JP2005228526A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置本体の内部に直流断路機能を持たせた場合でも装置本体の小型化やコストダウンが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置は、直流電源の入力電圧を所定の電圧値に変換して出力するコンバータ回路部と、コンバータ回路部の出力を交流に変換して負荷に供給するインバータ回路部と、直流電源とコンバータ回路部との間の電路に挿入される接点部を具備してコンバータ回路部への電力供給を遮断する直流断路器10とを備え、直流断路器10を、反転ハンドル14の操作に応じて内部に収納した接点部を接触又は開離する既製のスイッチ11と、接点部が接離する方向に対して略垂直な方向に磁場を形成するように、スイッチ本体13の外側に接点部の両側に位置するように配設される永久磁石12,12とで構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池などの直流電源を交流電源に変換して負荷に供給する電力変換装置に関するものである。
従来より、図8に示すように太陽電池1の出力を交流に変換し、商用電源系統3と連系して負荷4に電力を供給する電力変換装置2が提供されており、電力変換装置2は、直流断路器10と、コンバータ回路部20と、インバータ回路部30と、フィルタ回路部40と、制御回路部50とで構成されている(例えば特許文献1参照)。
電力変換装置2の直流電源である太陽電池1の出力電圧は日射量に応じて絶えず変化し、このものでは出力電圧が0Vから300Vまでの範囲で変化するので、所定の電圧値以上(例えば150V以上)で動作させる場合には太陽電池1の出力電圧をコンバータ回路部20で商用電源系統3の交流電圧値の大略1.4倍の直流電圧に昇圧する必要があり、昇圧された直流電圧をインバータ回路部30でPWM制御などを行うことにより、パルス幅が正弦波状に変調された電圧波形が得られる。そしてフィルタ回路部40で、インバータ回路部30の出力電圧のリップル分を平滑して正弦波状の交流電圧に変換し、解列器60を介して系統側に出力している。
直流断路器10は太陽電池1とコンバータ回路部20との間の電路に挿入されて、施工時やメンテナンス時に太陽電池1からコンバータ回路部20への電力供給を遮断するために用いられるものであり、上記の各回路部20,30,40,50を収納した装置本体の外部に配置されるものや、装置本体の内部に配置されるものなど種々のものがあり、また入力数(太陽電池1の個数)に応じて複数設置されるものもある。図11(a)(b)は従来の直流断路器10の外観斜視図であり、直流断路器10としては、同図(a)に示すように外郭が所謂分電盤協約寸法の単位寸法に形成された大型のものや、同図(b)に示すように太陽光発電システム用に製造された専用のスイッチが用いられていた。
特開平9−215205号公報
上述のように電力変換装置2には、直流断路器10として外郭が所謂分電盤協約寸法の単位寸法に形成された大型のものや、太陽光発電システム用に製造されたものが用いられているが、分電盤協約寸法の単位寸法に形成された大型の直流断路器10を装置本体の内部に収納する場合、本体内部に広い取付スペースを必要とし、低容量で小型の電力変換装置の場合には取付スペースの確保が難しいという問題があった。また太陽光発電システムに用いるために製造された専用の直流断路器10では製造個数が限られるなどの理由で比較的高価なものになり、装置全体のコストアップを招くという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、装置本体の内部に直流断路機能を持たせた場合でも装置本体の小型化やコストダウンが可能な電力変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、直流電源の出力を交流に変換して負荷に供給するインバータ回路部と、直流電源とインバータ回路部との間の電路に挿入される接点部を具備してインバータ回路部への電力供給を遮断する直流断路器とを備え、該直流断路器を、操作部の操作に応じて接点部を接触又は開離するスイッチと、接点部が接離する方向に対して略垂直な方向に磁場を形成するように、スイッチ本体の外側に接点部の両側に位置するように配設される永久磁石とで構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、装置本体に、インバータ回路部からの電線が接続される内部配線接続部、および内部配線接続部に電気的に接続されるとともに直流電源からの入力線が接続される入力線接続部を備えた端子台と、入力線接