JP2005224536A - グルコース濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 非侵襲的なグルコース濃度測定において、種々の波長帯域の光を効率的に検出して、グルコース濃度を精度よく測定する。
【解決手段】 生体Aに照射する光を発生する光源と、該光源2から導かれた光を生体Aに向けて照射する光照射部27と、該光照射部27に隣接して配置され、生体A内において拡散された反射光を受光する反射光受光部29と、生体Aを挟んで前記光照射部27に対向配置され、生体A内を透過した透過光を受光する透過光受光部31と、これら受光部29,31において受光された光を検出する光検出部と、該光検出部により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算部とを備えるグルコース濃度測定装置1を提供する。
【選択図】 図6

Description

この発明は、グルコース濃度測定装置に関するものである。
従来、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に、糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するために、グルコース濃度の測定が行われている。グルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。
しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法は、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の方法は、複数本の発光ファイバと複数本の受光ファイバとを束ねて構成した光ファイババンドルを用意し、該光ファイババンドルを構成する各光ファイバの先端面を生体表面に接触状態に配置する。そして、ハロゲンランプから複数の発光ファイバに集光した近赤外光をそれら発光ファイバの先端面から照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光を複数の受光ファイバにおいて受光するとともに、受光された光のスペクトルを分析することによりグルコースの濃度を算出するものである。
特開2000−131322号公報(図3等)
特許文献1に示される方法は、多数の発光ファイバおよび受光ファイバを使用して、照射光量および検出光量を増加させることで、検出されるグルコース濃度の情報量を増加させている。しかしながら、生体内において拡散あるいは透過されて、体外に放出される光はごく微量であり、発光ファイバから受光ファイバまでの複数のファイバ間を光が伝播する間に、種々の生体組織によって散乱、吸収されるため、光量が大幅に減衰するという問題がある。特に、グルコース濃度に大きく関係する波長帯域の光をできる限り効率的に検出することが必要であるが、波長帯域によっては散乱または吸収により検出することが困難となる場合もある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、種々の波長帯域の光を効率的に検出して、グルコース濃度を精度よく測定することができるグルコース濃度測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、生体に照射する光を発生する光源と、該光源から導かれた光を生体に向けて照射する光照射部と、該光照射部に隣接して配置され、生体内において拡散された反射光を受光する反射光受光部と、生体を挟んで前記光照射部に対向配置され、生体内を透過した透過光を受光する透過光受光部と、これら受光部において受光された光を検出する光検出部と、該光検出部により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算部とを備えるグルコース濃度測定装置を提供する。
この発明によれば、光源から発せられた光が光照射部から生体に向けて出射されると、出射された光は生体内において拡散または透過させられる。生体内において拡散された反射光は、光照射部側の生体表面に戻り、光照射部に隣接して配置されている反射光受光部により受光される。また、生体内を透過した透過光は、生体を挟んで光照射部に対向配置されている透過光受光部により受光される。これらの受光部において受光された光は、それぞれ光検出器により検出される。その後に、演算部において検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度が算出される。したがって、この発明によれば、生体内において拡散された反射光および生体内を透過した透過光のいずれもが同時に検出されて、グルコース濃度の測定に利用されるので、種々の波長帯域に応じて効率的にグルコース濃度の情報を取得することが可能となり、測定精度を向上することができる。
また、上記発明においては、前記光照射部と、前記透過光受光部とが隙間をあけて対向配置され、前記隙間に生体の一部を挟んだ状態に配置する生体配置手段を備えることが好ましい。
