JP2005220616A - 防水シート固定具 - Google Patents

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Shunji Fujii
俊二 藤井
Takayasu Uchiumi
孝泰 内海
Yasuhiro Ittanda
康啓 一反田
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Abstract

【課題】防水シートの長期耐久性を損なわない防水シート固定具を得る。
【解決手段】1例の防水シート固定具1を提供する。防水シート固定具1は防水下地に固定される導体固定片からなる。導体固定片は、その上面に、加熱により溶融化し防水シートと熱溶着する熱溶融接着層3を有する。熱溶融接着層3は導体固定片の上面全面に設けることができる。熱溶融接着層3を加熱するには、誘導加熱、高周波加熱等を用いることができる。防水シート固定具1は、平坦部1Aの表面から外側に向かって徐々に低くなる表面を形成する勾配部1Bを有するか、又は中心の近傍の同心円上に半球状の窪み部1Dを有する。中心部には、導体固定片を防水下地に固定するための取付孔1Cを設けることができ、取付孔1Cはられアンカー等の固定部材の頭部がでないように固定部材の形状に合わせた勾配を持つ。
【選択図】図1

Description

本発明は、防水下地に固定され、防水シートが接着される防水シート固定具に関する。
建築物等の構造物では、その屋上等の構造躯体面において防水シートを用いた防水工事が行われる。防水シートを構造躯体面等の防水下地に固定するには、熱溶着材層を有する導体片と電磁誘導加熱とを用いる方法があり、熱溶着層と防水シートとの接着度合は、目視により確認できることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−77722号公報
しかし、本発明者は、従来のように、防水下地に固定されている導体片に防水シートを誘導加熱により溶融接着する場合、防水シートの長期耐久性が不十分になることを知見した。
本発明の課題は、防水シートの長期耐久性を損なわない防水シート固定具を得ることである。
本発明は、導体固定片と前記導体固定片上の熱溶融接着層とを備えており、防水下地上に固定される防水シート固定具であって、前記導体固定片が平坦部及び前記平坦部の外側の勾配部を備えており、前記勾配部が前記平坦部から外側に向かって徐々に低くなる表面を有していることを特徴とする防水シート固定具に係るものである。
また、本発明は、導体固定片と前記導体固定片上の熱溶融接着層とを備えており、防水下地上に固定される防水シート固定具であって、表面に切欠き部を有しており、前記切欠き部が前記防水シート固定具の中心部の近傍にあることを特徴とする防水シート固定具に係るものである。
本発明は、防水シート固定具の外縁部において、溶融接着される防水シートの断面欠損を防ぐことにより、防水シートの長期耐久性が著しく改善されるという知見に基づく。
本発明者は、防水シートと防水シート固定具との安定した溶融接着性を得るため、種々の導体固定片及び熱溶融接着層を試作し、検討している。
今回、本発明者は、防水シートと熱溶融接着層との接着度合の良否確認が難しいことに加え、目視による接着度合の判断だけでは、防水シートの長期耐久性が不十分になり易いことを知見した。
本発明者の検討によれば、かかる不十分な耐久性は、防水シートの断面欠損によることが分かった。導体固定片の外縁部は、誘導加熱による熱が集中すると同時に転圧を受けるので、融着の際の防水シートに、厚みの低下、不均一等の断面欠損を起こさせ易いのである。
かかる知見の下、本発明者は、この断面欠損が防水シートの長期耐久性に与える影響は大きいと考え、かかる断面欠損が起こらないような防水シート固定具を検討した。
その結果、本発明者は、導体固定片において、防水シートと熱溶着する主たる平坦部の外側に、平坦部よりも低くなる勾配部を設け、かかる勾配部によって防水シートの断面欠損を防止できることを見出し、本発明に到達した。