続部に入力線を着脱する作業を行う作業スペースの外側で且つ内部配線接続部の近傍に設けた取付スペースにスイッチが配置されるようにスイッチを保持する固定部材とを設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、上記スイッチが取着される固定部材の面を、装置本体が建物の壁に取り付けられた際に鉛直方向に対して約60度の角度で斜め下向きに傾斜するような傾斜面に形成したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、上記固定部材は強磁性材料により、永久磁石の周りを取り囲み、永久磁石とともに閉磁路を形成するような形状に形成されたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、上記カバー部材が、操作部における中心軸を挟んだ両端部の内、オフ操作時に押圧する側の一端部を覆い、操作部の一端部を押操作する操作部材をカバー部材に設けたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記カバー部材が、操作部における中心軸を挟んだ両端部の内、オフ操作時に押圧する側の一端部を覆い、一端部を押操作するための操作部材をカバー部材に設けたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、装置本体が、インバータ回路部および直流断路器を少なくとも収納する箱状のケースと、当該ケースに設けた開口部を開閉自在に塞ぐパネル部材とを備え、パネル部材の内側面に、パネル部材の開閉動作に応じて操作部を押圧してスイッチをオン/オフさせるための操作突起を設けたことを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、スイッチと永久磁石とを組み合わせて直流断路器を構成しているので、小型で安価な直流断路器を実現でき、したがって直流断路器を装置本体の内部に収納する場合でも装置本体を小型にでき、また装置全体のコストダウンを図ることもできる。さらにスイッチ本体の両側に永久磁石を配置し、接点部が接離する方向と略垂直な方向に磁場を形成しているので、大電流の遮断時に発生するアークを消弧して、接点部を確実に開極させることができる。
請求項2の発明によれば、固定部材にスイッチを保持させることによって、入力線接続部に入力線を着脱する作業を行う作業スペースの外側で且つ内部配線接続部の近傍の取付スペースにスイッチを配置することができるので、内部配線接続部の近傍のスペースを有効に利用して、スイッチおよび端子台の取付スペースを集約することができ、装置本体内部の収納スペースを有効に活用することができる。
請求項3の発明によれば、スイッチが取着される固定部材の面が、装置本体を建物の壁に取り付けられた状態で鉛直方向に対して約60度の角度で斜め下向きに傾斜しているので、下側からスイッチの操作部を操作したり、操作部の操作状態を視認しやすくなるという効果がある。
請求項4の発明によれば、固定部材が強磁性材料により、永久磁石の周りを取り囲み、永久磁石とともに閉磁路を形成するような形状に形成されているので、固定部材にヨークの機能を持たせることができ、部品数を削減することができる。
請求項5の発明によれば、固定部材に設けたカバー部材によって操作部における中心軸付近の部位が覆われているので、操作部を操作する際に中心軸付近が操作されることはなく、オフ操作時に操作部の中心軸付近を操作することによって接点部の開極速度が極端に遅くなるのを防止することができる。
請求項6の発明によれば、カバー部材に設けた操作部材によって、操作部における中心軸を挟んだ両端部の内、オフ操作時に押圧する側の一端部を確実に操作することができ、オフ操作時に接点部の開極速度が極端に遅くなるのを防止することができる。
請求項7の発明によれば、ケースの開口部を開閉自在に塞ぐパネル部材の内側面に、パネル部材の開閉動作に応じて操作部を押圧してスイッチをオン/オフさせる操作突起を設けているので、パネル部材の開閉操作に連動して直流断路器をオン/オフさせることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1および図8〜図10を参照して説明する。図8に本実施形態の電力変換装置を用いる太陽光発電システムの回路図を示す。この電力変換装置2は、直流断路器10と、コンバータ回路部20と、インバータ回路部30と、フィルタ回路部40と、制御回路部50とを主要な構成として備え、直流断路器10を介して入力される太陽電池1の出力をコンバータ回路部20によって商用電源系統3の電源電圧の大略1.4倍の直流電圧に昇圧し、この昇圧された直流電圧をインバータ回路部30によりPWM制御することによって、正弦波の交流電圧に変換し、商用電源系統3と連系して負荷4に電力を供給する。
