JP2005224851A - アルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 ろう付加熱を受けても心材の粒界腐食を抑制でき、耐食性が優れたアルミニウム合金製ブレージングシートを提供する。
【解決手段】 ブレージングシート1において、ろう材5、犠牲材3、心材2、ろう材4をこの順に重ね合わせてクラッドする。心材2はAl−Mn系合金により形成し、犠牲材3はJIS Z3232により規定されている1000系Al合金又は7000系Al−Zn合金により形成し、ろう材4及び5はAl−Si系合金により形成する。そして、ろう付け加熱後において、心材2中にSi濃度が0.10質量%未満であり厚さが10μm以上であるSi無拡散部を残留させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用エバポレータのチューブ材等に使用されるアルミニウム合金製ブレージングシートに関し、特に、ろう付け後の耐食性の向上を図ったアルミニウム合金製ブレージングシートに関する。
一般に、自動車用熱交換器の材料には、アルミニウム合金製ブレージングシートが使用されている。アルミニウム合金製ブレージングシートとは、アルミニウム合金からなる心材の少なくとも片面にろう材を配置し、ろう付加熱によってろう材を溶融させて他の部材と接合するものである。このようなブレージングシートは、自動車用の熱交換器に組み立てられて使用される際には腐食環境に曝されるため、耐食性が要求される。特に、耐粒界腐食性が要求される。
このため、アルミニウム合金の粒界腐食について、従来より多くの研究がなされており、素材の合金種及び添加元素について種々の影響が調査されている(例えば、非特許文献1乃至4参照。)。また、ブレージングシートの耐粒界腐食性を改善するために、ろう材と心材との間に、心材へのSi拡散を抑制する中間層を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
軽金属学会102回春季予稿集、2002年、p.197−198 軽金属学会99回秋季予稿集、2000年、p.275−276 軽金属、1981年、p.116−121 アルミニウム材料の基礎と工業技術、軽金属協会編、1991年、p.201−205) 特開平7−179969号公報
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がる。即ち、上述の技術によっても、アルミニウム合金製ブレージングシートの耐食性が不十分になる場合があった。特に、ろう付け後の心材の耐粒界腐食性が十分に得られない場合があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ろう付加熱を受けても心材の粒界腐食を抑制でき、耐食性が優れたアルミニウム合金製ブレージングシートを提供することを目的とする。
本発明に係るアルミニウム合金製ブレージングシートは、Al及びMnを含有するAl−Mn系合金からなる心材と、この心材の少なくとも一方の側に設けられAl及びSiを含有するAl−Si系合金からなるろう材と、前記心材と少なくとも1の前記ろう材との間に設けられJIS Z3232により規定されている1000系Al合金又は7000系Al−Zn合金からなる犠牲材と、を有し、ろう付け加熱後に前記心材中にSi濃度が0.10質量%未満であり厚さが10μm以上であるSi無拡散部が残留することを特徴とする。
本発明においては、犠牲材がろう材から心材へのSiの拡散を抑制するバリア層として機能し、ろう付け加熱後において、心材中に厚さが10μm以上のSi無拡散部が残留する。これにより、心材の粒界腐食が抑制され、アルミニウム合金製ブレージングシート全体の耐食性が向上する。また、心材と犠牲材との間に一定値以上の電位差が形成され、心材の耐食性が向上する。
