JP2005220842A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

車線逸脱防止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005220842A
JP2005220842A JP2004030740A JP2004030740A JP2005220842A JP 2005220842 A JP2005220842 A JP 2005220842A JP 2004030740 A JP2004030740 A JP 2004030740A JP 2004030740 A JP2004030740 A JP 2004030740A JP 2005220842 A JP2005220842 A JP 2005220842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
departure
lane
amount
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004030740A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3979393B2 (ja
Inventor
Satoshi Taya
智 田家
Shinji Matsumoto
真次 松本
Masayasu Shimakage
正康 島影
Hidekazu Nakajima
秀和 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004030740A priority Critical patent/JP3979393B2/ja
Priority to US11/049,972 priority patent/US7778759B2/en
Priority to EP05250622A priority patent/EP1561629B8/en
Publication of JP2005220842A publication Critical patent/JP2005220842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3979393B2 publication Critical patent/JP3979393B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 アクセルペダル操作による駆動力と逸脱回避のための制動力との干渉を回避し且つ車線変更時にヨーモーメントが作用することによるドライバへの違和感を回避する。
【解決手段】 車線逸脱を検知したとき、目標駆動力に相当する擬似アクセル開度Asを低減させると共に、目標ヨーモーメントMsを増大させて、この目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力と駆動力との干渉を回避し、ヨーモーメントによる逸脱回避を図る(ステップS5、S6)。このとき、車線逸脱が検出された時点のアクセル開度Accを初期値A0とし、この時点からのアクセル開度の増加量が増分しきい値ΔA以上となったとき、車線変更であると判断し(ステップS4)、擬似アクセル開度Asを回復させると共に、目標ヨーモーメントMs成分を低減させて(ステップS5、S6)、駆動力を確保すると共にヨーモーメントによる引っ掛かり感等の違和感の発生を回避する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、走行中に自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止するようにした車線逸脱防止装置に関するものである。
従来、この種の技術としては、例えば、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるときに、走行車線の基準位置から自車両の走行位置までの距離である横ずれ量に応じて、制動力アクチュエータを制御し、左右輪のうち逸脱方向とは反対側の車輪に制動力を付加することで自車両の走行車線からの逸脱を防止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−33860号公報
しかしながら、上述のように、左右の車輪に制動力差を与えることにより、車線逸脱を防止するようにしたものにおいては、ドライバのアクセルペダルの操作によって駆動力が印加されている場合には、アクセルペダルの踏込み量に応じた駆動力が発生されている状態で制動力が発生されることになり、駆動力と制動力との間で干渉が生じてしまい、制動力を発生させることによる車線逸脱回避のための制御効果を十分得ることができないという問題がある。
また、ドライバが例えば車線変更を行うため意図的に車線逸脱傾向となった場合等には、意図的な車線逸脱であるにも関わらず車線逸脱回避のための制動力が発生されることになって、ひっかかり感等の違和感をドライバに与える可能性があるという問題がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、車線逸脱防止制御により制動力と駆動力とが干渉することなく車線逸脱回避のための十分な制御効果を得ることができ、且つ意図的な車線変更等の場合であっても、ドライバに違和感を与えることのない車線逸脱防止装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る車線逸脱防止装置は、逸脱検出手段によって自車両が車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、逸脱回避制御手段によって走行車線からの逸脱を回避する方向に車両挙動制御が行われる。また、自車両が車線逸脱傾向にあることが検出されたときには、駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段で発生される駆動力は駆動力抑制手段によって抑制され、逸脱回避制御手段による逸脱制御のための制御力と駆動力とが干渉することが回避され、十分な逸脱回避効果を得ることが可能となる。さらに、このとき、駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に基づいて意図推測手段によって、車線変更の意図の有無が検出され、車線変更の意図があると推測されるときには、駆動力抑制手段による駆動力の抑制が中止され、駆動力要求量に応じた駆動力を発生するよう駆動力の回復が行われる。
このため、車線変更の意図があるときには駆動力要求量に応じた駆動力が確保されるから、車線変更の意図に即した加速を実現することが可能となる。
本発明に係る車線逸脱防止装置によれば、自車両が車線逸脱傾向にあるときには、走行車線からの逸脱を回避する方向に車両挙動を制御すると共に、駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制するから、車線逸脱回避のため車両挙動を制御するための制御力と駆動力
発生手段で発生される駆動力とが干渉することを回避し、逸脱回避制御手段による制御効果を十分得ることができる。また、駆動力要求量に基づいて車線変更の意図があると予測されるときには、駆動力の抑制を中止し、駆動力発生手段で発生される駆動力を回復させるようにしたから、車線変更時の駆動力を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。なお、この車両は、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
図1中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、ドライバによるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介挿されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述する車両状態コントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述した車両状態コントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
また、この車両には、自車両の走行車線からの逸脱判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための前方外界認識センサとして、CCDカメラ等で構成される単眼カメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、単眼カメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角θ、すなわち走行車線に対する自車両の向き、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β等を算出することができるように構成されている。
なお、このカメラコントローラ14は、レーンマーカ等を検出するための走行車線検出エリアを用いて走行車線検出を行い、その検出された走行車線に対して前記各データを算出する。走行車線の検出には、例えば特開平11−296660号公報に記載される手法を用いることができる。
具体的には、自車両が走行している走行車線の両側の白線等のレーンマーカを検出し、そのレーンマーカを用いて自車両が走行している走行車線を検出する。ここで、撮像され
た画像全域で白線等のレーンマーカを検出する(走査する)と、演算負荷も大きいし、時間もかかる。そこで、レーンマーカが存在しそうな領域に、更に小さな検出領域(いわゆるウィンドウ)を設定し、その検出領域内でレーンマーカを検出する。一般に、車線に対する自車両の向きが変わると、画像内に映し出されるレーンマーカの位置も変わるので、例えば前記特開平11−296660号公報では、操舵角δから車線に対する自車両の向きを推定し、画像内のレーンマーカが映し出されているであろう領域に検出領域を設定する。
そして、例えばレーンマーカと路面との境界を際立たせるフィルタ処理などを施し、各レーンマーカ検出領域内において、最もレーンマーカと路面との境界らしい直線を検出し、その直線上の一点(レーンマーカ候補点)をレーンマーカの代表的な部位として検出する。このようにして得られた各ウインドウのレーンマーカ候補点を連続すると、自車両前方に展開している走行車線を検出することができる。
また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφを検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、いわゆるマスタシリンダ圧Pmを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が備えられ、それらの検出信号は前記車両状態コントロールユニット8に出力される。
