JP4318463B2 - 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置 - Google Patents

矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4318463B2
JP4318463B2 JP2003025428A JP2003025428A JP4318463B2 JP 4318463 B2 JP4318463 B2 JP 4318463B2 JP 2003025428 A JP2003025428 A JP 2003025428A JP 2003025428 A JP2003025428 A JP 2003025428A JP 4318463 B2 JP4318463 B2 JP 4318463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eye
correction data
data
calculation unit
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003025428A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004261212A5 (ja
JP2004261212A (ja
Inventor
陽子 広原
俊文 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2003025428A priority Critical patent/JP4318463B2/ja
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to GB0515619A priority patent/GB2414552B/en
Priority to CA2514807A priority patent/CA2514807C/en
Priority to GB0612590A priority patent/GB2427684A/en
Priority to US10/544,229 priority patent/US7270413B2/en
Priority to PCT/JP2004/000794 priority patent/WO2004069044A1/ja
Publication of JP2004261212A publication Critical patent/JP2004261212A/ja
Publication of JP2004261212A5 publication Critical patent/JP2004261212A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4318463B2 publication Critical patent/JP4318463B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、適正な矯正データを測定するための矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、眼の矯正データを測定するための技術として、レフラクトメータによるS(球面度数)、C(乱視度数)、A(軸)の測定が行われている。また、最近は高次収差まで測定できる眼特性測定装置も開発され、レフラクトメータのような例えばφ3mmのリングなどのような線上のS、C、Aのみではなく、面上でのS、C、Aを低次収差から算出できるようになった。このような、眼特性測定装置は、特に屈折矯正手術後や病眼などにおいてはレフラクトメータより眼鏡・コンタクト等の処方値に近い値が算出されるようになった(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−204785号公報
【特許文献2】
特開2002−209854号公報
【特許文献3】
特開2002−306416号公報
【特許文献4】
特開2002−306417号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の眼特性測定装置の他覚的算出結果と眼鏡・コンタクト・レンズ等の処方値には、まだなお適正とされる値との差が生じる場合があり、S、C、Aの評価としては不十分な場合があった。また、従来、被検眼の瞳径は固定値を用いて測定しているため、被検眼の瞳径に応じた適正な処方値が得られない場合があった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑み、被検眼の瞳径に応じた光学特性及び最適な処方値に近い矯正データを算出し、より正確な測定を行うことを目的とする。また、本発明は、被検者の環境にあった明るさ(例えば、白昼時や屋内)のもとでの瞳径を用いて、その環境下における最適な処方値に近い矯正データを得ることを目的とする。
【0006】
また、本発明は、高次収差まで測定できる眼特性測定装置で測定した結果において、高次収差を含む場合には、他覚的な完全矯正時にあたる低次収差を補正矯正データとせずに、例えばストレール比や位相ずれにより光学性能を評価し、ストレール比が大きく、及び/又は、位相ずれが少なくなるような低次収差量を算出し、そのときのS、C、A等の補正矯正データを求めることでより最適な眼鏡・コンタクト等の処方値に近い矯正データを得ることを目的とする。
さらに、検眼用視標の見え具合のシミュレーションを行い、適正な矯正要素を求めることで、自覚値と近い矯正データを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
演算部は、被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、被検眼の瞳径の値若しくは瞳径画像を含む瞳径データを受け取り、その測定データ及び瞳径データに基づき低次収差及び高次収差を求める第1ステップと、
演算部は、求めた低次収差及び高次収差に基づき、被検眼での見え具合の質を示す評価パラメータを算出する第2ステップと、
演算部は、算出した評価パラメータに従い、低次収差を変化させることにより被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する第3ステップと、
をコンピュータに実行させるための矯正データ測定用プログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0008】
本発明の第2の解決手段によると、
第1波長の光束を発する第1光源部と、
上記第1光源部からの光束で被検眼眼底付近に集光するように照明するための第1照明光学系と、
被検眼眼底から反射して戻ってくる光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
上記第1受光部で得られた光束の傾き角に基づいてゼルニケ解析を行い、被検眼の光学特性を求め、且つ、被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する演算部と
を備え、
上記演算部は、
被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、被検眼の瞳径の値若しくは瞳径画像を含む瞳径データを受け取り、その測定データ及び瞳径データに基づき低次収差及び高次収差を求める第1手段と、
求めた低次収差及び高次収差に基づき、被検眼での見え具合の質を示す評価パラメータを算出する第2手段と、
算出した評価パラメータに従い、低次収差を変化させることにより被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する第3手段と
求めた矯正データに基づくランドルト環若しくは任意の像の輝度分布画像をシミュレートし、該矯正データ及び/又はシミュレーション結果をメモリに記憶する、又は、表示部に表示する第4手段と
を有する矯正データ測定装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
1. 眼光学特性測定装置
図1は、眼光学特性測定装置の光学系100の構成図である。
眼光学特性測定装置の光学系100は、対象物である被測定眼60の光学特性を測定する装置であって、第1照明光学系10と、第1受光光学系20と、第2受光光学系30と、共通光学系40と、調整用光学系50と、第2照明光学系70と、第2送光光学系80とを備える。なお、被測定眼60については、図中、網膜61、角膜62が示されている。
【0011】
第1照明光学系10は、例えば、第1波長の光束を発するための第1光源部11と、集光レンズ12とを備え、第1光源部11からの光束で被測定眼60の網膜(眼底)61上の微小な領域を、その照明条件を適宜設定できるように照明するためのものである。なお、ここでは、一例として、第1光源部11から発せられる照明用の光束の第1波長は、赤外域の波長(例えば、780nm)である。
【0012】
また、第1光源部11は、空間コヒーレンスが大きく、時間コヒーレンスが小さいものが望ましい。ここでは、第1光源部11は、例えば、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)であって、輝度の高い点光源を得ることができる。なお、第1光源部11は、SLDに限られるものではなく、例えば、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが大きいレーザー等であっても、回転拡散板や偏角プリズム(Dプリズム)等を挿入し、適度に時間コヒーレンスを下げることで、利用することができる。さらに、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが小さいLEDであっても、光量さえ十分であれば、例えば、光路の光源の位置にピンホール等を挿入することで、利用することができる。
【0013】
第1受光光学系20は、例えば、コリメートレンズ21と、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる光束(第1光束)の一部を、少なくとも17本のビームに変換する変換部材であるハルトマン板22と、このハルトマン板22で変換された複数のビームを受光するための第1受光部23とを備え、第1光束を第1受光部23に導くためのものである。また、ここでは、第1受光部23は、リードアウトノイズの少ないCCDが採用されているが、CCDとしては、例えば、一般的な低ノイズタイプ、測定用の1000*1000素子の冷却CCD等、適宜のタイプのものを適用することができる。
【0014】
第2照明光学系70は、第2光源72と、プラチドリング71を備える。なお、第2光源72を省略することもできる。プラチドリング(PLACIDO’SDISC)71は、複数の同心輪帯からなるパターンの指標を投影するためのものである。なお、複数の同心輪帯からなるパターンの指標は、所定のパターンの指標の一例であり、他の適宜のパターンを用いることができる。そして、後述するアライメント調整が完了した後、複数の同心輪帯からなるパターンの指標を投影することができる。
【0015】
第2送光光学系80は、例えば、後述するアライメント調整及び座標原点、座標軸の測定・調整を主に行うものであって、第2送光光源部31と、集光レンズ32と、ビームスプリッター33を備える。
【0016】
第2受光光学系30は、集光レンズ34、第2受光部35を備える。第2受光光学系30は、第2照明光学系70から照明されたプラチドリング71のパターンが、被測定眼60の前眼部又は角膜62から反射して戻ってくる光束(第2光束)を、第2受光部35に導く。また、第2送光光源部31から発せられ被測定眼60の角膜62から反射し、戻ってくる光束を第2受光部35に導くこともできる。なお、第2送光光源部31から発せられる光束の第2波長は、例えば、第1波長(ここでは、780nm)と異なると共に、長い波長を選択できる(例えば、940nm)。
【0017】