この発明によれば、生体配置手段の作動により、光照射部と透過光受光部との隙間に生体の一部が挟まれた状態に配置され、光照射部から出射された光が生体を透過して透過光受光部に受光されるようにすることができる。
この場合に、生体配置手段が、前記隙間に生体の一部を吸引する吸引手段を備えることとしてもよい。
吸引手段を作動させると、光照射部と透過光受光部との間の隙間に生体の一部を吸引により容易に挟んだ状態に配置することが可能となる。
また、上記発明においては、前記光照射部が複数の光ファイバを直線状に複数列配列してなり、前記反射光受光部が、前記複数列の光ファイバの間に直線状に配置された光ファイバからなることとしてもよい。
この発明によれば、反射光受光部の両側に光照射部が配置されるので、反射光受光部において受光される光量を大きく確保することができる。
さらに、上記発明においては、前記光照射部が複数の光ファイバを円環状に配列してなり、前記反射光受光部が、前記円環状の光ファイバの中央近傍に配置されていることとしてもよい。
このようにすると、円環状に配列された複数の光ファイバからなる光照射部から発せられ、生体内において拡散された反射光が、光ファイバの中央近傍の反射光受光部に受光されるので、反射光受光部における受光量をさらに大きくすることができる。
本発明に係るグルコース濃度測定装置によれば、生体内における反射光のみならず、生体内における透過光をも検出して、グルコース濃度の測定に利用することができる。したがって、種々の波長帯域における光をグルコース濃度の測定に効率的に利用することとして、グルコースに関する情報量を増大させ、測定精度を向上することができるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1は、図1に示されるように、生体Aに照射する光を発生する光源2と、該光源2から出射された光を分光する分光部3と、分光部3から出射された分光された光を生体Aに向けて照射し、生体A内を拡散または透過した光を受光する測定部4と、測定部4において受光された光を検出する光検出部5と、該光検出部5により検出された光のスペクトルに基づいて生体A内のグルコース濃度を算出する演算部6とを備えている。
前記光源2は、例えば、ハロゲンランプ、波長帯域を異にする複数の広帯域光源、例えば、ASE(Amplified Spontaneous
Emission)光源や、SLD(Super Luminescence Diode)光源からの光をマルチプレクサで合波した光源、あるいはこれらの組み合わせからなる光源のいずれでもよい。ハロゲンランプによれば、簡易かつ安価に構成できる利点があり、広帯域光源からの光を合波した光源によれば、高輝度の光を効率よく伝播することができる利点がある。
前記分光部3は、入力された高周波の周波数に応じて、入射された光の内の特定の波長の光のみをさらに分光して出射する音響光学可変波長フィルタ7(AOTF:Acoust-Optic
Tunable Filter、以下、AOTFという。)と、該AOTF7に高周波を供給して制御するフィルタ制御部8とを備えている。
前記フィルタ制御部8は、AOTF7に対して特定の周波数の高周波を供給する。フィルタ制御部8からAOTF7に供給される高周波の周波数は、所定の速度で順次変更されるようになっている。
また、フィルタ制御部8は、AOTF7に対して高周波を供給するのと同期して、該高周波を後述する演算部6に供給するようになっている。図中、符号9は、高周波の基本周波数を発生する発振器、符号10は加算器を示している。これにより、AOTF7および演算部6には、発振器9から供給される基本周波数とフィルタ制御部8から供給される周波数とが加算された周波数の高周波がそれぞれ入力されるようになっている。
AOTF7から出力された分光された光は、光ファイバ11によって測定部4に導かれている。
このAOTF7の出口に配置された光ファイバ11は、特に制限されるものではないが、本実施形態においては、AOTF7の出力角度に変動が生じても、その光を全て光ファイバ11の端面から入射させることができるように、比較的コア径の大きなマルチモードファイバが採用されている。マルチモードファイバによれば、光学系の機械的なズレや変形によって光路が変動する場合にも、AOTF7から出射される光を漏れなく入射させることが可能である。
AOTF7と測定部4との間には、AOTF7から入射されてきた光を2方向に分岐させる第1の光分岐部12が設けられている。この第1の光分岐部12は、例えば、図2に示されるように、光ファイバ11の端面に対向して配置されたコリメートレンズ13と、該コリメートレンズ13によりコリメートされた光を2方向に分岐させるビームスプリッタ14と、分岐されたコリメート光を2本の光ファイバ15,16に集光させる2つの集光レンズ17,18とを備えている。

第1の光分岐部12におけるビームスプリッタ14の分岐比率は、例えば、測定部4に向かう測定光が95%、参照光検出器19に向かう参照光が5%程度となるように設定されている。
