JP2005220130A - 左糖グルコースリピドa類縁体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたマクロファージ活性抑制作用を有し、有用な化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式
Figure 2005220130

[Qは、酸素原子、C1−C3アルキレン基、基-O-Alk-又は基-O-Alk-O-(AlkはC1−C3アルキレン基。)、 R1は、C1−C20アルカノイル基、C3−C20アルケノイル基又はC3−C20アルキノイル基、 R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、C1−C20アルキル基、C2−C20アルケニル基、C2−C20アルキニル基、C1−C20アルカノイル基、C3−C20アルケノイル基又はC3−C20アルキノイル基、 R5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6アルケニルオキシ基又はC2−C6アルキニルオキシ基、 Wは、酸素原子又は基-NH-。]で表される化合物、その薬理上許容しうる塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れたマクロファージ活性抑制作用を有し、抗炎症剤、抗自己免疫疾患剤、免疫抑制剤、抗敗血症剤又は冠動脈バイパス形成術後の予後改善剤として有用な新規リピドA類縁体に関する。
腸内細菌から得られたグラム陰性菌の細胞壁の最表層には菌体外に分泌されない毒成分(内毒素)が含まれており、この内毒素は、内毒素活性以外にも、生体の自己防衛にかかわる免疫アジュバント活性作用、マクロファ−ジ活性化作用、マイトジェン活性作用、発熱作用、腫瘍壊死作用、抗体産生増強作用、TNF誘導作用等の多様な生物活性を示す。
かかる内毒素はリポ多糖よりなり、いわゆるリピドAと称される部分が内毒素活性の活性中心であることが確認されている(非特許文献1)。
一方、細菌リピドA関連化合物としてRhdobacter sphaeroidesより見出された化合物(Rs−DPLA)(非特許文献2及び非特許文献3)は、ヒトマクロファージに対してLPSアンタゴニストの活性を示し抗自己免疫患剤又は抗敗血症剤として有用である可能性が出てきており、マクロファージ活性化作用とは逆の抑制作用を示す薬剤の開発が行われるようになってきた。
これらの結果から、上記の多様な活性のうち、有用な活性を有する化合物の誘導体合成の試みが頻繁に行われるようになり、例えば、非特許文献4、特許文献1、特許文献2、特許文献3又は特許文献4に記載された誘導体が知られている。
井本等、テトラヘドロン・レタ−ズ、1985年、26巻、P.1545 キュレシ等、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、1988年、263巻、P.5502 インフェクション・イミュニティー、57巻、P.1336 クリスト等、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、116巻、P.3637 特開平10−324694号公報 特開平5−194470号公報 特開2001−348396号公報 米国特許5935938号公報
本発明者等の課題は、優れたマクロファージ活性抑制作用を有し、抗炎症剤、抗自己免疫疾患剤、免疫抑制剤、抗敗血症剤又は冠動脈バイパス形成術後の予後改善剤として有用な新規リピドA類縁体を見出すことである。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意努力した結果、1位にホスホノ基又はホスホノオキシエチル基を有するグリコシルリピドA類縁体のある系統の化合物に、優れたマクロファ−ジ活性抑制作用を見出し、本発明を完成した。
本発明の化合物は、
1)一般式
Figure 2005220130
[式中、
Qは、酸素原子、C1−C3アルキレン基、基−O−Alk−又は基−O−Alk−O−(但し、AlkはC1−C3アルキレン基を示す。)であり、
Wは、酸素原子又は基−NH−を示し、
1(Wが基−NH−である場合)は、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルカノイル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルケノイル基又は下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルキノイル基を示し、
1(Wが酸素原子である場合)、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルキル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC2−C20アルケニル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC2−C20アルキニル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルカノイル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルケノイル基又は下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルキノイル基を示し、
5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C6アルケニルオキシ基又はオキソ基を有していてもよいC2−C6アルキニルオキシ基を示し、
置換基群Aは、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、オキソ基を有していてもよいC1−C20アルコキシ基、(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ基、{(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ}C1−C20アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C20アルケニルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C20アルキニルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC1−C20アルカノイルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC3−C20アルケノイルオキシ基及びオキソ基を有していてもよいC3−C20アルキノイルオキシ基からなる群である。]
で表される化合物、その薬理上許容しうる塩である。
本発明の化合物(I)のうち、好適なものは、
2)Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C8−C18アルカノイル基又はC8−C18アルケノイル基である化合物、
3)Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C10−C18アルカノイル基又はC10−C18アルケノイル基である化合物、
4)Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノイル基である化合物、
5)Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C4−C18アルキル基、C4−C18アルケニル基、C4−C18アルカノイル基又はC4−C18アルケノル基である化合物、
6)Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C8−C18アルキル基、C8−C18アルケニル基、C8−C18アルカノイル基又はC8−C18アルケノル基である化合物、
7)Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C10−C18アルキル基、C10−C18アルケニル基、C10−C18アルカノイル基又はC10−C18アルケノル基である化合物、
8)Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルキル基、C12−C16アルケニル基、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノル基である化合物、
9)Wが酸素原子であり、R1及びR3が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノル基であり、かつ、R2及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルキル基又はC12−C16アルケニル基である化合物、
10)Wが酸素原子であり、R1及びR3が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ドデセノイル基、テトラデセノイル基又はオクタデセノイル基であり、かつ、R2及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ドデセニル基、テトラデセニル基又はオクタデセニル基である化合物、
11)置換基群Aから選択された置換基が、フッ素原子、水酸基、C1−C20アルコキシ基、C12−C14アルケニルオキシ基、C12−C14アルカノイルオキシ基又はC12−C14アルケノイルオキシ基である化合物、
12)置換基群Aから選択された置換基が、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ドデセノイルオキシ基、テトラデセノイルオキシ基又はオクタデセノイル基である化合物、
13)R5が、ハロゲン原子、水酸基又は無置換のC1−C6アルコキシ基である化合物、
14)R5が、フッ素原子、水酸基又はメトキシ基である化合物、
15)Qが、酸素原子である化合物、
16)Qが、ホスホノエチル基である化合物、
17)右側グルコース又はグルコサミンの1位がα位である化合物である。
これらのうち、更に好適な化合物は、
18)ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号1番)、
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号2番)、
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号3番)、
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号4番)、
2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号5番)、
2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号6番)、
2−(ホスホノオキシ)エチル 6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(化合物番号7番)、
ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号8番)、
ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号9番)、
2−(ホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(化合物番号10番)又は
ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(化合物番号13番)であり、
特に好適な化合物は、
19)化合物番号8番又は9番の化合物である。
また、本発明は、上記化合物(I)を有効成分として含有する医薬であり、特に、炎症の予防剤又は治療剤、自己免疫疾患の予防剤又は治療剤、免疫抑制剤、敗血症の予防剤又は治療剤、あるいは、冠動脈バイパス形成術後の予後改善剤である。
なお、上記式(I)中、Qにおいては並び順は特に限定がなく、例えば、基−O−Alk−は−O−Alk−であっても−Alk−O−であってもよい。
本発明における「C1−C3アルキレン基」は、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基のような直鎖又は分枝鎖のC1−C3アルキレン基であり、好適には、メチレン、エチレン又はトリメチレン基であり、より好適には、エチレン基である。
