JP2005222601A - 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置 - Google Patents

光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005222601A
JP2005222601A JP2004028902A JP2004028902A JP2005222601A JP 2005222601 A JP2005222601 A JP 2005222601A JP 2004028902 A JP2004028902 A JP 2004028902A JP 2004028902 A JP2004028902 A JP 2004028902A JP 2005222601 A JP2005222601 A JP 2005222601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
light
optical pickup
selective
objective lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004028902A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4377253B2 (ja
Inventor
Hiromitsu Mori
弘充 森
Kunikazu Onishi
邦一 大西
Nobuyuki Maeda
伸幸 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Media Electronics Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004028902A priority Critical patent/JP4377253B2/ja
Publication of JP2005222601A publication Critical patent/JP2005222601A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4377253B2 publication Critical patent/JP4377253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 BD、DVD、CDの3種類の媒体に対して共通の対物レンズを用い、良好な記録再生が可能な3波長互換光ピックアップを提供する。
【解決手段】 レーザ光源から出射した光を対物レンズ115で集光させることによりディスク媒体122に対して再生または記録を行う光ピックアップであって、波長λ1の光を出射する第1のレーザ光源101と、波長λ1より長い波長λ2の光を出射する第2のレーザ光源102と、波長λ2より長い波長λ3の光を出射する第3のレーザ光源103と、第1から第3のレーザ光源から出射した光の光路を共通にする光学系と、屈折面に同心円状に格子溝が形成された対物レンズ115と、対物レンズのレーザ光源側に設けた波長選択性位相差素子117と波長選択性回折素子118と波長選択性アパーチャ素子119とを備え、波長選択性回折素子118に平行光を入射させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスク状情報媒体にレーザ光を照射することにより情報の再生または記録を行う光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置に関し、特に、BD(Blu‐ray Disc)、DVD、CDといった基板厚さが異なる3種類のディスク状情報記録媒体に対し共通の対物レンズを用いて記録再生が可能な光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置に関する。
高密度光ディスク装置の規格として、波長405nmの青紫色レーザ、開口数(NA)0.85の高NA対物レンズ、基板厚さ0.1mmのディスク媒体を用いたBD規格が提案されている。このBD規格を取り入れた光ディスク装置では現在存在するDVD媒体、CD媒体との互換性が重要な課題であり、第1世代の製品ではBD用の光ピックアップ、DVD/CD用光ピックアップといった2つの光ピックアップを搭載している。この構成では装置に対して光ピックアップの占める面積の割合が大きくなり、装置スペースが限られているPC用途に使うのは困難となる。また、光ピックアップを1つとして、アクチュエータの可動部にBD用対物レンズ、DVD/CD用対物レンズといった2種類の対物レンズを搭載し、使用する媒体の種類に応じて対物レンズを機械的に切替える構成も考えられる。しかし、この構成では以下の(1)、(2)に示す問題がある。(1)アクチュエータ部が大きくなるため、光ピックアップの小型化の妨げとなる。(2)アクチュエータ可動部の軽量化が難しいため、駆動感度の向上を図ることができず、記録・再生高速化の妨げになる。そこで、共通の対物レンズを用いてBD、DVD、CDの3種類の媒体すべてに対応可能な3波長互換光ピックアップが強く求められる。
この3波長互換光ピックアップの例としては、レンズ面に格子溝を刻んだBD、DVD互換対物レンズと3波長選択性の開口制限素子を用い、BD、DVD光学系の場合は無限光学系として平行光を、CD光学系の場合は有限光学系とし発散光を上記互換対物レンズに入射させる構成が報告されている。(例えば、非特許文献1参照)
また、上記互換光ピックアップに関連する素子として、例えば以下(a)〜(c)に示すような各素子が提案されている。
(a)2枚のレンズを1組とし、レーザ側のレンズ面に格子溝を形成した構成のBD/DVD互換対物レンズ。(例えば、非特許文献2参照)
(b)BD光では直線偏光から円偏光に、DVD光では直線偏光から90度回転した直線偏光にする機能をもつ2波長用位相子。(例えば、特許文献1参照)
(c)2波長のうち一方の光では常光を透過、異常光を回折させ、他方の光では偏光状態に関係なく透過させる機能をもつ2波長用回折素子。(例えば、特許文献2参照)
特開2001−344800号公報(第1−6頁、図2、図4) 特開2001−174614号公報(第1−5頁、図1、図3、図4) Ryuichi Katayama: Technical Digest of ISOM2003, paper Th−G−01(2003) Yoshiaki Komma et al: Technical Digest of ISOM2003, paper We−F−20(2003)
上記非特許文献1記載の公知例は3波長互換光ピックアップとして単純な構成となっている。ところが、CD光学系では有限光学系として対物レンズに発散光を入射させる構成であり、作動距離(対物レンズとディスク媒体面との距離)を確保するためレーザ光源から対物レンズまでの距離を短くしていくと、以下の(1)、(2)に示すような問題が生じる。
(1)回転するCD媒体の偏心に追従して対物レンズがトラッキング方向に変位したとき、対物レンズで絞られた光スポットにコマ収差が顕著に発生する。その結果、光スポットの品質が大きく劣化し、CD媒体の記録再生が困難になる。
(2)レーザ光源と対物レンズの間に配置される光学部品の配置スペースが狭くなり、実装が難しくなる。
逆に、レーザ光源から対物レンズまでの距離を長くしていくと作動距離が確保できなくなり、CD媒体が面振れしたときに対物レンズとCD媒体が頻繁に衝突あるいは接触することになる。その結果、対物レンズとCD媒体に傷、汚れが顕著に発生し、CD媒体の記録再生が困難になる。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、上記問題を解消してBD、DVD、CDの3種類の媒体に対して共通の対物レンズを用い、良好な記録再生が可能な3波長互換光ピックアップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、レーザ光源から出射した光を対物レンズで集光させることによりディスク媒体に対して再生または記録を行う光ピックアップであって、波長λ1の光を出射する第1のレーザ光源と、波長λ2(>λ1)の光を出射する第2のレーザ光源と、波長λ3(>λ2)の光を出射する第3のレーザ光源と、前記第1から第3のレーザ光源からの出射した光の光路を共通にする光学系と、屈折面に同心円状に格子溝が形成された対物レンズと、前記対物レンズを駆動するアクチュエータを備え、前記アクチュエータの可動ホルダに前記対物レンズと波長選択性位相差素子と波長選択性回折素子と波長選択性アパーチャ素子を搭載するとともに、前記波長選択性回折素子に平行光を入射させることを特徴とする光ピックアップとした。