コンバータ回路部20は、直流電源たる太陽電池1からの入力電圧を所定の電圧値に変換して出力するもので、直流断路器10を介して太陽電池1の正極側の端子に一端が接続されたインダクタ21と、インダクタ21の他端と太陽電池1の負極側の端子との間に直流断路器10を介して接続されたスイッチング素子22と、スイッチング素子22におけるインダクタ21側の端子にアノードが接続されたダイオード23と、ダイオード23のカソードとスイッチング素子22の他方の端子との間に接続された大容量の電解コンデンサからなるコンデンサ24とを具備した1石式の昇圧チョッパで構成され、スイッチング素子22は制御回路部50から制御電極に印加される制御信号に応じてオン/オフが制御される。ここで、電圧検出部51がコンバータ回路部20の出力電圧を検出して、その検出結果を制御回路部50に出力しており、制御回路部50は、コンバータ回路部20の出力が所定の電圧値となるように、スイッチング素子22の制御電極に与えるパルス信号のデューティ比を変化させて、コンバータ回路部20の出力電圧を制御している。
インバータ回路部30は、コンバータ回路部20の出力端子間にスイッチング素子31,33の直列回路とスイッチング素子32,34の直列回路とをそれぞれ接続したフルブリッジ・インバータからなり、スイッチング素子31,33の接続点とスイッチング素子32,34の接続点との間にフィルタ回路部40および解列器60を介して負荷4を接続してある。各スイッチング素子31〜34は、制御回路部50から制御電極に印加される制御信号に応じてオン/オフが制御されるようになっている。
制御回路部50は、正弦波の基準発振電圧Vsを発生する基準発振器と、三角波の指令電圧Veを生成する指令電圧発生器とを備え、基準発振電圧Vsと指令電圧Veとの高低を比較することによりパルス信号S1を生成して、このパルス信号S1をスイッチング素子31,34の制御電極に与え、パルス信号S1の反転信号S2をスイッチング素子32,33の制御電極に与えることで、対角の位置に配置されたスイッチング素子31,34の組と、スイッチング素子32,33の組とを交互にオン/オフさせている。なお図9(a)は基準発振電圧Vsおよび指令電圧Veの電圧波形であり、同図(b)(c)はそれぞれパルス信号S1、反転信号S2の信号波形を示している。
上述のようにインバータ回路部30では、制御回路部50から入力されるパルス信号S1,S2によって、スイッチング素子31,34の組と、スイッチング素子32,33の組とが交互にオン/オフすることで、パルス幅が正弦波状に変調された交流の電圧波形が得られ、インダクタ41,42とコンデンサ43とで構成される次段のフィルタ回路部40により基準発振によるリップル分が平滑されて、正弦波状の電流波形が負荷4や商用電源系統3に供給されるのである。
ここで、太陽電池1とコンバータ回路部20との間に接続された直流断路器10は、施工時やメンテナンス時に太陽電池1からコンバータ回路部20への電力供給を遮断するために用いられ、電力変換装置2の装置本体(図示せず)の内部に配置されるものや、外部に配置されるものがあり、また入力数に応じて複数(本実施形態では2つ)配置されている。
本実施形態の直流断路器10は既製のスイッチ11と永久磁石12とを組み合わせて構成されるもので、図1(a)に上面図を、同図(b)に側面図を夫々示す。スイッチ11は、図10に示すように、スイッチ本体13の上面に反転ハンドル14を揺動自在に配置しており、反転ハンドル14の背面に設けた保持穴14a内にコイルばね19の一端を保持させるとともに、コイルばね19の他端を可動接触子18に設けたコ字状部18a内に保持させている。ここで反転ハンドル14が左下がりに傾斜している状態(図10に示す状態)で、反転ハンドル14の右端部を下側に押操作すると、反転ハンドル14が図中時計回りに回転し、それに応じてコイルばね19の中間部が両端部を結ぶ線を越えて左側に変位する。このときコ字状部18aの左側片がコイルばね19の中間部に押され、可動接触子18の先端部に固着された可動接点17が下側に変位して、固定接点16と接触するとともに、コイルばね19のばね力によって反転ハンドル14は右下がりに傾斜した状態を保持する。その後、両接点16,17が接触している状態で、反転ハンドル14の左端部を下側に押操作すると、反転ハンドル14が図中反時計回りに回転し、それに応じてコイルばね19の中間部が両端部を結ぶ線を越えて右側に変位する。