JP3898108B2 - 眼特性測定装置 - Google Patents

眼特性測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3898108B2
JP3898108B2 JP2002280175A JP2002280175A JP3898108B2 JP 3898108 B2 JP3898108 B2 JP 3898108B2 JP 2002280175 A JP2002280175 A JP 2002280175A JP 2002280175 A JP2002280175 A JP 2002280175A JP 3898108 B2 JP3898108 B2 JP 3898108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
eye
light receiving
optical
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002280175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004113405A (ja
Inventor
陽子 広原
達夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2002280175A priority Critical patent/JP3898108B2/ja
Priority to EP03798482A priority patent/EP1543767A4/en
Priority to US10/529,150 priority patent/US7490939B2/en
Priority to AU2003266599A priority patent/AU2003266599A1/en
Priority to PCT/JP2003/012203 priority patent/WO2004028355A1/ja
Publication of JP2004113405A publication Critical patent/JP2004113405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3898108B2 publication Critical patent/JP3898108B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼特性測定装置に係り、特に、被検眼の光学特性を、波面センサを用いて精密に測定する眼特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医学用に用いられる光学機器は、特に、眼科では、眼の屈折、調節等の眼機能、眼球内部の検査を行う光学特性測定装置として普及している。例えば、被検眼の屈折力と角膜形状とを求めるフォトレフラクトメータという装置が存在する。
【0003】
また、変形可能な鏡のような補正用光学部材を変形することにより、波動収差を補正し、幅は半分であるが波動収差と同一の形状とする網膜画像解像改善装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、眼の網膜から反射されたレーザ光は、変形可能な鏡を介してハルトマンシャック波面センサに波面が形成される。形成された波面は、デジタルプロセッサによりカメラを介してデジタル化され、波動収差が測定される。デジタルデータプロセッサは、測定された波動収差を基に変形可能な鏡へフィードバックする矯正信号を発信する。変形可能な鏡は、眼の波動収差を補正するために変形し、波動収差の幅は半分であるが同一の形状を得ている。
【特許文献1】
特表2001−507258号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、収差を有する被検眼の光学特性を測定する装置において、収差量が多い場合に正確な測定が困難な場合があった。特に、精密な測定を行う場合において、収差量が多いとハルトマン像における点像の各スポットとハルトマンの格子点との対応付けに時間がかかる、又は、対応付けができず測定が不可能となることがあった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、被検眼の光学特性を測定する場合に、測定光の収差を打ち消すような補正をし、さらに補正されていない収差量を測定し、精密な測定を行う眼特性測定装置を提供することを目的とする。また、本発明は、測定光の収差を打ち消すような補正をし、さらに低感度と高感度の光学系を用いてより精密に、且つ、より高速に光学特性の測定を行う眼特性測定装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、測定光の収差を打ち消すような補正をすることにより、収差量が多い場合においても測定が可能な測定レンジの広い眼特性測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
第1波長の光束を発する第1光源部と、
上記第1光源部からの光束で被検眼網膜上の微小な領域を照明するための第1照明光学系と、
被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する長焦点又は高感度のレンズ部を有する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する短焦点又は低感度のレンズ部を有する第2変換部材を介して受光するための第2受光光学系と、
上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
上記第2受光光学系の受光光束を受光する第2受光部と、
上記第1受光部及び/又は上記第2受光部の出力に基づいて、収差を打ち消すための補償量を求め、出力する補償量演算部と、
上記第1及び/又は上記第2受光光学系中に配置され、上記補償量演算部から出力された補償量に従って、通過又は反射する光束の収差を補償する補償光学部と、
上記補償光学部による補償後の上記第1受光部及び/又は上記第2受光部の出力に基づく光学特性と上記補償光学部で補償した光学特性とを考慮して、被検眼の光学特性を求める測定演算部とを備えた眼特性測定装置が提供される。
【0007】
本発明の第2の解決手段によると、
第1波長の光束を発する第1光源部と、
上記第1光源部からの光束で被検眼網膜上の微小な領域を照明するための第1照明光学系と、
被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を少なくとも実質的に17本のビームに変換する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
第2波長の光束を発する第2光源部と、
上記第2光源部からの光束で被検眼角膜付近を所定のパターンで照明する第2照明光学系と、
