JP2005227665A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面形状の設計の自由度を高めること、および表面形状を高い精度で簡単に制御することが可能な形成方法、光学素子を提供する。
【解決手段】表面に複数の単位構造3が配列された基板2を備える光学素子200であって、各単位構造3は、壁部材5と、壁部材5の1つの側面5aと接触し、かつ、基板2の表面に対して傾斜した傾斜面7aを有する傾斜部材7とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子およびその製造方法に関する。
回折格子やフレネルレンズなど、表面レリーフ型(凹凸型、膜厚変調型ともいうことがある。)の光学素子が注目されている。これらの光学素子では、微細な凹凸が、周期的または準周期的に表面に形成されている。本明細書において、周期的または準周期的に配列された個々の微細な凹凸を「単位構造」ということがある。これらの単位構造は、互いに同じ形状を有する必要はない。また、「準周期的」とは、例えば、ピッチが規則的に変化する配列や、複数の周期の重ね合わせで表される配列などを含む。
このような単位構造を有する表面形状を形成するために、従来から機械切り法、グレーマスクなどを用いた光学的手法、ホログラフィック露光法、二光束干渉露光法などの種々の方法が提案され、実用化されている。
しかしながら、従来の方法によると、形成可能な単位構造の形状が限られているために光学素子の設計の自由度が低い。その上、従来の方法を用いて、単位構造の形状を精密に制御することは困難である。例えば、機械切り法によって上記表面形状を形成する場合、例えば数μm以下の微小なピッチで、微細な単位構造を高精度に形成することは難しい。また、グレーマスクなどを用いた光学的手法によれば、それぞれの微細な単位構造の形状を任意に設定することが難しい。具体的には、それぞれの微細な単位構造を構成する側面の角度を自由に選択できない。さらに、ホログラフィック露光法や二光束干渉露光法では、大きな面積を一様に露光できないため、光学素子のサイズによっては、その表面形状にムラが生じてしまう。
一方、液晶表示装置などの液晶を用いた光学素子において、液晶分子の配向を制御するために、液晶層に接する表面(典型的には配向膜の表面)に微細な凹凸を設ける方法が検討されている。以下に、液晶の配向制御について説明する。
従来広く用いられてきたTN型液晶表示装置は、水平配向型の液晶表示装置であり、液晶の配向制御は、ラビング処理を施した水平配向膜を用いて液晶分子のプレチルト(プレチルト角、プレチルト方向)を制御することにより行われていた。このうちプレチルト角は、液晶層および配向膜の材料などによって決まり、プレチルト方向はラビング方向によって規定される。一方、近年広視野角特性に優れる垂直配向型液晶表示装置の利用が広がっている。この垂直配向型液晶表示装置における配向制御は、垂直配向膜を用いて行われるが、ラビング処理を用いてプレチルト方向およびプレチルト角度を一様に制御することができないため、種々の方法が検討されている。
垂直配向型液晶表示装置において配向を制御する方法として、例えば、画素内に突起を設けたり(リブ法)、電極にスリットを設ける(斜め電界法)方法が提案されている。これらの方法では、配向膜にラビング処理を行うことなく、リブ構造あるいは斜め電界によって液晶の配向を規制できる。
しかし、これらの方法では、画素内にリブやスリットを設けることから、開口率が低下し、表示が暗くなるという問題がある。ここで、開口率とは、1画素において光が透過することのできる面積の1画素面積に占める割合をいう。さらに、基板や電極などの構造が複雑になるため、生産性が低下したり、製造プロセスの増加に伴って製造コストが増大するという欠点がある。
そこで、ラビング処理を用いずに、所定の表面形状を有する垂直配向膜を形成し、この垂直配向膜の表面形状を利用して垂直配向型液晶層のプレチルト方向を制御することが検討されている。垂直配向膜の表面に微細なピッチで周期的に配列された凹凸を形成する方法や、所定の表面形状を有する下地膜上に垂直配向膜を設けて垂直配向膜の表面形状を制御する方法が提案されている。
例えば、表面に斜方蒸着によりSiO膜が形成された基板に垂直配向膜を塗布する方法が提案されている(例えば非特許文献1)。斜方蒸着によって得られるSiO膜は、傾斜した柱状構造(単位構造)が配列された表面形状を有している。非特許文献1の方法では、SiO膜の表面形状によってプレチルト方向を制御している。また、非特許文献1には、蒸着条件を変えることによってSiO膜の表面形状を調整すれば、プレチルト角を制御できることが記載されている。
また、特許文献1には、回折格子状の溝を持つガラス基板や、表面にSiOを斜め蒸着した基板などを押圧型として用いて、垂直配向膜の表面に型押しする方法が提案されている。
さらに、非特許文献2には、干渉露光によって周期的な微細溝が形成された基板を用いて、液晶のプレチルト方向を制御する方法が提案されている。
非特許文献1および2、特許文献1などに提案された上記方法はいずれも、所定の表面形状を有する基板、押圧型などの構造体を作製し、その構造体の表面形状を反映した表面形状を有する垂直配向膜を形成するものである。しかしながら、これらの方法は、そのような構造体を作製するために斜方蒸着や干渉露光を利用しているため、以下のような問題点を有している。
第1に、斜方蒸着や干渉露光によって、構造体の表面形状を高精度に制御することは困難である。この問題は、垂直配向膜表面に、例えば数μm以下の微細なピッチで単位構造を形成しようとするときに特に顕著である。第2に、構造体における各単位構造の形状(溝における傾斜面の角度や方向など)を任意に設定できない。例えば、斜方蒸着によるSiO膜の表面に形成される単位構造の形状は蒸着条件に依存するため、単位構造の形状の選択に制限がある。そのため、任意の方向や角度を有するプレチルトを得ることが難しく、表示装置の用途が限定される。第3に、視野角特性を改善するために配向分割を行う場合(MVAモード;Multi Domain Vertical Alignment)、1画素内にプレチルト方向が互いに異なる複数の領域(ドメイン)を混在させることができる垂直配向膜を形成する必要があるが、斜め蒸着や干渉露光を用いてそのような垂直配向膜を形成するための構造体を製造しようとすると、製造プロセスが複雑になる。また、斜方蒸着を用いる方法は、基板面に対する入射角を所定の範囲内にするためには蒸着源と基板面との間にある程度以上の距離を確保する必要があるので、装置が大掛かりになり、大型の表示素子の製造に適用することはできない。
これらの問題点により、垂直配向型液晶層の配向制御を行うために、液晶層と接する表面に微細な凹凸を設ける方法は提案されているものの、未だ実用化されていない。
特開平3−150530号公報 T.UCHIDA,M.OGASAWARA,M.WADA,Jpn.J.Appl.Phys.,19,p.2127―p.2136(1980). 川合美充、入江功、嶋村徹、加賀城太一、岡田裕之、女川博義、「極微細周期形状による液晶配向制御性の検討」、2002年液晶討論会、p.111−112
上述したように、従来の技術は、表面形状(個々の単位構造の形状、配列ピッチなど)の設計の自由度が低い、あるいは、高い精度で表面形状を制御することができないという問題を有している。さらに、表面形状の形成方法が複雑であるなどの問題を有している。
