JP2005226810A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構造によって切換機構を作動させることにより、ハイブリッド車両の駆動装置の小型化や低コスト化を達成する。
【解決手段】 このハイブリッド車両は、モータ動力のみを駆動輪に伝達するシリーズ走行モードと、モータ動力とエンジン動力とを駆動輪に伝達するパラレル走行モードとを備える。エンジン動力の伝達経路に平行軸式の変速機18が設けられており、変速機18は駆動歯車41a,42aを備える変速入力軸21と従動歯車41b,42bを備える変速出力軸22とを有する。駆動歯車41a,42aと従動歯車41b,42bとは変速歯車列を形成しており、変速歯車列を切り換える切換機構43は負圧を動力源とするアクチュエータ50に駆動される。パラレル走行モードに移行する際に、発電用モータ16でエンジン14を回転するとともに、スロットルバルブ87を絞り側に制御して吸気管負圧を生成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は動力源としてエンジンと駆動用モータとを併用したハイブリッド車両の駆動装置に関する。
エンジンおよび電動モータを動力源とするハイブリッド車両の駆動方式としてシリーズ・パラレル方式がある。このタイプのハイブリッド車両は、駆動用モータを用いて駆動輪を駆動するシリーズ走行モードと、駆動用モータとエンジンとの双方を用いて駆動輪を駆動するパラレル走行モードとを備えている。これらの駆動モードは走行状況に応じて切り換えられ、たとえば、駆動トルクが要求される発進時にはシリーズ走行モードが設定され、高出力が要求される高速走行時にはパラレル走行モードが設定される。
このように、エンジン動力を用いて駆動輪を駆動するハイブリッド車両にあっては、パラレル走行モードにおいてエンジンを効率の良い回転域で駆動するため、エンジンと駆動輪との間に平行軸式の自動変速機を搭載するようにした車両が開発されている。平行軸式の自動変速機は、複数の駆動歯車を備える入力軸と、複数の従動歯車を備える出力軸とを有しており、駆動歯車と従動歯車とは相互に噛み合って複数の変速歯車列を形成している。これらの変速歯車列を動力伝達状態と中立状態とに切り換えるため、アクチュエータによって作動するシンクロメッシュ機構が設けられており、車両の走行状況に応じて自動的に変速歯車列が切り換えられるようなっている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−289472号公報(第3―4頁、図1)
このように、シンクロメッシュ機構を作動させるアクチュエータとしては、油圧ポンプを動力源とした油圧アクチュエータが一般的であるが、電気自動車の一種であるハイブリッド車両に油圧ポンプを搭載することは好ましいことではない。しかも、ハイブリッド車両に搭載されるエンジンは走行状況に応じて停止するようになっており、エンジンに駆動される油圧ポンプを動力源として油圧アクチュエータを安定的に駆動させることは困難であった。そこで、油圧アクチュエータに作動油を安定供給するため電動ポンプを搭載したハイブリッド車両や、電動モータを駆動源とした電動アクチュエータを搭載したハイブリッド車両が開発されている。
しかしながら、電動ポンプを搭載した場合には、重量、設置スペース、コストの面で不利となるだけでなく、エネルギー効率を低下させることにもなる。また、電動アクチュエータを搭載した場合には、ハイブリッド車両の更なる高コスト化を招くことになっていた。
本発明の目的は、簡易な構造によって切換機構を作動させることにより、ハイブリッド車両の駆動装置の小型化や低コスト化を達成するとともに、ハイブリッド車両のエネルギー効率を向上させることにある。
本発明のハイブリッド車両の駆動装置は、駆動用モータのモータ動力を駆動輪に伝達するシリーズ走行モードと、前記モータ動力に加えてエンジンのエンジン動力を駆動輪に伝達するパラレル走行モードとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、前記エンジンのクランク軸に連結される発電用モータと、エンジン動力が伝達され、複数の駆動歯車を備える変速入力軸と、モータ動力が伝達され、前記駆動歯車に噛み合って複数の変速歯車列を形成する複数の従動歯車を備える変速出力軸と、前記エンジンと前記変速入力軸との間に設けられ、前記変速入力軸にエンジン動力を伝達する締結状態と、エンジン動力の伝達を遮断する開放状態とに切り