第1の光分岐部12における分岐後の一方の光ファイバ15は、さらに、第2の光分岐部20において、複数の光ファイバ21aからなるファイババンドル21に分岐されて前記測定部4に接続されている。もう一方の光ファイバ16は、後述する参照光検出器19に分岐された光を導くように構成されている。第2の光分岐部20は、例えば、図3に示されるように、複数のファイバカプラ22により分岐する構造のものであり、本実施形態では、例えば、14本(図は、その内の8本を示している。)の光ファイバ21aに分岐されるようになっている。分岐された光ファイバ21aは束ねられることによりファイババンドル21を形成してコネクタ23を介して装置本体24の外部に出るようになっている。
前記測定部4は、図1および図4〜図6に示されるように、測定ヘッド25を備えている。該測定ヘッド25の先端面25aには、中央部において最も深さが深くなる円弧溝状の凹部26が設けられている。この凹部26は、約2mm程度の溝幅を有している。生体を2mmに薄くして光を照射することにより、透過光の光量を増大させるようになっている。また、前記凹部26は、その最も深い位置で約5mm程度の深さを有している。また、この凹部26には、該凹部26内の空気を負圧に吸引する吸引手段32を接続する接続穴33が設けられている。吸引手段は、例えば、吸引ポンプであり、接続穴33内の空気を図5の矢印Bのように吸引することによって、凹部26内を負圧にするように構成されている。
この凹部26の一内壁面26aには、前記第2の光分岐部20によって分岐された14本の光ファイバ21aの端面を、図4〜図6に示されるように配置した光照射部27が設けられている。この光照射部27は、図4および図6(a)に示されるように、それぞれ7本の光ファイバ21aを2列の直線状に配列して構成されている。なお、本実施形態では光ファイバ21a列を2列としているが、これに限定されるものではなく、3列以上配列してもよい。
また、この光照射部27と同じ内壁面26aには、光照射部27に隣接して端面を配置された7本の光ファイバ28からなる反射光受光部29が設けられている。この反射光受光部29は、前記光照射部27を構成する2列の光ファイバ21a列の中間位置に7本の光ファイバ28を一列に配列して構成されている。光照射部27の光ファイバ21aと反射光受光部29の光ファイバ28との中心間距離は、グルコースを多く含む真皮領域にまで測定光が進達するように、約0.4〜0.8mmである。これにより、反射光受光部29の光ファイバ28により受光される反射光は、生体A組織内を真皮の深さまで進達した光を多く含んでいるようになる。
また、前記光照射部27に対向する前記凹部26の他の内壁面26bには、図6(b)に示されるように、該内壁面26bに端面を配置された14本の光ファイバ30からなる透過光受光部31が設けられている。透過光受光部31は、図5に示されるように、前記光照射部27を構成する14本の全ての光ファイバ21aの端面に対し、凹部26の隙間を隔てて対向する位置に各光ファイバ30の端面を配置している。これにより、光照射部27から出射され、凹部26をまっすぐに透過した透過光が各光ファイバ30により受光されるようになっている。
これら反射光受光部29および透過光受光部31の光ファイバ28,30は、束ねられることによりファイババンドル34を形成して、コネクタ35により装置本体24内部に戻されるようになっている。
前記光検出器5,19は、例えば、PbSセンサ、あるいは、InGaAsセンサである。一方の参照光検出器19は、上述したように、第1の光分岐部12において分岐された一方の光ファイバ16の端面に対向配置されており、該光ファイバ16から出射されてきた参照光を検出して検出信号を出力するようになっている。また、他方の信号光検出器5は、前記ファイババンドル34を構成している光ファイバ28,30の端面に対向して配置されており、これら光ファイバ28,30により受光され伝播されてきた反射光および透過光を検出して検出信号を出力するようになっている。
前記演算部6は、前記信号光検出器5の検出信号および前記参照光検出器19の検出信号をそれぞれ増幅するアンプ36と、該アンプ36から出力された電気信号から特定の周波数の信号のみを抽出するロックイン検波器37と、該ロックイン検波器37から出力された電気信号をディジタル信号に変換するA/D変換器38と、該A/D変換器38から出力されたディジタル信号に基づいてグルコース濃度を算出するコンピュータ39とを備えている。
前記ロックイン検波器37は、前記フィルタ制御部8から供給された高周波を受信して、アンプ36からの電気信号から、高周波の周波数に一致する周波数成分の電気信号のみを抽出するようになっている。
また、コンピュータ39は、ロックイン検波器37により抽出された電気信号をA/D変換した出力信号と、前記フィルタ制御部8から供給された高周波の周波数に対応してAOTF7から発せられる光の波長信号とを入力されるようになっている。
これにより、コンピュータ39においては、A/D変換器38から得られた複数の出力信号と、フィルタ制御部8から得られた各出力信号に対応する波長信号とから得られる出力信号のスペクトル分布に基づいて、特定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度が演算されるようになっている。