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、表面形状の設計の自由度を高めること、および/または、表面形状の大きさおよび形状を高い精度で制御することが可能な形成方法を提供することにある。また、そのような表面形状を有する光学素子を提供することにある。
本発明の光学素子は、表面に複数の単位構造が配列された基板を備える光学素子であって、各単位構造は、壁部材と、前記壁部材の1つの側面と接触し、かつ、前記基板の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材とを有する。
好ましくは、前記壁部材は第1材料から形成され、前記傾斜部材は前記第1材料とは異なる第2材料から形成されている。
ある好ましい実施形態において、前記第1材料は前記第2材料よりも高い耐熱性を有する。
ある好ましい実施形態において、前記第1材料はネガレジストであり、前記第2材料はポジレジストである。
ある好ましい実施形態において、前記複数の単位構造体の表面形状によってプレチルト方向が制御された液晶層をさらに備える。
前記複数の単位構造の平均ピッチは10nm以上10μm以下であってもよい。
前記壁部材の高さは10nm以上10μm以下であってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は、前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度よりも大きい。
ある好ましい実施形態において、前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度は0°より大きく45°以下であることが好ましい。
前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度は10°以上45°以下であってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は45°超180°未満である。
前記各単位構造における前記傾斜面の法線方向は、前記基板の表面における位置に応じて予め決められた方位に傾斜していてもよい。
前記基板の表面は複数の領域を有しており、しかも前記複数の領域に含まれる前記各単位構造の前記傾斜面の法線方向は、領域ごとに異なる方位に傾斜していてもよい。
ある好ましい実施形態において、上記光学素子は、前記基板の表面または裏面に入射する光を回折させる。
前記複数の単位構造における前記傾斜面の法線方向は、ほぼ同一であってもよい。
ある好ましい実施形態において、前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は、前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度と異なっている。
本発明の液晶表示装置は、上記光学素子と、前記液晶層に電圧を印加するための電極とを備える。
本発明のマスターは、表面に複数の単位構造が配列された基板を備える光学素子を転写によって作製するためのマスターであって、表面に前記複数の単位構造にそれぞれ対応する複数の構造体が配列された支持体を備えており、各構造体は、壁部材と、前記壁部材の1つの側面と接触し、かつ前記支持体の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材とを有する。
本発明の他の光学素子は、上記マスターの表面の形状を転写することにより作製される。
本発明の光学素子の製造方法は、(a)第1材料から形成された壁部材が配列された基板を用意する工程と、(b)第2材料から形成され、それぞれが対応する壁部材の1つ側面に接触し、かつ前記基板の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材を設ける工程とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記工程(b)は、前記基板の上に第2材料から形成された中間部材を形成する工程(b−1)と、前記中間部材を変形させて前記傾斜部材を設ける工程(b−2)とを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記工程(b−1)は、前記第2材料の層を形成する工程と、前記第2材料の層をパターニングして、それぞれが対応する壁部材の1つの側面に接触する中間部材を形成する工程とを含む。
前記工程(b−2)では、前記中間部材を加熱することによって前記中間部材を変形させてもよい。
前記工程(b−2)では、前記中間部材の一部を露光し、続いて現像することによって前記中間部材を変形させてもよい。
ある好ましい実施形態において、前記工程(b)は、前記第2材料を含む溶液を前記基板の表面に付与する工程を含み、前記工程(a)および工程(b)の間に、前記壁部材の前記1つの側面の前記溶液に対する親液性を、前記壁部材の他の側面の親液性よりも高める工程をさらに含む。
前記工程(b)において、前記傾斜部材の前記傾斜面の法線方向は、前記基板の表面における位置に応じて予め決められた方位に傾斜していてもよい。
前記工程(b)の後に、前記基板の表面の形状を他の基板に転写する工程をさらに含んでもよい。
前記工程(b)の後に、前記基板の表面と接するように液晶層を設ける工程をさらに含むことができる。
本発明のさらに他の光学素子は、上記いずれかに記載の方法により製造される。
本発明の他の液晶表示装置は、上記いずれかに記載の方法により製造された光学素子と、前記液晶層に電圧を印加するための電極とを備える。
本発明によれば、表面に複数の単位構造が配列された基板を備え、単位構造のサイズ、配列ピッチ、各単位構造における傾斜面の角度などが任意かつ精確に制御された光学素子を提供できる。また、そのような光学素子を簡便に作製できる。
また、本発明によれば、液晶表示装置などの液晶層を備えた光学素子において、液晶層に任意の方位(プレチルト方向)や角度(プレチルト角)を有する初期配向(プレチルト)を与えることができるので、より精密な配向制御が可能になる。
さらに、本発明によれば、回折格子の回折効率を向上できる。
本発明の光学素子は、図1に示すように、表面に複数の単位構造3が配列された基板2を備えている。各単位構造3は、壁部材5と、壁部材5の1つの側面5aと接触し、かつ、基板2の表面に対して傾斜した傾斜面7aを有する傾斜部材7とを有することを特徴とする。本発明の光学素子は、複数の単位構造3によって形成された表面形状によって、例えば、表面レリーフ型の光学素子として用いられる。また、複数の単位構造3によって構成された表面形状によってプレチルトが制御された液晶層を備える光学素子として用いられる。
本発明によると、従来の方法より設計の自由度が高く、且つ、従来の方法よりも高精度で表面形状を制御することができる。例えば、単位構造3の壁部材5の他の側面5bと基板2の表面との間の角度a2や、傾斜面7aと基板2の表面との間の角度a1を任意に設定できる。また、単位構造3における傾斜面7aの法線Nの方向を基板2の表面における位置に応じて予め決められた方位(図1では、X方向)に傾斜させることができる。さらに、基板2の表面を複数の領域に分割し、複数の領域に含まれる各単位構造の傾斜面の法線方向を領域ごとに異なる方位に傾斜させることもできる。
これらの単位構造3は、典型的には、周期的または準周期的に配列されるが、用途に応じて種々の形態に配列され得る。また、これらの単位構造3は、同じ形状や大きさを有する必要は必ずしも無く、必要に応じて適宜設計できる。