換えられるクラッチ機構と、前記変速入力軸から前記変速出力軸にエンジン動力を伝達する前記変速歯車列を動力伝達状態に切り換える切換機構と、前記エンジンの吸気管負圧により作動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムに駆動され前記切換機構を作動させる作動ロッドとを備えるアクチュエータと、前記エンジンの吸気管に設けられ、前記吸気管の流路断面積を変化させるスロットルバルブと、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際に、前記クラッチ機構を開放した状態のもとで、前記発電用モータを用いてエンジンを回転させるとともに、前記スロットルバルブを絞り側に制御することにより吸気管負圧を生成する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明のハイブリッド車両の駆動装置は、前記制御手段は、吸気管負圧を生成する際に前記発電用モータよりも低出力に前記エンジンを制御することを特徴とする。
本発明のハイブリッド車両の駆動装置は、前記アクチュエータに連通する負圧流路を、前記スロットルバルブよりも下流側の前記吸気管に接続することを特徴とする。
本発明によれば、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際に、発電用モータを用いてエンジンを回転させるとともに、スロットルバルブを絞り側に制御するようにしたので、エンジンを減圧ポンプとして作動させることができ、大きな負圧エネルギーを持った吸気管負圧を生成することができる。
これにより、減圧ポンプを搭載することなく、吸気管負圧を生成することができ、駆動装置の低コスト化や小型化を達成することができる。また、大きな負圧エネルギーを生成することによって、アクチュエータによる変速操作の信頼性を向上させることができ、比較的大きな作動力が要求されるアクチュエータの小型化をも達成することができる。
しかも、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際には、発電用モータによってエンジンが回転運動される状態にあるため、このときにエンジンを減圧ポンプとして使用することにより、吸気管負圧を生成する際に消費されるエネルギーを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はハイブリッド車両に搭載された本発明の一実施の形態である駆動装置10を示す概略図であり、図2は駆動装置10を示すスケルトン図である。図1に示すように、車体11に形成されるエンジンルーム12とフロアトンネル13には、複数の動力源を備える駆動装置10が縦置きに搭載されている。この駆動装置10は動力源としてエンジン14と駆動用モータ15とを備えており、四輪駆動用のハイブリッド車両に適用される駆動装置10となっている。図示するハイブリッド車両は、モータ動力のみを用いて駆動輪を駆動するシリーズ走行モードと、モータ動力とエンジン動力とを用いて駆動輪を駆動するパラレル走行モードとを備えており、これらの走行モードは走行状況に応じて切り換えられる。
図2に示すように、エンジン14と駆動用モータ15との間には、発電用モータ16、フロントディファレンシャル機構17、変速機18が設けられている。ギヤケース20に組み込まれる変速機18は相互に平行となる変速入力軸21と変速出力軸22とを備えており、変速入力軸21には摩擦クラッチ23、機械クラッチ24、発電用モータ16を介してエンジン14が連結されている。また、変速出力軸22の一端にはフロントディファレンシャル機構17が連結される一方、変速出力軸22の他端には駆動用モータ15が連結されている。
ギヤケース20の車両前方側には発電モータケース30が組み付けられており、この発電モータケース30内には発電用モータ16が組み込まれている。発電用モータ16はロータ16aとステータ16bとを備えており、ロータ16aはエンジン14のクランク軸14aに連結され、ステータ16bはロータ16aを囲むように発電モータケース30に固定されている。ロータ16aとクランク軸14aとは連結されるため、エンジン動力によって発電することができるだけでなく、エンジン14を始動する際には発電用モータ16をスタータモータとして利用することができる。
