JP4464726B2 - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4464726B2
JP4464726B2 JP2004099708A JP2004099708A JP4464726B2 JP 4464726 B2 JP4464726 B2 JP 4464726B2 JP 2004099708 A JP2004099708 A JP 2004099708A JP 2004099708 A JP2004099708 A JP 2004099708A JP 4464726 B2 JP4464726 B2 JP 4464726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
aberration
simulation
image
eye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004099708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005279022A (ja
Inventor
陽子 広原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2004099708A priority Critical patent/JP4464726B2/ja
Priority to GB0505910A priority patent/GB2412729B/en
Priority to US11/090,310 priority patent/US7360894B2/en
Publication of JP2005279022A publication Critical patent/JP2005279022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4464726B2 publication Critical patent/JP4464726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/1015Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for wavefront analysis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0016Operational features thereof
    • A61B3/0025Operational features thereof characterised by electronic signal processing, e.g. eye models
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/02Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient
    • A61B3/028Subjective types, i.e. testing apparatus requiring the active assistance of the patient for testing visual acuity; for determination of refraction, e.g. phoropters
    • A61B3/032Devices for presenting test symbols or characters, e.g. test chart projectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/12Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes
    • A61B3/125Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes with contact lenses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/13Ophthalmic microscopes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/18Arrangement of plural eye-testing or -examining apparatus

Description

本発明は、眼科装置に関する。
従来、眼の矯正データを測定するための技術として、レフラクトメータによるS(球面度数)、C(乱視度数)、A(軸)の測定が行われている。また、最近は高次収差まで測定できる眼特性測定装置も開発され、レフラクトメータのような例えばφ3mmのリングなどのような線上のS、C、Aのみではなく、面上でのS、C、Aを低次収差から算出できるようになった。このような、眼特性測定装置は、特に屈折矯正手術後や病眼などにおいてはレフラクトメータより眼鏡・コンタクト等の処方値に近い値が算出されるようになった(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、矯正時又は裸眼での被検者の見え具合を表示する装置として、本出願人による装置が開示されている(例えば、特許文献5、6参照)。これらの装置では、例えば、測定した被検眼(被測定眼)の光学特性に基づいて所定の視標の見え具合を表示手段に表示させている。
特開2002−204785号公報 特開2002−209854号公報 特開2002−306416号公報 特開2002−306417号公報 特開2001−120504号公報 特開平7−100107号公報
以上のような、眼の収差を測定できる装置はすでにあり、また、コンタクトレンズ装用時も収差測定が可能である。得られた収差から、網膜像をシミュレーションし、見え具合の評価をすることも行われてきている。一般に、PSFは波面収差と散乱成分とを含む。一方、ハルトマン像から各スポットの重心検出を行った場合は、散乱があっても波面収差だけを求める。
しかし、コンタクトレンズの汚れ、劣化、乾き具合が見え具合に大きく影響し、収差の影響だけでは実際の見えとはかけ離れてしまう場合がある。すなわち、ハルトマンを利用した波面収差測定は、コンタクトの汚れなどで散乱が生じてハルトマン像がボケたとしても重心がずれない限り収差量に変化は生じないが、実際の視標の見え具合には、この散乱が大きく影響する。
本発明は、以上の点に鑑み、コンタクトレンズを装用した状態での散乱を測定し、収差と散乱の両方を加味した網膜像と収差のみを加味した網膜像を比較することにより、眼とコンタクトによる散乱がどれだけ見えに影響を与えているかを示すことを目的とする。
また、本発明は、裸眼時の測定結果から眼の収差と散乱を加味した網膜像を比較することにより、コンタクトレンズの現状況がどれだけ見えに影響を与えているかを示すことを目的とする。
また、本発明は、きれいな状態のコンタクトでの測定データと使用後のコンタクトでの測定データを差し引いてコンタクトの汚れ、劣化、乾燥による見え具合を表示することを目的とする。
本発明の解決手段によって、
被検眼眼底に点光源を投影する第1照明光学系と、
被検眼眼底から反射光をハルトマン板を介して受光する第1受光光学系と、
上記第1受光光学系からの受光反射光を電気信号に変換する第1受光部と、
上記第1受光部の出力から被検眼の収差を求める収差測定部と、
上記第1受光部の出力から各ハルトマン板による点光源像に基づき、収差成分以外のその他成分を求めるその他成分測定部と、
上記その他成分測定部で求めたその他成分と、上記収差測定部で求めた収差に基づき、散乱度合いを表す係数を求める散乱度合い演算部と、
上記収差測定部で求めた収差と、上記散乱度合い演算部で求めた係数に基づき、測定された収差にその他の成分を加味した見え具合を示すデータまたは網膜像を形成するシミュレーション部と、
上記シミュレーション部で形成された見え具合を示すデータまたは網膜像を表示する表示部と、
を備えた眼科装置が提供される。
本発明によると、コンタクトレンズを装用した状態での散乱を測定し、収差と散乱の両方を加味した網膜像と収差のみを加味した網膜像を比較することにより、眼とコンタクトによる散乱がどれだけ見えに影響を与えているかを示すことができる。
また、本発明によると、裸眼時の測定結果から眼の収差と散乱を加味した網膜像を比較することにより、コンタクトレンズの現状況がどれだけ見えに影響を与えているかを示すことができる。
また、本発明によると、きれいな状態のコンタクトでの測定データと使用後のコンタクトでの測定データを差し引いてコンタクトの汚れ、劣化、乾燥による見え具合を表示することができる。
1. 眼光学特性測定装置
図1は、本発明に関する眼光学特性測定装置の概略光学系100を示す図である。
眼光学特性測定装置の光学系100は、例えば、対象物である被測定眼60の光学特性を測定する装置であって、第1照明光学系10と、第1受光光学系20と、第2受光光学系30と、共通光学系40と、調整用光学系50と、第2照明光学系70と、第2送光光学系80とを備える。なお、被測定眼60については、図中、網膜61、角膜62が示されている。
第1照明光学系10は、例えば、第1波長の光束を発するための第1光源部11と、集光レンズ12とを備え、第1光源部11からの光束で被測定眼60の網膜(眼底)61上の微小な領域を、その照明条件を適宜設定できるように照明するためのものである。なお、ここでは、一例として、第1光源部11から発せられる照明用の光束の第1波長は、赤外域の波長(例えば、780nm)である。これに限定されず、所定の波長の照明光束でよい。
また、第1光源部11は、空間コヒーレンスが大きく、時間コヒーレンスが小さいものが望ましい。ここでは、第1光源部11は、例えば、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)であって、輝度の高い点光源を得ることができる。