このような単位構造3によって形成された表面形状を利用して、垂直配向型液晶層のプレチルト(方位、角度)を制御することができる。なお、本明細書では、液晶分子の長軸の傾斜方向の基板2の表面における方位を「プレチルト方向」とする。また、垂直配向型液晶層において、液晶分子の長軸の傾斜方向と基板2の表面の法線(図1では、Z方向)とがなす角度を「プレチルト角θ」とする。
垂直配向型液晶層のプレチルト方向およびプレチルト角θを制御するために、例えば、単位構造3が形成された表面上に垂直配向膜を形成し、垂直配向膜と接するように液晶層を配置することができる。この垂直配向膜は、単位構造3によって形成された表面形状を反映させた表面形状を有する。すなわち、垂直配向膜は、傾斜面7aおよび側面5bに対応して、異なる角度で傾斜する表面領域を有している。これらの各表面領域において、液晶分子は垂直配向膜の表面に対して略垂直に配向規制される。垂直配向膜の傾斜面上にある液晶分子90を例に説明すると、液晶分子90は法線Nに沿って配向規制されるので、液晶分子90のプレチルト方向はX方向となり、プレチルト角θは角度a1と略等しくなる。一方、液晶層の厚さ方向の中間付近にある液晶分子(図示せず)は、垂直配向膜の各表面領域にある液晶分子(液晶分子90など)の影響を受けて、各表面領域の傾斜角度や面積比などに応じたプレチルトを有する。従って、基板2の表面形状を制御することによって、液晶層の中間付近の液晶分子のプレチルト方向およびプレチルト角度を任意に制御できる。
(実施形態1)
図面を参照しながら、本発明による光学素子の第1の実施形態を説明する。
本実施形態の光学素子200は、図2(a)に示すように、配向制御体1と液晶層10とを備えている。配向制御体1は、基板2および、基板2の表面に配列された複数の単位構造3を有しており、液晶層10に含まれる液晶分子の配向を制御する配向制御手段として機能できる。
配向制御体1の表面に形成された単位構造3はそれぞれ、壁部材5および傾斜部材7を有している。壁部材5は、2つの側面5a、5bと、それらの側面によって形成された稜線5rとを有している。傾斜部材7は、壁部材5の1つの側面5aに接触するように形成されている。また、傾斜部材7は、基板2の表面に対して傾斜した傾斜面7aを有している。壁部材5および傾斜部材7は、典型的にはそれぞれ異なる材料から形成されている。なお、図2(a)に示す壁部材5は略三角形の断面形状を有しているが、壁部材5の断面形状は丸みを帯びていてもよいし、また四角形などの他の形状であってもよい。
図2(b)および(c)に、配向制御体1の平面図を例示する。配向制御体1における複数の単位構造3は、図2(b)に示すように、稜線5rの方向(以下、「Y方向」とする)に延びる比較的長い短冊状の形状を有し、Y方向と直交する方向(X方向)に平行に配列されていてもよい。あるいは、長い短冊状の形状を有する代わりに、図2(c)に示すように、Y方向に、所定の溝4を空けて配列された複数の比較的短い短冊状の単位構造3を用いてもよい。液晶層分子に対する配向規制力をより高めるためには、図2(c)に示すように、Y方向と異なる方向(X方向)に延びる溝4を有する構成が望ましい。図2(c)では、X方向とY方向とは直交しているが、X方向はY方向と異なる方向であればよい。なお、本実施形態では、単位構造3は周期的に配列されている必要はない。
液晶層10は、配向制御体1の表面と接するように設けられている。液晶層10は、ネガ型ネマティック液晶(Δε<0)を用いた垂直配向型液晶層である。なお、配向制御体1を用いてポジ型ネマティック液晶(Δε>0)を用いた水平配向型液晶層の配向を制御することもできる。
以下、液晶層10に含まれる液晶分子が、どのようにして単位構造3の傾斜面7aによって配向制御されるかを、例を挙げて説明する。以下の説明では、単位構造3が図2(c)に示すように配列されているものとする。
例えば、液晶層10としてネガ型ネマティック液晶を用いる場合、液晶層10に電圧を印加しない状態(以下、「OFF状態」という)において、傾斜面7aの表面における液晶分子の長軸は、配向制御体1の傾斜面7aに対して略垂直方向に配向している。このため、液晶層10の液晶分子は、基板2の表面の法線方向から傾いている(プレチルト方向)。この液晶層10に対して、基板2と垂直方向に電圧を印加すると、それぞれの液晶分子はプレチルト方向に倒れようとする。印加される電圧が十分に高いと、液晶分子は基板2の表面と略平行になる。このとき、液晶分子の長軸は溝4の方向に沿う。
本実施形態における配向制御体1が十分な液晶配向制御性を有するためには、単位構造3の平均ピッチは10nm以上であることが好ましい。一方、液晶の配向方向を配向制御体1の表面全体で制御するためには、単位構造3の平均ピッチは10μm以下であることが好ましい。本明細書において、「単位構造の(平均)ピッチ」とは、隣接する壁部材における、傾斜部材と接する側の側面の頂点間の基板表面内における距離をいう。例えば、図3(a)に示す単位構造のピッチPXは、隣接する壁部材5における傾斜部材7と接する側の側面5aの最も高い点5p間の基板表面内における距離である。同様に、壁部材が略長方形の断面を有する場合、単位構造のピッチPXは、図3(b)に示すように、隣接する壁部材6における側面6aの最も高い点6p間の基板表面内における距離である。
単位構造3が稜線5rの方向に所定の溝4を空けて配列される構成(図2(c))の場合、稜線5rの方向における単位構造3のピッチPYは、例えば10nm以上10μm以下である。また、それぞれの溝の幅は、例えば10nm以上で、単位構造3のX方向におけるピッチPX以下である。
本実施形態では、単位構造3の高さ(ここでは壁部材5の高さ)は10nm以上10μm以下であることが好ましい。高さが10nm以上であれば、配向制御体1の表面形状はより確実に液晶分子の配向を規制できる。一方、高さが10μm以下であれば、単位構造3によって液晶層10の実質的な厚さが変化することによる弊害を抑制できる。
単位構造3の傾斜面7aと基板2の表面との間の角度は、例えば0°より大きく45°以下の範囲で適宜選択できる。例えば、傾斜面7aと基板2の表面との間の角度を10°以上45°以下とすると、配向制御体1における傾斜面7aの近傍では、液晶分子は基板2の法線方向から10°以上45°以下傾いて配向させることができる。
ここで、図3(c)および(d)を用いて、「単位構造の傾斜面と基板表面との間の角度(以下、単に「傾斜面の角度」ということもある)」について説明する。本実施形態の傾斜部材7の傾斜面7aは、例えば図3(c)および(d)に示すように、その作製方法などに起因して平面にならない場合がある。このような場合、図3(c)および(d)に示すように、単位構造の稜線5rと直交する断面図において、壁部材5における傾斜部材7と接する側の側面5aの最も高い点5pと、傾斜部材7の傾斜面7aおよび基板表面の接する点7cとを結ぶ直線7Aを引く。この直線7Aと基板表面とのなす角度a1を「傾斜面の角度」とする。
単位構造3の壁部材5の側面のうち、傾斜部材7と接触していない方の側面5bと、基板2の表面との間の角度は、上述した傾斜面7aと基板2の表面との間の角度a1よりも大きいことが好ましい。壁部材5の側面5bと基板2の表面との間の角度は、典型的には45°より大きく180°未満である。なお、「壁部材5の側面5bと基板2の表面との間の角度」は、図3(e)に示すように、壁部材5の側面5bの最も高い点5p’と、側面5bおよび基板表面が接する点5cとを結ぶ直線5Bを引き、その直線5Bと基板表面とのなす角度a2をいう。