なお、コンピュータ39には、ディスプレイ(図示略)が備えられており、コンピュータ39において演算されたグルコース濃度値が表示されるようになっている。
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定ヘッド25の先端面25aを、該先端面25aに形成された凹部26を塞ぐように、生体A、例えば、指先の表面に密着させる。なお、測定部位は、指先の他、掌、前腕等でもよい。特に、凹部26内に生体Aの一部を容易に吸引するためには、比較的柔らかい皮膚を有する部位が好ましい。
この状態で、吸引手段32を作動させる。これにより、図5に示されるように、凹部26内が負圧に吸引されるので、測定ヘッド25の先端面25aに密着させられた生体Aの一部が凹部26内に入り込むように吸引される。そして、これによって、測定ヘッド25に設けられた凹部26内に入り込んだ生体Aの一部を挟んで対向する位置に光照射部27の光ファイバ21aと透過光受光部31の光ファイバ30とが配置される。
この状態で、光源2を作動させ、光源2から発せられた光を光ファイバ40に入射させる。光ファイバ40によって伝播された光はAOTF7に入射される。AOTF7を作動させるには、AOTF7により分光する測定光の波長に対応する周波数の高周波をフィルタ制御部8からAOTF7に供給する。これにより、入射された光から所定波長の測定光が分光されて出射されることになる。
この場合において、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、AOTF7の出射部にマルチモードファイバ11が接続されているので、分光時に測定光の出射角度が変動しても、あるいは、光学系の機械的なズレや変形が生じても、AOTF7から出射された測定光はコア径の大きなマルチモードファイバ11に漏れなく入射されることになる。その結果、光源2から発せられた光が無駄なく測定ヘッド25に送られるので、生体Aから得られる信号光の光量を最大限に確保することができる。そして、受光量を大きく確保することでS/N比を改善し、測定精度を向上することができるという効果がある。
AOTF7から出射された測定光は、光ファイバ11を介して第1の光分岐部12に送られ、該第1の光分岐部12においてその一部を参照光として分岐される。分岐された参照光は、光ファイバ16の端面に対向配置されている参照光検出器19によりそのまま検出されることになる。
参照光を分離された残りの測定光は、集光レンズ17によって、光ファイバ15内に入射されて、第2の光分岐部20に送られる。第2の光分岐部20においては、複数のファイバカプラ22を通過する間に、1本の測定光が14本の測定光に分岐される。各ファイバカプラ22における分岐比率は、第2の光分岐部20から出力される14本の測定光が全て同等の強度となるように設定しておくことが好ましい。
第2の光分岐部20から出力された14本の光ファイバ21aからなるファイババンドル21は、コネクタ23を介して装置本体24の外部に導かれ、装置本体24の外部に配置されている測定ヘッド25まで伝播される。
各光ファイバ21aの端面は、凹部26内に吸引されている生体Aの表面に密着させられているので、該光ファイバ21aから出射された測定光は、生体A内に入射される。生体A内に入射された測定光は、生体A内を進行する間に、その一部は、生体組織に衝突して拡散され、他の一部は生体組織を透過して直進する。測定光は、通過する生体A組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光を吸収される。したがって、生体A内で拡散または透過されることにより生体A外に出射された信号光は、通過した生体A組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下していることになる。
反射光受光部29の光ファイバ28は、上述したように光照射部27の光ファイバ21aとの間の距離を一定に固定されているので、その距離に応じた深さまで進達した光を多く含む反射光を受光する。本実施形態の場合には、測定光は真皮領域まで進達した後に、入射表面に戻って、光照射部27の光ファイバ21aに隣接している反射光受光部29の光ファイバ28に受光されるので、受光される反射光はグルコースの情報を多く含んでいることになる。
受光された反射光は、反射光受光部29の光ファイバ28を介して装置本体24内に戻され、光ファイバ28の端面に対向配置されている信号光検出器5により検出される。
また、透過光受光部31の光ファイバ30は、凹部26内に吸引されて薄く引き延ばされた生体Aの一部に対し、光照射部27から照射されて、生体A内を直進した透過光を受光する。生体Aを凹部26の溝幅程度の厚さにすることにより、生体Aを透過する透過光の光量が多くなり、透過光受光部31の光ファイバ30には多くの透過光が受光されることになる。
受光された透過光は、透過光受光部31の光ファイバ30を介して、反射光受光部29の光ファイバ28とともにファイババンドル34として装置本体24内に戻され、ファイババンドル34の端面に対向配置されている信号光検出器5により検出される。