なお、第1光源部11は、SLDに限られるものではなく、例えば、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが大きいレーザー等であっても、回転拡散板等を挿入し、適度に時間コヒーレンスを下げることで、利用することができる。さらに、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスが小さいLEDであっても、光量さえ十分であれば、例えば、光路の光源の位置にピンホール等を挿入することで、利用することができる。
また、網膜からの反射光の不均一な特性を均一にするために、楔形のロータリープリズム(Dプリズム)16を照明光学系に挿入する。ロータリープリズムの回転により、眼底上の照明部分が操作されるため、眼底からの反射光が均一になり、受光部の受光光束(点像)が均一になるようにすることができる。
第1受光光学系20は、例えば、コリメートレンズ21と、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる光束(第1光束)の一部を、少なくとも、17本のビームに変換する変換部材であるハルトマン板22と、このハルトマン板22で変換された複数のビームを受光するための第1受光部23とを備え、第1光束を第1受光部23に導くためのものである。また、ここでは、第1受光部23は、リードアウトノイズの少ないCCDが採用されているが、CCDとしては、例えば、一般的な低ノイズタイプ、測定用の1000*1000素子の冷却CCD等、適宜のタイプのものを適用することができる。
第2照明光学系70は、第2光源72と、プラチドリング71を備える。なお、第2光源72を省略することもできる。プラチドリング(PLACIDO’S DISC)71は、複数の同心輪帯からなるパターンの指標を投影するためのものである。なお、複数の同心輪帯からなるパターンの指標は、所定のパターンの指標の一例であり、他の適宜のパターンを用いることができる。そして、後述するアライメント調整が完了した後、複数の同心輪帯からなるパターンの指標を投影することができる。
第2送光光学系80は、例えば、後述するアライメント調整及び座標原点、座標軸の測定・調整を主に行うものであって、第2波長の光束を発するための第2光源部31と、集光レンズ32と、ビームスプリッター33を備える。
第2受光光学系30は、集光レンズ34、第2受光部35を備える。第2受光光学系30は、第2照明光学系70から照明されたプラチドリング71のパターンが、被測定眼60の前眼部又は角膜62から反射して戻ってくる光束(第2光束)を、第2受光部35に導く。また、第2光源部31から発せられ被測定眼60の角膜62から反射し、戻ってくる光束を第2受光部35に導くこともできる。なお、第2光源部31から発せられる光束の第2波長は、例えば、第1波長(ここでは、780nm)と異なると共に、長い波長を選択できる(例えば、940nm)。
共通光学系40は、第1照明光学系10から発せられる光束の光軸上に配され、第1及び第2照明光学系10及び70、第1及び第2受光光学系20及び30、第2送光光学系80等に共通に含まれ得るものであり、例えば、アフォーカルレンズ42と、ビームスプリッター43、45と、集光レンズ44とを備える。
また、ビームスプリッター43は、第2光源部31の波長を被測定眼60に送光(反射)し、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる第2光束を反射し、一方、第1光源部11の波長を透過するようなミラー(例えば、ダイクロミックミラー)で形成される。ビームスプリッター45は、第1光源部11の波長を被測定眼60に送光(反射)し、被測定眼60の網膜61から反射して戻ってくる第1光束を、透過するようなミラー(例えば、ダイクロミックミラー)で形成される。このビームスプリッター43、45によって、第1及び2光束が、互いに他方の光学系に入りノイズとなることがない。
調整用光学系50は、例えば、後述する作動距離調整を主に行うものであって、第3光源部51と、第4光源部55と、集光レンズ52、53と、第3受光部54を備え、主に作動距離調整を行うものである。
つぎに、アライメント調整について説明する。アライメント調整は、主に、第2受光光学系30及び第2送光光学系80により実施される。
まず、第2光源部31からの光束は、集光レンズ32、ビームスプリッター33、43、アフォーカルレンズ42を介して、対象物である被測定眼60を略平行な光束で照明する。被測定眼60の角膜62で反射した反射光束は、あたかも角膜62の曲率半径の1/2の点から射出したような発散光束として射出される。この発散光束は、アフォーカルレンズ42、ビームスプリッター43、33及び集光レンズ34を介して、第2受光部35にスポット像として受光される。
ここで、この第2受光部35上のスポット像を光軸上から外れている場合、眼光学特性測定装置本体を、上下左右に移動調整し、スポット像が光軸上と一致させる。このように、スポット像が光軸上と一致すると、アライメント調整は完了する。なお、アライメント調整は、被測定眼60の角膜62を第3光源部51により照明し、この照明により得られた被測定眼60の像が第2受光部35上に形成されるので、この像を利用して瞳中心が光軸と一致するようにしてもよい。
つぎに、作動距離調整について説明する。作動距離調整は、主に、調整用光学系50により実施される。
まず、作動距離調整は、例えば、第4光源部55から射出された光軸付近の平行な光束を、被測定眼60に向けて照射すると共に、この被測定眼60から反射された光を、集光レンズ52、53を介して第3受光部54で受光することにより行われる。また、被測定眼60が適正な作動距離にある場合、第3受光部54の光軸上に、第4光源部55からのスポット像が形成される。一方、被測定眼60が適正な作動距離から前後に外れた場合、第4光源部55からのスポット像は、第3受光部54の光軸より上又は下に形成される。なお、第3受光部54は、第4光源部55、光軸、第3受光部54を含む面内での光束位置の変化を検出できればいいので、例えば、この面内に配された1次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を適用できる。
つぎに、第1照明光学系10と第1受光光学系20との位置関係を概略的に説明する。
第1受光光学系20には、ビームスプリッター45が挿入されており、このビームスプリッター45によって、第1照明光学系10からの光は、被測定眼60に送光されると共に、被測定眼60からの反射光は、透過される。第1受光光学系20に含まれる第1受光部23は、変換部材であるハルトマン板22を通過した光を受光し、受光信号を生成する。
また、第1光源部11と被測定眼60の網膜61とは、共役な関係を形成している。被測定眼60の網膜61と第1受光部23とは、共役である。また、ハルトマン板22と被測定眼60の瞳孔とは、共役な関係を形成している。さらに、第1受光光学系20は、被測定眼60の前眼部である角膜62、及び瞳孔と、ハルトマン板22と略共役な関係を形成している。すなわち、アフォーカルレンズ42の前側焦点は、被測定眼60の前眼部である角膜62及び瞳孔と略一致している。
また、第1照明光学系10と第1受光光学系20は、第1光源部11からの光束が、集光する点で反射されたとして、第1受光部23での反射光による信号ピークが最大となるように、連動して移動する。具体的には、第1照明光学系10と第1受光光学系20は、第1受光部23での信号ピークが大きくなる方向に移動し、信号ピークが最大となる位置で停止する。これにより、第1光源部11からの光束は、被測定眼60上で集光する。
また、レンズ12は、光源11の拡散光を平行光に変換する。絞り14は、眼の瞳、あるいはハルトマン板22と光学的に共役の位置にある。絞り14は、径がハルトマン板22の有効範囲より小さく、いわゆるシングルパスの収差計測(受光側だけに目の収差が影響する方法)が成り立つ様になっている。レンズ13は、上記を満たすために、実光線の眼底共役点を前側焦点位置に、さらに、眼の瞳との共役関係を満たすために、後側焦点位置が絞り14と一致するように配置されている。
また、光線15は、光線24とビームスプリッター45で共通光路になった後は、近軸的には、光線24と同じ進み方をする。但し、シングルパス測定のときは、それぞれの光線の径は違い、光線15のビーム径は、光線24に比べ、かなり細く設定される。具体的には、光線15のビーム径は、例えば、眼の瞳位置で1mm程度、光線24のビーム径は、7mm程度になることもある(なお、図中、光線15のビームスプリッター45から眼底61までは省略している)。
つぎに、変換部材であるハルトマン板22について説明する。
第1受光光学系20に含まれるハルトマン板22は、反射光束を複数のビームに変換する波面変換部材である。ここでは、ハルトマン板22には、光軸と直交する面内に配された複数のマイクロフレネルレンズが適用されている。また、一般に、測定対象部(被測定眼60)について、被測定眼60の球面成分、3次の非点収差、その他の高次収差までも測定するには、被測定眼60を介した少なくとも17本のビームで測定する必要がある。
また、マイクロフレネルレンズは、光学素子であって、例えば、波長ごとの高さピッチの輪帯と、集光点と平行な出射に最適化されたブレーズとを備える。ここでのマイクロフレネルレンズは、例えば、半導体微細加工技術を応用した8レベルの光路長差を施したもので、高い集光率(例えば、98%)を達成している。
また、被測定眼60の網膜61からの反射光は、アフォーカルレンズ42、コリメートレンズ21を通過し、ハルトマン板22を介して、第1受光部23上に集光する。したがって、ハルトマン板22は、反射光束を少なくとも、17本以上のビームに変換する波面変換部材を備える。
図2は、本発明に関する眼光学特性測定装置の概略電気系200を示すブロック図である。眼光学特性測定装置に関する電気系200は、例えば、演算部210と、制御部220と、表示部230と、メモリ240と、第1駆動部250及び第2駆動部260とを備える。