本発明における「C1−C20アルカノイル基」、及び、「オキソ基を有していてもよいC1−C20アルカノイルオキシ基」の「C1−C20アルカノイル」部分は、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリル、sec−ブチリル、tert-ブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、イソヘキサノイル、ヘプタノイル、イソヘプタノイル、オクタノイル、イソオクタノイル、ノナノイル、イソノナノイル、デカノイル、イソデカノイル、ウンデカノイル、イソウンデカノイル、ラウロイル、イソラウロイル、トリデカノイル、イソトリデカノイル、ミリストイル、ペンタデカノイル、パルミトイル、ヘプタデカノイル、ステアロイル、イソステアロイル、ノナデカノイル、イコサノイル基のような直鎖又は分枝鎖のC1−C20アルカノイル基であり、好適には、C4−C18アルカノイル基であり、より好適には、C8−C18アルカノイル基であり、更により好適には、C10−C18アルカノイル基であり、特に好適には、C12−C16アルカノイル基である。
本発明における「C3−C20アルケノイル基」、及び、「C3−C20アルケノイルオキシ基」の「C3−C20アルケノイル」部分は、上記であげたC1−C20アルカノイル基のうち、炭素数3乃至20個のものであって、1乃至3個の二重結合を有する基であり、好適には、C4−C18アルケノイル基であり、より好適には、C8−C18アルケノイル基であり、更により好適には、C10−C18アルケノイル基であり、特に好適には、C12−C16アルケノイル基である。
本発明における「C3−C20アルキノイル基」、及び、「C3−C20アルキノイルオキシ基」の「C3−C20アルキノイル」部分は、上記であげたC1−C20アルカノイル基のうち、炭素数3乃至20個のものであって、1乃至3個の三重結合を有する基であり、好適には、C4−C18アルキノイル基であり、より好適には、C8−C18アルキノイル基であり、更により好適には、C10−C18アルキノイル基であり、特に好適には、C12−C16アルキノイル基である。
本発明における「C1−C20アルキル基」、及び、「C1−C20アルコキシ基」の「C1−C20アルキル」部分は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−プロピルブチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、1−プロピルペンチル、2−エチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、ノニル、3−メチルオクチル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−メチルオクチル、1−プロピルヘキシル、2−エチルヘプチル、6,6−ジメチルヘプチル、デシル、1−メチルノニル、3−メチルノニル、8−メチルノニル、3−エチルオクチル、3,7−ジメチルオクチル、7,7−ジメチルオクチル、ウンデシル、4,8−ジメチルノニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、3,7,11−トリメチルドデシル、ヘキサデシル、4,8,12−トリメチルトリデシル、1−メチルペンタデシル、14−メチルペンタデシル、13,13−ジメチルテトラデシル、ヘプタデシル、15−メチルヘキサデシル、オクタデシル、1−メチルヘプタデシル、ノナデシル、イコシル又は3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基のような炭素数1乃至20個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、好適には、C4−C18アルキル基であり、より好適には、C8−C18アルキル基であり、更により好適には、C10−C18アルキル基であり、特に好適には、C12−C16アルキル基である。
本発明における「C2−C20アルケニル基」は、上記であげたC1−C20アルキル基のうち、炭素数2乃至20個のものであって、1乃至3個の二重結合を有する基であり、好適には、C4−C18アルケニル基であり、より好適には、C8−C18アルケニル基であり、更により好適には、C10−C18アルケニル基であり、特に好適には、C12−C16アルケニル基である。
本発明における「C2−C20アルキニル基」は、上記であげたC1−C20アルキル基のうち、炭素数2乃至20個のものであって、1乃至3個の三重結合を有する基であり、好適には、C10−C18アルキニル基であり、より好適には、C8−C18アルキニル基であり、更により好適には、C10−C18アルキニル基であり、特に好適には、C12−C16アルキニル基である。
本発明における「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子であり、好適には、フッ素、塩素又は臭素原子であり、より好適には、フッ素原子である。
本発明のR5における「C1−C6アルコキシ基」は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、2−メチルブチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1−エチルプロピルオキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2,2−ジメチルブチルオキシ、1,1−ジメチルブチルオキシ、1,2−ジメチルブチルオキシ、1,3−ジメチルブチルオキシ、2,3−ジメチルブチルオキシ又は2−エチルブチルオキシ基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、より好適には、メトキシ基である。
本発明のR5における「C2−C6アルケニルオキシ基」は、上記であげたC1−C6アルコキシ基のうち、炭素数2乃至6個のものであって、1個の二重結合を有する基であり、好適には、C2−C4アルケニルオキシ基である。
本発明のR5における「C2−C6アルキニルオキシ基」としては、上記であげたC1−C6アルコキシ基のうち、炭素数2乃至6個のものであって、1個の三重結合を有する基であり、好適には、C2−C4アルキニルオキシ基である。
本発明における「(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ基」は、上記であげた「C1−C20アルコキシ基」が1個置換した上記であげた「C1−C20アルコキシ基」であり、好適には、(C1−C6アルコキシ)C1−C6アルコキシ基である。
本発明における「{(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ}C1−C20アルコキシ基」は、上記であげた「(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ基」が1個置換した上記であげた「C1−C20アルコキシ基」であり、好適には、{(C1−C6アルコキシ)C1−C6アルコキシ基}C1−C6アルコキシ基である。
本発明において、オキソ基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ又はアルキニルオキシ基に置換する場合、オキソ基が1位の炭素原子に置換する場合を除く。すなわち、オキソ基に置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニルオキシ又はアルキニルオキシは、それぞれ、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、アルカノイルオキシ、アルケノイルオキシ又はアルキノイルオキシを含まない。
本発明の「置換基群A」は、好適には、フッ素原子、水酸基、C1−C20アルコキシ基、C12−C14アルケニルオキシ基、C12−C14アルカノイルオキシ基及びC12−C14アルケノイルオキシ基からなる群であり、より好適には、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ドデセノイルオキシ基、テトラデセノイルオキシ基及びオクタデセノイル基からなる群である。
上記式(I)中、置換基群Aの置換位置は、好適には、3位である。
上記式(I)の化合物は、塩にすることができるが、そのような塩としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩;トリエチルアミン塩、トリメチルアミン塩のような有機塩基の塩を挙げることができる。
また、本発明の化合物(I)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
さらに、本発明の化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。
上記式(I)の化合物は、分子中に不斉炭素を有し、各々がS配位、R配位である立体異性体が存在するが、その各々、或いはそれらの混合物のいずれも本発明に包含される。
本発明の左糖グルコースリピドA類縁体は、優れたマクロファ−ジ活性抑制作用を示し、抗炎症剤、抗自己免疫疾患剤、免疫抑制剤、抗敗血症剤又は冠動脈バイパス形成術後の予後改善剤として有用である。
本発明の一般式(I)を有する化合物は、以下の方法により、公知化合物(II)を出発原料として用いて、製造することができる。
Figure 2005220130
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上記工程中、Q、R1、R2、R3、R4、R5及びWは前述したものと同意義を示す。
2aは、水素原子を除くほかはR2と同意義を示す。
4aは、p-メトキシベンジル基である。
4bは、C1−C17アルキル基、C2−C17アルケニル基又はC2−C17アルキニル基である。
5aは、保護されない水酸基を除くほかはR5と同意義を示す。
5bは、水酸基の保護基であり、好適には、ベンジルオキシカルボニル基又はアリルオキシカルボニル基である。
6、R7、R8、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、C1−C4アルキル基又はC6−C10アリール基を示す。
9及びR15は、同一又は異なって、アリル基、置換基を有してもよいC6−C10アリール基又は置換基を有してもよいC7−C11アラルキル基を示し、好適には、アリル基、フェニル基又はベンジル基を示す。
13は、アリルオキシカルボニル基を示す。
14は、水素原子又はトリ(C1−C6アルキル)ケイ素基を示す。
16は、C1−C6アルキル基を示す。
本願発明の化合物(I)を製造する工程はA〜C法からなる。
(1)A法は、中間体(XIVa)又は(XVIII)を製造する方法である。
(2)B法は、中間体(XXVII)、(XXIX)、(XXXIII)、(XXXV)、(XXXVIII)、(XLIII)、(XLIX)、(LII)、(LVI)、(LXX)又は(LXXIV)を製造する工程である。
(3)C法は、A法により製造できる中間体とB法により製造できる中間体とを縮合し、目的化合物(Ia)、(Ib)、(I)又は(Ic)を製造する工程である。
以下、各工程につき、説明する。
(1)A法
(1−1)a法
本方法は、R5が水素原子以外の基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XIVa)の製法である
(第Aa1工程)
本工程は、ジアセトン−D−グルコース化合物(II)の3位水酸基がアルキル化(アルケニル基、アルキニル基を導入する場合も含む。以下、製造工程の説明において、同様の定義とする。)又はアシル化された化合物(III)を製造する工程であり、アルキル化は下記(a)の方法、アシル化は下記(b)の方法により達成される。
(a)アルキル化
本工程は、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(II)にアルキル化剤を反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類があげられるが、好適には、ジメチルホルムアミドである。
使用される塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;n-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属等があげられるが、好適には、水素化ナトリウムである。