また、変速入力軸21とロータ出力軸31との間には、クラッチ機構である摩擦クラッチ23と機械クラッチ24とが設けられており、摩擦クラッチ23と機械クラッチ24とは中間軸32を介して直列に接続されている。これらのクラッチ23,24を共に締結するとエンジン動力が変速入力軸21に伝達される一方、締結を解除するとエンジン動力の伝達が遮断されるようになっている。
摩擦クラッチ23は、ロータ出力軸31に固定されるクラッチハブ23aと、中間軸32に固定されるクラッチドラム23bとを備えており、クラッチハブ23aとクラッチドラム23bとの間には複数の摩擦プレート23cが設けられている。また、摩擦クラッチ23には電磁コイル23dが設けられており、この電磁コイル23dを励磁することにより、摩擦プレート23cは押圧され摩擦クラッチ23は滑らかに締結状態に切り換えられる。一方、電磁コイル23dの励磁を解除することにより、摩擦プレート23cの押圧は解除され摩擦クラッチ23は開放状態に切り換えられることになる。
続いて、機械クラッチ24の構造について説明する。図3(A)は機械クラッチ24を示す断面図であり、図3(B)は図3(A)のa−a線に沿う断面図である。図3(A)および(B)に示すように、この機械クラッチ24は、中間軸32に固定される外輪33と変速入力軸21に固定される内輪34とを備えており、外輪33の内周面は円形の断面形状に形成される一方、内輪34の外周面は多角形の断面形状に形成されている。このような外輪33と内輪34との間には複数のローラ35が等間隔に組み込まれており、その位置は環状の保持器36によって位置決めされている。また、外輪33には摩擦フランジ37が固定され、この摩擦フランジ37に対向するように保持器36にはアーマチュア38が固定されている。さらに、摩擦フランジ37を介してアーマチュア38に対向するように、ギヤケース20には電磁コイル39が固定されている。
この電磁コイル39を励磁すると、アーマチュア38が摩擦フランジ37に向けて吸引されるため、外輪33と保持器36とは一体となって回転することになる。つまり、内輪34に対してローラ35が外輪33と共に移動するため、ローラ35が外輪33の内周面と内輪34の外周面との間に噛み込む状態となり、外輪33と内輪34とは正逆いずれの方向にも一体に回転することになる。一方、電磁コイル39の励磁を解除すると、内輪34と保持器36との間に設けられるスイッチばね40により、内輪34とローラ35とは図3(B)に示される位置関係に保持されるため、ローラ35が外輪33の内周面と内輪34の外周面との間に噛み込むことはなく、内輪34と外輪33とはそれぞれに回転自在となる。このような機械クラッチ24を開放状態に切り換えると、引き擦りトルクを発生させることなく、発電用モータ16と変速機18とを完全に切り離すことができるため、エンジン動力を高効率で電力に変換することができる。
これらのクラッチ23,24を経てエンジン動力が伝達される変速入力軸21には、2つの駆動歯車41a,42aが回転自在に設けられており、変速入力軸21に平行となる変速出力軸22には2つの従動歯車41b,42bが固定されている。それぞれの駆動歯車41a,42aと従動歯車41b,42bとは相互に噛み合って低速段と高速段の変速歯車列を形成しており、変速入力軸21には低速段と高速段のいずれかを動力伝達状態に切り換える切換機構43が設けられている。この切換機構43はシンクロメッシュ機構となっており、変速入力軸21に固定されるシンクロハブ43aと、これに常時噛み合うシンクロスリーブ43bとを備えている。シンクロスリーブ43bを駆動歯車41aに噛み合わせると低速段が動力伝達状態となり、駆動歯車42aに噛み合わせると高速段が動力伝達状態となる。
そして、摩擦クラッチ23と機械クラッチ24とを共に締結するとともに、低速段または高速段の変速歯車列を動力伝達状態に切り換えることにより、変速出力軸22にはエンジン動力が伝達される。このような変速出力軸22の一端には、フロントディファレンシャル機構17のリングギヤ17aに噛み合うドライブピニオンギヤ44が固定されており、変速出力軸22に伝達された動力はフロントディファレンシャル機構17を介して駆動輪としての左右の前輪に分配されることになる。
続いて、変速機18の切換機構43を作動させるアクチュエータ50について説明する。図4は駆動装置10の一部を示す断面図である。なお、図2にあっては、作図の便宜上、アクチュエータ50をギヤケース20の外に配置しているが、図4に示すように、アクチュエータ50はギヤケース20の内に組み込まれるようになっている。