また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線に対する自車両のヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、駆動トルクコントロールユニット12で制御された車輪軸上での駆動トルクTwも合わせて車両状態コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とする。即ち、ヨーレートφや横加速度Yg、操舵角δ、ヨー角θは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
また、運転席近傍には、前記車両状態コントロールユニット8によって車線逸脱が検知された場合にこれをドライバに警告するための、警告用のモニタ23が設けられている。このモニタ23には、音声やブザー音を発生するためのスピーカが内蔵され、表示情報及び音声情報によってドライバに警告を発するようになっている。
次に、前記車両状態コントロールユニット8で行われる演算処理の処理手順を図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサや各コントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ、各車輪速度Vwi、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm、操舵角δ、方向指示スイッチ信号、カメラコントローラ14からの走行車線に対する自車両のヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読込む。
次に、ステップS2に移行し、逸脱推定値として将来の推定横変位Xsを算出する。具
体的には、前記ステップS1で読込んだ自車両の走行車線に対するヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β及び自車両の走行速度Vを用い、下記(1)に従って将来の推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt×V×(θ+Tt×V×β)+X ……(1)
なお、式(1)において、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位Xsが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断する。
また、前記自車両の走行速度Vは、前記ステップS1で読み込まれた各車輪速度Vwi(i=FL〜RR)のうち、非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から算出する。
なお、ここでは、前左右輪速度VwFL、VwFRに基づいて走行速度Vを算出するようにした場合について説明したが、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御手段が搭載されており、このABS制御手段によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにすればよい。
次にステップS3に移行し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かの判断を行う。具体的には、前記ステップS2で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの比較結果に応じて判断する。
そして、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値XsとがXs≧Xcである場合には左に逸脱すると判断し、逸脱判断フラグをFLD=ONに設定する。また、Xs≦−Xcである場合には右に逸脱すると判断し、同様に逸脱判断フラグをFLD=ONに設定する。また、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しない場合には、逸脱していないと判断し逸脱判断フラグをFLD=OFFに設定する。
ここで、前記逸脱判断しきい値Xcは定数であって、例えば、走行車線幅Lの半分値から自車両の車幅L0の半分値を減じた値と、例えば、0.8〔m〕とのうちの何れか小さい方を用いることができる。前記走行車線幅Lは固定値(例えば高速道の車線幅3.35〔m〕)としてもよいし、ナビゲーション情報等により自車両の位置を地図データから車線幅の情報として取り込むことで、走行している道路に応じて変更するようにしてもよい。また、インフラシステムにより、道路に埋め込まれたマーカ等に基づいて検出した、自車両の逸脱方向の車線区分線までの距離“L/2−Xs”を、路車間通信等により得ることができる場合には、この情報を用いるようにしてもよい。
次いで、ステップS4に移行し、アクセル開度Accに基づいてドライバに車線変更の意図があるかどうかを判断する。具体的には、図3に示すように、逸脱判断フラグFLDがONに切り替わった時点におけるアクセル開度Accを初期値A0とし、この演算処理の処理周期毎に読み込まれるアクセル開度Accが、“初期値A0+ΔA”以上となったときに車線変更と判断する。そして、その後アクセル開度Accが初期値A0以下となったとき、車線変更の終了又は中断と判断する。
つまり、ドライバに車線変更の意思がある場合には、車線変更に際し通常加速を行うことから、アクセルペダルの操作量が増分しきい値ΔA以上変動し、車線逸脱検知後、アクセルペダルが踏み増しされたとみなすことができる場合には、車線変更を行う意思があると判断することができる。逆に、アクセルペダルの操作量の変動分が増分しきい値ΔAを超えない場合には、アクセルペダルが踏み増しされていないとみなすことができるから、車線変更ではないと判断することができる。
なお、ここでは、アクセル開度Accが初期値A0以下となったときに、車線変更終了又は中断と判断するようにした場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば、初期値A0+増分しきい値ΔAよりも小さな任意の値となったときに、車線変更終了又は中断と判断するようにしてもよい。
そして、車線変更と判断した場合には車線変更フラグFLCを“ON”に設定し、車線変更の終了又は中断と判断されたときには車線変更フラグFLCを“OFF”に設定する。なお、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”である時には車線変更フラグFLCは“OFF”とする。また、この逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には、逐次アクセル開度Accを前記初期値A0として更新するようになっている。
なお、ここでは、アクセル開度Accが初期値A0以下となった時点で車線変更フラグFLCを“OFF”に設定するようにしているが、例えば逸脱判断フラグFLDが“OFF”となった時点で車線変更フラグFLCを“OFF”に設定するようにしてもよい。
また、前記アクセル開度の増分しきい値ΔAは、固定値としてもよく、また、例えば、図4(a)に示すように、アクセル開度Accに応じて増分しきい値ΔAを変化させるようにしてもよく、同様に、図4(b)に示すように、自車両の車速Vに応じて変化させるようにしてもよい。
なお、図4(a)において、横軸はアクセル開度Acc、縦軸はアクセル開度の増分しきい値ΔAであって、この増分しきい値ΔAは、アクセル開度が比較的小さい領域では、比較的小さな一定値に設定され、アクセル開度Accが増加するに伴ってこれに比例して増分しきい値ΔAも増加し、アクセル開度Accが比較的大きな領域では、比較的大きな一定値に設定されるようになっている。
同様に、図4(b)において、横軸は車速V、縦軸はアクセル開度の増分しきい値ΔAであって、増分しきい値ΔAは、車速Vが比較的小さい領域では、比較的小さな一定値に設定され、車速Vが増加するに伴ってこれに比例して増分しきい値ΔAも増加し、車速Vが比較的大きな領域では、比較的大きな一定値に設定されるようになっている。
つまり、通常、ドライバがアクセルペダルの踏込み量を一定に維持しようとした場合であってもふらつきが生じるため、アクセル開度Accはアクセルペダル踏込み時のふらつきに応じた範囲で変動することになる。このとき、アクセルペダルの踏込み量に対するアクセル開度Accの特性から、アクセル開度Accが大きいときほどアクセルペダル踏込み時のふらつきに伴うアクセル開度Accの変動が大きくなる。
このため、アクセル開度の増分しきい値ΔAを固定値とした場合、アクセル開度Accの大きさによっては、アクセルペダル踏込み時のふらつきに伴うアクセル開度Accの変動が、アクセル開度の増分しきい値ΔA以上となる場合があり、実際にはアクセルペダルを踏み増ししていないにも関わらず踏み増しされたと誤判断し、車線変更の意思があると誤判断する場合がある。そこで、前述のように、アクセル開度Accに応じて増分しきい値ΔAを変更することにより、アクセルペダル踏込み時のふらつきに起因するアクセル開度Accの変動分がアクセル開度Accに応じて変化する場合であっても、踏み増しが行われたかどうかを的確に判断することができ、すなわち、車線変更の意思があるかどうかを的確に検出することができる。
そして、一定速走行の場合、車速Vが低い程アクセル開度Accは小さく、車速Vが高いほどアクセル開度Accが大きくなることから、車速Vに応じてアクセル開度の増分しきい値ΔAを変化させる場合も同様の作用効果を得ることができる。
次いで、ステップS5に移行し、目標駆動力を算出する。具体的には、目標駆動力に相当するアクセル開度である擬似アクセル開度Asを算出する。この擬似アクセル開度As
は、逸脱判断フラグFLDと、車線変更フラグFLCとに応じて、ステップS1で読み込んだアクセル開度センサ18からのアクセル開度Accに基づいて算出する。
具体的には、図5に示すように、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ車線変更フラグFLCが“OFF”である場合には、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点におけるアクセル開度Accを前記と同様に初期値A0とし、このアクセル開度Accの初期値A0から徐々に零まで減少する値を擬似アクセル開度Asとして設定する。
また、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ車線変更フラグFLCが“ON”である場合には、逸脱判断フラグFLD及び車線変更フラグFLCが共に“ON”となった時点における擬似アクセル開度Asから、逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致するまで徐々に増加する値を擬似アクセル開度Asとして設定し、擬似アクセル開度Asが逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致したならば、以後逐次読み込まれるアクセル開度Accを擬似アクセル開度Asとして設定する。
さらに、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となった時点における擬似アクセル開度Asから逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致するまで徐々に増加する値を擬似アクセル開度Asとして設定する。
