JP2005227937A - 集積回路装置および非接触型icカード - Google Patents

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正憲 鹿島
Kenji Ito
健二 伊藤
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Abstract

【課題】本発明は物理的な信頼性が高い集積回路装置と非接触型ICカードを提供する。
【解決手段】2つのアンテナランドと集積回路を接続する2つのボンディングワイヤ15を、互いに略同一方向に向くように備えた集積回路装置12を、非接触型カード11のカード本体における偏心した位置に配置し、かつ集積回路装置12の2つのボンディングワイヤ15を前記カード本体の近接する長辺11aに向かうように配置する。
【選択図】図4

Description

本発明は、集積回路を搭載した集積回路装置、およびその集積回路装置を内蔵する非接触型ICカードの構造に関するものである。
近年、マイクロコンピュータ,メモリなどの集積回路をプラスティックカードに搭載し、外部機器とアンテナを介して信号の授受を行う非接触型ICカードが実用化されつつある。
この非接触型ICカードの用途としては、処理にスピードを必要とするアプリケーションに適用して、例えば、交通機関の定期券,コンビニエンス・ストアで買い物をする際の代金前払い(プリペイド)のキャッシュレスカード、あるいは個人認証用のID(Identification Card)カードとして実用化されつつある。このような従来の非接触型ICカードは特許文献1に開示されている。
図11は従来の非接触型ICカードを示す斜視図、図12は従来技術の集積回路装置を示す断面図、図13は従来の集積回路装置の裏面側を示す斜視図、図14は従来の集積回路装置の表面側を示す斜視図であり、従来の非接触型ICカード1は、図11に示すように、図12〜図14に示すような集積回路装置2を内蔵する構成であった。
集積回路装置2は、図12に示すように、リードフレーム3のダイパッド3a上に集積回路4をダイボンディングし、2つのアンテナランド3bと集積回路4を接続する2つのボンディングワイヤ5を、集積回路4を挟み、かつ相反する方向に配線接続した後、金型を使用してトランスファーモールドを行い、ダイパッド3aとアンテナランド3bとの分離部6aをも含み、エポキシ樹脂を用いた、いわゆるエポキシ系の熱硬化性樹脂6により封止した後、集積回路装置2として切り出すものである。
その後、集積回路装置2の2つのアンテナランド3bとアンテナ7の端部7aを接続して、カード基材8上に配線した後、図示はしないが表面基材と接着剤を介したり、熱溶着により接合して、非接触型ICカード1とするものである。
特開2000−155820号公報
しかしながら、従来の非接触型ICカードに見られるような構成では、集積回路4が内蔵された集積回路装置2の2つのアンテナランド3bとダイパッド3aの分離部6aが、熱硬化性樹脂側面に露出した状態でカード基材と表面基材の中で挟持され、非接触型ICカード1とする構成となっているため、非接触型ICカードの実用においてカード本体に外力が加わり曲がった際、その分離部6aに応力が集中し、分離部6aに割れが発生し、集積回路4とアンテナランド3bを接続しているボンディングワイヤ5が断線したり、熱硬化性樹脂とアンテナランド3bの界面に剥離が生じ、アンテナランド3b側のボンディングワイヤ5が断線したりするなどの問題があった。
本発明は、前記従来の集積回路装置の問題を解決し、信頼性の高い集積回路装置と非接触型ICカードを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載される集積回路装置は、ダイパッドと2つのアンテナランドを備えたリードフレームにおけるダイパッド上に矩形の集積回路を搭載し、前記集積回路を熱硬化性樹脂により封止した集積回路装置であって、2つの前記アンテナランドと、前記集積回路を接続する2つのボンディングワイヤを、互いに略同一方向に向くように備えた構成によって、集積回路装置に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路とアンテナランドを接続しているボンディングワイヤが断線することを防止できる。
また、請求項2に記載される集積回路装置は、ダイパッドと2つのアンテナランドを備えたリードフレームにおけるダイパッド上に矩形の集積回路を搭載し、前記集積回路を熱硬化性樹脂により封止した集積回路装置であって、2つの前記アンテナランドと、前記集積回路を接続する2つのボンディングワイヤを、互いに略直角方向に向くように備えた構成によっても、集積回路装置に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路とアンテナランドを接続しているボンディングワイヤが断線することを防止できる。
また、請求項3に記載される非接触型ICカードは、請求項1または2に記載の集積回路装置を用いる非接触型ICカードであって、前記集積回路装置を当該非接触型カードのカード本体における偏心した位置に配置し、かつ前記集積回路装置の2つのボンディングワイヤを前記カード本体における近接する短辺あるいは長辺に向かうように配置する構成によって、非接触型ICカードとしての実用において、カード本体に外力が加わり曲がった際の曲げ応力によって生じるボンディングワイヤの断線などを防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、集積回路を接続する2つのボンディングワイヤを互いに略同一方向に向くように備えた構成とすることによって、集積回路装置に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路とアンテナランドを接続しているボンディングワイヤが断線することを防止でき、また、集積回路を接続する2つのボンディングワイヤを互いに略直角方向に向くように備えた構成によっても、集積回路装置に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路とアンテナランドを接続しているボンディングワイヤが断線することを防止できる。