共通光学系40は、第1照明光学系10から発せられる光束の光軸上に配され、第1及び第2照明光学系10及び70、第1及び第2受光光学系20及び30、第2送光光学系80等に共通に含まれ得るものであり、例えば、アフォーカルレンズ42と、ビームスプリッター43、45と、集光レンズ44とを備える。また、ビームスプリッター43は、第2送光光源部31の波長を被測定眼60に送光(反射)し、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる第2光束を反射し、一方、第1光源部11の波長を透過するようなミラー(例えば、ダイクロイックミラー)で形成される。ビームスプリッター45は、第1光源部11の光束を被測定眼60に送光(反射)し、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる第1光束を、透過するようなミラー(例えば、偏光ビームスプリッター)で形成される。このビームスプリッター43、45によって、第1及び2光束が、互いに他方の光学系に入りノイズとなることがない。
【0018】
調整用光学系50は、例えば、後述する作動距離調整を主に行うものであって、第3光源部51と、第4光源部55と、集光レンズ52、53と、第3受光部54を備える。
【0019】
第3照明光学系90は、例えば、被測定眼60の固視や雲霧をさせるための視標を投影する光路を含むものであって、第5光源部(例えば、ランプ)91、固視標92、リレーレンズ93を備える。第5光源部91からの光束で固視標92を眼底61に照射することができ、被検眼60にその像を観察させる。固視標92と眼底61とが第3照明光学系90によって、共役な関係にある。また、第5光源部91は、被測定眼60の前眼部を異なる明るさで照明する光源(前眼照明部)でもある。第5光源部91の光量を調整する事により、被測定眼60の照明状態を変化させて瞳孔の大きさを変化させることができる。なお、前眼照明部としては、第5光源部91以外にも第2光源72等、適宜の光源を用いても良い。
【0020】
つぎに、アライメント調整について説明する。アライメント調整は、主に、第2受光光学系30及び第2送光光学系80により実施される。
【0021】
まず、第2送光光源部31からの光束は、集光レンズ32、ビームスプリッター33、43、アフォーカルレンズ42を介して、対象物である被測定眼60を略平行な光束で照明する。被測定眼60の角膜62で反射した反射光束は、あたかも角膜62の曲率半径の1/2の点から射出したような発散光束として射出される。この発散光束は、アフォーカルレンズ42、ビームスプリッター43、33及び集光レンズ34を介して、第2受光部35にスポット像として受光される。
【0022】
ここで、この第2受光部35上のスポット像が光軸上から外れている場合、眼光学特性測定装置本体を、上下左右に移動調整し、スポット像を光軸上と一致させる。このように、スポット像が光軸上と一致すると、アライメント調整は完了する。なお、アライメント調整は、被測定眼60の角膜62を第3光源部51により照明し、この照明により得られた被測定眼60の像が第2受光部35上に形成されるので、この像を利用して瞳中心が光軸と一致するようにしてもよい。
【0023】
つぎに、作動距離調整について説明する。作動距離調整は、主に、調整用光学系50により実施される。
【0024】
まず、作動距離調整は、例えば、第4光源部55から射出された光軸付近の平行な光束を、被測定眼60に向けて照射すると共に、この被測定眼60から反射された光を、集光レンズ52、53を介して第3受光部54で受光することにより行われる。また、被測定眼60が適正な作動距離にある場合、第3受光部54の光軸上に、第4光源部55からのスポット像が形成される。一方、被測定眼60が適正な作動距離から前後に外れた場合、第4光源部55からのスポット像は、第3受光部54の光軸より上又は下に形成される。なお、第3受光部54は、第4光源部55、光軸、第3受光部54を含む面内での光束位置の変化を検出できればいいので、例えば、この面内に配された1次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を適用できる。
【0025】
つぎに、第1照明光学系10と第1受光光学系20との位置関係を説明する。
第1受光光学系20には、ビームスプリッター45が挿入されており、このビームスプリッター45によって、第1照明光学系10からの光は、被測定眼60に送光されると共に、被測定眼60からの反射光は、透過される。第1受光光学系20に含まれる第1受光部23は、変換部材であるハルトマン板22を通過した光を受光し、受光信号を生成する。
【0026】
また、第1光源部11と被測定眼60の網膜61とは、共役な関係を形成している。被測定眼60の網膜61と第1受光部23とは、共役である。また、ハルトマン板22と被測定眼60の瞳孔とは、共役な関係を形成している。さらに、第1受光光学系20は、被測定眼60の前眼部である角膜62、及び瞳孔と、ハルトマン板22と略共役な関係を形成している。すなわち、アフォーカルレンズ42の前側焦点は、被測定眼60の前眼部である角膜62及び瞳孔と略一致している。
【0027】
また、第1照明光学系10と第1受光光学系20は、第1光源部11からの光束が、集光する点で反射されたとして、第1受光部23での反射光による信号ピークが最大となるように、連動して移動する。具体的には、第1照明光学系10と第1受光光学系20は、第1受光部23での信号ピークが大きくなる方向に移動し、信号ピークが最大となる位置で停止する。これにより、第1光源部11からの光束は、被測定眼60上で集光する。
【0028】
また、レンズ12は、光源11の拡散光を平行光に変換する。絞り14は、眼の瞳、あるいはハルトマン板22と光学的に共役の位置にある。絞り14は、径がハルトマン板22の有効範囲より小さく、いわゆるシングルパスの収差計測(受光側だけに目の収差が影響する方法)が成り立つ様になっている。レンズ13は、上記を満たすために、実光線の眼底共役点を前側焦点位置に、さらに、眼の瞳との共役関係を満たすために、後側焦点位置が絞り14と一致するように配置されている。
【0029】
また、光線15は、光線24とビームスプリッター45で共通光路になった後は、近軸的には、光線24と同じ進み方をする。但し、シングルパス測定のときは、それぞれの光線の径は違い、光線15のビーム径は、光線24に比べ、かなり細く設定される。具体的には、光線15のビーム径は、例えば、眼の瞳位置で1mm程度、光線24のビーム径は、7mm程度になることもある(なお、図中、光線15のビームスプリッター45から眼底61までは省略している)。
【0030】
つぎに、変換部材であるハルトマン板22について説明する。
第1受光光学系20に含まれるハルトマン板22は、反射光束を複数のビームに変換する波面変換部材である。ここでは、ハルトマン板22には、光軸と直交する面内に配された複数のマイクロフレネルレンズが適用されている。また、一般に、測定対象部(被測定眼60)について、被測定眼60の球面成分、3次の非点収差、その他の高次収差までも測定するには、被測定眼60を介した少なくとも17本のビームで測定する必要がある。
【0031】
また、マイクロフレネルレンズは、光学素子であって、例えば、波長ごとの高さピッチの輪帯と、集光点と平行な出射に最適化されたブレーズとを備える。ここでのマイクロフレネルレンズは、例えば、半導体微細加工技術を応用した8レベルの光路長差を施したもので、高い集光率(例えば、98%)を達成している。
【0032】
また、被測定眼60の網膜61からの反射光は、アフォーカルレンズ42、コリメートレンズ21を通過し、ハルトマン板22を介して、第1受光部23上に集光する。したがって、ハルトマン板22は、反射光束を少なくとも、17本以上のビームに変換する波面変換部材を備える。
【0033】
図2は、眼光学特性測定装置の電気系200の構成図である。眼光学特性測定装置に関する電気系200は、例えば、演算部210と、制御部220と、表示部230と、メモリ240と、入力部270と、第1駆動部250及び第2駆動部260及び第3駆動部280とを備える。また、演算部210は、瞳径データ形成部215、画像データ形成部211、判定部212、矯正要素設定部213を備えることができる。
【0034】
演算部210は、第1受光部23から得られる受光信号▲4▼、第2受光部35から得られる受光信号▲7▼、第3受光部54から得られる受光信号(10)を入力すると共に、座標原点、座標軸、座標の移動、回転、瞳径、全波面収差、角膜波面収差、ゼルニケ係数、収差係数、ストレール比(Strehl比)、位相シフト(PTF、位相ずれ)、白色光MTF、ランドルト環パターン等を演算する。また、このような演算結果に応じた信号を、電気駆動系の全体の制御を行う制御部220と、表示部230と、メモリ240とにそれぞれ出力する。なお、演算210の詳細は後述する。
【0035】
瞳径データ形成部215は、前眼部像から瞳径データを形成する。例えば、瞳径データ形成部215は、第2受光部35から前眼部像を入力し、瞳孔のエッジ上の点、瞳孔が楕円形であるとした時の焦点、長径及び短径を算出し、瞳径を求める。
【0036】
後述するテンプレートマッチングにおける矯正データ算出において、画像データ形成部211は、少なくとも被検眼の波面収差を示す測定データに基づき、屈折矯正のため矯正要素を考慮して、検眼用視標の見え具合のシミュレーションを行い視標網膜画像データを形成する。被検眼の波面収差には高次収差まで含まれる。また、矯正要素設定部213は、画像データ形成部211に与える矯正要素を設定する。判定部212は、矯正要素設定部213で設定される矯正要素により矯正され、且つ、画像データ形成部211で形成された矯正視標画像データに基づき、適正な矯正要素が設定されているかどうかを判定する。また、矯正要素設定部213は、判定部212の結果に基づき矯正要素を設定し、且つ、判定部212が適正な矯正要素であると判定するまで、矯正要素を繰り返し変化させるように構成されている。矯正要素は、球面度数、乱視度数、乱視軸角度のいずれか一つ又は複数の組合せである。
【0037】
制御部220は、演算部210からの制御信号に基づいて、第1光源部11の点灯、消灯を制御したり、第1駆動部250及び第2駆動部260を制御するものであり、例えば、演算部210での演算結果に応じた信号に基づいて、第1光源部11に対して信号▲1▼を出力し、プラチドリング71に対して信号▲5▼を出力し、第2送光光源部31に対して信号▲6▼を出力し、第3光源部51に対して信号▲8▼を出力し、第4光源部55に対して信号▲9▼を出力し、第5光源部91に対して、信号(11)を出力し、さらに、第1駆動部250及び第2駆動部260及び第3駆動部280に対して信号を出力する。
【0038】
第1駆動部250は、例えば、演算部210に入力された第1受光部23からの受光信号▲4▼に基づいて、第1照明光学系10全体を光軸方向に移動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して信号▲2▼を出力すると共に、このレンズ移動手段を駆動する。これにより、第1駆動部250は、第1照明光学系10の移動、調節を行うことができる。
【0039】
第2駆動部260は、例えば、演算部210に入力された第1受光部23からの受光信号▲4▼に基づいて、第1受光光学系20全体を光軸方向に移動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して信号▲3▼を出力すると共に、このレンズ移動手段を駆動する。これにより、第2駆動部260は、第1受光光学系20の移動、調節を行うことができる。
【0040】
第3駆動部280は、例えば、第3照明光学系90の固視標92を移動させるものであり、図示しない適宜の移動手段に対して信号(12)を出力すると共に、この移動手段を駆動する。これにより、第3駆動部280は、第3照明光学系90の固視標92の移動、調節を行うことができる。
【0041】
2.ゼルニケ解析
つぎに、ゼルニケ解析について説明する。一般に知られているゼルニケ多項式からゼルニケ係数C 2j−iを算出する方法について説明する。ゼルニケ係数C 2j−iは、例えば、ハルトマン板22を介して第1受光部23で得られた光束の傾き角に基づいて被検眼60の光学特性を把握するための重要なパラメータである。