また、本発明者は、所定の切欠き部を防水シート固定具の中心部の近傍に設けることにより、防水シート固定具の周縁部における防水シートと熱溶融接着層との接着度合の指標が得られ、防水シートと熱溶融接着層との接着度合の良否確認が容易になり、周縁部における防水シートの断面欠損を防止できることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、防水シート固定具に平坦部よりも低くなる勾配部を設けるか、又は所定の切欠き部を中心部の近傍に設けることによって、防水シート固定具と防水シートとの完全な溶融溶着が可能となり、導体固定片の外縁部において発生する防水シートの断面欠損を防止することができ、防水シートの長期耐久性を著しく高めることができる。
本発明の実施をする形態について説明する。
(1)防水下地
防水されるべき下地である。構造体の中で、防水を必要とする部分である。例えば、建築物等の構造物では、屋上等の風雨に曝される構造躯体の表面である。水平部や垂直部も含まれる。防水シート固定具が固定され、その固定具上に防水シートが接着され、防水シートで覆われる。
(2)防水シート
防水下地の表面に施工される。防水下地は、防水機能を有しておらず、防水下地自体の劣化は防ぐことができない。さらに、構造物屋内への漏水を防止することができない。防水シートは、防水下地が、水、土砂等に直接接触しないようにしたり、下地が風雨や紫外線等に直接曝されないようにしたりして、下地が劣化するのを防止する。種々の材質からなることができる。防水シートの材質として用いられるものは、ゴム、アスファルト、熱可塑性樹脂が代表的である。
防水シートとして重要視されることは、耐久性と施工現場での作業性、施工性の良さである。これらのことから、前述の材質の中から、好ましくは熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂製防水シートでは、防水下地に全面接着させることなく部分的に機械固定する絶縁工法を行うことにより、防水下地の撤去、調整等を省くことが可能となり、防水工事工期の短縮を図ることができる。
防水シートは、熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から形成されたものを用いることができる。特に好ましくは、防水シートは、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂からなる。
(3)防水シート固定具
導体固定片とこの導体固定片上の熱溶融接着層とを備えており、防水下地上に固定される。防水シートと熱溶着させるための主たる平坦部を有することができる。
(3−1)導体固定片
防水シート固定具の本体部分である。防水シート固定具の芯材となり、電磁誘導加熱等によって防水シートを接着させる導体からなる。ディスク形、円盤形、板状形等、種々の形状からなることができる。ステンレス、鋼材等、種々の導電性の材質から形成することができる。代表的には、誘導加熱可能なディスク鋼板である。
(3−2)取付孔
防水シート固定具には、防水下地上に固定するための取付孔を設けることができる。防水シート固定具は、アンカー等の固定部材を、取付孔を介して防水下地の表面に挿入し、防水下地に固定することができる。
取付孔は、アンカー等の固定部材を打ち込むための貫通孔でよく、防水シート固定具の中心部に設けることができる。取付孔及び固定部材は、固定部材の頭部が導体固定片の表面より突出しないように、傾斜や勾配等を設けた形状及び構造とすることができる。
(3−3)熱溶融接着層
導体固定片及び防水シートの双方と接着可能な層である。予め導体固定片に接着しておいてよい。溶剤等を使用した溶剤溶着、熱風機や、電磁誘導加熱を使用した熱融着等によって導体固定片に接着しておくことができる。代表的には、導体の電磁誘導加熱によって溶着する層である。
好ましくは、熱溶融接着層は、導体固定片の成型に先立って、導体固定片の原料の導体材料と熱溶融接着層の原料の接着フィルムとを積層して、導体固定片の成型と同時に熱溶融接着層を設ける。かかる熱溶融接着層は、溶融した接着剤を導体固定片に接着させたものと比較して接着力が強く、耐久性に優れているため、防水シートの接着後に、導体固定片からの剥離が少ない。
好ましくは、熱溶融接着層は、導体固定片の上面全面に、特に好ましくは、導体固定片の平坦部、特に取付孔の周りから防水下地に接地する外縁部まで、連続して設ける。かかる熱溶融接着層は、防水シートとの溶着後、防水シートを溶着させていない部分が導体固定片上に連続して残る。かかる未使用の熱溶融接着層部分は、防水シートを溶着させている熱溶融接着層部分から、防水シートが容易に剥離してしまうのを防止することができる。
熱溶融接着層は、導体固定片の側の導体側層と防水シートの側のシート側層とからなる2層構造を有することができる。導体側層は導体固定片と強固に接着可能であり、シート側層は防水シート及び導体側層と十分な接着強度で接着可能である。
好ましくは、導体側層とシート側層の双方の層にオレフィン系の熱可塑性樹脂製フィルム等を用いる場合、互いの層の接着に、溶剤接着ではなく、熱融着を用いる。かかる接着方法は、環境に対する負荷が少なく、接着の作業効率が高い。
特に好ましくは、導体側層及びシート側層は熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂の中には、種々のものがあり、金属との接着強度の強いものや、熱可塑性樹脂製防水シートと強固に接着するものや、樹脂同士の間で強い接着強度を示すもの等がある。これらの熱可塑性樹脂は種々選定することができ、互いに層状にして積層し、これを導体固定片の上面に接着させる。かかる導体側層及びシート側層は、電磁誘導加熱装置を使用することによって、導体固定片と防水シートとの強固な溶融接着が可能となる。
導体側層は、熱可塑性樹脂、特に、オレフィン系樹脂、ホットメルト樹脂、更に特に、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から形成されたものを用いることができる。特に好ましくは、導体側層は、種々の金属との接着性能が良好であって、接着強度が強い樹脂、例えば、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から形成されたフィルム層からなる。
シート側層は、熱可塑性樹脂、特に、オレフィン系樹脂、ホットメルト樹脂、更に特に、ポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料から形成することができる。特に好ましくは、シート側層は、熱可塑性樹脂製防水シートと熱溶融接着が可能であるポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂のフィルム層からなる。
好ましくは、導体側層及びシート側層は互いに材質の異なる熱可塑性樹脂からなる。この場合、導体側層/シート側層の組合せは、熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂からなる群より選ぶことができる。特に、好ましくは、導体側層/シート側層の組合せは、ポリイミド系樹脂製フィルム層/ポリエステル系樹脂製フィルム層である。
導体側層及びシート側層には、導体固定片、防水シート及び熱溶融接着層の間の接着強度等を調整する目的で、上記熱可塑性樹脂のほか、種々の添加剤等を配合することができる。
(3−3)勾配部
防水シート固定具は、主として防水シートと接着する平坦部の他、その外側の勾配部を備えることができる。かかる勾配部は防水シート固定具の表面、特に平坦部の表面から外側に向かって徐々に低くなる表面を形成する。かかる勾配部の表面は、直線的に低くなる面や段階的に低くなる面でよく、代表的に、直線的に低くなる傾斜面である。
勾配部は、電磁誘導加熱により防水シートと防水シート固定具とを溶融溶着させる際、防水シート固定具の最外周部において防水シートが断面欠損を起こすのを防ぐことができる。
防水シート固定具の外縁部、特に、導体固定片の外縁部は、誘導加熱による熱が集中すると同時に転圧を受ける。かかる場合、導体固定片の外縁部が垂直に近い状態で終結していると、融着の際、防水シートの厚みの低下、不均一等の断面欠損を引き起こし易い。しかしながら、勾配部は防水シート固定具の外縁部で緩徐に低くなるような勾配を形成して延在するので、導体固定片の外縁部おける防水シートの断面欠損が起こらない。
勾配部は、電磁誘導加熱による防水シートの溶融溶着において、加熱温度が上昇し過ぎた場合や、溶融溶着時に導体固定片の中心位置と電磁誘導加熱装置の中心位置がずれた場合に、転圧時の圧力が導体固定片の外周部にかかったり、防水シートの溶融が進み過ぎたりするために生じる防水シートの断面欠損を効果的に防ぐことができる。
好ましくは、勾配部上に、熱溶融接着層を設ける。誘導加熱による熱が集中し、転圧を受けると、勾配部でも、防水シートが引き伸ばされたり、薄くなったりして、断面欠損が起こり易い。かかる場合、防水シートが、勾配部において熱溶融接着層と融着することにより、補強され、これによって、防水シートに十分な耐久性を与えることができる。
(3−6)切欠き部
防水シート固定具は、その表面、特に防水シートと接着する主たる平坦部の表面に、切欠き部を設けることができる。かかる切欠き部は、防水シートと防水シート固定具とが良好に溶着されているかどうかの指標を提供する。
切欠き部は、防水シート固定具の中心部の近傍、特に、平坦部の中心部の近傍の表面上に設けることができる。ここで、中心部の近傍とは、防水シートと防水シート固定具との溶融接着の際、加熱し過ぎた場合や、防水シート固定具の中心位置と電磁誘導加熱装置の中心位置とがずれた場合や、転圧時の圧力が導体固定片の外周部にかかったり、防水シートの溶融が進み過ぎたりする特に、切欠き部の輪郭によって防水シートと防水シート固定具とが良好に溶着されているかどうかの指標を提供する位置である。
誘導加熱による防水シート固定具の加熱は、周縁部で集中し易く強くなり、中心部で弱くなる。このため、防水シート固定具の中心部の近傍は、防水シートの溶着状態、特に、周縁部で過剰に溶着され防水シートの厚みが薄くなる等の断面欠損を引き起こす溶着状態を適切に反映する。
切欠き部は、種々の形状を有することができる。窪み部や溝部等の表面上の凹部、内部を突き抜けたような貫通穴、比較的微細な孔等でよい。好ましくは、切欠き部は、半球状、円柱状、円錐台状、逆円錐状、筒状等の形状の窪み等のような凹部、又はその断面が、半円状、U字状、V字状等の溝であって、表面側の幅が部分的に狭くなる溝等が環状に繋がった凹部である。略半球状の窪み部でよい。
好ましくは、切欠き部は、防水シート固定具の表面上で所定の範囲の円上に設ける。加熱装置では、コイル等により中心部から放射線状に加熱範囲が広がるので、かかる加熱範囲の広がりをより一層正確に反映させるのがよい。
複数の窪みから切欠き部を形成する場合、各窪み部は防水シート固定具の中心部の近傍の表面で同心円上に離間させて設けるのが好ましい。防水シート固定具の中心部にアンカー等の固定部材用の取付孔を設ける場合、切欠き部は、取付孔と離間させ、その周囲の平坦部に設けるのが好ましい。
好ましくは、切欠き部は貫通しておらず、その底部は防水下地上に接する。切欠き部の底部が防水下地と接地すれば、誘導加熱による溶融接着の際、防水シート固定具が転圧による変形、沈み込み等を起こし難くなるため、理想的な溶融接着が可能となる。
溶融溶着の良否は、溶着部の形状を上面から観察することによって判断することができる。好ましくは、溶融溶着の良否は、平坦部の外周部及び切欠き部において、溶着部の形状に基づいて判断する。
良好な溶着かどうかは、溶着部が所定の環状紋を形成するかどうかで判断することができる。例えば、略半球状の窪みの切欠き部を用いる場合、溶着部が、外周部側で平坦部の輪郭線を形成するか又は平坦部及び勾配部の間で環状線を形成し、中心部側では略半円が交互に反転して繋がったような環状の波形線を形成すれば、良好な溶融溶着である。溶融溶着模様が環形とならなかったり、外周部側の円や中心部側の波形環の一部が欠けたりする場合、環が切れている部分は十分に溶融溶着されていないことを示す。かかる場合、再度、誘導加熱を行えばよい。
(3−7)切欠き部貫通孔
切欠き部の底部付近に貫通孔を設けることができる。かかる切欠き部貫通孔は、溶融接着時に、誘導加熱の予熱によって膨張した空気を外部に放出し、防水シートとの間の空気溜まり等の発生を防ぐことができる。好ましくは、切欠き部貫通孔は防水下地に接しない位置に設ける。
(3−8)平坦部貫通孔
防水シート固定具の平坦部にも、所定の位置に貫通孔を設けることができる。かかる平坦部貫通孔は、導体固定片又は熱溶融接着層と防水シートとの間に介在した空気を、電磁誘導加熱による溶融溶着の転圧時に放出させることができ、また、電磁誘導加熱による加熱で膨張した空気を散出させることもできる。
(3−9)鍔状部
防水シート固定具は、防水下地と接する最外周部を有することができる。かかる最外周部は、代表的に、鍔状部を形成する。かかる鍔状部は、取付孔の底部や凹部の底部等と共に防水下地と接し、防水シートと接着する部分が防水下地と所定の距離を隔てる構造を形成する。この構造により、防水シート固定具と防水シートとを熱溶融接着する際の誘導加熱による熱が、防水下地に直接伝導するのを抑制し、防水下地の全面にわたって伝導するのを防止することができる。
(4)防水シートの施工方法
導体固定片又は熱溶融接着層と防水シートとの十分な接着を可能にする方法を用いることができる。好ましくは、導体固定片を効率的に加熱する方法、特に、電磁誘導加熱等の誘導加熱、高周波加熱等を用いる。
防水シートを防水下地に施工するにあたっては、まず、防水下地に固定される防水シート固定具を準備する。防水シート固定具(以下、単に「固定具」と称することがある。)には、上述のようなものを用いることができる。次いで、防水下地上で、防水シート固定具上に防水シートを配置し、熱溶融接着層を溶融し、防水シートを防水シート固定具上に接着する。
防水シート固定具の使用方法には、種々の方法がある。特に、この固定具を防水すべき下地の所定位置にアンカー等の固定部材により固定後、この固定具に防水シートを接着させ、防水下地を防水シートによって覆う。
電磁誘導加熱を用いる場合、この固定具が固定された防水下地を防水シートで覆い、防水シートの上から電磁誘導により固定具の導体部分を加熱し、発生する熱によって固定具上面の熱溶融接着層を溶融させ、防水シートとの接着機能を発揮させる。
防水シート上面からの誘導加熱等によって、防水シートと固定具及び防水シートと熱溶融接着層と固定具の少なくとも1方を溶融接着させることが可能になる。特に、熱溶融接着層が導体側層とシート側層の2層構造であれば、防水シートと固定具とが強固に接着して、防水下地上に安定した防水層が効率的に形成される。
防水シートは複数枚用いることができる。複数の防水シートは、防水シート固定具に同時に接着したり、別個に接着したりすることが可能である。各防水シートの継ぎ目は、防水性能が劣らないように、各防水シートの端部を重ねて接着することができる。
好ましくは、一方の防水シートを接着し、その後他方の防水シートを接着する。防水シート固定具の勾配部又は切欠き部によって防水シートとの接着強度が強く設定できるので、複数の防水シートが防水シート固定具の熱溶融接着層を分け合って接着しても十分な防水性能の発揮が可能であり、施工性が著しく向上する。
このような作業を繰り返し行うことにより、所望の防水下地において、広大な面積に強固な防水層を形成することが可能である。
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1は本発明の1実施形態の防水シート固定具を示す斜視図である。図2は図1の防水シート固定具の断面図である。図3は図2の防水シート固定具の溶融接着層部分を拡大して示す断面図である。図4は防水シートの施工方法の1工程を示す断面図である。図5は1例の環状紋を示す斜視図である。図6は1例の非環状紋を示す斜視図である。
図1〜6に示すように、防水シート固定具1は、防水シート5と熱溶着する主たる平坦部1Aと、その外縁部において所定の勾配をもって外側に向かって低くなっている勾配部1Bとを有する。防水シート固定具1はその芯材としての導体固定片2が用いられ、導体固定片2は、防水シート固定具1の形状をほぼ同様に有し、その表面に、熱溶融接着層3が設けられている。
勾配部1Bは、防水シート5と防水シート固定具1との電磁誘導加熱による溶融溶着において、加熱温度が上昇し過ぎる場合や、溶融溶着時に防水シート固定具1の中心位置と電磁誘導加熱装置の発振部7の中心位置とがずれる場合や、転圧時の圧力が防水シート固定具の最外周部にかかり過ぎ、防水シート5の溶融が進み過ぎる場合等に生じる防水シート5の断面欠損を防ぐことができる。
防水シート固定具1には、アンカー6等の取付孔1Cが設けられており、その外環周部には、半球状の窪み部1Dが取付孔1Cから離れた同心円上の所定の位置で設けられている。窪み部1Dの底部1Eは、防水シート固定具1の最外周部である鍔状部1F等と共に防水下地4との接地部を形成し、同一面上になる。かかる構造では、誘導加熱による溶融接着の際の転圧により、平坦部1Aの変形、沈み込み等が起きないため、理想的な溶融接着が可能となる。
防水シート5と防水シート固定具1との溶融溶着の良否は、図5及び6に示すように、溶着部8の形状を上面から観察することによって判断することができる。特に、図5及び6に示すように、溶融溶着の良否は、平坦部1Aの外周部及び窪み部1Dにおいて、溶着部8の形状に基づいて判断することができる。以下、良否判断の1例の基準(a)〜(d)を示す。
(a)図5に示すように、溶着部8の外縁の線として、平坦部1Aの外周の線、特に、略円盤形の防水シート固定具1の場合の略円形の線8Aや、特に図示していないが、平坦部1A及び勾配部1Bの間の線が、途切れたり、乱れたりせずに、正常に出ている場合、電磁誘導加熱によって溶融溶着が十分に行われることを示す。
(b)また、図5に示すように、溶着部8と非溶着部9との境界線、すなわち溶着部8の内縁の線として、平坦部1Aの中心近傍の窪み部1Dの線、特に、略半球形の窪み部1Dの線が、略半円が交互に反転して繋がったような環状の波形線10となる場合等、途切れたり、乱れたりせずに、正常に出ている場合、溶融溶着が十分に行われることを示す。
(c)その一方、図6に示すように、防水シート5と熱溶着する主たる平坦部1Aの外周部の円形状の溶着模様が異常な線8Bで出ている場合や、平坦部1Aの内周部に略半球状の窪み部1Dによる波状の溶着模様が異常な線11で出ている場合は、溶融溶着がまだ不十分であることを示す。このときは、再度、電磁誘導加熱を行なえばよい。
(d)なお、外縁の勾配部1Bを超えて溶着模様が出ている場合や、平坦部1Aの内周部に略半球状の窪み部1Dによる溶着模様が窪み部1Dの輪郭のままに円形の線としてそれぞれ独立して出ている場合は、圧着又は電磁誘導加熱のし過ぎであることを示す。
上記(a)〜(d)の現象は、作業者が容易に判断可能である。
取付孔1Cは、防水シート固定具1を防水下地4上に固定するために、アンカー6等の固定部材を打ち込むための貫通孔である。取付孔1Cは、アンカー6等の固定部材の頭部が、平坦部1Aより出ないように、勾配を設けた構造としている。
図1に示すように、平坦部1Aには、所定の位置に平坦部貫通孔1Gを設けている。また、図2に示すように、窪み部1Dには、窪み部貫通孔1Hを、その底部1Eの付近で防水下地4に接しない位置に設ける。これらの貫通孔1G,1Hは、電磁誘導加熱によって溶融溶着する際に、防水シート固定具1と防水シート5との間に介在する空気を転圧時に放出させる効果及び電磁誘導加熱による加熱で膨張した空気を外部に散出させる効果を有する。
防水シート固定具1の熱溶融接着層3は、導体固定片2に接し導体固定片2を形成している金属と強固に接着する熱可塑性樹脂フィルム層からなる導体側フィルム層3Aと、防水シート5及び導体側フィルム層3Aとの十分な接着強度を有する熱可塑性樹脂フィルム層からなるシート側フィルム層3Bとからなる2層構造をしている。
鍔状部1Fは、防水シート固定具1の外周に設けられ、防水下地4と接する。鍔状部1Fは、取付孔1Cや窪み部1Dの部分等と共に防水下地4と接し、防水シート5と接着する平坦部1Aの部分が防水下地4と所定の距離を隔てる構造を形成する。
上述のように、防水シート固定具は、その本体が防水下地に固定される導体固定片からなることができる。導体固定片には、加熱によって溶融化し防水シートと熱溶着する熱溶融接着層を、上面全体にその形状に追従させて設けることができる。防水シートは、導体固定片の全面を覆う熱可塑性樹脂等からなる。導体固定片の外縁部には、防水シートと熱溶着する主たる平坦部の中心部から外縁部に向かって低くなる勾配を持つ構造を設けることができる。
導体固定片の中心部には、防水下地にアンカー等による固定するための穴形状を有した取付孔を設けることができる。取付孔は、所定形状のアンカーを用い導体固定片を防水下地に固定するとき、アンカー等の頭部が防水シートと熱溶着する主たる平坦部よりも高くならない形状を有する。
中心部の取付孔には、その外周部に、環状に、半球状の凹部を所定の間隔で設けることができる。この凹部には、防水下地と接地しない所定の位置に、貫通孔を設けることができる。また、導体固定片の円形状の凹部の外周部の主たる平坦部上にも、貫通孔を所定の位置に設けることができる。
上記構造を有する導体固定片は、防水下地の所定の位置にアンカー等により固定し、その上を防水シートで覆い、その防水シートの上から、電磁誘導加熱によって導体固定片を加熱し、この加熱された熱によって導体固定片に、その上側の防水シートを接着させる機能を有する。
導体固定片は、その上面に、中心部の取付孔の周りから防水下地に接地する外縁部まで連続した熱溶融接着層を有する構造であってよく、導体固定片を防水下地に固定し、その上に防水シートを敷設し誘導加熱することで、熱溶融接着層を溶融しそれに防水シートを固定する。この作業を繰り返し行うことにより、広大な面積と強固な防水層を形成することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
図1〜3に示すような防水シート固定具を製造し、次いで、この防水シート固定具を防水下地となる部位の所定の位置にアンカーにて固定する。
導体固定片は、ステンレス板を母材とし、その表面に上下2層の熱可塑性樹脂製層からなる熱溶融接着層を被覆する。下層は、ステンレスに対して強固な接着強度を有する層であり、例えば、導体固定片の成形に先立ってステンレス板に積層されたポリイミド樹脂フィルムからなる。上層は、このステンレスに対して強固な接着強度を有する熱可塑性樹脂製層と、防水シートとに対して強固な接着強度を有する層であり、例えば、下層と同様にするポリエステル樹脂フィルムからなる。導体固定片は、勾配部とアンカー固定孔とその周りの凹部とを有する。
次に、図4に示すようにして、防水シート固定具上で、防水シートを施工する。
防水シートを導体固定片上の所定の位置に敷き、電磁誘導加熱装置を防水シート上に置き、電磁誘導加熱による加熱で防水シートと導体固定片上の熱溶融接着層とを溶融溶着させる。電磁誘導加熱装置のスイッチを入れると、電磁誘導加熱装置に設けられたコイルによって導体固定片が加熱され、この熱によって導体固定片表面の各熱可塑性樹脂製層が溶融して、導体固定片と防水シートとが強固に溶融溶着される。
このとき、図5に示すように、電磁誘導加熱装置を押える圧力が均一で、過不足がなければ、溶融溶着模様は一定の環状紋になる。この例では、良好な溶融溶着模様は、溶着部の外周部側では円となり、中心部側では12個の略半円が交互に反転して繋がったような波形線の環となる。図6に示すように、溶融溶着模様が環形とならなかったり、外周部側の円や中心部側の波形環の一部が欠けていたりする場合、環が切れている部分は十分に溶融溶着されていないことを示す。この場合、再度、誘導加熱を行う。
このようにして施工される防水シートは、導体固定片の周縁部で断面欠損を生じることがなく、長期間にわたる耐久性を示す。
本発明は、防水工事、特に、防水シートの使用による防水下地の防水のための防水シート固定具を提案する。この防水シート固定具は所定形状の導体固定片及び熱溶融接着層から製造することができる。この防水シート固定具は、防水下地上で防水シートを電磁誘導加熱等によって溶着固定する際、その溶着を強固にすることができる。また、溶着された防水シートの十分な溶着度合が目視で確認できるようになる。防水シート固定具上で電磁誘導加熱等によって施工される防水シートは、断面欠損が抑制され、得られる防水構造の耐久性が著しく高められる。
本発明の1実施形態の防水シート固定具を示す斜視図である。 図1の防水シート固定具の断面図である。 図2の防水シート固定具の溶融接着層部分を拡大して示す断面図である。 防水シートの施工方法の1工程を示す断面図である。 1例の環状紋を示す斜視図である。 1例の非環状紋を示す斜視図である。
符号の説明
1 防水シート固定具
1A 平坦部
1B 勾配部
1C 取付孔
1D 窪み部
1E 底部
1F 鍔状部
1G 平坦部貫通孔
1H 窪み部貫通孔
2 導体固定片
3 熱溶融接着層
3A 導体側フィルム層
3B シート側フィルム層
4 防水下地
5 防水シート
6 アンカー
7 発振部
8 溶着部
8A 略円形の線
8B,11 異常な線
9 非溶着部
10 波形線

Claims (6)

  1. 導体固定片と前記導体固定片上の熱溶融接着層とを備えており、防水下地上に固定される防水シート固定具であって、
    平坦部及び前記平坦部の外側の勾配部を備えており、前記勾配部が前記平坦部から外側に向かって徐々に低くなる表面を有していることを特徴とする防水シート固定具。
  2. 前記勾配部上に熱溶融接着層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の防水シート固定具。
  3. 前記熱溶融接着層が、導体固定片の側の導体側層と防水シートの側のシート側層とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の防水シート固定具。
  4. 前記熱溶融接着層が、前記導体固定片の成型に先立って積層された接着フィルムからなる請求項1〜3のいずれか一項記載の防水シート固定具。
  5. 前記防水シート固定具の表面に切欠き部を有しており、前記切欠き部が前記平坦部の中心部の近傍にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の防水シート固定具。
  6. 導体固定片と前記導体固定片上の熱溶融接着層とを備えており、防水下地上に固定される防水シート固定具であって、
    表面に切欠き部を有しており、前記切欠き部が前記防水シート固定具の中心部の近傍にあることを特徴とする防水シート固定具。

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