被検眼角膜付近から反射して戻ってくる反射光束を受光する第3受光部と、
角膜付近からの該反射光束を上記第3受光部に導く第3受光光学系と、
上記第3受光部の出力から被検眼の光学特性を求め、該光学特性に基づき収差を打ち消すための補償量を求め、出力する補償量演算部と、
上記第1受光光学系中に配置され、上記補償量演算部から出力された補償量に従って、通過又は反射する光束の収差を補償する補償光学部と、
上記補償光学部による補償後の上記第1受光部の出力に基づく光学特性と上記補償光学部で補償した光学特性とを考慮して、被検眼の光学特性を求める測定演算部と
を備える眼特性測定装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.光学系構成
(第1の実施の形態における光学系)
図1に、眼特性測定装置の光学系の第1の構成図を示す。
眼特性測定装置は、第1照明光学系10と、第1光源部11と、第1測定部25Aと、前眼部照明部30と、前眼部観察部40と、第1調整光学部50と、補償光学部60と、第2調整光学部70と、視標光学部90を備える。また、第1測定部25Aは、第1受光光学系20Aと、第1受光部21Aを含む。なお、被検眼100については、網膜(眼底)、角膜(前眼部)が示されている。
【0009】
以下、各部について詳細に説明する。
第1照明光学系10は、第1光源部11からの光束で被検眼100の眼底上で微小な領域を照明するためのものである。第1照明光学系10は、例えば、集光レンズと、シリンダーレンズと、リレーレンズとを備える。
【0010】
第1光源部11は、第1波長の光束を発する。第1光源部11は、空間コヒーレンスが高く、時間コヒーレンスは高くないものが望ましい。ここでは、一例として、第1光源部11には、SLD(スーパールミネセンスダイオード)が採用されており、輝度が高い点光源を得ることができる。なお、第1光源部11は、SLDに限られるものではなく、レーザーの様に空間、時間ともコヒーレンスが高いものでも、回転拡散板などを挿入することにより、適度に時間コヒーレンスを下げることで利用できる。そして、LEDの様に、空間、時間ともコヒーレンスが高くないものでも、光量さえ充分であれば、ピンホール等を光路の光源の位置に挿入することで、使用可能になる。また、照明用の第1光源部11の波長は、例えば、赤外域の波長(例、780nm)を使用することができる。
【0011】
第1受光光学系20Aは、例えば、被検眼100の網膜から反射して戻ってきた光束を受光し第1受光部21Aに導くためのものである。第1受光光学系20Aは、例えば、第1変換部材22A(例、ハルトマン板)と、アフォーカルレンズと、シリンダーレンズと、リレーレンズを備える。第1変換部材22Aは、反射光束を少なくとも17本の複数のビームに変換するための長焦点又は高感度のレンズ部を有する波面変換部材である。第1変換部材22Aには、光軸と直交する面内に配置された複数のマイクロフレネルレンズを用いることができる。眼底からの反射光は、第1変換部材22Aを介して第1受光部21A上に集光する。第1受光部21Aは、第1変換部材22Aを通過した第1受光光学系20Aからの光を受光し、第1信号を生成するためのものである。アフォーカルレンズ42の前側焦点は、被検眼100の瞳孔と略一致している。
【0012】
移動部15は、第1照明光学系10と第1受光光学系20Aを含む図1の点線で囲まれた部分を一体に移動させる。例えば、第1光源部11からの光束が集光する点で反射されたとして、その反射光による第1受光部21Aでの信号ピークが最大となる関係を維持して、第1受光部21Aでの信号ピークが強くなる方向に移動し、強度が最大となる位置で停止することができる。また、第1照明光学系10と第1受光光学系20Aは別々に移動させ、例えば、第1光源部11からの光束が集光する点で反射されたとして、その反射光による第1受光部21Aでの信号ピークが最大となる関係を維持して、第1受光部21Aでの信号ピークが強くなる方向に移動し、強度が最大となる位置で停止することもできる。
【0013】
第1光源部11から被検眼100への入射光は絞り12を偏心させることで光束の入射位置を光軸に直交する方向に変更し、レンズや角膜の頂点反射を防いでノイズを押さえられる。絞り12は、径がハルトマン板22Aの有効範囲より小さく、受光側だけに眼の収差が影響する、いわゆるシングルパスの収差計測が成り立つことができる様になっている。
【0014】
なお、第1光源部11から出た入射光線は、眼底から拡散反射された測定光線と共通光路になった後は、近軸的には、眼底から拡散反射された測定光線と同じ進み方をする。但し、シングルパス測定のときは、それぞれの光線の径は違い、入射光線のビーム径は、測定光線に比べ、かなり細く設定される。具体的には、入射光線のビーム径は、例えば、被検眼100の瞳位置で1mm程度、測定光線のビーム径は、7mm程度になることもある。なお、光学系を適宜配置することで、ダブルパス測定を行うこともできる。
【0015】
前眼部照明部30は、第2波長の光束を発する第2光源部31を備え、第2光源部31からの光束で、例えば、プラチドリング又はケラトリング等を用いて前眼部を所定パターンで照射する。ケラトリングの場合、ケラト像により角膜の曲率中心付近だけのパターンを得ることができる。なお、第2光源部31から発せられる光束の第2波長は、例えば、第1波長(ここでは、780nm)と異なると共に、長い波長を選択できる(例えば、940nm)。
【0016】
前眼部観察部40は、例えば、リレーレンズ、テレセン絞りとCCDで構成される第3受光部41を備え、例えば、プラチドリング、ケラトリング等の前眼部照明部30のパターンが、被測定眼100の前眼部から反射して戻ってくる光束を観察する。なお、テレセン絞りは、前眼部像がぼけないようにするための絞りである。
【0017】
第1調整光学部50は、例えば、作動距離調整を主に行うものであって、光源部と、集光レンズと、受光部とを備える。ここで、作動距離調整は、例えば、光源部から射出された光軸付近の平行な光束を、被測定眼100に向けて照射すると共に、この被測定眼100から反射された光を、集光レンズを介して受光部で受光することにより行われる。また、被測定眼100が適正な作動距離にある場合、受光部の光軸上に、光源部からのスポット像が形成される。一方、被測定眼100が適正な作動距離から前後に外れた場合、光源部からのスポット像は、受光部の光軸より上又は下に形成される。なお、受光部は、光源部、光軸、受光部を含む面内での光束位置の変化を検出できればいいので、例えば、この面内に配された1次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を適用できる。
【0018】
