JP2005224328A - 収差補正機能付き画像形成装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 補正できる収差に制限のある波面収差補正素子を用いていても、眼底からの収差を含んだ反射光を充分に補正できる収差補正機能付き画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の収差補正機能付き画像形成装置は、対象物60からの光束を受光して波面収差を測定する波面収差測定部(5、81)と、対象物60からの光束に対して単一の波面収差補正光学素子71を少なくとも2回作用させて受光する画像形成光学系3と、前記波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、波面収差補正光学素子71の収差補正量を制御する制御部(83、85、9)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼の屈折力や角膜波面収差を測定する光学特性測定装置、被検眼の眼底像の記録を行なう眼底カメラ、夜間の天体を観測する天体望遠鏡等に用いて好適な画像形成装置に掛かり、特に測定した被検眼等の対象物の収差を補償して、鮮明な対象物像を得る収差補正機能付き画像形成装置に関する。
画像形成装置の用途として、例えば眼底カメラ等の眼底観察装置がある。眼底カメラでは、眼底像を撮影して、眼科医や検眼士が網膜の状態や眼底出血などを検査している。ところで、人間の眼光学系は、角膜、水晶体、ガラス体等を構成要素とする眼球より構成されているが、幾何光学で前提としている完全光学系と比較して、人間の眼光学系には歪みがある。特に、眼科臨床の分野では被検眼が正常眼から乖離している程度を診断情報として用いているため、鮮明で収差の少ない眼底像が必要である。しかし、撮影対象を構成する眼光学系が不完全であるために、十分な解像度を得られない場合があった。そこで、眼光学系における波面の崩れを補正するために、例えば特許文献1、2に示すような、圧電効果を用いた可変形状ミラー(Deformable Mirror)が用いられている。しかし、眼底からの収差を含んだ反射光を補正する際に、単一の可変形状ミラーによる変位量から得られる補正量では、鮮明な眼底像を得る為には不十分な場合があるという課題があった。
また、角膜波面収差は、例えば特許文献3に示すように、ゼルニケ係数(Zernike)によって表され、ゼルニケ係数をディオプター値に変換することも行なわれている。そして、従来の眼底カメラにおいては、波面収差の非点収差に相当するシリンダー成分(Zernike(2.±2)成分)は、光路に挿入された補正用シリンダーレンズにより補正されている。しかし、シリンダーレンズの屈折度数間隔もある一定間隔(例えば3D(ディオプター)間隔)と制限があり、当該一定間隔の屈折度では、充分に収差補正された鮮明な眼底像を得ることが出来ないという課題があった。
特開平11−137522号公報 [0031]、図8 米国特許公報第6042223号公報 第3欄第51行〜第65行、図8 特開2002−209854号公報 [0039]、[0090]、図19、図20
本発明は上述した課題を解決したもので、第1の目的は、補正できる収差に制限のある波面収差補正素子を用いていても、眼底等の収差を含んだ対象物からの反射光を充分に補正できる収差補正機能付き画像形成装置を提供することである。本発明の第2の目的は、眼底画像等の対象物の画質を向上させるための、波面収差補正素子の補正量調整の態様が簡便に選択できる収差補正機能付き画像形成装置を提供することである。
前記第1の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成装置は、例えば図1に示すように、対象物60からの光束を受光して波面収差を測定する波面収差測定部(5、81)と、対象物60からの光束に対して単一の波面収差補正光学素子71を少なくとも2回作用させて受光し、対象物60の画像を形成する画像形成光学系3と、前記波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、波面収差補正光学素子71の収差補正量を制御する制御部(83、85、9)とを備えている。観測光束は、例えば夜空の天体のように、対象物が自ら発光する場合には、対象物の発光光であり、例えば眼底のように、対象物が自らは発光しない場合には、対象物からの反射光である。
このように構成された装置において、波面収差測定部は対象物60から反射してくる反射光を受光して波面収差を測定する。画像形成光学系3は、対象物60からの光束に対して単一の波面収差補正光学素子71を少なくとも2回作用させて受光して観察する。ここで、作用とは、対象物からの光束が波面収差補正光学素子71を反射する場合を言う。そして、制御部によって波面収差測定部で測定した波面収差に基づき波面収差補正光学素子の収差補正量が制御され波面に生ずる収差が補正できる。
本発明の収差補正機能付き画像形成装置において、好ましくは、対象物60は、被検眼60の眼底61であり、さらに被検眼60の眼底61を照明する照明光学系2を備え、前記波面収差測定部は、眼底61から反射してくる反射光を受光して波面収差を測定し、画像形成光学系3は、被検眼60の眼底61の画像を形成するように構成されているとよい。対象物が眼底の場合には、観測光束を外部から照射する必要があるため、照明光学系2が設けられている。
本発明の収差補正機能付き画像形成装置において、好ましくは、波面収差補正光学素子71は、可変形状ミラーで構成されているとよい。可変形状ミラーは、例えば多数の素子が細分化されて配置されているので、個別素子の制御量を適切に調整することで、波面に生ずる微細な収差も補正できる。好ましくは、波面収差補正光学素子71で一回目の作用を受けた光束を、再び波面収差補正光学素子71側に反射させる再帰光学系72を有すると良い。
本発明の収差補正機能付き画像形成装置において、例えば図23〜図25に示すように、好ましくは、再帰光学系72は、可変形状ミラー71から最初に反射した光束を再び、可変形状ミラー71に向けて戻すものであって、可変形状ミラー71が被検眼瞳と略共役関係となるように構成されているとよい。
本発明の収差補正機能付き画像形成装置において、例えば図23に示すように、好ましくは、再帰光学系72は、可変形状ミラー71から最初に反射した光束を再び、可変形状ミラー71に向けて戻すものであって、再帰された光束は可変形状ミラー71上で正立像として再び最初の反射位置で形成するように構成されているとよい。例えば、再帰光学系72と可変形状ミラー71との間に2個のレンズ(L11、L12)を設けると良い。
本発明の収差補正機能付き画像形成装置において、好ましくは、波面収差測定部(5、81)は、被検眼の瞳と略共役位置にハルトマン光学素子51を配置し、ハルトマン光学素子51の略焦点位置に受光部52が配置されているとよい。ここで、受光部52は、被検眼60の眼底61と略共役位置に配置されている。
前記第1の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成方法は、例えば図1、図8、図9に示すように、対象物60からの光束を受光して、波面収差測定部(5、81)により波面収差を測定するステップ(S106)と、対象物60からの光束に対して単一の波面収差補正光学素子71を少なくとも2回作用させる波面補正ステップ(S114)と、波面補正ステップで補正された対象物60からの光束を、画像形成光学系3が受光するステップ(S166)と、波面収差測定のステップで測定した波面収差に基づき、波面収差補正光学素子71の収差補正量を制御するステップ(S108〜S114)とを有している。
前記第2の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成装置は、例えば図1に示すように、対象物60からの光束を受光して、波面収差を測定する波面収差測定部(5、81)と、対象物60からの光束に対して、波面収差補正光学素子71を作用させて受光する画像形成光学系3と、波面収差補正光学素子71を調整するための複数種類の電圧変化テンプレートを記憶する電圧変化テンプレート記憶部6と、電圧変化テンプレート記憶部6に記憶された電圧変化テンプレートから、波面収差補正光学素子71の補正を行なう電圧変化テンプレートの種類を選択する電圧変化テンプレート選択部85と、前記波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、電圧変化テンプレート選択部85で選択された電圧変化テンプレートにより、波面収差補正光学素子71の収差補正量を制御する補正量決定部83とを備えている。