本実施形態の光学素子200では、配向制御体1の表面と液晶層との界面にある液晶分子は、配向制御体1の表面の法線方向に沿って配向している。すなわち、傾斜面上の液晶分子は、傾斜面7aの法線方向に沿って配向するプレチルト(第1プレチルト)、壁部材の側面上の液晶分子は壁部材の側面5bの法線方向に沿って配向するプレチルト(第2プレチルト)をそれぞれ有する。ここで、図2に示す光学素子200の場合、各単位構造3は非対称な断面を有し、傾斜面7aの付与するプレチルトが壁部材の側面5bの付与するプレチルトよりも支配的である。そのため、液晶層の厚さ方向の中間付近の液晶分子は、傾斜面7aによる第1プレチルトの影響をより大きく受けて、例えば、第1プレチルトと同じプレチルト方向を有し、かつ第1プレチルトよりも小さいプレチルト角を有する。なお、液晶層の厚さ方向の中間付近にある液晶分子のプレチルトは、図2の配向制御体1の表面形状だけではなく、液晶層10の上面と接する対向基板の表面の形状によっても影響される。
図2(a)に示す光学素子200では、配向制御体1における単位構造3の露出表面と液晶層10とが接触しているが、これらは接触していなくてもよい。例えば、配向制御体1と液晶層10との間に、壁部材5および傾斜部材7の露出表面を覆う膜を有していてもよい。この膜は、垂直配向膜などの配向膜であってもよいし、液晶層10に電圧を印加するための電極として機能できる導電膜であってもよい。または、導電膜と配向膜とをこの順で積層した積層膜であってもよい。上記膜は、単位構造63の形状を反映した表面形状を有するように十分薄い(例えば厚さが1μm以下)ことが望ましい。上記膜が十分に薄いと、配向制御体1の表面形状によって液晶層10の配向を制御できるからである。
以下、図面を参照しながら、図2の光学素子における配向制御体1の作製方法の一例を説明する。
図4(a)〜(e)は、熱変形(熱だれ)を生じる材料を用いて配向制御体1を作製する方法を示す断面工程図である。
まず、図4(a)に示すように、基板20に壁部材形成層(厚さ:例えば300nm)22を形成する。基板20および壁部材形成層22の材料は特に限定されないが、本実施形態では、基板20として石英基板を用い、壁部材形成層22として窒化シリコン膜を用いる。
次いで、図4(b)に示すように、壁部材形成層22の上に、例えばポジレジストを用いて複数のレジストパターン24を形成する。レジストパターン24のX方向におけるピッチは、形成しようとする壁部材のピッチ、すなわち単位構造のピッチPXに応じて選択される。本実施形態では、レジストパターン24のX方向における平均ピッチを1.6μmとする。また、X方向と直交するY方向に、平均で0.8μmの間隔を空けて複数のレジストパターン24を配置する。Y方向におけるレジストパターン24の平均ピッチは3.2μmとする。
この後、図4(c)に示すように、レジストパターン24をマスクとして壁部材形成用膜22をエッチングする。例えば、壁部材形成層(窒化シリコン膜)22に対し、バッファードフッ化水素酸を用いて、60秒間のウェットエッチングを行った後、よく水洗する。このエッチングにより、壁部材形成用膜22の厚さと対応する高さを有する壁部材26が形成される。図4(c)では、壁部材26の断面は、基板20と接する底辺を有する略三角形状であるが、壁部材26の断面形状は図4(c)に示す形状に限定されない。壁部材26の断面は、基板20と接する下辺を有する台形状であってもよい。あるいは、壁部材形成層22に対して異方性エッチングを行うことにより、略長方形状の断面を有する壁部材26を形成してもよい。
続いて、アセトンなどを用いてレジストパターン24を除去した後、基板20の上に、複数の傾斜部材形成層28を形成する(図4(d))。傾斜部材形成層28は、例えばポジレジストを用いたレジストパターンである。レジストパターン28のそれぞれは、対応する壁部材26の一方の側面26aに接触するように形成される。本実施形態では、図4(b)におけるレジストパターン24を形成する際に用いるフォトマスク(レクチル)のパターンとは0.4μmずれたパターンを有するフォトマスクを使用して、レジストパターン28を形成する。従って、隣接するレジストパターン28のX方向における平均ピッチは1.6μm、隣接するレジストパターン28の間隔は平均で0.8μmとなる。
この後、図4(e)に示すように、レジストパターン28を加熱することにより、レジストパターン28を変形させて傾斜部材30を形成する。傾斜部材30の形成は、例えば基板20をホットオーブン内(温度:135度)で10分間加熱することによって行うことができる。オーブン内の温度は、壁部材26や基板20が変形せず、かつレジストパターン28を熱変形(熱だれ)させることができる温度であればよく、壁部材26およびレジストパターン28の材料によって適宜選択される。
これにより、壁部材26と傾斜部材30とから構成された複数の単位構造32を有する配向制御体100が作製できる。得られた配向制御体100における単位構造32の平均ピッチは1.6μm、傾斜部材30の傾斜面30aと基板2との間の角度は12°である。また、本実施形態における単位構造30の断面は、図4(e)に示すように略三角形であり、その三角形の頂角(壁部材の露出側面26bと傾斜部材30の傾斜面30aとの間の角度)は112°である。
なお、図2に示す光学素子に用いる基板の作製方法は上記方法に限定されない。図4を参照しながら説明した方法では、熱だれによって傾斜部材形成層(レジストパターン)28を変形させるが、代わりに、露光によって傾斜部材形成層を変形させることもできる。
以下、図5(a)〜(e)を参照しながら、本実施形態における配向制御体の他の作製方法を説明する。この方法では、壁部材の壁を利用した斜め露光を用いて傾斜部材形成層を変形させることにより、傾斜部材を形成している。
まず、図5(a)に示すように、基板40の上に、例えば転写などによって複数の壁部材42を形成する。本実施形態では、樹脂ブラック(カラーモザイクCK−2000;富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製)を用いて壁部材42を形成する。
次いで、図5(b)に示すように、隣接する壁部材42のそれぞれの間に、基板40の表面のうち壁部材42が形成されていない表面を覆うように、傾斜部材形成層44を形成する。図5(b)では、傾斜部材形成層44の厚さは壁部材42の高さと同じであるが、これらは異なっていてもよい。傾斜部材形成層44は、例えばポジレジスト(OFPR800;東京応化社製)からなる層である。
この後、図5(c)に示すように、傾斜部材形成層(ポジレジスト層)44を斜めから露光する。露光する方向は、傾斜面を形成しようとする方向に応じて選択できる。これにより、ポジレジスト層44のうち壁部材42の影とならない部分のみが露光される。
このとき、図5(c)に示すように、基板40の表面のうち、この工程によって露光しようとする領域以外の領域をマスクで覆ってもよい。その場合、図5(b)の工程に続いて、基板40の表面のうち図5(c)に示す工程で露光された領域をマスクで覆い、マスクで覆われていない領域のポジレジスト層44を、図5(c)の露光方向とは異なる方向から露光してもよい(図5(d))。このようにして、所望の表面形状に応じて、露光方向を変えて複数回(3回以上でもよい)の斜め露光を行うことができる。なお、光透過性の基板40を用い、図5(c)および(d)に示す斜め露光を、基板40の裏面から行ってもよい。