補償光学部60は、変形することで測定光の収差を補償する適応光学系(アダプティブオプティクス)であり、第1受光光学系20A及び/又は第2受光光学系20B中に配置される。補償光学部60としては、例えば、可変鏡や液晶空間光変調器を用いることができる。なお、その他、測定光の収差を補償可能な適宜の光学系を用いてもよい。可変鏡は、鏡の内部に備えられたアクチュエータによって鏡を変形させることで、光束の反射方向を変化する。また、静電容量によって変形させる方法や、ピエゾを用いて変形させる方法等もあるが、これ以外にも適宜の方法を用いることができる。液晶空間光変調器は、液晶の配光性を利用して位相を変調させるもので、鏡と同様に反射させて使用する。光路の途中で偏光子が必要であるが、本実施の形態では、ビームスプリッタ63がその役割を果たす。ビームスプリッタ63は、第1光源部11からの光束を反射し、被検眼100の網膜で反射して戻ってくる光束を透過するミラー(例えば、偏光ビームスプリッタ)で構成されている。補償光学系60は、反射させて使用するもの以外に、透過型の光学系を用いてもよい。なお、これら補償光学部60には、それに限られるわけではないが、平行光束を入射させるようにしたほうがよい。
【0019】
ビームスプリッタ61は、例えば、第1波長の光束を反射し、第2波長の光束を透過するダイクロイックミラーで構成されている。また、眼底からの反射むら等による光を均一化するためのロータリープリズム62が配置されている。
第2調整光学部70は、例えば、XY方向のアライメント調整を行うものであって、アライメント用光源部と、レンズと、ビームスプリッタとを備える。
【0020】
視標光学部90は、例えば、被検眼100の風景チャート、固視や雲霧をさせる為の視標を投影する光路を含むものであって、光源部(例えば、ランプ)、固視標92、リレーレンズを備える。光源部からの光束で固視標92を眼底に照射することができ、被検眼100にその像を観察させる。
【0021】
上述の光学系は、主に、入射光線が細いシングルパスとして説明したが、本発明は、入射光線が太いダブルパスとしての眼特定測定装置に適用することも可能である。その際、光学系がダブルパス用構成で配置されるが、演算部による測定・計算処理は同様である。
【0022】
図4は、ダブルパス測定の光学系の構成図である。例えば、第1照明光学系10のダブルパス測定用の絞り13により、第1照明光学系10からの入射光束を幅広いビームとすることができる。その他の構成については、図1と同様である。
【0023】
(第2の実施の形態における光学系)
図2は、眼特性測定装置の光学系の第2の構成図である。図2には、図1の点線枠にあたる部分のみを示しているが、その他の部分については図1と同様である。図2における眼特性測定装置は、さらに、短焦点又は低感度の第2測定部25B、ハーフミラー23を備える。
【0024】
第2測定部25Bは、第2受光光学系20Bと、第2受光部21Bを含む。第2受光光学系20Bは、第1受光光学系20Aと同様に、被検眼100の網膜から反射して戻ってきた光束を受光し第2受光部21Bに導くためのものである。第2受光光学系20Bは、例えば、第2変換部材22B(例えば、ハルトマン板)と、第1受光光学系20Aと共用されるアフォーカルレンズ及びシリンダーレンズ及びリレーレンズを備える。第2変換部材22Bは、反射光束を少なくとも17本の複数のビームに変換するための短焦点又は低感度のレンズ部を有する波面変換部材である。第2変換部材22Bには、光軸と直交する面内に配置された複数のマイクロフレネルレンズを用いることができる。眼底からの反射光は、第2変換部材22Bを介して第2受光部21B上に集光する。第2受光部21Bは、第2変換部材22Bを通過した第2受光光学系20Bからの光を受光し、第2信号を生成するためのものである。第1測定部25Aと第2測定部25Bの光束は、ハーフミラー23により分けられる。もしくは、ハーフミラー23の代わりにミラー部を用いて、このミラー部が動いて光路に挿板されることにより第1又は第2測定部25A又は25Bに切り替えることもできる。
【0025】
本実施の形態における短焦点及び低感度とは、測定可能範囲にわたる第2変換部材22Bにより変換されたビームの変化が、第2変換部材22Bの変換ピッチよりも小さく設定されているものである。その結果、第2受光部21Bで得られる各スポットと格子点との対応付けがしやすく、信号処理が容易かつ高速化が図れる。一方、長焦点又は高感度による測定では、スポット位置のずれが大きくハルトマンの格子の範囲外にもスポットが存在することもある。したがって、収差量が大きい等の理由により、あまりにスポット位置がずれてしまうと、各スポットと格子点との対応付けが難しい場合があり、信号処理に時間がかかることもある。そこで、本実施の形態の一つとして、短焦点又は低感度の第2測定部25Bの信号に基づいて補償光学部60の補償量を決定し、補償された光束を長焦点又は高感度で測定することで、高速かつ正確な測定を可能としている。また、本実施の形態では、例えば、第1受光部21A又は第2受光部21Bからのハルトマン像により収差が求められない場合、第3受光部41に基づく角膜付近での光学特性に基づいて補償を行い、収差測定が可能となるようにする。
【0026】
図3は、眼特性測定装置の光学系の第3の構成図である。図3には、図1の点線枠にあたる部分のみを示しているが、その他の部分については図1と同様である。図3の光学系は、補償光学部60が第1及び第2測定部25A及び25Bに共通して挿入されている。被検眼100の網膜から反射して戻ってきた光束は、補償光学部60を介して、第1及び第2測定部25A及び25Bに導かれる。補償光学部60を介した光束を第2測定部25Bに導くことにより、補償後の収差を第2測定部25Bでも測定可能となる。また、第2測定部25Bからの出力により測定された収差が予め定められた許容値以下になるまで、補償光学部60を変形することも可能である。また、上述の図2及び図3の光学系は、主に、入射光線が細いシングルパスとして説明したが、ダブルパス測定用に適宜変更することもできる。
【0027】
(共役関係)
被測定眼100の眼底、視標光学部90の固視標92、第1光源部11、第1受光部21A、第2受光部21Bが共役である。また、被測定眼100の眼の瞳(虹彩)、ロータリープリズム62、第1及び第2受光光学系の変換部材(ハルトマン板)22A及び22B、第1照明光学系10の測定光入射側の絞り12、可変鏡等の補償光学部60が共役である。
【0028】
2.電気系構成
図5は、眼特性測定装置の電気系の構成図である。
眼特性測定装置の電気系の構成は、演算部600と、制御部610と、入力部650と、表示部700と、メモリ800と、第1駆動部910と、第2駆動部911と、第3駆動部912と、第4駆動部913と、第5駆動部914を備える。演算部600は、例えば、補償量演算部601と、各種眼特性測定を行う測定演算部602とを有する。さらに、入力部650は、表示部700に表示された適宜のボタン、アイコン、位置、領域等を指示するためポインティングデバイス、各種データを入力するためのキーボード等を備える。
【0029】
また、演算部600には、第1受光部21Aからの第1信号▲4▼と、第2受光部21Bからの第2信号(14)と、前眼部観察部40からの信号▲7▼と、第1調整光学部50からの信号(10)とが入力される。
【0030】
