JP2005227243A - 静電容量型センサ - Google Patents

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Ryuichi Nakano
隆一 仲野
Taizo Kikuchi
泰三 菊地
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Abstract

【課題】 水滴の付着などの外乱による誤検知をなくし、物体が近接または接触したときの精密な検知を行い、ドア閉め際の挟み込みを防止する静電容量型センサを提供する。
【解決手段】 物体を検出するために設けた静電容量の差分により検出する一対の検出電極A,Bと、前記一対の検出電極A,Bを囲むシールド電極Sとを設け、これらを絶縁部材5で被覆する。そして物体が接触した場合は検出電極Aが移動して検出電極Bに接触する構成とする。この構成により物体の挟み込みを差分値と閾値とを比較判断することで外乱による誤検知を防止するとともに、物体の非接触時と接触時の挟み込みを精度よく検知する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、接近または接触する物体を検知する静電容量型センサに関する。
従来、車両の自動開閉式スライドドアやパワーウインドのような可動部と、この可動部を受け止めるピラーや窓枠のような固定部との間に手や指などが挟まれることを防止する、挟み込み防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この挟み込み防止装置は、物体を検知する静電容量型センサを備えており、この静電容量型センサで検知した物体の検知信号によって可動部を停止し、あるいは可動部を反対方向に移動させるようになっている。
一般に、静電容量型センサは、図9(a)に示すように、検出電極E1と、接地電極E2と、検出電極E1及び接地電極E2の間に挟み込まれた絶縁体Inと、これら検出電極E1、接地電極E2及び絶縁体Inの周囲を取り囲むように配設された被覆部材とを備えている。そして、この静電容量型センサは、例えば、固定部と向き合う可動部側の端面に配設される。
このような静電容量型センサでは、図9(b)に示すように、電荷供給回路から発振回路及び出力アンプを介して検出電極E1に電荷が供給される。つまり、検出電極E1及び接地電極E2がコンデンサを構成するため、検出アンプを介して出力される電位Vは、次式(1)で表される。
V=Q/(C1+C2)・・・・・(1)
(ただし、式(1)中、Qは、静電容量型センサ(コンデンサ)に蓄えられる電気量を表し、C1は、静電容量型センサの静電容量を表し、C2は、静電容量型センサと大地との間の静電容量を表す)
そして、この静電容量型センサに物体が近接すると、静電容量型センサと物体との間の静電容量によって前記電位Vは変化する。つまり、この電位Vは、次式(2)で表される。
V=Q/(C1+C2+C3)・・・・・(2)
(ただし、式(2)中、Q、C1及びC2は、前記と同じであり、C3は、静電容量型センサと物体との間の静電容量を表す)
したがって、物体が静電容量型センサに近づけば近づくほどC3は増大していき、その結果、検出アンプを介して出力される電位Vは、小さくなっていく。つまり、静電容量型センサは、このような電位Vの変化によって、物体を検知するようになっている。
特開2001−32628号公報(段落0002〜0026、図1)
ところで、このような静電容量型センサでは、図9(c)に示すように、降雨等によって検出電極E1及び接地電極E2の周囲、例えば絶縁部材に水滴Wが付着する場合がある。このように水滴Wが絶縁部材に付着すると、この静電容量型センサは接地電極E1を有しているため、水滴Wの静電容量Cwによって、その静電容量C1が増加する。
しかしながら、静電容量型センサの静電容量C1が増加すると、この静電容量型センサは、あたかも物体が静電容量型センサに近接したかのように電位Vの出力を下げる。したがって、このような静電容量型センサを使用した挟み込み防止装置は、水滴Wが付着することによる外乱によって誤作動してしまう。また、静電容量型センサを窓ガラス、ドアなどの挟み込み検知に用いた場合には、閉まり際においては、物体がセンサに近接するために挟み込みであると誤検知する場合があり、このためドアの閉まり際においてさらなる検知精度の向上が望まれている。
そこで、本発明は、水滴が付着することによる誤検知をなくすとともに、人体などの物体が近接したときの精密な検知を行い、外乱の影響を確実に防止することができ、また、センサに物体が直接接触したときにも挟み込みを確実に防止することができる新規な静電容量型センサを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために講じた手段は、人体などの物体との間に設ける一対の検出電極により静電容量の差分を検出し、外乱に影響を受けないようにすること、そして、前記一対の検出電極をシールド電極で囲み、指向性を向上させる構造としたことを基本的な発明思想とする次のとおりのものである。