また、光照射部27から出射されて生体A内に入射される光の内、オーバートーン領域に配される波長帯域の光は、生体A内において拡散されやすく、反射光受光部29に多く受光されることになる。一方、コンビネーション領域に配される波長帯域の光は、生体A内において拡散されるよりもむしろ透過されやすく、透過光受光部31に多く受光されることになる。
したがって、オーバートーン領域に配されている波長帯域の内、1589nm±25nmの波長帯域および1695nm±25nmの波長帯域の光は、グルコースに対して特徴的な吸収特性を示す光であり、反射光受光部29の光ファイバ28に多く受光されることになる。また、コンビネーション領域に配される波長帯域の内、2050nm〜2350nmの波長帯域の光も、グルコースに対して特徴的な吸収特性を示す光であり、透過光受光部31に多く受光されることになる。
信号光検出器5および参照光検出器19からの出力信号は、演算部6に入力されると、アンプ36によってそれぞれ増幅される。信号光検出器5により検出される信号光の大きさは、生体Aに入射される光、すなわち、AOTF7から発せられた測定光の強度の変動とともに変動する。したがって、生体Aへの入射前の測定光の一部を参照光として参照光検出器19により検出しておき、後述するコンピュータ39において受光された信号光から差し引くことにより、AOTF7から発せられる測定光の強度変動による信号光強度の変動を除去することが可能となる。本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1においては、第1の光分岐部12における分岐比率が、測定光95%、参照光5%程度に設定されているので、測定光が生体A内で減衰されて得られる信号光と参照光とのレベルを同等にして測定光の強度変動による信号光強度の変動を効果的に除去することができる。この場合に、コンピュータ39においては、参照光検出器19からの出力信号に所定の係数をかけることにより、信号レベルを調整してもよい。
アンプ36において増幅された各検出器5,19からの出力信号は、それぞれロックイン検波器37を通過させられる。これにより、フィルタ制御部8からのAOTF7に入力された高周波に対応する波長の光に関する出力信号のみが抽出される。したがって、抽出された出力信号には、生体Aに入射された測定光と波長を同じくする生体Aからの散乱光の情報のみが含まれ、他の波長の光、例えば、外来光に関する情報は除かれている。その結果、外来光等によるノイズの発生を抑制することができる。
そして、ロックイン検波器37において抽出された出力信号は、それぞれA/D変換器38によってディジタル信号に変換させられてコンピュータ39に入力される。フィルタ制御部8からAOTF7に入力される高周波の周波数が順次変更されており、コンピュータ39には、生体Aに入射させた測定光の波長情報が、フィルタ制御部8から順次供給される。したがって、コンピュータ39においては、出力信号と波長情報との関係を示す波長特性が求められていくことになる。また、コンピュータ39は、求めた波長特性の内、所定の波長領域、例えば、波長1600nm近傍の領域における出力信号値を求めることにより、生体A内部のグルコース濃度を演算する。そして、演算されたグルコース濃度値は、ディスプレイに表示されることになる。
以上説明したように、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によれば、生体A内において拡散されて生体A外に戻る反射光のみならず、生体A内を透過する透過光をも同時に検出するので、オーバートーン領域に配されるグルコースに特徴的な吸収特性を示す波長帯域の光およびコンビネーション領域に配されるグルコースに特徴的な吸収特性を示す波長帯域の光を漏れなく検出して、グルコースに関する情報量を増大させ、測定精度を向上することができるという効果がある。
この場合に、光照射部27としては共通のものを利用するので、簡易な構成で上記効果を達成することができる。
また、反射光受光部29の両側に光照射部27が配置されているので、両側の光照射部27から発せられた光の反射光を中央の反射光受光部29に集中させて多くの光量の反射光を受光することができる。
さらに、第1の光分岐部12により、測定光の一部を参照光として分離して検出し、検出された信号光との差分をとることで測定光の強度レベルの変動による信号光強度の変動による測定精度の低下を抑制することができる。また、AOTF7の出口にマルチモードファイバを接続したので、AOTF7における偏光による出射角の変動、あるいは、光学系における機械的なズレや変形によってもAOTF7から出射される光を無駄なく回収して測定ヘッド25に送ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
第1に、上記実施形態においては、光照射部27を2列の直線状に配列し、その間に一列の直線状に反射光受光部29を配列したが、図7(a)に示すように光照射部27を円環状に配列し、その中央近傍に反射光受光部29を配置してもよい。このようにすることで、上記実施形態と同様に、光照射部27から発せられる光を反射光受光部29に集中させることができる。