前記第2の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成装置は、例えば図1、図9に示すように、好ましくは、電圧変化テンプレート記憶部6は、同心円テンプレート、電圧変化が波面収差補正光学素子71の中心又は所望の軸に対して対称に設定された対称テンプレート、電圧変化が波面収差補正光学素子71の中心又は所望の軸に対して非対称に設定された非対称テンプレートの少なくとも1種類の電圧変化テンプレートを含み、電圧変化テンプレート選択部85は、前記波面収差測定部で測定した波面収差の判定に基づいて、波面収差補正光学素子71の補正を行なう電圧変化テンプレートを形成する。
前記第1の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成装置によれば、対象物60からの光束が画像形成光学系3に至る間に、同一の波面収差補正光学素子を2回作用させる光学系を採用することによって、1回作用させる光学系に比較して、単一の波面収差補正光学素子による補正量を最大2倍増加させることが可能となり、より鮮明な対象物像を得ることができる。また、同一特性の波面収差補正光学素子を2個並べて、対象物60から画像形成光学系3に至る光束に作用させる場合に比較して、波面収差補正光学素子の数が少なくて済むため、部品コストが安価である。
前記第2の目的を達成する本発明の収差補正機能付き画像形成装置によれば、波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、電圧変化テンプレート選択部で選択された電圧変化テンプレートにより、波面収差補正光学素子の収差補正量を制御する構成としているので、対象物画像の画質を向上ための、波面収差補正素子の補正量調整の態様が簡便に選択できる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
ここでは、収差補正機能付き画像形成装置の一例として眼底観察装置を用いて説明する。図1は、本発明にかかる眼底観察装置の全体の一例を説明する構成ブロック図である。眼底観察装置は、水晶体、硝子体、角膜などの眼光学系に含まれる収差を測定する波面収差測定部と、その収差を補正する波面収差補正光学素子を備えている。図において、眼底観察装置は、眼底照明系2、画像形成光学系としての眼底観察系3、点像投影光学系4、点像受光光学系5、電圧変化テンプレートDB6、補償光学系7、コンピュータ8、並びに操作制御部9を備える。
ここで、点像投影光学系4と点像受光光学系5は波面測定系を構成し、波面測定系とコンピュータ8によって波面補正系が構成される。コンピュータ8は、収差測定部81、画像データ記憶部82、補償量決定部83、電圧変化テンプレート選択部85、表示部86を備える。また波面収差測定部は、眼底61から反射してくる反射光を受光して波面収差を測定するもので、点像受光光学系5と、収差測定部81を備えている。制御部は、波面収差測定部で測定した波面収差に基づき補償光学系7(波面収差補正光学素子)による収差補正量を制御するもので、補償量決定部83、電圧変化テンプレート選択部85並びに操作制御部9を備えている。眼底61は、対象物としての被検眼60の構成要素である。
眼底照明系2は、第2光源部21、集光レンズL1、並びにビームスプリッタBS1を備え、第2光源部21からの第2光束で被検眼60の網膜61上の所定領域を照明するためのものである。第2光源部21は、例えば第2波長として波長630nmの赤色の光束を発するレーザ素子を用いると良く、眼底61に対して点光源又は面光源として作用し、眼底61を赤色領域とすることができる。ビームスプリッタBS1は、例えば第2光源部21からの光束を被検眼60に向けて反射し、被検眼60で反射して戻ってくる光束を透過するような偏光ビームスプリッタを用いるのが良い。なお、眼底61の照明については、例えば穴あきミラーを用いて眼底61の観察領域の照明光を形成してもよい。穴あきミラーを用いる場合は、角膜62の頂点での反射を防ぐため、穴あきミラーと瞳とを共役関係にする。さらに、眼底61の照明については、リング状絞りの中心を100%透過とし、中心に対して周辺領域の透過率を例えば10%程度として、周辺領域によって眼底61の全体を照明してもよい。
眼底観察系3は、眼底画像形成用光学系31、眼底画像受光部32(CCD)、並びに眼底画像表示部33を備える。眼底画像形成用光学系31は、例えばコリメータレンズ又はアフォーカル系レンズL2、ビームスプリッタBS2、レンズL3、補償光学系7並びにミラーM1を備える。眼底画像形成用光学系31は、眼底61で反射した第2波長の光を、ビームスプリッタBS2を用いて補償光学系7に送り、補償光学系7から送られてきた光束をビームスプリッタBS2、レンズL3、ミラーM1を経由して、眼底画像受光部32に導く。ビームスプリッタBS2は、例えばビームスプリッター(例えばハーフミラー)で構成されている。眼底画像受光部32は、眼底画像形成用光学系31で形成された眼底像を受光して、眼底画像表示部33に眼底像を表示させるもので、例えばCCD、集光レンズL9、並びにダイクロイックミラーDMで構成されている。そして、ダイクロイックミラーDMは、第2波長の光(赤色光)を、第2波長の光に感度を有する受光素子(CCD)32方向に分岐させている。
点像投影光学系4は、第1光源部41と集光レンズL8を備える。第1光源部41は、空間コヒーレンスが大きく、時間コヒーレンスが小さいものが望ましい。ここでは、一例として、第1光源部41として、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)を採択しており、輝度の高い点光源を得ることができる。なお、第1光源部41は、SLDに限られるものではなく、例えば、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが大きいレーザー等であっても、回転拡散板等を挿入し、適度に時間コヒーレンスを下げることで、利用することができる。さらに、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが小さいLEDであっても、光量さえ十分であれば、例えば、光路の光源の位置にピンホール等を挿入することで、利用することができる。第1光源部41から発せられる照明用の光束の第1波長は、例えば赤外域の波長(例えば、780nm)とする。
点像受光光学系5は、例えば、リレーレンズL6、L7、ビームスプリッタBS3、反射光束(第1光束)の一部を少なくとも17本のビームに変換する変換部材であるハルトマン板51と、このハルトマン板51で変換された複数のビームを受光するための点像受光光学部52とを備えている。点像受光光学系5は、被検眼60の網膜61から反射して戻ってきた第1光束を受光して、点像受光光学部52に導くためのものである。ビームスプリッタBS3は、第1光源部41からの光束を反射し、被検眼60の網膜61から反射し、補償光学系7とリレーレンズL6、L7を経由して戻ってきた反射光束を透過するミラー(例えば、偏光ビームスプリッタ)で構成されている。ハルトマン板51は、反射光束を複数のビームに変換する波面変換部材で、例えば光軸と直交する面内に配置された複数のマイクロフレネルレンズを用いることができる。また、一般に、測定対象部(被測定眼60)について、被測定眼60の球面成分、3次の非点収差、Zernikeの3次と4次の高次収差までも測定するには、被測定眼60を介した少なくとも17本のビームで測定する必要があることが知られている。