演算部210は、第1受光部23から得られる受光信号(4)、第2受光部35から得られる受光信号(7)、第3受光部54から得られる受光信号(10)を入力すると共に、座標原点、座標軸、座標の移動、回転、全波面収差、角膜は面収差、ゼルニケ係数、収差係数、Strehl比、白色光MTF、ランドルト環パターン等を演算する。また、このような演算結果に応じた信号を、電気駆動系の全体の制御を行う制御部220と、表示部230と、メモリ240とにそれぞれ出力する。なお、演算210の詳細は後述する。
制御部220は、演算部210からの制御信号に基づいて、第1光源部11の点灯、消灯を制御したり、第1駆動部250及び第2駆動部260を制御するものであり、例えば、演算部210での演算結果に応じた信号に基づいて、第1光源部11に対して信号(1)を出力し、プラチドリング71に対して信号(5)を出力し、第2光源部31に対して信号(6)を出力し、第3光源部51に対して信号(8)を出力し、第4駆動部に対して信号(9)を出力し、さらに、第1駆動部250及び第2駆動部260に対して信号を出力する。
第1駆動部250は、例えば、演算部210に入力された第1受光部23からの受光信号(4)に基づいて、第1照明光学系10全体を光軸方向に移動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して信号(2)を出力すると共に、このレンズ移動手段を駆動する。これにより、第1駆動手段250は、第1照明光学系10の移動、調節を行うことができる。
第2駆動手段260は、例えば、演算部210に入力された第1受光部23からの受光信号(4)に基づいて、第1受光光学系20全体を光軸方向に移動させるものであり、図示しない適宜のレンズ移動手段に対して信号(3)を出力すると共に、このレンズ移動手段を駆動する。これにより、第2駆動手段260は、第1受光光学系20の移動、調節を行うことができる。
メモリ240には、散乱度合いを表す係数(例、散乱係数、Index(後述))に対応したPSFとコンタクトレンズを識別する識別子毎に記憶されたテーブルを含む。
図17に、眼特性測定装置の演算部に関する詳細構成図を示す。演算部210は、収差測定部111、その他成分測定部112、散乱度合い演算部113、シミュレーション部114を備える。
第1受光部23は、被検眼眼底から反射して戻ってくる受光光束から第1受光信号を形成し、収差測定部111及びその他成分測定部112に導く。
収差測定部111は、第1受光部23からの第1受光信号に基づき、被検眼の屈折力又は角膜形成を含む光学特性(波面収差等)を求める。その他成分測定部112は、第1受光部23の出力から各ハルトマン板による点光源像に基づき、収差成分以外のその他成分を求める。散乱度合い演算部113は、その他成分測定部112で求めたその他成分と、収差測定部111で求めた収差に基づき、散乱度合いを表す係数を求める。
シミュレーション部114は、収差測定部111を求めた収差と、散乱度合い演算部113で求めた係数に基づき、測定された収差にその他の成分を加味した見え具合を示すデータを形成する。シミュレーション部114は、散乱度合いを表す係数(Index)に対応した点像分布係数(PSF)を記憶したメモリ240を参照して、上記係数からPSFを求め、求めたPSFに基づきシミュレーションを実行する。また、シミュレーション114はシミュレーション結果を表示部230に出力する。表示部230は、シミュレーション部114で形成された見え具合を示すデータを表示する。
演算部210のシミュレーション部114は、散乱度合いを表す係数のときの経験的なぼけ具合もしくはPSFを収差のみから得られた網膜像にさらに重ね合わせる(例えば畳み込み積分する)ことにより、Indexを用いた視力シミュレーション像を得る。散乱によるPSFのぼけは、例えば散乱度合いを表す係数ごとに一義的に決められる。このPSFのぼけは、散乱度合いを表す係数が大きくなるとそれにつれて、大きくなるものである。
また、メモリ240は、散乱度合いを表す係数IndexごとのPSFのデータを予め記憶する。演算部210のシミュレーション部114は、Indexに基づきメモリ240を参照してPSFを求め、得られたPSFを収差から算出された網膜像にコンボリューション(畳み込み積分)することで、シミュレーションを行うことができる。他にもハルトマン像の各PSFの平均を畳み込み積分して網膜像をシミュレーションする、もしくは散乱度合いを表す係数やPSFから、媒体の散乱係数と余弦係数を計算し、これを使って、光線の透過、方向の確率を計算するモンテカルロ法を使うことにより、幾何光学的に像をシミュレーションすること、などがある。シミュレーションを行うときの瞳孔径は、規定値(例えばφ4mm)でもよいし、普段の瞳孔径を測定しておいてその径で行ってもよい。また、視力を求めて散乱が加味されていない場合の視力と比較することも可能である。
シミュレーション部114は、測定された収差に、散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合を示すデータまたは網膜像に加えて、測定された収差(測定収差)による見え具合または網膜像を示すデータを形成するように構成することができる。また、シミュレーション部114は、両測定部111及び112から、測定された収差(測定収差)による見え具合の像または網膜像と、測定収差に散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合または網膜像のシミュレーション像を形成し、表示部230は、シミュレーション部114で形成されたシミュレーション像を表示することができる。また、シミュレーション部114は、両測定部111及び112から、測定された収差(測定収差)による見え具合の推測視力値と、測定収差に散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合の推測視力値を形成し、表示部230は、シミュレーション部114で形成された推測視力値を表示することができる。
さらに、同一被検眼のデータを複数回測定している場合に、シミュレーション部114は、同一被検眼の経時的変化を示すデータ及び/又はシミュレーション像を形成し、表示部230は、シミュレーション部114で形成されたシミュレーション像を表示することができる。
シミュレーション部114は、裸眼状態の測定結果と、矯正レンズを装用した状態での測定結果に基づき見え具合を示すデータを作成し、表示部230は、裸眼状態の測定結果と、矯正レンズを装用した状態での測定結果に基づき見え具合を示すデータまたは網膜像を比較可能に表示することができる。このとき、シミュレーション部114は、見え具合を示すデータまたは網膜像の経時変化を形成し、上記表示はその経時変化を表示することができる。
なお、経時変化は購入時から日数を置いてもよいし、装用時から時間単位で行ってもよい。
また、見え具合を示すデータまたは網膜像は、眼の光学特性のデータ及び画像(視力、収差、散乱評価Index、瞳孔径、PSF、RMS、ハルトマン像、プラチドリング測定像、コントラスト、各データの変化量、等)、シミュレーションデータ、シミュレーション画像等、各種データ及び画像を含む。
2.ゼルニケ解析
つぎに、ゼルニケ解析について説明する。一般に知られているゼルニケ多項式からゼルニケ係数C 2j−iを算出する方法について説明する。ゼルニケ係数C 2j−iは、例えば、ハルトマン板22を介して第1受光部23で得られた光束の傾き角に基づいて被検眼60の光学特性を把握するための重要なパラメータである。
被検眼60の波面収差W(X,Y)は、ゼルニケ係数C 2j−i、ゼルニケ多項式Z 2j−iを用いて次式で表される。
Figure 0004464726
ただし、(X,Y)はハルトマン板22の縦横の座標である。
また、波面収差W(X,Y)は、第1受光部23の縦横の座標を(x、y)、ハルトマン板22と第1受光部23の距離をf、第1受光部23で受光される点像の移動距離を(△x、△y)とすると、次式の関係が成り立つ。
Figure 0004464726
Figure 0004464726
ここで、ゼルニケ多項式Z 2j−iは、以下の数式4及び数式5で表される(より具体的な式は、例えば特開2002−209854を参照)。
Figure 0004464726
Figure 0004464726
なお、ゼルニケ係数C 2j−iは、以下の数式6で表される自乗誤差を最小にすることにより具体的な値を得ることができる。
Figure 0004464726
ただし、W(X、Y):波面収差、(X、Y):ハルトマン板座標、(△x、△y):第1受光部23で受光される点像の移動距離、f:ハルトマン板22と第1受光部23との距離。
演算部210は、ゼルニケ係数C 2j−iを算出し、これを用いて球面収差、コマ収差、非点収差等の眼光学特性を求める。
(瞳径の正規化)
ゼルニケ多項式は、常に半径1の円内での形を示しており、ある瞳径(瞳孔径)でゼルニケ解析するときは、その瞳半径で規格化する。例えば、瞳半径rの瞳孔の中心座標を(0,0)としたときに、瞳孔内の点P(X、Y)は、ゼルニケ解析するときはP(X/r、Y/r)とする。ハルトマン像のスポットの重心点がPのとき、この点と対応する参照格子点Pref(Xref、Yref)は、Pref(Xref/r、Yref/r)として点像の移動距離を求め、ゼルニケ係数を算出する。実際の波面(座標が規格化されていない波面)W(X,Y)は、次式で表される。
Figure 0004464726
ただし、(X、Y):規格化されていない座標、(x、y):規格化された座標である。
3.ランドルト環
図3に、ランドルト環の説明図を示す。以下に、ランドルト環の輝度分布関数Land(x,y)のデータの作成について説明する。図3には、上段に高コントラストのランドルト環、下段に低コントラストのランドルト環を示す。
ランドルト環は確認できる最小視角の逆数で表され、1分の視角を確認できる能力を、視力1.0という。例えば、確認できる最小視角が2分なら視力は1÷2で0.5、10分なら1÷10で0.1と定義されている。一般にランドルト環は、図に示すように外側のリングの大きさに対して1/5の大きさの隙間を空けたものを指標として用いる。