さらに、集積回路装置を非接触型カードのカード本体における偏心した位置に配置し、かつ集積回路装置の2つのボンディングワイヤを、カード本体における近接する短辺あるいは長辺に向かうように配置する構成によって、非接触型ICカードとしての実用において、カード本体に外力が加わり曲がった際、曲げ応力によって生じるボンディングワイヤの断線などを防止することができ、物理強度に優れた集積回路装置とそれを用いた非接触型ICカードを得ることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら本発明における実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係る集積回路装置の実施の形態1を示す平面図、図2は図1に示す集積回路装置の要部断面図である。
図1,図2に示すように、まず、厚さ1μmの銀メッキが施された厚さ0.1mmの銅化合物を用いたリードフレーム13のダイパッド13a上に集積回路14をエポキシ系の接着剤(図示せず)を使用して、ダイスボンディングした後、リードフレーム13において、ダイパッド13aと分離部16aを挟んで配置されている2つのアンテナランド13bと、集積回路14の2つのアンテナパッド14aを直径25μmの金線のボンディングワイヤ15でボンディング接続する。ここで2つのボンディングワイヤ15は2つのアンテナランド13bの略同一方向に配置される。また、タイバー13cは分離部16aの補強ともなっているため、2つのボンディングワイヤ15はタイバー13cに近接して配置することが望ましい。
その後、エポキシ系の熱硬化性樹脂16でトランスファーモールド金型を使用して、ダイパッド13a,集積回路14,ボンディングワイヤ15、および部分的にアンテナランド13bを封止し、総厚が0.4mmの集積回路装置12とする。量産にあたっては、図3に示すような連続テープ状のリードフレーム13を用いて生産することが望ましい。
次に、前記構成の集積回路装置12を搭載した本発明に係る非接触型ICカードの実施の形態1について説明する。
図4は本発明に係る接触型ICカードの実施の形態1を示す平面図、図5は図4の接触型ICカードにおける要部断面図、図6は図4の非接触型ICカードの層構成図である。
非接触型ICカード11は、図6に示すように、PET−G(Polyethylene Terephthalate Glycol)、あるいはPVC(Poly Vinyl Chloride)で形成した厚さ0.1mmの第1の中間基材17にアンテナ18を配線してなり、第1の中間基材17には非接触型ICカード11とした際、集積回路装置12が偏心した位置に配置されるように、集積回路装置12のアンテナランド13bの外形と略同じサイズの孔17aが偏心した位置に設けられている。この孔17aに集積回路装置12のボンディングワイヤ15が、図4に示す非接触型ICカード11の長辺11a側に位置するように嵌め込まれる。
集積回路装置12のアンテナランド13bとアンテナ18が、溶接などの手段により接続され、集積回路装置12の熱硬化性樹脂16の部分が、厚さ0.3mmのPET−G、あるいはPVCで形成した第2の中間基材19に設けられた孔19aに嵌め込まれ、厚さ0.2mmのPET−G、あるいはPVCで形成した一対の表面基材20の間に重ね合わせ配置され、加熱圧着あるいは層間に配置した接着剤により接合されて、図4,図5に示す総厚0.8mmの非接触型ICカード11が製造される。
以上のように構成した本実施の形態1における集積回路装置12は、2つのアンテナランド13bと、集積回路14を接続する2つのボンディングワイヤ15を、互いに略同一方向に向くように備えた構成としたため、集積回路装置12に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路14とアンテナランド13bを接続しているボンディングワイヤ15が断線したりすることを防止することができる。
そして、前記構成の集積回路装置12を用いた非接触型ICカード11によれば、集積回路装置12がカード本体における偏心した位置に配置され、集積回路装置12のボンディングワイヤ15の位置が、非接触型ICカード11のカード本体における近接する長辺11aに向かうよう配置されているため、非接触型ICカード11に実用において加わり易い、図7に示すような曲げ外力が働いた際も、通常、カード本体の中央部11cで最大応力が働き、集積回路装置12のボンディングワイヤ15の位置では加わる応力が少ないため、集積回路14とアンテナランド13bを接続しているボンディングワイヤ15が断線することを防止することができる。
前述の効果を確認するため、図4のように集積回路装置12を配置した場合(説明のためケース(1)とする)と、図8のように集積回路装置12’を配置した場合、すなわちボンディングワイヤ15’の位置が、非接触型ICカード11’のカード本体における近接する長辺11’aと逆側に向かうように配置された場合(説明のためケース(2)とする)におけるISO−7816に規定する曲げ試験に準じた試験を行った。