図2および図4に示すように、ギヤケース20にはフォークロッド51が軸方向に移動自在に支持されており、このフォークロッド51に固定されるシフトフォーク52によって切換機構43のシンクロスリーブ43bが把持されている。また、ギヤケース20内には支点部53aを中心に傾動するレバー53が設けられており、レバー53の一端はフォークロッド51に係合する一方、レバー53の他端はアクチュエータ50の作動ロッド59に係合している。
アクチュエータ50の作動ロッド59を軸方向に作動させることにより、レバー53を介してフォークロッド51を軸方向に移動させることができ、シフトフォーク52を介してシンクロスリーブ43bを、一方の駆動歯車に噛み合う低速段位置と、他方の駆動歯車に噛み合う高速段位置と、いずれの駆動歯車にも噛み合わない中立位置とに作動させることができる。なお、フォークロッド51の一端にはディテント機構54が設けられており、フォークロッド51は低速段位置、中立位置および高速段位置の各位置に仮保持されるようになっている。
このように変速歯車列を切り換えるアクチュエータ50は、ギヤケース20に一体となって組み込まれており、エンジン14によって生成される吸気管負圧を動力源とする負圧アクチュエータとなっている。ギヤケース20の隔壁部20aにはカバー部材55が組み付けられるとともに、隔壁部20aとカバー部材55との間には円盤状のダイヤフラム56が組み込まれており、このダイヤフラム56によって隔壁部20a側には負圧室57が区画形成され、カバー部材55側には負圧室58が区画形成されている。また、隔壁部20aには作動ロッド59が軸方向に移動自在に支持されており、作動ロッド59の端部はダイヤフラム56に固定されている。
図2に示すように、エンジン14の吸気ポートに接続される吸気管60と、ギヤケース20内に区画される負圧タンク61とは負圧流路62を介して接続されている。この負圧流路62には吸気管60に向かう方向にのみ流れを許容するチェックバルブ63が設けられており、生成される吸気管負圧を負圧タンク61に蓄えておくことが可能となっている。また、チェックバルブ63と負圧タンク61とを接続する負圧流路62には、アクチュエータ50の負圧室57,58にそれぞれ連通する2つの負圧流路64,65が接続されており、これらの負圧流路64,65には、負圧流路64,65を連通して負圧室57,58に吸気管負圧を供給する状態と、負圧流路64,65を遮断するとともに負圧室57,58を大気開放する状態とに切り換える電磁弁66,67が組み込まれている。
このようなアクチュエータ50の作動制御は、負圧流路64,65に設けられる電磁弁66,67の切換制御によって行われる。電磁弁66,67を駆動制御することにより、負圧室58に吸気管負圧を供給するとともに、負圧室57を大気開放した場合には、作動ロッド59が矢印L方向に作動することにより、シンクロスリーブ43bは低速段位置に切り換えられる。一方、負圧室58を大気開放するとともに、負圧室57に吸気管負圧を供給した場合には、作動ロッド59が矢印H方向に作動することにより、シンクロスリーブ43bは高速段位置に切り換えられる。このように、吸気管負圧を利用して切換機構43のシンクロスリーブ43bを作動させることができ、変速歯車列を動力伝達状態と中立状態とに切り換えることができる。
なお、負圧タンク61は、図4に示すように、発電用モータ16の車両後方側のデッドスペースに、ギヤケース20と隔壁板68とによって区画形成されており、この負圧タンク61に蓄えられる吸気管負圧によって複数回の変速操作が可能となっている。
続いて、駆動用モータ15から発生するモータ動力の伝達経路について説明する。ギヤケース20内には変速出力軸22に平行となって連結軸70が回転自在に収容されている。連結軸70には伝達歯車71が固定されており、この伝達歯車71に常時噛み合う伝達歯車72が変速出力軸22に固定されている。なお、変速出力軸22と連結軸70とは車幅方向にずれており、作図の便宜上、図2において連結軸70と伝達歯車71とを破線で示している。
ギヤケース20の車両後方側には、駆動モータケース73が取り付けられており、この駆動モータケース73内に駆動用モータ15が組み込まれている。駆動用モータ15はロータ15aとステータ15bとを備えており、ステータ15bはロータ15aを囲むように駆動モータケース73に固定されている。ロータ15aに固定されるモータ駆動軸15cは、ロータ15aの両端からそれぞれ突出するようになっており、モータ駆動軸15cの一端が連結軸70にスプライン結合されている。このように、変速出力軸22にはモータ駆動軸15cが連結されており、駆動用モータ15を駆動することによって、変速出力軸22にはエンジン動力だけでなくモータ動力の伝達が可能となっている。