眼底に投影されるランドルト環の大きさdは、視力Vのときに
Figure 0004464726
(R: 瞳から像点(網膜)までの距離)
で計算できる。この式とランドルト環の定義をもとにランドルト環の黒い部分を0(又は1)、白い部分を1(又は0)としてランドルト環の輝度分布関数Land(x,y)を作成する。作成された輝度分布関数Land(x,y)のデータはメモリ240に記憶され、演算部210により読み出され、所定の視力に対応して設定される。
高コントラスト原画像は、例えば、ランドルト環の黒の部分と白の部分のコントラストが100%(例えば白が0に対して黒が1)であり、一方、低コントラスト原画像は、ランドルト環の黒の部分と白の部分とコントラストが10%(例えば、白が0に対して黒が0.1)のものを用いることができる。なお、この例以外にも適宜のコントラストの原画像を用いても良い。メモリ240に記憶される輝度分布関数Land(x、y)は、高コントラストと低コントラストのものがそれぞれ作成され、記憶される。
4.眼科データ測定方法
図4に、眼科データ測定のフローチャートを示す。
まず、眼光学特性測定装置は、被測定眼60の瞳位置のX、Y、Z軸をアライメントする(S101)。次に、測定装置は、可動部の原点移動を行う(S103)。例えば、ハルトマン板22やプラチドリング71等をゼロディオプターに合わせる。演算部210は、収差測定部111により、測定された受光信号(4)、(7)及び/又は(10)に基づき、瞳径、全波面収差及びゼルニケ係数等の眼球光学系データを測定する(S105)。さらに、演算部210は、その他成分測定部112により、第1受光部23の出力からハルトマン板による点光源像に基づき、収差成分以外のその他成分(例:被検眼のMTF、点像強度分布(PSF)等)の光学特性を求める(S105)。
つぎに、演算部210は、シミュレーション部114により、視力シミュレーションを行う(S107)。例えば、演算部210は、検眼用視標の見え具合のシミュレーション結果と所定のテンプレートとの比較結果、及び/又は、被検眼の伝達特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)を被測定眼60での見え具合の質を表す評価パラメータとして、評価パラメータに従い被検眼の視力又は感度を推測する。なお、視力としては、検眼用視標を適宜設定することで、高コントラスト視力及び低コントラスト視力を推測することができる。ステップS105及びS107の詳細は後述する。また、ステップS105で、その他成分測定部112によるその他成分の演算は、ステップS111又はS113等の後述のステップにおいて実行しても良い。
つぎに演算部210は、散乱度合い演算部113により散乱度合いを表す係数(例:散乱係数Index)を求める(S111)。具体的には、散乱度合い演算部113は、散乱係数を求めたPSFの半値部分の面積の瞳径に従う範囲での平均Aと、レンズレット部分の波面収差RMSSLを求め、予め定めた定数a、cにより次式のように求めることができる。
Figure 0004464726
・Index:散乱係数(散乱指標ともいう)
・A:PSFの半値部分の面積(平均)
・RMSSL:レンズレット部分での波面収差(平均)
・a:非白内障眼測定により求める定数
・c:測定装置の散乱校正定数
なお、図13に、散乱係数についての説明図を示す。
演算部210は、シミュレーション部114により、このIndexを用いて、上述と同様に視力シミュレーションを行う(S113)。なお、ステップS113の詳細は後述する。
演算部210は、ステップS107及びS113で求めた見え具合いに関するデータ(視力、シミュレーション画像等)を表示部230及びメモリ240に出力する(S109)。なお、前の処理において既にデータ出力されている場合、ステップS109の処理を省略しても良い。
なお、ステップS107及びS113については、以下4−1で説明する視力シミュレーションにおいて、網膜像シミュレーションが、ステップS107では図8のフローチャートを用い、一方、ステップS113では図12のフローチャートを用いる点が重なるが、他は同様の処理である。
また、コンタクトレンズ装用前及び後のそれぞれについて、演算部210は、図4に示したフローチャートの処理を実行することで、両者を比較するデータ、シミュレーション像等の見え具合に関するデータを得て、そのデータを表示部230に表示又はメモリ240や他装置に、出力することができる。
図5は、ステップS105の瞳径の算出及び眼球光学系データの測定についてのサブフローチャートである。また、図6は、瞳径算出の説明図である。
まず、演算部210は、第1受光部20及び第2受光部35からハルトマン像及び前眼部像を取得する(S601)。演算部210は、第5光源部91により、所望の環境条件(観察条件)における照明状態で被測定眼60を照明させ、第1受光部20及び第2受光部35からハルトマン像及び前眼部像を取得する。例えば、演算部210は、表示部230に視力又は感度を推測する環境条件を選択する指示を表示し、選択された環境条件を入力部270から入力してもよい。環境条件としては、例えば、「昼間視」、「薄暮視」、「室内(蛍光灯下)」、「夜間視」、「通常の視力測定」等である。次に、演算部210は、例えば、予めメモリ240に記憶された環境条件と照明状態が対応したテーブルを参照し、入力した環境条件に対応する照明状態を取得する。各環境条件での照明状態としては、例えば、「通常の視力測定」の場合は50[lx]、「昼間視」は100000[lx]、「室内(蛍光灯下)」は2000[lx]等とすることができる。なお、これらの値は、その環境条件に応じた適宜の値を用いることができる。環境としては、通常より大型の固視標を用いることが望ましい。ここでは、第5光源部91により、所望の環境条件における照明状態で被測定眼60を照明させているが、被検眼の周囲の照明や、背景の照明を利用して、その照明状態を作り出すように構成しても差し支えない。
演算部210は、制御部220を介し、第5光源部91に対して取得した照明状態に応じた信号(11)を出力し、被測定眼60を照明させる。また、演算部210は、照明状態を暗い方から明るい方へ順次変化させ、複数の照明状態におけるハルトマン像及び前眼部像取得することができる。
なお、演算部210は、ステップS601を省略し、予め測定されメモリ240に記憶されているハルトマン像データと、前眼部像、瞳孔エッジ上の点などの瞳孔形状、瞳径のいずれかを含む瞳径データとを読み込んでもよい。また、例えば、演算部210は、瞳径データとして電子カルテ内にある、過去に撮影されメモリ240に記憶された写真データをメモリから読み込み、前眼部像を取得してもよい。
次に、演算部210は、取得した前眼部像に基づいて、瞳孔のエッジ上の点P(i=1〜n)を、例えば36点(n=36)、検出する(S603)。演算部210は、画像処理の手法により、取得した前眼部像の光量の変化(画像上の濃淡)を検出し、瞳孔のエッジ上の点を求めることができる。図6において、検出点Pは+の印で表されている点である。
次に、演算部210は、検出した瞳孔のエッジ上の点に最もフィットする楕円フィッティングを行う(S605)。まず、演算部210は、楕円の焦点(図6における点F1、F2)を求める。例えば、演算部210は、焦点の初期値として予め設定されている2点の座標をメモリ240から読み出す。次に、演算部210は、検出点Pから読み出した2点までの距離をそれぞれ求め、距離の和をLとする。演算部210は、全ての検出点Pについて距離の和Lを求め、Lの平均値Aを求める。さらに、演算部210は、最小2乗近似等の手法を用いて、次式で表される距離の和Lと平均値Aの自乗誤差Seが最小となる2点を算出することにより、楕円の焦点を求めることができる。
Figure 0004464726
ただし、L:エッジ上の点Pから2点F1、F2までの距離の和、A:エッジ上の各点におけるLの平均値、n:検出したエッジ上の点数である。なお、これ以外にも適宜の方法により、楕円の焦点を求めてもよい。
次に、演算部210は、楕円上の1点から焦点までの距離の和Lを求める。なお、演算部210は、上述の平均値Aを楕円上の1点から焦点までの距離の和Lとしてもよい。次に、演算部210は、楕円の長軸の長さ(長径)及び短軸の長さ(短径)から、瞳径を算出する(S607)。長軸の長さ2a及び短軸の長さ2bは、次式で表すことができる。
Figure 0004464726
ただし、L:エッジ上の点から焦点までの距離の和、(x1、y1)、(x2、y2):楕円の焦点である。瞳径dは、例えば、長軸の長さ2a及び短軸の長さ2bの平均値とすると、次式で表される。
Figure 0004464726
なお、平均値を瞳径とする以外にも、短軸の長さ、長軸の長さ、短軸及び長軸の長さの中間値等、長軸の長さ2a、短軸の長さ2bに基づく適宜の値を用いてもよい。
演算部210は、例えば、楕円の焦点及び/又は長軸、短軸の長さに基づき瞳中心位置を求め、さらにリンバス中心を求めて又は設定して、リンバス中心からのずれ量等の瞳中心位置のずれ量を算出してもよい。また、演算部210は、算出したずれ量を瞳径に対応してメモリ240に記憶する。
なお、演算部210は、白昼時における瞳径とする照明状態以外に、被検者の希望する環境(例えば、事務室、教室、夜間の運転時等)における瞳径とする照明状態になるように第5光源部91の明るさを調整してもよい。また、上記環境での瞳径を予め測定しておいたものを使用して解析しても良い。これにより、被検者の希望する環境での最適な処方値を解析することができる。なお、演算部210は、ステップS601〜S607の処理の代わりに、予めメモリ240に記憶された測定データ及び瞳径を読み込んでも良い。