使用されるアルキル化剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、スルホン酸エステル類が挙げられるが、好適には、臭化物(R4Br)、ヨウ化物(R4I)又はメタンスルホン酸エステル(R4OSO2Me)である。
反応温度は、通常0℃乃至100℃で行われるが、好適には、20℃乃至60℃である。
反応時間は、反応温度、原料、試薬または使用される溶剤等によって異なるが、通常、20分間乃至48時間であり、好適には、2乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(b)アシル化
本工程は、不活性溶剤中、縮合剤及び塩基の存在又は非存在下、化合物(II)に、カルボン酸又は酸塩化物のようなアシル化剤を反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類をあげることができるが、好適には、メチレンクロリドである。
カルボン酸との反応において使用される縮合剤としては、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド ハイドロクロライド(WSCI)などのカルボジイミド類をあげることができるが、好適には、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド又はWSCIである。
酸塩化物との反応において使用される塩基としては、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンのような有機塩基類をあげることができるが、好適には、4-ジメチルアミノピリジン又はトリエチルアミンである。
使用されるアシル化剤としては、式:R2'OHで表されるカルボン酸、または、式:R4'Cl(式中、R4'は、R4の定義のうちアルカノイル基、アルケノイル基又はアルキノイル基を示す。)で表される酸クロライドがあげられる。これらのアシル化剤が、水酸基又はオキソ基を有する場合、かかる基は保護されていてもよく、例えば、オキソ基は、ケタール基として保護される。
反応温度は、通常0℃乃至100℃であり、好適には、15℃乃至25℃(室温)である。
反応時間は、通常20分間乃至24時間であり、好適には1乃至5時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物をろ過し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa2工程)
本工程は、化合物(III)を、アリルアルコール溶媒中、塩酸ガス存在下で加熱することにより化合物(IV)を得る工程である。
反応温度は、通常室温乃至溶媒の還流加熱温度で行われるが、好適には、室温乃至80℃である。
反応時間は、通常20分間乃至24時間であり、好適には、30分間乃至5時間である。
(第Aa3工程)
本工程は、化合物(IV)の4位及び6位の水酸基にイソプロピリデンを架け化合物(V)を得る工程である。本工程は、化合物(IV)に、不活性溶剤中、酸触媒存在下で2,2−ジメトキシプロパンを反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。
使用される酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸などがあげられる。
反応温度は、通常室温乃至50℃である。
反応時間は、通常20分間乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(V)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa4工程)
本工程は、化合物(V)のアリル基の二重結合をエノールエーテル型に移し、化合物(VI)を製造する工程である。本工程は、化合物(V)を、不活性溶媒中、塩基又はイリジウム錯体と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類をあげることができ、塩基を用いる場合は、好適にはジメチルスルホキシドであり、イリジウム錯体を用いる場合は、好適にはテトラヒドロフランである。
使用される塩基としては、例えば、tert-ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドがあげられるが、好適には、tert-ブトキシカリウムである。
使用されるイリジウム錯体としては、例えば、(1,5-シクロオクタジエン)ビス(メチルジフェニルホスフィン)イリジウム(I)ヘキサフルオロホスフェートがあげられる。
反応温度は、塩基を用いた場合は、通常室温乃至溶媒の還流加熱温度であり、イリジウム錯体を用いた場合は、通常0℃乃至80℃であり、好適には室温である。
反応時間は、塩基を用いた場合は、通常1時間乃至24時間であり、好適には16時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(VI)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa5工程)
本工程は、化合物(VI)の2位の水酸基をアルキル化又はアシル化して化合物(VII)を得る工程であり、第Aa1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Aa6工程)
本工程は、化合物(VII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(VIII)を製造する工程である。本工程は、化合物(VII)を、80%酢酸水又はアルコール溶媒中、酸触媒又はNBSを反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類があげられる。
使用される酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸などの有機酸;塩酸、硫酸などの無機酸があげられる。
反応温度は、酢酸水溶媒中では通常室温乃至100℃であり、アルコール中では通常0℃乃至50℃であり、好適には、室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間であり、好適には、6分間乃至3時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(VIII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa7工程)
本工程は、化合物(VIII)のジオールの一級水酸基をシリル基で保護し、化合物(IX)を製造する工程である。本工程は、化合物(VIII)を、不活性溶媒下、塩基存在下、シリル化剤と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類があげられ、好適には、メチレンクロリド又はテトラヒドロフランである。
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンのような有機塩基類をあげることができる。
使用されるシリル化剤としては、例えば、塩化tert-ブチルジメチルシリル基のようなハロゲン化トリアルキルシリル基があげられる。
反応温度は、通常0℃乃至80℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(IX)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa8工程)
本工程は、化合物(IX)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(X)を製造する工程である。本工程は、化合物(IX)を、不活性溶媒下、弱酸である1H-テトラゾール存在下、ジイソプロピルホスホルアミダイトと反応させ、更に、不活性溶媒下、酸化剤と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類があげられる。
使用される酸化剤としては、例えば、過酸化水素、m-クロロ過安息香酸、オキソンのような過酸化物があげられる。
反応温度は、通常0℃乃至100℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(X)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa9工程)
本工程は、化合物(X)のシリル保護基を脱保護し、一級アルコールである化合物(XI)を製造する工程である。本工程は、化合物(X)を、不活性溶媒下、酸触媒と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;アセトニトリルのようなニトリル類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類があげられる。
使用される酸触媒としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸のような無機酸;p-トルエンスルホン酸のような有機酸があげられる。
反応温度は、通常20℃乃至50℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至2時間であり、好適には15分間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XI)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa10工程)
本工程は、化合物(XI)の6位水酸基が変換された化合物(XII)を製造する工程であり、R5aがオキソ基を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C6アルケニルオキシ基又はオキソ基を有していてもよいC2−C6アルキニルオキシ基である場合は1)の方法で、特にメトキシ基の場合には2)の方法で達成され、R5aがハロゲン原子の場合は3)の方法で達成される。
1)R5aがオキソ基を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C6アルケニルオキシ基又はオキソ基を有していてもよいC2−C6アルキニルオキシ基である場合
本工程は、不活性溶剤中、塩基又は酸化銀(II)(AgO)の存在下、化合物(XI)をアルキル化剤等と反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロインのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドのようなアミド類をあげることができるが、好適には、エーテル類である。
使用される塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N-メチルピペリジン、ピリジン、ピコリン、4−(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機塩基類をあげることができる。好適には、有機塩基類であり、更に好適には、DBN又はDBUである。
使用されるアルキル化剤等としては、式:R5a'Z(式中、R5a'はハロゲン原子を除くほか前記R5aと同意義を示し、Zはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、パラトルエンスルホニルオキシ基又はメタンスルホニルオキシ基である。)をあげることができる。
反応温度は、通常0℃乃至100℃で行われるが、好適には、0℃乃至30℃である。
反応時間は、通常10分間乃至24時間であり、好適には、1乃至18時間である。
2)R5aが、メトキシ基である場合
本工程は、不活性溶剤中、塩基存在下、化合物(XI)をトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレートと反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、例えば、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;メチレンクロリド、クルルホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドのようなアミド類をあげることができるが、好適には、メチレンクロリドである。
使用される塩基としては、好適には、2,6−ジ−tert-ブチル−4−メチルピリジンをあげることができる。
反応温度は、通常−50℃乃至100℃で行われるが、好適には、0℃乃至30℃である。
反応時間は、通常1乃至24時間であり、好適には、2乃至5時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