請求項1の静電容量型センサでは、それぞれが基準コンデンサに接続され、対向的に離間する一対の検出電極と、前記一対の検出電極を囲み、予め前記検出電極のそれぞれと同電位に配設したシールド電極と、前記シールド電極を保持して可撓性を有する絶縁部材と、を含むセンサ部を備え、前記シールド電極は、検出面側に開口しており、前記シールド電極の開口端部は前記検出電極より突出して設けられ、前記センサ部に物体が接触する場合は、その接触する押圧力により前記シールド電極の突出量が減少するようにしたことを特徴とする。
請求項1の静電容量型センサによれば、前記検出電極の差分を検知することによって、静電容量の変化に伴う前記検出電極の電圧変化により、近接する物体の確実な検知をすることで、水滴が付着するなどの外乱による誤検知をなくすことができる。また、前記シールド電極の配設により指向性を高めつつ、該シールド電極の突出量を減少可能にすることにより、前記検出電極の感度を高め、前記物体の挟み込みを精度よく、かつ、素早く検知することができる。
請求項2の静電容量型センサでは、請求項1において、前記シールド電極の底部と前記絶縁部材との間に圧縮性部材を設けることを特徴とする。
請求項2の静電容量型センサによれば、前記シールド電極の底部と前記絶縁部材との間に設けた圧縮性部材の圧縮性を利用することにより、該シールド電極の突出量を減少することができる。
請求項3の静電容量型センサでは、請求項1または請求項2において、前記シールド電極は金属製であることを特徴とする。
請求項3の静電容量型センサによれば、物体の接触による静電容量型センサの変形を防止できる。
請求項1によれば、水滴が付着するなどの外乱による誤検知をなくすとともに、静電容量の差分を検出する一対の検出電極とシールド電極の組み合わせにより、センサ部に物体が接触した場合には、シールド電極の突出量が減少することによって、センサ感度が飛躍的に向上する。このセンサ感度の変化に基づいて、物体がセンサに接触したときを確実に検知することができ、閉まり際の挟み込み検知精度を向上させることができる。したがって、非接触状態では、シールド電極が検出電極より突出して外乱防止効果を優先させ、接触状態ではセンサ感度を向上させて確実な挟み込み検知ができるといった、非接触・接触状態においてそれぞれ好ましい効果を得ることができる。以下削除
請求項2によれば、圧縮性部材の圧縮性を利用することで簡単な構造でシールド電極の突出量を減少可能に構成することができる。
請求項3によれば、物体の接触による静電容量型センサの変形を防止でき、安定した検出精度を保つことができる。
以下、本発明の静電容量型センサの一実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る静電容量型センサを自動車のパワースライドドアの挟み込み防止に適用して取り付けたときの様子を示す斜視図である。図2は、図1中のA−A線における静電容量型センサの断面図である。(a)は、非接触時の検出電極の配置構造を示す。(b)は、接触時の検出電極の配置構造を示す。図3は、本実施形態に係る静電容量型センサが組み込まれた挟み込み防止装置の概略図である。図4は、図3の挟み込み防止装置のブロック図である。図5は、本実施形態に係る静電容量型センサの動作を説明する概略図である。図6は、非接触型の静電容量型センサの挟み込み防止の制御フローを示すフローチャートである。図7は、静電容量型センサに対する物体の方位角度(度)と、静電容量型センサから物体までの距離(mm)と、シールド電極側壁の突出量との関係を示す円グラフである。図8は、静電容量型センサによる差分値の変化を示す実験結果を表す図である。
(全体概略)
図1は、パワードア・システムを採用した自動車のパワースライドドアの後記する挟み込み防止装置に適用した場合の本実施形態の静電容量型センサを概略的に示している。同図において、自動車の側部に設けられたパワースライドドア1には、開閉するパワースライドドア1のセンターピラー2に面した閉止側の端部に沿って静電容量型センサ3が延設されている。
(静電容量型センサ)
図1に示すように、本実施形態に係る静電容量型センサ3は、自動車のセンターピラー2と向き合うパワースライドドア1の端面の上端から下端にわたって取り付けられている。図2(a)に示すように、この静電容量型センサ3は、センサ部4とパワースライドドア1に取り付けるためのトリム部(取り付け部)13とを備えている。センサ部4は、第1検出電極Aと、この第1検出電極Aに対向的に離間して配設される第2検出電極Bと、この第1検出電極Aと第2検出電極Bとを囲むシールド電極Sと、これら各電極を被覆する絶縁部材5とから主として構成されている。
これら第1検出電極A,第2検出電極Bおよびシールド電極Sは、静電容量型センサ3の外形を形作る絶縁部材5で被覆されており、この絶縁部材5の長手方向に延びるように配設されている。つまり、これら第1検出電極A,第2検出電極Bおよびシールド電極Sは、図1に示すように、パワースライドドア1の前記端面の上端から下端にわたって配置されるようになっている。なお、絶縁部材5の絶縁材料としては、例えば、ゴム、絶縁性樹脂等が挙げられる。
図2(a)に示すように、静電容量型センサ3のセンサ部4は、互いに対向的に離間して配設される一対の第1検出電極A、第2検出電極Bを有し、この第1検出電極A,第2検出電極Bを囲むようにして配設される断面コ字状のシールド電極Sと、このシールド電極Sの裏面側に配設されるスポンジ材15と、これら第1検出電極A,第2検出電極B、シールド電極Sおよびスポンジ材15を内部に収容し、これらを被覆する絶縁性の絶縁部材5とから主として構成されている。前記第1検出電極Aと第2検出電極Bとは、絶縁体Hによって互いに離間した間隔に保持されている。第1検出電極Aは、断面コ字状のシールド電極Sの開口部側に設けられており、第2検出電極Bは、シールド電極Sの底部Sc側に配設されている。