測定演算部602は、第1及び第2受光部21A及び21Bからの第1信号▲4▼、第2信号(14)、前眼部観察部40からの信号▲7▼を入力し、例えば、光束の傾き角に基づき被検眼100の光学特性を求める。また、補償量演算部601は、例えば、前眼部観察部40からの信号▲7▼から求めた光学特性や、短焦点又は低感度の第2測定部25Bの出力から求めた光学特性に基づき、補償光学部60での補償量を求める。演算部600は、これら演算結果に応じた信号又は他の信号・データを、電気駆動系の制御を行う制御部610と、表示部700と、メモリ800とにそれぞれ適宜出力する。
【0031】
制御部610は、演算部600からの制御信号に基づいて、第1光源部11及び第2光源部31の点灯、消灯を制御したり、第1駆動部910〜第5駆動部914を制御するためのものである。制御部610は、例えば、演算部600での演算結果に応じた信号に基づいて、第1光源部11に対して信号▲1▼を出力し、第2調整光学部70に対して信号▲5▼を出力し、前眼部照明部30に対して信号▲6▼を出力し、第1調整光学部50に対して信号▲8▼及び▲9▼を出力し、視標光学部90に対して信号(11)を出力し、さらに、第1駆動部910〜第5駆動部914に対して信号を出力する。
【0032】
第1駆動部910は、演算部600に入力された第1又は第2受光部21A又は21Bからの信号▲4▼又は(14)に基づいて、信号▲2▼を出力して、第1照明光学系10のシリンダーレンズと、第1受光光学系20A(又は第2受光光学系20B)のシリンダーレンズとを、適宜のレンズ移動手段を駆動させて回動させるためのものである。
【0033】
第2駆動部911は、例えば、演算部600に入力された第1及び/又は第2受光部21A及び/又は21Bからの受光信号▲4▼及び/又は(14)に基づいて、第1照明光学系10及び第1並びに第2受光光学系20A並びに20Bを光軸方向に移動させるものであり、移動部15に対して信号▲3▼を出力すると共に、移動部15のレンズ移動手段を駆動する。これら第1並びに第2受光光学系20A並びに20Bを光軸方向に移動させることにより、低次収差の補償を行うことができる。
【0034】
第3駆動部912は、例えば、視標光学部90を移動させるものであり、図示しない適宜の移動手段に対して信号(12)を出力すると共に、この移動手段を駆動する。第4駆動部913は、ロータリープリズム62を回動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して信号(13)を出力すると共に、このレンズ移動手段を駆動する。第5駆動部914は、補償光学部60を駆動させるものであり、補償光学部60の変形手段に対して補償量演算部602で求めた補償量に基づいて信号(15)を出力すると共に、この変形手段を駆動する。
【0035】
3.フローチャート
図6及び図7は、収差測定のフローチャートである。図6のフローチャートは、図1又は図4に示す光学系を用いた第1の実施の形態に対するフローチャートである。演算部600は、収差測定1における第1測定部25Aからの出力に基づき、補償量を決定して補償光学部60をゆがませ、さらに、第1受光部21Aで受光された第1信号に基づき補償後の収差を測定し、補償後の収差及び補償光学部60による補償量から被検眼100の光学特性を求める。
【0036】
まず、演算部600は、収差測定1として、第1受光部21Aからの第1信号に基づき被検眼100の収差を求める(S101)。演算部600は、第1測定部25Aの第1受光部21Aから、ハルトマン像の第1信号を入力する。次に、演算部600は、入力した第1信号から、ハルトマン像の点像移動量△x、△yを求め、点像移動量に基づいてゼルニケ係数を算出し、被検眼100の収差を求める。さらに、演算部600は、前眼部観察部40の第3受光部41からの信号に基づき角膜形状、角膜収差等を求めてもよい。また、演算部600は、これら計算結果をメモリ800に記憶する。
【0037】
以下に、収差演算について説明する。演算部600は、第1測定部25Aの画像から各点像の移動量△x、△yを求める。この移動量と収差Wは、以下の偏微分方程式によって関係付けられる。
【0038】
【数1】
Figure 0003898108
(f:第1測定部25Aのハルトマン板とCCDとの距離)
【0039】
ここで、波面Wをゼルニケ多項式Z 2j−iを使った展開であらわすと、
【0040】
【数2】
Figure 0003898108
【0041】
上の2つの式と、測定で求められた△x、△y(よって、X、Yも含む)に関する測定値を使って、ゼルニケ係数c 2j−iの各値を求めることができる。また、角膜収差を求める場合、前眼部観察部40の第3受光部41からの信号に基づき、角膜の傾き及び角膜の高さを計算し、角膜を光学レンズと同様に扱うことにより光学特性が計算される。なお、図13、図14に、ゼルニケ多項式についての説明図(1)(2)を示す。
【0042】
次に、演算部600は、測定結果が得られたか判断する(S103)。演算部600は、例えば、収差測定1において取得したハルトマン像の各点像の重心位置が所定の数以上(例えば3分の1以上)取れない、又は各点像のぼけが大きいとき(例えば、無収差時の20倍以上など)、又は隣接するスポット像と分離できずに検出できない点が所定の数以上ある等の予め定められたひとつ又は複数の適宜の条件に従い判断することができる。ここで、演算部600は、測定結果が得られた場合(S103)、ステップS105の処理へ移り、一方、測定結果が得られなかった場合(S103)、図7に示すステップS151の処理へ進む。
【0043】
ステップS105では、演算部600は、求められた収差を打ち消すような補償光学部60における補償量Mを求め、制御部610及び第5駆動部914を介して、補償量Mに応じた信号(15)を出力し、可変鏡等の補償光学部60をゆがませる(S105)。また、補償光学部60は、信号(15)に従い適宜の変形手段により変形する。なお、補償光学部60は、可変鏡以外に、液晶空間光変調器を用いても良い。以下、収差を打ち消すために必要な補償光学部60における補償量Mの算出について説明する。
図8は、可変鏡上の座標(X、Y)と光学系の座標(X、Y)の関係の説明図である。補償する収差をWcとし、解析された収差の式が、
【0044】
【数3】
Figure 0003898108
【0045】
であるとき、可変鏡上の座標(X、Y)と光学系の座標(X、Y)の関係は、可変鏡への入射角θを考慮して、
【0046】
【数4】
Figure 0003898108
【0047】
となる。可変鏡の補償量Mは、反射であることから2倍効くことと、目の瞳孔と可変鏡での倍率を考慮する。可変鏡の瞳孔に対する倍率をkとすると、補償量Mは、
【0048】
【数5】
Figure 0003898108
【0049】
となる。ここで求められた補償量Mは、収差の高次成分を含むことができる。補償光学部60は、演算部600から出力された補償量Mに基づいて変形する。なお、倍率k及び無補償状態での入射角θは予め設定された値であり、予めメモリ800に記憶されている。