また、駆動モータケース73の車両後方側にはトランスファケース74が取り付けられており、トランスファケース74内には駆動輪である後輪に対してモータ動力やエンジン動力を伝達するトランスファ機構75が組み込まれている。トランスファ機構75は、モータ駆動軸15cの他端にスプライン結合されるトランスファ入力軸76と、これに平行に配置されるトランスファ出力軸77とを備えている。トランスファ入力軸76とトランスファ出力軸77とは歯車列78を介して噛み合っており、モータ駆動軸15cからの動力はトランスファ出力軸77に伝達されるようになっている。トランスファケース74より突出するトランスファ出力軸77の端部には、ジョイント79がスプライン結合されており、図1に示すように、このジョイント79には図示しないリヤディファレンシャル機構を介して後輪を駆動するプロペラシャフト80が連結されている。
また、トランスファケース74内にはトルク配分機構として、トランスファ出力軸77上に組み込まれる電子制御式のカップリング81が収容されている。このカップリング81は電磁コイル81aを励磁することによって締結状態に切り換えられ、励磁を解除することにより遮断状態に切り換えられる電磁クラッチとなっており、カップリング81を締結状態に切り換えることにより、前輪だけでなく後輪に対しても動力を伝達することができる。しかも、電磁コイル81aに対する通電電流の大きさに応じてカップリング81の締結力を制御することができるため、車両の走行状態に応じて前後輪間のトルク分配比を100:0〜50:50の範囲で設定することができる。
図5は駆動装置10の電子制御系を示すブロック図である。図5に示すように、制御手段としての制御ユニット82には、発電用モータ16の回転数を検出する発電モータ回転数センサ83、駆動用モータ15の回転数を検出する駆動モータ回転数センサ84、エンジン14の回転数を検出するエンジン回転数センサ85、車速を検出する車速センサ86、吸気管60に設けられるスロットルバルブ87の開度を検出するスロットル開度センサ88、負圧タンク61内の圧力を検出する負圧センサ89、シフトフォーク52のストローク量を検出するストロークセンサ90などからの検出信号が入力される。そして、これらの検出信号に基づいて制御ユニット82からエンジン14、駆動用モータ15、発電用モータ16、摩擦クラッチ23、機械クラッチ24、スロットルバルブ87、電磁弁66,67などに制御信号が出力される。なお、制御ユニット82には、制御信号を演算するCPUが設けられており、このCPUにバスラインを介して接続されるROMやRAMが設けられている。ROMには、制御プログラム、演算式、およびマップデータなどが格納され、RAMには、一時的なデータが格納されるようになっている。
図示するハイブリッド車両は、モータ動力のみを用いて駆動輪を駆動するシリーズ走行モードと、モータ動力とエンジン動力とを用いて駆動輪を駆動するパラレル走行モードとを備えており、これらの走行モードは車両の走行状況に基づき制御ユニット82によって設定される。たとえば、駆動トルクが要求される発進時にはシリーズ走行モードが設定され、車速の上昇に伴って高出力が要求されるようになるとパラレル走行モードが設定される。また、登坂時や加速時などの高負荷時には、パラレル走行モードを維持した状態のもとで、クラッチ23,24の一方を開放状態に切り換えるとともに、エンジン動力を伝達する変速歯車列を低速段側に切り換え、再びクラッチ23,24を締結状態に切り換えることにより、駆動トルクを増大させて駆動輪に伝達するようになっている。
制御ユニット82がシリーズ走行モードを設定した場合には、エンジン動力の伝達経路に設けられる摩擦クラッチ23と機械クラッチ24とは開放状態に切り換えられ、モータ動力のみによって駆動輪が駆動されることになる。このとき、エンジン動力によって発電用モータ16が駆動され、発電された電力は駆動用モータ15やバッテリに供給されることになる。なお、バッテリの充電状態が十分であり、駆動用モータ15が低出力で駆動されている場合などには、エンジン14が停止するようになっている。