このときコ字状部18aの右側片がコイルばね19の中間部に押され、可動接触子18の先端部に固着された可動接点17が上側に変位して、固定接点16から開離するとともに、コイルばね19のばね力によって反転ハンドル14は左下がりに傾斜した状態(図10に示す状態)を保持する。このようにスイッチ11は、反転ハンドル14の操作に応じて、本体内部に収納した接点部(固定接点16および可動接点17からなる)を接触又は開離させるタンブラースイッチからなり、プリント配線板のような実装基板15に実装されて装置本体の内部に収納されている。ここで図10中の上下方向(A方向)が接点部の接触/開離する方向となる。なお図1(a)中の11aはスイッチ11のリード端子である。ここにスイッチ11としては小型でありながら、接点ギャップが大きいものが望ましく、例えば事務機器の電源用スイッチとして提供されているものが好適である。
スイッチ本体13の内部には、接点部を構成する固定接点と可動接点とが図1(a)中の上下方向に並べて配置されおり、永久磁石12,12はスイッチ本体13の左右の側面に接点部の両側に位置するように取り付けられている。而して2つの永久磁石12,12により、接点部が接離する方向(上下方向)に対して略垂直な方向(左右方向)に磁場が形成され、接点部の開離時に発生するアークを永久磁石12,12の発生する磁場で消弧することができるので、接点部を確実に開極させることができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図2(a)〜(d)を参照して説明する。上述した実施形態1では、スイッチ11が実装された実装基板15を装置本体の内部に収納しているのに対して、本実施形態では装置本体に固定される固定部材70にスイッチ11を取り付けている。なお直流断路器10の取付形態以外は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
固定部材70は板金に抜き加工および曲げ加工を施すことによって、側面視の形状が長方形の上側の両角部を斜めに落としたような五角形に形成されて互いに並行に配置される一対の側板71,71と、各側板71,71の下側縁からそれぞれ外側に向かって突出する固定脚片72,72と、両側板71,71の上側に設けた斜辺の間を橋絡する取付片73とを一体に形成してあり、太陽電池1からの入力線を接続する端子台75は両側板71,71の下側部の間に位置するように装置本体に固定されている。なお各固定脚片72には、固定部材70を装置本体に固定するために用いるねじのような固定部材を挿通する挿通孔72aが穿設されている。
ここで、スイッチ11は、取付片73に設けた窓孔73aから反転ハンドル14を露出させた状態で取付片73に取着されており、スイッチ11が取り付けられる固定部材70の面(すなわち取付片73の表面)は、装置本体を建物の壁に取り付けた際に鉛直方向に対して斜め下向きに傾斜するような傾斜面に形成してある。したがって装置本体が壁の上側に取り付けられた場合でも反転ハンドル14の取り付けられる面が斜め下向きに傾斜しているので、装置本体の下方からでも反転ハンドル14の切替状態を容易に視認することができ、また反転ハンドル14の操作性も向上する。なおスイッチ11が取り付けられる面の鉛直方向に対する傾斜角としては約60度とするのが好ましい。
また端子台75は両側板71,71の下側部の間に配置されており、図2(b)に示すように、端子台75の上面には取付片73の投影範囲内にコンバータ回路部20からの内部配線を接続する2つの内部配線接続端子(図示せず)が配設され、取付片73の投影範囲の外側に各内部配線接続端子にそれぞれ電気的に接続されるとともに、太陽電池1からの入力線が着脱自在に接続される入力線接続部としてのねじ締め端子76,76を2つ並べて配設してある。すなわち固定部材70の取付片73は、端子台75の内部配線接続部の上側を覆うように、端子台75の上側に配置されている。
2つのねじ締め端子76,76には太陽電池1からの入力線が接続されるので、ユーザがねじ締め端子76,76に入力線を接続する作業を行うための配線スペースをねじ締め端子76,76の上側に確保する必要があり、そのため取付片73の投影範囲の外側にねじ締め端子76,76を配置してある。一方、ユーザ側で内部配線接続端子に内部配線を接続する作業を行うことは殆どないと考えられるので、固定部材70に対してねじ締め端子76,76(入力線接続部)に入力線を着脱する作業を行う作業スペースの外側で且つ内部配線接続部の近傍に設けた取付スペースにスイッチ11が配置されるように(つまり取付片73の投影範囲内に内部配線接続端子を立体的に配置するように)、スイッチ10を保持させることで、内部配線接続端子の上方のスペースを直流断路器10の取付スペースとして有効に活用することができる。