図21は、点像受光光学系5に用いられる波面センサーの説明図である。ハルトマン板51に用いられるマイクロフレネルレンズは、光学素子であって、例えば、波長ごとの高さピッチの輪帯と、最適化されたブレーズとを備える。ここでのマイクロフレネルレンズは、例えば、半導体微細加工技術を応用した8レベルの光路長差を施したもので、高い集光率(例えば、98%)を達成している。眼底61からの反射光は、ハルトマン板51を介して点像受光光学部52上に集光する。ここでは、点像受光光学部52には、リードアウトノイズの少ないCCDが採用されているが、CCDとしては、例えば、一般的な低ノイズタイプ、測定用の2000x2000素子の冷却CCD等、適宜のタイプのものを適用することができる。波面収差は、点像受光光学部52における点像の移動距離(△x、△y)として現れる。
波面収差が現れるのは、眼底61(網膜)からの反射光に被験者の眼光学系特有の収差を含み、完全な平面波にならない為である。収差を有する波面を、波面センサーのハルトマン板51で集光すると、集光点が、完全な平面波を入れた場合の集光位置から変位する。ハルトマン板51による変位点を点像受光光学部52上で撮影し、変位量(Δx,Δy)を測定できる。
好ましくは、点像投影光学系4と点像受光光学系5には、光路途中に挿入されたプリズム(図示せず)を設けて、プリズム位置を調整することにより、第1光源部41からの光束が被検眼60で集光するように構成すると良い。この場合、第1光源部41からの光束が集光する点で反射されたとして、その反射光による点像受光光学部52での信号ピークが最大となる関係を維持して、点像受光光学部52での信号ピークが高くなる方向にプリズム位置を調整する。
補償光学系7は、シリンダーレンズ77、集光レンズL10、測定光の収差を補償する波面収差補正光学素子としての可変形状ミラー71、反射ミラー72、光軸方向に移動して球面成分を補正する移動プリズム(図示せず)や球面レンズ(図示せず)を有している。補償光学系7は、眼底観察系3と点像受光光学系5に向かう光束中に配置され、例えば被検眼60から反射して戻ってくる反射光束の収差を補償するもので、例えば可変形状ミラー71で補償した光束を反射ミラー72で反射して再び可変形状ミラー71で補償し、ビームスプリッタBS2を介して眼底観察系3と点像受光光学系5に光束を戻す。また、補償光学系7は、第1光源部41から発せられた光束に対して、収差を補償し、収差補償された光束で被検眼60の眼底61上の微小領域を照明するようにしても良い。
可変形状ミラー71は、鏡の内部に備えられたアクチュエータによって鏡を変形させることで、光束の反射方向を変化させるもので、例えば静電引力で変形させる形式や圧電素子を用いて変形させる形式がある。なお、可変形状ミラー71の機能は測定光の収差を補償する適応光学系(Adaptive Optics)として用いられる他の素子で置換することができ、例えば液晶のような空間光変調器を用いることができる。液晶空間光変調器は、液晶の配光性を利用して位相を変調させるもので、可変形状ミラーと同様に反射させて使用する。なお、空間光変調器を用いる場合は、光路の途中で偏光子が必要な場合がある。また、可変形状ミラーや空間光変調器では、反射型光学系の他に透過型光学系を用いても良い。シリンダーレンズ77は、波面収差の非点収差に相当するシリンダー成分を補償するもので、前眼部61とビームスプリッタBS1の間に挿入されている。シリンダーレンズ77では、屈折度数を所定の間隔(例えば3D)で選択することができる。
図2は、可変形状ミラー71の構成図で、単一の可変形状ミラーを示している。可変形状ミラーでは、例えば、蜂の巣状に区分された複数の素子が並んでおり、これらがそれぞれアクチュエータにより変動することで可変形状ミラーが変形する。各素子には、例えば各素子を識別するための素子番号が予め割り当てられている。制御部9は、コンピュータ8が出力した素子番号に対応する電圧値に従い、アクチュエータによって各素子を駆動する。なお、素子の数は、図に示す37個に限られるものではなく、必要とされる補償分解能の要請を充足するように、適宜の数を用いることができる。素子番号は、図に示す以外にも適宜割り当てることができる。また、素子番号は、番号以外にも文字、座標等、各素子を識別可能な適宜の識別情報を用いることができる。
図22は、可変形状ミラーと反射ミラーの配置を説明する要部構成図である。理想的な光学系では、被検眼60からの光束は、可変形状ミラー71で反射された後、反射ミラー72で正反射されて、再び可変形状ミラー71に戻ってくる際に、可変形状ミラー71上の同じ場所に戻る必要がある。そして、同じ場所で2度反射することで、光束に関して2倍の位相変化を得ることができる。
しかしながら実際には、図22に示すように、操作制御部9による駆動時に、可変形状ミラー71には収差補正のための変形に重畳して、反射面が若干の曲率を有する性質がある。そこで、反射ミラー72を折り返して可変形状ミラーに戻った場合、光束の位置が若干変化する。従って、反射ミラー72と可変形状ミラー71間の距離Lを適切にすることで、光束の位置ズレを問題の無い程度に抑える必要がある。一般に、可変形状ミラー駆動時の反射面の曲率半径Rは2000mm以上になることが、経験的に知られている。そこで、可変形状ミラー71と反射ミラー72の間隔Lを40mmとした場合、光束の位置ズレは最大0.14mm程度となる。可変形状ミラー71と反射ミラー72の間隔Lは、例えば40mm以下とすると、光束の位置ズレは最大0.14mm程度となり、波面収差測定系の分解能と比較して問題のない程度に小さくできる。
次に、コンピュータ8の各構成要素について説明する。収差測定部81は、点像受光光学部52からの出力に基づき、被検眼60の高次収差を含む光学特性を求める。点像受光光学部52からの出力は、眼底(網膜)61からの反射光であり、眼光学系が不完全であるため収差を含み、平面波にならない。そして、収差を含む光をハルトマン板51のマイクロレンズで集光すると、集光点が変位する。この変位点を点像受光光学部52で撮影し、収差測定部81により変位量(Δx,Δy)を測定する。なお、収差測定部81は、点像受光光学部52からの出力信号以外にも、少なくとも被検眼60の波面収差を示す波面測定データを受取って、光学特性を求めても良い。
画像データ記憶部82は、波面収差の修正がなされた後に、眼底画像を記憶するものである。補償量決定部83は、電圧変化テンプレート選択部85で選択された電圧変化テンプレートを用いて、可変形状ミラー71の補正量を決定して、可変形状ミラー71に対する補正量を操作制御部9に出力する。補償量決定部83は、収差測定部81により測定された変位量(Δx,Δy)から、収差Zをゼルニケ(Zernike)多項式に変換し、ゼルニケ多項式に重み(a,b,c,…)をつける。
Z=aZernike(1,1)+bZernike(1,-1)+cZernike(2,0)+… … (1)
補償量決定部83では、収差測定部81で測定された収差に1/2を乗じて、可変形状ミラー71に対してビームスプリッタBS2から入射した光束に対する補正量と、反射ミラー72から反射した光束に対する補正量を組合せて、収差測定部81で測定された収差が補償されるように制御する。
各ゼルニケ多項式で表した収差を補正する為に、各可変形状ミラー71の各電極へ印加する電圧は、例えば電圧変化テンプレートDB6にデーターベースとして保有される。補償量決定部83は、電圧変化テンプレートDB6を参照して各可変形状ミラー71の各電極へ印加する電圧を決定して、操作制御部9に補正信号を送る。そして、補償量決定部83は、収差が閾値(例えばRMS0.1μmや1μm)以下となるまで、被検眼60の収差の測定と可変形状ミラー71の変形による収差補正を逐次繰り返す構成とするとよい。
好ましくは、補償量決定部83は、複数の電圧変化テンプレートに対して求められたシミュレーション画像データ又は被検眼特性データに基づき、眼底画像の質を評価する為の評価データを算出し、評価データに基づいて可変形状ミラー71の適正な補正量を決定すると良い。評価データとしては、例えばシミュレーション画像と所定のパターンテンプレートのマッチング度合いを示す値や、MTF(Modulation Transfer Function)を用いることができる。ここで、MTFは、空間周波数の伝達特性を示す指標であって、光学系の性能を表現するために広く使われている。このMTFは、例えば、1度当たり、0〜100本の正弦波状の濃淡格子に対しての伝達特性を求めることで見え方を予測することが可能である。