以下、シリーズ走行モードからパラレル走行モードへの移行手順について説明する。制御ユニット82がパラレル走行モードへの移行を判定した場合には、まず制御ユニット82によってエンジン14の駆動状態が判定される。エンジン14が駆動状態にある場合には、そのまま次のステップに移行する一方、エンジン14が停止状態にある場合には、発電用モータ16を用いてエンジン14が始動される。次いで、機械クラッチ24を締結状態に切り換えた後に、摩擦クラッチ23を締結状態に切り換えることになるが、摩擦クラッチ23の負荷を軽減するとともに締結ショックを抑制するため、変速入力軸21とロータ出力軸31との同期回転制御が実行される。
まず、制御ユニット82は、車速センサ86やストロークセンサ90からの検出信号に基づいて変速入力軸21の回転数を演算する。次いで、演算した回転数にロータ出力軸31の回転数を合わせるように、発電用モータ16に対して制御信号を出力する。つまり、ロータ出力軸31と変速入力軸21との同期回転制御を実行する際には、エンジン14を駆動制御してロータ出力軸31の回転数を合わせるのではなく、発電用モータ16を駆動制御してエンジン14を引っ張りながらロータ出力軸31の回転数を合わせることになるが、これは同期回転制御を高精度に実行するためである。
そして、制御ユニット82は同期回転制御を実行するとともに、パラレル走行モードにおいて変速操作時に使用する吸気管負圧を負圧タンク61に蓄えるための負圧生成制御を開始する。一般的に、同期回転制御にあっては、エンジン14によるポンプ損失を軽減するため、スロットルバルブ87を全開位置まで開放することになるが、この負圧生成制御にあっては、制御ユニット82からの制御信号に基づきスロットルバルブ87は絞り側に制御されることになる。このように、発電用モータ16によってエンジン14を回転させた状態のもとで、スロットルバルブ87によって吸気管60の流路断面積を絞ると、スロットルバルブ87の下流側における圧力を著しく低下させることができ、スロットルバルブ87よりも下流側の吸気管60に接続される負圧流路62を介して負圧タンク61内の真空度を高めることができる。
すなわち、スロットルバルブ87を絞り側に制御することによって、エンジン14を一時的に減圧ポンプとして使用することができるため、エンジン14を駆動したときに得られる吸気管負圧、つまり吸気管60内の流速に応じて得られる負圧よりも、低い圧力の吸気管負圧を得ることができる。また、負圧生成制御においては、発電用モータ16の出力よりもエンジン14の出力が小さくなるように、制御ユニット82からエンジン14に対して制御信号が出力されることになる。
また、制御ユニット82は負圧センサ89からの検出信号に基づいて、負圧タンク61内の圧力を監視しており、負圧タンク61内の圧力が十分に低下したと判定された場合には、スロットルバルブ87を全開まで開放することにより、同期回転制御におけるエンジン14のポンプ損失を軽減するようになっている。なお、負圧タンク61に十分な吸気管負圧が蓄えられている場合には、負圧生成制御を行うことなく同期回転制御のみを行うようにしても良い。さらに、負圧生成制御時におけるスロットルバルブ87の絞り量、つまり吸気管60の遮断量としては、エンジン14をアイドリング運転させる際の絞り量であっても良く、スロットルバルブ87の絞り量を、必要な真空度に応じて適宜変更しても良いことは言うまでもない。
このような負圧生成制御が完了した後に、同期回転制御によってロータ出力軸31と変速入力軸21との回転数がほぼ一致すると、機械クラッチ24が締結状態に切り換えられ、続いて摩擦クラッチ23が締結状態に切り換えられる。これにより、モータ動力とエンジン動力とが駆動輪に伝達されるパラレル走行モードへの移行制御が完了することになる。なお、同期回転制御中に予め機械クラッチ24を締結状態に切り換えておくようにしても良い。
これまで説明したように、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際に、スロットルバルブ87を絞り側に制御することによって、エンジン14を減圧ポンプとして作動させることができるため、駆動装置10に減圧ポンプを搭載することなく、負圧タンク61内の真空度を高めておくことができる。これにより、パラレル走行モードにおいて変速操作を確実に実行することができるだけでなく、比較的大きな作動力が要求されるアクチュエータ50の小型化をも達成することができる。
しかも、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際には、発電用モータ16によってエンジン14が回転運動される状態にあるため、このときにエンジン14を減圧ポンプとして使用することにより、吸気管負圧を生成する際に消費されるエネルギーを抑制することができる。