その結果を(表1)に示すが、図4のように集積回路装置12を配置した場合、すなわちケース(1)の方が明らかに優れた結果となった。
Figure 2005227937
試験方法について説明すると、カード本体の短辺の一面を凸状に10mm曲げる動作を250回行った後、他の面を凸状に10mm曲げる動作を250回行うことを1サイクルとし、それを10サイクルまで繰り返し、250回毎に機能確認を行った。
図9は本発明に係る集積回路装置の実施の形態2を示す平面図である。ここで、前記実施の形態1を示す図1において説明した構成材料に対応し、同等の機能を有するものには同一の符号を付して示す。
実施の形態2における集積回路14を搭載した集積回路装置12”の主構成は、実施の形態1と同様であるため詳細説明を省略するが、本実施の形態2は、実施の形態1と異なり、2つのボンディングワイヤ15”が、互いに略直角方向を向くように2つのアンテナランド13bに配置されている。
また、前記集積回路装置12”を搭載した非接触型ICカード11”についても、実施の形態1と同様の手段により実現できるため、詳細説明は省略するが、図10に示すように、互いに略直角方向に向くように配置された2つのボンディングワイヤ15”が、それぞれ非接触型ICカード11”のカード本体の近接する短辺11”bと長辺11”aに向かうように配置されている。
以上のように構成した本実施の形態2における集積回路装置12”は、2つのアンテナランド13bと、集積回路14を接続する2つのボンディングワイヤ15”を略直角方向に備えた構成としたため、集積回路装置12”に外力が加わっても機能上の破損に至る部分を限定することができるため、集積回路14とアンテナランド13bを接続しているボンディングワイヤ15”が断線することを防止できる。
そして、前記構成の集積回路装置12”を用いた非接触型ICカード11”によれば、集積回路装置12がカード本体における偏心した位置に配置され、集積回路装置12”のボンディングワイヤ15”が非接触型ICカード11”の短辺11”bおよび長辺11”aに向かうよう配置されているため、実施の形態1で説明したような曲げの外力が働いた際も、集積回路装置12”のボンディングワイヤ15”の位置では加わる応力が少ないため、集積回路14とアンテナランド13bを接続しているボンディングワイヤ15”が断線することを防止できる。
なお、各実施の形態は本発明の本質的な構成と作用を示すための好ましい例の一部であり、したがって、技術構成上、好ましい種々の限定を示したが、本発明の範囲は、前述した説明において、特に本発明を限定する旨を記載していない限り、これらの形態に限られるものではない。
本発明は、非接触型ICカードとしての実用において、カード本体に外力が加わり曲がった際、曲げ応力によって生じるボンディングワイヤの断線などを防止することが要求され、物理強度に優れた集積回路装置と、この集積回路装置を内蔵した非接触型ICカードに用いて有効である。
本発明に係る集積回路装置の実施の形態1を示す平面図 集積回路装置の実施の形態1における要部断面図 集積回路装置の実施の形態1における連続テープ状リードフレームの集積回路装置 本発明に係る接触型ICカードの実施の形態1を示す平面図 接触型ICカードの実施の形態1における要部断面図 接触型ICカードの実施の形態1における層構成図 非接触型ICカードに外力が加わり曲った状態を示す側面図 実施の形態1の非接触型ICカードとの比較試験に供与した非接触型ICカードを示す平面図 本発明に係る集積回路装置の実施の形態2を示す平面図 本発明に係る接触型ICカードの実施の形態2を示す平面図 従来の非接触型ICカードを示す斜視図 従来技術の集積回路装置を示す断面図 従来の集積回路装置の裏面側を示す斜視図 従来の集積回路装置の表面側を示す斜視図
符号の説明
1,11,11’,11” 非接触型ICカード
11a,11’a,11”a ICカードの長辺
11b” ICカードの短辺
2,12,12’,12” 集積回路装置
3,13 リードフレーム
3a,13a ダイパッド
3b,13b アンテナランド
13c タイバー
4,14 集積回路
5,15,15’,15” ボンディングワイヤ
6,16 熱硬化性樹脂
6a,16a 分離部
7,18 アンテナ
17 第1の中間基材
20 表面基材

Claims (3)

  1. ダイパッドと2つのアンテナランドを備えたリードフレームにおける前記ダイパッド上に矩形の集積回路を搭載し、前記集積回路を熱硬化性樹脂により封止した集積回路装置であって、前記集積回路より前記2つのアンテナランドに接続する2つのボンディングワイヤを、互いに略同一方向に向くように配線したことを特徴とする集積回路装置。
  2. ダイパッドと2つのアンテナランドを備えたリードフレームにおける前記ダイパッド上に矩形の集積回路を搭載し、前記集積回路を熱硬化性樹脂により封止した集積回路装置であって、前記集積回路より前記2つのアンテナランドに接続する2つのボンディングワイヤを、互いに略直角方向に向くように配線したことを特徴とする集積回路装置。
  3. 請求項1または2に記載の集積回路装置を用いる矩形の非接触型ICカードであって、前記集積回路装置を当該非接触型ICカードのカード本体の偏心した位置に配置し、かつ前記集積回路装置の2つのボンディングワイヤを前記カード本体の近接する短辺あるいは長辺に向かうように配置したことを特徴とする非接触型ICカード。
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