【0050】
なお、低次成分の球面度数成分は、移動部15によって第1受光部25A及び/又は第2受光部25Bを移動させることにより補償することもできる。また、ゆがませた可変鏡をさらにゆがませる場合、補償後に測定された収差に対して上記の解析と同様に補償量Mを求め、補償後の可変鏡にさらにその分を付加すればよい。また、補償光学部60により完全に収差をなくすのではなく、若干ハルトマン板への入射光を発散方向にする又は傾けるようにしてもよい。これにより長焦点又は高感度の第1測定部25Aにおいて感度の高い測定を行うことができる。
演算部600は、収差測定1の測定結果が得られなかった場合(S103)、図7の収差補償の処理へ移る。
【0051】
図7は、ハルトマン像から被検眼100の光学特性が求められない場合の収差測定のフローチャートである。以下、図7に示す処理について説明する。
【0052】
まず、演算部600は、おおよその収差量が分かる、もしくは適当に収差補正をしてみるか判断する(S151)。例えば、角膜収差,過去の収差データ等を参考に測定を続けるかどうか判断する。判断方法としては、演算部600は、自動的に表示したダイアログボックス、もしくはメニューから立ち上げた入力部650等から測定を続ける又は終了する信号を入力しても良い。また、演算部600は、メモリ800に角膜収差データ又は過去の収差データがあるかを検索し、データの有無によって測定を続けるか終了するかを判断しても良い。
【0053】
演算部600は、測定を続けない場合、表示部700に解析不可能通知表示を行い(S153)、測定を終了する。一方、演算部600は、測定を続ける場合、角膜収差データ、過去の収差データ等のゼルニケ係数、収差データ等を、装置内のメモリ800、もしくは入力部650から入力し、可変鏡等の補償光学部60の補償量Mを求め、制御部610及び第5駆動部914を介して可変鏡をゆがませる(S155)。また、演算部600は、前眼部観察部40の第3受光部41からの信号を入力して角膜収差を求め、求めた収差に基づいて補償量Mを算出してもよい。補償量Mの算出についてはステップS105と同様である。演算部600は、制御部610及び第5駆動部914を介して、補償量Mに応じた信号(15)を出力し、補償光学部65をゆがませる。
【0054】
次に、演算部600は、補償後に光学特性の測定が可能か判断する(S157)。演算部600は、例えば、第1受光部21Aからハルトマン像を入力し、入力したハルトマン像の重心位置が所定の数以上(例えば3分の1)取れない、もしくは各点像のぼけが大きい(例えば、無収差時の20倍以上など)、もしくは隣接するスポット像と分離できずに検出できない点が所定の数以上ある等の予め定められたひとつ又は複数の適宜の条件に従い判断することができる。演算部600は、測定不可能な場合、さらに補償するか判断する(S159)。例えば、演算部600は、自動的に表示したダイアログボックス、もしくはメニューから立ち上げた入力部等から測定を続ける又は終了する信号を入力しても良い。また、演算部600は、メモリ800に別の収差データがあるかを検索しても良い。演算部600は、補償する場合はステップS155へ戻り、一方、補償しない場合は、表示部700に解析不可能通知を表示し(S161)、測定を終了する。
【0055】
一方、演算部600は、測定可能な場合(S157)、図6のステップS107へ進み被検眼100の収差測定を行う。
【0056】
図6に戻り、演算部600は、収差測定2として、第1受光部21Aから第1信号を取得し、収差を求める(S107)。ここで求められる収差は、補償された収差であり、長焦点又は高感度の第1測定部25Aによって、微小な収差を高精度に測定可能である。また、角膜収差を補償光学部65により補償した場合、ここで求められる収差は眼内収差となる。
【0057】
次に、演算部600は、ステップS107で得られた収差が、予め定められた許容値以下であるか判断する(S109)。例えば、演算部600は、高次収差RMS値が0.1以下であるかを判断しても良い。収差のRMS値(平均2乗誤差)は、ゼルニケ係数c 2j−iを用いて次式で算出される。
【0058】
【数6】
Figure 0003898108
【0059】
演算部600は、これら収差のRMS値の予め定められた一つ又は複数が許容値以下であるか判断する。
【0060】
演算部600は、収差が許容値より大きい場合(S109)、ステップS105へ戻り、さらに補償光学部65をゆがませる。一方、演算部600は、許容値より小さい場合(S109)、ステップS107で測定された収差W2に、補償光学部60で打ち消した収差W1を加えて、実際の被検眼100の収差W(ゼルニケ係数c 2j−iを含む)を求める(S111)。また、演算部600は、求められたゼルニケ係数c 2j−iと光学系の配置(例、移動位置が初期条件でどこに来ているかなどの情報)により、既知の方法をつかって、球面度数S、乱視度数C、乱視軸A、高次球面収差を得ることができる。演算部600は、次式のようにゼルニケ係数の2次項から球面度数S、乱視度数C、乱視軸Aを求めることができる。
【0061】
【数7】
Figure 0003898108
(ここに、SE:等価球面度数、Smove:固視移動分の球面度数、r:瞳径)
【0062】
演算部600は、求められた収差マップ、収差係数、ハルトマン像等の測定結果を表示部700に表示し、メモリ800に記憶する(S113)。また、演算部600は、メモリ800から角膜形状データ等を読み出し、表示部700にさらに表示しても良い。
【0063】
さらに、演算部600は、測定を終了するか判断し(S115)、測定を続ける場合はステップS101に戻り、終了の場合は測定を終了する。測定終了の判断は、例えば、演算部600は、自動的に表示したダイアログボックス、もしくはメニューから立ち上げた入力部650等から測定を続ける又は終了する信号を入力しても良い。
【0064】
図9は、収差測定のフローチャートの変形例である。本変形例は、図1又は図4に示す第1の実施の形態における光学系を用いて、補償後の収差測定毎に、被検眼100の収差演算及び演算結果の出力を行う例である。
【0065】
まず、演算部600は、ステップS101〜S107及びステップS111の処理を実行する。処理の詳細については上述と同様であるので省略する。
【0066】
演算部600は、求められた収差マップ、収差係数、ハルトマン像等の測定結果を表示部700に表示し、メモリ800に記憶する(S201)。なお、表示部700への表示は必ずしも毎回行う必要はない。例えば、表示部700への表示処理に時間がかかる等、測定に影響を及ぼす場合、一定の測定回数毎に結果を表示するようにしても良い。
【0067】