また本実施形態では固定部材70が強磁性材料からなり、スイッチ本体13における永久磁石12,12の取付部位の側方を覆う側片74,74が固定部材70と一体に形成されており、側片74,74を設けることで固定部材70の一部で永久磁石12,12とともに閉磁路を構成し、永久磁石12,12からの磁力線が外部に逃げるのを防止でき、接点の開離時に発生するアークを確実に消弧できる。また固定部材70にヨークとしての機能を持たせているので、別途の部品を追加する必要がなく、組立の手間を少なくできる。また2つの側片74,74と側板71の一部(両側片74,74の一端部が連結される部位の間の部位)とで閉磁路を1つ構成するとともに、2つの側片74,74と取付片73の一部(側片74,74の上端部が連結される部位の間の部位(図2中の斜線部))とでもう1つ閉磁路を構成しているので、永久磁石12,12からの磁力線が外部に逃げるのを低減する効果を高めることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図3(a)(b)を参照して説明する。本実施形態では、上述した実施形態1において、直流断路器10を構成するスイッチ11の反転ハンドル14の中心軸付近を覆うカバー部材80を設けることによって、オン/オフ操作の際に反転ハンドル14の中心軸付近が操作されるのを防止している。なお、カバー部材80以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態に用いる直流断路器10は、実施形態1と同様に既製のスイッチ11と永久磁石12とを組み合わせて構成されるもので、図3(a)に上面図を、同図(b)に側面図を夫々示す。スイッチ11は、スイッチ本体13の上面に反転ハンドル14が揺動自在に配置され、反転ハンドル14の操作に応じて、本体内部に収納した接点部(図示せず)を接触又は開離させるタンブラースイッチからなり、プリント配線板のような実装基板15に実装されて装置本体の内部に収納されている。そしてスイッチ本体13の左右の側面には、内部に収納した接点部の両側に位置するように永久磁石12,12が取り付けられており、2つの永久磁石12,12によって、接点部が接離する方向に対して略垂直な方向(左右方向)に磁場を形成し、接点部の開離時に発生するアークを永久磁石12,12の発生する磁場で消弧している。
ところで一般的なタンブラースイッチの接点機構は、反転ハンドル14の背面側に設けたばね保持部(図示せず)とスイッチ本体13内部の底部に設けたばね保持部(図示せず)との間に撓められた状態で取り付けられるコイルばね(図示せず)を備え、反転ハンドル14のオン/オフ操作に応じてコイルばねの中間部が両端部を結んでできる線を越えて反対側に突出しており、このコイルばねの中間部で可動接点が固着された可動接触子を押圧変位させることで、可動接点と固定接点とを接離させている。通常、スイッチ11をオン又はオフする際には反転ハンドル14の中心軸を挟んだ両端部(両端にある山型の突出部)を操作し、それに応じてスイッチ本体13に収納したコイルばねの中間部が両端部を結ぶ線を越えて反対側に突出し、固定接点と可動接点とが接触又は開離するのであるが、反転ハンドル14の回転軸付近(揺動方向の中間部)を操作したり、オン操作とオフ操作を続けておこなうような操作を行った場合、コイルばねが変形してその中間部が反対側に変位する動作速度が遅くなって、接点部の開極動作又は閉極動作の速度が極端に遅くなる可能性があり、特に開極操作の場合には遮断時間の遅延や遮断不良を招く可能性もあった。
そこで本実施形態では、スイッチ11の反転ハンドル14における中心軸付近を覆って、中心軸付近の操作を防止するカバー部材80を設けている。このカバー部材80は、実装基板15に固定され、スイッチ本体13の長手方向における一方の側面に対向配置される矩形板状の固定片81と、固定片81における左右両側縁からスイッチ本体13側へスイッチ本体13の左右の側面に沿って突出し、先端部が反転ハンドル14側に突出するL字型の側片82,82と、両側片82,82の先端部間を連結して反転ハンドル14の中心軸付近の上側に配置されるカバー片83とで構成され、カバー片83が反転ハンドル14の中心軸付近を覆っている。したがって、反転ハンドル14を操作する際に、カバー片83により反転ハンドル14の中心軸付近が操作されるのを防止して、反転ハンドル14の両端にある山型の突出部を操作させることができ、接点機構による開極動作又は閉極動作の速度が遅くなるのを防止している。