また、上記実施形態においては、2列の直線状の光照射部27に対向して2列の直線状の透過光受光部31を配列したが、上記のように光照射部27を円環状とする場合は、図7(b)に示されるように、これに対向する位置に円環状光ファイバ30を配置した透過光受光部31を設けることが好ましい。
第2に、分光器として、AOTF7を採用したが、これに代えて、グレーティングとスキャンミラーとを組み合わせたもの等を採用してもよい。この場合、光検出器としてはリニアアレイセンサを採用することが好ましい。
第3に、第1の光分岐部12として、コリメートレンズ、集光レンズおよびビームスプリッタを組み合わせたものを例示して説明したが、これに代えて、第2の光分岐部20と同様に、ファイバカプラ(図示略)により分岐する構造のものにしてもよい。逆に、第2の光分岐部20として、コリメートレンズ等を組み合わせたものを採用してもよい。
第4に、光照射部27と透過光受光部31との間に生体Aの一部を配置する生体配置手段として、測定ヘッド25の先端面25aに溝状の凹部26を設け、該凹部26に生体Aの一部を吸引する吸引手段(例えば、吸引ポンプ等)を採用したが、これに代えて、光照射部27の光ファイバ21aの端面および反射光受光部29の光ファイバ28の端面を露出させた表面と、透過光受光部31の光ファイバ30の端面を露出させた表面とを互いに近接、離間可能に設け、これらの表面の間に生体Aの一部を挟み込むクリップのように構成してもよい。
第5に、透過光受光部31および反射光受光部29に受光された光を、ファイババンドル34としてまとめて信号光検出器5に導いて検出することとしたが、透過光受光部31により受光された光と反射光受光部29により受光された光を別々の信号光検出器により検出することにしてもよい。
また、本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1においては、信号光検出器5および参照光検出器19からの出力信号をそれぞれ別個のアンプ36で増幅し、別個のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力し、該コンピュータ39において差分処理を行うこととしたが、これに代えて、図8に示されるように、差動アンプ36′に入力することにより、得られた差分信号を単一のロックイン検波器37およびA/D変換器38を介してコンピュータ39に入力することにしてもよい。
この発明の一実施形態に係るグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の第1の光分岐部を説明する概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の第2の光分岐部を説明する概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の測定ヘッドを示す縦断面図である。 図4の測定ヘッドに生体の一部を吸引した状態を示す縦断面図である。 図4の測定ヘッドにおける光ファイバの配列を示す概略図である。 図6の光ファイバの配列の変形例を示す概略図である。 図1のグルコース濃度測定装置の変形例を示す概略図である。
符号の説明
A 生体
1 グルコース濃度測定装置
2 光源
5 光検出部
6 演算部
21a,28 光ファイバ
26 凹部(生体配置手段)
27 光照射部
29 反射光受光部
31 透過光受光部
32 吸引手段(生体配置手段)

Claims (5)

  1. 生体に照射する光を発生する光源と、該光源から導かれた光を生体に向けて照射する光照射部と、該光照射部に隣接して配置され、生体内において拡散された反射光を受光する反射光受光部と、生体を挟んで前記光照射部に対向配置され、生体内を透過した透過光を受光する透過光受光部と、これら受光部において受光された光を検出する光検出部と、該光検出部により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を算出する演算部とを備えるグルコース濃度測定装置。
  2. 前記光照射部と、前記透過光受光部とが隙間をあけて対向配置され、
    前記隙間に生体の一部を挟んだ状態に配置する生体配置手段を備える請求項1に記載のグルコース濃度測定装置。
  3. 前記生体配置手段が、前記隙間に生体の一部を吸引する吸引手段を備える請求項2に記載のグルコース濃度測定装置。
  4. 前記光照射部が複数の光ファイバを直線状に複数列配列してなり、
    前記反射光受光部が、前記複数列の光ファイバの間に直線状に配置された光ファイバからなる請求項1から請求項3のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置。
  5. 前記光照射部が複数の光ファイバを円環状に配列してなり、
    前記反射光受光部が、前記円環状の光ファイバの中央近傍に配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置。
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