演算部210は、瞳径及びハルトマン像に基づき、眼球光学系データを算出する(S609)。まず、演算部210は、ステップS601で取得したハルトマン像から各スポットの重心点を検出する。次に、演算部210は、瞳中心を原点としたときに検出した重心点座標を瞳半径rで規格化する。ここで、瞳半径r=瞳径d/2である。すなわち、演算部210は、瞳径の範囲内にある重心点P(X、Y)をP(X/r,Y/r)とし、ハルトマン像のスポットの重心点がPのとき、この点と対応する参照格子点Pref(Xref、Yref)を、Pref(xref/r、yref/r)とする。実際の波面(座標が規格化されていない波面)W(X、Y)は、次式で表される。
Figure 0004464726
ここで、(X、Y):規格化されていない座標、(x、y):規格化された座標である。
演算部210は、規格化した座標を用いて、ゼルニケ係数、全波面収差等の眼球光学系データを算出する。また、演算部210は、適宜のタイミングでデータをメモリ240に記憶する。
4−1.視力推測
図7は、ステップS107及びS113の視力シミュレーションのフローチャートである。まず、演算部210は、シミュレーション用の矯正データを設定する(S1452)。例えば、演算部210は、矯正データとしてレフ値又は波面収差に基づき算出した値を用いることができる。また、演算部210は、矯正データの各要素を0とすることで矯正しない時の被検者の環境における視力を推測こともできる。また、例えば、演算部210は、現在使用しているコンタクトレンズの乱視度数C、乱視軸角度A、及び/又は、球面度数Sを設定してもよい。
演算部210は、予め定められた視力Vs(例えば、Vs=0.1)のランドルト環の設定を行う(S1453)。この時、まず演算部210は、高コントラスト視力又は低コントラスト視力のいずれの視力を推測するか設定する。例えば、演算部210は、入力部270からの入力又は予めメモリ240に記憶されている設定に従い高コントラスト又は低コントラストの設定しても良い。演算部210は、設定に従い、予め定められた視力Vsに応じた高コントラスト又は低コントラストのランドルト環を設定する。
演算部210の画像データ形成部211は、ランドルト環網膜像シミュレーションを行い、視標画像データを得る(S1405)。ここで、画像データ形成部211は、まず予め定められたある方向(例えば上、下、右、左の方向にリングの隙間が空いたもの)のランドルト環に対して行う。すなわち、画像データ形成部211は、ステップS105で測定された波面収差に従い、ランドルト環がどのような見え具合であるかを示す視標画像データをシミュレーションにより求める。このシミュレーションの具体的処理は後述する。
つぎに、演算部210の判定部212は、ランドルト環テンプレートマッチングを行う(S1407)。判定部212は、シミュレーションで得られた視標画像データとある方向のランドルト環とのテンプレートマッチングを行い、そのときの方向と一致度を示す点数nをメモリ240に記憶しておく。この具体的処理は後述する。
判定部212は、すべての方向でテンプレートマッチングしたか判断する(S1409)。ここで、Noの場合は、ステップS1407に進み、すべての方向でテンプレートマッチングするまで処理を繰返す。一方、ステップS1409でYesの場合、判定部212は、点数nが一番大きい点数nhがステップS1405でシミュレーションした視標画像データのランドルト環の方向と一致するか判断する(S1411)。ここで、Yesの場合、判定部212は、点数nhがメモリ240等に予め定められた闘値より高いか判断する(S1413)。なお、この閾値(ランドルト環が識別できたかどうかを判断する閾値)は、例えば過去に多数の正常眼の自覚値と対比して得られた値を使用することができる。
ステップS1411又はS1413でNoの場合、判定部212は、ランドルト環判別不能と判断し(S1419)、このときの方向と、この方向が不可能であったことをメモリ240に記憶しておく。
ステップS1419の後又はステップS1413でYesの場合、判定部212は、ランドルト環の全ての方向でシミュレーションしたか判断する(S1421)。ここで、Noの場合、ステップS1405に戻り、演算部210は全ての方向で上述の処理を繰返す。一方、ステップS1421で、Yesの場合、判定部212は、さらに設定方向数の半分以上判別できたか判断する(S1455)。
ステップS1455でYesの場合、矯正要素設定部213は、V=Vsと設定し、また、視力Vs=Vs+0.1のランドルト環の設定を行う(S1457)。この時、設置するランドルト環は、上述のステップS1453での設定に従い高コントラスト又は低コントラストのランドルト環を設定する。その後、ステップS1405に進み、画像データ形成部211は、設定された矯正要素及びランドルト環に基づき網膜像シミュレーションを行い視標画像データを求め、ステップS1407以降の処理を実行する。一方、ステップS1455でNoの場合、演算部210は、データ出力を行う(S1423)。すなわち、演算部210は、例えば、このときの視力V、判別できたランドルト環の方向、シミュレーション結果等を表示部230に表示し、メモリ240に記憶する。なお、演算部210は、視力として少数視力を用いてもよいし、logMAR(log Minimum Angle Resolution)視力を用いてもよい。logMAR視力は、最小視覚の対数で表される視力である。
図8に、散乱係数を用いない場合の上記ステップS1405の網膜像シミュレーションのフローチャートを示す。まず、演算部210は、図4のステップS105で求めた波面収差W(X、Y)及び設定された矯正要素に基づき瞳関数f(x,y)を次式により計算する(S204)。
Figure 0004464726
演算部210は、ランドルト環(又は任意の像)の輝度分布関数Land(x,y)をメモリ240を参照して計算する(S205)。演算部210は、Land(x,y)を2次元フーリエ変換して空間周波数分布FR(u,v)を求める(S207)。演算部210は、瞳関数に基づき、眼球の空間周波数分布OTFを算出し、ランドルト環(又は任意の像)の空間周波数分布FR(u,v)と眼球の空間周波数分布OTF(u,v)を次式のように掛け合わせることで、眼の光学系通過後の周波数分布OR(u,v)を求める(S209)。
FR(u,v)×OTF(u,v)→OR(u,v)
なお、OTFの具体的算出方法については後述する。
つぎに、演算部210は、OR(u,v)を2次元逆フーリエ変換してランドルト環(又は、任意の像)の輝度分布画像LandImage(X、Y)を求める(S211)。
つぎに、図12に、散乱係数を用いる場合の上記ステップS1405の網膜像シミュレーションのフローチャートを示す。ステップS204〜S211は、図8と同様である。演算部210は先に求めたIndexに対応するPSFとメモリ240を参照して求め、求めたPSFとLandImage(X、Y)とをコンボリュ−ションすることで新たな網膜像のシミュレーション像を得る(S213)。
図9に、上述ステップS1407のテンプレートマッチングの説明図を示す。図示のようにランドルト環原画像(上図)に対応して、テンプレート画像(下図)を設定し、メモリ240にランドルト環の大きさを示す識別子に対応してこのようなテンプレート画像を記憶する。テンプレート画像は、この例では、b=1.5a、ランドルト環部の画素数をN1、画素値を1とし、ランドルト環の周囲のぼやかした点像部の画素数をN2、画素値を−N1/N2としているが、これに限らず適宜設定することができる。また、図9上段に示すランドルト原画像は、高コントラストのランドルト環原画像を示しているが、低コントラストのランドルト環原画像を用いる場合も同様のテンプレートを用いることができる。
図10に、上記ステップS1407のランドルト環テンプレートマッチングのフローチャートを示す。
演算部210は、設定されたランドルト環の大きさに従いテンプレート画像をメモリ240から読み取り、その空間周波数分布Temp(x,y)を求める(S1301)。つぎに、演算部210は、Temp(x,y)の2次元フーリエ変換FT(u,v)を求める(S1303)。演算部210は、網膜像のシミュレーションによる視標画像データの空間周波数分布の2次元フーリエ変換OR(u,v)を求め、OR(u,v)とテンプレートの空間周波数分布FT(u,v)とを次式のように掛け合わせ、OTmp(u,v)を求める(S1305)。
OR(u,v)×FT(u,v)→OTmp(u,v)
演算部210は、OTmp(u,v)を二次元逆フーリエ変換を行い、TmpIm(X,Y)(4a×4aの複素数行列)を求める(S1307)。演算部210は、TmpIm(X,Y)の絶対値の最大値を取得して点数nとする(S1309)。
このような相関をとることにより、シミュレーション視標画像が原画像に近ければ点数が高く、ぼやけた場合はそれに応じて点数が低くなる。
4−2.コントラスト感度
演算部210は、ステップS107の視力シミュレーションとしてコントラスト感度を算出することができる。演算部210は、波面収差に基づき眼球光学系のMTFであるMopt(r、s)を求め、求めたMTFに基づきコントラスト感度を算出する。また、演算部210は、算出したコントラスト感度を表示部230に表示する又はメモリ240に記憶する。なお、コントラスト感度は、ステップS107の処理として算出するだけでなく、上述の第1〜第4のフローチャートの処理中に算出し、表示することもできる。
(MTF算出)
まず、MTF(Modulation transfer function)の算出について説明する。
MTFは、空間周波数の伝達特性を示す指標であって、光学系の性能を表現するために広く使われている。このMTFは、例えば、1度当たり、0〜100本の正弦波状の濃淡格子に対しての伝達特性を求めることで見え方を予測することが可能である。本実施の形態では、以下に説明するように、単色MTFを用いてもよいし、白色MTFを用いてもよい。
まず、単色MTFを波面収差W(x,y)から算出する。なお、W(x,y)は、入力値(測定値)であって、角膜収差に関しては、角膜形状から求めた角膜波面収差を用いることもできる。
単色MTFを求めるに際し、演算部210は、瞳関数f(x,y)を波面収差から以下のように求める。