演算部600は、ステップS111で得られた収差が、予め定められた許容値以下であるか判断する(S109)。判断基準は、上述と同様とすることができる。演算部600は、収差が許容値より大きい場合、ステップS105へ戻り、許容値より小さい場合、求められた収差マップ、収差係数等の測定結果を表示部700に表示し、メモリ800に記憶する(S203)。なお、ステップS201において、既に当該測定結果の表示、記憶を行っている場合は、ステップS203の処理を省略しても良い。また、演算部600は、収差が許容値以下であるかを判断する代わりに、さらに補償光学部60をゆがませるかの入力を指示する表示を表示部700に出力し、入力部650から信号を入力するようにしてもよい。次に、演算部600は、ステップS115の処理を実行する。処理の詳細は上述と同様である。
【0068】
図10は、第2の実施の形態における収差測定のフローチャートである。図10は、例えば、図2又は図3に示すような長焦点又は高感度の第1測定部25Aと、短焦点または低感度の第2測定部25Bを備える光学系を用いて、短焦点または低感度の第2受光光学系20Bからの信号に基づいて補償量を決定する収差測定のフローチャートである。演算部600は、第2測定部25Bの信号に基づいて、補償光学部60の補償量Mを高速に求め、補償光学部60によって収差が補償されている光束を長焦点又は高感度の第1測定部25Aで精密に測定することにより、高感度、かつ高速な測定を可能とする。
【0069】
まず、演算部600は、短焦点又は低感度の第2測定部25Bでの信号に基づいて収差測定1を行う(S251)。演算部600は、第2測定部25Bの第2受光部21Bからハルトマン像を取得し、取得した画像に基づき、スポット像の重心点を検出する。無収差での重心点を中心とする矩形エリア内でそのスポットと対応する重心位置を探すことで高速可能となるように対応付けする。演算部600は、得られたスポット像の重心点に基づいて、被検眼100の粗い収差を求める。
【0070】
次に、演算部600は、ステップS103、S105の処理を実行する。処理の詳細は上述と同様であるので省略する。
【0071】
演算部600は、長焦点又は高感度の第1測定部25Aからの信号に基づいて収差測定2を行う(S257)。演算部600は、第1測定部25Aの第1受光部21Aから、ハルトマン像の第1信号を入力する。次に、演算部600は、入力した第1信号から、ハルトマン像の点像移動量を求め、点像移動量に基づき被検眼100の光学特性を求める。従来の長焦点又は高感度の測定部を用いる収差測定では、スポット像のずれが大きくなることがあり、スポット像の対応付けに時間がかかる、又は、対応が取れず測定ができない場合がある。本実施の形態では、入力したハルトマン像の第1信号は、被検眼100の収差がある程度打ち消されているハルトマン像であるため、長焦点又は高感度であってもスポットの位置ずれは小さくなっており、精密かつ高速な収差演算が可能である。
【0072】
次に、演算部600は、ステップS109〜S115の処理を実行する。処理の詳細は上述と同様であるので省略する。
【0073】
また、演算部600は、短焦点または低感度の第2受光光学系20Bからの信号に基づいて補償量を決定した後に、補償後の収差及び点像の移動量をリアルタイムでシミュレーション可能である。演算部600は、第1測定部25Aから得られる点像は、先の第2測定部25Bで得られた測定の結果から予測することができる。点像の移動量とゼルニケ係数は、次式のように同様な関係が成り立つ。
【0074】
【数8】
Figure 0003898108
(F:第1測定部25Aのハルトマン板とCCDの距離)
【0075】
補償後に第1測定部25Aによって測定される収差は、測定精度による違いはあるものの、第2測定部25Bで測定された収差と補償された収差の差として予測できる。補償後の収差が予測できれば、上記の式を逆に使うことにより、第1受光部20Aで受光する点像の移動量を予測できる。実際には、補償後の収差予測をWとすると、次式により点像の移動量を算出することができる。
【0076】
【数9】
Figure 0003898108
【0077】
第2測定部25Bで測定された収差を、完全に打ち消すように補償光学部60を変形させた場合、補償後の収差予測は無くなる(0になる)が、収差を完全に打ち消さずにハルトマンプレートへの入射光を発散方向にする又は傾けるようにした場合、数式9を参考に点像の対応付けを行うことにより、より高速な測定、より長焦点又は高感度な第1受光光学系20Aを用いた測定が可能となる。
【0078】
図11は、第2の実施の形態における収差測定のフローチャートの第1の変形例である。本変形例は、補償後の収差測定毎に、被検眼100の収差演算及び演算結果の出力を行う例である。各ステップの処理は、図9及び図10に示す処理と同様であるので、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0079】
図12は、第2の実施の形態における収差測定のフローチャートの第2の変形例である。本変形例は、図3に示す光学系を用いて収差が補償された光束を第2受光部21Bで受光し、第2受光部21Bからの信号に基づき求められる収差が、予め定められた許容値以下になるように補償を行う例である。
【0080】
まず、演算部600は、ステップS251、S103、S105の各処理を実行する。処理の詳細については上述と同様であるので省略する。次に、演算部600は、第2測定部25Bでの信号に基づいて、補償された収差の測定を行う(S253)。処理の詳細は、上述のステップS251と同様であるので省略する。演算部600は、ステップS253で求められた収差が、予め定められた第1許容値以下であるか判断する(S255)。例えば、演算部600は、高次収差のRMS値が0.1以下であるかを判断しても良い。演算部600は、収差が第1許容値より大きい場合、ステップS105へ戻り、さらに補償光学部65をゆがませる。一方、演算部600は、収差が第1許容値より小さい場合、ステップS257の処理へ移る。
【0081】
また、演算部600は、収差が第1許容値以下であるかを判断する代わりに、第1受光部21Aから第1信号を入力し、第1信号に基づく測定が可能かを判断しても良い。演算部600は、例えば、入力した第1信号に基づく各点像の重心位置が所定の数以上(例えば3分の1以上)取れない、又は各点像のぼけが大きい(例えば、無収差時の20倍以上など)、又は隣接するスポット像と分離できずに検出できない点が所定の数以上ある等の予め定められたひとつ又は複数の条件により、第1信号に基づく測定が不可能と判断することができる。また、判断条件は、適宜の条件を用いてよい。ここで、演算部600は、測定不可能と判断した場合、ステップS105の処理へ移り、一方、測定可能と判断した場合ステップS257の処理へ移る。
【0082】
演算部600は、ステップS257の処理を実行する。処理の詳細については上述と同様であるので省略する。次に、演算部600は、ステップS257で求められた収差2が、予め定められた第2許容値以下であるか判断する(S259)。例えば、演算部600は、高次収差のRMS値が0.1以下であるかを判断しても良い。また、第1許容値と第2許容値は、異なる値を取ることができる。例えば、測定の感度を考慮して、第1許容値≧第2許容値としてもよい。演算部600は、収差2が第2許容値より大きい場合(S259)、収差2に従い、補償光学部60をさらにゆがませ(S261)、ステップS257へ戻る。補償光学部60をゆがませる処理の詳細は、ステップS105と同様である。一方、演算部600は、収差2が第2許容値より小さい場合、ステップS111の処理へ移る。