【0042】
被検眼60の波面収差W(X,Y)は、ゼルニケ係数C 2j−i、ゼルニケ多項式Z 2j−iを用いて次式で表される。
【0043】
【数1】
Figure 0004318463
【0044】
ただし、(X,Y)はハルトマン板22の縦横の座標である。
【0045】
また、波面収差W(X,Y)は、第1受光部23の縦横の座標を(x、y)、ハルトマン板22と第1受光部23の距離をf、第1受光部23で受光される点像の移動距離を(△x、△y)とすると、次式の関係が成り立つ。
【0046】
【数2】
Figure 0004318463
【0047】
【数3】
Figure 0004318463
【0048】
ここで、ゼルニケ多項式Z 2j−iは、以下の数式4及び数式5で表される。具体的には、図3に、(r,t)座標のゼルニケ多項式の図、及び、図4に、(x,y)座標のゼルニケ多項式の図をそれぞれ示す。
【0049】
【数4】
Figure 0004318463
【0050】
【数5】
Figure 0004318463
【0051】
なお、ゼルニケ係数C 2j−iは、以下の数式6で表される自乗誤差を最小にすることにより具体的な値を得ることができる。
【0052】
【数6】
Figure 0004318463
【0053】
ただし、W(X、Y):波面収差、(X、Y):ハルトマン板座標、(△x、△y):第1受光部23で受光される点像の移動距離、f:ハルトマン板22と第1受光部23との距離。
【0054】
演算部210は、ゼルニケ係数C 2j−iを算出し、これを用いて球面収差、コマ収差、非点収差等の眼光学特性を求める。
【0055】
(瞳径の正規化)
ゼルニケ多項式は、常に半径1の円内での形を示しており、ある瞳径(瞳孔径)でゼルニケ解析するときは、その瞳半径で規格化する。例えば、瞳半径rの瞳孔の中心座標を(0,0)としたときに、瞳孔内の点P(X、Y)は、ゼルニケ解析するときはP(X/r、Y/r)とする。ハルトマン像のスポットの重心点がPのとき、この点と対応する参照格子点Pref(Xref、Yref)は、Pref(Xref/r、Yref/r)として点像の移動距離を求め、ゼルニケ係数を算出する。実際の波面(座標が規格化されていない波面)W(X,Y)は、次式で表される。
【0056】
【数7】
Figure 0004318463
【0057】
ただし、(X、Y):規格化されていない座標、(x、y):規格化された座標である。
【0058】
3.ランドルト環
図5に、ランドルト環の説明図を示す。
以下に、ランドルト環の輝度分布関数Land(x,y)のデータの作成について説明する。
【0059】
ランドルト環は確認できる最小視角の逆数で表され、1分の視角を確認できる能力を、視力1.0という。例えば、確認できる最小視角が2分なら視力は1÷2で0.5、10分なら1÷10で0.1と定義されている。一般にランドルト環は、図に示すように外側のリングの大きさに対して1/5の大きさの隙間を空けたものを指標として用いる。
眼底に投影されるランドルト環の大きさdは、視力Vのときに
【0060】
【数8】
Figure 0004318463
【0061】
(R: 瞳から像点(網膜)までの距離)
で計算できる。この式とランドルト環の定義をもとにランドルト環の黒い部分を0、白い部分を1としてランドルト環の輝度分布関数Land(x,y)を作成する。作成された輝度分布関数Land(x,y)のデータはメモリ240に記憶され、演算部210により読み出され、所定の視力に対応して設定される。
【0062】
4.矯正データ測定方法
図6に、矯正データ測定のフローチャートを示す。
まず、眼光学特性測定装置は、被測定眼60の瞳位置のX、Y、Z軸をアライメントする(S101)。次に、測定装置は、可動部の原点移動を行う(S103)。例えば、ハルトマン板22やプラチドリング71等をゼロディオプターに合わせる。演算部210は、測定された受光信号▲4▼、▲7▼及び/又は(10)に基づき、瞳径、全波面収差及びゼルニケ係数等の眼球光学系データを測定する(S105)。演算部210は、矯正画像シミュレーションを行う(S107)。例えば、演算部210は、ストレール比、PTF、MTF(Modulation Transfer Function)のいずれか又は複数を被測定眼60での見え具合の質を表す評価パラメータとして、適正な矯正データを求める。また、例えば、演算部210は、検眼用視標の見え具合をシミュレーションし、所定のテンプレートとの比較結果を評価パラメータとして適正な矯正データを求めても良い。ステップS105及びS017の詳細は後述する。演算部210は、表示部230及びメモリ240に出力する(S109)。なお、前の処理において既にデータ出力されている場合、ステップS109の処理を省略しても良い。
【0063】
図7は、ステップS105の瞳径の算出及び眼球光学系データの測定についてのサブフローチャートである。また、図8は、瞳径算出の説明図である。
【0064】
まず、演算部210は、第1受光部20及び第2受光部35からハルトマン像及び前眼部像を取得する(S601)。演算部210は、第5光源部91により、所望の環境条件における照明状態で被測定眼60を照明させ、第1受光部20及び第2受光部35からハルトマン像及び前眼部像を取得する。例えば、演算部210は、表示部230に矯正データを求める環境条件を選択する指示を表示し、選択された環境条件を入力部270から入力してもよい。環境条件としては、例えば、「昼間視」、「薄暮視」、「室内(蛍光灯下)」、「夜間視」、「通常の視力測定」等である。次に、演算部210は、例えば、予めメモリ240に記憶された環境条件と照明状態が対応したテーブルを参照し、入力した環境条件に対応する照明状態を取得する。各環境条件での照明状態としては、例えば、「通常の視力測定」の場合は50[lx]、「昼間視」は100000[lx]、「室内(蛍光灯下)」は2000[lx]等とすることができる。なお、これらの値は、その環境条件に応じた適宜の値を用いることができる。環境としては、通常より大型の固視標を用いることが望ましい。ここでは、第5光源部91により、所望の環境条件における照明状態で被測定眼60を照明させているが、被検眼の周囲の照明や、背景の照明を利用して、その照明状態を作り出すように構成しても差し支えない。
【0065】
演算部210は、制御部220を介し、第5光源部91に対して取得した照明状態に応じた信号(11)を出力し、被測定眼60を照明させる。また、演算部210は、照明状態を暗い方から明るい方へ順次変化させ、複数の照明状態におけるハルトマン像及び前眼部像取得することができる。
【0066】
なお、演算部210は、ステップS601を省略し、予め測定されメモリ240に記憶されているハルトマン像データと、前眼部像、瞳孔エッジ上の点などの瞳孔形状、瞳径のいずれかを含む瞳径データとを読み込んでもよい。また、例えば、演算部210は、瞳径データとして電子カルテ内にある、過去に撮影されメモリ240に記憶された写真データをメモリから読み込み、前眼部像を取得してもよい。
【0067】
次に、演算部210は、取得した前眼部像に基づいて、瞳孔のエッジ上の点P(i=1〜n)を、例えば36点(n=36)、検出する(S603)。演算部210は、画像処理の手法により、取得した前眼部像の光量の変化(画像上の濃淡)を検出し、瞳孔のエッジ上の点を求めることができる。図8において、検出点Pは+の印で表されている点である。
【0068】
次に、演算部210は、検出した瞳孔のエッジ上の点に最もフィットする楕円フィッティングを行う(S605)。まず、演算部210は、楕円の焦点(図8における点F1、F2)を求める。例えば、演算部210は、焦点の初期値として予め設定されている2点の座標をメモリ240から読み出す。次に、演算部210は、検出点Pから読み出した2点までの距離をそれぞれ求め、距離の和をLとする。演算部210は、全ての検出点Pについて距離の和Lを求め、Lの平均値Aを求める。さらに、演算部210は、最小2乗近似等の手法を用いて、次式で表される距離の和Lと平均値Aの自乗誤差Seが最小となる2点を算出することにより、楕円の焦点を求めることができる。
【0069】
【数9】
Figure 0004318463
【0070】
ただし、L:エッジ上の点Pから2点F1、F2までの距離の和、A:エッジ上の各点におけるLの平均値、n:検出したエッジ上の点数である。なお、これ以外にも適宜の方法により、楕円の焦点を求めてもよい。
【0071】
次に、演算部210は、楕円上の1点から焦点までの距離の和Lを求める。なお、演算部210は、上述の平均値Aを楕円上の1点から焦点までの距離の和Lとしてもよい。次に、演算部210は、楕円の長軸の長さ(長径)及び短軸の長さ(短径)から、瞳径を算出する(S607)。長軸の長さ2a及び短軸の長さ2bは、次式で表すことができる。
【0072】
【数10】
Figure 0004318463
【0073】
ただし、L:エッジ上の点から焦点までの距離の和、(x1、y1)、(x2、y2):楕円の焦点である。瞳径dは、例えば、長軸の長さ2a及び短軸の長さ2bの平均値とすると、次式で表される。
【0074】
【数11】
Figure 0004318463
【0075】
なお、平均値を瞳径とする以外にも、短軸の長さ、長軸の長さ、短軸及び長軸の長さの中間値等、長軸の長さ2a、短軸の長さ2bに基づく適宜の値を用いてもよい。
【0076】
また、演算部210は、白昼時における瞳径とする照明状態以外に、被検者の希望する環境(例えば、事務室、教室、夜間の運転時等)における瞳径とする照明状態になるように第5光源部91の明るさを調整してもよい。これにより、被検者の希望する環境での最適な処方値を解析することができる。なお、演算部210は、ステップS601〜S607の処理の代わりに、予めメモリ240に記憶された測定データ及び瞳径を読み込んでも良い。
【0077】
演算部210は、瞳径及びハルトマン像に基づき、眼球光学系データを算出する(S609)。まず、演算部210は、ステップS601で取得したハルトマン像から各スポットの重心点を検出する。次に、演算部210は、検出した重心点座標を瞳半径rで規格化する。ここで、瞳半径r=瞳径d/2である。すなわち、演算部210は、瞳径の範囲内にある重心点P(X、Y)をP(X/r,Y/r)とし、ハルトマン像のスポットの重心点がPのとき、この点と対応する参照格子点Pref(Xref、Yref)を、Pref(xref/r、yref/r)とする。実際の波面(座標が規格化されていない波面)W(X、Y)は、次式で表される。
【0078】
【数12】
Figure 0004318463
【0079】
ここで、(X、Y):規格化されていない座標、(x、y):規格化された座標である。
【0080】
演算部210は、規格化した座標を用いて、ゼルニケ係数、全波面収差等の眼球光学系データを算出する。また、演算部210は、適宜のタイミングでデータをメモリ240に記憶する。
【0081】
4−1 矯正画像シミュレーションの第1のフローチャート
図9に、上記ステップS107の矯正画像シミュレーションのフローチャートを示す。
演算部210は、最良画像条件を計算する(S201)。この詳細は後述するように、演算部210はストレール比が最大になるように、又は、位相シフトができる限りなくなるように、低次ゼルニケ係数を求め、補正矯正データを求める。補正矯正データとしては、例えば、デフォーカス(Defocus)にあたる係数、乱視成分、S、C、A、高次球面収差、高次非点収差、高次コマ収差、ストレール比等のうち適宜のデータが挙げられる。
【0082】
演算部210は、最良画像条件時の波面収差W(x,y)を求め、そのW(x,y)から瞳関数f(x,y)を次式により計算する(S203)。
【0083】
【数13】
Figure 0004318463
【0084】
演算部210は、ランドルト環(又は任意の像)の輝度分布関数Land(x,y)をメモリ240を参照して計算する(S205)。演算部210は、Land(x,y)を2次元フーリエ変換して空間周波数分布FR(u,v)を求める(S207)。演算部210は、ランドルト環(又は任意の像)の空間周波数分布FR(u,v)と眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を次式のように掛け合わせることで、眼の光学系通過後の周波数分布OR(u,v)を求める(S209)。