すなわち、本発明は、レーザ光源から出射した光を対物レンズで集光させることによりディスク媒体に対して再生または記録を行う光ピックアップであって、波長λ1の光を出射する第1のレーザ光源と、前記波長λ1より長い波長λ2の光を出射する第2のレーザ光源と、前記波長λ2より長い波長λ3の光を出射する第3のレーザ光源と、前記第1から第3のレーザ光源から出射した光の光路を共通にする光学系と、屈折面に同心円状に格子溝が形成された対物レンズと、該対物レンズのレーザ光源側に設けた波長選択性位相差素子と波長選択性回折素子と波長選択性アパーチャ素子とを備え、前記波長選択性回折素子に平行光を入射させる光ピックアップである。
また、本発明は、上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光に対しては1/4波長板、上記波長λ3の光に対しては1/2波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に依存して回折する機能を有する光ピックアップである。
そして、本発明は、上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光に対しては1/4波長板、上記波長λ3の光に対しては1/2波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく回折する機能を有する光ピックアップである。
更に、本発明は、上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2と上記波長λ3の光に対して1/4波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく回折する機能を有する光ピックアップである。
また、本発明は、上記波長選択性アパーチャ素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光を全て透過させ、波長λ3の光の入射光束径に対し出射光束径を制限する機能を有する光ピックアップである。
そして、本発明は、上記対物レンズは、上記ディスク媒体に近い側の第1レンズと上記ディスク媒体から遠い側の第2レンズとから構成され、該第2レンズの屈折面に同心円状の格子溝が形成された光ピックアップである。
更に、本発明は、上記対物レンズのレーザ光源側に球面収差を補正する液晶素子を備える光ピックアップである。
また、本発明は、上記の光ピックアップを搭載した光情報再生装置または光情報記録再生装置である。
本発明によれば、CD光学系において、対物レンズがCD媒体の偏心に追従してトラッキング方向に変位した場合でも光スポットはコマ収差の増加が無く品質が安定するという利点がある。その結果、CD媒体の記録再生特性が安定する。また、BD光学系はもちろんのこと、DVD光学系においても往路、復路ともに光利用効率の点で有利な光学系とすることができる。その結果、記録高速化あるいは光ピックアップの温度上昇抑制化、検出信号の高S/N化、レーザ光源への反射戻り光によるノイズ低減化に対して有利な光学系にできるという利点がある。よって、以上の利点を持ちながら、BD、DVD、CDの3種類の媒体に対し共通の対物レンズを用いて良好な記録再生特性を持つ3波長互換光ピックアップ、およびこの光ピックアップを搭載した光情報再生装置または光情報記録再生装置が得られるという効果がある。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置の実施例について、図面を用いて説明する。図1は、実施例1の3波長互換光ピックアップの説明図である。図2は、実施例1における合成プリズム、波長選択ビームスプリッタタ、波長選択性ハーフミラーの特性を示す図表である。図3は、実施例1における合成プリズムの別の特性を示す図表である。図4は、実施例1における対物レンズの説明図である。図5は、実施例1における波長選択性アパーチャ素子の説明図と特性を示すグラフである。図6は、実施例1における波長選択性回折素子の機能の説明図である。図7は、実施例1における波長選択性回折素子の説明図である。図8は、実施例1における波長選択性回折素子のBD及びDVDに対する説明図である。図9は、実施例1における波長選択性回折素子のCDに対する説明図である。図10は、実施例1における波長選択性回折素子の波長と屈折率n1、no、neの関係を示すグラフである。図11は、実施例1における波長選択性位相差素子の説明図および特性を示すグラフである。図12は、実施例1における波長選択性位相差素子の特性を示すグラフである。図13は、実施例1における往路と復路の偏光状態の説明図である。図14は、実施例1における往路と復路の偏光状態の説明図である。図15は、実施例1における波長選択性ハーフミラーの別の特性を示す図表である。図16は、実施例2の3波長互換光ピックアップの説明図である。図17は、実施例3の3波長互換光ピックアップの説明図である。図18は、実施例3における合成プリズム、偏光ビームスプリッタの特性を示すグラフである。図19は、実施例3における波長選択性位相差素子の特性を示すグラフである。図20は、実施例3における波長選択性位相差素子の説明図である。図21は、実施例4の3波長互換光ピックアップの説明図である。図22は、実施例5の光情報再生装置または光情報記録再生装置の説明図である。
実施例1を説明する。本実施例の光ピックアップについて、図1から図15を用いて説明する。図1は本実施例の3波長互換光ピックアップを示しており、以下に示す(1)〜(3)の光学系を備え、共通の対物レンズを使用している。
(1)発振波長405nm帯の青紫色レーザ光源、開口数0.85の対物レンズを用い、基板厚さが約0.1mmのBD媒体を再生または記録するBD光学系。
(2)発振波長660nm帯の赤色レーザ光源、開口数0.6〜0.65の対物レンズを用い、基板厚さが約0.6mmのDVD媒体を再生または記録するDVD光学系。
(3)発振波長780nm帯の赤外レーザ光源、開口数0.45〜0.5の対物レンズを用い、基板厚さが約1.2mmのCD媒体を再生または記録するCD光学系。
以後、しばらく光ピックアップ全体について説明する。まず、上記(1)〜(3)の各光学系のうち、上記(1)BD光学系について、(1a)往路と(1b)復路に分けて説明する。ここで、往路とはレーザ光源からレーザ光を出射し、媒体の情報記録面に集光して光スポットを形成するまでの光路を指し、復路とは媒体の情報記録面からの反射戻り光を受光素子の光検出面に集光するまでの光路を指す。
(1a)往路:波長λ1=405nm帯の青紫色レーザ101から出射された直線偏光の発散光は、BD用回折格子104によってメインビームと2つのサブビームに分岐され、合成プリズム107を透過し、上記直線偏光のS偏光が波長選択性偏光ビームスプリッタ108によって反射し、90度光路を曲げられる。一方、上記直線偏光のP偏光が波長選択性偏光ビームスプリッタ108を透過し、集光レンズ125によってフロントモニタ126に集光され、青紫色レーザ101の光量が検出される。上記S偏光は、その後、コリメートレンズ109によって平行光に変換され、ビームエキスパンダー素子112を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられ、波長選択性アパーチャ素子119、波長選択性回折素子118を透過する。上記S偏光は、上記波長λ1において1/4波長板機能をもつ波長選択性位相差素子117により円偏光に変換され、対物レンズ115によって情報記録媒体122(この場合、基板厚さ0.1mmのBD媒体)の情報記録面上に集光されて光スポットが形成される。
(1b)復路:情報記録媒体122からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過し、上記波長選択性位相差素子117によりP偏光に変換され、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。ビームエキスパンダー素子112、コリメートレンズ109、波長選択性偏光ビームスプリッタ108、波長選択性ハーフミラー127を透過した後、検出レンズ130によって受光素子(OEIC)131の光検出面上に集光される。上記受光素子131ではRF信号、サーボ信号(FES信号、DPP信号等)が検出される。また、上記RF信号、上記サーボ信号をもとに球面収差誤差信号が生成され、検出される。
ここで、ビームエキスパンダー素子112は、凹レンズ110と凸レンズ111のペアで構成される。この素子はBD媒体の基板厚さ誤差、あるいはBD媒体の2層記録媒体における層間ジャンプ時に1層目と2層目の基板厚さの差に伴って光スポットに発生する球面収差を打消す機能を持つ。上記情報記録媒体122がBD媒体であると判別された場合、上記球面収差誤差信号が0となるように、例えば(図示しない)駆動機構によって凸レンズ111を光軸に沿って基準位置から矢印113の方向に移動させる。このようにして光スポットに発生する球面収差が抑制され、記録再生時に品質の良い光スポットが得られる。