このようにして、擬似アクセル開度Asを算出したならばステップS6に移行し、車線逸脱を抑制するために車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。ここでは、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には目標ヨーモーメントをMs=0とし、前記逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときにのみ、ステップS2で算出した推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差(つまり逸脱量)に基づき目標ヨーモーメントMsを算出し、Xs≧Xcの場合には次式(2)を参照し、Xs≦−Xcの場合には次式(3)を参照して目標ヨーモーメントMsを算出する。なお、ここでは、反時計周り方向のヨーモーメントを正とする。
なお、式中のK1は車両諸元から決まる比例係数、K2は、自車両の走行速度Vに応じて設定される比例係数、KasはステップS5で算出された擬似アクセル開度Asに応じて設定される補正ゲインであって、例えば、図6に示すように設定される。
Ms=−K1×K2×Kas×(Xs−Xc) ……(2)
Ms=−K1×K2×Kas×(Xs+Xc) ……(3)
なお、図6において、横軸はステップS5で算出された擬似アクセル開度As、縦軸は補正ゲインKasであって、この補正ゲインKasは、擬似アクセル開度Asに相当する駆動力と目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力との干渉を回避するように設定される。つまり、図6に示すように、補正ゲインKasは、擬似アクセル開度Asが第1のしきい値As1以下である領域では100〔%〕に設定され、擬似アクセル開度Asが増加するにつれてこれに反比例して補正ゲインKasは減少し、擬似アクセル開度Asが第1のしきい値As1よりも大きい第2のしきい値As2よりも大きい領域では補正ゲインKasは0〔%〕に設定される。
このようにして、目標ヨーモーメントMsを算出したならばステップS7に移行し、目標制動力を算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pm及び、前記ステップS6で算出した目標ヨーモーメントMsに基づいて、各車輪への目標制動流体圧PSiを算出する。
まず、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグがFLD=OFFである場合には、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PsFL、PsFRは共に、マスタシリンダ圧Pmとなり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PsRL、PsRRは共に後輪用マス
タシリンダ圧PmRとなる。
一方、前記逸脱判断フラグがFLD=ONである場合には、前記目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて場合分けを行う。すなわち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0未満であるときには後左右輪の制動力にだけ差を発生させ、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0以上であるときには前後左右輪の制動力に差を発生させる。したがって、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPsFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPsRは次式(4)で設定される。なお、式(4)中のTは、トレッド(前後輪で同じとする)、また、式(4)及び後述の(5)、(6)式中のKbF、KbRはそれぞれ、制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
ΔPsR=2×KbR×|Ms|/T ……(4)
同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPsFは次式(5)で、また後左右輪目標制動流体圧差ΔPsRは次式(6)で与えられる。
ΔPsF=2×KbF×(|Ms|−Ms0)/T ……(5)
ΔPsR=2×KbR×Ms0/T ……(6)
なお、ここでは、前後輪をそれぞれ制御するようにした場合について説明したが、例えば前輪のみで制御するようにしてもよく、この場合には、ΔPsF=2×KbF×|Ms|/Tとするようにしてもよい。
したがって、前記目標ヨーモーメントMsが負値であるとき、すなわち、自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは次式(7)で与えられる。
PsFL=Pm
PsFR=Pm+ΔPsF
PsRL=PmR
PsRR=PmR+ΔPsR ……(7)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMsが正値であるとき、すなわち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは下記(8)式で与えられる。
PsFL=Pm+ΔPsF
PsFR=Pm
PsRL=PmR+ΔPsR
PsRR=PmR ……(8)
このようにして目標制動力を算出したならば、ステップS8に移行し、前記ステップS5で算出した擬似アクセル開度Asに応じた駆動力を発生するよう、前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて制御信号を出力する。
つまり、図5に示すように、逸脱判断フラグFLDが“OFF”であって車線逸脱傾向にない場合にはアクセル開度Accに応じた駆動力を発生させるが、逸脱判断フラグFLDが“ON”であって車線逸脱傾向にある場合には駆動力を減少させる。このとき、車線変更フラグFLCが“ON”となって車線変更中であると判断されるときには、駆動力をアクセル開度Accに応じた駆動力まで徐々に増加させ、アクセル開度Accに応じた駆動力を発生するようにする。
次いで、ステップS8に移行して、前記ステップS7で算出した各車輪の目標制動流体
圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記車線逸脱フラグFLDが“ON”であり且つ車線変更フラグFLCが“OFF”である場合には、警告用のモニタ23を作動させる等の処理を行って、車線逸脱傾向にあることを通知する。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
今、自車両が走行車線中央を走行している場合には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグはFLD=OFFに設定される(ステップS3)。したがって、逸脱判断フラグがFLD=OFFであるから目標ヨーモーメントはMs=0に設定され、逸脱防止のためのヨーモーメントは発生されない。つまり、自車両が車線逸脱傾向にない場合には、逸脱防止のためのヨーモーメントが作用することはない。
また、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合、前回の擬似アクセル開度Asがアクセル開度Accと一致している場合には、擬似アクセル開度Asは引き続き、逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致するように設定されるから、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生されることになり、ドライバの運転操作に即した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグがFLD=ONに設定される(ステップS3)。これに伴い、この時点におけるアクセル開度Accが、車線変更判定のためのアクセル開度の初期値A0として設定される。このとき、ドライバに車線変更の意思がなく、意図せず車線逸脱傾向になっている場合等には、その後のアクセル開度Accの変動は小さい。したがって、アクセル開度Accが初期値A0+ΔAよりも小さい場合には、車線変更フラグFLCは“OFF”を維持することから、擬似アクセル開度Asとして、前記初期値A0から徐々に減少する値が設定され、やがて擬似アクセル開度As=0となる。
また、この擬似アクセル開度Asの減少に伴って、図6に示すように、補正ゲインKasが0〔%〕から徐々に増加しやがて100〔%〕となる。そして、擬似アクセル開度Asに応じて駆動力が発生され、また、補正ゲインKasに応じて目標ヨーモーメントMsが算出されることから、車線逸脱と判断されると、アクセルペダルの操作量に対して、実際に発生される駆動力は徐々に減少しやがて零となって駆動力が抑制されるのに対し、駆動力の低下に伴って、補正ゲインKasによって制限されていた目標ヨーモーメントMsは徐々に大きくなって、車線逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMsを発生するよう制動力制御が行われることになる。
つまり、車線逸脱と判断され、これを回避するための目標ヨーモーメントMsを発生させるために制動力制御が行われている状態では、アクセルペダルの操作が行われている状態であっても駆動力を低減するようにしているから、アクセルペダルの操作に伴う駆動力と車線逸脱を回避するための制動力とが干渉することはなく、車線逸脱に必要とする目標ヨーモーメントMsを確実に発生させることができ、車線からの逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
そして、目標ヨーモーメントMsを発生させること、或いはドライバが操舵操作を行う等によって逸脱傾向から回復し、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となると、擬似アクセル開度Asは零から逐次読み込まれるアクセル開度Accまで徐々に増加する。そして、擬似アクセル開度Asが増加することからこれに伴って補正ゲインKasが低下し、目標ヨーモーメントMsが抑制される。また、擬似アクセル開度Asの増加に伴って目標アクセルペダルの操作量に対して実際に発生する駆動力が徐々に回復してやがてアクセルペダル
の操作量に応じた駆動力が発生されるようになる。
このように、車線逸脱傾向にあって目標ヨーモーメントMsを発生させる場合には、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力を発生させるのではなく、駆動力を低減させるようにしているから、目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力と駆動力とが干渉することを回避し、車線逸脱回避のための制御効果を十分得ることができる。また、このとき、擬似アクセル開度Asに応じて目標ヨーモーメントMsを抑制状態から回復するようにしているから駆動力を低下する一方目標ヨーモーメントMsを回復させることができ、駆動力と目標ヨーモーメントMsを発生させるために必要な制動力との干渉を的確に回避することができる。
一方、ドライバが車線変更を目的として操舵操作を行うと共にアクセルペダルを踏み込んだ場合には、図5に示すように、車線逸脱傾向であると判断されて逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点のアクセル開度Accが初期値A0として設定される。そして、車線変更初期のアクセル開度Accの変動量が小さい時点では、“初期値A0+アクセル開度増分しきい値ΔA”よりも、アクセル開度Accが小さいから、この時点では車線変更の意図があるとは判断されず、車線変更フラグFLCは“OFF”に維持される。
したがって、擬似アクセル開度Asが初期値A0から徐々に零となるように設定されるため目標駆動力は徐々に小さくなるが、擬似アクセル開度Asの低下に伴って補正ゲインKasが増加するから目標ヨーモーメントMsは徐々に大きくなり、車線逸脱回避のためのヨーモーメントが徐々に自車両に作用すると共にこれにつれて駆動力が小さくなる。
そして、アクセル開度Accの変動量がΔA以上となると、この時点で、ドライバに車線変更の意思があると判断され車線変更フラグFLCが“ON”に設定される。
このため、擬似アクセル開度Asは、図5に示すように徐々に増加しやがて逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致するように設定され、これに伴って、補正ゲインKasは図6に示すように、100〔%〕から徐々に減少しやがて0〔%〕となるように設定されることから、目標ヨーモーメントMsは、徐々に減少することになる。
したがって、車線変更フラグFLCが“ON”となると駆動力が増加し逆に目標ヨーモーメントMsは抑制されるから、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生されると共にヨーモーメントの発生が抑制されやがて零となることになって、車線変更中に、車線逸脱を回避するためのヨーモーメントが作用することはないから、このヨーモーメントの発生に起因して引っ掛かり感等といった違和感をドライバに与えることなく、ドライバの車線変更意思に即した走行状態を実現することができる。
そして、この状態から、車線変更が終了し車線変更先の車線の中央よりを走行する状態となり自車両の車線逸脱量Xsが車線逸脱しきい値Xcよりも小さくなると、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となり、これに伴って車線変更フラグFLCが“OFF”となる。
このため、目標ヨーモーメントMsは零となり、また、擬似アクセル開度Asはアクセル開度Accに設定されることから、以後、ドライバのアクセルペダル操作に応じた走行状態に復帰する。
このように、車線逸脱検出時のアクセル開度Accの変化状況からドライバに車線変更の意図があるかどうかを判断し、車線変更の意図がある場合には、目標ヨーモーメントMsを抑制し、アクセルペダルの踏込み量に応じた駆動力を発生させるようにしているから、車線変更の目的で車線逸脱傾向となっているのにも関わらず、車線逸脱回避のためのヨーモーメントが作用することによってドライバにひっかかり感等といった違和感を与えることを回避することができる。
また、このとき、目標ヨーモーメントMsを発生させる場合には、アクセル開度Accに応じた駆動力に対しこれを低減するようにしているから、ドライバの要求駆動力と、目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力とが干渉することを回避することができ、車線逸脱回避のためのヨーモーメントを確実に発生させ、逸脱回避のための制御効果を十分得ることができる。
また、このとき、擬似アクセル開度Asを、図5に示すように所定の変化割合で徐々に変化させるようにし、また、この擬似アクセル開度Asに応じて設定される補正ゲインKasを図6に示すように所定の変化割合で変化させるようにしているから、車線逸脱や車線変更を検出したときに、これらに基づいて算出される目標駆動力や目標ヨーモーメントMsが大きく変動することを抑制し、車両挙動が大きく変動することを回避することができる。
また、ドライバに車線変更の意思があるかどうかの判断を、例えば方向指示スイッチの操作信号に基づいて行うようにした場合、車線変更の意思がないにも関わらず方向指示スイッチが操作されたような状態においては車線変更の意思があると誤判断してしまう場合があるが、上述のように、車線逸脱検出時のアクセル開度Accの変化状況に基づいて行うようにしているから、実際に車線変更を行う状態となった時点で車線変更の意思があると判断することができ、車線変更の意図を的確に判断し、ドライバの意図に即してより的確に制御を行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、車線変更を検出した場合には、駆動力を回復させる一方、ヨーモーメントを低減するようにした場合について説明したが、例えば、駆動力の回復のみ、或いはヨーモーメントの低減のみを行うようにしてもよい。しかしながら、駆動力の回復のみを行う場合には、駆動力とヨーモーメントを発生させるための制動力とが干渉する傾向となり、また、ヨーモーメントの低減のみを行うようにした場合には駆動力が不足傾向となる可能性があることから、上述のように、駆動力を回復させ且つヨーモーメントを低減することが望ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順が異なること以外は上記第1の実施の形態と同様であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態では、図7のフローチャートに示す手順で演算処理を行う。ステップS11からステップS13の処理は上記第1の実施の形態の図2のステップS1からステップS3の処理と同様であって、まず各種データを読み込み(ステップS11)、これらデータに基づき推定横変位Xsを算出し(ステップS12)、車線逸脱判断を行う(ステップS13)。
次いでステップS14に移行し、目標駆動力に相当するアクセル開度である、擬似アクセル開度As2を算出する。具体的には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、擬似アクセル開度As2としてアクセル開度Accを設定する。また、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合には、次式(9)から算出する。
As2=Ka1×Acc ……(9)
なお、式(9)中のKa1は補正ゲインであって、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点でのアクセル開度を初期値A0としたときの初期値A0からのアクセル開度の増加量ΔAccに基づいて設定され、例えば、図8に示すように設定される。この図8において、横軸はアクセル開度増加量ΔAcc、縦軸は補正ゲインKac1である。
そして、図8に示すように、アクセル開度増加量ΔAccが踏み増し方向、つまり増加
方向に変化する場合には、アクセル開度増加量ΔAccが比較的小さい第1のしきい値ΔAcc1以下の領域では補正ゲインKac1は0〔%〕に設定され、アクセル開度増加量ΔAccが増加するに応じてこれに比例して補正ゲインKac1は増加し、アクセル開度増加量ΔAccが前記第1のしきい値ΔAcc1よりも大きな第2のしきい値ΔAcc2以上の領域では、補正ゲインKac1は100〔%〕に設定される。また、アクセルペダルを戻す方向にアクセル開度が変化した場合には、補正ゲインKac1は0〔%〕に設定される。
つまり、車線逸脱傾向にあり且つアクセル開度の増加量ΔAccが比較的大きいときには車線変更の可能性が高いとして補正ゲインKac1を100〔%〕に設定し、擬似アクセル開度As2つまり目標駆動力としてアクセル開度Accに応じた駆動力を設定し、アクセル開度Accに応じた駆動力を発生させる。一方、車線逸脱傾向にあり且つアクセル開度の増加量ΔAccが比較的小さいときには車線変更の可能性は低く、車線逸脱傾向の可能性があるとして補正ゲインKac1を100〔%〕よりも小さな値に設定し、擬似アクセル開度As2つまり目標駆動力として、アクセル開度Accに応じた駆動力に対しこれを抑制した値を目標駆動力として設定し、駆動力の低減を図る。
なお、前記逸脱判断フラグFLDの変化に応じて擬似アクセル開度As2を変更する場合には、上記第1の実施の形態と同様に、擬似アクセル開度As2の変化量を制限し、目標駆動力が大きく変化しないように徐々に変化させるようになっている。
そして、このようにして擬似アクセル開度As2を算出したならば、ステップS15に移行し、車線逸脱を回避するために車両に発生させる目標ヨーモーメントMs2を算出する。すなわち、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には、目標ヨーモーメントMs2は零とし、逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときのみ、ステップS12で算出した推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差(つまり逸脱量)に基づき目標ヨーモーメントMs2を算出する。具体的には、推定横変位Xsが逸脱判定しきい値Xc以上の場合には次式(10)に基づいて算出し、推定横変位Xsが逸脱判定しきい値−Xc以下の場合には次式(11)に基づいて算出する。なお、ここでは、反時計周り方向のヨーモーメントを正とする。
なお、上記第1の実施の形態と同様に、式中のK1は車両諸元から決まる比例係数、K2は、自車両の走行速度Vに応じて設定される比例係数である。また、Kac2は、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点におけるアクセル開度を初期値A0としたときのアクセル開度の増加量ΔAccに応じて設定される補正ゲインであって、例えば、図9に示すように設定される。
Ms2=−K1×K2×Kac2×(Xs−Xc) ……(10)
Ms2=−K1×K2×Kac2×(Xs+Xc) ……(11)
なお、図9において、横軸はアクセル開度の増加量ΔAcc、縦軸は補正ゲインKac2であって、補正ゲインKac2は、図9に示すように、アクセル開度増加量ΔAccが踏み増し方向、つまり増加方向に変化する場合には、アクセル開度増加量ΔAccが比較的小さい第1のしきい値ΔAcc11以下の領域では補正ゲインKac2は100〔%〕に設定され、アクセル開度増加量ΔAccが増加するに応じてこれに反比例して補正ゲインKac2は減少し、アクセル開度増加量ΔAccが第1のしきい値ΔAcc11よりも大きい第2のしきい値ΔAcc12以上の領域では補正ゲインKac2は0〔%〕に設定される。また、アクセルペダルを戻す方向にアクセル開度が変化した場合には、補正ゲインKac2は100〔%〕に設定される。
つまり、車線逸脱傾向にあり且つアクセル開度の増加量ΔAccが大きく、車線変更の可能性が高いと予測されるときには、補正ゲインKac2を0〔%〕に設定して目標ヨーモーメントMs2を零に抑制し、車線変更時にヨーモーメントが作用することを回避する。
一方、車線逸脱傾向にあり且つアクセル開度の増加量ΔAccが比較的小さく、車線変更の可能性が小さく鎖線逸脱の可能性が高いと予測されるときには、補正ゲインKac2を0〔%〕よりも大きな値に設定し、目標ヨーモーメントMs2を抑制せず、ヨーモーメントを発生させることにより自車両の車線からの逸脱回避を速やかに図る。
このようにして、目標ヨーモーメントMs2を算出したならばステップS16に移行し、目標制動力を算出する。具体的には、上記第1の実施の形態におけるステップS7の処理と同様にして算出し、ステップS7の処理における目標ヨーモーメントMsを目標ヨーモーメントMs2に置き換え、上記と同様にして算出する。
次いで、ステップS17に移行し、上記第1の実施におけるステップS8の処理と同様にして前記ステップS14で算出した擬似アクセル開度Ac2に応じた駆動力を発生するよう、前記駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。
次いで、ステップS18に移行して、前記ステップS16で算出した各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記車線逸脱フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させる等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
今、自車両が走行車線中央を走行している場合には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグはFLD=OFFに設定される(ステップS13)。したがって、逸脱判断フラグがFLD=OFFであるから、目標ヨーモーメントはMs=0に設定され、また、アクセル開度Accに応じた駆動力に対し駆動力の抑制は行われないから、逸脱防止のためのヨーモーメントが作用することはなく、また、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生されることになり、ドライバの操作に即した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグがFLD=ONに設定される(ステップS13)。これに伴い、この時点におけるアクセル開度Accが、車線変更判定のためのアクセル開度の初期値A0として設定される。
このとき、ドライバに車線変更の意思がなく、意図せず車線逸脱傾向になっている場合には、アクセル開度Accの変動は比較的小さいから、アクセル開度Accの増加量ΔAccは小さい。したがって、擬似アクセル開度As2の算出に用いる補正ゲインKac1は図8に示すように0〔%〕近傍の値に設定されることから、アクセル開度Accが零近傍の値に抑制されてこれが擬似アクセル開度As2として設定される(ステップS14)。また、アクセル開度Accの増加量ΔAccが小さいことから、目標ヨーモーメントMsの算出に用いる補正ゲインKac2は、図9に示すように、100〔%〕近傍の値に設定されることから、自車両の逸脱量に応じて算出される目標ヨーモーメントMsはそれほど抑制されない(ステップS15)。
したがって、車線逸脱量を抑制するために十分なヨーモーメントMsが発生されると共に、アクセル開度Accに応じた駆動力の発生は抑制され、車線逸脱を回避するための目標ヨーモーメントを発生させるための制動力とドライバの要求する駆動力とが干渉することが回避され、結果的に、車両には車線逸脱の回避に必要な目標ヨーモーメントが作用することになって、車線逸脱回避のための制御効果を十分得ることができる。
そして、目標ヨーモーメントMsを発生させること、或いはドライバが操舵操作を行う等によって逸脱傾向から回復し、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となると、擬似アクセル開度As2は零から逐次読み込まれるアクセル開度Accに徐々に増加するよう設定され、また、目標ヨーモーメントMsは零に設定される。したがって、ヨーモーメントの発
生が終了し、擬似アクセル開度As2の増加に伴ってアクセル開度Accに対して実際に発生する駆動力が徐々に回復してやがてアクセル開度Accに応じた駆動力が発生されるようになる。
また、このとき、車線逸脱傾向にある状態で、ドライバがこれを認識しアクセルペダルを戻し方向に操作した場合には、図8に示すように補正ゲインKac1は、徐々に小さくなり、さらに、初期状態よりも戻した場合には0〔%〕に維持されることから、アクセルペダルが戻し方向に操作されたとしても車線逸脱傾向にある場合には駆動力は抑制される。同様に、アクセルペダルが戻し方向に操作された場合、図9に示すように補正ゲインKac2は徐々に大きくなり初期状態よりもさらに戻した場合には100〔%〕に維持されることから、アクセルペダルが戻し方向に操作されたとしても車線逸脱傾向にある場合にはこの車線逸脱を抑制するために十分な目標ヨーモーメントMsが発生されることになる。また、このとき、目標ヨーモーメントMsは確保しつつ、駆動力は低減するようにしているから、この場合も目標ヨーモーメントを発生させるための制動力と駆動力とが干渉することはなく、ヨーモーメントによる逸脱回避のための制御効果を十分確保することができる。
一方、ドライバが車線変更を目的として操舵操作を行いまたアクセルペダルを踏み込んだ場合には、車線逸脱傾向であると判断されて逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点のアクセル開度Accが初期値A0として設定される。そして、車線変更初期のアクセル開度Accの変動量が小さい時点では、そのアクセル開度増加量ΔA0が小さいから、この時点では、擬似アクセル開度As2の算出に用いる補正ゲインKac1は比較的小さな値に設定され、また、目標ヨーモーメントMsの算出に用いる補正ゲインKac2は比較的大きな値に設定される。このため、車線逸脱量の応じた目標ヨーモーメントMsが発生され逆に駆動力は抑制されることになるが、車線変更に伴うアクセルペダルの踏込みに伴ってその増加量ΔAccが増大すると、これに伴って補正ゲインKac1は増加して100〔%〕近傍の値となり、逆に補正ゲインKac2は零〔%〕近傍の値となるから、目標ヨーモーメントMsは抑制され逆に擬似アクセル開度As2の抑制が解除される。
したがって、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生されるようになり、逆に目標ヨーモーメントMsは抑制されて発生されないから、駆動力と目標ヨーモーメントMsの発生に伴う制動力とが干渉することが回避されると共に、車線変更に必要な十分な駆動力が発生されることになり、逆に車線変更時にヨーモーメントが作用することに起因してドライバに違和感を与えることを回避することができる。
そして、この状態から、車線変更が終了し車線変更先の車線の中央の近傍を走行する状態となり自車両の車線逸脱量Xsが車線逸脱しきい値Xcより小さくなると、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となり、目標ヨーモーメントMsは零、また、擬似アクセル開度As2としてアクセル開度Accが設定されることから、これ以後、ドライバのアクセルペダル操作に応じた走行状態に復帰する。
したがって、この第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この場合も、図8、図9に示すように、補正ゲインKac1、Kac2の変化量を制限するようにしているから、これらに基づいて算出される擬似アクセル開度As、目標ヨーモーメントMsの変化量を制限することができ、車線逸脱検出時や、車線変更時における駆動力やヨーモーメントの急変を回避することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、車両状態コントロールユニ
ット8で実行される演算処理が異なること以外は同様であるので、同一部の詳細な説明は省略する。
図10は、第3の実施の形態における演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、前記第1の実施の形態と同一部の詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態における演算処理では、図10に示すように、まず、ステップS21からステップS23の処理を、上記第1の実施の形態の図2のステップS1〜3の処理と同様にして行い、各種データを読み込み、これに基づいて推定横変位Xsを算出し、さらに、車線逸脱判断を行うが、さらに、前記ステップS21の処理では、前記アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmを算出する。
次いで、ステップS24に移行し、ステップS21で算出した、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmに基づいて車線変更の判断を行う。
具体的には、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点における要求駆動力τmを初期値τdとし、逐次読み込まれる要求駆動力τmと初期値τdとの差が所定値Δτ以上となったときに車線変更と判断し、車線変更フラグFLCをFLC=ONに設定する。そして、車線変更と判断された後、要求駆動力τmがその初期値τd以下となったときに、車線変更の中断又は終了と判断し、車線変更フラグFLCをFLC=OFFに設定する。なお、この車線変更フラグFLCは逸脱判断フラグFLDがFLD=OFFとなったとき、FLC=OFFに設定するようにしてもよい。
なお、ここでは、要求駆動力τmが、逸脱判断フラグFLDが“ON”となったときの初期値τd以下となったときに車線変更フラグFLCを“OFF”に切り替えるようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、“初期値τd+増分しきい値Δτ”よりも小さな任意の値よりも小さくなったときに車線変更フラグFLCを“OFF”に切り替えるようにしてもよく、また、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”となった場合に車線変更フラグFLCを“OFF”に切り替えるようにしてもよい。また、車線変更判断に用いる要求駆動力増分しきい値Δτ0は固定値としてもよく、また、上記第2の実施の形態におけるアクセル開度の増分しきい値ΔAの場合と同様に、要求駆動力τmや車速等に応じて変化させるようにしてもよい。
次いで、ステップS25に移行し、車線逸脱を回避するために必要な減速量を得るための制動力を作用させた場合に、要求駆動力τmに応じて発生される駆動力と互いに反発すると予測される反発力に相当する制駆動力反発力τcを算出する。ここでは、逸脱判断フラグFLD、車線変更フラグFLC、及び、自車両の車線からの逸脱量(Xs−Xc)に基づいて算出する。つまり、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ、車線変更フラグFLCが“OFF”である場合には、推定横変位Xsがそのしきい値Xc以上である場合には、次式(12)にしたがって算出し、推定横変位Xsがそのしきい値−Xc以下である場合には、次式(13)にしたがって算出する。また、車線逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ車線変更フラグFLCが“ON”であるとき、また、車線逸脱判断フラグFLDが“OFF”であるときには、制駆動力反発力τcは零とする。
τc=K21×K22×|Xs−Xc| ……(12)
τc=K21×K22×|Xs+Xc| ……(13)
なお、車線変更フラグFLCや逸脱判断フラグFLDの切り替わりに伴って制駆動力反発力τcの値を変更する場合には、その変化量に制限を設け、徐々に変化するよう制駆動力反発力τcを設定する。なお、式(12)及び(13)中のK21は車両諸元によって定まる比例係数、K22は車速に応じて変動する比例係数である。
次いで、ステップS26に移行し目標駆動力τsを算出する。この目標駆動力τsは、
前記ステップS21で算出した要求駆動力τm、ステップS25で算出した制駆動力反発力τcに基づいて算出する。具体的には、制駆動力反発力τcが、要求駆動力τmを制限すること及びエンジンブレーキ力を発生させることで達成可能な範囲である場合には、要求駆動力τmから制駆動力反発力τcを差し引いて算出し、達成可能な範囲以上である場合には目標駆動力τsとしてエンジンブレーキ力相当でリミットをかけ、不足分については、制動力を制御することによって達成する。
つまり、逸脱判断フラグFLDが“OFF”のときには、駆動力を制限する必要はないから目標駆動力τsとしてアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmを設定する。一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合には場合わけを行い、制駆動力反発力がτc≦τm+τeを満足する場合には、目標駆動力τsを次式(14)により算出し、τc>τm+τeを満足する場合には次式(15)により算出する。なお、τeは、この時点で期待することの可能なエンジンブレーキ力の絶対値であって、この時点におけるエンジンの運転状態、自動変速機、スロットル開度等に基づいて算出する。
τs=τm−τc ……(14)
τs=−τe ……(15)
次いで、ステップS27に移行し、目標制動力τbを算出する。具体的には、前記ステップS25で算出した制駆動力反発力τcのうち、ステップS26における駆動力制限を行っても不足する制駆動力反発力相当分を、目標制動力τbとする。つまり、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合、制駆動力反発力τcが、τc≦τm+τeの場合には、目標制動力τb=0とする。逆に、τc>τm+τeの場合には、目標制動力τbは、次式(16)から算出する。
τb=τc−(τm+τe) ……(16)
そして、このようにして算出した目標制動力τb、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに基づいて、各車輪への目標制動流体圧PSiを算出する。
この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグがFLD=OFFである場合には、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PsFL、PsFRは共に、マスタシリンダ圧Pmとなり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PsRL、PsRRは共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
一方、前記逸脱判断フラグがFLD=ONである場合には、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは次式(17)で与えられる。
PsFL=Pm+KbF×τb
PsFR=Pm+KbF×τb
PsRL=PmR+KbR×τb
PsRR=PmR+KbR×τb ……(17)
なお、ここでは、各車輪の目標制動流体圧Psとして目標制動力τbから換算される目標制動流体圧とマスタシリンダ圧Pmとの和とした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、目標制動流体圧Psとマスタシリンダ圧Pmとのうちの何れか大きい方を選択するようにしてもよい。
このようにして目標制動力を算出したならば、ステップS28に移行し、前記ステップS26で算出した目標駆動力τsを発生するよう駆動力制御信号を前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力する。
次いで、ステップS29に移行して、前記ステップS27で算出した各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記車線逸脱フラグFLDが
“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させる等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、第3の実施の形態の動作を説明する。
今、自車両が走行車線中央よりを走行している場合には、前記ステップS22で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグはFLD=OFFに設定され(ステップS23)、また、車線変更フラグFLDは“OFF”に設定される(ステップS24)。したがって、逸脱判断フラグがFLD=OFFであるから、制駆動力反発力τcは零に設定され(ステップS25)、また、目標駆動力τsとしてアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが設定され(ステップS26)、目標制動力τbは零に設定される(ステップS27)。
したがって、自車両が車線逸脱傾向にない場合には、逸脱回避のための減速制御は行われず、また、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが発生されるから、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生されることになり、ドライバのアクセルペダルの操作に即した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグがFLD=ONに設定され(ステップS23)、このときのアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが初期値τdとして設定される。このとき、ドライバに車線変更の意思がない場合には、アクセルペダルの踏込み量の変動が少なく、要求駆動力τmの変動量は小さい。したがって、この要求駆動力τmの変動量がしきい値Δτよりも小さいときには、車線変更ではないと判断され車線変更フラグFLCは“OFF”に設定される。
このため、この時点における推定横変位Xsとそのしきい値Xcとの差である自車両の逸脱量に応じた制駆動力反発力τcが算出され、この制駆動力反発力τcを要求駆動力τmから減算した値が目標駆動力τsとして設定され、要求駆動力τmを制限することにより制駆動力反発力τc相当を確保することができなかった不足分が目標制動力τbとして設定される。
このとき、制駆動力反発力τcの前回値は零であるから、制駆動力反発力τcはその変化量が制限され、逐次算出される制駆動力反発力τcに一致するまで、制駆動力反発力τcは、零から徐々に増加する。したがって、目標駆動力τsは徐々に減少し、その後必要に応じて徐々に目標制動力τbが増加することになって、車線逸脱傾向にあって車線変更と判断されない場合には、ドライバのアクセルペダルの操作に応じた要求駆動力τmに対し、実際に発生される駆動力は低減されると共に、制駆動力反発力τc相当の減速が行われることになり、駆動力と車線逸脱回避のための減速に必要な制御力とが干渉することはなく、十分な減速が行われることになる。
このとき、要求駆動力τmから制駆動力反発力τcを差し引き、その不足分は、制動力を発生させることにより確保するようにしているから、制駆動力反発力τcに相当する減速制御を確実に実行することができ、車線逸脱に必要な減速制御量を確実に確保することができる。
一方、ドライバが車線変更への移行を目的として操舵を行い、アクセルペダルの踏込みを行うと、車線逸脱傾向にあると判断されているときには、上記と同様にして車線逸脱量に応じた制駆動力反発力τcが算出され、この制駆動力反発力τcに相当する減速を実現するための目標駆動力τs及び目標制動力τbが算出され、これに応じて自車両が減速制御されると共に駆動力が抑制されることになるが、車線変更に伴うアクセルペダルの踏込みに伴い、車線逸脱傾向にあると判定された時点における要求駆動力τdからの要求駆動力τmの変動量がしきい値Δτ以上となると、この時点で、車線変更であると判断されて
車線変更フラグFLCが“ON”に設定される。
このため、制駆動力反発力τcは零に変更されることから、要求駆動力τmに対する抑制が解除され、制駆動力反発力τc相当の減速が解除されることになる。このとき、前記制駆動力反発力τcは徐々に零に一致するよう変化することから、車線変更と判断された時点から減速制御における不足分に相当する制動力の発生が徐々に解除されさらに駆動力の抑制が解除され、やがて要求駆動力τmに相当する駆動力が発生されることになる。したがって、ドライバのアクセルペダル操作に即した駆動力が発生されドライバの意図する車両挙動となる。
このように、車線変更であることが検出されたときには、車線逸脱のための減速制御を解除するようにしているから、減速制御が行われることに起因して、ドライバに対して引っ掛かり感を与えることを回避することができる。
また、このとき、要求駆動力τmから制駆動力反発力τcを差し引いて目標駆動力τsを算出するようにしているから、アクセルペダルの踏込みに伴い要求駆動力τmが増加するとこれに伴って、目標駆動力τsが増加することになり、アクセルペダルの踏込みに応じて駆動力を増加させることができ、ドライバの加速意思に即して加速を行うことができる。
また、このとき、制駆動力反発力τcを変更する際には、その変化量を制限し徐々に変化させるようにしているから、目標駆動力τsや目標制動力τbが大きく変動することはなく、車両挙動が大きく変化することを回避することができる。
そして、この状態から車線変更が終了し、アクセル開度Accが低下し、要求駆動力τmが、車線逸脱判断フラグFLCが“ON”に切り替わった時点における要求駆動力である初期値τd以下となったとき、車線変更終了と判断し車線変更フラグFLCが“OFF”に切り替わる。
このため、制駆動力反発力τcは零に設定され、これに伴って、目標制動力τbが発生されている場合には目標制動力τbは徐々に減少し、やがて目標駆動力τsが徐々に増加する。これにより、制動力の発生が終了し、要求駆動力τmに応じた駆動力が発生されるようになって、ドライバの意図に即した車両挙動に復帰する。
このように、車線逸脱傾向にあって車線逸脱回避のための減速制御を行う場合には、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力を発生させるのではなく、減速制御による制御量に相当する制駆動力反発力τc相当分を低減させるようにしているから、減速させるために必要とする減速制御量と、要求駆動力に応じた駆動力とが干渉することを回避し、車線逸脱回避のための制御効果を十分得ることができる。
また、ドライバに車線変更の意思があるかどうかの判断を、例えば方向指示スイッチの操作信号に基づいて行うようにした場合、車線変更の意思がないにも関わらず方向指示スイッチが操作されたような状態においては車線変更の意思があると誤判断してしまう場合があるが、上述のように、要求駆動力τmの変化状況に基づいて行うようにしているから、実際に車線変更を行う状態となった時点で車線変更の意思があると判断することができ、車線変更の意図を的確に判断し、ドライバの意図に即してより的確に制御を行うことができる。
なお、上記各実施の形態においては、左側に車線逸脱をする場合について説明したが、右側に車線逸脱する場合も同様である。
ここで、第1の実施の形態において、図2のステップS3の処理が逸脱検出手段に対応し、ステップS6、S7、S9の処理が逸脱回避制御手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12及びエンジン9が駆動力発生手段に対応し、アクセル開度センサ18が
駆動力要求量検出手段に対応し、ステップS5の処理が駆動力抑制手段に対応し、ステップS4の処理が意図推測手段に対応し、ステップS6の処理が逸脱回避制御量抑制手段及び目標ヨーモーメント算出手段に対応し、ステップS7及びS9の処理がヨーモーメント発生手段に対応している。また、ステップS4及びステップS5の処理が目標駆動力算出手段に対応し、ステップS8の処理及び駆動トルクコントロールユニット12が駆動力制御手段に対応し、ステップS3、ステップS6、ステップS7、ステップS9の処理が逸脱回避制御手段及びヨーモーメント制御手段に対応している。
また、第2の実施において、図7のステップS13の処理が逸脱検出手段に対応し、ステップS15、S16、S18の処理が逸脱回避制御手段及びヨーモーメント制御手段に対応し、アクセル開度センサ18が駆動力要求量検出手段に対応し、ステップS14の処理が目標駆動力算出手段及び駆動力抑制手段に対応し、ステップS18の処理及び駆動トルクコントロールユニット12が駆動力制御手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12及びエンジン9が駆動力発生手段に対応している。
また、第3の実施の形態において、図10のステップS23の処理が逸脱検出手段に対応し、ステップS25からステップS29の処理が逸脱回避制御手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12及びエンジン9が駆動力発生手段に対応し、アクセル開度センサ18が駆動力要求量検出手段に対応し、ステップS24の処理が意図推測手段に対応し、ステップS25の処理で車線変更の有無に応じて制駆動力反発力τcを算出する処理が逸脱回避制御量抑制手段及び減速制御量算出手段に対応し、ステップS26からステップS29の処理が減速制御手段に対応している。また、ステップS24からステップS26の処理でドライバ要求駆動力τmの変動量に応じて制駆動力反発力τcを算出しこれを実現するよう駆動力を算出する処理が目標駆動力算出手段及び駆動力抑制手段に対応し、ステップS24からステップS29の処理でドライバ要求駆動力τmの変動量に応じて制駆動力反発力τcを算出しこれを実現するよう制動力及び駆動力を制御する処理が逸脱回避制御手段及び減速制御手段に対応し、ステップS28の処理が駆動力制御手段に対応している。
本発明における車線逸脱防止装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 図1の車両状態コントロールユニット内で実行される逸脱防止制御のための演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。 車線変更フラグFLCの設定方法を説明するための説明図である。 図2の演算処理で用いられる制御マップの一例である。 擬似アクセル開度Asの設定方法を説明するための説明図である。 図2の演算処理で用いられる制御マップの一例である。 第2の実施の形態における演算処理の一例を示すフローチャートである。 図7の演算処理で用いられる制御マップの一例である。 図7の演算処理で用いられる制御マップの一例である。 第3の実施の形態における演算処理の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
5FL〜5RR 車輪
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御回路
8 車両状態コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 単眼カメラ
14 カメラコントローラ
15 加速度センサ
16 ヨーレートセンサ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
20 方向指示スイッチ
22FL〜22RR 車輪速度センサ
23 モニタ

Claims (15)

  1. 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段と、
    当該逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されるとき自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動を制御する逸脱回避制御手段と、
    駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    前記駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、前記駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制する駆動力抑制手段と、を備えた車線逸脱防止装置であって、
    前記駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に基づいて車線変更の意図の有無を推測する意図推測手段を備え、
    前記駆動力抑制手段は、前記意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき前記駆動力を回復させるようになっていることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段と、
    当該逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されたとき自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動を制御する逸脱回避制御手段と、
    駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    前記駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、前記駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制する駆動力抑制手段と、を備えた車線逸脱防止装置であって、
    前記駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量に基づいて車線変更の意図の有無を推測する意図推測手段と、
    当該意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき前記逸脱回避制御手段における制御量を抑制する逸脱回避制御量抑制手段と、を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  3. 前記駆動力抑制手段は、前記意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき前記駆動力を回復させるようになっていることを特徴とする請求項2記載の車線逸脱防止装置。
  4. 前記逸脱回避制御手段は、逸脱を回避するための目標ヨーモーメントを算出する目標ヨーモーメント算出手段と、
    当該目標ヨーモーメント算出手段で算出した目標ヨーモーメントを発生するヨーモーメント発生手段と、を備え、
    前記逸脱回避制御量抑制手段は、前記意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき、前記駆動力抑制手段により回復される駆動力に応じて、前記目標ヨーモーメント算出手段で算出される目標ヨーモーメントを抑制するようになっていることを特徴とする請求項3記載の車線逸脱防止装置。
  5. 前記逸脱回避制御手段は、逸脱を回避するための減速制御量を算出する減速制御量算出手段と、
    当該減速制御量算出手段で算出した減速制御量に相当する減速制御を行う減速制御手段と、を備え、
    前記逸脱回避制御量抑制手段は、前記意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき、前記駆動力抑制手段により回復される駆動力に応じて、前記減速制御量算出手段で算出される減速制御量を抑制するようになっていることを特徴とする請求項3記載の車線逸脱防止装置。
  6. 前記駆動力抑制手段は、前記意図推測手段で車線変更の意図があると推測されるとき前
    記駆動力を所定の変化割合で回復させるようになっていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  7. 前記意図推測手段は、前記逸脱回避制御手段での逸脱回避制御開始時点における駆動力要求量に判定用値を加算した値を第1のしきい値とし、前記駆動力要求量検出手段で検出される駆動力要求量が前記第1のしきい値以上となったとき、車線変更の意図があると推測するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  8. 前記第1のしきい値は、前記駆動力要求量検出手段で検出される駆動力要求量に応じて変更されることを特徴とする請求項7記載の車線逸脱防止装置。
  9. 前記意図推測手段は、前記駆動力要求量検出手段で検出される駆動力要求量が、前記第1のしきい値以上増加した後、前記第1のしきい値よりも小さな第2のしきい値以下となったとき、車線変更の意図はないと判断するようになっていることを特徴とする請求項8記載の車線逸脱防止装置。
  10. 前記第2のしきい値は、前記逸脱回避制御開始時点における駆動力要求量に設定されることを特徴とする請求項9記載の車線逸脱防止装置。
  11. 前記意図推測手段は、前記逸脱検出手段で逸脱傾向にないと判断されるとき、前記車線変更の意図はないと判断するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  12. 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段と、
    前記逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されるとき自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動を制御する逸脱回避制御手段と、
    駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、前記駆動力要求量検出手段で検出される駆動力要求量を低減して目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、前記目標駆動力算出手段で算出した目標駆動力を発生するよう駆動力制御を行う駆動力制御手段と、を備えた車線逸脱防止装置であって、
    前記目標駆動力算出手段は、前記逸脱回避制御手段による逸脱回避制御が開始された時点からの駆動力要求量の増加量に基づいて前記目標駆動力を算出するようになっていることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  13. 前記逸脱回避制御手段は、その逸脱回避制御を開始した時点からの駆動力要求量の増加量に基づいて前記逸脱回避制御による制御量を算出するようになっていることを特徴とする請求項12記載の車線逸脱防止装置。
  14. 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段と、
    前記逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されるとき自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動を制御する逸脱回避制御手段と、
    駆動力要求量に応じた制動力を発生する駆動力発生手段と、
    前記駆動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されるとき、前記駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制する駆動力抑制手段と、を備えた車線逸脱防止装置であって、
    前記逸脱回避制御手段は、その逸脱回避制御を開始した時点からの駆動力要求量の増加量に基づいて前記逸脱回避制御による制御量を算出するようになっていることを特徴とす
    る車線逸脱防止装置。
  15. 前記逸脱回避制御手段は、逸脱を回避するためのヨーモーメントを発生させるヨーモーメント制御手段又は逸脱を回避するための減速制御を行う減速制御手段であることを特徴とする請求項12から請求項14の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
JP2004030740A 2004-02-06 2004-02-06 車線逸脱防止装置 Expired - Lifetime JP3979393B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030740A JP3979393B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 車線逸脱防止装置
US11/049,972 US7778759B2 (en) 2004-02-06 2005-02-04 Lane deviation avoidance system
EP05250622A EP1561629B8 (en) 2004-02-06 2005-02-04 Lane deviation avoidance system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004030740A JP3979393B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 車線逸脱防止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005220842A true JP2005220842A (ja) 2005-08-18
JP3979393B2 JP3979393B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=34996676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004030740A Expired - Lifetime JP3979393B2 (ja) 2004-02-06 2004-02-06 車線逸脱防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3979393B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076508A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Nissan Motor Co Ltd 車線逸脱防止装置
JP2015217852A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 本田技研工業株式会社 車両制御装置
KR20190123757A (ko) * 2017-03-01 2019-11-01 모빌아이 비젼 테크놀로지스 엘티디. 감지 불확실성이 있는 항법을 위한 시스템 및 방법

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076508A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Nissan Motor Co Ltd 車線逸脱防止装置
JP4735147B2 (ja) * 2005-09-14 2011-07-27 日産自動車株式会社 車線逸脱防止装置
JP2015217852A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 本田技研工業株式会社 車両制御装置
KR20190123757A (ko) * 2017-03-01 2019-11-01 모빌아이 비젼 테크놀로지스 엘티디. 감지 불확실성이 있는 항법을 위한 시스템 및 방법
JP2020511704A (ja) * 2017-03-01 2020-04-16 モービルアイ ビジョン テクノロジーズ リミテッド 不確実性を検知しながらナビゲートするためのシステム及び方法
US11372416B2 (en) 2017-03-01 2022-06-28 Mobileye Vision Technologies Ltd. Systems and methods for navigating with sensing uncertainty
JP7235247B2 (ja) 2017-03-01 2023-03-08 モービルアイ ビジョン テクノロジーズ リミテッド 不確実性を検知しながらナビゲートするためのシステム及び方法
JP2023065464A (ja) * 2017-03-01 2023-05-12 モービルアイ ビジョン テクノロジーズ リミテッド 不確実性を検知しながらナビゲートするためのシステム及び方法
US11897518B2 (en) 2017-03-01 2024-02-13 Mobileye Vision Technologies Ltd. Systems and methods for navigating with sensing uncertainty
KR102646644B1 (ko) * 2017-03-01 2024-03-13 모빌아이 비젼 테크놀로지스 엘티디. 감지 불확실성이 있는 항법을 위한 시스템 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3979393B2 (ja) 2007-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4534754B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP3979382B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP3606276B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP2004231131A (ja) 車両挙動制御装置
JP2004322787A (ja) 車線逸脱防止装置
JP2004330995A (ja) 車線逸脱防止装置
JP2006206032A (ja) 車線逸脱防止装置
JP2004287814A (ja) 車線逸脱防止装置
JP4062330B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP2010030399A (ja) 車両運転支援装置及び車両運転支援方法
JP4466360B2 (ja) 車線逸脱防止制御装置
JP4124050B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP2006182129A (ja) 車線逸脱防止装置
JP4911131B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP2006178715A (ja) 車線逸脱防止装置及び車線逸脱防止方法
JP3979393B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP4396514B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP3945488B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP2004284485A (ja) 車線逸脱防止装置
JP2006175979A (ja) 車線逸脱防止装置
JP3988729B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP4020085B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP4492321B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP4581680B2 (ja) 車線逸脱防止装置
JP3945489B2 (ja) 車線逸脱防止装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3979393

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term