このように、本発明によれば、ろう付け加熱後において、心材中にSi無拡散部が10μm以上の厚さで残留することにより、心材の粒界腐食が抑制され、アルミニウム合金製ブレージングシート全体の耐食性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態に係るアルミニウム合金製ブレージングシートを示す断面図であり、図2(a)乃至(c)は、横軸に板厚方向の位置をとり、縦軸に各成分濃度をとって、ろう付け後のアルミニウム合金製ブレージングシートの組成分布を示すグラフ図であり、(a)はろう付け前の犠牲材の厚さが80μmのブレージングシートを示し、(b)はろう付け前の犠牲材の厚さが60μmのブレージングシートを示し、(c)はろう付け前の犠牲材の厚さが50μmのブレージングシートを示す。また、図3(a)乃至(c)は、横軸にブレージングシートのろう付け後の表面からの板厚方向の距離をとり、縦軸に参照電極(Ag/AgCl電極)に対する孔食電位をとって、ろう付け後のアルミニウム合金製ブレージングシートの電位分布を示すグラフ図であり、(a)はろう付け前の犠牲材の厚さが80μmのブレージングシートを示し、(b)はろう付け前の犠牲材の厚さが60μmのブレージングシートを示し、(c)はろう付け前の犠牲材の厚さが50μmのブレージングシートを示す。
図1に示すように、本実施形態に係るアルミニウム合金製ブレージングシート1においては、心材2が設けられている。心材2はAl−Mn合金からなり、その組成は、例えば、Mn含有量が0.3乃至1.8質量%であり、Cu含有量が0.2乃至1.0質量%であり、Mg含有量が0.5%以下であり、また、0.5質量%以下のFe、0.3質量%以下のTi、0.3質量%以下のCrのうち少なくとも1種を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。心材2の厚さは、例えば0.19乃至0.25mmである。
また、心材2の片面には、犠牲材3が設けられている。犠牲材3は、例えばJIS Z3232により規定されている1000系Al合金又は7000系Al−Zn合金からなり、例えば、3質量%以下のZn及び0.3質量%以下のZrのうち少なくとも一方を含むアルミニウム合金からなる。犠牲材3の厚さは、例えば0.055乃至0.10mmであり、犠牲材3のクラッド率は例えば10乃至30%である。
更に、心材2における犠牲材3が設けられていない側の面にはろう材4が設けられており、犠牲材3における心材2に接していない側の面にはろう材5が設けられている。即ち、ブレージングシート1は、ろう材5、犠牲材3、心材2、ろう材4がこの順にクラッドされた4層材となっている。ろう材4及び5はAl−Si系合金、例えば、Siを11質量%、Mgを1.5質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl−Si系合金からなり、その厚さは例えば夫々0.04乃至0.06mmであり、クラッド率は例えば夫々11乃至13%である。また、ブレージングシート1全体の厚さは、例えば、0.4mmである。
次に、上述の如く構成されたブレージングシート1の製造方法について説明する。先ず、心材2用のAl−Mn合金の鋳塊、犠牲材3用のAl合金の鋳塊、ろう材4用のAl−Si合金の鋳塊、及びろう材5用のAl−Si合金の鋳塊を夫々作製する。次に、これらの各鋳塊を夫々所定の板厚まで圧延し、板材とする。次に、各板材を、ろう材5用のAl−Si合金の板材、犠牲材3用のAl合金の板材、心材2用のAl−Mn合金の板材、ろう材4用のAl−Si合金の板材の順に重ね、溶接して相互に接合させる。次に、重ね合わせた板材に対して合わせ加熱処理を施す。この加熱処理は、例えば、420℃の温度に1時間保持する処理とする。次に、この重ね合わせた板材を熱間圧延して板厚を例えば5mmとし、その後、冷間圧延して板厚を例えば0.4mmとする。次に、例えば400℃の温度に3時間保持する焼鈍処理を施す。これにより、本実施形態に係るブレージングシート1が製造される。
次に、このブレージングシート1を使用するろう付け方法について説明する。先ず、ブレージングシート1の表面に非腐食性フラックスを塗布する。次に、ブレージングシート1を、この非腐食性フラックスを介して、接合しようとする他の部材(図示せず)に押付ける。そして、ブレージングシート1及び前記他の部材に、ろう付け加熱処理を施す。このろう付け加熱処理は、従来から知られている一般的な条件でよく、例えば、非酸化性雰囲気中において、590乃至610℃の温度に、3乃至5分間保持する処理とする。これにより、ろう材が溶融し、ブレージングシート1の心材2又は犠牲材3と、前記他の部材とが、相互にろう接される。