電圧変化テンプレート選択部85は、電圧変化テンプレートDB6に記憶されている電圧変化テンプレートを選択する。選択は、例えばオペレータの指定や、被検眼60の波面収差等の光学特性に基づき、コンピュータ8が予め定められた選択規範に基づいて指定するように構成しても良い。電圧変化テンプレートDB6には、同心円テンプレート64、対称テンプレート66、非対称テンプレート68が記憶されている。同心円テンプレート64は、可変形状ミラー71の中心付近に位置する素子の方が周辺に位置する素子と比較して、画質に影響しやすい性質に対処して、同心円テンプレート64では内側の電圧変化を大きく設定しておくのがよい。対称テンプレート66では、可変形状ミラー71の中心点に対して対称な電圧変化の値を設定しておくことができる。非対称テンプレート68では、中心又は軸に対して非対称な適宜の電圧変化の値を設定する。表示部86は、CRTや液晶表示装置のようなマンマシン・インタフェースである。
操作制御部9は、補償量決定部83からの出力に基づいて可変形状ミラー71を変形させる。また操作制御部9は、コンピュータ8からの出力に基づき、移動プリズム(図示せず)を光軸方向に移動させる。なお、眼底観察装置には、更にアライメント系(図示せず)と固視系(図示せず)を設けると良い。アライメント系は、プラチドリングのような適宜のパターンを照明して、被測定眼60の前眼部又は角膜62から反射して戻ってくる光束をアライメント受光部に導くもので、前眼部を用いて瞳と光軸とを一致させる。固視系は、被測定眼60の固視や雲霧をさせる為の視標を投影する光路を含んでいる。
(共役関係)
被測定眼60の眼底61は、第1光源部41、点像受光光学部52と略共役の関係が成立する配置となっている。可変形状ミラー71の表面は、被測定眼60の瞳62並びにハルトマン板51と略共役の関係が成立する配置となっている。
図3は、電圧変化の基準電圧値を記憶する基準電圧値テーブルのフォーマットである。可変形状ミラー71の各素子番号に対応して、素子に与える電圧を変化させるための基準電圧値が記憶されている。コンピュータ8は、記憶された基準電圧値と後述する電圧値変化テンプレートが示す電圧変化とに基づき、可変形状ミラー71に与える電圧値Viを決定し、操作制御部9に出力する。基準電圧値テーブルは、例えば、電圧変化テンプレートによる補正量の調整前に可変形状ミラー71に与えられた電圧値Viが記憶される。また、コンピュータ8により、補正量調整後の電圧値に更新される。
図4は、同心円テンプレートのテーブルフォーマットである。図4に示す同心円テンプレート64では、素子数が37個の可変形状ミラー71に対して、9個のテンプレートが記憶されている例である。各テンプレートには、素子番号に対応した電圧変化の値が記憶される。一般に、可変形状ミラー71の中心付近に位置する素子の方が周辺に位置する素子と比較して、画質に影響しやすいため、同心円テンプレート64では内側の電圧変化を大きく設定しておくのがよい。但し、内側の電圧変化を大きくしなくても差し支えない。本実施の形態では、電圧変化がすべて0のテンプレートを用意しているが、これにより例えば、電圧変化なしの場合と電圧変化時の評価データの比較が可能である。
図5は、対称テンプレートのテーブルフォーマットである。各対称テンプレート66には、素子番号に対応した電圧変化の値が記憶される。対称テンプレート66では、可変形状ミラー71の中心点に対して対称な電圧変化の値を設定しておくことができる。また、対称テンプレート66には、x軸、y軸等適宜の軸に対して対称な電圧変化の値を設定してもよい。
図6は、非対称テンプレートのテーブルフォーマットである。各非対称テンプレート68には、素子番号に対応した電圧変化の値が記憶される。非対称テンプレート68では、中心又は軸に対して非対称な適宜の電圧変化の値を設定する。なお、テンプレートの数及び素子数は、図4〜図6に示す数に限られるものではなく、適宜の数を含むことができる。また、電圧変化の値は、適宜の値を設定することができる。
図7は、テンプレートマッチングによるマッチング数値データのフォーマットである。後述するテンプレートマッチングによるマッチング数値と、その測定に用いられた可変形状ミラー71の各素子に与えられた電圧値と、テンプレート番号が対応して記憶される。また、マッチング数値の変わりに、MTF等のデータをテンプレート番号と対応して記憶しても良い。なお、各素子に与えられた電圧値は省略することもできる。この場合、コンピュータ8は、テンプレート番号に基づき、基準電圧値テーブルと電圧変化テンプレートを参照し、可変形状ミラー71の各素子に与えられた電圧値を計算できる。
(ゼルニケ解析)
次に、ゼルニケ解析について説明する。一般に知られているゼルニケ多項式からゼルニケ係数c 2j−iを算出する方法について説明する。ゼルニケ係数c 2j−iは、例えば、ハルトマン板などの変化部材を介して点像受光光学部52で得られた光束の傾き角に基づいて被検眼60の光学特性を把握するための重要なパラメータである。
被検眼60の波面収差W(X,Y)は、ゼルニケ係数c 2j−i、ゼルニケ多項式Z 2j−iを用いて次式で表される。
Figure 2005224328
ただし、(X,Y)はハルトマン板の縦横の座標である。
また、波面収差W(X,Y)は、点像受光光学部52の縦横の座標を(x、y)、ハルトマン板と点像受光光学部52の距離をf、点像受光光学部52で受光される点像の移動距離を(△x、△y)とすると、次式の関係が成り立つ。
Figure 2005224328
ここで、ゼルニケ多項式Z 2j−iは、以下の数式で表される(より具体的な式は、例えば特開2002−209854を参照)。
Figure 2005224328
Figure 2005224328
なお、ゼルニケ係数c 2j−iは、以下の数式で表される自乗誤差を最小にすることにより具体的な値を得ることができる。
Figure 2005224328
ただし、W(X、Y):波面収差、(X、Y):ハルトマン板座標、(△x、△y):点像受光光学部52で受光される点像の移動距離、f:ハルトマン板と点像受光光学部52との距離。
コンピュータ8は、ゼルニケ係数c 2j−iを算出し、これを用いて球面収差、コマ収差、非点収差等の眼光学特性を求める。また、コンピュータ8は、ゼルニケ係数c 2j−iを用いて次式により収差量RMS 2j−iを算出する。
Figure 2005224328
(フローチャート)
図8は、本発明の第1の実施の形態における眼底観察のフローチャートである。まず、眼底観察装置は、被検眼60のアライメントをして、眼底観察装置の光軸と瞳62、眼底61とを一致させる(S102)。そして、コンピュータ8の収差測定部81は、黄斑を原点として、第1光源部41からの光軸が眼底61にあたる位置を(Xre、Yre)とする(S104)。コンピュータ8は、例えば、眼底画像受光部32から眼底画像を取得し、画像処理により黄斑の位置及び光軸が眼底61にあたる位置を検出することができる。黄斑の位置は、例えば、予め黄斑のテンプレートを作成して、コンピュータ8のメモリ(図示せず)に記憶しておき、正規化相関法を用いて検出することができる。また、コンピュータ8は、取得した画像を表示部86に表示し、眼底観察装置の操作者により黄斑の位置及び光軸が眼底61にあたる位置をポインティングデバイス等の適宜の入力部から入力するようにしてもよい。
次に、収差測定部81は、点像受光光学部52からの信号に基づき被検眼60の波面収差を測定する(S106)。補償量決定部83は、測定した収差をゼルニケ多項式に変換する(S108)。補償量決定部83は、可変形状ミラー71で補償する補正量対象を決定する。次に補償量決定部83は、電圧変化テンプレート選択部85で選択された電圧変化テンプレートを用いて、可変形状ミラー71に対する補正信号に変換する。(S110)。そして、補償量決定部83は補正信号を操作制御部9に出力し、操作制御部9は印加電圧信号を可変形状ミラー71に出力する(S112)。すると、可変形状ミラー71の各素子は、印加電圧信号に応じて変位して、可変形状ミラー71が変形する(S114)。