露光後、ポジレジスト層44の現像を行うと、図5(e)に示すように、ポジレジスト層44のうち露光された部分のみが除去され、露光されなかった部分から、傾斜面46aを有する傾斜部材46が形成される。これにより、壁部材42および傾斜部材46からなる複数の単位構造48が形成された配向制御体101が得られる。なお、図5(c)および(d)に示すように、露光方向を変えて複数回の斜め露光を行った場合には、単位構造48は、それぞれの露光方向に応じて異なる法線方向を有する傾斜面を有する。
図4および図5を参照しながら説明した方法では、傾斜部材形成層を変形させて傾斜部材を形成したが、そのような変形工程を行わずに傾斜部材を形成することもできる。
以下、図6(a)〜(d)を参照しながら、本実施形態における配向制御体のさらに他の作製方法を説明する。この方法では、壁部材をダムとして用いて、インクジェット法によって基板に溶液を付与することにより傾斜部材を形成する。従って、図4や図5に示す上記方法のように、傾斜部材形成層の変形工程を行う必要がない。
まず、図6(a)に示すように、転写などにより基板50の上に、複数の壁部材52を形成する。壁部材52は、例えばポジレジスト(OFPR800、東京応化社製)から形成される。なお、壁部材52の材料は、比較的小さい表面張力を有する材料であればよく、感光性を有する必要はない。
次いで、図6(b)に示すように、壁部材52が形成された基板50に対して斜め露光を行うと、壁部材52の一方の側面52aのみが露光される。これにより、壁部材52の側面52aのみに親水性が付与され、壁部材52の他方の側面52bは撥水性を保つ。
このとき、図6(b)に示すように、基板50の表面のうち、この工程で露光しようとする領域以外の領域をマスクで覆ってもよい。その場合、図6(b)の工程に続いて、基板50の表面のうち図6(b)に示す工程で露光された領域をマスクで覆い、マスクで覆われていない領域の壁部材52を、図6(b)の露光方向とは異なる方向から露光してもよい(図6(c))。このようにして、露光方向を変えて複数回(3回以上でもよい)の斜め露光を行うことによって、各壁部材52の任意の側面に親水性を付与できる。なお、図6(b)および(c)に示す斜め露光は、基板50の裏面から行ってもよい。
この後、図6(d)に示すように、基板50の表面に対して、例えばインクジェット法により傾斜部材形成用の溶液を付与する。このとき、溶液は、壁部材52における撥水性の側面52bにはじかれて、壁部材52の親水性の側面52aおよび基板50の表面と接するように付与される。次に、付与された溶液を乾燥させることにより、傾斜面54aを有する傾斜部材54が形成される。なお、傾斜部材形成用の溶液は特に限定されないが、例えばポリビニルアルコールなどの親水性(水分散系)のインクを用いることができる。
なお、図6(d)の工程において、傾斜部材形成用の溶液として疎水性(有機溶媒系)のインクを用いてもよい。その場合、壁部材52の側面52aに親油性を付与しておく必要がある。このように、傾斜部材形成用の溶液に対する濡れ性を高めるために、壁部材52の側面52aに親水性や親油性を付与することを、「親液性を付与する」、「親液性を高める」等と表現することにする。
上記方法により、壁部材52および傾斜部材54からなる複数の単位構造56が形成された配向制御体102が得られる。なお、図6(b)および(c)に示すように、露光方向を変えて複数回の斜め露光を行った場合には、単位構造56は、それぞれの露光方向に応じて異なる法線方向を有する傾斜面54aを有する。
図4〜図6を参照しながら例示した方法によると、液晶層と接触する面全体で液晶層の初期配向を制御できる配向制御体100、101および102を簡便に作製できる。このような配向制御体100、101および102を用いると、液晶層の配向をより均一に制御できるので有利である。また、上記方法によると、配向制御体における単位構造の平均ピッチPXを小さく(例えば数μm以下)しても、傾斜面と基板の表面との間の角度や壁部材の高さなどを任意かつ精確に設定できる。また、傾斜面と基板の表面との間の角度を、壁部材のピッチや高さなどによって簡単に調整できるので、従来の方法では困難であったハイプレチルトが実現可能となる。
なお、本実施形態の光学素子は、図2に示すように、壁部材5および傾斜部材7からなる単位構造3を有する配向制御体1を備えているが、本発明の光学素子の構成は図2の構成に限定されない。例えば、配向制御体1は転写物(レプリカ)であってもよい。
以下、転写によって配向制御体1を形成する方法について説明する。
まず、例えば図4〜図6を参照しながら説明した方法と同様の方法により、表面に複数の単位構造を有する原盤を作製する。
次に、この原盤をマスターとして用いて、原盤の表面形状を樹脂材料からなる層(樹脂層)などに転写することにより、配向制御体1を形成する。樹脂層は、例えばガラス基板上などに配置されていてもよい。樹脂層の材料は特に限定されないが、公知の配向膜の材料と同じ材料を用いることができる。また、上記原盤を転写して得られた転写物をマスターとして用いて更なる転写を行うことにより、配向制御体1を形成してもよい。
このようにして形成された配向制御体1は、図2に示す配向制御体1と同等の液晶分子に対する配向制御性を有する。
(実施形態2)
図面を参照しながら、本発明による光学素子の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の光学素子は、図2を参照しながら説明した光学素子と同様の構成を有している。すなわち、表面に複数の単位構造を有する配向制御体と、配向制御体の表面に接するように配置された液晶層とを備えている。ただし、本実施形態における配向制御体では、単位構造3の傾斜面7aの法線方向は、基板2の表面における位置に応じて異なる方位に傾斜している。なお、傾斜面7aが平面でない場合、「傾斜面7aの法線方向」は、図3(c)および(d)における直線Aと直交する方向をいう。
以下、図7(a)〜(d)を参照しながら、本実施形態における配向制御体のより詳細な構造を説明する。
本実施形態における配向制御体は、例えば図7(a)に示すような基板(石英基板など)72の上に形成される。基板72は60mm×60mmの配向制御領域を有しており、この配向制御領域には、300μm×100μmの単位領域74が200個×600個並べられている。例えば、配向制御領域は表示装置における表示領域に、単位領域は表示装置における画素にそれぞれ対向して設けられる。
ここで、各単位領域74は、図7(b)に示すように、縦横ともに2分割された4つの「サブ」の領域を有している。サブ領域は、画素分割されたサブ画素に対向づけられる。各サブ領域には複数の単位構造76が配列されている。それぞれのサブ領域では、単位構造76の傾斜面76aは略同一の法線方向を有している。また、図7(c)に、図7(b)のI―I’およびII−II’断面図を示す。図7(b)および(c)に示すように、各サブ領域における傾斜面76aは、そのサブ領域を含む単位領域74の中心に対して外を向くように形成されている。
図7(d)を参照しながら、各サブ領域における単位構造76の配列状態をより詳しく説明する。単位構造76は、その稜線と直交する方向に1.6μmの平均ピッチPXで配列されている。また、単位構造76は、その稜線の方向に、0.8μmの溝を空けて、3.2μmの平均ピッチPYで配列されている。