【0083】
次に、演算部600は、ステップS111〜S115の処理を実行する。処理の詳細は上述と同様であるので省略する。
【0084】
【発明の効果】
本発明によると、補償光学部により収差の一部を打ち消し、残りの収差を高精度に測定することで被検眼100の光学特性を精密に測定できる。また、本発明によると、低感度と高感度の光学系を用いてより精密に、且つ、より高速に光学特性の測定ができる。さらに、本発明によると、収差が大きく、高感度の測定が不可能な被検眼100に対しても、低感度による測定又は角膜付近での光学特性等に基づき、ある程度の収差を補償することで高感度な測定を可能とすることができる。また、本発明によると、測定レンジの広い眼特性測定装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼特性測定装置の光学系の構成図。
【図2】眼特性測定装置の光学系の第2の構成図。
【図3】眼特性測定装置の光学系の第3の構成図。
【図4】ダブルパス測定の光学系の構成図。
【図5】眼特性測定装置の電気系の構成図。
【図6】収差測定のフローチャート。
【図7】ハルトマン像から被検眼の光学特性が求められない場合の収差補償のフローチャート。
【図8】可変鏡上の座標と光学系の座標の関係の説明図。
【図9】収差測定のフローチャートの変形例。
【図10】第2の実施の形態における収差測定のフローチャート。
【図11】第2の実施の形態における収差測定のフローチャートの第1の変形例。
【図12】第2の実施の形態における収差測定のフローチャートの第2の変形例。
【図13】ゼルニケ多項式(1)。
【図14】ゼルニケ多項式(2)。
【符号の説明】
10 第1照明光学系
11 第1光源部
20A 第1受光光学系
21A 第1受光部
25A 第1測定部
20B 第2受光光学系
21B 第2受光部
25B 第2測定部
30 前眼部観察部
40 前眼部照明部
50 第1調整光学部
60 補償光学部
70 第2調整光学部
90 視標光学部
600 演算部
610 制御部
650 入力部
700 表示部
800 メモリ

Claims (12)

  1. 第1波長の光束を発する第1光源部と、
    上記第1光源部からの光束で被検眼網膜上の微小な領域を照明するための第1照明光学系と、
    被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する長焦点又は高感度のレンズ部を有する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
    被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する短焦点又は低感度のレンズ部を有する第2変換部材を介して受光するための第2受光光学系と、
    上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
    上記第2受光光学系の受光光束を受光する第2受光部と、
    上記第1受光部及び/又は上記第2受光部の出力に基づいて、収差を打ち消すための補償量を求め、出力する補償量演算部と、
    上記第1及び/又は上記第2受光光学系中に配置され、上記補償量演算部から出力された補償量に従って、通過又は反射する光束の収差を補償する補償光学部と、
    上記補償光学部による補償後の上記第1受光部及び/又は上記第2受光部の出力に基づく光学特性と上記補償光学部で補償した光学特性とを考慮して、被検眼の光学特性を求める測定演算部と
    を備えた眼特性測定装置。
  2. 上記第2受光光学系は、測定可能範囲にわたる上記第2変換部材により変換されたビームの変化が、該第2変換部材の変換ピッチよりも小さく設定されており、その結果、信号処理が容易かつ高速化が図れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の眼特性測定装置。
  3. 上記補償量演算部は、上記第2受光部の出力に基づいて収差の補償量を求めて出力し、
    上記測定演算部は、上記第1受光部の出力に基づく光学特性と上記補償光学部で補償した光学特性とを考慮して、被検眼の光学特性を高感度に求めるように構成されている請求項1又は2に記載の眼特性測定装置。
  4. 上記補償量演算部は、上記第1受光部及び/又は上記第2受光部の出力から求めた収差を完全に打ち消さないように補償量を求めるように構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  5. 上記補償光学部は、被検眼の光学特性の少なくとも高次成分を含む補償を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  6. 上記補償量演算部は、上記第1及び/又は第2受光部の出力に基づき、上記第1及び第2受光光学系を移動させることにより低次収差である球面度数成分を補償することができるように構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  7. 第1波長の光束を発する第1光源部と、
    上記第1光源部からの光束で被検眼網膜上の微小な領域を照明するための第1照明光学系と、
    被検眼網膜から反射して戻ってくる反射光束の一部を少なくとも実質的に17本のビームに変換する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
    上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
    第2波長の光束を発する第2光源部と、
    上記第2光源部からの光束で被検眼角膜付近を所定のパターンで照明する第2照明光学系と、
    被検眼角膜付近から反射して戻ってくる反射光束を受光する第3受光部と、
    角膜付近からの該反射光束を上記第3受光部に導く第3受光光学系と、
    上記第3受光部の出力から被検眼の光学特性を求め、該光学特性に基づき収差を打ち消すための補償量を求め、出力する補償量演算部と、
    上記第1受光光学系中に配置され、上記補償量演算部から出力された補償量に従って、通過又は反射する光束の収差を補償する補償光学部と、
    上記補償光学部による補償後の上記第1受光部の出力に基づく光学特性と上記補償光学部で補償した光学特性とを考慮して、被検眼の光学特性を求める測定演算部と
    を備える眼特性測定装置。
  8. 上記測定演算部は、さらに、第3受光部からの出力に基づき被検眼角膜形状を求めるように構成されている請求項7に記載の眼特性測定装置。