そして、コンピュータ8は、収差測定部81を用いて、点像受光光学部52からの信号に基づき被検眼60の波面収差を測定し(S116)、その測定結果である波面収差をゼルニケ多項式に変換する(S117)。コンピュータ8は、測定した収差が予め定められた閾値より小さいか判断する(S118)。S118でYesの場合は、補償量決定部83はS110に戻る。S118でNoの場合は、処理を終了する。
図9は、電圧変化テンプレートの最適選択規範の一例を説明するフローチャートである。図8のS110における電圧変化テンプレートの選択は、最適な電圧変化テンプレートを選択するため、例えば以下のようにして行なわれる。まず、電圧変化テンプレート選択部85は、任意の電圧変化テンプレートk(k=1、2、…、m)を選択する(S152)。例えば、コンピュータ8は、収差量RMSに基づき、主として球面収差成分の補償を行なう同心円テンプレート64、主として非点収差成分の補償を行なう対称テンプレート66、主としてコマ様収差成分の補償を行なう非対称テンプレート68のいずれかを選択し、S154へ進む。なお、電圧変化テンプレートの選択の詳細処理については、図10を参照して後で説明する。
続いて、補償量決定部83は、S152で求められた電圧変化テンプレートkに基づき、可変形状ミラーをどの程度変形させるかを示す補償量Aの算出を行う(S154)。操作制御部9は、可変形状ミラー71にステップS154で得られた補償量Aと、初期電圧値Viを用いて、電圧値Tiを次式により演算する(S156)。
Ti=Vi+A・vi (7の2)
次に、操作制御部9は、演算された電圧値Tiを可変形状ミラー71に出力する(S158)。そして、収差測定部81は、可変形状ミラー71が変形する時間を考慮し、例えば電圧値の出力から所定時間経過後に波面収差を測定する(S160)。補償量決定部83は、S160で測定した収差をゼルニケ多項式に変換する(S161)。そして、コンピュータ8は、ゼルニケ係数c 2j−iを用いて算出された収差量RMS 2j−iが閾値Thよりも小さいか判断する(S162)。
S162でNoであれば、基準収差量RMSに対して収差量RMS 2j−iが小さいか判断する(S163)。ここで、基準収差量RMSは、可変形状ミラー71の変形量の歪みが許容される基準収差量である。S163で、収差量RMS 2j−iが基準収差量RMSに対して過大であればS152に戻り、他の電圧変化テンプレートを選定する。S163で、収差量RMS 2j−iが基準収差量RMSに対して小さければ、収差量RMS 2j−iを新たな基準収差量RMSに設定し、電圧値Tiを電圧値Viに設定し直して(S164)、S152に戻り、他の電圧変化テンプレートを選定する。このようにして、コンピュータ8は、収差量RMS値が閾値Thよりも小さくなるまで、電圧変化テンプレートの選択を繰り返す。
一方、コンピュータ8は、RMS値が閾値Thよりも小さくなった場合には、S162にてYesとなるから、眼底画像受光部32は、眼底画像形成用光学系31で形成された眼底像を受光する(S166)。そして、コンピュータ8は、眼底画像受光部32が取得した眼底像をメモリに記憶すると共に、適宜に眼底画像表示部33に眼底像を表示させる(S168)。
なお、上述したフローのS154において、コンピュータ8は、ステップS152で選択した電圧変化テンプレートに従って可変形状ミラー71に与える電圧値を変化させ、MTFが最大、又は、所定のパターンの網膜像シミュレーション結果とパターンテンプレートとのマッチング数値が最大となるような補償量Aを求め、電圧値Tiを求めることもできる。ここで、1枚のテンプレートによるRMSの変化量は、おおよそ規格化されている。例えばΔRMS=0.01μm程度。実際に収差を測った場合に見積もられた同心円テンプレートに対応する収差成分がRMS=0.75μmであった場合、その比に相当する値を係数として同心円テンプレートに掛け補償量Aを75と設定する。なお、MTF最適化の詳細については、図12〜図14を参照して後で説明する。また、パターン最適化の詳細については、図15以下を用いて後で説明する。
図10は、電圧変化テンプレートのタイプを選択する手順を説明するフローチャートである。まず、コンピュータ8は、分岐条件としてRMS値の閾値thを設定する(S201)。コンピュータ8は、設定されている閾値Th(収差の十分小さい値で、例えば、0.1μm)の1/3以下を閾値th値として設定する(例えば、0.03μm)。
(1/3)xTh>th (7の3)
コンピュータ8は、収差からゼルニケ係数c 2j−iを算出し、収差量R 2j−iに変換する(S203)。収差量R 2j−iは、次式で求めることができる。
Figure 2005224328
なお、コンピュータ8は、上式を用いる以外にも、式(7)に示す式を用いて算出した収差量RMSを収差量R 2j−iとしてもよい。
次に、コンピュータ8は、同心円収差量R −2、R −4、R −6、…の総量が閾値th以上であるか判断する(S207)。コンピュータ8は、ステップS207でYesの場合、電圧変化テンプレートとして「同心円テンプレート」成分を追加または増加する(S209)。そして、コンピュータ8は、電圧変化テンプレート設定の処理を終了して、図9のステップS154の処理へ進む。他方、コンピュータ8は、ステップS207でNoの場合、ステップS215の処理へ移る。
ステップS215では、コンピュータ8は、対称収差成分に対応するR 2j−i(i:偶数、かつj≠0)の総量が閾値th以上であるか判断する(S215)。コンピュータ8は、ステップS215でYesの場合、電圧変化テンプレートとして「対称テンプレート」成分を追加または増加する(S217)。そして、コンピュータ8は、可変形状ミラー71の電圧変化テンプレート選択の処理を終了する。他方、コンピュータ8は、ステップS215でNoの場合、ステップS223の処理へ移る。
ステップS223では、コンピュータ8は、非対称収差成分に対応するR 2j−i(i:奇数)の総量が閾値th以上であるか判断する(S223)。コンピュータ8は、ステップS223でYesの場合、電圧変化テンプレートとして「非対称テンプレート」成分を追加または増加する(S225)。そして、コンピュータ8は、電圧変化テンプレート選択の処理を終了する。
上述の図8〜図10のフローチャートにおいて、可変形状ミラーの制御は、可変形状ミラーを変形させ、その際の実際の波面収差を測定し、不足分に関しては再度可変形状ミラーを変形させて、調整を行う、いわゆるフィードバック方式を採用した実施例が記載されている。
続いて、本発明の第2の実施例として、測定された波面収差に基づきシミュレーションを行い、適切な制御量をあらかじめ求める方式を説明する。以下、第2の実施例につき、コンピュータ8の動作原理の説明を行う。
(MTF最適化)
図11は、MTFの変化による最良画像の判断についての説明図である。MTFを用いることで、ある細かさでどの程度の解像力があるかを調べることができる。図には、縦軸は見分けうる尺度であるMTFの値、横軸は細かさの尺度である空間周波数として、可変形状ミラー71をA、Bの2つのケースで変形させた時のグラフを示す。空間周波数の単位には、主に[lines/mm]や[cycles/degree]などが使われている。
図に示すグラフにおいて、ケースBは、ケースAよりもRMS値が小さく、MTFの値も400[lines/mm]以下ではAよりBの方が高いことが分かる、しかし、アダプティブオプティクスのように解像限界付近まで像を見たい場合には、ケースBのようなグラフよりも400[lines/mm]以上の高周波の領域にも解像力があるケースAのようなグラフが望ましい。
本実施の形態では、電圧変化テンプレートに従い可変形状ミラー71に何種類かの電圧を与えて動かしたときに、例えば500[lines/mm](これはおおよそ2μmの物を解像できる値)でのMTFの値を算出する。算出したMTFが一番高くなる電圧値を選択すれば、細かい物像を観測できる。
図12は、MTF最適化のフローチャートである。まず、コンピュータ8は、被検眼60の眼底61を照明する光の光軸が眼底61にあたる位置(Xre、Yre)から黄斑(座標原点)までの距離を算出し、細胞の空間周波数のテーブルを用いて、算出した距離に対する空間周波数cfを求める(S301)。