図2(a)乃至(c)に示すように、ろう付け加熱後のブレージングシート1においては、心材2の内部に、Si含有量が0.10質量%以下であり、厚さが10μm以上であるSi無拡散部6が存在している。これにより、ろう付け後のブレージングシート1の耐食性が確保される。また、図3(a)乃至(c)に示すように、ろう付け加熱後のブレージングシート1において、参照電極(Ag/AgCl電極)に対する孔食電位は心材2と犠牲材3とで相互に異なっており、両材間で一定の電位差が生じている。これにより、ろう付け後のブレージングシート1の耐食性がより向上する。
以下、本発明の各構成要件における数値限定理由について説明する。
ろう付加熱後のSi無拡散部(Si:0.10質量%未満である部分)の厚さ:10μm以上
ろう付け加熱に伴うSiの拡散状態は、ブレージングシートの各パラメータの値によって決定される。例えば、心材中のSi含有量、ろう材中のSi含有量、全体の板厚に占める心材の板厚比(クラッド率)、中間層として犠牲材を設けたブレージングシートにおいては、犠牲材中のSi含有量及びクラッド率、更には、ろう付時の温度及び時間が影響する。
しかしながら、本発明においては、ろう付け加熱後のブレージングシートにおいて、心材中にSi無拡散部、即ちSiの含有量が0.10質量%未満となる層が少なくとも10μm以上必要である。このSi無拡散部の厚さが10μm未満であると、心材は、中間層又はろう材層との間で孔食電位の差を確保できず、粒界腐食感受性が増大してしまうため、耐食性が著しく低下する。従って、ろう付加熱後のSi無拡散部の厚さは、10μm以上であることが必要である。
また、本発明においては、心材及び犠牲材の組成は特に限定されるものではないが、本発明のブレージングシートを使用して熱交換器を作製する場合、心材及び犠牲材の組成として好適な範囲を以下に示す。
心材中のMn含有量:0.3乃至1.8質量%
心材へのMnの添加は、心材の耐食性及び強度を向上させる効果がある。但し、心材中のMn含有量が1.8質量%を超えると、心材中に粗大な晶出物が形成され、心材の加工性が低下する。一方、Mn含有量が0.3質量%未満では、強度を向上させる効果が不十分である。従って、心材中のMn含有量は0.3乃至1.8質量%であることが好ましい。
心材中のCu含有量:0.2乃至1.0質量%
心材へのCuの添加は、心材の耐食性及び強度を向上させる効果がある。但し、心材中のCu含有量が1.0質量%を超えると、心材の融点を低下させ、ろう付け時に心材の溶融等が発生する。一方、Cu含有量が0.2質量%未満では、強度を向上させる効果が不十分である。従って、心材中のCu含有量は0.2乃至1.0質量%であることが好ましく、0.3乃至1.0質量%であることがより好ましい。
心材中のMg含有量:0.5質量%以下
心材へのMgの添加は、心材の強度を向上させる効果があるが、心材中のMg含有量が0.5質量%を超えると、ブレージングシートの表面にMgが拡散し、ろう付性を低下させる。従って、心材中のMg含有量は0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましい。
心材中のFe含有量:0.5質量%以下
心材へのFeの添加は、心材の結晶粒を微細化させると共に、心材の強度を向上させる効果がある。但し、心材中のFe含有量が0.5質量%を超えると、耐食性が低下する。従って、心材中のFe含有量は0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましい。
心材中のCr含有量:0.3質量%以下
心材へのCrの添加は、心材の耐食性、強度及びろう付性を向上させる効果がある。但し、心材中のCr含有量が0.3質量%を超えると、前述の効果が飽和すると共に、粗大な化合物が形成されることにより、心材の加工性及び耐食性を却って低下させる。従って、心材中のCr含有量は0.3質量%以下であることが好ましい。
