JP6125821B2 - 酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法 - Google Patents

酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法に関するものである。
近年、近赤外光を用いて生体内の酸素飽和度を非侵襲で測定する方法が研究されている。このような方法には、空間分解分光法(Spacially Resolved Spectroscopy:SRS)、時間分解分光法(Time Resolved Spectroscopy:TRS)、位相変調分光法(Phase Modulation Spectroscopy:PMS)がある。
(1)空間分解分光法(SRS)
一つの光入射位置から生体内に近赤外光(CW光)を入射した後、複数の光検出位置のそれぞれにて、生体内を吸収・散乱した光を検出する。そして、各光検出位置での入射光強度と検出光強度との比の常用対数(減光度)を算出し、光入射位置から光検出位置までの距離に対する減光度の傾きを利用して酸素飽和度を算出する。
(2)時間分解分光法(TRS)
数ピコ秒といった極めて短い時間幅を有するパルス光を生体に入射し、生体表面において検出される光の時間分解波形を超高速光検出器により検出する。そして、その検出光の時間応答特性を、光拡散理論に基づく時間応答特性と合致するようにフィッティングすることにより吸収係数や等価散乱係数の値を求めたのち、最小二乗法によりオキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度を求め、これらより酸素飽和度を算出する。
(3)位相変調分光法(PMS)
100MHz程度の正弦波に変調された光を生体に入射し、生体表面において検出された光の位相変化及び振幅変化から各ヘモグロビン濃度および酸素飽和度を算出する。
なお、特許文献1には、近赤外線無侵襲生体計測装置が記載されている。この文献に記載された装置は、生体の深い所の酸素状態を近赤外線を用いて高い精度で計測するために、次の構成を備えている。すなわち、この装置は、2つの波長の近赤外線の光の強度を強弱に変化させつつ照射する発光素子と、この発光素子と一定の距離に配置されてその光による透過光を受光する受光素子と、2つの波長において強弱それぞれの場合の吸光度を算出し、これら吸光度をBeer-Lambert則に適用して生体の酸素状態を演算する制御ユニットとを備えている。
また、非特許文献1には、時間分解法を用いて組織の光学特性を非侵襲で測定する方法が記載されている。
実用新案登録第3016160号公報
Michael S. Patterson, B. Chance, and B. C. Wilson, "Time resolvedreflectance and transmittance for the noninvasive measurement of tissue opticalproperties", APPLIED OPTICS, Vol. 28, No. 12 (1989)
上述した3つの測定方法のうち、時間分解分光法では、数ピコ秒程度のパルス光を発生する光源と、数ピコ秒程度の時間幅の検出信号を時間分解計測し得る検出器とが必要であるため、装置のコストが高くなってしまう。更に、光拡散理論に基づく演算を行うため、演算処理装置への負担が大きくなってしまう。また、位相変調分光法では、検出光の位相変化を検出するために精度の高い位相検出技術が必要であり、装置のコストが高くなってしまう。更に、検出光の位相変化及び振幅変化を検出するために装置の構成が複雑になってしまう。これらの問題に対し、空間分解分光法は、連続光(CW光)を使用し、光検出の際にも特別な構成を必要としないので、上記2つの方法と比較して、極めて簡易な構成でもって測定を行うことができる。
しかしながら、空間分解分光法にも課題が存在する。空間分解分光法では光検出位置を複数設けるため、光検出器と生体表面との接触状態や光の伝搬する経路が光検出位置毎に異なるため、それらの違いが測定誤差となって現れてしまう。また、各光検出位置における光検出器の検出特性のバラツキによって、測定精度が低下してしまう。
なお、特許文献1に記載された装置では光入射位置および光検出位置を各一つのみとしており、上記の課題は回避される。しかし、この装置が採用している測定方法では、原理上、酸素飽和度を精度良く算出することが困難である(非特許文献1、特に式16を参照。光量を変化させても光路長、すなわち得られる深部情報は変わらない)。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、光入射位置および光検出位置を各一つのみとし、酸素飽和度を精度良く算出することができる酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明による酸素飽和度測定装置は、生体内における酸素飽和度を測定する装置であって、一つの光入射位置から生体内に、互いに波長が異なる第1及び第2の光を入射する光入射部と、生体の内部を伝搬した第1及び第2の光の光強度を一つの光検出位置において検出する光検出部と、光検出部での検出結果から求められる生体内における第1及び第2の光の減光度をModified Beer-Lambert則に適用して生体内の酸素飽和度を算出する演算部とを備え、演算部が、生体内における第1及び第2の光の光路長が互いにほぼ等しく、且つ、第1の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和と、第2の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和との比が、第1の光の減光度と第2の光の減光度との比にほぼ等しいと仮定して、酸素飽和度を算出することを特徴とする。
また、本発明による酸素飽和度算出方法は、生体内における酸素飽和度を測定する装置の内部において酸素飽和度を算出する方法であって、一つの光入射位置から生体内に互いに波長が異なる第1及び第2の光を入射し、生体の内部を伝搬した第1及び第2の光の光強度を一つの光検出位置において検出して求められる生体内における第1及び第2の光の減光度をModified Beer-Lambert則に適用して生体内の酸素飽和度を算出する演算ステップを備え、演算ステップにおいて、生体内における第1及び第2の光の光路長が互いにほぼ等しく、且つ、第1の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和と、第2の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和との比が、第1の光の減光度と第2の光の減光度との比に等しいと仮定して、酸素飽和度を算出することを特徴とする。
また、上述した酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法は、演算部が(又は演算ステップにおいて)、仮定に基づき算出された或る生体の酸素飽和度と、予め当該生体の酸素飽和度を測定した結果との比較に基づいて立式された以下の補正式(1)

(但し、SOは仮定に基づき算出された酸素飽和度、SO2,corrは補正後の酸素飽和度、a,bは実数)を用いて、他の生体について算出された酸素飽和度を補正することを特徴としてもよい。
また、酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法は、演算部が(又は演算ステップにおいて)、以下の演算式(2)

(但し、SOは仮定に基づき算出された酸素飽和度、λは第1の光の波長、λは第2の光の波長、εHbO2(λ)は波長λの光に対するオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb(λ)は波長λの光に対するデオキシヘモグロビンのモル吸光係数、OD(λ,t)は時刻tにおける波長λの光に対する減光度)を用いて酸素飽和度を算出することを特徴としてもよい。
本発明による酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法によれば、光入射位置および光検出位置を各一つのみとし、酸素飽和度を精度良く算出することができる。
本発明の一実施形態に係る酸素飽和度測定装置の構成を示すブロック図である。 (a)一実施形態の酸素飽和度測定装置が備えるプローブの外観を示す平面図である。(b)(a)に示されたII−II線に沿った断面図である。 プローブが生体の表面に装着された状態を示す図である。 係数K(λ)の算出方法の一例として、減光フィルタ(NDフィルタ)を用いる方法を概念的に示す図である。 係数K(λ)の算出方法の別の例として、光入射部において光の強度をモニタする方法を概念的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る酸素飽和度算出方法を示すフローチャートである。 一実施例として、息堪え実験によって右前額部での酸素飽和度を測定した結果を示すグラフである。 一実施例として、息堪え実験によって右前額部での酸素飽和度を測定した結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による酸素飽和度測定装置及び酸素飽和度算出方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る酸素飽和度測定装置の構成を示すブロック図である。また、図2(a)は、本実施形態の酸素飽和度測定装置が備えるプローブ20の外観を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)に示されたII−II線に沿った断面図である。また、図3は、プローブ20が生体Aの表面に装着された状態を示す図である。
図1に示されるように、本実施形態の酸素飽和度測定装置1Aは、本体部10と、プローブ20とを備えている。酸素飽和度測定装置1Aは、生体の一部(例えば頭部)に固定されたプローブ20から一つの光入射位置に第1の光(波長λ)及び第2の光(波長λ≠λ)を入射し、生体における一つの光検出位置から出射される光の強度を検出することにより、ヘモグロビン酸素飽和度を算出する装置である。なお、第1及び第2の光としては、例えば近赤外光が用いられる。
図2に示されるように、プローブ20は、光入射部21と光検出部22とを有している。光入射部21と光検出部22とは、互いに例えば数cm程度の間隔をあけて配置され、柔軟な黒色のゴム製のホルダー23によって実質的に一体化されている。プローブ20は、例えば毛髪の無い前額部に、粘着テープや伸縮性のバンド等によって固定されることができる。
光入射部21は、図3に示されるように、一つの光入射位置P1から生体A内に向けて第1及び第2の光L1,L2を入射する。光入射部21は、例えば発光ダイオード(LED)といった半導体発光素子を含んで構成されている。光入射部21は、半導体発光素子から発せられた第1及び第2の光L1,L2を、生体Aの表面に対してほぼ垂直に入射する。なお、半導体発光素子を駆動するための電力は、ケーブル28を介して本体部10から送られる。
光検出部22は、生体の内部を伝搬した第1及び第2の光L1,L2の光強度を、一つの光検出位置P2において検出し、その光強度に応じた電気的な検出信号を生成する。光検出部22は、例えばSi PINフォトダイオードといった半導体受光素子を含んで構成されている。なお、光検出部22は、半導体受光素子から出力される光電流を積分し、増幅するプリアンプ部を更に有してもよい。これにより、微弱な信号を感度良く検出して検出信号を生成し、この信号を本体部10へケーブル28を介して伝送することができる。
図1を参照すると、本体部10は、駆動部(ドライバ)11、サンプルホールド回路12、A/D変換回路13、CPU14、表示部15、ROM16、RAM17、及びデータバス18を備えている。
駆動部11は、光入射部21の半導体発光素子を駆動する回路によって構成されている。駆動部11は、データバス18に電気的に接続されており、同じくデータバス18に電気的に接続されているCPU14から半導体発光素子の駆動を指示するための指示信号を受ける。指示信号には、半導体発光素子から出力される光の光強度や波長(例えば波長λ及びλのうちいずれかの波長)などの情報が含まれている。駆動部11は、CPU14から受けた指示信号に基づいて半導体発光素子を駆動し、生体内部へ光を入射させる。なお、光入射部の構成は本実施形態のものに限られず、本体部10に収容された発光素子から光ファイバを介してプローブ20の光入射部へ第1及び第2の光を送るように構成されてもよい。
サンプルホールド回路12及びA/D変換回路13は、プローブ20からケーブル28を介して伝送される検出信号を入力してこれを保持(ホールド)し、デジタル信号化を行ってCPU14に出力する。サンプルホールド回路12は、A/D変換回路13に電気的に接続されており、保持した検出信号をA/D変換回路13へ出力する。
A/D変換回路13は、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するための手段である。A/D変換回路13は、サンプルホールド回路12から受けた検出信号をデジタル信号に変換する。A/D変換回路13は、データバス18に電気的に接続されており、変換した検出信号をデータバス18を介してCPU14へ出力する。
CPU14は、本実施形態における演算部であり、A/D変換回路13から受けた検出信号に基づいて、生体内部に含まれるヘモグロビンの酸素飽和度を算出する。そのための演算プログラムは、ROM16に格納されている。CPU14は、算出したヘモグロビン酸素飽和度を示す時系列データをデータバス18を介して表示部15へ送る。表示部15は、データバス18に電気的に接続されており、データバス18を介してCPU14から送られた結果を表示する。
ここで、検出信号に基づくヘモグロビン酸素飽和度の算出方法について述べる。本実施形態では、CPU14が、光検出部22での検出結果から求められる生体内における第1及び第2の光L1,L2の減光度をModified Beer-Lambert則に適用することにより、生体内の酸素飽和度を算出する。
いま、光入射部21から波長λの近赤外光を生体内に照射すると、或る時刻tにおける波長λの光の減光度OD(λ,t)は、Modified Beer-Lambert則を適用して以下の式(3)のように表現される。

但し、数式(3)において、各変数の定義は以下のとおりである。
in(λ):波長λの光の入射光強度
out(λ,t):波長λの光の検出光強度
εHbO2(λ):波長λの光に対するオキシヘモグロビンのモル吸光係数
εHb(λ):波長λの光に対するデオキシヘモグロビンのモル吸光係数
[HbO](t):生体内のオキシヘモグロビン濃度
[Hb](t):生体内のデオキシヘモグロビン濃度
[tHb](t):生体内のトータルヘモグロビン濃度
SO(t):生体内の酸素飽和度
L(λ,t):波長λの光の光路長
A(λ,t):ヘモグロビン以外の吸光物質(例えば、チトクロムcオキシダーゼ、ミオグロビン、水、脂肪など)による吸収項
S(λ,t):散乱項
なお、酸素飽和度SO(t)は、次の数式によって定義される値である。
上式(3)をλ=λ,λの近赤外光にそれぞれ適用すると、次の数式(5)及び(6)が得られる。なお、一実施例ではλは735nmであり、λは850nmである。

ここで、本実施形態では、CPU14が以下の仮定(近似)に基づいて酸素飽和度を算出する。まず、生体内における第1及び第2の光L1,L2の光路長が互いに等しいと仮定(近似)する。この仮定は、以下の数式(7)で表される。
次に、第1の光L1に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和と、第2の光L2に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和との比が、第1の光L1の減光度と第2の光L2の減光度との比に等しいと仮定する。この仮定(近似)は、以下の数式(8)で表される。
以上の仮定(近似)を導入することによって、前述した数式(5)及び(6)から、酸素飽和度SO(t)は以下の数式(9)を用いて算出される。

なお、上記の数式(9)において、モル吸光係数εHbO2(λ)及びεHb(λ)を、例えばεHbO2(λ)=0.4646、εHb(λ)=1.2959、εHbO2(λ)=1.1596、εHb(λ)=0.7861(それぞれ単位はmM−1cm−1)とすることができる。
数式(9)において、OD(λ,t)は次の数式(10)によって求められる。

ここで、ADC(λ,t)は波長λの光の検出光強度であり、ADCDARK(t)は暗電流の大きさに相当する電圧換算された12ビットA/Dカウント値であり,K(λ)は、半導体発光素子のパルス駆動順電流IFin(λ)の大きさに相当する値を12ビットA/Dカウント値に変換するための換算係数である。光検出部22のゲイン(例えば、初段トランスインピーダンスアンプのゲイン1.0×10倍、及び次段プログラマブルゲインアンプのゲイン20倍)を複数の生体に対して一定の値に統一すれば、換算係数K(λ)は、複数の生体に対して同一の値を適用可能となる。その際、検出光強度ADC(λ,t)及び暗電流相当値ADCDARK(t)は、複数の生体の光学定数(吸収係数、等価散乱係数)に依存して様々な値を示すこととなる。
本実施形態では、上述した数式(9)を補正した以下の数式(11)を用いて、補正後の酸素飽和度SO2,corr(t)を算出するとよい。但し、a,bは実数である。

この数式(11)のa,bは、数式(7)及び(8)の仮定に基づき算出された或る生体の酸素飽和度SO(t)と、予め当該生体の酸素飽和度SO(t)を他の手段により測定した結果との比較に基づいて求められる値である。
上記数式(10)の係数K(λ)の算出方法の例について説明する。図4は、係数K(λ)の算出方法の一例として、減光フィルタ(NDフィルタ)を用いる方法を概念的に示す図である。この方法では、光入射部21と光検出部22を互いに対向するように配置し、これらの間に既知の透過率を有するNDフィルタ24を配置する。光入射部21から出射された光は、NDフィルタ24を通過して減光され、光検出部22に達する。なお、図4では、光入射部21の例として、3つのLED21a〜21cを有する構成が示されている。LED21a及び21bは、波長λの第1の光L1、及び波長λの第2の光L2をそれぞれ発光する。LED21cは、波長λ,λとは異なる波長λ(例えば810nm)の第3の光L3を発光する。また、光検出部22は、例えばSi PINフォトダイオードといった半導体受光素子と、その後段に設けられたトランスインピーダンスアンプ(TIA)22bおよびプログラマブルゲインアンプ(PGA)22cとを有する。
図4に示された構成では、光入射部21から各波長λ〜λの光L1〜L3を順に出力し、NDフィルタ24を透過後の光強度を光検出部22にて検出する。このとき、LED21a〜21cの順電流量を次第に増加させて各光L1〜L3の光強度を次第に高めつつ、検出光のA/Dカウント値(例えば12ビット)を取得するとよい。これにより、LED21a〜21cに与えられるパルス駆動順電流IFin(λ)、IFin(λ)、及びIFin(λ)の大きさに相当する値を12ビットA/Dカウント値に変換するための検量線が得られる。そして、この12ビットA/Dカウント値をNDフィルタ24の分光透過率で除することにより、光L1〜L3の光強度(LED21a〜21cの順電流量)の12ビットA/Dカウント相当値が得られ、これにより換算係数K(λ)、K(λ)及びK(λ)が得られたことになる。これらの換算係数は装置のみに依存するので、予め測定しておき、生体計測時には図1に示されたROM16(パラメータデータベース部)から読み出して演算に用いるとよい。
図5は、係数K(λ)の算出方法の別の例として、光入射部21において光L1〜L3の強度をモニタする方法を概念的に示す図である。この方法では、光入射部21の内部におけるLED21a〜21cの近傍に、モニタ用ユニット(例えばモニタ用フォトダイオード)25a〜25cが配置される。これらのモニタ用ユニット25a〜25cは、LED21a〜21cが発光した光L1〜L3の光強度をそれぞれ検出し、光電流に変換する。これらの光電流は、光入射部21若しくは本体部10に設けられたTIA26a〜26c、PGA27a〜27c、及びADC28a〜28cによって12ビットA/Dカウント値にそれぞれ変換される。これにより、換算係数K(λ)、K(λ)及びK(λ)が得られる。
図6は、本実施形態による酸素飽和度算出方法を示すフローチャートである。この酸素飽和度算出方法では、まず、一つの光入射位置P1から生体A内に、互いに波長が異なる第1及び第2の光L1,L2を入射する(光入射ステップS11)。次に、生体Aの内部を伝搬した第1及び第2の光L1,L2の光強度を、一つの光検出位置P2において検出する(光検出ステップS12)。
続いて、光検出ステップS12での検出結果から求められる生体A内における第1及び第2の光L1,L2の減光度OD(λ,t)をModified Beer-Lambert則に適用して、生体A内の酸素飽和度SO(t)を算出する(演算ステップS13)。なお、演算ステップS13では、前述した数式(9)を用いて酸素飽和度SO(t)を算出することが好ましい。更に、演算ステップS13では、前述した補正式(11)を用いて、酸素飽和度を補正することがより好ましい。
以上の構成を備える本実施形態の酸素飽和度測定装置1Aおよび酸素飽和度算出方法によって得られる効果について説明する。この酸素飽和度測定装置1Aおよび酸素飽和度算出方法では、光入射位置P1および光検出位置P2をそれぞれ一つのみ設けている。したがって、光検出位置を複数設ける空間分解分光法(SRS法)を採用する装置と比較して、光検出部22と生体Aの表面との接触状態が測定誤差に現れることを抑制でき、また、光検出位置P2における光検出部22の検出特性のバラツキの影響を回避できるので、より精度の高い測定を行うことができる。したがって、本実施形態の酸素飽和度測定装置1Aおよび酸素飽和度算出方法によれば、酸素飽和度を精度良く算出することができる。
また、本実施形態の酸素飽和度測定装置1Aによれば、光検出位置を複数設ける装置と比較して、光検出器の数を削減することができ、装置の簡素化および低コスト化に寄与することができる。更に、特許文献1に記載された装置と比較して、入射光強度を測定中に変化させる必要がないので、装置の簡素化および高い再現性を実現することができる。
また、本実施形態のように、補正式(11)を用いて酸素飽和度を補正することが好ましい。ここで、図7及び図8は、本実施形態の一実施例として、息堪え実験によって右前額部での酸素飽和度を測定した結果を示すグラフである。図7及び図8において、横軸は経過時間(単位:秒)を表しており、縦軸(右)は減光度(任意単位)を表しており、縦軸(左)は酸素飽和度(単位:%)を表している。また、図7及び図8では、以下のグラフG11〜G16が示されている。
グラフG11:波長735nmでの減光度
グラフG12:波長810nmでの減光度
グラフG13:波長850nmでの減光度
グラフG14:数式(11)によって算出された補正後の動静脈混合血酸素飽和度
グラフG15:市販のパルスオキシメータによって計測された経皮的動脈血酸素飽和度
グラフG16:別のTRS装置による左前額部の動静脈混合血酸素飽和度(MBL方式)
図16に示されるように、補正後の動静脈混合血酸素飽和度(グラフG14)では、75%から始まって息堪え開始後(時刻0秒)に一旦80%まで増加してから70%まで減少し、呼吸再開後(時刻75秒)には85%まで回復するといった、妥当と思われる変化が見られた。また、このような変化は、市販のパルスオキシメータによって計測された酸素飽和度(グラフG15)と波形が良く一致していることが示された。また、図17に示されるように、補正前の酸素飽和度(グラフG16)と比較して、補正後の酸素飽和度(グラフG14)の方が息堪え及び呼吸再開の様子が良く現れていることがわかった。なお、本実施例では、数式(11)の値aを10とし、値bを3.48とした。また、換算係数はK(735)=1.3×10、K(850)=8.0×10であった。
本発明による酸素飽和度測定装置および酸素飽和度算出方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では数式(11)による補正式を用いており、この数式はy=ax−bの一次式となっているが、補正式は一次式以外の他の数式(例えば二次式など)であってもよい。
1A…酸素飽和度測定装置、10…本体部、11…駆動部、12…サンプルホールド回路、13…変換回路、14…CPU、15…表示部、16…ROM、17…RAM、18…データバス、20…プローブ、21…光入射部、22…光検出部、23…ホルダー、24…NDフィルタ、28…ケーブル、A…生体、P1…光入射位置、P2…光検出位置。

Claims (6)

  1. 生体内における酸素飽和度を測定する装置であって、
    一つの光入射位置から前記生体内に、互いに波長が異なる第1及び第2の光を入射する光入射部と、
    前記生体の内部を伝搬した前記第1及び第2の光の光強度を一つの光検出位置において検出する光検出部と、
    前記光検出部での検出結果から求められる前記生体内における前記第1及び第2の光の減光度をModified Beer-Lambert則に適用して前記生体内の酸素飽和度を算出する演算部と
    を備え、
    前記演算部は、前記生体内における前記第1及び第2の光の光路長が互いにほぼ等しく、且つ、前記第1の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和と、前記第2の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和との比が、前記第1の光の減光度と前記第2の光の減光度との比にほぼ等しいと仮定して、前記酸素飽和度を算出することを特徴とする、酸素飽和度測定装置。
  2. 前記演算部は、前記仮定に基づき算出された或る前記生体の酸素飽和度と、予め当該生体の酸素飽和度を測定した結果との比較に基づいて立式された以下の補正式

    (但し、SOは前記仮定に基づき算出された酸素飽和度、SO2,corrは補正後の酸素飽和度、a,bは実数)を用いて、他の前記生体について算出された酸素飽和度を補正することを特徴とする、請求項1に記載の酸素飽和度測定装置。
  3. 前記演算部は、以下の演算式

    (但し、SOは前記仮定に基づき算出された酸素飽和度、λは前記第1の光の波長、λは前記第2の光の波長、εHbO2(λ)は波長λの光に対するオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb(λ)は波長λの光に対するデオキシヘモグロビンのモル吸光係数、OD(λ,t)は時刻tにおける波長λの光に対する減光度)を用いて酸素飽和度を算出することを特徴とする、請求項1または2に記載の酸素飽和度測定装置。
  4. 生体内における酸素飽和度を測定する装置の内部において酸素飽和度を算出する方法であって、
    一つの光入射位置から前記生体内に互いに波長が異なる第1及び第2の光を入射し、前記生体の内部を伝搬した前記第1及び第2の光の光強度を一つの光検出位置において検出して求められる前記生体内における前記第1及び第2の光の減光度をModified Beer-Lambert則に適用して前記生体内の酸素飽和度を算出する演算ステップを備え、
    前記演算ステップにおいて、前記生体内における前記第1及び第2の光の光路長が互いにほぼ等しく、且つ、前記第1の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和と、前記第2の光に関するヘモグロビン以外の吸光物質による吸収項と散乱項との和との比が、前記第1の光の減光度と前記第2の光の減光度との比にほぼ等しいと仮定して、前記酸素飽和度を算出することを特徴とする、酸素飽和度算出方法。
  5. 前記演算ステップにおいて、前記仮定に基づき算出された或る前記生体の酸素飽和度と、予め当該生体の酸素飽和度を測定した結果との比較に基づいて立式された以下の補正式

    (但し、SOは前記仮定に基づき算出された酸素飽和度、SO2,corrは補正後の酸素飽和度、a,bは実数)を用いて、他の前記生体について算出された酸素飽和度を補正することを特徴とする、請求項に記載の酸素飽和度算出方法。
  6. 前記演算ステップにおいて、以下の演算式

    (但し、SOは前記仮定に基づき算出された酸素飽和度、λは前記第1の光の波長、λは前記第2の光の波長、εHbO2(λ)は波長λの光に対するオキシヘモグロビンのモル吸光係数、εHb(λ)は波長λの光に対するデオキシヘモグロビンのモル吸光係数、OD(λ,t)は時刻tにおける波長λの光に対する減光度)を用いて酸素飽和度を算出することを特徴とする、請求項またはに記載の酸素飽和度算出方法。
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