本実施形態における配向制御体では、各単位構造の傾斜面の法線方向は、その単位構造の基板表面における位置に応じて予め決められた方位に傾斜している。従って、液晶層のプレチルト方向を所定の領域ごとに制御する、いわゆる配向分割が可能になる。そのため、本実施形態の光学素子を用いると、視野角特性が改善された表示装置が得られる。
なお、本実施形態における配向制御体の構造は、図7に示す構造に限定されない。例えば、単位領域74のサイズやサブ領域の数、形状なども任意に設定できる。本実施形態の光学素子を表示装置に適用する場合には、単位領域74のサイズは、適用しようとする表示装置の画素のサイズに対応させることが好ましい。また、各単位構造76のサイズやピッチも任意に設定できる。さらに、配向制御体は、表面に配向膜および/または導電膜を有していてもよい。この場合、配向膜と接するように液晶層を配置するとよい。
次に、本実施形態における配向分割可能な配向制御体を作製する方法を例示する。
まず、熱変形を生じる材料を用いて配向制御体を作製する方法について説明する。
図4(a)〜(c)を参照しながら説明した方法と同様の方法で、基板20の上に壁部材26を形成する。ただし、図4(b)に示すレジストパターン24は、図7(b)に示す単位構造の配置に応じて形成される。
次いで、図4(d)に示すように、フォトマスクを用いてレジストパターン28を形成する。このとき、それぞれのサブ領域において、壁部材26の側面のうち、傾斜面を形成しようとする側の側面26aと接するようなパターンを形成する。本実施形態では、図7(b)に示す単位領域の右上のサブ領域では、壁部材26を形成するためのレジストパターン24から右上に0.4μmずれたパターンが形成され、同様に、左上のサブ領域では左上に、右下のサブ領域では右下に、左下のサブ領域では左下に、それぞれ0.4μmずれたパターンが形成されるようなフォトマスクを使用する。
この後の工程は、図4(e)を参照しながら説明した工程と同様である。
上記方法により、基板表面における位置に応じて、傾斜面の向きが異なる単位構造を容易に形成できる。
また、本実施形態の配向制御体は、図5を参照しながら説明した方法と同様に、傾斜部材形成層の露光による変形を利用する方法で作製してもよい。
まず、図5(a)に示す壁部材42の形成工程において、図7(b)に示す単位構造の配置に応じて基板40の上に壁部材42を形成する。続いて、図5(c)および(d)に示すポジレジスト層44の斜め露光工程において、まず、各単位領域における右上のサブ領域以外の領域を覆うマスクを用いて、第1の斜め露光を行う。同様にして、右下、左下および左上のサブ領域以外の領域を覆うマスクをそれぞれ用いて、第2、第3および第4の斜め露光を行う。第1〜第4の斜め露光の露光方向はそれぞれ異なる。この後、ポジレジスト層44を現像する(図5(e))と、サブ領域ごとに傾斜面の向きが異なる配向制御体を形成できる。
さらに、本実施形態の配向制御体は、図6を参照しながら説明したインクジェット法を用いる方法と同様の方法でも作製できる。
まず、図6(a)に示す壁部材52の形成工程において、図7(b)に示す単位構造の配置に応じて基板50の上に壁部材52を形成する。
続いて、図6(b)および(c)に示す壁部材52の斜め露光工程において、まず、各単位領域における右上のサブ領域以外の領域を覆うマスクを用いて、第1の斜め露光を行う。同様にして、右下、左下および左上のサブ領域以外の領域を覆うマスクをそれぞれ用いて、第2、第3および第4の斜め露光を行う。第1〜第4の斜め露光の露光方向はそれぞれ異なる。この後、基板50に対して、インクジェット法などにより傾斜部材形成用の溶液を付与した後、付与した溶液を乾燥させる(図6(d))。これにより、サブ領域ごとに傾斜面の向きが異なる配向制御体を形成できる。
上述したような方法によると、単位構造のピッチ、高さおよび傾斜面の角度などが任意かつ精確に制御され、かつ配向分割が可能な配向制御体を容易に作製できる。
なお、本実施形態における配向制御体は転写物であってもよい。そのような転写物は、実施形態1で説明した転写によって配向制御体を形成する方法と同様の方法で形成され得る。さらに、図4〜図6を参照しながら説明した方法で、例えば右上のサブ領域と対応するマスターを作製し、このマスターの表面形状を、向きを変えて異なる領域に4回転写することにより、サブ領域ごとに傾斜面の法線方向が異なる配向制御体を形成することもできる。
実施形態1および実施形態2の光学素子200は、液晶表示装置に好適に用いることができる。
図8(a)および(b)はそれぞれ、光学素子200を用いた表示装置の構成例を示す断面模式図である。
図8(a)に示す表示装置では、表面に導電膜85および垂直配向膜87をこの順で有する配向制御体83と、表面に電極81および垂直配向膜88が形成された基板80とが対向し、配向制御体83および基板81によって液晶層10が狭持されている。垂直配向膜87は、液晶層10と接するように形成されている。図8(a)に示す液晶層10は垂直配向型液晶層である。
液晶層10に電圧が印加されていない状態(OFF状態)では、図8(a)に示すように、液晶層10に含まれる液晶分子90の長軸は、配向制御体83の表面(傾斜面)の影響を受けて傾いている。導電膜85および電極81によって液晶層10に電圧が印加されると、液晶分子90は、OFF状態で傾いていた方向に倒れる。なお、図8(a)に示すように、配向制御体83が、傾斜面の向きの異なる複数の領域を有していると、それぞれの領域ごとに液晶分子90の倒れる方向を制御できる。
基板80の代わりに、他の配向制御体を配向制御体83と対向するように配置して、液晶層10が2つの配向制御体によって狭持される構成にしてもよい。また、配向制御体83および/または他の配向制御体は転写物であってもよい。液晶層10は水平配向型であってもよい。
図8(b)の表示装置は、図8(a)に示す表示装置と同様の構成を有している。ただし、図8(b)の表示装置における配向制御体84は、基板2と複数の単位構造との間に導電膜82を備えており、表面に導電膜を備えていない。
配向制御体84は、例えば、基板2の表面に導電膜82を形成した後、導電膜82の上に、前述した方法で単位構造を形成することによって得られる。あるいは、配向制御体84は転写物であってもよい。このような転写物は、例えば、ガラス基板2の表面に導電膜82および樹脂層をこの順で形成した後、前述の方法によって作製されたマスターの表面形状を樹脂層に転写することによって形成できる。
実施形態1および実施形態2の光学素子200を用いて表示装置を構成すると、液晶層10の配向を略均一に制御できるので、高コントラストな表示が得られる。また、リブやスリットなどの従来の配向制御手段を備えた表示装置と比べて、リタデーションや開口率を向上できる。さらに、配向分割も可能であるため、視野角特性を改善できる。液晶層10のプレチルト角θを任意に設定でき、プレチルト角θを大きく(ハイプレチルト)することにより、液晶分子の配向をより安定して制御できる。
また、実施形態1および実施形態2の光学素子200を用いた表示装置は、リブやスリットを利用した表示装置と比べて、優れた応答特性を実現できるという利点もある。この利点について、以下に説明する。
リブやスリットなどの従来のMVA型LCDで用いられる配向制御手段は、画素内の液晶層に対して局所的(一次元的)に配置される。そのため、2次元的な広がりを有する画素内において、配向制御手段近傍にある液晶分子は比較的速く応答するのに対し、配向制御手段の影響を受けにくい位置にある液晶分子の応答が遅くなる。この応答特性の分布が表示特性を低下させることがある。