3)R5aがハロゲン原子の場合
3-1)R5aが、フッ素原子である場合
本工程は、不活性溶剤中、化合物(XI)をフッ素化剤と反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、フルオロトリクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類をあげることができるが、好適には、メチレンクロリドである。
使用されるフッ素化剤としては、例えば、ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)をあげることができる。
反応温度は、通常−78℃乃至25℃で行われるが、好適には、0℃乃至25℃である。
反応時間は、通常1乃至18時間であるが、好適には、1乃至5時間である。
3-2)R5aが、塩素原子又は臭素原子である場合
本工程は、不活性溶剤中、化合物(XI)に三塩化リン、三臭化リン、三塩化ホスホリル、三臭化ホスホリル、塩化チオニル又は臭化チオニルを反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、好適には、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類である。
反応温度は、通常−50℃乃至50℃で行われるが、好適には、−10℃乃至30℃である。
反応時間は、通常1乃至18時間であるが、好適には、1乃至5時間である。
3-3)R5aが、ヨウ素原子である場合
本工程は、不活性溶剤中、化合物(XI)にヨウ素及びトリフェニルホスフィンを反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度以上溶解するものであれば特に限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロインのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メタノール、エタノールのようなアルコール類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類をあげることができるが、好適には、エーテル類である。
反応温度は、通常−50乃至100℃で行われるが、好適には、0℃乃至30℃である。
反応時間は、通常1乃至18時間であるが、好適には、1乃至5時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Aa11工程)
本工程は、化合物(XII)の1位水酸基の保護基を脱保護し、化合物(XIII)を製造する工程であり、不活性溶媒中、酸触媒と反応させることにより達成される。
用いられる溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類があげられる。
用いられる酸触媒としては、48%フッ化水素酸水溶液があげられる。
反応温度は、通常0℃乃至100℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間であり、好適には16時間である。
(第Aa12工程)
本工程は、トリクロロアセトイミデート体(XIVa)を製造する工程であり、化合物(XIII)の1位水酸基に、不活性溶剤中、塩基存在下、トリクロロアセトニトリルを作用させることにより達成される。
使用される溶剤は、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好適には、ハロゲン化炭化水素類(メチレンクロリド)である。
使用される塩基としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)などの有機塩基;又はナトリウムヒドリド、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基があげられ、好適には、DBU又は炭酸セシウムである。
反応温度は、通常−25℃乃至50℃であり、好適には、0℃乃至25℃である。
反応時間は、通常10分間乃至24時間であり、好適には、30分間乃至2時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XIVa)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
(1−2)b法
本方法は、R5が保護された水酸基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XVIII)の製法である
(第Ab1工程)
本工程は、所望により化合物(VIII)の6位水酸基が選択的に保護された化合物(XV)を製造する工程である。
3、R4及びR5bに不飽和結合が存在する場合は、還元反応を用いないで除去することのできるアリル基又はアリルオキシカルボニル基を使用する。R3、R4及びR5bに不飽和結合が存在しない場合は、直ちに保護化反応を行ってよい。
本反応は、不活性溶剤中、塩基存在下、保護化剤を反応させることによって達成される。
使用される溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類があげられるが、好適には、メチレンクロリドである。
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリンのような有機塩基類があげられるが、好適には、ピリジンである。
使用される保護化剤としては、脱保護処理を行うことによって6位水酸基が収率良く回復できるものであればよく、例えば、tert-ブトキシカルボニルクロリドのようなアルキルオキシカルボニルハライド、ベンジルオキシカルボニルクロリドのようなアラルキルオキシカルボニルハライド、アリルオキシカルボニルクロリドのようなアルケニルオキシカルボニルハライドがあげられるが、R3、R4及びR5bに不飽和結合が存在しない場合は、好適には、ベンジルオキシカルボニルクロリドであり、R3、R4及びR5bに不飽和結合が存在する場合は、好適には、アリルオキシカルボニルクロリドである。
反応温度は、通常−50℃乃至50℃であり、好適には、−10℃乃至30℃である。
反応時間は、通常10分間乃至24時間であり、好適には、30分間乃至5時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XV)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Ab2工程)
本工程は、化合物(XV)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(XVI)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Ab3工程)
本工程は、化合物(XVI)の1位水酸基の保護基を脱保護し、化合物(XVII)を製造する工程であり、第Aa11工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Ab4工程)
本工程は、トリクロロアセトイミデート体(XVIII)を製造する工程であり、第Aa12工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2)B法
(2−1)a法
本方法は、WがNH基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XXVII)の製法である。
(第Ba1工程)
本工程は、化合物(XIX)の3位水酸基がアルキル化又はアシル化された化合物(XX)を製造する工程であり、第Aa1工程と同様の条件で反応させることによって達成される。
(第Ba2工程)
本工程は、化合物(XX)の2位を脱保護し、化合物(XXI)を製造する工程である。
本工程は、不活性溶剤中、アルカリ条件下、化合物(XIX)の2位トリフルオロアセトアミドを脱保護する工程である。
使用される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;アセトニトリルのようなニトリル類があげられるが、好適にはアルコール類(エタノール)である。
使用されるアルカリとしては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような水酸化アルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドがあげられるが、好適には、水酸化アルカリ金属である。
反応温度は、通常0℃乃至100℃であるが、好適には、25℃乃至還流温度である。
反応時間は、通常30分間乃至24時間であり、好適には、1乃至16時間である。
(第Ba3工程)
本工程は、化合物(XXI)のアミノ基をカルボン酸、その酸ハライド又はその酸無水物とアミド化させることにより、化合物(XXII)を製造する工程である。
カルボン酸との縮合反応に用いられる縮合剤としては、例えば、DCC、WSCIなどのカルボジイミドがあげられる。
酸ハライドとのアミド生成反応に用いられる塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩類;ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンのような有機塩基があげられる。
縮合反応に用いられる溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;水及びそれらの混合溶媒があげられる。
縮合反応の場合の反応時間は、通常0℃乃至100℃である。
縮合反応の場合の反応温度は、通常6分間乃至24時間である。
(第Ba4工程)
本工程は、化合物(XXII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(XXIII)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることによって達成される。
(第Ba5工程)
本工程は、化合物(XXIII)のジオールの一級水酸基をシリル基で保護し、化合物(XXIV)を製造する工程であり、第Aa7工程と同様の条件で反応させることによって達成される。
(第Ba6工程)
本工程は、化合物(XXIV)のアリル基の二重結合をエノールエーテル型に移し、化合物(XXV)を製造する工程であり、第Aa4工程と同様の条件で反応させることによって達成される。
(第Ba7工程)
本工程は、化合物(XXV)の二級水酸基をアリルオキシカルボニル基で保護し、化合物(XXVI)を製造する工程である。本工程は、化合物(XXV)を、不活性溶媒下、塩基存在下、カルボネート化剤と反応させ、更にアルコール類と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類があげらる。
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンのような有機塩基類があげられる。
使用されるカルボネート化剤としては、トリホスゲンがあげられる。
使用されるアルコール類としては、アリルアルコールがあげられる。
反応温度は、通常−20℃乃至50℃であり、好適には0℃である。
反応時間は、カルボネート化剤を加えた後アルコール類を加える前までが、通常10分間乃至1時間であり、好適には10分間であり、アルコール類を加えた後が、通常10分間乃至1時間であり、好適には1時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XXVI)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Ba8工程)
本工程は、化合物(XXVI)の1位水酸基の保護基を脱保護し、化合物(XXVII)を製造する工程であり、第Aa11工程と同様の条件で反応させることによって達成される。
(2−2)b法
本方法は、Wが酸素原子である化合物(I)の製造に用いる中間体(XXXIII)の製法である。
(第Bb1工程)
本工程は、化合物(XXVIII)のシリル保護基を脱保護し、更にアノマー位のエノールエーテルを同時に脱保護することにより、一級アルコールである化合物(XXIX)を製造する工程である。本工程は、第Aa9工程の反応条件をより厳しくし、例えば反応時間を長くすることにより達成される。
反応時間は、通常4時間乃至24時間であり、好適には10時間乃至16時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XXIX)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(2−3)c法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−OCHCHO−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XXXIX)の製法である。
(第Bc1工程)
本工程は、化合物(XXX)のアリル二重結合を酸化切断しアルデヒドとした後、還元することにより、化合物(XXXI)を製造する工程である。本工程は、化合物(XXX)を、不活性溶媒下、酸化剤と反応させ、更に、不活性溶媒下、還元剤と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、酸化においては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類と水との混合溶媒があげられ、還元においては、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類があげられる。
使用される酸化剤としては、例えば、四酸化オスミウムと過ヨウ素酸ナトリウムの組み合わせがあげられる。
使用される還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物類があげられ、好適には水素化ホウ素ナトリウムである。
反応温度は、通常0℃乃至50℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XXXI)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Bc2工程)
本工程は、化合物(XXXI)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(XXXII)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bc3工程)
本工程は、化合物(XXXII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(XXXIII)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2−4)d法
本方法は、Wが酸素原子であり、2位及び3位の水酸基を同じ保護基で保護した化合物(XXXV)の製法である。
(第Bd1工程)
本工程は、公知化合物(XXXIV)の2個の水酸基をアルキル化又はアシル化して化合物(XXXV)を得る工程であり、第Aa1工程と類似の条件で反応させることにより達成される。
(2−5)e法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−OCHCH−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XXXVIII)の製法である。
(第Be1工程)
本工程は、化合物(XXXI)の1級水酸基を臭素原子に変換し、化合物(XXXVI)を製造する工程であり、不活性溶媒中、四臭化炭素−トリフェニルホスフィンと反応させることにより達成することができる。
使用される溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;ベンゼンなどの芳香族炭化水素等があげられる。
反応温度は、通常0℃乃至溶媒の還流加熱温度であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至16時間であり、好適には1時間乃至3時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XXXVI)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物(XXXVI)は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Be2工程)
本工程は、化合物(XXXVI)の臭素原子をトリアリルホスファイトと反応させ、ジアリルホスフェート(XXXVII)を製造する工程であり、通常無溶媒下で行う。
反応温度は、通常150℃乃至200℃である。
(第Be3工程)
本工程は、化合物(XXXVII)の4位及び6位の水酸基の保護基を脱保護することにより、ジオール(XXXVIII)を製造する工程であり、不活性溶媒中、酸と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸水溶液(例えば、80%酢酸水溶液)等があげられる。
使用される酸としては、例えば、酢酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸;塩化水素のような無機酸があげられる。
反応温度は、通常50℃乃至80℃である。
反応時間は、通常1時間乃至6時間である。
(2−6)f法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−CHCHO−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XLIII)の製法である。
(第Bf1工程)
本工程は、化合物(XXXIX)の2位及び3位の水酸基をアルキル化又はアシル化して化合物(XL)を得る工程であり、第Aa5工程と類似の条件で反応させることにより達成される。
(第Bf2工程)
本工程は、化合物(XL)のアリル二重結合を酸化切断しアルデヒドとした後、還元することにより、化合物(XLI)を製造する工程であり、第Bc1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bf3工程)
本工程は、化合物(XLI)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(XLII)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bf4工程)
本工程は、化合物(XLII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(XLIII)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2−7)g法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−CHO−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(XLIX)の製法である。
(第Bg1工程)
本工程は、公知化合物(XLIV)の4つのベンジル基を除去し、更に4位及び6位の水酸基にイソプロピリデンを架けることにより化合物(XLV)を得る工程であり、ベンジル基の除去工程は通常の水添反応により達成され、イソプロピリデンを架ける工程は第Aa3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bg2工程)
本工程は、(a)化合物(XLV)の2個の水酸基をアルキル化又はアシル化し、(b)更にフラン環を酸化的に開裂させ、(c)更に生成したカルボキシル基をエステル化することにより化合物(LV)を得る工程である。
(a)アルキル化又はアシル化の工程は、第Bd1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(b)フラン環開裂の工程は、不活性溶媒中、フラン化合物を過ヨウ素酸ナトリウムと反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;水;及び、これらの混合溶媒が挙げられ、好適には四塩化炭素、アセトニトリル及び水の混合溶媒である。
反応温度は、通常0℃乃至100℃であり、好適には40℃乃至80℃である。
反応時間は、通常2時間乃至20時間であり、好適には10時間乃至15時間である。
(c)エステル化の工程は、常法により達成することができる。すなわち、例えばメチルエステル化の場合は、不活性溶媒中、カルボン酸化合物にジアゾメタン又はトリメチルシリルジアゾメタンを反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類が挙げられる。
反応温度は、通常0℃乃至室温である。
(第Bg3工程)
本工程は、化合物(XLVI)のエステル基を還元することにより化合物(XLVII)を得る工程である。本工程は、不活性溶媒下、還元剤と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;及び、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類があげられる。
使用される還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物類があげられ、好適には水素化リチウムアルミニウムである。
反応温度は、通常0℃乃至50℃であり、好適には室温である。
反応時間は、通常6分間乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(XLVII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Bg4工程)
本工程は、化合物(XLVII)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(XLVIII)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bg5工程)
本工程は、化合物(XLVIII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(XLIX)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2−8)h法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−O(CHO−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(LII)の製法である。
(第Bh1工程)
本工程は、化合物(XXX)のアリル二重結合を酸化切断しアルデヒドとした後、還元することにより、化合物(L)を製造する工程であり、第Bc1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bh2工程)
本工程は、化合物(L)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(LI)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bh3工程)
本工程は、化合物(LI)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(LII)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2−9)i法
本方法は、Wが酸素原子であり、Qが−OCHCHO−で表される基である化合物(I)の製造に用いる中間体(LVI)の製法である。
(第Bi1工程)
本工程は、化合物(LIII)のアリル二重結合を酸化切断しアルデヒドとした後、還元することにより、化合物(LIV)を製造する工程であり、第Bc1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bi2工程)
本工程は、化合物(LIV)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(LV)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bi3工程)
本工程は、化合物(LV)の二級水酸基をアシル基で保護し、化合物(LVI)を製造する工程であり、第Ba1(b)工程と同様の条件で反応させ、更に4,6位イソプロピリデン基を酸性条件下第Aa6工程と同様の条件で脱保護することにより達成される。
(2−10)j法
本方法は、Wが酸素原子である化合物(I)の製造に用いる中間体(LXX)の製法である。
(第Bj1工程)
本工程は、化合物(LXIV)の2位の水酸基をアルキル化又はアシル化して化合物(LXV)を得る工程であり、第Aa1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bj2工程)
本工程は、化合物(LXV)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(LXVI)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bj3工程)