心材中のTi含有量:0.3質量%以下
心材へのTiの添加は、心材の耐食性をより一層向上させる効果がある。但し、心材中のTi含有量が0.3質量%を超えると、前記効果が飽和すると共に、粗大な化合物が形成されることにより、心材の加工性及び耐食性を却って低下させる。従って、心材中のTi含有量は0.3質量%以下であることが好ましい。
犠牲材中のZn含有量:3質量%以下
Znは電位を卑とする効果を有する元素であり、本発明においては、心材との電位バランスを制御するため、犠牲層に添加することが好ましい。但し、犠牲材中のZn含有量が3質量%を超えると、犠牲材の強度及び硬度等が極めて高くなり、心材との間で圧延性及び成形性等に著しい差異を生じる。このため、ブレージングシートの圧延及び成形等の加工が困難になると共に、心材と犠牲材との間の電位差が大きくなりすぎて、接合部が早期に腐食してしまい、耐食性が却って低下する。従って、犠牲材中のZn含有量は3質量%以下であることが好ましい。
犠牲材中のZr含有量:0.3質量%以下
Zrは、ろう付時の再結晶を抑制し、グレインサイズを粗大化させる効果があるため、犠牲材に適正量のZrを添加すると、接合部における共晶Siの侵入が抑制され、耐食性を更に向上させることができる。但し、犠牲材中のZr含有量が0.3質量%を超えると、粗大な化合物が形成されて成形性が低下する。従って、犠牲材中のZr含有量は0.3質量%以下であることが好ましい。
なお、前述の本発明の実施形態においては、ブレージングシートが、ろう材―心材―犠牲材―ろう材の4層構造を持つ例を示したが、本発明はこれに限定されない。ブレージングシートの構造は、例えば、心材―犠牲材―ろう材の3層構造、又は、ろう材―犠牲材―心材―犠牲材―ろう材の5層構造であってもよい。
以下、本発明の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。先ず、前述の実施形態と同様の方法により、アルミニウム合金製ブレージングシートを作製した。即ち、図1に示すように、心材2用のAl−Mn合金の鋳塊、犠牲材3用のAl合金の鋳塊、ろう材4用のAl−Si合金の鋳塊、及びろう材5用のAl−Si合金の鋳塊を夫々溶製し、夫々所定の板厚まで圧延して板材とした。なお、犠牲材3用のAl合金の鋳塊は、相互に組成が異なる2種類の鋳塊(犠牲材A、犠牲材B)を準備した。
このようにして作製した板材を、ろう材5用のAl−Si合金の板材、犠牲材3用のAl合金の板材(犠牲材A又は犠牲材B)、心材2用のAl−Mn合金の板材、ろう材4用のAl−Si合金の板材の順に重ね、溶接して相互に接合させ、4層構造の重ね合わせ材を作製した。このとき、ろう材のクラッド率は10%とし、犠牲材のクラッド率は10乃至30%とし、犠牲材のクラッド率が相互に異なる5種類の重ね合わせ材を作製した。次に、これらの重ね合わせ材に対して、420℃の温度に1時間保持する加熱処理を施し、熱間圧延して板厚を5mmとし、冷間圧延して板厚を0.4mmとした。その後、400℃の温度に3時間保持する最終焼鈍を施し、5種類のクラッド材を作製した。心材、犠牲材、ろう材の各組成を、表1に示す。なお、表1に示す数値の単位は、いずれも質量%である。
Figure 2005224851
次いで、得られたクラッド材を切断して、幅が200mm、長さが220mmの板材とした。次に、この板材表面全面に、市販の非腐食性フラックスを、塗布量が5g/mとなるように塗布した。次に、この板材をその長手方向が垂直方向になるようにして吊り下げ、酸素濃度が200ppm以下の雰囲気中において595℃の温度に5分間保持することにより、ろう付け加熱を行い、ろう付熱処理材を作製した。その後、このろう付熱処理材を切り出してサンプルを作製し、Si拡散距離の測定、耐食試験、腐食電位(孔食電位)測定を行った。
Si拡散距離の測定は、X線マイクロアナリシス(EPMA:Electron Probe Micro-analysis)の線分析により行った。Si濃度が0.10質量%未満であるSi無拡散部の厚さを、表2に示す。