次に、(2)DVD光学系について、(2a)往路と(2b)復路に分け説明する。
(2a)往路:波長λ2=660nm帯の赤色レーザ102から出射された直線偏光の発散光は、DVD用回折格子105によってメインビームと2つのサブビームに分岐され、合成プリズム107で反射して、上記直線偏光のS偏光が波長選択性偏光ビームスプリッタ108によって反射し、90度光路を曲げられる。一方、上記直線偏光のP偏光が波長選択性偏光ビームスプリッタ108を透過し、集光レンズ125によってフロントモニタ126に集光され、赤色レーザ102の光量が検出される。上記S偏光は、その後、コリメートレンズ109によって平行光に変換され、ビームエキスパンダー素子112を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられ、波長選択性アパーチャ素子119、波長選択性回折素子118を透過する。上記S偏光は、上記波長λ2において1/4波長板機能を持つ波長選択性位相差素子117によって円偏光に変換され、対物レンズ115によって情報記録媒体122(この場合、基板厚さ0.6mmのDVD媒体)の情報記録面上に集光され光スポットが形成される。
(2b)復路:情報記録媒体122からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過し、上記波長選択性位相差素子117によってP偏光に変換され、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。ビームエキスパンダー素子112、コリメートレンズ109、波長選択性偏光ビームスプリッタ108、波長選択性ハーフミラー127を透過した後、検出レンズ130によって受光素子(OEIC)131の光検出面上に集光される。上記受光素子131ではRF信号、サーボ信号(FES信号、DPP信号等)が検出される。
なお、先に説明したビームエキスパンダー素子112は、DVD媒体に記録再生する際に機能させても良く、光スポットに発生する球面収差が抑制され、品質の良い光スポットが得られる。
次に、(3)CD光学系について、(3a)往路と(3b)復路に分け説明する。
(3a)往路:波長λ3=780nm帯の赤外レーザ103から出射された直線偏光の発散光は、CD用回折格子106によってメインビームと2つのサブビームに分岐され、例えば、直線偏光のS偏光のX%が上記波長選択性ハーフミラー127で反射して90度光路を曲げられる。一方、上記S偏光のY%が上記波長選択性ハーフミラー127を透過し、集光レンズ128によりフロントモニタ129に集光され、赤外レーザ103の光量がモニタされる。ここで、上記X、Yの間にはXとYの和が100%、ただし、X≧Yの関係を持たせている。上記S偏光はその後、波長選択性偏光ビームスプリッタ108を透過し、コリメートレンズ109によって平行光に変換され、ビームエキスパンダー素子112を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。その後、波長λ3において開口制限機能を持つ波長選択性アパーチャ素子119によって光束径が制限され、波長λ3において1次回折機能を持つ波長選択性回折素子118により発散光に変換される。上記S偏光は、波長λ3において1/2波長板機能を持つ波長選択性位相差素子117によってP偏光に変換され、対物レンズ115によって情報記録媒体122(この場合、基板厚さ1.2mmのCD媒体)の情報記録面に集光され光スポットが形成される。
(3b)復路:上記情報記録媒体122からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過し、波長λ3において1/2波長板機能を持つ波長選択性位相差素子117によってS偏光に変換され、波長λ3において1次回折機能を持つ波長選択性回折素子118により平行光に変換される。その後、波長選択性アパーチャ素子119を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。波長選択性偏光ビームスプリッタ108を透過し、S偏光のY%が波長選択性ハーフミラー127を透過した後、検出レンズ130によって受光素子(OEIC)131の光検出面に集光される。上記受光素子131ではRF信号、サーボ信号(FES信号、DPP信号等)が検出される。
上の説明の中で、合成プリズム107、集光レンズ125、フロントモニタ126の各素子はBD光学系、DVD光学系の2つの光学系に共通して用いられる素子である。ここで、合成プリズム107は、図2(a)に示すように、上記波長λ1=405nm帯のレーザ光を100%透過し、上記波長λ2=660nm帯のレーザ光を100%反射する特性を持ち、BD光学系とDVD光学系の光路を共通の光路に合成する。また、波長選択性偏光ビームスプリッタ108、コリメートレンズ109、ビームエキスパンダー素子112、立上げミラー114、波長選択性アパーチャ素子119、波長選択性回折素子118、波長選択性位相差素子117、対物レンズ115、波長選択性ハーフミラー127、検出レンズ130、受光素子131の各素子はBD光学系、DVD光学系、CD光学系の3つの光学系に共通して用いられる素子である。ここで、波長選択性偏光ビームスプリッタ108は、図2(b)に示すように、波長λ1とλ2ではP偏光を100%透過かつS偏光を100%反射する特性を持ち、波長λ3ではP偏光、S偏光ともに100%透過する特性を持つ。波長λ1とλ2では、1/4波長板機能を持つ波長選択性位相差素子117と合わせ、偏光分離光学系を構成する。また、上記波長選択性ハーフミラー127は、図2(c)に示すように、波長λ1とλ2のレーザではP偏光を100%透過する一方、波長λ3ではS偏光をX%反射し、S偏光をY%透過する特性(X+Y=100、X≧Y)を持つ。
なお、本実施例では、青紫色レーザ101とBD用回折格子104のペア、赤色レーザ102とDVD用回折格子105のペアを互いに入れ替えた構成としても良い。このとき、合成プリズム107は、図3に示すように、波長λ1では100%反射し、波長λ2では100%透過する特性を持つ。また、波長選択性ハーフミラー127の特性を、図15に示すように、波長λ3にてP偏光をA%反射、P偏光をB%透過する特性(A+B=100、A≧B)としても良い。
ここまでは、光ピックアップ全体について説明してきたが、以後、本実施例の主要部分について説明する。図1において、対物レンズ115は、屈折面に同心円状に格子溝116が形成された非球面レンズであり、波長λ1の青紫色レーザ101を用いるBD媒体と、波長λ2の赤色レーザ102を用いるDVD媒体に互換性を有する。対物レンズ115の直下(レーザ光源側)に波長選択性位相差素子117、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119の各素子が配置されている。なお、上記各素子の詳細については後ほど説明する。対物レンズ115と上記各素子117、118、119は共通の可動ホルダ120に組付けられて1つのユニット121を形成しており、(図示しない)アクチュエータによって情報記録媒体122の面振れ方向123と偏心方向124に一体となって駆動する。ここで、波長選択性回折素子118には、例えば中心軸位置あるいは中心軸位置から等距離の位置に(図示しない)マーカが形成されており、このマーカを用いることによって、対物レンズ115と波長選択性回折素子118は互いの中心軸が一致するように配置される。
図4を用い、対物レンズ115についてさらに説明する。図4(a)はこの対物レンズによってBD媒体201に集光される場合を示している。波長λ1=405nmの青紫色レーザ101から出射した発散光202は、コリメートレンズ109により平行光203に変換され、対物レンズ115に入射する。上記平行光203はレンズ屈折面の作用により絞られ、基板厚さがt1(=約0.1mm)のBD基板204を通過後、収差が最良の状態で光スポット205が形成される。ここで、レンズ屈折面は波長λ1の光に対し開口数が0.85となるように設計され、上記レンズ屈折面に同心円状に形成された格子溝116は、波長λ1の光に対して回折作用が無いように設計されている。一方、図4(b)はこの対物レンズによってDVD媒体206に集光される場合を示している。波長λ2=660nmの赤色レーザ102から出射した発散光207は、コリメートレンズ109により平行光208に変換され、対物レンズ115に入射する。上記平行光208は回折格子溝116により回折され、さらに上記レンズ屈折面により絞られ、基板厚さがt2(=約0.6mm)のDVD基板209を通過後、収差が最良の状態で光スポット210が形成される。ここで、上記回折格子溝116は、波長λ2の光に対し対物レンズ115の開口数が実質的に0.6〜0.65となる光束径の範囲に形成されており、図4(a)のBDの場合との波長差約255nm、基板厚さの差約0.5mmによって発生する球面収差が打消されるように設計されている。このようにしてBDとDVDとの互換性が確保されている。
図5を用い、波長選択性アパーチャ素子119について説明する。図5(a)は波長選択性アパーチャ素子119の形状を示しており、平板の中央部に形成された直径φDのA領域と、上記A領域の周囲に形成されたB領域より構成されている。上記A領域と上記B領域において、波長に対する透過率の特性は図5(b)のように設計されている。上記A領域では○印で示すように、波長405nm帯(BD)、660nm帯(DVD)、780nm帯(CD)における透過率は100%、すなわちこれらの3波長の光は全て透過する。一方、上記B領域では□印で示すように、波長405nm帯、660nm帯における透過率は100%、すなわちこれらの2波長の光は全て透過するが、波長780nm帯における透過率は0%、すなわちこの波長の光は全て反射される。このように、波長780nm帯の光では直径φDのA領域のみ透過させ、対物レンズ115に入射する光束径(有効径)をφDに制限して、対物レンズ115の開口数が実質的に0.45〜0.5となるようにする。すなわち、波長780nmにて対物レンズ115の焦点距離をfoc、対物レンズ115の開口数をNACとすると、下記の数式1の関係が成立するので、φDの大きさによりNACを変えることができる。
NAC=φD/(2×foc) …(数式1)
この波長選択性アパーチャ素子119は、例えば透明基板の一方に図5(b)の透過率特性を持つ薄膜が形成された構造である。
図6から図10を用い、波長選択性回折素子118について説明する。図6は波長選択性回折素子118の機能を示している。図6(a)はBD(波長λ1=405nm)の場合を示しており、平行入射光401は、回折作用を受けず、波長選択性回折素子118をそのまま透過して平行出射光402となり、対物レンズ115に入射する。なお、この波長選択性回折素子118の透過機能は、上記平行入射光401の偏光方向に依存しないように設定されている。図6(b)はDVD(波長λ2=660nm)の場合を示しており、平行入射光403は、回折作用を受けず、波長選択性回折素子118をそのまま透過して平行出射光404となり、対物レンズ115に入射する。なお、この波長選択性回折素子118の透過機能は、上記平行入射光403の偏光方向に依存しないように設定されている。図6(c)はCD(波長λ3=780nm)の場合を示しており、平行入射光405は、波長選択性回折素子118の回折作用を受けて発散出射光406となり、対物レンズ115に入射する。なお、対物レンズ115に設けられた格子溝116は、波長λ3の光に対しては回折作用が無いように設計されている。
図7から図10を用い、波長選択性回折素子118についてさらに説明する。波長選択性回折素子118には、図7に示すように、複屈折媒質501が用いられている。直線偏光状態の入射光502が複屈折媒質501を透過した後の出射光505は常光を示し、出射光506は異常光を示す。この常光に対する屈折率をno、異常光に対する屈折率neとする。紙面内の矢印503は常光の偏光方向を、紙面に垂直な方向504は異常光の偏光方向を示している。波長選択性回折素子118は、図8(a)に示すように、例えば(図示しない)透明基板上に断面形状が凸凹で複屈折性媒質501から構成される溝を多数形成し、これらの溝に接するように等方性媒質507を配置し、(図示しない)透明基板で挟みこむことによって形成される。ここで、上記等方性媒質507の屈折率をn1とする。
上記屈折率no、ne、n1間の関係と入射光の偏光方向を規定したとき、出射光の状態がどのようになるかを以下に説明する。以後、波長選択性回折素子118に対して平行光が垂直入射するものとし、常光505の偏光方向をP偏光に、異常光506の偏光方向504をS偏光に設定することにする。
まず、初めに、図8を用いて波長λ1(BD)と波長λ2(DVD)の場合について説明する。図8(a)に示すように、no≠n1、ne=n1に各屈折率の関係を設定し、入射光502の偏光方向を異常光の偏光方向(S偏光)504と一致させる場合を考える。等方性媒質507と複屈折性媒質501とで屈折率は同一(上記より、n1=ne)であるから、入射光502は回折作用を受けずに透過し、そのまま出射光505となる。図8(b)に示すように、no=n1、ne≠n1に各屈折率の関係を設定し、入射光502の偏光方向を常光の偏光方向(P偏光)503と一致させる場合を考える。等方性媒質507と複屈折性媒質501とで屈折率は同一(上記より、n1=no)であるから、入射光502は回折作用を受けずに透過し、そのまま出射光506となる。図8(c)に示すように、no=n1、ne=n1に各屈折率の関係を設定する場合を考える。入射光502の偏光方向を常光の偏光方向(P偏光)503、異常光の偏光方向(S偏光)504のどちらに一致させても等方性媒質507と複屈折性媒質501とで屈折率は同一(上記より、n1=no=ne)であるから、入射光502は回折作用を受けずに透過し、そのまま出射光506となる。すなわち、入射光502の偏光方向には無関係である。
次に、図9を用い、波長λ3(CD)の場合について説明する。図9(a)に示すように、no≠n1、ne=n1に各屈折率の関係を設定し、入射光502の偏光方向を常光の偏光方向(P偏光)503と一致させる場合を考える。等方性媒質507と複屈折性媒質501とで互いに異なる屈折率となる(上記より、n1≠no)ので、入射光502は等方性媒質507と複屈折性媒質501の境界で回折作用を受け、出射光701、702は発散光となる。図9(b)に示すように、no=n1、ne≠n1に各屈折率の関係を設定し、入射光502の偏光方向を異常光の偏光方向(S偏光)504と一致させる場合を考える。等方性媒質507と複屈折性媒質501とで互いに異なる屈折率となる(上記よりne≠n1)ので、入射光502は等方性媒質507と複屈折性媒質501の境界で回折作用を受け、出射光703、704は発散光となる。図9(c)に示すように、no≠n1、ne=noとなるように各屈折率を設定する場合を考える。入射光502の偏光方向を常光の偏光方向(P偏光)503、異常光の偏光方向(S偏光)504のどちらに一致させても等方性媒質507と複屈折性媒質501とで互いに異なる屈折率となる(上記より、n1≠no=ne)ので、入射光602は等方性媒質507と複屈折性媒質501の境界面で回折作用を受け、出射光705、706は発散光となる。すなわち、入射光602の偏光方向には無関係である。
図7から図9を用いて説明した内容から、入射光の波長に対し、波長選択性回折素子118の屈折率n1、no、neの関係をまとめて示すと、図10のようになる。ここでは、後ほど説明する波長選択性位相差素子117の機能との関係から、波長λ1(BD)と波長λ2(DVD)において、入射光の偏光方向に関係なく透過し、出射光が平行光となる場合を示している。図10(a)は、波長λ3(CD)において、入射光の偏光方向を常光の偏光方向(P偏光)と一致させたときに、出射光が回折する場合を示している。801は屈折率=n1=neの特性曲線を、802は屈折率=noの特性曲線を示している。波長405nmから660nmまでは曲線801と曲線802が一致するが、波長780nmでは曲線801と曲線802で差が出るように設定されている。この図では曲線801が曲線802より上方に位置するが、逆に曲線802が曲線801より上方に位置するようにしても良い。図10(b)は、波長λ3(CD)において、入射光の偏光方向を異常光の偏光方向(S偏光)と一致させたときに、出射光が回折する場合を示している。803は屈折率=n1=noの特性曲線を、804は屈折率=neの特性曲線を示している。波長405nmから660nmまでは曲線801と曲線802が一致するが、波長780nmでは曲線803と曲線804に差が出るように設定されている。この図では曲線803が曲線804より上方に位置するが、逆に曲線804が曲線803より上方に位置するようにしても良い。図10(c)は、波長λ3(CD)において、入射光の偏光方向に関係なく出射光が回折する場合を示している。805は屈折率=n1の特性曲線を、806は屈折率=no=neの特性曲線を示している。波長405nmから660nmまでは曲線805と曲線806が一致するが、波長780nmでは曲線805と曲線806に差が出るように設定されている。この図では曲線805が曲線806より上方に位置するが、逆に曲線806が曲線805より上方に位置するようにしても良い。
先の図8を用いて説明したように、波長λ1(BD)と波長λ2(DVD)では、波長選択性回折素子118に平行光で入射した光は平行光で出射し、対物レンズ115に入射する。一方、先の図9を用いて説明したように、波長λ3(CD)の場合、波長選択性回折素子118に平行光で入射した光は発散光で出射し、対物レンズ115に入射する。このようにして、図4(a)で示したBDの場合との波長差375nm、基板厚さの差1.1mmによって発生する球面収差を打消すことができる。
なお、格子溝116は、波長λ3に対しては回折作用が無いように設計されている。このようにして、CD媒体との互換性をとることができるようになる。
図11から図15を用いて、上記波長選択性位相差素子117について説明する。波長選択性位相差素子117には、図11(a)に示すように複屈折媒質901が用いられている。直線偏光状態の入射光902が複屈折媒質901を透過した後の出射光905は常光を示し、出射光906は異常光を示す。この常光に対する屈折率をno、異常光に対する屈折率neとする。紙面内の矢印903は常光の偏光方向を、紙面に垂直な方向904は異常光の偏光方向を示している。波長選択性位相差素子117は、例えば厚さtの複屈折性有機薄膜を両側から(図示しない)透明基板で挟み込むことによって形成される。図11(b)は、波長に対する常光と異常光の位相差の関係を示し、特性曲線907に示すように、波長400nm付近から700nm付近では位相差が90度、波長780nm付近では位相差が180度となるように設計されている。すなわち、波長405nm(BD)と波長660nm(DVD)の光に対しては1/4波長板として機能し、波長780nm(CD)の光に対しては1/2波長板として機能する。また、この波長選択性位相差素子117は、以下の数式2から数式4が成立するように複屈折媒質901が設計され、波長と(no−ne)×tの関係を示すと、図12の特性曲線1001に示すようになる。
(no−ne)×t=1/4×405[nm] …(数式2)
(no−ne)×t=1/4×660[nm] …(数式3)
(no−ne)×t=1/2×780[nm] …(数式4)
図13、図14を用いて、波長λ1=405nm(BD)、波長λ2=660nm(DVD)、波長λ3=780nm(CD)のそれぞれの光について、往路と復路における偏光状態について説明する。図13(a)は波長λ1=405nm(BD)の場合を示している。ここで、波長選択性回折素子118は、図8を用いて説明したように、偏光方向に関係なく透過する機能を持たせている。往路1101においては、直線偏光(S偏光)1102状態の平行光は、波長選択性アパーチャ素子119および波長選択性回折素子118を透過し、波長選択性位相差素子117に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を透過後、円偏光1103に変換され、対物レンズ115に入射する。対物レンズ115により、基板厚さがt1(=0.1mm)であるBD媒体203の情報記録面1104に光スポットが形成される。この光スポットは円偏光1103である。復路1105においては、情報記録面1104からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過した後、円偏光1106状態の平行光が波長選択性位相差素子117に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を通過後、直線偏光(S偏光)1102と直交する方向の直線偏光(P偏光)1107に変換され、波長選択性回折素子118に入射する。直線偏光(P偏光)1107状態の平行光は、波長選択性回折素子118および波長選択性アパーチャ素子119を透過し、最終的に図1で示した受光素子131に集光される。図13(b)は波長λ2=660nm(DVD)の場合を示している。ここで、波長選択性回折素子118は、図8を用いて説明したように、偏光方向に関係なく透過する機能を持たせている。往路1101においては、直線偏光(S偏光)1102状態の平行光は、波長選択性アパーチャ素子119および波長選択性回折素子118を透過し、波長選択性位相差素子117に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を透過後、円偏光1103に変換され、対物レンズ115に入射する。対物レンズ115により、基板厚さがt2(=0.6mm)であるDVD媒体206の情報記録面1108に光スポットが形成される。この光スポットは円偏光1103である。復路1105においては、情報記録面1108からの反射戻り光は対物レンズ115を通過した後、円偏光1106状態の平行光が波長選択性位相差素子117に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を通過後、直線偏光(S偏光)1102と直交する方向の直線偏光(P偏光)1107に変換され、波長選択性回折素子118に入射する。直線偏光(P偏光)1107状態の平行光は、波長選択性回折素子118および波長選択性アパーチャ素子119を透過し、最終的に図1で示した受光素子131に集光される。
図14は波長λ3=780nm(CD)の場合を示している。ここで、波長選択性回折素子118は、先の図9(a)、図9(b)を用いて説明したように、偏光方向に依存して回折する機能、あるいは、先の図9(c)を用いて説明したように、偏光方向に関係なく回折する機能を持たせている。往路1201においては、直線偏光(S偏光)1202状態の平行光は、波長選択性アパーチャ素子119により光束径が制限されるとともに、波長選択性回折素子118による回折作用を受け、直線偏光(S偏光)1202状態の発散光が波長選択性位相差素子117に入射する。1/2波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を透過後、直線偏光(S偏光)1202は、これと直交する方向の直線偏光(P偏光)1203に変換され、発散光で対物レンズ115に入射する。対物レンズ115により、基板厚さがt3(=1.2mm)であるCD媒体1204の情報記録面1205に光スポットが形成される。この光スポットは直線偏光(P偏光)1203である。復路1206においては、情報記録面1205からの反射戻り光は対物レンズ115を通過した後、直線偏光(P偏光)1203状態の収束光が波長選択性位相差素子117に入射する。1/2波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子117を透過後、直線偏光(S偏光)1202に変換されて波長選択性回折素子118に入射する。直線偏光(S偏光)1202状態の収束光は、波長選択性回折素子118による回折作用を受け、平行光に変換されて波長選択性アパーチャ素子119を透過し、最終的に図1で示した受光素子131に集光される。なお、波長λ3=780nm帯における波長選択性ハーフミラー127の特性を図15に示すように設定し、1202をP偏光、1203をS偏光としても良い。
本実施例では、波長λ3において、波長選択性回折素子118に平行光を入射させるとともに、波長選択性回折素子118を偏光性回折素子あるいは無偏光性回折素子として機能させ、対物レンズ115に発散光を入射させることにより、上記対物レンズ115を用いてCD媒体との互換性を持たせることが可能となる。このとき、CD媒体の偏心に追従して対物レンズ115がトラッキング方向(図1で124の方向)に変位した場合でも、対物レンズ115は波長選択性回折素子118とは1つのユニット121に組込まれ、上記対物レンズ115に入射する光の角度は変動しない。そのため、光スポットにはコマ収差の増加が無く品質が安定するという利点がある。また、BD光学系はもちろんのこと、DVD光学系において、波長選択性偏光ビームスプリッタ108と、上記波長選択性位相差素子117の1/4波長板機能と合わせて偏光分離光学系が構成されているので、往路と復路ともに光利用効率の観点から有利な光学系とすることができる。その結果、記録再生の高速化あるいは光ピックアップの温度上昇抑制化、検出信号の高S/N化、レーザ光源への反射戻り光によるノイズ低減化に対して有利な光学系にできるという利点がある。従って、このような利点を持ちながら、BD、DVD、CDの3種類の媒体に対し共通の対物レンズを用いて記録再生が可能な3波長互換光ピックアップが得られるという効果がある。
実施例2を説明する。本実施例の光ピックアップについて、図16を用いて説明する。図16は図1とは別の3波長互換光ピックアップを示している。本実施例では、実施例1で示した対物レンズ115に代わり、第1レンズ1301と第2レンズ1303から形成された2枚構成の対物レンズ1304を使用している。これは、第2レンズ1303の屈折面に同心円状の格子溝1305が形成され、波長λ1=405nm帯の青紫色レーザ101を用いるBD媒体と、波長λ2=660nmの赤色レーザを用いるDVD媒体に対して互換性を有する対物レンズである。第1レンズ1301と第2レンズ1302は、例えば干渉計を使った精密調整によって互いの光軸を正確に合わせてホルダ1302に組付けられている。この対物レンズ1304と波長選択性位相差素子117、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119は共通の可動ホルダ1306に組付けられて1つのユニット1307を形成し、(図示しない)アクチュエータによってディスク媒体122の面振れ方向123と偏心方向124に一体となって駆動する。本実施例の対物レンズ1304は、BD光学系における開口数0.85を2枚のレンズに分担できるため、実施例1で示した単レンズ構成の対物レンズ115に比べると、対物レンズ自体の収差特性が良い対物レンズが得やすい。そのため、BD光学系において、情報記録媒体122の情報記録面に集光される光スポットの品質が実施例1に比べてより向上するという効果がある。その他については、既に実施例1で説明した内容と同じになるため、ここでは説明を省略する。
実施例3について、図17から図20を用いて説明する。図17は図1とはさらに別の3波長互換光ピックアップを示している。まず、(1)BD光学系について(1a)往路と(1b)復路に分けて説明する。
(1a)往路:発振波長λ1=405nm帯の青紫色レーザ101から出射された直線偏光の発散光は、BD用回折格子104によってメインビームと2つのサブビームに分岐され、合成プリズム1403を透過し、上記直線偏光のS偏光が波長選択性偏光ビームスプリッタ1404によって反射し、90度光路を曲げられる。一方、上記直線偏光のP偏光が偏光ビームスプリッタ1404を透過し、集光レンズ1406によってフロントモニタ1407に集光され、青紫色レーザ101の光量が検出される。上記S偏光は、その後、コリメートレンズ109によって平行光に変換され、ビームエキスパンダー素子112を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられ、波長選択性アパーチャ素子119、波長選択性回折素子118を透過する。波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能によって円偏光に変換され、対物レンズ115によって情報記録媒体122(この場合、基板厚さ0.1mmのBD媒体)の情報記録面に集光されて光スポットが形成される。
(1b)復路:情報記録媒体122からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過し、波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能によってP偏光に変換され、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。ビームエキスパンダー素子112、コリメートレンズ109、偏光ビームスプリッタ1408を透過した後、凸レンズ1408と円筒レンズ1409からなる検出レンズによって受光素子(OEIC)131の光検出面に集光される。上記受光素子131ではRF信号、サーボ信号(FES信号、DPP信号等)が検出される。
次に(2)DVD、CD光学系について(2a)往路と(2b)復路に分けて説明する。
(2a)往路:1401は発振波長λ2=660nm帯の赤色レーザ、発振波長λ3=780nm帯の赤外レーザを1つのパッケージにした2波長マルチレーザである。以下に説明する光路は、発振波長λ2=660nm帯、発振波長λ3=780nm帯のレーザ光に共通である。2波長マルチレーザ1401から出射された直線偏光の発散光は、2波長用回折格子1402によってメインビームと2つのサブビームに分岐され、合成プリズム1403で反射して、上記直線偏光のS偏光が偏光ビームスプリッタ1404によって反射し、90度光路を曲げられる。一方、上記直線偏光のP偏光が偏光ビームスプリッタ1404を透過し、集光レンズ1406によってフロントモニタ1407に集光され、2波長マルチレーザ1401の光量が検出される。上記S偏光は、その後、コリメートレンズ109によって平行光に変換され、ビームエキスパンダー素子112を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられ、波長選択性アパーチャ素子119(波長λ3=780nm帯のレーザ光では光束径を制限)、波長選択性回折素子118を透過する。波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能によって円偏光に変換され、対物レンズ115によって情報記録媒体122(この場合、基板厚さ0.6mmのDVD媒体あるいは基板厚さ1.2mmのCD媒体)の情報記録面に集光されて光スポットが形成される。
(2b)復路:上記情報記録媒体122からの反射戻り光は、対物レンズ115を透過し、波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能によってP偏光に変換され、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119を透過し、立上げミラー114で反射して90度光路を曲げられる。ビームエキスパンダー素子112、コリメートレンズ109、偏光ビームスプリッタ1404を透過した後、凸レンズ1408と円筒レンズ1409からなる検出レンズ系によって受光素子(OEIC)131の光検出面に集光される。上記受光素子131ではRF信号、サーボ信号(FES信号、DPP信号等)が検出される。
上記説明の中で、青紫色レーザ101、BD用回折格子104、2波長マルチレーザ1401、2波長用回折格子1402を除く素子がBD光学系、DVD光学系、CD光学系の3つの光学系に共通な素子である。合成プリズム1403は表4(a)に示すように、波長λ1=405nm帯のレーザ光を100%透過し、波長λ2=660nm帯および波長λ3=780nm帯のレーザ光を100%反射して、上記BD光学系とDVD光学系とCD光学系の光路を共通の光路に合成する機能を持つ。また、偏光ビームスプリッタ1404は、図18に示すように、波長λ1=405nm帯と波長λ2=660nm帯と波長λ3=780nm帯のいずれのレーザ光においても、P偏光を100%透過するとともにS偏光を100%反射し、波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能と合わせて偏光分離光学系を構成する。
対物レンズ115の直下(レーザ光源側)には波長選択性位相差素子1405、波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119の各素子が配置されている。なお、波長選択性位相差素子1405の詳細については後ほど説明する。対物レンズ115と上記各素子1405、118、119は、共通の可動ホルダ120に組付けられて1つのユニット1409を形成しており、(図示しない)アクチュエータによって上記情報記録媒体122の面振れ方向123と偏心方向124に一体となって駆動する。
図19、図20を用い、上記波長選択性位相差素子1405について説明する。図19(a)は波長と、常光と異常光の位相差との関係を示し、特性曲線907に示すように、波長400nm付近から800nm付近まで位相差が90度となるように設計されている。すなわち、波長405nm(BD)と波長660nm(DVD)と波長780nm(CD)のいずれの光に対しても1/4波長板として機能する。また、この波長選択性位相差素子117は、以下の数式5、数式6、数式7が成立するように複屈折媒質901が設計され、波長と(no−ne)×tの関係を示すと、図19(b)の特性曲線1502に示すようになる。
(no−ne)×t=1/4×405[nm] …(数式5)
(no−ne)×t=1/4×660[nm] …(数式6)
(no−ne)×t=1/4×780[nm] …(数式7)
次に、波長λ1=405nm(BD)、波長λ2=660nm(DVD)、波長λ3=780nm(CD)のそれぞれの光について、往路と往路における偏光状態を説明する。波長λ1=405nm(BD)、波長λ2=660nm(DVD)の場合については、先の図13(a)、図13(b)で示した波長選択性位相差素子117が本実施例の波長選択性位相差素子1405に置き換わるが、偏光状態が図13と重複するため、ここでは説明を省略する。
波長λ3=780nm(CD)の場合は図20に示すようになる。ここで、波長選択性回折素子118は、先の図9(c)を用いて説明したように、偏光方向に関係なく回折する機能を持たせている。往路1601においては、直線偏光(S偏光)1602状態の平行光は、波長選択性アパーチャ素子119により光束径が制限されるとともに、波長選択性回折素子118による回折作用を受け、直線偏光(S偏光)1602状態の発散光が波長選択性位相差素子1405に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子1405を透過後、円偏光1603に変換され、発散光で対物レンズ115に入射する。対物レンズ115により、基板厚さがt3(=1.2mm)であるCD媒体1204の情報記録面1205に光スポットが形成される。この光スポットは円偏光1603である。復路1604においては、情報記録面1205からの反射戻り光は、対物レンズ115を通過した後、円偏光1605状態の収束光が波長選択性位相差素子1405に入射する。1/4波長板の機能を持つ波長選択性位相差素子1405を透過後、円偏光1605から直線偏光(P偏光)1606に変換されて波長選択性回折素子118に入射する。直線偏光(P偏光)1606状態の収束光は、波長選択性回折素子118による回折作用を受け、平行光に変換されて波長選択性アパーチャ素子119を透過し、最終的に受光素子131に集光される。
本実施例では、波長λ3において、波長選択性回折素子118に平行光を入射させるとともに、波長選択性回折素子118を無偏光性回折素子として機能させ、対物レンズ115に発散光を入射させることにより、上記対物レンズ115を用いてCD媒体との互換性を持たせることが可能となる。実施例1と異なるのは、CD光学系においても、偏光ビームスプリッタ1404と波長選択性位相差素子1405の1/4波長板機能と合わせて偏光分離光学系を構成している点であり、BD光学系、DVD光学系、CD光学系いずれも往路と復路で光利用効率の観点から有利な光学系とすることができる。その結果、記録高速化あるいは光ピックアップの温度上昇抑制化、検出信号の高S/N化、レーザ光源への反射戻り光によるノイズ低減化に対してより有利な光学系にできるという利点がある。
本発明の実施例4について、図21を用いて説明する。図21は実施例1で示した図1とは別の3波長互換光ピックアップを示している。本実施例では球面収差補正手段として、実施例1で示したビームエキスパンダー素子112に代わり、液晶素子1701を使用している。この液晶素子1701は、BD光学系において、往路の直線偏光(S偏光)に対して球面収差が補正可能な液晶層と、復路の直線偏光(P偏光)に対して球面収差が補正可能な液晶層を2層に積層した構造である。対物レンズ115の直下には波長選択性位相差素子117、上記波長選択性回折素子118、波長選択性アパーチャ素子119、液晶素子1701の各素子が配置されている。対物レンズ115と上記各素子117、118、119、1701は共通の可動ホルダ120に組付けられて1つのユニット1702を形成しており、(図示しない)アクチュエータによって上記情報記録媒体122の面振れ方向123と偏心方向124に一体となって駆動する。ここで、上記液晶素子1701は(図示しない)アクチュエータのサスペンションと電気的に接続されており、このサスペンションを通じて電圧が供給される。液晶素子1701には例えば、中心軸位置あるいは中心軸位置から等距離の位置に(図示しない)マーカが形成されており、このマーカを用いることによって対物レンズ115と液晶素子1701は互いの中心軸が一致するように配置される。なお、上記各素子117、118、119、1701はそれぞれ平板状の素子であるため、これらを積層して一体化した素子を形成することも可能である。この一体化した素子は、光ピックアップの生産性を向上させることができる。
本実施例では上記ビームエキスパンダー素子112の駆動機構が不要となるため、実施例1に比べて光ピックアップの構成が簡単になり、小型化に有利になるという効果がある。その他については、既に実施例1にて図1から図15を用いて説明した内容と同じであるため、ここでは説明を省略する。
上記実施例1から4までは光ピックアップに関する実施例を説明してきたが、ここでは上記光ピックアップを搭載した光情報再生装置または光情報記録再生装置の実施例について、図22を用いて説明する。図22は情報の記録および再生を行う情報記録再生装置1801の概略ブロック図を示している。1802は本発明の光ピックアップを示しており、この光ピックアップ1802から検出された信号は信号処理回路内のサーボ信号生成回路1803および情報信号再生回路1804に送られる。サーボ信号生成回路1803では、光ピックアップ1802より検出された信号から光ディスク媒体1805に適したフォーカシング制御信号、トラッキング制御信号、球面収差検出信号が生成され、これらをもとにアクチュエータ駆動回路1806を経て光ピックアップ1802内の(図示しない)アクチュエータを駆動し、対物レンズ1807の位置制御を行う。また、上記サーボ信号生成回路1803では上記光ピックアップ1802より球面収差検出信号が生成され、この信号をもとに球面収差補正駆動回路1808を経て光ピックアップ1802内の(図示しない)球面収差補正光学系の補正レンズを駆動する。また、情報信号再生回路1804では光ピックアップ1802から検出された信号から光ディスク1805に記録された情報信号が再生され、その情報信号は情報信号出力端子1809へ出力される。なお、サーボ信号生成回路1803および、情報信号再生回路1804で得られた信号の一部はシステム制御回路1810に送られる。システム制御回路1810からはレーザ駆動用記録信号が送られ、レーザ光源点灯回路1811を駆動させて発光量の制御を行い、光ピックアップ1802を介して、光ディスク1805に記録信号を記録する。なお、このシステム制御回路1810にはアクセス制御回路1812とスピンドルモータ駆動回路1813が接続されており、それぞれ、光ピックアップ1802のアクセス方向位置制御や光ディスク1805のスピンドルモータ1814の回転制御が行われる。なお、上記情報記録再生装置1801をユーザが制御する場合、ユーザ入力処理回路1815にユーザが指示することによって行う。その際、情報記録再生装置の処理状態等の表示は表示処理回路1816によって行われる。
実施例1の3波長互換光ピックアップの説明図。 実施例1における合成プリズム、波長選択ビームスプリッタタ、波長選択性ハーフミラーの特性を示す図表。 実施例1における合成プリズムの別の特性を示す図表。 実施例1における対物レンズの説明図。 実施例1における波長選択性アパーチャ素子の説明図と特性を示すグラフ。 実施例1における波長選択性回折素子の機能の説明図。 実施例1における波長選択性回折素子の説明図。 実施例1における波長選択性回折素子のBD及びDVDに対する説明図。 実施例1における波長選択性回折素子のCDに対する説明図。 実施例1における波長選択性回折素子の波長と屈折率n1、no、neの関係を示すグラフ。 実施例1における波長選択性位相差素子の説明図および特性を示すグラフ。 実施例1における波長選択性位相差素子の特性を示すグラフ。 実施例1における往路と復路の偏光状態の説明図。 実施例1における往路と復路の偏光状態の説明図。 実施例1における波長選択性ハーフミラーの別の特性を示す図表。 実施例2の3波長互換光ピックアップの説明図。 実施例3の3波長互換光ピックアップの説明図。 実施例3における合成プリズム、偏光ビームスプリッタの特性を示すグラフ。 実施例3における波長選択性位相差素子の特性を示すグラフ。 実施例3における波長選択性位相差素子の説明図。 実施例4の3波長互換光ピックアップの説明図。 実施例5の光情報再生装置または光情報記録再生装置の説明図。
符号の説明
青紫色レーザ…101、赤色レーザ…102、赤外レーザ…103、合成プリズム…107、波長選択性偏光ビームスプリッタ…108、対物レンズ…115、波長選択性位相差素子…117、波長選択性回折素子…118、波長選択性アパーチャ素子…119、情報記録媒体…122

Claims (8)

  1. レーザ光源から出射した光を対物レンズで集光させることによりディスク媒体に対して再生または記録を行う光ピックアップであって、
    波長λ1の光を出射する第1のレーザ光源と、前記波長λ1より長い波長λ2の光を出射する第2のレーザ光源と、前記波長λ2より長い波長λ3の光を出射する第3のレーザ光源と、前記第1から第3のレーザ光源から出射した光の光路を共通にする光学系と、屈折面に同心円状に格子溝が形成された対物レンズと、該対物レンズのレーザ光源側に設けた波長選択性位相差素子と波長選択性回折素子と波長選択性アパーチャ素子とを備え、前記波長選択性回折素子に平行光を入射させることを特徴とする光ピックアップ。