なお、前述した負圧生成制御は、シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際に実行されるが、パラレル走行モードにおいてはエンジン14が常に駆動しているため、吸気管60を流れる吸入空気の流速に応じて負圧タンク61内は所定の真空度に保たれることになる。このため、変速操作を行う際に使用される吸気管負圧が不足することはなく、確実に変速操作を実行することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図示する駆動装置10は、四輪駆動用のハイブリッド車両に適用される駆動装置10となっているが、これに限られることはなく、前輪駆動用や後輪駆動用の駆動装置10に本発明を適用しても良い。また、縦置きの駆動装置10に限られることはなく、横置きの駆動装置10に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。
また、エンジン動力の伝達経路に2つのクラッチ機構が設けられているが、クラッチ機構としては、摩擦クラッチ23のみであっても良く、機械クラッチ24のみであっても良い。
さらに、変速機18に組み込まれる変速歯車列は、低速段と高速段の2速に限られることはなく、更に多くの変速歯車列を設けるようにしても良い。
ハイブリッド車両に搭載された本発明の一実施の形態である駆動装置を示す概略図である。 駆動装置を示すスケルトン図である。 (A)は機械クラッチを示す断面図であり、(B)は(A)のa−a線に沿う断面図である。 駆動装置の一部を示す断面図である。 駆動装置の電子制御系を示すブロック図である。
符号の説明
10 駆動装置
14 エンジン
14a クランク軸
15 駆動用モータ
16 発電用モータ
21 変速入力軸
22 変速出力軸
23 摩擦クラッチ(クラッチ機構)
24 機械クラッチ(クラッチ機構)
41a,42a 駆動歯車
41b,42b 従動歯車
43 切換機構
50 アクチュエータ
56 ダイヤフラム
59 作動ロッド
60 吸気管
62 負圧流路
64,65 負圧流路
82 制御ユニット(制御手段)
87 スロットルバルブ

Claims (3)

  1. 駆動用モータのモータ動力を駆動輪に伝達するシリーズ走行モードと、前記モータ動力に加えてエンジンのエンジン動力を駆動輪に伝達するパラレル走行モードとを備えるハイブリッド車両の駆動装置であって、
    前記エンジンのクランク軸に連結される発電用モータと、
    エンジン動力が伝達され、複数の駆動歯車を備える変速入力軸と、
    モータ動力が伝達され、前記駆動歯車に噛み合って複数の変速歯車列を形成する複数の従動歯車を備える変速出力軸と、
    前記エンジンと前記変速入力軸との間に設けられ、前記変速入力軸にエンジン動力を伝達する締結状態と、エンジン動力の伝達を遮断する開放状態とに切り換えられるクラッチ機構と、
    前記変速入力軸から前記変速出力軸にエンジン動力を伝達する前記変速歯車列を動力伝達状態に切り換える切換機構と、
    前記エンジンの吸気管負圧により作動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムに駆動され前記切換機構を作動させる作動ロッドとを備えるアクチュエータと、
    前記エンジンの吸気管に設けられ、前記吸気管の流路断面積を変化させるスロットルバルブと、
    シリーズ走行モードからパラレル走行モードに移行する際に、前記クラッチ機構を開放した状態のもとで、前記発電用モータを用いてエンジンを回転させるとともに、前記スロットルバルブを絞り側に制御することにより吸気管負圧を生成する制御手段とを有することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
    前記制御手段は、吸気管負圧を生成する際に前記発電用モータよりも低出力に前記エンジンを制御することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド車両の駆動装置において、
    前記アクチュエータに連通する負圧流路を、前記スロットルバルブよりも下流側の前記吸気管に接続することを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。

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