(センサ部4の可動部)
シールド電極Sの両側の側壁Sa,Sbは、互いに高さが等しくなるように形成されており、側壁Sa,Sbの頂部は、絶縁部材5の内側に突出して設けた前記アーム部5b,5bにそれぞれ当接するように形成されている。絶縁部材5の表面部5aは、外向きの緩やかな局面に形成されている。表面部5aは、後記する物体がこの表面部5aに接触したとき、その接触力により屈曲部5e,5eが内方へ撓んで前記アーム部5b,5bがシールド電極Sの側壁Sa,Sbの頂部を押圧するように構成されている。
シールド電極Sは、スポンジ材15の圧縮により変位可能に設けられている。絶縁部材5の底部5dとシールド電極Sの底部Scとの間に配設されるスポンジ材15は、可圧縮性の材料で形成される。これにより、スポンジ材15は、絶縁部材5の表面部5aに物体が接触したとき、シールド電極Sがその押圧力を受けることに伴い圧縮されて縮小する。シールド電極Sの側壁Sa,Sbの頂部は、このスポンジ材15の圧縮に伴う変位により、その突出位置が第1検出電極Aの表面とほぼ同一面となる位置まで後退するようになっている。このシールド電極Sの側壁Sa,Sbの頂部の後退は、静電容量型センサ3の指向性と感度を変化させることができるようにするものである。なお、前記スポンジ材15は、特許請求の範囲の「圧縮性部材」に相当する。この「圧縮性部材」は、圧縮された場合の、縮小性が大きい、スポンジ状の材料が好適に用いられる。また、絶縁部材5の内部空間は閉鎖された空気層を形成する。
(センサ部4の固定部)
一方、第1検出電極A,第2検出電極Bは、図2(a)に示すように、絶縁部材5内に固定的に設けられている。絶縁部材5の底部5d内面には、スポンジ穴15a、シールド電極Sの底部穴Sdを貫通して絶縁体Hの位置を固定するための柱状の支持部16が設けられている。したがって、第1検出電極A,第2検出電極Bの配設された位置も、絶縁体Hにより固定的に保持されるようになっている。この柱状の支持部16は、絶縁体Hの底面部に当接するように絶縁部材5の底部5d内面の長手方向に沿って適宜間隔をもって突設されている。
第1検出電極A,第2検出電極Bおよびシールド電極Sは、一定幅であって、一定長さの帯状の導電性材料で形成されており、後記する第1基準コンデンサCR1(図4参照)に接続されている。そして、第1検出電極Aは、第1基準コンデンサCR1が充電された際に、一定の電圧が設定されるようになっている。この第1検出電極Aを構成する導電性材料としては、例えば、金属、ゴムに金属粉をフィラーとして含ませた導電性ゴム、導電性樹脂等が挙げられる。
第2検出電極Bは、第1検出電極Aの幅と長さに等しい幅と長さをもつ帯状の導電性材料で形成されている。この第2検出電極Bは、後記する第2基準コンデンサCR2(図4参照)に接続されており、第2基準コンデンサCR2が充電された際に、一定の電圧が設定されるようになっている。なお、本実施形態では、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2が充電された際に、第2検出電極Bの電位が、第1検出電極Aの電位と等しくなるように設定されている。この第2検出電極Bを構成する導電性材料としては、例えば、金属、ゴムに金属粉をフィラーとして含ませた導電性ゴム、導電性樹脂等が挙げられる。
この第1検出電極Aおよび第2検出電極Bは、図示の配置形態では対向する間隔を置いてセンサ方向に対して重なるように配置した構造を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、その幅方向に互いにずらして対向的に配置した構造としてもよい。
シールド電極Sは、その長さが第1検出電極Aおよび第2検出電極Bの長さと等しく、その横断面が略コ字状の導電性材料で形成されている。シールド電極Sは、その電位が、第1検出電極Aおよび第2検出電極Bの電位と等しくなるように構成されている。このシールド電極Sを構成する導電性材料としては、例えば、金属、ゴムに金属粉をフィラーとして含ませた導電性ゴム、導電性樹脂等が挙げられる。シールド電極Sを金属製とした場合は、保形性がよく、検出すべき対象の物体との接触による静電容量型センサ3の変形を防止することができるとともに、安定した検出精度を保つことができる。
図2(a)に示すように、静電容量型センサ3の前記センサ部4に隣接して、パワースライドドア1の閉止側のエッジ部分1aに取り付け可能に形成されたトリム部13が設けられている。このトリム部13には、前記第1検出電極Aのセンサ方向とは反対方向に開口する溝13aが設けられている。この溝13aは、パワースライドドア1のエッジ部分1aに取り付けるために形成されるものである。この溝13a内の対向する溝面には、抜け止め用のリップ状の係止片13bが設けられている。トリム部13には、補強部材を兼ねて断面逆U字形の外乱防止用のシールド電極Stが埋設されている。なお、このシールド電極Stに代えて、芯金を設けてもよく、また、シールド電極Sを延長して一体に形成したものを用いてもよい。