f(x,y)=eikW(x,y)
(i:虚数、k:波数ベクトル(2π/λ)、λ:波長)
このとき、スタイルス・クロフォード効果を考慮して(e−arp(aは、例えば0.05程度)をかけても良い。ここで、rは瞳半径である。
演算部210は、この瞳関数f(x,y)をフーリエ変換することにより点像の振幅分布U(u,v)を次式のように求める。
Figure 0004464726
(λ:波長
R:瞳から像点(網膜)までの距離
(u,v):像点Oを原点とし,光軸に直行する面内での座標値
(x,y):瞳面内の座標値 )
演算部210は、U(u,v)とその複素共役を掛けて、次式により点像強度分布(PSF)であるI(u,v)を求める。
I(u,v)=U(u,v)U(u,v)
つぎに、演算部210は、次式のように、PSFをフーリエ変換(又は自己相関)して規格化することによりOTFを求める。
Figure 0004464726
また、OTFの大きさがMTFであるため、
MTF(r,s)=|OTF(u,v)|
が成り立つ。
つぎに、上述のように求められた単色MTFに基づいて、白色光MTFを算出する。白色光MTFを求めるには、まず、各波長でのMTFに重み付けをし、足し合わせる。ここで、上述のMTFは、波長ごとに値が異なるため、波長λでのMTFをMTFλと表すと、
Figure 0004464726
ここでは、可視光に多く重み付けをし、計算を行う。
具体的には、色の3原色(RGB)である赤、緑、青が、例えば、656.27nm:1、587.56nm:2、及び486.13nm:1であるとすると、
MTF(r,s)=(1×MTF656.27+2×MTF587.56+1
×MTF486.13)/(1+2+1)
となる。
また、白色光MTFは、一波長(840nm)のみで測定されるので、この測定結果に基づいて他の波長について校正を行い、白色に補正することにより求めてもよい。具体的には、各波長でのMTFは、眼の収差の場合、眼光学特性測定装置での測定波長が、例えば、840nmであるとき、模型眼により各波長840nmでの波面収差W840(x,y)からのずれ量に相当する色収差WΔ(x,y)を測定し、この色収差WΔ(x,y)にW840(x,y)を足し合わせ、この波面収差によりMTFを算出することにより求められる。すなわち、
λ(x,y)=W840(x,y)+WΔ(x,y)
となる。
(コントラスト感度算出)
次に、コントラスト感度について説明する。コントラスト感度は、次式で表される。
Figure 0004464726
(例えばPeter G. Barten:Contrast
Sensitivity of the Human Eye and Its Effects on Image Quality. SPIE, Dec 1999参照)
ここで、各パラメータは以下の通りである。Mopt(r、s):眼球光学系のMTF、k:S/N比:3、T:神経系の加重時間:0.1sec、X:物体の視角:3.8deg、Xmax:空間加重の最大視角:12deg、Nmax:加重したときの最大周波数:15cycles、η:眼の光受容器の量子効率:0.3、p:光源の光子換算係数(CRT):1.24(液晶でも可)、E:網膜照度(Troland):50(cdm)×rπ(mm)=50rπ(td)(r:瞳半径)100以下、Φ:神経系ノイズのスペクトル密度:3×108sec・deg、u:側方抑制の空間周波数:7cycles/deg。この式を用いることにより眼球光学系によるコントラスト感度ではなく、他の要素(例えば、神経系)も加味した視覚系全体のコントラスト感度が予測できる。
図11は、コントラスト感度の説明図である。図11に示すグラフは、縦軸に上述の式を用いて算出したコントラスト感度、横軸に空間周波数を表し、原点を通るある断面での1次元グラフ(例えば、s=0とした時のグラフ)である。空間周波数に対応する視覚系全体のコントラスト感度を求めることで、例えば、縞視標の見え具合を予測することができる。
また、眼科医等は、例えば、表示部に表示されたコントラスト感度と自覚測定による感度とを比較することができる。例えば、一般的な自覚測定で求められた縦の縞視標による3cpd、6cpd、9cpd、12cpdのx方向の感度と、s=0としたときの各空間周波数に対応するコントラスト感度とを比較することができる。なお、コントラスト感度は、極座標表示で回転対称である場合には角度に依存しないため、グラフの横軸を極座標表示の振幅成分として表示することもできる。

5.表示例
図14は、ハルトマン像、収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像を示す。これにより、収差のみの視力、シミュレーション画像と、収差の他に収差以外のその他の成分の一つである散乱の影響を受けた視力、シミュレーション画像を並列して表示しているので、収差以外のその他の成分による見え具合への影響を容易に判断することが可能となる。図15は、コンタクトレンズ装用前の及び装用後の収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像を示す。これにより、コンタクトレンズの装用前の及び装用後において、収差のみの視力、シミュレーション画像と、収差の他に収差以外のその他の成分の一つである散乱の影響を受けた視力、シミュレーション画像を並列して表示しているので、収差以外のその他の成分による見え具合への影響を容易に判断することが可能となる。図16は、複数の測定日時についての収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像を示す。これにより、収差以外のその他の成分の一つである散乱の影響を受けた視力、シミュレーション画像を時系列に表示しているので、収差以外のその他の成分による見え具合への時間的影響を容易に判断することが可能となる。
この表示例は、図4のステップS107の通常の視力シミュレーションは、図7及び図8等に示したフローチャートを用いて、ステップS113の散乱係数を用いた視力シミュレーションは、図7及び図12等に示したフローチャートを用いたものである。
本発明は、眼科装置及びその応用装置、眼科手術装置等に適用可能である。
本発明に関する眼光学特性測定装置の概略光学系100を示す図。 本発明に関する眼光学特性測定装置の概略電気系200を示すブロック図。 ランドルト環の説明図。 眼科データ測定のフローチャート。 ステップS105の瞳径の算出及び眼球光学系データの測定についてのサブフローチャート。 瞳径算出の説明図。 ステップS107及びS113の視力シミュレーションのフローチャート。 散乱係数を用いない場合の上記ステップS1405の網膜像シミュレーションのフローチャート。 ステップS1407のテンプレートマッチングの説明図。 ステップS1407のランドルト環テンプレートマッチングのフローチャート。 コントラスト感度の説明図。 散乱係数を用いる場合の上記ステップS1405の網膜像シミュレーションのフローチャート。 散乱係数についての説明図。 ハルトマン像、収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像。 コンタクトレンズ装用前の及び装用後の収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像。 複数の測定日時についての収差のみ及び収差+散乱のそれぞれについてのRMS、Index、視力、シミュレーション画像。 眼特性測定装置の演算部に関する詳細構成図。
符号の説明
10 第1照明光学系
11 第1光源部
12 集光レンズ
13 レンズ
14 絞り
15 光線
16 ロータリープリズム(Dプリズム)
20 第1受光光学系
21 コリメートレンズ
22 ハルトマン板
23 第1受光部
24 光線
30 第2受光光学系
31 第2光源部
32 集光レンズ
33 ビームスプリッター
34 集光レンズ
35 第2受光部
40 共通光学系
42 アフォーカルレンズ
43 ビームスプリッター
44 集光レンズ
45 ビームスプリッター
50 調整用光学系
51 第3光源部
52 集光レンズ
53 集光レンズ
54 第3受光部
55 第4光源部
60 被測定眼
61 網膜
62 角膜
70 第2照明光学系
71 プラチドリング
72 第2光源
80 第2送光光学系
100 光学系
111 収差測定部
112 その他成分測定部
113 散乱度合い演算部
114 シミュレーション部
200 電気系
210 演算部
220 制御部
230 表示部
240 メモリ
250 第1駆動部
260 第2駆動部

Claims (9)

  1. 被検眼眼底に点光源を投影する第1照明光学系と、
    被検眼眼底から反射光をハルトマン板を介して受光する第1受光光学系と、
    上記第1受光光学系からの受光反射光を電気信号に変換する第1受光部と、
    上記第1受光部の出力から被検眼の収差を求める収差測定部と、
    上記第1受光部の出力から各ハルトマン板による点光源像に基づき、収差成分以外のその他成分を求めるその他成分測定部と、
    上記その他成分測定部で求めたその他成分と、上記収差測定部で求めた収差に基づき、散乱度合いを表す係数を求める散乱度合い演算部と、
    上記収差測定部で求めた収差と、上記散乱度合い演算部で求めた係数に基づき、測定された収差にその他の成分を加味した見え具合を示すデータまたは網膜像を形成するシミュレーション部と、
    上記シミュレーション部で形成された見え具合を示すデータまたは網膜像を表示する表示部と、
    を備えた眼科装置。
  2. 上記シミュレーション部は、上記係数に対応した点像分布係数(PSF)を記憶したメモリを参照して、上記係数からPSFを求め、求めたPSFに基づきシミュレーションを実行することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 上記シミュレーション部は、測定された収差に、散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合を示すデータまたは網膜像に加えて、測定された収差による見え具合を示すデータまたは網膜像を形成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  4. 上記シミュレーション部は、上記収差測定部及び上記散乱度合い測定部により求めた測定結果に基づき、測定された収差による見え具合または網膜像のシミュレーション像と、測定された収差に散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合または網膜像のシミュレーション像を形成し、
    上記表示部は、上記シミュレーション部で形成されたシミュレーション像を表示することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  5. 上記シミュレーション部は、上記収差測定部及び上記散乱度合い測定部により求めた測定結果に基づき、測定された収差による見え具合の推測視力値と、測定された収差に散乱成分を含む他の成分を加味した見え具合の推測視力値を形成し
    上記表示部は、上記シミュレーション部で形成された推測視力値を表示することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  6. 同一被検眼のデータを複数回測定している場合に、
    上記シミュレーション部は、同一被検眼の経時的変化を示すデータ及び/又はシミュレーション像を形成し、
    上記表示部は、上記シミュレーション部で形成されたデータ及び/又はシミュレーション像を表示することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  7. 上記シミュレーション部は、裸眼状態の測定結果と、矯正レンズを装用した状態での測定結果に基づき見え具合を示すデータを作成し、
    上記表示部は、裸眼状態の測定結果と、矯正レンズを装用した状態での測定結果に基づき見え具合を示すデータを比較可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  8. 上記シミュレーション部は、見え具合を示すデータまたは網膜像の経時変化を形成し、上記表示はその経時変化を表示することを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
  9. 上記見え具合を示すデータまたは網膜像は、眼の光学特性のデータ及び画像、シミュレーションデータ、シミュレーション画像のいずれか又は複数を含むことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
JP2004099708A 2004-03-30 2004-03-30 眼科装置 Expired - Fee Related JP4464726B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099708A JP4464726B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 眼科装置
GB0505910A GB2412729B (en) 2004-03-30 2005-03-23 Ophthalmological apparatus
US11/090,310 US7360894B2 (en) 2004-03-30 2005-03-28 Opthalmological apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099708A JP4464726B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 眼科装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279022A JP2005279022A (ja) 2005-10-13
JP4464726B2 true JP4464726B2 (ja) 2010-05-19

Family

ID=34545180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004099708A Expired - Fee Related JP4464726B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 眼科装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7360894B2 (ja)
JP (1) JP4464726B2 (ja)
GB (1) GB2412729B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1028997B1 (fr) * 2021-01-07 2022-08-08 P³Lab Procédé et système de détermination d'une taille normalisée d'une pupille d'un œil

Families Citing this family (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4528049B2 (ja) * 2004-07-29 2010-08-18 株式会社トプコン 眼科装置
JP4776450B2 (ja) * 2006-06-16 2011-09-21 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP4783219B2 (ja) * 2006-06-16 2011-09-28 株式会社トプコン 眼科撮影装置
JP4987426B2 (ja) * 2006-11-02 2012-07-25 株式会社ニデック 眼科測定装置
DE102007032001B4 (de) * 2007-07-09 2009-02-19 Carl Zeiss Vision Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Bestimmung der erforderlichen Korrektur der Fehlsichtigkeit eines Auges
US8318055B2 (en) 2007-08-21 2012-11-27 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for formation of an ophthalmic lens precursor and lens
US8313828B2 (en) 2008-08-20 2012-11-20 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Ophthalmic lens precursor and lens
US8317505B2 (en) 2007-08-21 2012-11-27 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Apparatus for formation of an ophthalmic lens precursor and lens
US7905594B2 (en) 2007-08-21 2011-03-15 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Free form ophthalmic lens
US7802883B2 (en) 2007-12-20 2010-09-28 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Cosmetic contact lenses having a sparkle effect
CN100589780C (zh) * 2007-12-28 2010-02-17 中国科学院光电技术研究所 一种反射式人工晶体像差哈特曼测量仪
US9417464B2 (en) 2008-08-20 2016-08-16 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Method and apparatus of forming a translating multifocal contact lens having a lower-lid contact surface
JP5554485B2 (ja) * 2008-09-30 2014-07-23 株式会社ニデック 眼屈折力測定装置
US8267518B2 (en) 2009-01-23 2012-09-18 The Board Of Regents, The University Of Texas System Systems and methods for altering visual acuity
US8240849B2 (en) * 2009-03-31 2012-08-14 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Free form lens with refractive index variations
US8121439B2 (en) * 2009-05-22 2012-02-21 Ricoh Co., Ltd. End-to-end design of electro-optic imaging systems using the nonequidistant discrete Fourier transform
WO2011094678A1 (en) * 2010-02-01 2011-08-04 Lensar, Inc. Purkinjie image-based alignment of suction ring in ophthalmic applications
JP5398575B2 (ja) * 2010-02-18 2014-01-29 日本電信電話株式会社 情報表示制御装置及び情報表示制御方法及びプログラム
US8807076B2 (en) 2010-03-12 2014-08-19 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Apparatus for vapor phase processing ophthalmic devices
EP2580709A4 (en) * 2010-06-11 2016-05-25 Back In Focus SYSTEMS AND METHODS FOR RENDERING ON A DISPLAY DEVICE TO COMPENSATE A VISUAL DISPLAY OF A SPECTATOR
JP5746875B2 (ja) * 2011-02-10 2015-07-08 株式会社トプコン 検眼システム
JP2015509387A (ja) * 2012-02-13 2015-03-30 デジタルビジョン エルエルシーDigitalvision,Llc コンタクトレンズ最適化器
TWI588560B (zh) 2012-04-05 2017-06-21 布萊恩荷登視覺協會 用於屈光不正之鏡片、裝置、方法及系統
JP6206399B2 (ja) * 2012-04-06 2017-10-04 株式会社ニデック 眼科測定装置、眼科測定装置を備える眼科測定システム、及び眼科測定プログラム。
US9201250B2 (en) 2012-10-17 2015-12-01 Brien Holden Vision Institute Lenses, devices, methods and systems for refractive error
CN104768499B (zh) 2012-10-17 2017-06-23 华柏恩视觉研究中心 用于屈光不正的镜片、装置、方法和系统
CN102937512B (zh) * 2012-10-26 2015-06-24 中国人民解放军国防科学技术大学 基于双哈特曼探测器的分光镜像差测量系统
ITFI20130229A1 (it) * 2013-10-02 2015-04-03 Strumenti Oftalmici C S O S R L Costruzioni Apparato e metodo per la misura di aberrazioni del sistema ottico di un essere vivente
CN104116493B (zh) * 2014-08-21 2015-12-02 太原中北新缘科技中心 人眼屈光度旋转楔形镜测量装置
US9645412B2 (en) 2014-11-05 2017-05-09 Johnson & Johnson Vision Care Inc. Customized lens device and method
US10359643B2 (en) 2015-12-18 2019-07-23 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for incorporating lens features and lenses having such features
DE102016113068A1 (de) * 2016-07-15 2018-01-18 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Bestimmen der Lage einer optischen Grenzfläche entlang einer ersten Richtung
JP6753228B2 (ja) * 2016-09-05 2020-09-09 株式会社ニデック レンズ処方補助プログラム
JP6911301B2 (ja) * 2016-09-05 2021-07-28 株式会社ニデック レンズ処方補助プログラム
JP7024295B2 (ja) * 2017-09-29 2022-02-24 株式会社ニデック 自覚式検眼装置
CN109745220A (zh) * 2018-12-24 2019-05-14 佳木斯大学附属第一医院 一种眼科专用的眼部清洗系统及方法
JP7446911B2 (ja) 2020-05-18 2024-03-11 キヤノン株式会社 波面計測装置、波面計測方法、並びに、光学系および光学素子の製造方法
US11364696B2 (en) 2020-09-18 2022-06-21 Johnson & Johnson Vision Care, Inc Apparatus for forming an ophthalmic lens
AU2021348533B2 (en) * 2020-09-24 2023-03-23 Shamir Optical Industry Ltd. System and method for evaluating a vision of a subject
JP2024039090A (ja) * 2022-09-09 2024-03-22 株式会社トプコン 眼科装置、眼科装置の制御方法、及びプログラム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3346618B2 (ja) * 1993-10-04 2002-11-18 株式会社トプコン 検眼装置
JP3693425B2 (ja) * 1996-07-02 2005-09-07 株式会社ニデック 検眼装置
JP4174126B2 (ja) * 1999-03-17 2008-10-29 株式会社トプコン 眼科測定装置
JP2001095760A (ja) 1999-09-28 2001-04-10 Topcon Corp 眼の光学特性測定装置
JP4255587B2 (ja) 1999-10-28 2009-04-15 株式会社トプコン 眼科装置
US6659613B2 (en) 2000-03-27 2003-12-09 Board Of Regents, The University Of Texas System Methods and systems for measuring local scattering and aberration properties of optical media
JP4649035B2 (ja) 2000-10-18 2011-03-09 株式会社トプコン 眼特性測定装置
JP2002209854A (ja) 2000-10-18 2002-07-30 Topcon Corp 光学特性測定装置
JP4663147B2 (ja) 2001-02-09 2011-03-30 株式会社トプコン 眼特性測定装置
JP4663148B2 (ja) 2001-02-09 2011-03-30 株式会社トプコン 眼特性測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1028997B1 (fr) * 2021-01-07 2022-08-08 P³Lab Procédé et système de détermination d'une taille normalisée d'une pupille d'un œil

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005279022A (ja) 2005-10-13
US7360894B2 (en) 2008-04-22
US20050219461A1 (en) 2005-10-06
GB0505910D0 (en) 2005-04-27
GB2412729B (en) 2007-10-03
GB2412729A (en) 2005-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4464726B2 (ja) 眼科装置
US7270413B2 (en) Ophthalmic data measuring apparatus, ophthalmic data measurement program and eye characteristic measuring apparatus
JP4891640B2 (ja) 眼科測定装置
US7241012B2 (en) Ophthalmologic apparatus
JP4191600B2 (ja) 眼光学特性測定装置
JP4185337B2 (ja) 矯正要素判定装置及び方法
JP2008246153A (ja) 検眼装置及びその方法
CA2437345A1 (en) Eye characteristics measuring apparatus
JP4890060B2 (ja) 眼科装置
JP4471680B2 (ja) 眼科装置
JP4318463B2 (ja) 矯正データ測定装置、矯正データ測定プログラム、矯正データ測定プログラムを記録した記録媒体及び眼特性測定装置
JP4528049B2 (ja) 眼科装置
JP4652558B2 (ja) 光学特性測定装置
JP4649168B2 (ja) 眼の高次収差測定装置
JP2002233502A (ja) コントラストチャート装置
JP4185331B2 (ja) 矯正データ測定方法、測定装置、測定プログラム及び測定プログラムを記録した記録媒体
JP2004337236A (ja) 眼科データ測定装置、眼科データ測定プログラム、眼科データ測定プログラムを記録した記録媒体
JP4237537B2 (ja) 眼科装置
US9572490B2 (en) Method and system for measuring intraocular scattering
JP4237533B2 (ja) 眼科装置
JP2004097377A (ja) 眼特性測定装置
JP4216560B2 (ja) 眼特性測定装置
Labhishetty Accommodative lags and leads: Fact or fiction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees