JP4649168B2 - 眼の高次収差測定装置 - Google Patents
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Description
また、従来の光学測定装置では、被検眼の持つ高次収差を測定計算し、測定データあるいは結果に基づくグラフィック表示を行なっている。また、ランドルト環の見え方をシミュレーションすることで可視的に表示できるものも発表されている。
特許文献1では、複数の条件下で求めた測定データ(測定結果)、測定結果に対応する画像データ及び/又は数値データをまとめて、又は、選択的に表示する光学特性測定装置が提供される。また、特許文献1では、被測定眼の全体、角膜、眼内等に対して、測定データ(測定結果)、測定結果に対応する画像データ及び/又は数値データをまとめて、又は、選択的にグラフィック表示等を用いて表示する光学特性測定装置が提供される。
さらには、特定収差を低減させた後のランドルト環の見え方をシミュレーションできるものはなかった。
光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
波面収差の傾向を判断する波面収差処理部
を備え、
上記表示部が、測定された波面収差の傾向に応じて、表示モードを選択するように構成したことを特徴とする眼の高次収差測定装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示モードは、
(1)予め決められた高次収差を表示する固定表示モード、
(2)マニュアルで表示する収差成分を選択できるマニュアル選択表示モード、
(3)測定した収差の大きさにより、収差の大きな順に表示するように構成した自動収差選択表示モード、
(4)測定結果から症例を推測し、自動的にその症例に向いた高次収差を表示するようにした自動症例向き収差選択表示モード、
(5)症例ごとに表示するようにマニュアルで高次収差を選択できるマニュアル症例向き収差選択表示モード
のうちいずれかひとつ又は複数の表示モードを含むことを特徴とする眼の高次収差測定装置が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示部は、グラフィック表示がなされる高次収差の表示対象を選択して表示すること、又は、高次収差のグラフィック表示およびその高次収差での視標への影響度合いを示すグラフィック表示を選択して表示することを特徴とする眼の高次収差測定装置が提供される。
本発明の第4の解決手段によると、
光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示部による影響度合いの表示は、選択された高次収差による視標への影響度合いを表示する表示モードと、選択された高次収差以外の高次収差による視標への影響度合いの表示を行う表示モードが選択可能であること特徴とする眼の高次収差測定装置が提供される。
本発明の第5の解決手段によると、
光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射し、その反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
測定された波面収差成分による視標の影響度合いを求めるシミュレーション部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差を、矢状収差、コマ収差、球面収差、非点収差、テトラフォイルのいずれか複数を含む高次収差ごとに個別に表示し、上記シミュレーション部で求められた、高次収差成分による影響度合いを表示する表示部と、
を備えた眼の高次収差測定装置が提供される。
また、本発明によると、成分ごとにランドルト環のシミュレーションを、表示するようにしたためにどの収差が見えの不満に大きい影響を及ぼしているかわかる。
本発明によると、これらのマップ・シミュレーションを使用者が選択・切り替えできることから使用者が必要とする収差を評価できるようになる。
また、本発明によると、逆に指定する収差のみを加えないマップ・シミュレーションを表示することにより例えば新しい術式や処方により特定収差を低減させた後の見えを被検者に事前に説明できインフォームドコンセントに役立てることが出来る。
図1は、本発明に関する光学特性測定装置100の概略光学系を示す図である。
光学特性測定装置100は、例えば、対象物である被測定眼60の光学特性を測定する装置であって、第1照明光学系10と、第1受光光学系20と、送受光光学系30と、共通光学系40と、調整用光学系50とを備える。なお、被測定眼60については、図中、網膜61、角膜62が示されている。
まず、第2光源部31からの光束は、集光レンズ32、ビームスプリッター33、43、アフォーカルレンズ42を介して、対象物である被測定眼60を略平行な光束で照明する。被測定眼60の角膜62で反射した反射光束は、あたかも角膜62の曲率半径の1/2の点から射出したような発散光束として射出される。この発散光束は、アフォーカルレンズ42、ビームスプリッター43、33及び集光レンズ34を介して、第2受光部35にスポット像として受光される。
まず、作動距離調整は、例えば、第4光源部55から射出された光軸付近の平行な光束を、被測定眼60に向けて照射すると共に、この被測定眼60から反射された光を、集光レンズ52、53を介して第3受光部54で受光することにより行われる。また、被測定眼60が適正な作動距離にある場合、第3受光部54の光軸上に、第4光源部55からのスポット像が形成される。一方、被測定眼60が適正な作動距離から前後に外れた場合、第4光源部55からのスポット像は、第3受光部54の光軸より上又は下に形成される。なお、第3受光部54は、第4光源部55、光軸、第3受光部54を含む面内での光束位置の変化を検出できればいいので、例えば、この面内に配された1次元CCD、ポジションセンシングデバイス(PSD)等を適用できる。
第1受光光学系20には、ビームスプリッター45が挿入されており、このビームスプリッター45によって、第1照明光学系10からの光は、被測定眼60に送光されると共に、被測定眼60からの反射光は、透過される。第1受光光学系20に含まれる第1受光部23は、変換部材であるハルトマン板22を通過した光を受光し、受光信号を生成する。
第1受光光学系20に含まれるハルトマン板22は、反射光束を複数のビームに変換する波面変換部材である。ここでは、ハルトマン板22には、光軸と直交する面内に配された複数のマイクロフレネルレンズが適用されている。また、一般に、測定対象部(被測定眼60)について、被測定眼60の球面成分、3次の非点収差、Zernikeの3次と4次の高次収差までも測定するには、被測定眼60を介した少なくとも17本のビームで測定する必要がある。
光学特性測定装置100に関する電気駆動系は、例えば、演算部210と、制御部220と、表示部230と、メモリ240と、第1駆動部250及び第2駆動部260とを備える。演算部210は、第1受光部23から得られる受光信号(4)、第2受光部35から得られる受光信号(7)、第3受光部54から得られる受光信号(10)を入力すると共に、全波面収差、角膜波面収差、ゼルニケ係数、収差係数、Strehl比、白色光MTF、ランドルト環パターン等(詳細は後述する。)を演算し、この演算結果に応じた信号を、電気駆動系の全体の制御を行う制御部220と、表示部230(各種の表示例については、後述する。)と、メモリ240とにそれぞれ出力する。
固定表示モードにおいては、マニュアルで表示できる高次収差の種類を選択できる機能が設けられている。このモードでは、例えば、後述の図5のような各種表示パターンを固定的に表示する。
このモードは、例えば、高次収差から低次収差(又はその逆に、低次収差から高次収差)の順に表示すること、特定の高次収差又は低次収差を選択して表示すること、又は、成分毎に選択して表示すること、等を選択するためのモードである。
一般に、円錐角膜の症例の場合には、主にコマ収差、次に球面収差が大きく現れ、白内障の症例の場合には、主に球面収差、次に矢状収差が大きく現れ、LASIK等の角膜手術後の症例では、主に球面収差、次にコマ収差、が多く含まれる。そこで、第4表示モードでは、演算部210の波面収差処理部213は、コマ収差、球面収差、矢状収差等の各高次収差成分の値に応じて、いずれかの成分が多く含まれることを判断し、症例に応じた各高次収差等を表示する。具体的には、各症状毎に該当する各高次収差を予めメモリ240内の対応テーブルに記憶することにより、演算部210がこのテーブルを参照して、測定結果により適宜表示することができる。
各症例によって、表示すべき(影響の大きい)高次収差が上述のように対応している。そこで、第5表示モードでは、例えば、各症状毎に該当する各高次収差を予めメモリ240内の対応テーブルに記憶することにより、入力部270から使用者選択した症例に応じて、演算部210がこのテーブルを参照して、測定結果を適宜表示することができる。
上述の第1〜第5表示モードのそれぞれにおいて、次のような表示バリエーションとしての表示モードを選択することができる。演算部210は、入力部270から選択された値又はメモリ240に記憶された値又はデフォルトに従い、表示部230に適宜の画像やデータを表示する。
a.表示の一例としては、グラフィック表示がなされる高次収差の表示対象を選択できたり、又は、高次収差のグラフィック表示およびその高次収差での影響度合いを示すグラフィック表示を選択できたりする。
b.影響度合いの表示は、選択された高次収差だけによる影響度合いを表示する表示モードと、選択された高次収差以外の高次収差による影響度合いの表示を行う表示モードが選択可能とされている。
c.収差変更部214は、入力部270からマニュアルにより選択・設定又は自動的に選択・設定に従い、選択された所定の高次収差を設定された収差量分変更して設定することができ、シミュレーション部212は、その高次収差をある収差量だけ補正した場合の影響度合いをシミュレートして、表示部230はその結果を表示する。
d.選択された表示モードに従い全体的に表示する表示モードと、一部をひとつ又は複数表示パターンを拡大して表示する表示モードと、全体と一部とを重ねて表示する表示モードなどがある。
(ステップS101について)
(表示部230に表示される被測定眼60の像について)
この像は、例えば、ハルトマン板22上に開けられた開口部を通過したことにより得られる、いわゆるハルトマン像であると共に、撮像手段であるCCDを適用した第1受光部23によって撮像された生画像である。また、例えば、患者の被測定眼60の収差が大きければ、ハルトマン板22で変換された複数のスポットは、無収差でのスポット位置より大きくずれる傾向にある(後述する表示例に含まれるハルトマン像上に示した矢印に対応)。
(眼の収差マップ、角膜収差マップ、俯瞰図と、数値データである眼の収差表示部、角膜収差表示部とを、表示部230に表示する際、必要とされるゼルニケ係数について)
ここで、一般に知られているゼルニケの多項式Zij(対象物で変化しない固定値であって、ここでは、既知である)を用いてゼルニケ係数Cijを算出する方法について説明する。
まず、ゼルニケ係数Cijは、被測定眼の光学特性を把握するための重要なパラメータである。このパラメータは、例えば、ハルトマン板22を介して第1受光部23で得られた光束の傾き角に基づいて、被測定眼60の光学特性を求める演算部210の動作原理となる。
光学特性測定装置100は、被測定眼60の波面収差(W(X,Y)とする)を測定する。このため、変換部材であるハルトマン板22の縦横の座標を(X,Y)とし、さらに、第1受光部23の縦横の座標を(x,y)とすると、一般に、以下の数式3で表される波面収差W(X,Y)は、同じく、以下の数式1及び数式2の関係が成り立つ。すなわち、
ここで、ゼルニケの多項式Zijは、以下の数式4及び数式5で表され、具体的には、図10、11に示される。
ここで、複数の条件下で求めた測定データ(測定結果)、測定結果に対応する画像データ及び/又は数値データを、まとめて、又は、選択的に、表示部230上に表示する場合の表示例について説明する。まず、ステップS107による表示モード選択では、例えば、測定者が後述する表示例のうち所望の表示例を選択することができる。なお、測定者は、表示例に含まれる各要素を選択的に表示することもできる。
(1)第1表示モード:(予め決められた高次収差を表示する固定表示モード)
(2)第2表示モード:(マニュアルで表示する収差成分(例えば、矢状収差、コマ収差、球面収差、非点収差、テトラフォイル、等)を選択できるマニュアル選択表示モード)
(3)第3表示モード:(測定した収差の大きさにより、収差の大きな順に表示するように構成した自動収差選択表示モード)
(4)第4表示モード:(測定結果から症例を推測し、自動的にその症例に向いた高次収差を表示するようにした自動症例向き収差選択表示モード)
(5)第5表示モード:(症例ごとに表示するようにマニュアルで高次収差を選択できるマニュアル症例向き収差選択表示モード)
(6)その他の表示モード(表示バリエーション)
被測定眼の収差成分を、例えば、収差係数(ここでは、単位:μm)として数値化する場合、ゼルニケ係数(n=1、2、3、4、5、6)であるとき、収差係数のRMS値(平均2乗誤差)をそれぞれS1、S2、S3、S4、S5、S6とすると、
高次収差は、例えば、ゼルニケ係数Cij中のsin(nθ)、cos(nθ)のnの値により分類される(ゼルニケ係数Cijは、上述の数式3及び数式4に示すように、正弦及び余弦関数を含んでいる)。具体的には、n=0(fold)であれば、球面収差となり、n=1(fold)であれば、コマ収差となり、同じく、n=2(fold)であれば、非点収差となり、さらに、n=3(fold)であれば、矢状収差とそれぞれ分類される。
図9は、ゼルニケ係数Cijによる各収差の表現形式を示す図である。
各収差の表現形式としては、例えば、各収差の名称、ゼルニケ収差係数、方向Ax(例えば、X軸から反時計回り)、及び上述のRMSの平方にそれぞれ項目分けされる。
また、各収差の表現形式は、図示のように、2次非点収差(乱視)、デフォーカス(球面度)、矢状収差、コマ収差、テトラフォイル、4次非点収差、球面収差、6次球面収差のそれぞれについて、ゼルニケ収差係数、方向Ax(x軸からccw)、RMSの計算式が記載されている。また、全収差は、S(1+2+3+4+5+6)=√(S12+S22+S32+S42+S52+S62)、3次以上の高次収差は、S(3+4+5+6)=√(S32+S42+S52+S62)で表示される。演算部210は、これらの式に基づき、選択された表示モードや表示バリエーション等に従い所望の画像及び/又はデータを計算して、表示部230に表示する。
つぎに、白色光MTF(Modulation transfer
function)の算出について説明する。
まず、MTFは、空間周波数の伝達特性を示す指標であって、光学系の性能を表現するために広く使われている。このMTFは、例えば、1度当たり、0〜100本の正弦波状の濃淡格子に対しての伝達特性を求めることで見え方を予測することが可能である。
まず、単色MTFを波面収差W(x,y)から算出する。なお、W(x,y)は、入力値(測定値)であって、角膜収差に関しては、角膜形状から求めた角膜波面収差を用いることもできる。
瞳関数f(x,y)は、波面収差から以下のように求まる。
f(x,y)=eikW(x,y)
ここで、i:鏡像、k:波数ベクトル(2π/λ)である。
また、この瞳関数f(x,y)をフーリエ変換することにより、点像の振幅分布U(u,v)が求まる。
I(u,v)=U(u,v)U*(u,v)
さらに、点像の強度分布I(u,v)をフーリエ変換すると共に、いわゆる空間周波数変換である(R(r,s))規格化を行うことにより、OTF(Optical Transfer Function)が求まる。
白色光MTFを求めるには、まず、各波長でのMTFに重み付けをし、足し合わせる。ここで、上述のMTFは、波長ごとに値が異なるため、波長λでのMTFをMTFλと表すと、
具体的には、色の3原色(RGB)である赤、緑、青が、例えば、656.27nm:1、587.56nm:2、及び486.13nm:1であるとすると、
MTF(r,s)=(1×MTF656.27+2×MTF587.56+1
×MTF486.13)/(1+2+1)
となる。
Wλ(x,y)=W840(x,y)+WΔ(x,y)
となる。
Strehl比(ここでは、S)は、上述のように求められた点像の強度分布であるPSFの中心強度I(0,0)を、無収差光学系の場合に得られるPSFの中心強度I0(0,0)で割ることにより、求められる。すなわち、
S=I(0,0)/I0(0,0)
となる。
図4は、ランドルト環の表示に関するフローチャートである。
まず、測定者(例えば、眼科医等)は、患者の視力を検査するために適宜の視力に応じた大きさを有するランドルト環を、上述のハルトマン板22に取り付ける。第1受光部23は、この取り付けられたランドルト環の大きさに基づいて、視力いくつのランドル環であるかを判定する(S201)。このランドル環のパターンを示す輝度分布関数Land(x,y)を求める(S203)。ここで、輝度分布関数Land(x,y)は、ハルトマン板22と第1受光部23との間でのXY座標のずれ(上述の撮影した生画像上に付与した矢印の長さをX方向、Y方向にそれぞれベクトル分解した値)に基づいて求められる。
以下、上述の各要素を、まとめて、又は選択的に表示した各表示例について説明する。但し、表示部230に表示される同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
ここでは、特に、角膜収差測定の場合におけるゼルニケ係数の算出(S103)及びゼルニケ係数から波面算出(S105)について詳細に説明する。
まず、第2受光部35からの信号に基づき、角膜頂点を基準とし、プラチドリングの受光位置に応じて角膜形状の高さを示す角膜形状のマップ(Hight Map)のデータを算出する(S301)。ステップS301で求めた角膜形状になるべくフィットする参照球面の形状を算出する(S302)。これにより、ゼルニケ係数の算出精度の向上が図れる。測定範囲(例えば、φ3、φ7)に応じて必要な個所を求めれば足りる。
図5は、表示部230にグラフィック表示される第1の表示例を示す説明図である。
この表示例は、例えば、第1表示モード(固定表示モード)を選択した場合の例であるが、この表示モードに限られず適宜の表示モードでも選択することができる。