  9. 上記補償光学部は、液晶空間光変調器及び可変鏡の少なくともいずれか一つで構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  10. 上記第1照明光学系は、照明のための細いビームが被検眼前眼部で入射する位置を光軸と直交する方向に変更することができる光束入射位置変更部を有する請求項1乃至9のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  11. 上記第1照明光学系は、上記第1光源部からの光束で被検眼網膜上の微小な領域を、被検眼角膜を通過の際には幅広いビームにより照明するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の眼特性測定装置。
  12. 上記補償光学部による補償後に、被検眼の光学特性が表示部に表示され、入力部からの指示に従い、上記補償量演算部及び上記補償光学部により収差をさらに補償することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の眼特性測定装置。
JP2002280175A 2002-09-26 2002-09-26 眼特性測定装置 Expired - Fee Related JP3898108B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280175A JP3898108B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 眼特性測定装置
EP03798482A EP1543767A4 (en) 2002-09-26 2003-09-25 SYSTEM FOR MEASURING CHARACTERISTIC EYE FEATURES
US10/529,150 US7490939B2 (en) 2002-09-26 2003-09-25 Eye characteristics measuring system
AU2003266599A AU2003266599A1 (en) 2002-09-26 2003-09-25 Eye characteristics measuring system
PCT/JP2003/012203 WO2004028355A1 (ja) 2002-09-26 2003-09-25 眼特性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002280175A JP3898108B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 眼特性測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004113405A JP2004113405A (ja) 2004-04-15
JP3898108B2 true JP3898108B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=32274940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002280175A Expired - Fee Related JP3898108B2 (ja) 2002-09-26 2002-09-26 眼特性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3898108B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4917824B2 (ja) 2006-04-07 2012-04-18 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP4776428B2 (ja) 2006-05-02 2011-09-21 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP4783219B2 (ja) 2006-06-16 2011-09-28 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP4776450B2 (ja) 2006-06-16 2011-09-21 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP5567847B2 (ja) * 2010-01-29 2014-08-06 キヤノン株式会社 補償光学装置、補償光学方法、撮像装置
JP5731815B2 (ja) * 2010-12-20 2015-06-10 キヤノン株式会社 撮像方法、撮像装置、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004113405A (ja) 2004-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4510534B2 (ja) 光学特性測定装置及び眼底像観察装置
US6042233A (en) Optical characteristic measuring apparatus
JP4783219B2 (ja) 眼科撮影装置
JP4121890B2 (ja) 眼底観察装置及び眼底観察方法
JP5879826B2 (ja) 眼底撮影装置
US8851673B2 (en) Imaging apparatus
US9510750B2 (en) Fundus imaging apparatus, method of controlling fundus imaging apparatus, and storage medium
JPH11137520A (ja) 眼科測定装置
JP4988305B2 (ja) 眼科測定装置
JP4987426B2 (ja) 眼科測定装置
EP1543767A1 (en) Eye characteristics measuring system
JP4252288B2 (ja) 眼特性測定装置
JP3898108B2 (ja) 眼特性測定装置
JP4794341B2 (ja) 眼光学特性測定装置
JP3813557B2 (ja) 眼特性測定装置
JP4231273B2 (ja) 眼特性測定装置
US10357155B2 (en) Wavefront correction method for adaptive optics system
CN113229777B (zh) 一种视觉质量分析仪
JP7182855B2 (ja) 光学撮像装置を制御する方法、これを記憶する記憶媒体、コントローラー、及び光学撮像装置
JP6600198B2 (ja) 光干渉計測装置
JP2006081841A (ja) 画像形成装置、波面補正光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees