JP2005220731A - ブレースの座屈補剛構造 - Google Patents

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【課題】 細長比が小さいブレース芯材に対する簡易的かつ効果的な座屈補剛構造を提供する。
【解決手段】 対向配置されたフランジ2と、これらフランジ2間に一体に設けられたウエブ3とを有し、かつその細長比が限界細長比未満となる諸元を有するH形断面のブレース芯材1を座屈補剛するためのブレースの座屈補剛構造であって、ブレース芯材1のウエブ3の各々の側面に、フランジ2間の寸法よりせいの低い補剛材4を、各々の縦部材4aをウエブ3に添わせて配設し、これら補剛材4とウエブ3とを、ブレース芯材1に作用する軸方向力が互いの接触面における摩擦力によって伝達されない状態で連結部材6,7,8によって連結した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄骨構造等において柱梁架構内に組み込まれるブレースを座屈補剛するための構造に関するものである。
鉄骨構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造においては、柱梁架構に所望の剛性を付与するために、各種のブレースが当該架構の対角線状にあるいはV形または逆V形に組み込まれている。
このようなブレースとしては、平板状、十字型断面、角筒断面、H形断面等の種々の断面形状のものが用いられているが、いずれも地震時等に座屈荷重以上の圧縮力が作用すると、座屈を生じてその耐力が低下するために、これを防止するため、様々な座屈補剛構造が採用されている。
従来のこの種の座屈補剛構造のうち、H形断面のブレース芯材に対する補剛構造としては、例えば上記ブレース芯材の外周面に付着防止剤を塗布して、当該ブレース芯材を厚肉の鉄筋コンクリートで囲繞したものや、上記ブレース芯材の周囲を、コンクリートを充填した角型鋼管で被覆したものなどが知られている。
また、従来の他のH形断面形状を有するブレース芯材の座屈補剛構造としては、下記特許文献1において提案されている、図8に示すような補剛構造がある。
この補剛構造は、ブレースの芯材となるH形断面の鋼製中心軸力部材30の溝内に、コ字状断面の一対の鋼製座屈拘束部材本体31を配置し、他方、鋼製中心軸力部材30の各フランジ32の外面に帯状鋼板33を重ねて配置し、この帯状鋼板33の両側縁と鋼製座屈拘束部材本体31のフランジ34との間に棒状の鋼製スペーサ35を介在させ、帯状鋼板33の側縁部と鋼製座屈拘束部材本体31におけるフランジ34の側縁部とスペーサ35とをボルト36によって締め付け結合したものである。
実開平5−3402号公報
ところで、ブレースに作用する座屈荷重は、ブレースの座屈長さLをその弱軸方向断面二次半径iyで除した細長比λ=L/iyに依存する。図9は、上記ブレースの細長比λと座屈荷重Ncrとの関係を示すもので、細長比λが大きいほど、換言すればブレースの座屈長さが長いほど、座屈荷重Nは低くなり、逆に細長比λが小さいほど座屈荷重Nは高くなる。
そして、上述した従来の座屈補剛構造は、いずれも座屈耐力が小さいブレースに対するものである。このため、座屈補剛されたブレースは、ブレース芯材の断面よりも大きな断面となる結果、細長比λが小さく、低い座屈荷重Nのブレース芯材に対しても、高い座屈荷重Nを得ることができ、よって地震時等に高い圧縮力が作用した場合においても、充分に座屈の発生を防止することができるという利点がある。
一方、図9から明らかなように、細長比λがある程度小さい場合には、ブレースは座屈補剛されなくても充分に高い座屈荷重Nを有している。例えば、図9において、限界細長比(弾性座屈を生じる限界を示す最小の細長比)Λは、座屈荷重が降伏荷重Nyの60%となる場合の細長比であり、約100程度である。そして、上記細長比λが、この限界細長比Λの約1/3以下になると、ブレースの座屈荷重Nは、降伏荷重Nyに近くなり、この結果座屈後の耐力低下も穏やかになることが知られている。
このため、上記限界細長比Λ以下となる長さLや弱軸方向断面二次半径iy等の諸元を有するブレース芯材に対して上記従来の座屈補剛構造を適用すると、座屈荷重が高すぎることになり、よって重量が不必要に増加するとともに、施工も煩雑になってコスト高になるという問題点がある。
加えて、最終的なブレースの断面積が大きくなり過ぎるため、外観に劣るとともに、壁厚も不必要に厚くなったり、あるいは採光、通風、視界等の妨げになるという問題点もある。
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、細長比が小さいブレース芯材に対する簡易的かつ効果的な座屈補剛構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、対向配置されたフランジと、これらフランジ間に一体に設けられたウエブとを有し、かつその細長比が限界細長比未満となる諸元を有するH形断面のブレース芯材を座屈補剛するためのブレースの座屈補剛構造であって、上記ブレース芯材のウエブの各々の側面に、上記フランジ間の寸法よりせいの低い補剛材を、各々の縦部材を上記ウエブに添わせて配設し、これら補剛材と上記ウエブとを、上記ブレース芯材に作用する軸方向力が互いの接触面における摩擦力によって伝達されない状態で連結部材によって連結したことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ブレース芯材の長手方向の中間部における上記フランジの幅を、その両端部分における幅よりも狭く形成し、当該中間部とその両端部分との境界部を跨ぐようにして、上記補剛材を添設したことを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記補剛材が、上記ブレース芯材の最大断面において、上記フランジ間であってかつ上記フランジの両側縁よりも外方に突出しないように形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、上記連結部材は、少なくともボルトと当該ボルトに螺合されるナットとを備えてなり、かつ上記ブレース芯材のウエブに、上記ボルトの一端部を接合し、上記補剛材の縦部材に穿設したボルト挿入孔に上記ボルトを挿通するとともに、このボルト挿入孔から延出する上記ボルトの先端部に、上記ナットを螺合させることにより、上記補剛材と上記ウエブとを連結したことを特徴とするものである。
請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、ブレース芯材のウエブの各々の側面に、フランジ間の寸法よりせいの低い補剛材を添設して、これら補剛材と上記ウエブとを連結部材によって連結した簡易な構造であるために、細長比が限界細長比未満となる諸元を有するH形断面のブレース芯材に対して、充分かつ効果的な座屈補剛を行うことができる。また、従来の座屈補剛構造のように、重量が過多になることもなく、かつ施工も容易で経済性に優れる。
ここで、上記補剛材としては、規格材である汎用の溝形鋼または角形鋼管が好適である。
また、請求項2に記載の発明によれば、上記座屈補剛を施したブレースに大きな圧縮力が作用すると、フランジの幅が狭い中間部が先行して降伏する。この結果、ブレースに作用する軸力が制限され、上記中間部の両端部分が非座屈補剛区間となって弾性域に留まるため、当該ブレースの圧縮時における塑性変形挙動を、より一層安定したものにすることができる。加えて、上記ブレース両端と柱や梁との接合部に作用する応力も低減させることができるために、当該接合部の設計を簡素化することも可能になる。
また、請求項3に記載の発明によれば、座屈補剛を施工した後においても、ブレースの外法が、ブレース芯材の外法よりも大きくならないために、意匠上好ましく、かつ壁厚を増加させたり、あるいは採光、通風、視界等の妨げになるといった弊害が生じることもない。さらに、塗装面積や周囲を覆う仕上げ材料も増加することが無く、また耐火被覆が必要な場合においても、被覆面積が増加しないという効果も得られる。
ところで、上記ブレース芯材のウエブに補剛材を連結する上記連結部材として、汎用のボルトおよびナット等を用いた場合には、例えば、上記ウエブと補剛材の縦部材との対向位置に、それぞれ貫通孔を穿設し、これらの貫通孔に上記ボルトを挿通するとともに、当該ボルトの先端側にナットを螺合することによって両者を連結することができる。
ただし、このような連結構造を採用した場合には、ブレース芯材のウエブに貫通孔が穿設されているために、大地震時に当該ブレース芯材が大きな圧縮および引張りの繰り返し変形を受けると、上記貫通孔が断面欠損となり、これを基点として亀裂を生じることにより、ブレースが最終的に破断するおそれがある。
そこで、請求項4に記載の発明のように、上記ブレース芯材のウエブにボルトの一端部を接合し、このボルトを上記補剛材の縦部材に穿設したボルト挿入孔に挿通して、先端部にナットを螺合させれば、上記ウエブに断面欠損となる貫通孔が穿設されないために、上記弊害が生じることがない。したがって、請求項4に記載の発明は、特に請求項2に記載の発明のように、上記ブレースに大きな圧縮力が作用した際に、先行して降伏するフランジの幅が狭い中間部におけるブレース芯材と補剛材との連結に用いて好適である。
(第1の実施形態)
図1〜図4は、本発明に係るブレースの座屈補剛構造の第1の実施形態を示すもので、図中符号1がブレース芯材である。
このブレース芯材1は、上下に水平方向に配されたフランジ2と、これらフランジ2間に一体に設けられたウエブ3とからなるH形鋼であり、その細長比は、図9に示した限界細長比Λ未満となる寸法諸元を有するものである。
ここで、ブレース芯材1のフランジ2は、図3および図4に示すように、長手方向の中間部2aにおける幅が、その両端部分2bにおける幅よりも狭くなるように切り欠かれている。また、ウエブ3には、中間部2aの中央に対応する位置と、両端部分2bの中間部2a寄りの位置とに、それぞれ貫通孔3a、3bが穿設されている。なお、中央の貫通孔3aは、円形状に、両端側の貫通孔3bは、ブレース芯材1の延在方向に長い、長穴状に形成されている。
そして、ブレース芯材1のウエブ3の側面に、中間部2aとその両端部分2bとの境界部を跨ぐようにして、補剛材4が添設されている。
この補剛材4は、各々のウエブ(縦部材)4aの幅寸法が、フランジ2間の寸法より短く、かつフランジ4bの幅寸法が、ブレース芯材1の切り欠かれていない両端部分2bのフランジ2の両側縁よりも外方に突出しない寸法を有する溝形鋼からなるもので、そのウエブ4aをブレース芯材1のウエブ3に添わせて配置されている。
この補剛材4のウエブ4aには、ブレース芯材1側のウエブ3の貫通孔3a、3bと対向する位置に、それぞれボルト挿入孔5が穿設されている。そして、これら補剛材4とウエブ3とは、互いの貫通孔3a、3b、5に挿入されたボルト6に座金7を介してナット8が螺合されることにより連結されている。この際に、ブレース芯材1に作用する軸方向力が互いの接触面における摩擦力によって伝達されないように、ナット8は締め付けられない状態で螺合されている。そして、これらボルト6、座金7およびナット8によって、両者の連結部材が構成されている。
図5は、上記構成からなる座屈補剛が施工されたブレース10を、鉄筋コンクリート造の柱11および梁12からなる架構に格子状に組み込んだ一例を示すものである。
各々のブレース10は、上述したようにブレース芯材1が、限界細長比Λ未満となる長さL、弱軸方向断面二次半径iy等の諸元を有するものである。そして、各ブレース芯材1の両端部は、隣接するブレース10のブレース芯材1または柱梁架構の内周に添って組み込まれた耐震補強用の鉄骨枠組13に剛接合されている。
図6は、上記第1の実施形態における変形例を示すもので、ブレース芯材1等の構成については、図1〜図4に示したものと同様であるために、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態に示す座屈補剛構造が図1〜図4に示したものと相異する点は、補剛材20として、上記溝形鋼に代えて長方形冷間成形角形鋼管を用い、その長辺側の側壁(縦部材)を上記ウエブ3の各々の側面に添って配設したことにある。
そして、この補剛材20にあっても、その長辺側の幅寸法が、フランジ2間の寸法より短く、かつ短辺側の幅寸法が、ブレース芯材1の切り欠かれていない両端部分のフランジ2の両側縁よりも外方に突出しない角形鋼管が用いられている。
この補剛材20においても、ブレース芯材1側のウエブ3の貫通孔3a、3bと対向する位置に、それぞれボルト6が挿通されるボルト挿入孔21が穿設されている。また、これらボルト挿入孔21と対向する外周側にも、ボルト6または座金7およびナット8を挿入するための挿入孔22が穿設されている。
以上の構成からなるブレースの座屈補剛構造によれば、ブレース芯材1のウエブ3の各々の側面に、フランジ2間の寸法よりせいの低い補剛材4、20を添設して、これら補剛材4,20とウエブ3とをボルト6およびナット8によって連結した簡易な構造であるために、細長比λが限界細長比Λ未満となる諸元を有するH形断面のブレース芯材1に対して、充分かつ効果的な座屈補剛を行うことができる。
また、従来の座屈補剛構造のように、重量が過多になることもなく、かつ施工も容易で経済性に優れる。
また、座屈補剛を施したブレース10に大きな圧縮力が作用すると、フランジ2の幅が狭い中間部2aが先行して降伏する。この結果、ブレース10に作用する軸力が制限され、中間部2aの両端部分2bが非座屈補剛区間となって弾性域に留まるため、ブレース10の圧縮時における塑性変形挙動を、より一層安定したものにすることができる。加えて、ブレース芯材1の両端同士の接合部や、各端部と柱梁架構内の鉄骨枠組13との接合部に作用する応力も低減させることができるために、当該接合部の設計を簡素化することも可能になる。
さらに、座屈補剛を施工した後においても、ブレース10の外法が、ブレース芯材1の外法よりも大きくならないために、意匠上好ましく、かつ壁厚を増加させたり、あるいは採光、通風、視界等の妨げになるといった弊害を生じることがない。さらに、塗装面積や周囲を覆う仕上げ材料も増加することが無く、また耐火被覆が必要な場合においても、被覆面積が増加しないという効果も得られる。
また、一般にこの種のブレースは、大地震発生時等における塑性化時の歪みが大きいと、各部材表面の塗膜の接着力が低下し、塗膜が剥がれやすくなる。このような場合には、一旦古い塗膜を剥がして清掃し、再塗装しないと錆びやすくなる。また、屋外や相対湿度が70%以上になり得る屋内などの発錆環境下に用いられる場合には、塑性化を受けずとも、経年劣化により発錆するため、定期的な維持管理としての再塗装が必要になる。
この点、上記構成からなるブレースの座屈補剛構造にあっては、ブレース芯材1のウエブ3の各々の側面に補剛材4、20を添設して、これらを連結部材によって連結する簡易な構造であり、かつ本実施形態においては、上記連結部材として、ボルト6,座金7およびナット8を用いているので、ブレース芯材1に対する補剛材4,20の着脱がきわめて容易である。このため、上述した従来の座屈補剛構造と比較して、ブレース芯材1等の再塗装といった保守管理を容易に行うことができる。
(第2の実施形態)
図7(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態を示すもので、同様に図1〜図4に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してある。
この実施形態に示す座屈補剛構造が図1〜図4に示したものと相異する点は、ブレース芯材1におけるフランジ2の幅が狭くなるように切り欠かれた中間部2aにおいて、ブレース芯材1のウエブ3に、貫通孔3aが穿設されておらず、当該位置において、ボルト30、座金31およびナット32、33からなる連結部材によって、補剛材4がブレース芯材1に連結されている点にある。
すなわち、図7(a)に示すように、ブレース芯材1のウエブ3の両側に、それぞれボルト30の一端部が溶接により接合されている。そして、このボルト30が、補剛材4のウエブ4aに穿設されたボルト挿入孔5に挿入されている。そしてさらに、ボルト挿入孔5から延出するボルト30の先端部に、座金31を間に介してナット32およびその緩み止めナット33が螺合されることにより、図7(b)に示すように、ブレース芯材1に補剛材4が連結されている。
ここで、ブレース芯材1に作用する軸方向力が、補剛材4との接触面における摩擦力によって補剛材4側に伝達されないように、ナット30はウエブ3と補剛材4のウエブ4aとの間に隙間が形成されるように螺合され、ナット33によって緩み止めされている。これにより、補剛材4は、ブレース芯材1に対して軸方向へ相対的に滑動自在に連結されている。なお、本実施形態においては、ボルト30、座金31およびナット32、33によって、両者の連結部材が構成されている。
上記構成からなるブレースの座屈補剛構造によれば、ブレース芯材1に大きな圧縮力が作用した際に、先行して降伏するフランジ2の幅が狭い中間部2aにおいて、ブレース芯材1のウエブ3にボルト30の一端部を接合し、このボルト30を補剛材4のウエブ4aに穿設したボルト挿入孔5に挿通して、先端部に座金31を介してナット32、33を螺合させることにより両者を連結しているので、上記中間部2aに位置するウエブ3に、断面欠損となる貫通孔が穿設されていない。
この結果、大地震時に、ブレース芯材1が大きな圧縮および引張りの繰り返し変形を受けた場合においても、上記連結部分を基点とした亀裂を生じることにより、ブレースが最終的に破断するといったおそれがない。
なお、本発明は、上記第1および第2の実施形態において示したように、ブレース芯材1のウエブ3に、直に補剛材4,20を添設するのみで充分であるが、これらブレース芯材1と補剛材4,20との間に付着防止剤や粘弾性体を介在させる場合を排除するものではない。
また、上記実施の形態においては、フランジ2を上下に水平方向に配することにより、面内強軸に配した場合について説明したが、これに限るものではなく、面内弱軸に配したり、あるいは斜めに配したりしてもよい。また、補剛材4,20についても、入手が容易で経済性に優れる汎用の溝形鋼や角形鋼管を用いた場合についてのみ示したが、これに限定されるものではなく、他の断面形状を有する鋼材を使用することも可能である。
さらに、第2の実施形態においては、第1の実施形態における中間部2aの貫通孔3aに代えて、当該部分に貫通孔を穿設することなく、ボルト30を接合した場合についてのみ説明したが、これに限らず、両端部分2bに位置するウエブ3に付いても、同様に貫通孔3bを穿設することなく、上記ボルト30およびナット32等によって連結してもよい。なお、この場合は、補剛材4のボルト挿入孔5の1以上を、ブレース芯材1の延在方向に長い、長穴状に形成すればよい。
本発明のブレースの座屈補剛構造の第1の実施形態を示す断面図である。 図1の正面図である。 図2のブレース芯材を示す平面図である。 図3の正面図である。 上記実施形態のブレースを組み込んだ柱梁架構の一例を示す正面図である。 上記第1の実施形態の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態を示すもので、(a)は補剛材および連結部材を分解した状態を示す断面図、(b)は組み立てた状態を示す断面図である。 従来のブレースの座屈補剛構造を示す断面図である。 一般的なブレースの細長比と座屈荷重との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ブレース芯材
2 フランジ
2a 中間部
2b 両端部分
3 ウエブ
4、20 補剛材
4a ウエブ(縦部材)
6、30 ボルト
7、31 座金
8、32、33 ナット
10 ブレース
λ 細長比
Λ 限界細長比

Claims (4)

  1. 対向配置されたフランジと、これらフランジ間に一体に設けられたウエブとを有し、かつその細長比が限界細長比未満となる諸元を有するH形断面のブレース芯材を座屈補剛するためのブレースの座屈補剛構造であって、
    上記ブレース芯材のウエブの各々の側面に、上記フランジ間の寸法よりせいの低い補剛材を、各々の縦部材を上記ウエブに添わせて配設し、これら補剛材と上記ウエブとを、上記ブレース芯材に作用する軸方向力が互いの接触面における摩擦力によって伝達されない状態で連結部材によって連結したことを特徴とするブレースの座屈補剛構造。
  2. 上記ブレース芯材の長手方向の中間部における上記フランジの幅を、その両端部分における幅よりも狭く形成し、当該中間部とその両端部分との境界部を跨ぐようにして、上記補剛材を添設したことを特徴とする請求項1に記載のブレースの座屈補剛構造。
  3. 上記補剛材は、上記ブレース芯材の最大断面において、上記フランジ間であってかつ上記フランジの両側縁よりも外方に突出しないように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレースの座屈補剛構造。
  4. 上記連結部材は、少なくともボルトと当該ボルトに螺合されるナットとを備えてなり、かつ上記ブレース芯材のウエブに、上記ボルトの一端部を接合し、上記補剛材の縦部材に穿設したボルト挿入孔に上記ボルトを挿通するとともに、このボルト挿入孔から延出する上記ボルトの先端部に、上記ナットを螺合させることにより、上記補剛材と上記ウエブとを連結したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のブレースの座屈補剛構造。
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