なお本実施形態のカバー部材80では、カバー片83により反転ハンドル14の中心軸付近のみを覆っているが、図4(a)(b)に示すように反転ハンドル14の中心軸付近から、中心軸を挟んだ両端部の内オフ操作時に押圧する側の一端部までを覆うカバー片84を設けるとともに、カバー片84における反転ハンドル14の上記一端部との対向部位にカバー片84を厚み方向に貫通する操作孔85を設けても良く、この場合はドライバーのような工具(図示せず)を操作孔85に挿入し、工具の先端で反転ハンドル14の上記一端部を押圧することでしか開極操作が行えないので、反転ハンドル14の適切な場所(両端にある山型の突出部)が押操作されることになり、接点機構による開極動作を確実に行わせることができる。
また本実施形態においてもカバー部材80が強磁性材料から形成されており、カバー部材80の固定片81と側片82,82とで、永久磁石12の周りを取り囲み、永久磁石12とともに閉磁路が形成されるので、カバー部材80にヨークとしての機能を持たせることが出来る。
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図5(a)(b)を参照して説明する。本実施形態では、上述の実施形態3で説明した図4に示すカバー部材80において、カバー片84の操作孔85内に操作部材としての押操作体86を上下方向において移動自在に取り付けてある。なお、押操作体86以外の構成は上述した実施形態3と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
上述のようにカバー片84には、反転ハンドル14の開極操作側の先端部と対向する部位に操作孔85を設けてあり、この操作孔85内に押操作体86が上下方向に移動自在に取り付けられているので、押操作体86を反転ハンドル14側(下側)に押操作することによって、押操作体86で反転ハンドル14の開極操作側の先端部を押操作することができる。したがって、押操作体86により反転ハンドル14の適切な場所(両端にある山型の突出部)が間接的に押操作されることになって、接点機構による開極動作を確実に行わせることができる。
なお、上述の実施形態ではカバー片84に上下動自在に取り付けた押操作体86を用いて反転ハンドル14の開極操作のみを行っているが、図6(a)(b)に示すように開極操作および閉極操作の両方を行うためのスライド操作体87をカバー片84にスライド移動自在に取り付けても良い。カバー部材80のカバー片84は、反転ハンドル14の略全体を覆っており、反転ハンドル14の中心軸を挟んだ両端部の内、一方の端部に対向する部位から他方の端部に対向する部位までカバー片84を厚み方向に貫通するスリット84aが形成されている。そして操作部材としてのスライド操作体87はカバー片84に対してスリット84aに沿ってスライド移動自在に取り付けられており、スライド摘み87の下部に設けた押し突起(図示せず)で反転ハンドル14の中心軸を挟んだ両端部を押圧することによって、反転ハンドル14の開極操作および閉極操作を行うことができる。すなわちスライド操作体87をスリット84aの一方の端までスライド移動させると、スライド操作体87の押し突起によって反転ハンドル14の一方の端部が押操作されて接点部が開極し、スライド操作体87をスリット84aの他方の端までスライド移動させると、スライド操作体87の押し突起によって反転ハンドル14の他方の端部が押操作されて接点部が閉極するので、スライド操作体87の押し突起によって反転ハンドル14の適切な場所(両端にある山型の突出部)が間接的に押操作されることになり、接点機構による開極動作を確実に行わせることができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図7(a)(b)を参照して説明する。本実施形態では、上述した実施形態1の電力変換装置2の装置本体を、実施形態1で説明した各回路部20,30,40,50および直流断路器10を少なくとも収納する箱状のケース90と、このケース90に設けた開口部(図示せず)を開閉自在に塞ぐパネル部材91とで構成してあり、パネル部材91の内側面に、パネル部材91の開閉動作に応じて反転ハンドル14を押圧してスイッチ11をオン/オフさせる操作突起92を設けている。なお、電力変換装置2の基本的な構成は上述した実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ケース90の内部には、ケース90の開口部に臨む位置に直流断路器10を実装した実装基板15が収納されており、直流断路器10の反転ハンドル14に対向するパネル部材91の内側面に操作突起92が形成されている。この操作突起92は、パネル部材91をケース90に取り付けた状態で反転ハンドル14の閉極操作側(図7(a)中の右側)の端部を押圧する位置に設けられており、パネル部材91を取り付けた状態ではスイッチ11が閉極し、太陽電池1からコンバータ回路部20へ電力が供給されている。一方、パネル部材91を取り外す方向(図中左側)へ移動させると、操作突起92により反転ハンドル14の開極操作側(図中の左側)の先端部が押圧されて、スイッチ11が開極するので、太陽電池1からコンバータ回路部20への電力供給が遮断される。