図2に示す前記センサ部4に設けた第1検出電極Aおよび第2検出電極Bは、後記する検出回路ユニット7(図4参照)に接続される。第1検出電極A,第2検出電極Bは、パワースライドドア1(図1参照)に近接する物体6(図5参照)との間に静電容量を形成するためのもので、伸縮性のある絶縁部材5によって覆われている。この絶縁部材5は、人体などの物体6に対してダメージをできるだけ少なくするために、伸縮性あるいは可撓性のあるゴムまたは化学繊維などの樹脂材などの絶縁性の材料から形成されることが好ましい。
シールド電極Sは、絶縁部材5によって覆われた前記一対の第1検出電極A,第2検出電極Bのセンサ方向(シールド電極Sの開口部の延長方向)を除く三方を囲み、シールド電極Sは、予め第1検出電極A,第2検出電極Bと同電位となるように配設して構成されている。したがって、物体6を検知しない状態の検知非作動時においては、第1検出電極A,第2検出電極Bおよびシールド電極Sとの間には、電位差が生じないようになっている。また、第1検出電極A,第2検出電極Bとシールド電極Sとの間は、絶縁体Hによって絶縁されている。
(挟み込み防止装置)
図3には、本発明の静電容量型センサ3を適用した挟み込み防止装置を示している。この挟み込み防止装置は、前記静電容量型センサ3と、検出回路ユニット7と、ECU(Electronic Control Unit)8と、ドア駆動装置9とを備えている。検出回路ユニット7、ECU8およびドア駆動装置9は、自動車の車体側に配設されている。
ドア駆動装置9は、パワースライドドア1をECU8が出力する指令信号によって開閉する公知の構造を有しており、ECU8が出力する指令信号に応じて正回転、逆回転または停止する電動モータ(図示せず)と、この電動モータの回転力を受けてパワースライドドア1を押し引きするキャタピラ等のプッシュプル機構(図示せず)とで構成されている。
図4に示すように、検出回路ユニット7は、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2と、電荷転送回路7cと、差分検出回路7aと、信号処理回路7bとを備えている。第1基準コンデンサCR1は、静電容量型センサ3の第1検出電極Aに接続されており、第2基準コンデンサCR2は、同様に第2検出電極Bに接続されている。また、これら第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2には、スイッチ操作により電源供給が開始されると、次に説明する電荷転送回路7cによって充電されて基準の電気量を蓄えるようになっている。なお、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2は、それぞれ同じ容量のコンデンサでよいが、適宜異なる容量のコンデンサを用いてもよい。
本実施形態における第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2は、物体と第1検出電極A,第2検出電極Bとの間に発生するそれぞれのコンデンサの静電容量変化を検出して比較し、第1検出電極A,第2検出電極B間の電位変動をみる場合の基準とするために検出回路に設けている。
電荷転送回路7cは、パワースライドドア1のドア開閉スイッチ(図示せず)が操作されてスイッチオンの状態で起動されて、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2に前記電気量を充電するように構成されている。また、パワースライドドア1が完全閉止の状態では、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2に充電された前記電気量は放電するように構成されている。この電荷転送回路7cとしては、公知の構成のものを採用することができる。前記ドア開閉スイッチは、自動車のドアの内壁と運転席のドアの内壁などに設ける。
差分検出回路7aは、第1検出電極Aおよび第2検出電極Bに接続されており、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2に前記電気量が充電された際の、第1検出電極Aおよび第2検出電極Bに設定された電位を検出するとともに、第1検出電極Aの電位と第2検出電極Bの電位との差分値を検出するようになっている。そして、この差分検出回路7aは、検出した差分検出信号を次に説明する信号処理回路7bに出力するように構成されている。この差分検出回路7aには、例えば、公知の差動増幅回路を使用することができる。
信号処理回路7bは、差分検出回路7aからの差分検出信号を入力するとともに、差分検出信号に基づく差分値と、予め設定された差分の閾値とを比較するようになっている。そして、この信号処理回路7bは、差分検出信号に基づく差分値が予め設定した閾値と比較して、人体などの物体6の検知を判断するようになっている。
図8は、本実施形態に係る静電容量型センサ3の実験結果を表す図である。図8において、差分検出信号に基づいて出力される差分値は、物体6が静電容量型センサ3から充分に遠い距離にあるときは、設定した閾値、例えば、電圧での閾値を1.5(V)とした場合、これより低い差分値1(V)程度の時間経過で推移するが、物体が静電容量型センサ3に近接すると急激に出力が増大してこの差分値が上昇する。そして、設定した閾値1.5(V)を超えると、図4に示す信号処理回路7bは、物体6の検知信号をECU8に向けて出力する。