耐食試験については、先ず、前述のろう付け熱処理材から、幅が50mm、長さが60mmの矩形状の試験片を切り出した。次に、この試験片における耐食試験面の外周部(四辺部)の幅が5mmの領域及び裏面全面を、シールテープによりシールして、耐食試験用サンプルを作製した。そして、この耐食試験用サンプルに対して、ASTM G85−A3で規定されるSWAAT試験を500時間行い、試験後の試験片における腐食深さを測定し、耐食性を評価した。評価結果を表2に示す。なお、表2の「腐食深さ」に示す「NG:貫通」とは、腐食部分がブレージングシートを貫通したことを示し、この場合の腐食深さは、ブレージングシートの板厚、即ち、0.4mmとなる。
腐食電位測定については、先ず、前述のろう付け熱処理材から、幅が20mm、長さが70mmの矩形状の試験片を切り出した。次に、この試験片を濃度が5%のNaOH水溶液中に浸漬し、腐食電位を測定しようとする位置が露出するように、試験片をエッチングして板厚を減少させた。次に、試験面に、縦が10mm、横が10mmの正方形状の領域を残して、その他の領域及び裏面全体をシールして、腐食電位測定用サンプルを作製した。このとき、試験面における前記正方形状の露出領域が、電位測定用の窓となる。一方、濃度が2.67%のAlCl水溶液を作製し、60分間以上窒素ガスを吹き込むことにより脱気を行った。そして、脱気後のAlCl水溶液中に、腐食電位測定用サンプル及び参照電極としてのAg/AgCl電極を、相互に所定の距離だけ離隔して浸漬し、掃引速度を0.33mV/秒として孔食電位を測定した。そして、心材と犠牲材との電位差を求めた。結果を表2に示す。なお、測定位置のブレージングシートの表面からの距離は、エッチング後の試験片を顕微鏡により観察して確認した。
Figure 2005224851
表2に示す実施例及び比較例のうち、実施例No.1乃至4は、ろう付け加熱後のSi無拡散部、即ち、Si濃度が0.10質量%未満の部分の厚さが、10μm以上であったため、心材と犠牲材との間の腐食電位の電位差が50mV以上となり、腐食深さが60μmと小さく、耐食性が良好であった。これに対して、比較例No.5及び6は、Si無拡散部の厚さが10μm未満であり、心材と犠牲材との間の腐食電位の電位差が小さく、腐食試験により試験片を貫通する腐食が発生した。このように、比較例No.5及び6は耐食性が劣っていた。
本発明の実施形態に係るアルミニウム合金製ブレージングシートを示す断面図である。 (a)乃至(c)は、横軸に板厚方向の位置をとり、縦軸に各成分濃度をとって、ろう付け後のアルミニウム合金製ブレージングシートの組成分布を示すグラフ図であり、(a)はろう付け前の犠牲材の厚さが80μmのブレージングシートを示し、(b)はろう付け前の犠牲材の厚さが60μmのブレージングシートを示し、(c)はろう付け前の犠牲材の厚さが50μmのブレージングシートを示す。 (a)乃至(c)は、横軸にブレージングシートのろう付け後の表面からの板厚方向の距離をとり、縦軸に参照電極(Ag/AgCl電極)に対する孔食電位をとって、ろう付け後のアルミニウム合金製ブレージングシートの電位分布を示すグラフ図であり、(a)はろう付け前の犠牲材の厚さが80μmのブレージングシートを示し、(b)はろう付け前の犠牲材の厚さが60μmのブレージングシートを示し、(c)はろう付け前の犠牲材の厚さが50μmのブレージングシートを示す。
符号の説明
1;アルミニウム合金製ブレージングシート
2;心材
3;犠牲材
4、5;ろう材
6;Si無拡散部

Claims (1)

  1. Al及びMnを含有するAl−Mn系合金からなる心材と、この心材の少なくとも一方の側に設けられAl及びSiを含有するAl−Si系合金からなるろう材と、前記心材と少なくとも1の前記ろう材との間に設けられJIS Z3232により規定されている1000系Al合金又は7000系Al−Zn合金からなる犠牲材と、を有し、ろう付け加熱後に前記心材中にSi濃度が0.10質量%未満であり厚さが10μm以上であるSi無拡散部が残留することを特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシート。
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