FR(u,v)×OTF(u,v)→OR(u,v)
【0085】
つぎに、演算部210は、OR(u,v)を2次元逆フーリエ変換してランドルト環(又は、任意の像)の輝度分布画像LandImage(X、Y)を求める(S211)。演算部210は、LandImage(X、Y)、PSF(X,Y)を表示部230に、図、グラフィックデータ、グラフ及び/又は数値等の適宜の表示方法で表示し、そのデータを適宜メモリ240に記憶する(S213)。演算部210は、補正矯正データを、必要に応じてメモリ240から読み出し、表示部230に出力する(S215)。
【0086】
4−2 ストレール比に基づく矯正データ算出
図10に、最良画像条件計算の第1例についてのフローチャートを示す。図10は、上述のステップS201についての詳細フローチャートである。
【0087】
まず、演算部210は、分岐条件として各収差量RMS 2j−iの閾値を設定する(S401)。例えば、この閾値は、収差の十分小さい値(例、0.1)とすることができる。演算部210は、測定された検出波面からゼルニケの係数C 2j−iを算出し、次式により収差量RMS 2j−iに変換する(S403)。
【0088】
【数14】
Figure 0004318463
【0089】
演算部210は、RMS 2j−i(i>2)の値の少なくともひとつが閾値以上であるか否か判断する(S405)。ここでNoと判断された場合、ステップS419に進む。一方、ここでYesと判断されると次の処理を演算部210は実行する。
【0090】
すなわち、演算部210は、収差量RMS(R 2j−i)の高次球面収差量R 、R ・・・の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S407)。ここでYesの場合、演算部210は、ストレール比が最大となるように収差のデフォーカスにあたる係数(C )を変化させ(S409)、一方、Noの場合は、ステップS411に進む。つぎに、演算部210は、非対称である高次コマ様収差成分RMS 2j−i(i:奇数)の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S411)。ここで、Yesの場合、演算部210は、ストレール比が最大となるように収差のデフォーカスにあたる係数(C )を変化させ(S413)、一方、Noの場合はステップS415に進む。さらに、演算部210は、高次非点収差量RMS 2j−i(i:偶数、かつ2j−i≠0)の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S415)。ここで、Yesの場合、演算部210は、ストレール比が最大となるように収差に乱視成分(C −2、C )を加え(S417)、一方、Noの場合ステップS419に進む。
【0091】
こうして、演算部210は、収差からOTF(u,v)、PSF(X,Y)を算出し、さらにゼルニケ係数から補正矯正データ(デフォーカスにあたる係数、乱視成分、S、C、A、高次球面収差、高次非点収差、高次コマ収差、ストレール比等の適宜のデータ)を算出し、メモリ240に蓄えておく(S419)。
【0092】
なお、デフォーカス、乱視成分のうち所望の成分のみ補正するように、各ステップS407及びS409、S411及びS413,S415及びS417、の組のいずれかを省略してもよいし、また、これら以外の適宜の高次収差又はゼルニケ係数を補正するようにステップを追加してもよい。例えば、4次の球面収差が高次収差に主として含まれている場合に、低次収差に相当するデフォーカス量を増加させる方向に補正することで補正矯正データを得ることができる。
【0093】
つぎに、ステップS409、S413、S417の詳細処理について説明する。各ステップにおいて、演算部210は、次のように処理を実行する。
【0094】
演算部210は、より最適な像面を求めるためにフローで1つ前に注目した高次収差量(RMS 、RMS ・・・)の閾値から高次収差量と同程度の収差量分の今注目している各ステップにおける低次ゼルニケ係数C 2j−i(1≦i≦2)を波面収差W(x,y)に加える。例えば、ステップS409ではC ステップS413ではC 、ステップS417ではC −2、C である。
さらに瞳関数f(x,y)は波面収差から以下のように求める。
f(x,y)=eikW(x,y)
(i:虚数、k:波数ベクトル(2π/λ)、λ:波長)
演算部210は、この瞳関数f(x,y)をフーリエ変換することにより点像の振幅分布U(u,v)を次式のように求める。
【0095】
【数15】
Figure 0004318463
【0096】
(λ:波長
R:瞳から像点(網膜)までの距離
(u,v):像点Oを原点とし,光軸に直行する面内での座標値
(x,y):瞳面内の座標値 )
演算部210は、U(u,v)とその複素共役を掛けて、次式により点像強度分布(PSF)であるI(u,v)を求める。
I(u,v)=U(u,v)U(u,v)
【0097】
また、ストレール比は、無収差(W(X,Y)=0)のときのPSFの中心強度をI(0,0)とすると、
ストレール比=I(0,0)/I(0,0)
で定義されている。
【0098】
第1の例では、演算部210は、ストレール比の値が最大になるような低次ゼルニケ係数C 2j−i(1≦i≦2)の値を再帰的、或いは解析的に求める。
【0099】
4−3 位相シフトに基づく矯正データ算出
図11に、最良画像条件計算の第2の例についてのフローチャートを示す。
まず、演算部210は、分岐条件として各収差量RMS 2j−iの閾値を設定する(S501)。例えば、この閾値は、収差の十分小さい値(例、0.1)とする。
【0100】
演算部210は、測定された検出波面からゼルニケの係数C 2j−iを算出し、第1例で示した式により収差量RMS 2j−iに変換する(S503)。演算部210は、RMS 2j−i(i>2)の値の少なくともひとつが閾値以上であるか否か判断する(S505)。ここで、Noと判断された場合、ステップS519に進む。一方、ここでYesと判断されると次の処理を演算部210は実行する。
【0101】
すなわち、演算部210は、高次球面収差量R 、R ・・・の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S507)。ここで、Yesの場合、演算部210は、位相シフトができる限りなくなるように収差のデフォーカスにあたる係数(C )を変化させ(S509)、一方、Noの場合は、ステップS511に進む。つぎに、演算部210は、高次コマ様収差成分RMS 2j−i(i:奇数)の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S511)。ここで、Yesの場合、演算部210は、位相シフトができる限りなくなるように収差にデフォーカスにあたる係数(C )を変化させ(S513)、一方、Noの場合はステップS515に進む。さらに、演算部210は、高次非点収差量RMS 2j−i(i:偶数、かつ2j−i≠0)の少なくともひとつが閾値以上であるか判断する(S515)。ここで、Yesの場合、演算部210は、ストレール比が最大となるように収差に乱視成分(C −2、C )を加え(S517)、一方Noの場合ステップS519に進む。
こうして、演算部210は、収差からOTF(u,v)、PSF(X,Y)を算出し、さらにゼルニケ係数から補正矯正データ(デフォーカスにあたる係数、乱視成分、S、C、A、高次球面収差、高次非点収差、高次コマ収差、PTF等の適宜のデータ)を算出し、メモリ240に蓄えておく(S519)。
【0102】
なお、デフォーカス、乱視成分のうち所望の成分のみ補正するように、各ステップS507及びS509、S511及びS513,S515及びS517、の組のいずれかを省略してもよいし、また、これら以外の適宜の高次収差又はゼルニケ係数を補正するようにステップを追加してもよい。
【0103】
つぎに、ステップS509、S513、S517の詳細処理について説明する。演算部210は、次のように処理を実行する。
【0104】
まず、ステップS409、S413、S417の詳細処理で説明したように、演算部210はゼルニケ係数から算出される他覚的な完全矯正時の波面の式から、点像強度分布(PSF)を求める。つぎに、演算部210は、次式のように、PSFをフーリエ変換(又は自己相関)して規格化することによりOTFを求める。
【0105】
【数16】
Figure 0004318463
【0106】
一般に空間周波数領域の振幅と位相の分布R(r,s)は複素数になり、実数部A(r,s)、虚数部B(r,s)とすれば、
R(r,s)=A(r,s)+iB(r,s)
となり、位相のずれ(位相シフト、PTF)は、
【0107】
【数17】
Figure 0004318463
【0108】
で計算できる。第2の例では、演算部210は、このR(r,s)が極値を持つ値をできる限り高周波に持っていくような即ち、位相シフトができる限りなくなるような低次ゼルニケ係数C 2j−iの値を再帰的、或いは解析的に求める。
【0109】
なお、上述した最良画像条件計算の第1例及び第2例は、両方の処理を実行するようにしてストレール比が大きく且つ位相ずれが少ない条件を求めるようにしてもよい。
【0110】
(テンプレートマッチングにおける矯正データ算出)
4−4.矯正画像シミュレーションの第2のフローチャート(球面度数)
図12に、矯正画像シミュレーションの第2のフローチャートを示す。図12は、網膜像シミュレーションを行い、ランドルト環が判別できるように矯正球面度数を求めるフローチャートである。なお、以下の各フローチャートで同符号のステップは同様の処理が実行される。
【0111】
まず、演算部210は、仮球面度数Srを算出する(S1401)。仮球面度数Srとしては、例えば、レフ値、もしくは波面収差から算出した値などを用いてもよいし、予めメモリ240に記憶してある値や入力部270から入力された値を用いてもよい。
【0112】
次に、演算部210は、シミュレーション用球面度数Ssの設定を行う(S1451)。Ssは、通常は、Srに対し、弱矯正に設定(例えばSs=Sr+5D)する。演算部210は、予め定められた視力Vs(例えば、Vs=0.1)のランドルト環の設定を行う(S1453)。
【0113】
演算部210の画像データ形成部211は、ランドルト環網膜像シミュレーションを行い、視標画像データを得る(S1405)。ここで、画像データ形成部211は、まず予め定められたある方向(例えば上、下、右、左の方向にリングの隙間が空いたもの)のランドルト環に対して行う。すなわち、画像データ形成部211は、ステップS105で測定された波面収差に従い、ランドルト環がどのような見え具合であるかを示す視標画像データをシミュレーションにより求める。このシミュレーションの具体的処理は後述する。
【0114】
つぎに、演算部210の判定部212は、ランドルト環テンプレートマッチングを行う(S1407)。判定部212は、シミュレーションで得られた視標画像データとある方向のランドルト環とのテンプレートマッチングを行い、そのときの方向と一致度を示す点数nをメモリ240に記憶しておく。この具体的処理は後述する。
【0115】
判定部212は、すべての方向でテンプレートマッチングしたか判断する(S1409)。ここで、Noの場合は、ステップS1407に進み、すべての方向でテンプレートマッチングするまで処理を繰返す。一方、ステップS1409でYesの場合、判定部212は、点数nが一番大きい点数nhがステップS1405でシミュレーションした視標画像データのランドルト環の方向と一致するか判断する(S1411)。ここで、Yesの場合、判定部212は、点数nhがメモリ240等に予め定められた闘値より高いか判断する(S1413)。
【0116】