また、物体6が静電容量型センサ3に直接に接触し、絶縁部材5の押圧力によりシールド電極Sを押し込むと、スポンジ材15が圧縮されて第1検出電極Aの面に対するシールド電極Sの側壁Sa,Sbの突出量が減少する。この側壁Sa,Sbの突出量の減少に伴い、第1検出電極Aのセンサ感度が飛躍的に向上する。図7には示していないが、この感度の飛躍的な変化に基づいて電圧の出力が増大する。一方、第2検出電極Bの位置は、もともとシールド電極Sの底部で囲まれているので、感度は変わらないから、第1検出電極A,第2検出電極B間の電位の差分値が急激に増大することになる。この出力の増加に伴う差分値の増大が設定した閾値、例えば、電圧での閾値を1.5(V)とした場合、差分値の出力が1(V)程度の時間経過で推移していた出力が、感度が向上することに伴い、急激に上昇して、閾値に達する時間が早くなる。そのため、設定した閾値1.5(V)を超える時間が早くなると、それだけ早い時間をもって信号処理回路7bは、物体の検知信号をECU8に向けて出力することができる。
このように、信号処理回路7bは、物体6の検知を判断した場合には、検知信号をECU8に向けて出力するように構成されている。この信号処理回路7bとしては、例えば、閾値が格納されるメモリと、メモリを参照して閾値と差分検出信号に基づく差分値とを比較するとともに、差分検出信号に基づく差分値が物体6の検知を判断するように設定した閾値範囲にある場合に、物体6の検知信号をECU8に向けて出力するCPU(Center Processing Unit)とで構成されるものが挙げられる。
(静電容量型センサの動作)
次に、図4,図5を参照して、静電容量型センサ3の動作について説明する。図4および図5には、説明のために、トリム部(13)を省略してセンサ部4のみを概略的に示している。一対の第1検出電極A,第2検出電極Bは、共にプラス極性の電極同士で配設されている。第1検出電極A,第2検出電極Bのそれぞれと、人体などの導電性の物体6との間に静電コンデンサCA,CBが形成される。第1検出電極A,第2検出電極Bは、シールド電極Sに囲まれた状態で、互いに空気層などの絶縁物を介して絶縁部材5内に一定間隔をもって離間して配置されている。
図5に示すように、物体6と第1検出電極Aとの間に距離daをもって静電コンデンサCAが形成される。また、物体6と第2検出電極Bとの間に距離dbをもって静電コンデンサCBが形成される。センサ部4は、それぞれの静電容量を図4に示す差分検出回路7aに送信し、この差分検出回路7aにおいて検出した静電容量に応じた電位に変換した差分値を出力するように構成されている。
図5に示すように、雨などにより、例えば、第1検出電極A,第2検出電極Bおよびシールド電極Sを被覆する絶縁部材5の表面や周囲に水滴が付着しても、第1検出電極A,第2検出電極Bの側面がシールド電極Sでカバーされているので、第1検出電極A,第2検出電極Bへの影響は非常に小さい値となっている。例えば、第1検出電極Aの表面積が見かけ上増大して静電容量の変化が現実的には発生していても、各電極が同電位に構成してあるので、電気信号としては出力されない。したがって、センサ部4の表面に水滴が付着しても、挟み込み防止装置の誤検知が起こることは防止される。また、シールド電極Sにより外部環境(温度や湿度、あるいは振動等の何らかの外部環境)の変動による静電容量の変動によって生じるノイズが低減される。したがって、外部環境によって生じるノイズに対する信号の割合(S/N比)が増大し、センサ部4の安定した検出感度が維持できる。このため、検出回路ユニット7の閾値を小さく設定することが可能となり、第1検出電極A,第2検出電極Bの検出領域を拡大することができる。
シールド電極Sの両シールド側壁Sa、Sb(図2参照)は、第1検出電極A,第2検出電極Bの電気力線の指向性を限定する指向性制御手段として機能する。この両側壁Sa、Sbは、シールド電極Sと一体に形成されている。このため、第1検出電極A,第2検出電極Bの表面から放射方向に伸びる電気力線は、両側壁Sa、Sbによりシールドされていない方向にのみ伸びることになる。したがって、第1検出電極A,第2検出電極Bの電気力線の方向、即ち、指向性を、このシールド壁Sa、Sbを設けることにより制御することができる。
(検出回路の検出法)
ここで、図4を参照して、センサ部4が接続される検出回路ユニット7の検出動作を説明する。図示の検出回路ユニット7は、差分検出回路7aを備えており、第1検出電極A,第2検出電極Bに電気的に接続されている。この差分検出回路7aと第1検出電極A,第2検出電極Bとの各々の接続回路は、検出回路ユニット7内で分岐して、第1基準コンデンサCR1,第2基準コンデンサCR2に別々に接続されている。差分検出回路7aは、第1検出電極A,第2検出電極Bが前記一定間隔により相異なる物体6との距離da,db(図5参照)間において静電コンデンサCA,CBに滞留するそれぞれの静電容量値に差が生じる。そして、差分検出回路7aでは、この静電容量値の差に対応する電位差を検出するようになっている。
(差分値の検出方式)
本発明の静電容量型センサ3による差分値の差分検出方式は、人体などの物体6の接近に伴い、第1検出電極A,第2検出電極Bの相異なる距離da,dbの差でこの第1検出電極A,第2検出電極Bと物体6と間に生起する静電容量値に差が生じ、その差に対応する電位の差分値(電位差=電圧差)に変換し、この電位の差分値を信号処理回路7bに出力して信号処理回路7bで設定した閾値と比較し、物体6の接近または接触の検知判断をさせるようにしたものである。