ここでは、第1の表示例での表示部230に対して、眼の収差マップ310の代わりに、被測定眼60の測定範囲での3次元形状を示す俯瞰マップ370を表示した例を示している。俯瞰マップ370は、例えば、測定範囲φ9mmに応じて、瞳の中心点を原点とした平面用スケール(ここでは、−4.5〜4.5)と、立体用スケール(ここでは、−5.0〜+5.0μm)とを用いて3次元形状を表示している。なお、表示部2309では、上述のハルトマン像300、350と、眼の収差マップ310、360と、俯瞰マップ370とを用いて、適宜の表示パターンを選択して作成することができる。
図8は、表示部230にグラフィック表示される第2の表示例を示す説明図である。
表示部230は、眼の収差と角膜の各収差を個別に表示するものであって、眼及び角膜の収差に関しては、その各収差を、例えば、球面成分、非点成分、コマ収差、矢状収差、残余収差としてそれぞれ表示させる。表示部230には、具体的には、第6の表示例で示した球面成分に対応する波面収差Sのマップ500、非点収差(乱視成分)に対応する波面収差Cのマップ510、コマ収差マップ525、矢状収差マップ530、球面収差マップ540、第2非点収差(4次非点収差)マップ550、6次球面収差マップ560、残余収差マップ570がそれぞれ表示される。なお、ここでの各波面収差の表示形態は、第1の表示例で示した眼の収差マップと同じ形態であり、その詳細な表示は、省略する。
図12及び図13は、第3の表示例(1/2)及び第3の表示例(2/2)の図を示す。これらの図は、ひとつの画面上に上下に並べて表示したり、さらに部分的に拡大して表示したり、適宜の表示形式を採用することができる(図15(a)参照)。
また、図14及び図13は、第4の表示例(1/2)及び第4の表示例(2/2)の図を示す。これらの図も同様に、ひとつの画面上に上下に並べて表示したり、さらに部分的に拡大して表示したり、適宜の表示形式を採用することができる(図15(b)参照)。
(表示パターン1:第3及び第4の表示例(1/2))
Hartmann Image: ハルトマン像
Total: 低次収差を含めた全収差マップ(S(2+3+4+5+6))
RMS 4mm: 0.79: 瞳径4mmで計算したRMS
RMS 6mm: 2.51: 瞳径6mmで計算したRMS
Totalでは全収差、Total Higher−orderでは高次収差のRMSの値を表示する。
4mm: S: −0.94 C: −0.66 A: 26 VD: 12.00: 瞳径4mmで計算したS,C,A及びVD(角膜とレンズとの間の頂点間距離)
6mm: S: −1.19 C: −1.06 A: 14 VD: 12.00: 瞳径6mmで計算したS,C,A及びVD
Total Higher−order: 3次以上の高次収差を含めた収差マップ(S(3+4+5+6))
Aberration maps: 6mm: 瞳径6mmで計算した収差マップ(丸枠の図)
Landolt’s Ring Simulation: 4mm: 瞳径4mmで計算した影響度合いを示すランドルト環シミュレーション(四角枠の図)
図14では、全収差を加味したランドルト環シミュレーション、高次収差を加味したランドルト環シミュレーションの両方を表示できる。
VA 20/100、VA 20/40、VA 20/20: 視力値0.2、0.5、1.0
Third−order: 3次の収差マップ(丸枠の図)及び影響度合いを示すランドルト環シミュレーション(四角枠の図)
Trefoil: 矢状収差
Coma: コマ収差
Forth−order: 4次の収差マップ(丸枠の図)及び影響度合いを示すランドルト環シミュレーション(四角枠の図)
Tetrafoil: テトラフォイル
2nd Astigmatism: 第2非点収差(4次非点収差)
Spherical: 球面収差
この表示例では収差マップは瞳径6mm、ランドルト環シミュレーションは瞳径4mmでおこなっているが、これ以外の値を利用することも可能であり、適宜変更できる。
11、31、51、55 第1〜4光源部
12、32、34、44、52、53 集光レンズ
20 第1受光光学系
21 コリメートレンズ
22 ハルトマン板
23、35、54 第1〜3受光部
30 送受光光学系
33、43、45 ビームスプリッター
40 共通光学系
41 プラチドリング
42 アフォーカルレンズ
50 調整用光学系
60 被測定眼
100 光学特性測定装置
Claims (10)
- 光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
波面収差の傾向を判断する波面収差処理部
を備え、
上記表示部が、測定された波面収差の傾向に応じて、表示モードを選択するように構成したことを特徴とする眼の高次収差測定装置。 - 光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示モードは、