  2. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光に対しては1/4波長板、上記波長λ3の光に対しては1/2波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に依存して回折する機能を有することを特徴とする光ピックアップ。
  3. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光に対しては1/4波長板、上記波長λ3の光に対しては1/2波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく回折する機能を有することを特徴とする光ピックアップ。
  4. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記波長選択性位相差素子は、上記波長λ1と上記波長λ2と上記波長λ3の光に対して1/4波長板の機能を有し、上記波長選択性回折素子は、波長λ1と波長λ2の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく透過させ、波長λ3の光に対しては入射光の偏光方向に関係なく回折する機能を有することを特徴とする光ピックアップ。
  5. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記波長選択性アパーチャ素子は、上記波長λ1と上記波長λ2の光を全て透過させ、波長λ3の光の入射光束径に対し出射光束径を制限する機能を有することを特徴とする光ピックアップ。
  6. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記対物レンズは、上記ディスク媒体に近い側の第1レンズと上記ディスク媒体から遠い側の第2レンズとから構成され、該第2レンズの屈折面に同心円状の格子溝が形成されたことを特徴とする光ピックアップ。
  7. 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
    上記対物レンズのレーザ光源側に球面収差を補正する液晶素子を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ピックアップを搭載した光情報再生装置または光情報記録再生装置。
JP2004028902A 2004-02-05 2004-02-05 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置 Expired - Lifetime JP4377253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004028902A JP4377253B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004028902A JP4377253B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005222601A true JP2005222601A (ja) 2005-08-18
JP4377253B2 JP4377253B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=34998115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004028902A Expired - Lifetime JP4377253B2 (ja) 2004-02-05 2004-02-05 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4377253B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007040147A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ヘッド、光ディスク装置、コンピュータ及び光ディスクレコーダ
JP2010165450A (ja) * 2005-01-31 2010-07-29 Asahi Glass Co Ltd 広帯域位相板、偏光回折素子および積層光学素子
US7924683B2 (en) 2004-04-02 2011-04-12 Konica Minolta Opto, Inc. Optical pickup apparatus with objective optical system and guiding optical system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7924683B2 (en) 2004-04-02 2011-04-12 Konica Minolta Opto, Inc. Optical pickup apparatus with objective optical system and guiding optical system
JP2010165450A (ja) * 2005-01-31 2010-07-29 Asahi Glass Co Ltd 広帯域位相板、偏光回折素子および積層光学素子
WO2007040147A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ヘッド、光ディスク装置、コンピュータ及び光ディスクレコーダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4377253B2 (ja) 2009-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4245995B2 (ja) 光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置
KR100782813B1 (ko) 능동형 보정소자 및 이를 채용한 호환형 광픽업 및 광 기록및/또는 재생기기
JP4377253B2 (ja) 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置
JP4363251B2 (ja) 光ピックアップおよび光ディスク装置
JP2005129186A (ja) 光ピックアップ装置
US8045443B2 (en) Optical pickup apparatus
TW200842859A (en) Laser light source device, optical information recording device, and optical information reproducing device
JP4252806B2 (ja) 光ピックアップ及びこれを用いる光情報処理装置
JP2005141884A (ja) 光ピックアップ装置
KR100717024B1 (ko) 호환형 광픽업 및 이를 채용한 광 기록 및/또는 재생기기
JP3570139B2 (ja) 光ピックアップ
JP2000082232A (ja) 光ピックアップ装置
JP2010211842A (ja) 光ピックアップ、光学的情報再生装置および光学的情報記録再生装置
JP2005182861A (ja) 対物レンズ,光ピックアップ装置及び光ディスク装置
JP4459206B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP4652972B2 (ja) 互換系対物レンズユニット、その設計方法及び互換系光ピックアップ
JP2006351090A (ja) 光ピックアップとこれを用いた光情報処理装置
JP2007188577A (ja) 光ピックアップおよび当該光ピックアップを備えた光情報記憶装置
JP2010015658A (ja) 波長板、光学素子、光ピックアップおよび光情報処理装置
JP2005182945A (ja) 光学ヘッド
JP2004103145A (ja) 光ピックアップ及び光情報記録再生装置
WO2013183439A1 (ja) 光ピックアップ装置
JP2000293883A (ja) 光ピックアップ装置
JP2008047200A (ja) 光ピックアップ装置
JP2012119042A (ja) 対物レンズ、及びこれを備えた光学ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090807

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3