つまり、図1に示すように、パワースライドドア1とセンターピラー2との間に人体などの物体6が存在する状態を想定すると、図5で示したように第1検出電極Aと物体6との間にコンデンサが形成される。このコンデンサに蓄えられる前記(2)式における静電容量(C1+C2+C3)からなる静電容量の合成値Cと、検出電極の電圧Vと電荷Qとの関係から、次の式、
V=Q/C・・・・・(3)
が成立する。
ここで、第1検出電極A,第2検出電極Bの静電容量値の差は、次の式、
CA(=ε×SA/da) > CB(=ε×SB/db)・・・・・(4)
で表される。ただし、CA,CBは第1検出電極A,第2検出電極Bの静電容量、εはセンサ部4と物体6との間に存在する空気を含む物質の誘電率、SA,SBは第1検出電極A,第2検出電極Bの物体6に対向するとみなされる部分の面積、da,dbは物体6との検出間の距離である。
前記(3)式と(4)式とから分かるように、その電圧の変化は、センサ部4自体の第1検出電極A,第2検出電極Bの静電容量C1と、センサ部4と大地間容量C2とは定数とみなすことができるので、センサ部4と物体6との間の静電容量C3によるものであり、検出するセンサ部4の周辺に人体などの物体6の存在または接近によって生じるとみてよい。これにより、人体などの物体6が接近すると、電圧が下がることが分かる。したがって、静電容量型センサ検出方式の基本原理は、センサ部4に対して、人などの物体6の存在または近接によって静電容量の変化を電圧に変換して検知するものである。これにより、人体などの物体6の接近で静電容量の合成値が増加するため、非接触検知が可能となる。
前記した式(3),(4)から前記差分値は、第1検出電極A,第2検出電極Bによる電圧VAと電圧VBとの差、つまり、VA−VBによって得られる。物体6が近接するほど物体6との検出間の距離da,dbの差が大きく影響するため、この差分値VA−VBが増大する。
この電圧の差分を検出して、検知判断に利用するものであり、差分検出回路7aにより差分値(電位差値)に変換される。
差分検出回路7aで検出された差分値は、信号処理回路7bへ出力される。この信号処理回路7bへ出力された差分値は、信号処理回路7bで予め設定された閾値と比較される。この信号処理回路7bにおける設定閾値は、人体などの物体6が第1検出電極A,第2検出電極Bに近接したときのピーク値から設定する閾値、例えば、閾値1.5(V)に設定する。
(挟み込み防止装置の動作)
次に、図1〜4を参照して、本実施形態の静電容量型センサ3を適用した挟み込み防止装置の動作について説明する。図1に示すように、パワースライドドア1のドア開閉スイッチ(図示せず)を操作してドアを開けた開放状態の格納位置に移動させる。この開放状態において、ドア開閉スイッチをパワースライドドア1の閉止側に操作すると、格納位置に位置しているパワースライドドア1は、閉止工程を開始し始める。前記スイッチ操作により、ECU8は、ドア駆動装置9に設けられた電動モータ(図示せず)が正回転するように電源供給を開始する。同時に、エンコーダ(図示せず)は電動モータが正回転していることを検出し、ECU8に検出信号を送信する。同時に、ECU8は、検出回路ユニット7への電源供給を開始する。図示しないが、検出回路ユニット7と、パワースライドドア1の電動モータの駆動軸に連結したエンコーダとがECU8に接続されている。
まず、非接触検知について説明する。電動モータの正回転駆動により、パワースライドドア1が閉じられつつあるときに、パワースライドドア1の端部に延設した第1検出電極A,第2検出電極Bに人体などの物体6が接近するに従い、物体6と第1検出電極A,第2検出電極Bとの間の静電容量の合成値で形成される出力が増加する。そして、図8に示すように、第1検出電極A,第2検出電極Bの直前にまで近接すると、第1検出電極A,第2検出電極Bによる検出回路ユニット7からの出力は急激に増大する。この出力は、検出回路ユニット7の差分検出回路7aにより検出され、検出信号が信号処理回路7bに送信される。送信された電気信号の振幅が設定した閾値、例えば、閾値1.5(V)を超えると、信号処理回路7bからECU8へ信号を出力する。この信号をECU8が入力すると、ECU8は異常状態の発生の検知を判断し、ドア駆動装置9の動作を停止させる停止信号を出力する。また、それと同時にドア駆動装置9を開方向に移動させる反転信号を出力する。
なお、この検出回路ユニット7自体は、動体検出回路を有するものであるが、パワースライドドア1の閉止動作と共に第1検出電極A,第2検出電極Bが移動するため、検出領域内に近接する人などの移動する物体6の他に、検出領域内に存在する静止物体をも検出することができる。
ECU8からドア駆動装置9に停止信号を出力された場合、ECU8がエンコーダからのモータ正回転検出信号を確認した後、ドア駆動装置9は瞬時に電動モータを停止させる。さらに電動モータの極性を逆転させ、パワースライドドア1を反転させる。このため、パワースライドドア1が物体6を挟み込むことを防止することができる。本実施形態では、非接触時の設定閾値に達する検出領域を約2mmから50mm程度の範囲に調整されている。
次に、直接に接触した場合の検知について説明する。パワースライドドア1が閉じられつつあるときに、パワースライドドア1のセンサ部4に人体などの物体6が直接に接触すると、つまり、図2に示すように物体6がセンサ部4の絶縁部材5の表面部5aに直接に接触すると、絶縁部材5の表面部5aが押圧される。それに伴いスポンジ材15が圧縮され、シールド電極Sの側壁Sa,Sbが変位して後退する。これとともに、シールド電極Sの側壁Sa,Sbの第1検出電極Aからの突出量が減少して、第1検出電極Aの検出感度が飛躍的に向上する。この感度の飛躍的な変化に基づいて電圧の出力が増大する。一方、第2検出電極Bの位置は、もともとシールド電極Sの底部Scで囲まれているので、感度は変わらないから、第1検出電極A,第2検出電極B間の差分値が急激に増大する。
この出力の増加に伴う差分値の増大が設定した閾値、例えば、電圧での閾値を1.5(V)とした場合、差分値で1(V)程度の時間経過で推移していた出力が、前記感度の向上に伴い、急激に上昇して、閾値1.5(V)に達する時間が早まる。そして、設定閾値を超えると、異常状態が発生したと判断してECU8からドア駆動装置9に対して停止信号を出力され、ドア駆動装置9は瞬時に電動モータの極性を逆転させ、パワースライドドア1を反転させる。このように、設定した閾値1.5(V)を超える時間が早まると、それだけ早い時間に信号処理回路7bは、物体の検知信号をECU8に向けて出力することができる。このため、パワースライドドア1が物体6を挟み込むことを素早い段階で防止することが可能となる。
以上の検知処理において、信号処理回路7bが検出信号をECU8へ一旦出力すると、信号処理回路7bは、電動モータが反転して停止するまで、続いて送られてくる新たな差分検出回路7aからの検出信号を無視する。また、ECU8は、この間にドア開閉スイッチの閉止操作があっても無視する。この電動モータの反転は図示しないエンコーダにより検出され、その検出信号はECU8へ送信される。パワースライドドア1が格納位置まで開動し終わると、ECU8は、電動モータへの電源供給を停止する。
電動モータの停止と同時に、信号処理回路7bは、差分検出回路7aから送信される検出信号が受信できるようになり、また、ドア開閉スイッチの閉止操作の実行ができるようになる。即ち、元の状態へ復帰する。したがって、再びドア開閉スイッチの閉止操作を行うと、停止していた電動モータが正回転を開始する。そして、パワースライドドア1が再び閉止を開始して、パワースライドドア1が閉止位置に到達したことをECU8が感知すると、電動モータの電源供給を停止する。
また、ECU8が異常状態を検知したとき、同時に、ECU8は、図示しない警告手段に作動信号を送信するように構成することができる。この場合、警告手段は、例えば、作動信号を受信すると、電子音声により本装置が作動した旨を警告手段のスピーカーからアナウンスする。この電子音声によるアナウンスは、所定回数繰り返された後、停止する。
(フローチャート)
次に、図6を参照して、本実施形態の挟み込み防止装置の制御フローの概略について説明する。図6に示すフローチャートは、非接触型の挟み込み防止装置の制御フローの概略を示す説明図である。スタート時において、挟み込み防止装置に電源が供給されると、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2は充電されて基準容量の電荷が蓄えられる。
まず、ステップS1において、ECU8は、パワースライドドア1が、閉方向の移動状態にあるか否かを、電動モータが正回転方向に駆動しているか否により判定する。
ステップS1の判定の結果、ECU8が電動モータを正回転方向に駆動していない旨の判定が下されたとき、1サイクルの処理の流れを終了する。一方、電動モータが正転方向の判定が下されたとき、ステップS2の処理の流れに進む。
ステップS2では、静電容量型センサ3の第1検出電極A,第2検出電極Bからの静電容量に対応する第1検出電極A,第2検出電極B間の電位の差分値が生じているか否かを判断する。第1検出電極A,第2検出電極B間の電位の差分値が生じていない旨を判断すると、処理の流れをステップ1に戻し、ステップS1以下の処理を繰り返す。一方、第1検出電極A,第2検出電極B間の電位に差分値が生じている旨の判定が下されたとき、ステップS3の処理へと進む。
ステップS3では、信号処理回路7bは、静電容量型センサ3の静電容量に応じて差分検出回路7aから出力される差分値に基づいて、出力した差分値と予め設定した閾値とを比較し、これにより、パワースライドドア1の端部に設けた静電容量型センサ3に対して、人体などの物体6の近接による挟み込みのおそれが生じているか否かの挟み込み有無を判定する。差分値と設定した閾値との比較の結果、出力した差分値が設定した閾値以下であり、物体6の挟み込みのおそれを生じていない旨の判定が下されたとき、処理の流れをステップS2に戻し、ステップS2以下の処理を繰り返す。一方、出力した差分値が設定した閾値を越えており、物体6の挟み込みのおそれを生じている旨の判定が下されたとき、ステップS4の処理へと進む。
ステップS4では、ECU8は、ドア駆動装置9の電動モータの駆動を停止・反転させる信号を出力し、これにより電動モータを瞬間的に停止させる。これと同時に、電動モータの極性を逆に切り替えて、パワースライドドア1の駆動方向を開方向に反転させる。そして、パワースライドドア1がドア開放位置に戻ると、電動モータの駆動を停止する。これにより、1サイクルの処理を終了する。