(1)予め決められた高次収差を表示する固定表示モード、
(2)マニュアルで表示する収差成分を選択できるマニュアル選択表示モード、
(3)測定した収差の大きさにより、収差の大きな順に表示するように構成した自動収差選択表示モード、
(4)測定結果から症例を推測し、自動的にその症例に向いた高次収差を表示するようにした自動症例向き収差選択表示モード、
(5)症例ごとに表示するようにマニュアルで高次収差を選択できるマニュアル症例向き収差選択表示モード
のうちいずれかひとつ又は複数の表示モードを含むことを特徴とする眼の高次収差測定装置。 - 光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示部は、グラフィック表示がなされる高次収差の表示対象を選択して表示すること、又は、高次収差のグラフィック表示およびその高次収差での視標への影響度合いを示すグラフィック表示を選択して表示することを特徴とする眼の高次収差測定装置。 - 光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射する照射部と、被検眼眼底からの反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差に基づいて、表示させる高次収差を選択する表示モードを有する表示部と、
を備え、
上記表示部による影響度合いの表示は、選択された高次収差による視標への影響度合いを表示する表示モードと、選択された高次収差以外の高次収差による視標への影響度合いの表示を行う表示モードが選択可能であること特徴とする眼の高次収差測定装置。 - さらに、測定された波面収差成分による視標の影響度合いを求めるシミュレーション部
を備え、
上記表示部は、表示する高次収差を、矢状収差、コマ収差、球面収差、非点収差、テトラフォイルのいずれか複数を含む高次収差ごとに個別に表示し、上記シミュレーション部で求められた、高次収差成分による影響度合いを表示するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の眼の高次収差測定装置。 - 光源部からの測定光束を被検眼眼底に照射し、その反射光を受光する受光部とを有する波面収差測定光学系と、
上記波面収差測定光学系の該受光部の受光信号に基づき、被測定眼の高次収差を含む波面収差を測定する波面収差測定部と、
測定された波面収差成分による視標の影響度合いを求めるシミュレーション部と、
上記波面収差測定部で測定された波面収差を、矢状収差、コマ収差、球面収差、非点収差、テトラフォイルのいずれか複数を含む高次収差ごとに個別に表示し、上記シミュレーション部で求められた、高次収差成分による影響度合いを表示する表示部と、
を備えた眼の高次収差測定装置。 - 上記表示部は、表示する高次収差を、操作者の指示により選択可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の眼の高次収差測定装置。
- 上記シミュレーション部によるシミュレーションは、各高次収差成分による視標の影響度合いを演算する第1演算モードと、各高次収差成分以外による高次収差による視標の影響度合いを演算する第2演算モードの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項5又は6に記載の眼の高次収差測定装置。
- さらに、収差量を変更して設定するための収差量変更部
を備え、
上記シミュレーション部と上記表示部は、被検眼全体の高次収差の表示ないしこれに基づく視標の影響度合いをシミュレーションするように形成され、
上記収差量変更部により設定された収差量変化に応じて、上記シミュレーション部は、上記シミュレーション部の視標の影響度合い及び/又は高次収差の成分を補正して、上記表示部は、被検眼全体の高次収差の表示ないしこれに基づく視標の影響度合いを表示するように構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載の眼の高次収差測定装置。 - 上記波面収差測定光学系において、上記照射部は、近赤外を発する光源部を含み、この光源部からの光束を被検眼眼底に微小点として照射し、上記受光部は、被検眼眼底からの反射光を被検眼瞳と略共役位置に配置したハルトマン板を介して、被検眼眼底と略共役関係となる受光面で受光するように構成したことを特徴とする請求項5又は6に記載の眼の高次収差測定装置。
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