本工程は、化合物(LXVI)のアリル基の二重結合をエノールエーテル型に移し、化合物(LXVII)を製造する工程であり、第Aa4工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bj4工程)
本工程は、化合物(LXVII)のジオールの一級水酸基をシリル基で保護し、化合物(LXVIII)を製造する工程であり、第Aa7工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bj5工程)
本工程は、化合物(LXVIII)の二級水酸基をアリルオキシカルボニル基で保護し、化合物(LXIX)を製造する工程であり、第Ba7工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bj6工程)
本工程は、化合物(LXIX)の1位水酸基の保護基を脱保護し、化合物(LXX)を製造する工程であり、第Aa11工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(2−11)k法
本方法は、WがNH基である化合物(I)の製造に用いる中間体(LXXIV)の製法である。
(第Bk1工程)
本工程は、化合物(LXXI)のアリル二重結合を酸化切断しアルデヒドとした後、還元し、更に2位を脱保護することにより、化合物(LXXII)を製造する工程であり、第Bc1工程及び第Ba2工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bk2工程)
本工程は、化合物(LXXII)をホスファイトに変換し、酸化し、更にアミノ基をアミド化することにより、化合物(LXXIII)を製造する工程であり、第Aa8工程及び第Ba3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Bk3工程)
本工程は、化合物(LXXIII)の4位及び6位の水酸基に架けたイソプロピリデンを脱保護して、化合物(LXXIV)を製造する工程であり、第Aa6工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(3)C法
(3−1)a法
本方法は、Qが酸素原子である本発明化合物(Ia)の製法である。
(第Ca1工程)
本工程は、化合物(XXVII)、(XXIX)又は(LXX)を、前記化合物(XIV)とグリコシル化反応させ、化合物(LVII)を製造する工程である。本工程は、不活性溶媒中、触媒存在下で行われる。
使用される溶剤としては、例えば、メチレンクロリド、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類があげられる。
使用される触媒としては、四塩化スズ、トリフルオロボロン/エーテラート、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、トリメチルシリルトリフレート、銀トリフラート等のルイス酸;モレキュラーシーブス4Aがあげられる。
反応温度は、通常−50℃乃至40℃である。
反応時間は、通常1時間乃至24時間であり、好適には4時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(LVII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を中和した後、濃縮し、酢酸エチルのような水と混和しない有機溶剤を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
得られた化合物(LVII)は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Ca2工程)
本工程は、化合物(LVII)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(LXIII)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Ca3工程)
本工程は、化合物(LVIII)の保護基(R1、R2、R3及びR4に二重結合がある場合は、当該保護基は、好適にはアリル基又はアリルオキシカルボニル基である。)を脱保護することにより本発明化合物(Ia)を製造する工程であり、文献(例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis)に記載の方法に従って、又は、以下の方法を用いて達成される。また、化合物(LXVI)に数種類の保護基が存在する場合は、保護基に応じた方法を組み合わせて順次行うことができる。
1)保護基がアラルキル基であり、R1、R2、R3及びR4に二重結合のない場合は、不活性溶剤中、触媒存在下、水素雰囲気下の加水素分解によって脱保護することができる。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテルなどのエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;メタノール、エタノールのようなアルコール類;ぎ酸、酢酸のような有機酸類があげられるが、好適には、エタノールである。
使用される触媒としては、例えば、パラジウム/カーボン、水酸化パラジウム、水酸化パラジウム/カーボン、パラジウムブラックがあげられるが、好適には、水酸化パラジウム/カーボンである。
反応温度は、通常0℃乃至50℃であり、好適には、15℃乃至25℃である。
反応時間は、通常1乃至48時間であり、好適には、3乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(Ia)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物より触媒類を濾別し、得られた濾液を濃縮することによって得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
2)保護基がフェニル基であり、R1、R2、R3及びR4に二重結合のない場合は、不活性溶剤中、触媒存在下、接触還元することにより、脱保護することができる。
使用される溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテルなどのエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;メタノール、エタノールのようなアルコール類;ぎ酸、酢酸のような有機酸類があげられるが、好適には、テトラヒドロフランである。
使用される触媒は、好適には、酸化白金である。
反応温度は、通常0℃乃至50℃であり、好適には、15℃乃至25℃である。
反応時間は、通常1乃至48時間であり、好適には、1乃至24時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(Ia)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物より触媒類を濾別し、得られた濾液を濃縮することによって得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、セルロースクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
3)保護基がアリル基又はアリルオキシカルボニル基である場合は、不活性溶剤中、パラジウム触媒下、ギ酸−トリエチルアミン混合物で、酢酸−トリエチルアミンで又はロジウム触媒下95%エタノール水中還流することにより、化合物(LVIII)のアリル基又はアリルオキシカルボニル基を脱保護することができる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、セルロースクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(3−2)b法
本方法は、Qが酸素原子でありR5が水酸基である本発明化合物(Ib)の製法である。
(第Cb1工程)
本工程は、化合物(XXVII)、(XXIX)又は(LXX)を、前記化合物(XVIII)とグリコシル化反応させ、化合物(LIX)を製造する工程であり、第Ca1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Cb2工程)
本工程は、化合物(LIX)をホスファイトに変換し、更に酸化することにより、化合物(LX)を製造する工程であり、第Aa8工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Cb3工程)
本工程は、化合物(LX)の保護基を脱保護することにより本発明化合物(Ib)を製造する工程であり、第Ca3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(3−3)c法
本方法は、本発明化合物(I)の製法である。
(第Cc1工程)
本工程は、化合物(XXXIII)、(XXXVIII)、(XLIII)、(XLIX)、(LII)、(LVI)又は(LXXIV)を、前記化合物(XIV)とグリコシル化反応させ、化合物(LXI)を製造する工程であり、第Ca1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Cc2工程)
本工程は、化合物(LXI)の保護基を脱保護することにより本発明化合物(I)を製造する工程であり、第Ca3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(3−4)d法
本方法は、化合物(LXII)のうちR4が式
Figure 2005220130
(式中、R4a及びR4bは前記と同意義を示す。)で表される基であるとき、基R4aを脱離させ、更にその他の保護基を脱保護することにより、本発明化合物(Ic)を製造する工程である。
(第Cd1工程)
本工程は、化合物(LXII)を保護基R4aを脱保護し、化合物(LXIII)を製造する工程であり、化合物(LXII)を不活性溶媒中、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)と反応させることにより達成される。
使用される溶剤としては、例えば、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素があげられる。
反応温度は、通常室温乃至50℃である。
反応時間は、通常5分間乃至24時間である。
反応終了後、本発明の目的化合物(LXIII)は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を不活性溶媒で希釈し、アルカリ水溶液及び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することにより得られる。
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等により、精製することもできる。
(第Cd2工程)
本工程は、化合物(LXIII)の保護基を脱保護することにより本発明化合物(Ic)を製造する工程であり、第Ca3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(3−4)e法
本方法は、R5が水酸基である本発明化合物(Id)の製法である。
(第Ce1工程)
本工程は、化合物(LXXV)の保護基を脱保護することによりR5が水酸基である本発明化合物(Id)を製造する工程であり、第Ca3工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(3−5)f法
本方法は、Qが酸素原子である本発明化合物の製造中間体である化合物(LXXVIII)の製法である。
(第Cf1工程)
本工程は、化合物(LXXVI)を、化合物(XIV)とグリコシル化反応させ、化合物(LXXVII)を製造する工程であり、第Ca1工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
(第Cf2工程)
本工程は、化合物(LXXVII)の1位水酸基の保護基を脱保護し、化合物(LXXVIII)を製造する工程であり、第Aa11工程と同様の条件で反応させることにより達成される。
本発明の化合物(I)の投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口投与又は注射剤若しくは坐剤等により非経口投与を挙げることができる。これらの製剤は、賦型剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等の添加剤を用いて、周知の方法で製造される。
その使用量は、症状、年齢等により異なるが、1日0.01乃至10mg/kg体重を、通常成人に対して、1日1回又は数回に分けて投与することができる。
以下、実施例、参考例及び試験例をあげて、本発明を、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[参考例1]
1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α−D−グルコフラノース(第Aa1工程)
1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−グルコフラノース(14.80 g, 56.857 mmol)及び(R)−3−メトキシデシル p−トルエンスルホネート(16.50 g, 48.175 mmol)をジメチルホルムアミド(DMF, 60 mL)に溶かし、この溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 3.72 g, 85.286 mmol)を氷冷下加えた。0℃で15分間攪拌した後、室温で一夜攪拌した。反応終了後、反応液に氷冷下メタノールを加え、水素化ナトリウムを分解し、酢酸エチルで希釈した。この溶液を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶液:シクロヘキサン/酢酸エチル=15/1、更に2/1)で精製することにより、油状の標記化合物(15.20 g, 収率98%)を得た。
IR νmax(film) 2987, 2932, 2960 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.28 (10H, bs), 1.37 (3H, s), 1.35 (3H, s), 1.43-1.52 (8H, m, containing two 3H, s, at 1.43 and 1.50 ppm), 1.68-1.74 (2H, m), 3.30 (1H, m), 3.32 (3H, s), 3.57 (1H, m), 3.73 (1H, m), 3.86 (1H, d, J=2.9 Hz), 3.99 (1H, m), 4.08 (1H, m), 4.12 (1H, dd, J=2.9, 7.3 Hz), 4.30 (1H, dd, J=5.9, 13.9 Hz), 4.55 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.87 (1H, d, J=3.7 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 431 [M+H]+.
HRFABMS; Calcd. for C23H43O7: 431.3009. Found: 431.3018。
[参考例2]
アリル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa2工程及び第Aa3工程)
参考例1で得られた1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α−D−グルコフラノース(5.79 g, 13.446 mmol)を2%の塩酸を含むアリルアルコール(80mL)に溶解し、30分間還流した。反応溶液を減圧濃縮し、DMF(12 mL)及び2,2-ジメトキシプロパン(15 mL)に溶解した。この溶液にp-トルエンスルホン酸(200 mg)を加え、室温で16時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、油状の標記化合物のアノマー混合物(4.12 g, 収率71%)を得た。
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3461 (br), 2994, 2929, 2874, 2859 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.28 (10H, bs), 1.41 (3H, s), 1.42-1.48 (2H, m), 1.49 (3H, s), 1.72-1.76 (2H, m), 3.04 (1H, d, J=6.6 Hz, OH), 3.33 (3H, s), 3.38 (1H, m), 3.47-3.93 (8H, m), 4.05 (1H, m), 4.21 (1H, m), 4.93 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.22-5.35 (2H, m), 5.95 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 431 [M+H]+, 453 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C23H43O7: 431.3009. Found: 431.2985。
[参考例3]
(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa4工程)
参考例2で得られたアリル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(4.10 g, 9.522 mmol)をテトラヒドロフラン(THF, 100 mL)に溶かし、この溶液に水素で活性化したIr[C8H12(MePh2P)2]PF6(50 mg)を加え、室温で6時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物のアノマー混合物を分離した。すなわちα−アノマー(1.24 g, 収率30%, Rf=0.511)及びβ−アノマー(2.49 g, 収率61%, Rf=0.413)を得た。
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3441 (br), 2928, 2859, 1679 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.28 (10H, bs), 1.40-1.60 (11H, m, containing two 3H, s, at 1.41 and 1.49 ppm, and 3H, dd, J=1.5 and 6.6 Hz, at 1.56 ppm), 1.72-1.77 (2H, m), 1.85 (1H, br, OH), 3.26 (1H, m), 3.33 (3H, s), 3.39 (1H, m), 3.51-3.95 (7H, m), 5.08 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.20 (1H, m), 6.15 (1H, J=1.9, 12.1 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 431 [M+H]+, 453 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C23H43O7: 431.3009. Found: 431.3012。
[参考例4]
(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa5工程)
参考例3で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α−D−グルコピラノシド(1.70 g, 3.948 mmol)を塩化メチレン(25 mL)に溶かし、この溶液に(Z)−11−オクタデセノイン酸(1.67g, 5.922 mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP, 727mg, 5.946 mmol)及びWSCI塩酸塩(1.14g, 5.946mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより、標記化合物(1.81 g, 収率66%)を得た。
IR νmax(film) 2927, 2856, 1743, 1680 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (28H, bs), 1.41 (3H, s), 1.42-1.46 (2H, m), 1.49 (3H, s), 1.53 (3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz), 1.59-1.69 (6H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.33-2.37 (2H, m), 3.30 (1H, m), 3.31 (3H, s), 3.60-3.86 (7H, m), 4.77 (1H, m), 5.16-5.18 (2H, m, containing 1H, d, J=3.7 Hz, at 5.17 ppm), 5.33-5.36 (2H, m), 6.07 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 637, 695 [M+H]+, 717 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C41H74O8Na: 717.5282. Found: 717.5275。
[参考例5]
(E)−1−プロペニル 3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa6工程)
参考例4で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(250 mg, 0.360 mmol)を80酢酸水(10 mL)に溶かし、この溶液を60℃で1.5時間撹拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1、その後1/1)で精製することにより標記化合物(234 mg, 収率99%)を得た。
IR νmax(film) 3407 (br), 2927, 2856, 1741, 1680 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.41-1.49 (2H, m), 1.55 (3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz), 1.57-1.77 (4H, m), 1.98-2.05 (4H, m), 2.32-2.41 (2H, m), 3.31 (1H, s), 3.35 (3H, m), 3.60 (1H, m), 3.65-3.74 (3H, m), 3.76-3.85 (2H, m), 3.87 (1H, d, J=1.5 Hz, OH), 4.97 (1H, m), 4.71 (1H, m, C2-H), 5.15 (1H, dd, J=7.3, 12.5 Hz), 5.21 (1H, d, J=3.7 Hz, anomeric H), 5.33-5.37 (2H, m), 5.33-5.36 (2H, m), 6.10 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 655 [M+H]+, 677 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C38H71O8: 655.5149. Found: 655.5153。
[参考例6]
(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa7工程)
参考例5で得られた(E)−1−プロペニル 3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(1.729 g, 2.640 mmol)を塩化メチレン(20 mL)に溶かし、この溶液にt−ブチルジメチルシリルクロリド(437 mg, 2.904 mmol)及びDMAP(362 mg, 2.962 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより標記化合物(1.784 g, 収率88%)を得た。