リブ法では、リブの近傍に存在する液晶分子は、リブ形状の影響を受けて所定のプレチルト(プレチルト方向およびプレチルト角)を有する。一方、隣接するリブの中間に位置する液晶分子はリブ形状の影響を受けにくいので、そのプレチルト角は、リブの近傍に存在する液晶分子よりも小さくなる。このような液晶層に電圧を印加すると、プレチルト角の大きい液晶分子から順にプレチルト方向に倒れていくため、液晶層の応答速度が小さくなる。
同様に、斜め電界法においても、スリットの近傍に存在する液晶分子と隣接するスリットの中間に位置する液晶分子とでは、スリット近傍に存在する液晶分子の方が斜め電界の影響を大きく受ける。従って、電圧を印加すると、スリット近傍に存在する液晶分子から順に応答していく。そのため、液晶層の応答時間は長くなってしまう。
これに対し、本発明では、画素部のほぼ全域に(2次元的に)均一に液晶層10の配向制御手段を形成できるので、液晶分子は液晶層における位置にかかわらず高速で応答できる。従って、液晶層10の応答速度を従来よりも大幅に向上できる。
なお、一般的に行われているラビング処理も、画素部のほぼ全域に液晶層の配向制御手段を形成するものであり、応答速度の分布が形成されることはない。しかしながら、上述したように、垂直配向型液晶層には適用できない。また、プレチルト方向の異なる領域を作るためには異なる方向にラビングする必要があり、配向制御するためのプロセスが複雑になるという問題がある。これに対し、本発明では、プレチルト方位は、傾斜面(例えば図2の傾斜面7a)の法線方向が傾斜している方位によって制御され、傾斜面の角度によってプレチルトの「角度」を制御することもできる。そのため、所定の領域ごとに異なる表面形状を形成することにより、容易に配向分割できる。
(実施形態3)
図面を参照しながら、本発明による光学素子の第3の実施形態を説明する。本実施形態の光学素子は、回折格子61である。
回折格子61は、図9に示すように、図2を参照しながら説明した配向制御体1と同様の構成を有している。すなわち、基板62の表面に配列された複数の単位構造63を有している。各単位構造63は、壁部材65と、壁部材65の一方の側面65aと接する傾斜部材67とから構成されている。傾斜部材67は、基板62の表面に対して傾斜した傾斜面67aを有している。
回折格子として機能させるためには、各単位構造63における傾斜面67aは、ほぼ同一の法線方向を有していることが好ましい。また、典型的には、単位構造63は周期的に配列されており、隣接する単位構造63のピッチはそれぞれ略等しい。単位構造63の平均ピッチ(すなわち回折格子の格子定数d)は適宜選択できる。なお、分光器の収差を補正するなどの目的で、単位構造63を不等間隔に配置することもできる。
回折格子61の構成は特に限定されない。例えば、図2(b)に示すように、それぞれが稜線5rの方向に延びる短冊状を有する複数の単位構造63が、稜線5rの方向と直交する方向に格子状に配列されている構成であってもよい。あるいは、各単位構造3が環状またはそれに近い形状に延びる稜線5rを有しており、それらの単位構造3がフレネルレンズのように同心円状に配列されていてもよい。
回折格子61を反射型回折格子として用いる場合、回折格子61は、表面に反射用の金属膜を有していてもよい。
回折格子61は、鋸歯状の格子形状を有するブレーズド回折格子であることが好ましい。一般に、回折格子における回折効率は、回折光が高次になるに従って低下する。そのため、実用的には0次光と±1次光が主に利用されるが、ブレーズド回折格子を用いると、これらの回折光のみを能率よく取り出すことができる。
回折格子61を基板62の法線方向から見ると、ある単位構造の傾斜面67aと、その単位構造と隣接する単位構造における壁部材65の側面65bとが、溝を形成している。ブレーズド回折格子を形成するためには、これらの溝の断面形状を非対称にする必要がある。溝の断面形状を非対称にするために、傾斜部材67の傾斜面67aと基板表面との間の角度(ブレーズ角)と、壁部材65の側面65bと基板表面との間の角度とが異なっていることが好ましい。また、上記溝の形状を、0次光および+1次光、または0次光および−1次光の回折効率を高めるように制御することによって、他の次数の回折光は無視できるレベルに低く押さえることができ、その結果、回折効率を向上できる。
回折格子61は、例えば図4〜図6を参照して上述した配向制御体1の作製方法と同様の方法で作製することができる。
図9のような回折格子61を従来の方法で作製する場合、例えば次のような問題がある。機械切り法を用いると、単位構造のピッチが数μm以下である微細な格子を形成することが困難である。グレーマスクなどを用いる光学的方法によると、ブレーズ角を任意に設定することが難しい。ホログラフィック露光や二光束干渉露光を用いる方法では、大きな面積を一様に露光することが難しい。また、単結晶の結晶面を利用したエッチングによって回折格子を作製する方法も提案されているが、この方法では、ブレーズ角が限定されてしまう。
これに対して、回折格子61を図4〜図6に示すような方法で作製すると、単位構造63のピッチ(格子定数)を任意かつ精確に設定できる。特に、単位構造63の平均ピッチを10μm以下、例えば数μm以下とする場合、上記方法によると、上述した従来の作製方法よりも精確に回折格子の形状を制御することが可能になる。また、上記方法では、壁部材のピッチや高さを調整することによって、傾斜面の角度(ブレーズ角)を任意に選択できるので有利である。
なお、本実施形態の光学素子は、壁部材65および傾斜部材67からなる単位構造63を有する回折格子61であるが、本発明の光学素子は、転写によって形成された回折格子であってもよい。
転写によって回折格子を形成する方法は、実施形態1における転写によって配向制御体を形成する方法と同様である。この方法において、図4〜図6に示す方法によって作製された原盤の表面形状を光透過性の樹脂材料に転写することにより、透過型の回折格子の形成が可能になる。
本発明によれば、表面に複数の単位構造が配列された基板を備えた高精細な光学素子が得られる。本発明の光学素子における単位構造のサイズ、配列ピッチ、各単位構造における傾斜面の角度などは任意かつ精確に制御され得る。特に、微細な配列ピッチを有する光学素子を高精度に形成できるので有利である。
本発明の光学素子は、液晶表示装置に適用できる。本発明の光学素子を液晶表示装置に適用すると、液晶層をより均一に配向制御できるので、高コントラストな表示が得られる。また、プレチルト角を容易かつ任意に制御できるメリットがある。
本発明を垂直配向型液晶表示装置に適用すると、液晶層の配向を面で制御できることから、リブ法や斜め電界法を利用した従来の表示装置よりも高い応答特性を実現できる。さらに、各画素に単位構造における傾斜面の向きが異なる複数の領域を設けることによって配向分割を行うと、視野角を向上できるので有利である。
また、本発明の光学素子は、種々の回折格子としても用いられ得る。本発明をブレーズド回折格子に適用すると、格子定数やブレーズ角などを任意かつ精確に制御できる。