ステップS1411又はS1413でNoの場合、判定部212は、Ssが予め定められた許容値(例えば、Sr−5D)を超えたか判断する(S1415)。ここでNoの場合、矯正要素設定部213はSsの矯正要素を若干強く設定し(例えば、Ss−0.25D)(S1417)、画像データ形成部211はこの矯正要素に基づきランドルト環網膜像シミュレーションを行う。演算部210は、このシミュレーションにより得られた視標画像データについてステップS1407以降の処理を実行する。一方、ステップS1415でYesの場合、判定部212は、ランドルト環判別不能と判断し(S1419)、このときの方向と、この方向が不可能であったことをメモリ240に記憶しておく。
【0117】
ステップS1419の後又はステップS1413でYesの場合、判定部212は、ランドルト環の全ての方向でシミュレーションしたか判断する(S1421)。ここで、Noの場合、ステップS1405に戻り、演算部210は全ての方向で上述の処理を繰返す。一方、ステップS1421で、Yesの場合、判定部212は、さらに設定方向数の半分以上判別できたか判断する(S1455)。
【0118】
ステップS1455でYesの場合、矯正要素設定部213は、S=Ss、V=Vsと設定し、また、視力Vs=Vs+0.1のランドルト環の設定を行う(S1457)。その後、ステップS1405に進み、画像データ形成部211は、設定された矯正要素及びランドルト環に基づき網膜像シミュレーションを行い指標画像データを求め、ステップS1407以降の処理を実行する。一方、ステップS1455でNoの場合、演算部210は、データ出力を行う(S1423)。すなわち、演算部210は、例えば、このときの球面度数S=Ss、判別できたランドルト環の方向、シミュレーション結果を表示部230に表示し、メモリ240に記憶する。
【0119】
図13に、上記ステップS1405の網膜像シミュレーションのフローチャートを示す。まず、演算部210は、図6のステップS105で求めた波面収差W(X、Y)及び設定された矯正要素に基づき瞳関数f(x,y)を計算する(S204)。ステップS205〜S211の処理の詳細は、図9の同符号のステップと同様であるので省略する。
【0120】
図14に、上述ステップS1407のテンプレートマッチングの説明図を示す。
図示のようにランドルト環原画像(上図)に対応して、テンプレート画像(下図)を設定し、メモリ240にランドルト環の大きさを示す識別子に対応してこのようなテンプレート画像を記憶する。テンプレート画像は、この例では、b=1.5a、ランドルト環部の画素数をN1、画素値を1とし、ランドルト環の周囲のぼやかした点像部の画素数をN2、画素値を−N1/N2としているが、これに限らず適宜設定することができる。
【0121】
図15に、上記ステップS1407のランドルト環テンプレートマッチングのフローチャートを示す。
演算部210は、設定されたランドルト環の大きさに従いテンプレート画像をメモリ240から読み取り、その空間周波数分布Temp(x,y)を求める(S1301)。つぎに、演算部210は、Temp(x,y)の2次元フーリエ変換FT(u,v)を求める(S1303)。演算部210は、網膜像のシミュレーションによる視標画像データの空間周波数分布の2次元フーリエ変換OR(u,v)を求め、OR(u,v)とテンプレートの空間周波数分布FT(u,v)とを次式のように掛け合わせ、OTmp(u,v)を求める(S1305)。
OR(u,v)×FT(u,v)→OTmp(u,v)
【0122】
演算部210は、OTmp(u,v)を二次元逆フーリエ変換を行い、TmpIm(X,Y)(4a×4aの複素数行列)を求める(S1307)。演算部210は、TmpIm(X,Y)の絶対値の最大値を取得して点数nとする(S1309)。
【0123】
このような相関をとることにより、シミュレーション視標画像が原画像に近ければ点数が高く、ぼやけた場合はそれに応じて点数が低くなる。
【0124】
4−5.矯正画像シミュレーションの第3のフローチャート(乱視−1)
図16、図17に、矯正画像シミュレーションの第3のフローチャート(1)及び(2)を示す。図16、図17は、網膜像シミュレーションを行い、ランドルト環が判別できるように乱視軸A、乱視度数Cを求めるフローチャートである。
【0125】
演算部210は、上述のステップS1401と同様に、仮球面度数Srを算出する(S1401)。つぎに、演算部210は、シミュレーション用乱視度数Csの設定を行う(S1501)。例えば、Csはレフ値、もしくは波面収差から算出した乱視度数Cなどを用いたり、予めS又はC等の矯正要素やゼルニケ係数と対応してCsを記憶した対応表をメモリ240に記憶しておき、それを参照して求めてもよい。つぎに、演算部210は、視力Vs(例えばVs=0.1)のランドルト環設定を行う(S1453)。
【0126】
ステップS1405〜S1413では、上述と同様に、演算部210は、ランドルト環網膜像シミュレーション、ランドルト環テンプレートマッチング等の処理を行う。判定部212は、ステップS1411又はS413でNoの場合、ランドルト環判別不能と判断し、このときの方向と、この方向が不可能であったことをメモリ240に記憶しておく(S1419)。ステップS1419の後、又はステップS1413でYesの場合、演算部210は、上述と同様に、ステップS1421及びS1455の処理を実行する。
【0127】
ステップS1455で設定方向数の半分以上判別できたと判断した場合、演算部210は、設定されている矯正要素をメモリ240に記憶する(S1503)。つぎに、矯正要素設定部213は、V=Vsと設定し、また、視力Vs=Vs+0.1のランドルト環を設定する(S1505)。その後、S1405に進み、画像データ形成部211は、設定された矯正要素及びランドルト環に基づき網膜像シミュレーションを行い指標画像データを求め、ステップS1407以降の処理を実行する。
【0128】
一方、ステップS1455でNoの場合、判定部212は、全ての乱視軸角度方向(0〜180)でシミュレーションしたか判断する(S1507)。ここでNoの場合、矯正要素設定部213は乱視軸角度Asを回転する(例えば、As=As+5)(S1509)。その後、ステップS1453に進み、ステップS1453以降の処理を繰返し実行する。
【0129】
つぎに、図17を参照し、判定部212がステップS1507でYesと判断した場合、演算部210の矯正要素設定部213は、乱視軸角度Aとして視力Vがもっとも大きかったときのAsを代入する(S1511)。なお、乱視軸角度Aは、もっとも大きい時のAsが複数あるときは、視力Vで判別できたランドルト環の数が最も大きいものを設定し、さらにそのAsも複数あるときは視力Vでの判別できた方向のnhの和が最大となるものを設定する。これにより、乱視軸角度Aが決定された。
【0130】
ステップS1453、S1405〜S1413では、上述の実施の形態で説明したように、設定されたSr、Cs、Aに基づき、演算部210は、ランドルト環網膜像シミュレーション、ランドルト環テンプレートマッチング等の各処理を実行する。
【0131】
判定部212は、ステップS1411又はS1413でNoの場合、Csが予め定められた許容値(例えば、Cs−10D)を超えたか判断する(S1515)。ここでNoの場合、矯正要素設定部213はCsの矯正要素を若干強く設定し(例えば、Cs−0.25D)(S1517)、画像データ形成部211は、この矯正要素に基づきランドルト環網膜像シミュレーションを行う(S1405)。演算部210は、このシミュレーションにより得られた視標画像データについてステップS1407以降の処理を繰返し実行する。一方、判定部212は、ステップS1415でYesの場合、ランドルト環判別不能と判断し(S1419)、このときの方向と、この方向が不可能であったことをメモリ240に記憶しておく。
【0132】
ステップS1419の後、又は、ステップS1413でYesの場合、上述と同様に、演算部210は、ステップS1421及びS1455の処理を実行する。ステップS1455でYesの場合、演算部210は、ステップS1503及びS1505の処理を実行する。各ステップの処理については上述と同様である。その後、ステップS1405に進み、画像データ形成部211は、設定された矯正要素及びランドルト環に基づき網膜像シミュレーションを行い指標画像データを求め、ステップS1407以降の処理を実行する。
【0133】
一方、ステップS1455でNoの場合、演算部210はデータ出力を行う(S1423)。すなわち、演算部210は、このときの球面度数S=Ss、判別できた方向、シミュレーション結果等を表示部230に表示し、メモリ240に記憶する。
【0134】
4−6.矯正画像シミュレーションの第4のフローチャート(乱視−2)
図18に、矯正画像シミュレーションの第4のフローチャートを示す。
ステップS1401では、上述のように演算部210は、仮球面度数Srを算出する。次に、演算部210は、乱視成分である乱視度数Cs及び乱視軸角度As、比較用数値Mhを初期設定する(S1571)。これらの値は、メモリ240に予め記憶しておいたデータを用いてもよいし、入力部270により入力してもよい。演算部210は、例えば、Cs=0、As=0、Mh=0に初期設定する。
【0135】
演算部210は、既に求めた波面収差に基づき、MTFを算出する(S1573)。MTFの具体的計算方法は後述する。演算部210は、設定された乱視軸角度AsでのMTF断面から比較用数値Mを算出する(S1575)。比較用数値Mとしては、MTF断面積等を用いることができる。演算部210は、現在設定されているAsと、例えば、MTFの総和、MTF断面積、もしくは3、6、12、18cpdの和などをメモリ240に記憶しておく。
【0136】
演算部210の判断部212は、M≧Mhか判断する(S1577)。ここでNoの場合、ステップS1581に進み、一方、Yesの場合、演算部210の矯正要素設定部213は、Mh=M、A=Asとする(S1579)。つぎに、判定部212は、Asが180以上か判断する(S1581)。ここでNoの場合、矯正要素設定部213は、乱視軸角度Asを回転する(例えばAs=As+5)(S1509)。その後、演算部210は、ステップS1575に戻って処理を繰り返すことで、0〜180度の軸角度でMが最大となる方向が乱視軸角度(弱主経線又は強主経線)であり、そのときのMの値とAsの値を求める。
【0137】
ステップS1581でYesの場合、即ち、乱視軸角度Aが求まると、演算部210は、乱視成分Cs、As=Aに基づき、MTFを算出する(S1585)。演算部210は、さらに、0〜180度(例えば5度間隔)での各MTF断面から比較用数値Mを算出する(S1587)。
【0138】
判定部212は、算出されたMが各角度で全てほぼ同じか判断する(S1589)。例えば、これは、各Mの差が予め定められた闘値tよりすべて小さくなっているかどうかで判断することができる。ステップS1589でNoの場合、演算部210は、乱視度数Csを若干(例えばCs=Cs−0.25)変化させ(S1591)、ステップS1585以降の処理を繰り返す。一方、ステップS1589でYesの場合、演算部210は、C=Csとする(S1593)。
【0139】
演算部210は、求められた乱視度数C、乱視軸角度Aをメモリ240に記憶し、必要に応じて、表示部230に表示する(S1595)。
(MTF算出)
【0140】
つぎに、MTF(Modulation transfer function)の算出について説明する。
まず、MTFは、空間周波数の伝達特性を示す指標であって、光学系の性能を表現するために広く使われている。このMTFは、例えば、1度当たり、0〜100本の正弦波状の濃淡格子に対しての伝達特性を求めることで見え方を予測することが可能である。本実施の形態では、以下に説明するように、単色MTFを用いてもよいし、白色MTFを用いてもよい。
【0141】
まず、単色MTFを波面収差W(x,y)から算出する。なお、W(x,y)は、入力値(測定値)であって、角膜収差に関しては、角膜形状から求めた角膜波面収差を用いることもできる。図10のステップS409等の詳細処理の場合と同様に波面収差から瞳関数、点像の振幅分布、点像の強度分布(PSF)を求める。次に、図11のステップS507等の詳細処理の説明における数式18を用いてOTFを求める。また、OTFの大きさがMTFであるため、
MTF(r,s)=|OTF(u,v)|
が成り立つ。
【0142】
つぎに、上述のように求められた単色MTFに基づいて、白色光MTFを算出する。白色光MTFを求めるには、まず、各波長でのMTFに重み付けをし、足し合わせる。ここで、上述のMTFは、波長ごとに値が異なるため、波長λでのMTFをMTFλと表すと、
【0143】
【数18】
Figure 0004318463
【0144】
ここでは、可視光に多く重み付けをし、計算を行う。
【0145】
具体的には、色の3原色(RGB)である赤、緑、青が、例えば、656.27nm:1、587.56nm:2、及び486.13nm:1であるとすると、
MTF(r,s)=(1×MTF656.27+2×MTF587.56+1×MTF486.13)/(1+2+1)
となる。
【0146】
また、白色光MTFは、一波長(840nm)のみで測定されるので、この測定結果に基づいて他の波長について校正を行い、白色に補正することにより求めてもよい。具体的には、各波長でのMTFは、眼の収差の場合、眼光学特性測定装置での測定波長が、例えば、840nmであるとき、模型眼により各波長840nmでの波面収差W840(x,y)からのずれ量に相当する色収差WΔ(x,y)を測定し、この色収差WΔ(x,y)にW840(x,y)を足し合わせ、この波面収差によりMTFを算出することにより求められる。すなわち、
λ(x,y)=W840(x,y)+WΔ(x,y)
となる。
【0147】
なお、上述した第2、第3、第4のフローチャートを組み合わせて使用し、球面度数、乱視度数、乱視軸の矯正値を求めるようにしてもよい。
【0148】
5.表示例
図19は、最良画像表示−ストレール最適化について、数値データとして、補正矯正データの球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、補正矯正前の測定値の球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、矯正データの算出に用いた瞳径を表示している。この例では、高次収差成分が所定値以上あるため、補正矯正データと測定値との数値に差が生じている。
【0149】
図20は、最良画像表示−PTF最適化について、数値データとして、補正矯正データの球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、補正矯正前の測定値の球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、矯正データの算出に用いた瞳径を表示している。この例では、高次収差成分が所定値以上あるため、補正矯正データと測定値との数値に差が生じている。
【0150】
図21は、最良画像表示−テンプレートマッチングについて、数値データとして、補正矯正データの球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、補正矯正前の測定値の球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度Axと、矯正データの算出に用いた瞳径を表示している。この例では、高次収差成分が所定値以上あるため、補正矯正データと測定値との数値に差が生じている。これらの図では、波面収差、PSF、OTF、OTF(二次元表示)、S、C、A、ランドルト環、指標の見え具合等が表示部230に表示されている。また、これらの中から適宜選択して表示するようにしてもよい。
【0151】
図22は、補正前と補正後の比較についての表示例を示す図である。この図では、補正前後の波面収差、ランドルト環の見え方、ストレール比、瞳径が表示される。図示のように、ストレール比は補正後の方が高く、波面収差を比較的均一に近づけ、ランドルト環も比較的良く見えることが示される。
【0152】
図23に、眼鏡、コンタクト用の処方データ例の説明図を示す。図24に、屈折矯正手術用データ例の説明図を示す。
【0153】
これら各データは、演算部210よりメモリ240に記憶され、及び/又は、表示部230に表示される。この例は、SCAのみを補正矯正データとする屈折矯正手術を行う場合のデータでは、補正矯正データ中Sの値を強くして、Cの値を弱くAの軸方向を若干変化させる矯正することにより、ストレール比が高くなり、矯正効果が高くなることが示される。
【0154】
図25に、環境条件が変化した時の眼鏡、コンタクト用処方データ例の説明図を示す。例えば、各環境条件に応じた照明状態で被測定眼60の瞳径を測定し、各瞳径における矯正データを表示している。瞳径により、補正矯正データが若干異なることが示される。すなわち、被検者の環境により最適な処方値が異なることが示される。また、例えば、医師等が被検者の環境を考慮し、処方値を選択することも可能である。なお、表示する環境条件は、適宜変更することができる。
【0155】
図26に、眼鏡、コンタクト用処方データの一定瞳径による測定との比較図を示す。例えば、従来の測定と同様に、瞳径が4mm、6mmとしたときの矯正データと、瞳径を測定した場合(例えば、50lxで照明)の矯正データが表示されている。瞳径を固定した場合と、測定した場合では、矯正データが若干異なる、本実施の形態では、被検者の瞳径に応じた最適矯正データを求めることが可能である。なお、表示する条件は、適宜変更することができる。
【0156】
6.変形例
本発明の変形例を以下に説明する。この変形例は、図9のS201における最良画像条件の計算方法を変形したものである。ヤコビアン行列Aのi行j列成分は、
【0157】
【数19】
Figure 0004318463
【0158】
である。ここで、f(x)は、例えば、ストレール比や適当な周波数に対応するPTFや、複数の周波数に対応するPTFの幾つかの値である。また、ストレール比とPTFの組み合わせでもよい。またベクトルxは、調整可能なパラメータで、ここでは、球面度(またはそれに対応するデフォーカス)と2つの乱視に関係する成分が対応する。
【0159】
すでに、ストレール比やPTFの計算式は与えてある。ストレール比は、1が理想である。
(x)=f(hc,c ,c −2,c ) (2)
がストレール比を表すものとする。ここで、fは式(1)内の同表示の式を表す。
また、例えばPTFとして、空間周波数が3cpd、6cpd、12cpd、18cpdに対応する値をとり、これは、0が理想であり、
(x)=fPTF3(hc,c ,c −2,c ) (3)
(x)=fPTF6(hc,c ,c −2,c ) (4)
(x)=fPTF12(hc,c ,c −2,c ) (5)
(x)=fPTF18(hc,c ,c −2,c ) (6)
としておく。式(2)、(3)、(4)、(5)、(6)で、hcは高次収差係数のベクトル、c は球面度に関連するデフォーカス項の係数、c −2、c は乱視に関係する項の係数である。hcは波面収差計側で与えられ、ここでは定数である。よって、残りの3つの係数をパラメータベクトルxとして適当に動かし、fPTFを極小値に導くことがここでのタスクである。
【0160】
ここで、式(1)の偏微分は、パラメータをわずかに動かし変化表を作ることで、計算でき、この系でのヤコビアン行列が求められることになる。
【0161】
さて、ここでのタスクをもう一度言いなおすと、ヤコビアン、つまり偏微分係数の分かっている場合の、非線形の最適化をすれば良いので、ニュートン法系の最適化アルゴリズムを利用すれば、例題としては単純なので、解を得るのはたやすい。修正Marquardt法による具体的な解法を述べると、修正ベクトルΔxは、
(AWA+λI)Δx=AW(y−f(x)) (7)
によりもとめることができる。ここで、行列の肩のtは転置行列をあらわし、Wは重み行列である。yは最初の要素がストレールに対応し、あとはPTFの4成分に対応するので(1,0,0,0,0)とすればよい。λはダンピングファクターと呼ばれ、最初は大きめにとり、その後最適化の進み方で小さくしていく。
【0162】
【数20】
Figure 0004318463
【0163】
で、添え字はfの添え字に対応している。たとえば、ストレール比を重点的に最適化したいときは、wを大きくするなど、処方の目的にかなった重み付けを自由にすることが可能である。式(7)を何回か適用し、
S=W(y−f(x)) (9)
が適当に小さくなったら(収束条件を満たしたら)計算をやめ、そのときのxを、解とする。これで、最適な球面度、2つの乱視度がもとめられたことになる。
【0164】
なお、最良画像条件計算は、ストレール比が極大または位相シフト(PTF)が略ゼロとなる位置を、デフォーカス量および/または乱視成分を微少量変化させながら、探すことにより行うこともできる。また良く知られているニュートンの方法を用いて、ストレール比が極大または位相シフト(PTF)が略ゼロとなる位置を求めるように構成することもできる。
【0165】
7.付記
本発明の矯正データ測定の装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、矯正データ測定プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
【0166】
被測定眼の屈折力分布を示す測定データは、図1で示す光学系100により求めているがこれに限定されるものでなく、他のアベロメータ等により構成することができる。
【0167】
【発明の効果】
本発明によると、被検眼の瞳径に応じた光学特性及び最適な処方値に近い矯正データを算出し、より正確な測定を行うことができる。また、本発明によると、被検者の環境にあった明るさ(例えば、白昼時や屋内)のもとでの瞳径を用いて、その環境下における最適な処方値に近い矯正データを得ることができる。
【0168】
また、本発明によると、高次収差まで測定できる眼特性測定装置で測定した結果において、高次収差を含む場合には、他覚的な完全矯正時にあたる低次収差を補正矯正データとせずに、例えばスレール比や位相ずれにより光学性能を評価し、ストレール比が大きく、及び/又は、位相ずれが少なくなるような低次収差量を算出し、そのときのS、C、A等の補正矯正データを求めることでより最適な眼鏡・コンタクト等の処方値に近い矯正データを得ることができる。さらに、検眼用視標の見え具合のシミュレーションを行い、適正な矯正要素を求めることで、自覚値と近い矯正データを得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼光学特性測定装置の光学系100の構成図。
【図2】眼光学特性測定装置の電気系200の構成図。
【図3】(r,t)座標のゼルニケ多項式の図。
【図4】(x,y)座標のゼルニケ多項式の図。
【図5】ランドルト環の説明図。
【図6】矯正データ測定のフローチャート。
【図7】瞳径の算出及び眼球光学系データの測定についてのサブフローチャート。
【図8】瞳径算出の説明図。
【図9】矯正画像シミュレーションのフローチャート。
【図10】最良画像条件計算の第1例についてのフローチャート。
【図11】最良画像条件計算の第2例についてのフローチャート。
【図12】矯正画像シミュレーションの第2のフローチャート。
【図13】網膜像シミュレーションのフローチャート。
【図14】テンプレートマッチングの説明図。
【図15】ランドルト環テンプレートマッチングのフローチャート。
【図16】矯正画像シミュレーションの第3のフローチャート(1)。
【図17】矯正画像シミュレーションの第3のフローチャート(2)。
【図18】矯正画像シミュレーションの第4のフローチャート。
【図19】最良画像表示−ストレール最適化の表示例を示す図。
【図20】最良画像表示−PTF最適化の表示例を示す図。
【図21】最良画像表示−テンプレートマッチングの表示例を示す図。
【図22】補正前と補正後の比較についての表示例を示す図。
【図23】眼鏡、コンタクト用の処方データ例の説明図。
【図24】屈折矯正手術用データ例の説明図。
【図25】環境条件が変化した時の眼鏡、コンタクト用処方データ例の説明図。
【図26】眼鏡、コンタクト用処方データの一定瞳径による測定との比較図。
【符号の説明】
10 第1照明光学系
11 第1光源部
12、32、34、44、52、53 集光レンズ
20 第1受光光学系
21 コリメートレンズ
22 ハルトマン板
23、35、54 第1〜3受光部
30 第2受光光学系
33、43、45 ビームスプリッター
40 共通光学系
42 アフォーカルレンズ
50 調整用光学系
60 被測定眼
70 第2照明光学系
71 プラチドリング
72 第2光源
80 第2送光光学系
90 第3照明光学系
91 第5光源部
92 固視標
100 矯正データ測定装置の光学系
200 矯正データ測定装置の電気系
210 演算部
220 制御部
230 表示部
240 メモリ
250 第1駆動部
260 第2駆動部
280 第3駆動部
270 入力部

Claims (25)

  1. 演算部は、被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、被検眼の瞳径の値若しくは瞳径画像を含む瞳径データを受け取り、その測定データ及び瞳径データに基づき低次収差及び高次収差を求める第1ステップと、
    演算部は、求めた低次収差及び高次収差に基づき、被検眼での見え具合の質を示す評価パラメータを算出する第2ステップと、
    演算部は、算出した評価パラメータに従い、低次収差を変化させることにより被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する第3ステップと、
    をコンピュータに実行させるための矯正データ測定用プログラム。
  2. 演算部は、求めた矯正データに基づくランドルト環若しくは任意の像の輝度分布画像をシミュレートし、該矯正データ及び/又はシミュレーションの結果をメモリに記憶する、又は、表示部に表示する第4ステップをさらに含む請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  3. 上記第1ステップは、演算部が、被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、矯正データを求める矯正環境での瞳孔画像を含む瞳径データを受け取り、受け取った瞳径データに基づき、該矯正環境での瞳径を算出し、受け取った測定データ及び算出した瞳径に基づき低次収差と高次収差を求めるように構成されている請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  4. 上記第1ステップは、
    演算部が被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、矯正環境での瞳孔画像を含む瞳径データを受け取るステップと、
    演算部が、受け取った瞳径データに基づき瞳孔エッジ上の点を検出するステップと、
    演算部が、検出した点にフィットする楕円の焦点及び長径及び/又は短径を算出するステップと、
    演算部が、楕円の長径及び/又は短径に基づき被検眼の瞳径を算出するステップと、
    演算部が、受け取った測定データ及び算出した瞳径に基づき低次収差と高次収差を求めるステップと
    を含む請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  5. 上記第3ステップは、高次の球面収差又は非対称な高次のコマ様収差が所定値以上である場合に、演算部が、評価パラメータに基づきデフォーカスに対応する低次収差を変化させ、被検眼に相応しい適正な矯正データを求めることを特徴とする請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  6. 上記第3ステップは、高次の非点収差が所定値以上である場合に、演算部が、評価パラメータに基づき乱視成分に相当する低次収差を変化させ、被検眼に相応しい適正な矯正データを求めることを特徴とする請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  7. 上記第2ステップは、演算部が、求めた低次収差及び高次収差に基づき、評価パラメータとしてストレール比を算出し、
    上記第3ステップは、演算部が、ストレール比が大きくなるように所定の低次収差を変化させて被検眼に相応しい適正な矯正データを算出するように構成されている請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  8. 上記第2ステップは、演算部が、求めた低次収差及び高次収差に基づき、評価パラメータとして位相シフトを算出し、
    上記第3ステップは、演算部が、位相シフトが小さくなるように低次収差を変化させて被検眼に相応しい適正な矯正データを算出するように構成されている請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  9. 上記第2ステップは、
    演算部が、矯正後の被検眼における検眼用視標の見え具合をシミュレーションして視標画像データを形成するステップと、
    演算部が、該視標画像データと該検眼用視標のパターンデータとをテンプレートマッチングにより比較するステップと、
    演算部が、テンプレートマッチングの結果に基づき評価パラメータを算出するステップと
    を含む請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  10. 上記第2ステップは、
    演算部が、低次収差及び高次収差に基づき、矯正後の被検眼の伝達特性を示すMTF(ModulationTransfer Function)のデータを形成するステップと、
    演算部が、形成されたMTFのデータに基づき評価パラメータを算出するステップと
    を含む請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  11. 上記第2ステップは、演算部が、低次収差と高次収差に基づき、評価パラメータとしてストレール比と位相シフトとの関係式を形成し、
    上記第3ステップは、演算部が、低次収差を変化させてストレール比を極大値に、かつ位相シフトが略ゼロとなる条件を求め、その時の低次収差を適正な矯正データとする請求項1に記載の矯正データ測定用プログラム。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の矯正データ測定用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  13. 第1波長の光束を発する第1光源部と、
    上記第1光源部からの光束で被検眼眼底付近に集光するように照明するための第1照明光学系と、
    被検眼眼底から反射して戻ってくる光束の一部を、少なくとも実質的に17本のビームに変換する第1変換部材を介して受光するための第1受光光学系と、
    上記第1受光光学系の受光光束を受光する第1受光部と、
    上記第1受光部で得られた光束の傾き角に基づいてゼルニケ解析を行い、被検眼の光学特性を求め、且つ、被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する演算部と
    を備え、
    上記演算部は、
    被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、被検眼の瞳径の値若しくは瞳径画像を含む瞳径データを受け取り、その測定データ及び瞳径データに基づき低次収差及び高次収差を求める第1手段と、
    求めた低次収差及び高次収差に基づき、被検眼での見え具合の質を示す評価パラメータを算出する第2手段と、
    算出した評価パラメータに従い、低次収差を変化させることにより被検眼に相応しい適正な矯正データを算出する第3手段と
    求めた矯正データに基づくランドルト環若しくは任意の像の輝度分布画像をシミュレートし、該矯正データ及び/又はシミュレーション結果をメモリに記憶する、又は、表示部に表示する第4手段と
    を有する矯正データ測定装置。
  14. 上記第1手段は、演算部が、被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、矯正データを求める矯正環境での瞳孔画像を含む瞳径データを受け取り、受け取った瞳径データに基づき、該矯正環境での瞳径を算出し、受け取った測定データ及び算出した瞳径に基づき低次収差と高次収差を求めるように構成されている請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  15. 上記第1手段は、
    上記演算部が、被検眼の屈折力分布を示す測定データ、及び、矯正環境での瞳孔画像を含む瞳径データを受け取る手段と、
    上記演算部が、受け取った瞳径データに基づき瞳孔エッジ上の点を検出する手段と、
    上記演算部が、検出した点にフィットする楕円の焦点及び長径及び/又は短径を算出する手段と、
    上記演算部が、楕円の長径及び/又は短径に基づき被検眼の瞳径を算出する手段と、
    上記演算部が、受け取った測定データ及び算出した瞳径に基づき低次収差と高次収差を求める手段と
    を有する請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  16. 第2波長の光束を発する第2光源と、
    上記第2光源からの第2照明光束で被検眼角膜付近を所定のパターンで照明する第2照明光学系と、
    被検眼角膜付近から反射して戻ってくる第2照明光束を受光するための第2受光光学系と、
    上記第2受光光学系の受光光束を受光する第2受光部と、
    上記第2受光部の出力から被検眼の瞳径データを形成する瞳径データ形成部と
    をさらに備え、
    上記演算部は、上記瞳径データ形成部から瞳径データを受け取るように構成されている請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  17. 被検眼の前眼部を所望の明るさで照明可能に構成した前眼照明部をさらに備え、
    上記演算部は、上記前眼照明部を所定の矯正環境に応じた明るさに調整し、その照明状態おける上記第1受光部の出力信号及び瞳径データに基づき被検眼に相応しい適正な矯正データを求めるように構成されている請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  18. 上記前眼照明部は、複数の照明状態を形成する場合に、照明状態を暗い方から明るい方へ順次変化させて測定が行われるように構成されている請求項17に記載の矯正データ測定装置。
  19. 上記第3手段は、高次の球面収差又は非対称な高次のコマ様収差が所定値以上である場合に、上記演算部が、評価パラメータに基づきデフォーカスに対応する低次収差を変化させ、被検眼に相応しい適正な矯正データを求めることを特徴とする請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  20. 上記第3手段は、高次の非点収差が所定値以上である場合に、上記演算部が、評価パラメータに基づき乱視成分に相当する低次収差を変化させ、被検眼に相応しい適正な矯正データを求めることを特徴とする請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  21. 上記第2手段は、上記演算部が、求めた低次収差及び高次収差に基づき、評価パラメータとしてストレール比を算出し、
    上記第3手段は、上記演算部が、ストレール比が大きくなるように所定の低次収差を変化させて被検眼に相応しい適正な矯正データを算出するように構成されている請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  22. 上記第2手段は、上記演算部が、求めた低次収差及び高次収差に基づき、評価パラメータとして位相シフトを算出し、
    上記第3手段は、上記演算部が、位相シフトが小さくなるように低次収差を変化させて被検眼に相応しい適正な矯正データを算出するように構成されている請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  23. 上記第2手段は、
    上記演算部が、矯正後の被検眼における検眼用視標の見え具合をシミュレーションして視標画像データを形成する手段と、
    上記演算部が、該視標画像データと該検眼用視標のパターンデータとをテンプレートマッチングにより比較する手段と、
    上記演算部が、テンプレートマッチングの結果に基づき評価パラメータを算出する手段と
    を有する請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  24. 上記第2手段は、
    上記演算部が、低次収差及び高次収差に基づき、矯正後の被検眼の伝達特性を示すMTFのデータを形成する手段と、
    上記演算部が、形成されたMTFのデータに基づき評価パラメータを算出する手段と
    を有する請求項13に記載の矯正データ測定装置。
  25. 上記第2手段は、上記演算部が、低次収差と高次収差に基づき、評価パラメータとしてストレール比と位相シフトとの関係式を形成し、
    上記第3手段は、上記演算部が、低次収差を変化させてストレール比を極大値に、かつ位相シフトが略ゼロとなる条件を求め、その時の低次収差を適正な矯正データとする請求項13に記載の矯正データ測定装置。
JP2003025428A 2003-02-03 2003-02-03 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置 Expired - Lifetime JP4318463B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003025428A JP4318463B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置
CA2514807A CA2514807C (en) 2003-02-03 2004-01-29 Ophthalmic data measuring apparatus, ophthalmic data measurement program and eye characteristic measuring apparatus
GB0612590A GB2427684A (en) 2003-02-03 2004-01-29 Opthalmic data processing
US10/544,229 US7270413B2 (en) 2003-02-03 2004-01-29 Ophthalmic data measuring apparatus, ophthalmic data measurement program and eye characteristic measuring apparatus
GB0515619A GB2414552B (en) 2003-02-03 2004-01-29 Ophthalmic data measurement apparatus, ophthalmic data measurement program, and eye characteristic measuring apparatus
PCT/JP2004/000794 WO2004069044A1 (ja) 2003-02-03 2004-01-29 眼科データ測定装置、眼科データ測定プログラム及び眼特性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003025428A JP4318463B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004261212A JP2004261212A (ja) 2004-09-24
JP2004261212A5 JP2004261212A5 (ja) 2006-03-16
JP4318463B2 true JP4318463B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=33111998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003025428A Expired - Lifetime JP4318463B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4318463B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510020A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 ハイデルベルク エンジニアリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 眼の収差を測定するための回転可能な二重ゼルニケ・プレート補償器

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7226443B1 (en) * 2003-11-07 2007-06-05 Alcon Refractivehorizons, Inc. Optimization of ablation correction of an optical system and associated methods
JP4890060B2 (ja) * 2005-03-31 2012-03-07 株式会社トプコン 眼科装置
JP4987426B2 (ja) * 2006-11-02 2012-07-25 株式会社ニデック 眼科測定装置
EP2202560A1 (en) * 2008-12-23 2010-06-30 Essilor International (Compagnie Générale D'Optique) A method for providing a spectacle ophthalmic lens by calculating or selecting a design
DE102009010467A1 (de) * 2009-02-26 2010-09-09 Carl Zeiss Vision Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung der Augendrehpunktlage
JP5394902B2 (ja) * 2009-11-27 2014-01-22 株式会社トプコン 眼科装置
WO2013087187A2 (de) * 2011-12-13 2013-06-20 Rodenstock Gmbh Universelle objektive refraktion
ES2558257A1 (es) * 2014-07-31 2016-02-02 Universitat Politècnica De Catalunya Método, sistema y programa de ordenador para la medida de la difusión de la luz en el globo o región ocular
CA3004408C (en) * 2014-11-07 2023-09-19 Ohio State Innovation Foundation Methods and apparatus for making a determination about an eye in ambient lighting conditions
JP7001042B2 (ja) * 2018-11-08 2022-01-19 日本電信電話株式会社 眼情報推定装置、眼情報推定方法、プログラム
US11622682B2 (en) 2019-12-27 2023-04-11 Ohio State Innovation Foundation Methods and apparatus for making a determination about an eye using color temperature adjusted ambient lighting
US20210196119A1 (en) 2019-12-27 2021-07-01 Ohio State Innovation Foundation Methods and apparatus for detecting a presence and severity of a cataract in ambient lighting
CN116725479B (zh) * 2023-08-14 2023-11-10 杭州目乐医疗科技股份有限公司 一种自助式验光仪以及自助验光方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010510020A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 ハイデルベルク エンジニアリング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 眼の収差を測定するための回転可能な二重ゼルニケ・プレート補償器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004261212A (ja) 2004-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4464726B2 (ja) 眼科装置
CA2514807C (en) Ophthalmic data measuring apparatus, ophthalmic data measurement program and eye characteristic measuring apparatus
JP4121890B2 (ja) 眼底観察装置及び眼底観察方法
US7806529B2 (en) Device and method for optometry
JP4318463B2 (ja) 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置
JP4185337B2 (ja) 矯正要素判定装置及び方法
JP2007260339A (ja) 眼科測定装置
JP4890060B2 (ja) 眼科装置
JP4528049B2 (ja) 眼科装置
JP4652558B2 (ja) 光学特性測定装置
JP4471680B2 (ja) 眼科装置
JP4185331B2 (ja) 矯正データ測定方法、測定装置、測定プログラム及び測定プログラムを記録した記録媒体
CN114209559A (zh) 一种图像显示方法、装置及系统
JP2003225205A (ja) 完全矯正視力特性測定装置、完全矯正視力特性測定方法、コントラスト感度測定装置、コントラスト感度測定方法、コントラスト感度視標提示装置
KR102474483B1 (ko) 원근조절 및 이접의 공동 결정
JP4649168B2 (ja) 眼の高次収差測定装置
JP2004337236A (ja) 眼科データ測定装置、眼科データ測定プログラム、眼科データ測定プログラムを記録した記録媒体
JP4113399B2 (ja) 眼特性測定装置
JP7536778B2 (ja) 検眼に関する測定を実行するための装置及びシステム、並びに、調整可能レンズの屈折力を調整する方法
JP4216560B2 (ja) 眼特性測定装置
Labhishetty Accommodative lags and leads: Fact or fiction
CN118591336A (zh) 用于确定测试对象的至少一只眼睛的灵敏度的方法、设备和计算机程序产品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090526

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4318463

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130605

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term