図13は、黄斑からの距離と細胞の空間周波数との関係図である。人眼の場合、図13に示すように黄斑からの距離が大きくなると、細胞の空間周波数が小さくなる。例えば、このグラフに示す関係を黄斑からの距離と空間周波数が対応したテーブルとして予めメモリに記憶しておき、コンピュータ8は、算出した距離に基づきメモリから対応する空間周波数cfを読み出すことができる。また、図13に示すような黄斑からの距離と空間周波数の関係を表す近似式をメモリに記憶し、コンピュータ8は、算出した距離に基づき近似式を用いて空間周波数cfを算出しても良い。
次に、コンピュータ8は、初期の電圧をV(V:i=1〜n)とする(S303)。ここで、nは、可変形状ミラー71の素子数である。コンピュータ8は、例えば、メモリに記憶された基準電圧値テーブルから各素子番号に対応する電圧値をそれぞれ読み出し、初期の電圧Vとすることができる。
コンピュータ8は、テンプレート番号kの値を、例えばk=1とする(S305)。テンプレート番号は、複数のテンプレートに対してMTFを算出するためのカウンタの役割を果たす。
コンピュータ8は、電圧変化テンプレート群をv(k)(k=1、2、…、m)としてメモリから読み込む(S307)。例えば、コンピュータ8は、テンプレート番号1の各電圧変化量をv(1)として、また、テンプレート番号2の各電圧変化量をv(2)として、メモリに記憶されているテンプレートの数だけ読み込む。また、コンピュータ8は、テンプレート数mをメモリから読み込む。なお、コンピュータ8は、テンプレート数を読み込む代わりに、読み込んだテンプレートの数をカウントしてテンプレート数mとしてもよい。
コンピュータ8は、電圧値Tを次式により設定する(S309)。
=V+v (k) (i=1〜n) … (9)
コンピュータ8は、可変形状ミラー71の各素子に与える電圧値をTに変更し、操作制御部9に出力する。(S311)。操作制御部9は、コンピュータ8から出力された電圧値Tに応じて可変形状ミラー71の各素子を駆動し、可変形状ミラー71を変形させる。コンピュータ8は、可変形状ミラー71が変形した後(例えば所定時間経過後)に、波面収差W(x、y)を測定する(S313)。
コンピュータ8は、測定した波面収差に基づき、MTF(cf)を算出する(S315)。MTF(cf)は、例えば、細胞の空間周波数cfに応じた全角度でのMTFの平均値である。MTF(cf)の算出については後述する。コンピュータ8は、算出されたMTF(cf)をMとする(S317)。また、コンピュータ8は、テンプレート番号kに対応してMをメモリに記憶する。なお、コンピュータ8は、適宜のタイミングで、測定した波面収差及び収差に基づくデータ、電圧値Tをテンプレート番号kに対応して記憶しても良い。
コンピュータ8は、テンプレート番号kがテンプレート数mより小さいか判断する(S319)。すなわち、コンピュータ8は、全てのテンプレートについてMを求めたか判断する。コンピュータ8は、テンプレート番号kがテンプレート数mより小さい場合(S319)、k=k+1とし(S321)、ステップS309以下の処理を実行する。
一方、コンピュータ8は、テンプレート番号kがテンプレート数mより大きい場合(S319)、M(k=1〜m)が最大の値を持つときのkの値をaに代入する(S323)。例えば、コンピュータ8は、メモリに記憶されたMの中から最大の値を持つMを検索し、該当するMに対応するテンプレート番号kを読み出し、aの値に代入する。
コンピュータ8は、次式により電圧値Tを設定する(S325)。
=V+v (a) (i =1〜n) … (10)
また、コンピュータ8は、設定した電圧値Tをメモリの基準電圧値テーブルに記憶する。なお、メモリにMに対応した電圧値が記憶されている場合、コンピュータ8はステップS323の処理において、メモリに記憶されたMの中から最大の値を持つMを検索し、該当するMに対応する電圧値を読み出し、これをTとしても良い。この場合、ステップS325の処理を省略することができる。コンピュータ8は、MTF最適化の処理を終了し、図9のステップS158の処理へ移る。以上の処理により、電圧値Tは、MTF(cf)が最大となるように設定される。
図14は、MTF(cf)算出のフローチャートである。まず、コンピュータ8は、波面収差W(x、y)から瞳関数f(x,y)を以下のように求める(S401)。
f(x,y)=eikW(x,y) … (11)
(i:虚数、k:波数ベクトル(2π/λ)、λ:波長)
次に、コンピュータ8は、瞳関数に基づき眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を計算する(S403)。以下に、眼球の空間周波数分布OTFの算出について説明する。
まず、コンピュータ8は、瞳関数f(x,y)をフーリエ変換することにより点像の振幅分布U(u,v)を次式のように求める。
Figure 2005224328
(λ:波長
R:瞳から像点(網膜)までの距離
(u,v):像点Oを原点とし,光軸に直行する面内での座標値
(x,y):瞳面内の座標値 )
次に、コンピュータ8は、U(u,v)とその複素共役を掛けて、次式により点像強度分布(PSF)であるI(u,v)を求める。
I(u,v)=U(u,v)U(u,v) … (13)
コンピュータ8は、次式のように、PSFをフーリエ変換(又は自己相関)して規格化することによりOTFを求める。
Figure 2005224328
次に、コンピュータ8は、OTF(u,v)から以下の式を用いてMTF(u,v)を計算する(S405)。
MTF(u,v)=|OTF(u,v)| … (16)
コンピュータ8は、パラメータの初期設定を行う(S407)。例えば、コンピュータ8は、角度θ=0°、MTFの合計ALLMTF=0とする。また、分割数dに任意の値(例えばd=36)を代入する。分割数dは、MTF算出において、0〜180度の角度をいくつに分割するかを示し、例えばd=36とすれば5度おきの角度θを設定できる。なお、dの値としては、適宜の数を用いることができるが2の倍数が望ましい。
コンピュータ8は、uとvを次式により計算する(S409)。
u=cf×cos(θ)
v=cf×sin(θ) … (17)
ここで、cfは、ステップS301で求められた空間周波数である。
コンピュータ8は、計算したu、vの値に基づきMTF(u、v)を求め、次式によりALLMTFを計算する(S411)。
ALLMTF=ALLMTF+MTF(u,v) … (18)
次に、コンピュータ8は、角度θを例えば次式により変化させる(S413)。
θ=θ+180/d … (19)
コンピュータ8は、θが180度より大きいか判断する(S415)。コンピュータ8は、θが180度より小さい場合(S415)、ステップS409の処理へ戻る。一方、コンピュータ8は、θが180度より大きい場合(S415)、次式によりMTF(cf)を計算する(S417)。
MTF(cf)=ALLMTF/d … (20)
また、コンピュータ8は、MTF(cf)算出の処理を終了し、図12のステップS317の処理へ移る。
(パターン最適化)
図15は、パターン最適化のフローチャートである。まず、コンピュータ8は、ステップS303〜313の処理を実行する。各ステップの処理は上述と同様であるので、その詳細な説明を省略する。次に、コンピュータ8は、パターンマッチング値Pを算出する(S515)。コンピュータ8は、所定のパターンの網膜像をシミュレーションし、当該パターンに対応するパターンテンプレートとシミュレーションにより得られた網膜像をパターンマッチングにより比較し、パターンマッチング値Pを算出する。なお、パターンマッチング値Pの具体的な算出方法については後述する。また、コンピュータ8は、算出したパターンマッチング値Pをテンプレート番号k及び/又は電圧値Vに対応してメモリに記憶する(S517)。
次に、コンピュータ8は、上述と同様に、テンプレート番号kがテンプレート数mより小さいか判断し(S319)、テンプレート番号kがテンプレート数mより小さい場合、k=k+1とし(S321)、ステップS309以下の処理を実行する。一方、コンピュータ8は、テンプレート番号kがテンプレート数mより大きい場合(S319)、P(k=1〜m)が最大の値を持つときのkの値をaに代入する(S523)。例えば、コンピュータ8は、メモリに記憶されたPの中から最大の値を持つPを検索し、該当するPに対応するテンプレート番号kを読み出し、aの値に代入する。
コンピュータ8は、上述と同様にステップS325の処理を実行し、電圧値Tを設定し、設定した電圧値Tをメモリの基準電圧値テーブルに記憶する。なお、メモリにPに対応した電圧値が記憶されている場合、コンピュータ8はステップS523の処理において、メモリに記憶されたPの中から最大の値を持つPを検索し、該当するPに対応する電圧値を読み出し、これをTとしても良い。この場合、ステップS325の処理を省略することができる。以上の処理により、電圧値Tはパターンマッチング値Pが最大となるように設定される。
図16は、パターンマッチング値Pの算出についてのフローチャートである。まず、コンピュータ8は、被検眼60の眼底61を照明する光の光軸が眼底61にあたる位置(Xre,Yre)から黄斑までの距離を算出し、算出した距離とパターンの種類が対応して記憶されたテーブルを参照して、パターン及びパターンテンプレートの種類を選定する(S601)。
図17は、黄斑からの距離と細胞の大きさとの関係を説明する図である。図に示すように、人眼の眼底部にある細胞は、黄斑からの距離によって大きさが異なっている。本実施の形態におけるパターンマッチングでは、黄斑からの距離に応じた大きさのパターンを選択する。
まず、コンピュータ8は、(Xre、Yre)の黄斑からの距離を算出し、算出した距離に基づき、細胞の大きさcsを求める。例えば、黄斑からの距離と細胞の大きさが対応付けられたテーブルが予めメモリに記憶され、コンピュータ8は、このテーブルを参照して算出した距離に対応する細胞の大きさcsを読み込むことができる。また、図17に示すグラフの近似式をメモリに記憶し、コンピュータ8は、算出した距離に基づき近似式を用いて細胞の大きさを求めても良い。コンピュータ8は、求めた細胞の大きさcsに基づき、パターン原画像Pat(x,y)を選択する。
図18は、パターン原画像の説明図で、(A)は細胞が小さい場合、(B)は細胞が中間の場合、(C)は細胞が大きい場合を示している。パターンの線部は画素値を1とし、細胞の大きさcsに比べてある程度小さな大きさで作成する。また、パターンの線部以外は、画素値を0とする。パターン原画像は、細胞の大きさcsに応じた適宜の数のパターンが予め作成され、そのパターンを選択するための細胞の大きさcsの範囲に対応させてメモリに記憶される。コンピュータ8は、メモリに記憶された細胞の大きさcsの範囲を参照して、求めた細胞の大きさcsが該当するパターンを選択することができる。
図19は、パターンテンプレート画像PT(x、y)の説明図で、(A)は細胞が小さい場合、(B)は細胞が中間の場合、(C)は細胞が大きい場合を示している。上述のパターン原画像に対応するパターンテンプレート画像として、パターン原画像と同様に細胞の大きさcsの応じた格子状の画像を作成し、さらに、線の部分の画素数をN1とすると、内部の点状で示した部分を画素数がN2、画素値は−N1/N2となるように作成する。これらパターンテンプレート画像は、上述のパターンに対応してメモリに記憶される。
なお、パターン原画像及びパターンテンプレート画像は、これに限らず細胞の大きさに応じた適宜のパターン、画素値を設定することができる。上述の例ではパターンとして正方形の格子を挙げたが、パターンは細胞に見立て球形の物等を用いるのも良い。また、予め作成され、メモリに記憶されたパターン及びパターンテンプレートを選択する以外にも、求められた細胞の大きさに基づきパターン等を適時作成することもできる。
図16のフローチャートに戻り、コンピュータ8は、波面収差W(X、Y)に基づき瞳関数f(x,y)を次式により計算する(S603)。
Figure 2005224328
(i:虚数、k:波数ベクトル(2π/λ)、λ:波長)
次に、コンピュータ8は、瞳関数f(x,y)から眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を計算する(S605)。続いて、コンピュータ8は、選択されたパターンの輝度分布関数Pat(x,y)をメモリを参照して計算する(S607)。また、コンピュータ8は、Pat(x,y)を2次元フーリエ変換して空間周波数分布FPat(u,v)を求める(S609)。
次に、コンピュータ8は、パターンの空間周波数分布FPat(u,v)と眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を次式のように掛け合わせることで、眼の光学系通過後の(網膜像の)周波数分布OR(u,v)を求める(S611)。
FPat(u,v)×OTF(u,v)→OR(u,v) … (22)
また、コンピュータ8は、パターンテンプレートの輝度分布関数PT(x,y)をメモリを参照して計算する(S613)。コンピュータ8は、PT(x,y)の2次元フーリエ変換FPT(u,v)を求める(S615)。次に、コンピュータ8は、波面から算出された網膜像の空間周波数分布OR(u,v)とパターンの空間周波数分布FPT(u,v)を掛け合わせOTmp(u,v)を求める(S617)。
OR(u,v)×FT(u,v)→OTmp(u,v) … (23)
次に、コンピュータ8は、OTmp(u,v)を二次元逆フーリエ変換し、TmpIm(X,Y)を求める(S619)。コンピュータ8は、TmpIm(X,Y)の絶対値の最大値を取得してパターンマッチング値Pとする(S621)。また、コンピュータ8は、パターンマッチング値算出の処理を終了し、図15のステップS517の処理へ移る。
(比較例)
図20は、パターン最適化により得られる画像の比較図で、(A)は補正なし、(B)は収差量RMSが小さくなるように補正した場合(RMS最適化)、(C)は本実施の形態におけるパターン最適化により補正した場合を示している。図20(A)〜(C)について、それぞれ(i)波面収差、(ii)ランドルト環の画像シミュレーション、(iii)縞画像シミュレーション、(iv)RMSを示している。パターン最適化では、RMS最適化のRMS0.089よりも大きなRMS0.095となるが、(ii)で示すように像の見えは良くなっていることが観察者に了解できる。
図23は、本発明の第3の実施の形態における眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。なお、図23においてシリンダーレンズ77は図示を省略してある。被検眼60からの光束において、波面の歪が生じるのは眼底61から瞳62までの間である。そこで、波面の補正を行う可変形状ミラー71の位置として、瞳共役の位置である瞳共役点を選定すると、反射ミラー72からの反射光が、再び可変形状ミラー71に入射する位置も瞳共役点となる。また、図23に示すように、2枚のレンズL11とL12を可変形状ミラー71と反射ミラー72の間に介在させることで、可変形状ミラー71に再入射した光の像の向きを正立にする。可変形状ミラー71に再入射した光の像の向きを正立にすることで、光束の同じ位置の位相歪を1枚の可変形状ミラー71で2倍の量を補正することができる。そして、反射ミラー72と可変形状ミラー71間の距離Lは、2枚のレンズL11とL12が介在する分だけ大きくなる。
図24は、本発明の第4の実施の形態における眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。そこで瞳共役点に可変形状ミラー71を置くと共に、反射ミラー72からの反射光が、再び可変形状ミラー71に入射する位置も瞳共役点となるように配置する。また、図24に示すように、1枚のレンズL11を可変形状ミラー71と反射ミラー72の間に介在させることで、可変形状ミラー71に再入射した光の像の向きが逆像となるため、中心対称の波面歪、例えば乱視のような歪に対して、1枚の可変形状ミラー71で2倍の補正量を効果的に得ることができる。そして、反射ミラー72と可変形状ミラー71間の距離Lは、1枚のレンズL11が介在する大きさとなる。
図25は、本発明の第5の実施の形態における眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。図25に示すように、光学系を簡略化するために、可変形状ミラー71と反射ミラー72の間にレンズを介在させることなく、瞳共役点に近い位置に可変形状ミラー71を配置する。図25に示す配置では、再入射した光の像の向きが正立となるため、1枚の可変形状ミラー71で2倍の補正量を効果的に得ることができると共に、可変形状ミラー71と反射ミラー72の間隔Lを非常に短くすることができ、可変形状ミラー71の反射ミラー72への出射光の位置と再入射光の位置のズレが非常に小さくなって、好ましい。
本発明の眼底観察装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための眼底観察プログラム、眼底観察プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、眼底観察プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
なお、被検眼60の光学特性は、点像受光光学系5で得られた前眼像や眼底像を用いて収差測定部81により求めているが、本発明はこれに限定されるものでなく、適宜の光学系、装置からの波面収差を含む波面測定データにより求めるように構成することができる。また、本発明の実施例において可変形状ミラー71と反射ミラー72間の距離Lを適切に配置することで、可変形状ミラー71を2回反射した際に、効果的に約2倍の位相変化が得られ、前眼像や眼底像の十分な収差補正が行える。この結果、撮影系で鮮明な眼底画像を得ることができる。
本発明の実施の形態によると、眼底画像の質を良くするように波面収差補正光学素子の補正量を調整し、適正な補正量を求めることができる。本発明の実施の形態によると、波面収差補正光学素子の補正量を調整するための電圧変化テンプレートを用いて、眼底画像の画質を向上させることができる。
本発明にかかる眼底観察装置の全体の一例を説明する構成ブロック図である。 可変形状ミラー71の構成図で、単一の可変形状ミラーを示している。 電圧変化の基準電圧値を記憶する基準電圧値テーブルのフォーマットである。 同心円テンプレートのテーブルフォーマットである。 対称テンプレートのテーブルフォーマットである。 非対称テンプレートのテーブルフォーマットである。 テンプレートマッチングによるマッチング数値データのフォーマットである。 本発明の第1の実施の形態における眼底観察のフローチャートである。 電圧変化テンプレートの最適選択規範の一例を説明するフローチャートである。 電圧変化テンプレートのタイプを選択する手順を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかるMTFの変化による最良の判断についての説明図である。 MTF最適化のフローチャートである。 黄斑からの距離と細胞の空間周波数との関係図である。 MTF(cf)算出のフローチャートである。 パターン最適化のフローチャートである。 パターンマッチング値Pの算出についてのフローチャートである。 黄斑からの距離と細胞の大きさとの関係を説明する図である。 パターン原画像の説明図である。 パターンテンプレート画像PT(x、y)の説明図である。 パターン最適化により得られる画像の比較図である。 波面センサーの説明図である。 可変形状ミラーと反射ミラーの配置を説明する要部構成図である。 本発明の第3の実施の形態における眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる眼底観察装置の全体を説明する構成ブロック図である。
符号の説明
2 眼底照明系(第2照明光学系)
3 眼底観察系(画像形成光学系)
31 眼底画像形成用光学系
32 眼底画像受光部(CCD)
33 眼底画像表示部
4 点像投影光学系
41 第1光源部
5 点像受光光学系
51 ハルトマン板
52 点像受光光学部
6 電圧変化テンプレート記憶部(DB:データベース)
8 コンピュータ
9 操作制御部
60 被検眼(対象物)
61 網膜(眼底)
62 角膜(前眼部)
7 補償光学部
71 可変形状ミラー(波面収差補正光学素子)
72 反射ミラー(再帰光学系)
77 シリンダーレンズ
8 コンピュータ
81 収差測定部
82 画像データ記憶部
83 補償量決定部
85 電圧変化テンプレート選択部
86 表示部
BS ビームスピリッタ
DM ダイクロイックミラー
L1〜L12 レンズ

Claims (9)

  1. 対象物からの光束を受光して波面収差を測定する波面収差測定部と;
    前記対象物からの光束に対して、単一の波面収差補正光学素子を少なくとも2回作用させて、受光し、前記対象物の画像を形成する画像形成光学系と;
    前記波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、前記波面収差補正光学素子の収差補正量を制御する制御部とを備える;
    収差補正機能付き画像形成装置。
  2. 前記対象物は、被検眼眼底であり;
    さらに、その被検眼眼底を照明する照明光学系を備え;
    上記画像形成光学系は、被検眼眼底の画像を形成するように構成されている;
    請求項1記載の収差補正機能付き画像形成装置。
  3. 前記波面収差補正光学素子は可変形状ミラーで構成されると共に;
    前記波面収差補正光学素子で一回目の作用を受けた光束を、再び前記波面収差補正光学素子側に反射する再帰光学系を有する;
    請求項2に記載の収差補正機能付き画像形成装置。
  4. 前記再帰光学系は、前記可変形状ミラーから最初に反射した光束を再び、可変形状ミラーに向けて戻すものであって、前記可変形状ミラーにおいて被検眼瞳と略共役関係となるように構成されている請求項3記載の収差補正機能付き画像形成装置。
  5. 前記再帰光学系は、前記可変形状ミラーから最初に反射した光束を再び、可変形状ミラーに向けて戻すものであって、前記可変形状ミラー上で正立像として再び最初の反射位置で形成するように構成されている請求項3又は請求項4に記載の収差補正機能付き画像形成装置。
  6. 前記波面収差測定部は、被検眼の瞳と略共役位置に配置されたハルトマン光学素子を有すると共に、当該ハルトマン光学素子の略焦点位置に受光部が配置されているように形成されている請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の収差補正機能付き画像形成装置。
  7. 対象物からの光束を受光して、波面収差測定部により波面収差を測定するステップと;
    前記対象物からの光束に対して単一の波面収差補正光学素子を少なくとも2回作用させる波面補正ステップと;
    前記波面補正ステップで補正された前記対象物からの光束を、画像形成光学系によって受光するステップと;
    前記波面収差測定ステップで測定した波面収差に基づき、前記波面収差補正光学素子の収差補正量を制御するステップとを備える;
    収差補正光学素子を用いた画像形成方法。
  8. 対象物からの光束を受光して、波面収差を測定する波面収差測定部と;
    前記対象物からの光束に対して、波面収差補正光学素子を作用させて受光する画像形成光学系と;
    前記波面収差補正光学素子を調整するための複数種類の電圧変化テンプレートを記憶する電圧変化テンプレート記憶部と;
    前記電圧変化テンプレートから、前記波面収差補正光学素子の補正を行なう電圧変化テンプレートの種類を選択する電圧変化テンプレート選択部と;
    波面収差測定部で測定した波面収差に基づき、前記電圧変化テンプレート選択部で選択された電圧変化テンプレートにより、前記波面収差補正光学素子の収差補正量を制御する補正量決定部とを備える;
    収差補正機能付き画像形成装置。
  9. 前記電圧変化テンプレート記憶部は、前記波面収差補正光学素子の同心円テンプレート、電圧変化が前記波面収差補正光学素子の中心又は所望の軸に対して対称に設定された対称テンプレート、電圧変化が前記波面収差補正光学素子の中心又は所望の軸に対して非対称に設定された非対称テンプレートの少なくとも1種類の電圧変化テンプレートを含み;
    前記電圧変化テンプレート選択部は、前記波面収差測定部で測定した波面収差の判定に基づいて、前記波面収差補正光学素子の補正を行なう電圧変化テンプレートの種類を選択する;
    請求項8に記載の収差補正機能付き画像形成装置。
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