本発明による光学素子の構成を説明するための図である。 (a)〜(c)は、本発明による実施形態1の光学素子の構成を説明するための模式図であり、(a)は断面図、(b)および(c)は平面図である。 (a)〜(e)は、本発明の光学素子における単位構造のピッチ、および傾斜面または側面の角度を説明するための図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態1における配向制御体を作製する方法を説明するための断面模式図である。 (a)〜(e)は、本発明の実施形態1における配向制御体を作製する他の方法を説明するための断面模式図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態1における配向制御体を作製するさらに他の方法を説明するための断面模式図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態2における配向制御体の構成を説明するための図である。 (a)および(b)はそれぞれ、本発明の光学素子を用いた表示装置の構成を示す図である。 本発明による実施形態3の光学素子の構成を示す断面模式図である。
符号の説明
1、100、101、102 配向制御体
2 基板
3 単位構造
5 壁部材
5a、5b 壁部材の側面
5r 壁部材の稜線
7 傾斜部材
7a 傾斜面
10 液晶層
200 光学素子

Claims (30)

  1. 表面に複数の単位構造が配列された基板を備える光学素子であって、
    各単位構造は、
    壁部材と、
    前記壁部材の1つの側面と接触し、かつ、前記基板の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材と
    を有する光学素子。
  2. 前記壁部材は第1材料から形成され、前記傾斜部材は前記第1材料とは異なる第2材料から形成されている請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1材料は前記第2材料よりも高い耐熱性を有する請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第1材料はネガレジストであり、前記第2材料はポジレジストである請求項2または3に記載の光学素子。
  5. 前記複数の単位構造体の表面形状によってプレチルト方向が制御された液晶層をさらに備えた請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記複数の単位構造の平均ピッチは10nm以上10μm以下である請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記壁部材の高さは10nm以上10μm以下である請求項5または6に記載の光学素子。
  8. 前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は、前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度よりも大きい請求項5から7のいずれかに記載の光学素子。
  9. 前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度は0°より大きく45°以下である請求項5から8のいずれかに記載の光学素子。
  10. 前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度は10°以上45°以下である請求項5から9のいずれかに記載の光学素子。
  11. 前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は45°超180°未満である請求項5から10のいずれかに記載の光学素子。
  12. 前記各単位構造における前記傾斜面の法線方向は、前記基板の表面における位置に応じて予め決められた方位に傾斜している請求項1から11に記載の光学素子。
  13. 前記基板の表面は複数の領域を有しており、しかも前記複数の領域に含まれる前記各単位構造の前記傾斜面の法線方向は、領域ごとに異なる方位に傾斜している請求項12に記載の光学素子。
  14. 前記基板の表面または裏面に入射する光を回折させる請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。
  15. 前記複数の単位構造における前記傾斜面の法線方向は、ほぼ同一である請求項14に記載の光学素子。
  16. 前記壁部材の他の側面と前記基板の表面との間の角度は、前記傾斜面と前記基板の表面との間の角度と異なっている請求項14または15に記載の光学素子。
  17. 請求項5から13に記載の光学素子と、
    前記液晶層に電圧を印加するための電極と
    を備えた液晶表示装置。
  18. 表面に複数の単位構造が配列された基板を備える光学素子を転写によって作製するためのマスターであって、
    表面に前記複数の単位構造にそれぞれ対応する複数の構造体が配列された支持体を備えており、
    各構造体は、
    壁部材と、
    前記壁部材の1つの側面と接触し、かつ前記支持体の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材と
    を有するマスター。
  19. 請求項18に記載のマスターの表面の形状を転写することにより作製された光学素子。
  20. (a)第1材料から形成された壁部材が配列された基板を用意する工程と、
    (b)第2材料から形成され、それぞれが対応する壁部材の1つ側面に接触し、かつ前記基板の表面に対して傾斜した傾斜面を有する傾斜部材を設ける工程と
    を包含する光学素子の製造方法。
  21. 前記工程(b)は、
    前記基板の上に第2材料から形成された中間部材を形成する工程(b−1)と、
    前記中間部材を変形させて前記傾斜部材を設ける工程(b−2)と
    を包含する請求項20に記載の製造方法。
  22. 前記工程(b−1)は、
    前記第2材料の層を形成する工程と、
    前記第2材料の層をパターニングして、それぞれが対応する壁部材の1つの側面に接触する中間部材を形成する工程と
    を含む請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記工程(b−2)では、前記中間部材を加熱することによって前記中間部材を変形させる請求項21または22に記載の製造方法。
  24. 前記工程(b−2)では、前記中間部材の一部を露光し、続いて現像することによって前記中間部材を変形させる請求項21または22に記載の製造方法。
  25. 前記工程(b)は、前記第2材料を含む溶液を前記基板の表面に付与する工程を含み、
    前記工程(a)および工程(b)の間に、前記壁部材の前記1つの側面の前記溶液に対する親液性を、前記壁部材の他の側面の親液性よりも高める工程をさらに含む、請求項20に記載の製造方法。
  26. 前記工程(b)において、前記傾斜部材の前記傾斜面の法線方向は、前記基板の表面における位置に応じて予め決められた方位に傾斜している請求項20から25のいずれかに記載の製造方法。
  27. 前記工程(b)の後に、前記基板の表面の形状を他の基板に転写する工程をさらに含む請求項20から26のいずれかに記載の製造方法。
  28. 前記工程(b)の後に、前記基板の表面と接するように液晶層を設ける工程をさらに含む請求項20から27のいずれかに記載の製造方法。
  29. 請求項20から請求項28のいずれかに記載の方法により製造された光学素子。
  30. 請求項28に記載の方法により製造された光学素子と、
    前記液晶層に電圧を印加するための電極と
    を備えた液晶表示装置。
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