両を制御する12Vデバイス800への電力供給は制限されることがなく、通常の走行状態を維持することができる。
以上のようにして、走行用バッテリと補機用バッテリとDC/DCコンバータを有する車両において、DC/DCコンバータが異常状態になっても、車両の走行に不可欠な12Vデバイスへの電力の供給を維持し、車両の走行に不可欠ではない12Vデバイスへの電力の供給を制限し、電力の消費を削減する。その結果、DC/DCコンバータに異常が生じても、できる限り通常状態の走行を実現することができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置について説明する。なお、本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU600により実現され、車両の制御ブロック図は、前述の図1と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置について説明する。なお、本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU600により実現され、車両の制御ブロック図は、前述の図1と同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図3を参照して、ECU600で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図3に示すフローチャートにおいて、前述の図2に示したフローチャートの中の同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S200にて、ECU600は、バッテリ(12V)500のSOCを検知する。このとき、ECU600は、バッテリ(12V)500の充放電電流値を時間積算して、バッテリ温度を考慮してバッテリのSOCを検知するバッテリECUから、バッテリ(12V)500のSOCを表わす信号を受信することにより、バッテリ(12V)500のSOCを検知するようにすればよい。
S210にて、ECU600は、S200にて検知したバッテリSOCが予め定められたしきい値未満であるか否かを判断する。バッテリSOCが予め定められたしきい値未満であると(S210にてYES)、処理はS110へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU600を搭載した車両の動作について説明する。なお、以下の動作の説明においても、前述の第1の実施の形態の動作と同じ説明については同じであるため、ここでは繰返さない。
車両走行中にDC/DCコンバータ400が異常な状態になると、ECU600がDC/DCコンバータから異常通知信号を受信する(S100にてYES)。バッテリ(12V)500のSOCが検知され(S200)、検知したバッテリSOCが、予め定められたしきい値未満であると(S210にてYES)、12Vデバイス800の動作を制限する指令信号が出力される(S110)。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるECUによると、前述の第1の実施の形態に加えて、12V系バッテリの充電状態が低い状態であるときにのみ車両の走行に不可欠でない12Vデバイスの動作を制限するようにすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 走行用バッテリ、200 インバータ、300 モータジェネレータ、400 DC/DCコンバータ、500 バッテリ、600 ECU、700 車両制御ECU、800 12Vデバイス。
Claims (5)
- 電力変換機構により供給された電力により蓄電される蓄電機構と、前記電力変換機構または前記蓄電機構から電力の供給を受ける複数の電気機器とを搭載した車両の制御装置であって、
前記電力変換機構の異常を検知するための検知手段と、
前記検知手段により異常が検知されると、予め定められた優先順位に従って、前記複数の電気機器の中から動作を抑制する電気機器を選択するための選択手段と、
前記選択手段により選択された電気機器に動作抑制信号を出力するための出力手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記優先順位は、前記車両の走行に不可欠な電気機器ほど順位が高い、請求項1に記載の車両の制御装置。
- 前記制御装置は、前記蓄電機構の蓄電状態を検知するための手段をさらに含み、
前記蓄電状態が予め定められた蓄電状態よりも蓄電量が低い状態であると、前記選択手段により動作を抑制する電気機器を選択する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記電力変換機構は、DC/DCコンバータであって、
前記蓄電機構は、前記DC/DCコンバータを介して高電圧バッテリから電力の供給を受けて充電される低電圧バッテリであって、
前記検知手段は、前記DC/DCコンバータの異常を検知するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記高電圧バッテリは、前記車両の走行用回転電機へ電力を供給する、請求項4に記載の車両の制御装置。
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