ステップS4において、ECU8は、差分値と予め設定した閾値との比較により、パワースライドドア1端部の静電容量型センサ3に対して、物体6の近接による挟み込みのおそれの有無を判断する。挟み込みのおそれがあると判断したときは、ECU8が電動モータの駆動方向を切り替える信号を出力することで、瞬間的にパワースライドドア1の閉止進行を停止し、反転させるようにした。これにより、センターピラー2とパワースライドドア1との間に人体などの物体6の挟み込みを、非接触時点において素早く防止することができる。
前記制御フローの各ステップにおいて、挟み込みのおそれを検知しない場合は、パワースライドドア1は電動モータによる駆動を続け、閉止を完了する。パワースライドドア1の閉止が完了すると、電源供給が遮断され、第1基準コンデンサCR1および第2基準コンデンサCR2に充電された電気量は放電される。
次に、本実施形態の静電容量型センサ3において、物体6の検出可能領域を検証した検出性能を示す円グラフを参照して説明する。図7は、静電容量型センサ3に対する人体などの物体の方位角度(度)と、静電容量型センサ3から物体までの距離(mm)と、第1検出電極Aからのシールド電極Sの側壁Sa,Sbの突出量との関係を示す円グラフである。図7は、方位角度が0〜180度の範囲に静電容量型センサ3の検出電極面が検出正面方向を向くように静電容量型センサ3を配置した際の円グラフである。図において、一番内側のグラフ(▲)は、シールド電極Sの側壁Sa,Sbの突出量が+5mmのとき、検出正面方向の物体までの検出可能な距離は26mmであることを示している。そして、検出正面から側方へ回り込むに従い、感度が低下する事実が検証されている。真ん中のグラフ(■)は、突出量が+2mmに減少したとき、検出正面方向の物体までの検出可能な距離は32mmに伸びることを示している。一番外側のグラフ(◆)は、シールド電極Sの側壁Sa,Sbの突出量が0mmのとき、つまり、検出電極面と同じ位置であるとき、検出正面方向の物体までの検出可能な距離はさらに伸びて約38mmとなる検証結果を示している。
この検証の結果から明らかなように、本実施形態の静電容量型センサ3は、指向性に優れており、検出電極をシールド電極で囲むことで、外乱の影響を防止するため、検出精度が高い。このため、閾値を小さくすることができる効果がある。また、シールド電極Sの側壁Sa,Sbの突出量を減少可能に形成することで、検出電極の検出感度を飛躍的に向上させることができ、さらに、検出差分値が閾値に到達する時間を早めることができる効果も生じる。
以上に記載した静電容量型センサは、本実施形態では、自動車のパワースライドドアとセンターピラーとの間の挟み込み防止装置に適用した例を説明したが、本発明は、これに限定されることなく、他の車両の可動部と固定部との間の挟み込み防止装置に適用することができ、可動部と固定部との間で発生する人体などの挟み込みを確実に防止することができる。
本発明の実施形態に係る静電容量型センサを自動車のパワースライドドアの挟み込み防止に適用したときの様子を示す斜視図である。 図1中のA−A線における静電容量型センサの断面図である。(a)は、非接触時の検出電極の配置構造を示す。(b)は、接触時の検出電極の配置構造を示す。 本実施形態に係る静電容量型センサが組み込まれた挟み込み防止装置の概略図である。 図3の挟み込み防止装置のブロック図である。 本実施形態に係る静電容量型センサの動作を説明する概略図である。 接触型・非接触型の静電容量型センサの挟み込み防止の制御フローを示すフローチャートである。 静電容量型センサに対する物体の方位角度(度)と、静電容量型センサから物体までの距離(mm)と、シールド電極側壁の突出量との関係を示す円グラフである。 静電容量型センサによる差分値の変化を示す実験結果を表す図である。 (a)、(b)および(c)は、従来の静電容量型センサの説明図である。
符号の説明
1 パワースライドドア
2 センターピラー
3 静電容量型センサ
4 センサ部
5 絶縁部材
6 物体(人体)
7 検出回路ユニット
7a 差分検出回路
8 信号処理回路
9 ドア駆動装置
15 スポンジ材(圧縮性部材)
A 第1検出電極
B 第2検出電極
S シールド電極
H 絶縁体
CR1 第1基準コンデンサ

Claims (3)

  1. それぞれが基準コンデンサに接続され、対向的に離間する一対の検出電極と、
    前記一対の検出電極を囲み、予め前記検出電極のそれぞれと同電位に配設したシールド電極と、
    前記シールド電極を保持して可撓性を有する絶縁部材と、を含むセンサ部を備え、
    前記シールド電極は、検出面側に開口しており、前記シールド電極の開口端部は前記検出電極より突出して設けられ、前記センサ部に物体が接触する場合は、その接触する押圧力により前記シールド電極の突出量が減少するようにしたことを特徴とする静電容量型センサ。
  2. 前記シールド電極の底部と前記絶縁部材との間に圧縮性部材を設けることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ。
  3. 前記シールド電極は金属製であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電容量型センサ。
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