このように、本実施形態ではパネル部材91の開閉操作に連動してスイッチ11がオン/オフし、それに応じて太陽電池1からコンバータ回路部20への電力供給をオン/オフすることができ、施工時やメンテナンス時などにパネル部材91を開けると、太陽電池1からの電力供給が遮断されるから、作業時に感電などの事故が発生するのを防止することができる。
実施形態1に用いる直流断路器を示し、(a)は上面図、(b)は実装基板に実装した状態の側面図である。 実施形態2に用いる直流断路器を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は左側から見た側面図、(d)は外観斜視図である。 実施形態3に用いる直流断路器を示し、(a)は上面図、(b)は実装基板に実装した状態の側面図である。 同上の別の構成を示し、(a)は上面図、(b)は実装基板に実装した状態の側面図である。 実施形態4に用いる直流断路器を示し、(a)は上面図、(b)は実装基板に実装した状態の側面図である。 同上の別の構成を示し、(a)は上面図、(b)は実装基板に実装した状態の側面図である。 実施形態5の電力変換装置を示し、(a)は要部拡大図、(b)はケースからパネル部材を外した状態の説明図である。 同上の電力変換装置を用いた太陽光発電システムの回路図である。 (a)は基準発振電圧Vsおよび指令電圧Veの電圧波形を示す波形図、(b)はパルス信号S1の波形図、(c)は反転信号S2の波形図である。 同上に用いるスイッチの断面図である。 (a)(b)は従来の直流断路器の外観斜視図である。
符号の説明
10 直流断路器
11 スイッチ
12 永久磁石
13 スイッチ本体
14 反転ハンドル

Claims (7)

  1. 直流電源の出力を交流に変換して負荷に供給するインバータ回路部と、直流電源とインバータ回路部との間の電路に挿入される接点部を具備してインバータ回路部への電力供給を遮断する直流断路器とを備え、該直流断路器を、操作部の操作に応じて接点部を接触又は開離するスイッチと、接点部が接離する方向に対して略垂直な方向に磁場を形成するように、スイッチ本体の外側に接点部の両側に位置するように配設される永久磁石とで構成したことを特徴とする電力変換装置。
  2. 装置本体に、インバータ回路部からの電線が接続される内部配線接続部、および前記内部配線接続部に電気的に接続されるとともに直流電源からの入力線が接続される入力線接続部を備えた端子台と、前記入力線接続部に入力線を着脱する作業を行う作業スペースの外側で且つ前記内部配線接続部の近傍に設けた取付スペースに前記スイッチが配置されるように前記スイッチを保持する固定部材とを設けたことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 上記スイッチが取着される固定部材の面を、装置本体が建物の壁に取り付けられた際に鉛直方向に対して約60度の角度で斜め下向きに傾斜するような傾斜面に形成したことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 上記固定部材は強磁性材料により、永久磁石の周りを取り囲み、永久磁石とともに閉磁路を形成するような形状に形成されたことを特徴とする請求項2又は3記載の電力変換装置。
  5. 上記操作部はスイッチ本体に設けた中心軸の周りに揺動自在に取り付けられており、操作部における中心軸付近の部位を少なくとも覆うカバー部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の電力変換装置。
  6. 上記カバー部材が、操作部における中心軸を挟んだ両端部の内、オフ操作時に押圧する側の一端部を覆い、操作部の前記一端部を押操作する操作部材を前記カバー部材に設けたことを特徴とする請求項5記載の電力変換装置。
  7. 装置本体が、インバータ回路部および直流断路器を少なくとも収納する箱状のケースと、当該ケースに設けた開口部を開閉自在に塞ぐパネル部材とを備え、前記パネル部材の内側面に、パネル部材の開閉動作に応じて前記操作部を押圧してスイッチをオン/オフさせるための操作突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の電力変換装置。
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