IR νmax(film) 3510-3430, 2928, 2857, 1744, 1680 (w), 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.08 (6H, s), 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 0.90 (9H, s), 1.27 (30H, bs), 1.43-1.50 (2H, m), 1.54 (3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz), 1.59-1.65 (2H, m), 1.72-1.76 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 2.33-2.38 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.35 (1H, m), 3.56-3.93 (7H, m), 4.70 (1H, dd, J=3.7, 9.5 Hz), 5.14 (1H, m), 5.18 (1H, d, J=3.7 Hz, anomeric H), 5.33-5.36 (2H, m), 6.12 (1H, dd, J=2.2, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 769 [M+H]+, 791 [M+Na]+
[参考例7]
(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa8工程)
参考例6で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(1.784 g, 2.319 mmol)及び1H−テトラゾール(325 mg, 4.639 mmol)を塩化メチレン(30 mL)に溶かし、この溶液にジアリル ジイソプロピルホスホルイミダイト(853 mg, 3.479 mmol)を加え、室温で15分間撹拌した。この反応液にTHF(30 mL)を加え、更に30%過酸化水素水(1.20 mL)を加え、室温で10分間撹拌した。反応液を10%ハイポ水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより標記化合物(2.100 g, 収率97%)を得た。
IR νmax(film) 2928, 2857, 1745, 1680 (w), 1463 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.05 (6H, s), 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 0.89 (9H, s), 1.27 (28H, bs), 1.40-1.43 (2H, m), 1.53 (3H, dd, J=1.5, 7.3 Hz), 1.59-1.75 (6H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.34-2.39 (2H, m), 3.24 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.73-3.93 (7H, m), 4.26 (1H, m), 4.55-4.58 (4H, m), 4.71 (1H, m), 5.13-5.38 (7H, m), 5.90-5.97 (2H, m), 6.12 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 929 [M+H]+, 951 [M+Na]+
[参考例8]
(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa9工程)
参考例7で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(2.100 g, 2.260 mmol)をアセトン(20 mL)及び5%硫酸水(2 mL)に溶かし、この溶液を室温下5時間攪拌し、半量まで濃縮した。濃縮物を酢酸エチルで希釈し、その溶液を水、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより標記化合物(1.670 g, 収率91%)を得た。
IR νmax(film) 3439, 2927, 2856, 1744, 1679 (w), 1461 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (28H, bs), 1.39-1.45 (4H, m), 1.54 (3H, dd, J=1.5, 7.3 Hz), 1.61-1.75 (4H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.31-2.41 (2H, m), 3.23 (1H, m), 3.27 (3H, s), 3.65-3.96 (7H, m), 4.40 (1H, m), 4.57-4.66 (4H, m), 4.77 (1H, dd, J=3.7, 9.5 Hz), 5.16 (1H, m), 5.41 (1H, dd, J=1.5, 3.7 Hz), 5.26-5.38 (5H, m), 5.89-5.99 (2H, m), 6.11 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 815 [M+H]+, 837 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C44H80O11P: 815.5438. Found: 815.5444。
[参考例9]
(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa10工程)
参考例8で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(167 mg, 0.205 mmol)を塩化メチレン(5 mL)に溶かし、この溶液に2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(210 mg, 1.024 mmol)及びトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(152 mg, 1.027 mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、その溶液を飽和重曹水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製することにより標記化合物(161 mg, 収率95%)を得た。
IR νmax(film) 2927, 2856, 1745, 1680 (w), 1460 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.39-1.43 (2H, m), 1.54 (3H, dd, J=1.5, 7.3 Hz), 1.58-1.78 (4H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.31-2.40 (2H, m), 3.24 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.60-3.90 (6H, m), 4.39 (1H, m), 4.44-4.61 (4H, m), 4.78 (1H, m), 5.14-5.40 (8H, m), 5.90-5.98 (2H, m), 6.12 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 829 [M+H]+, 851 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C45H82O11P: 829.5595. Found: 829.5551。
[参考例10]
(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa5工程乃至第Aa10工程)
参考例3で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−β−D−グルコピラノシドを出発原料として、参考例4乃至9と同様に反応させることにより、標記化合物を6工程で52%の収率で得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.40-1.45 (2H, m), 1.51-1.72 (7H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.31-2.35 (2H, m), 3.22 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.49-3.77 (6H, m), 4.34 (1H, m), 4.55-4.60 (4H, m), 4.96-5.10 (2H, m), 5.24-5.40 (6H, m), 5.89-5.98 (2H, m), 6.17 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz)。
[実施例1]
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号1番)
(1) (E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa5工程乃至第Aa10工程)
参考例3で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α−D−グルコピラノシド及びそのβ−アノマーの混合物(2:1)を出発原料として、参考例4乃至9と同様に反応させることにより、標記化合物を6工程で50%の収率で得た。
(2) 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa11工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=2:1, 1.290 g, 1.556 mmol)をアセトン−水(15 mL)に溶かし、この溶液にN−ブロムサクシンイミド(420mg, 2.360mmol)を加え、氷冷下、2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、その溶液を10%ハイポ水及び飽和重曹水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより標記化合物(980 mg, 収率80%)を得た。
IR νmax(film) 3327 (br), 2927, 2856, 1742, 1461 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.41-1.46 (2H, m), 1.60-1.76 (4H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.35-2.40 (2H, m), 3.23 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.58-3.78 (5H, m), 3.86 (1H, t, J=9.5 Hz), 4.12 (1H, m), 4.27 (1H, m), 4.57-4.61 (4H, m), 4.76 (1H, m), 5.23-5.40 (6H, m), 5.90-6.00 (2H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 789 [M+H]+, 811 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C42H78O11P: 789.5282. Found: 789.5286。
(3) トリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(第Aa12工程)
(2)で得られた4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(368 mg, 0.466 mmol)及びCCl3CN(673 mg, 4.664 mmol)を塩化メチレン(7 mL)に溶かし、この溶液に炭酸セシウム(76 mg, 0.233 mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、標記化合物(415 mg, 収率95%)を得た。
IR νmax(film) 3349 (w), 2927, 2856, 1750, 1675, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.40-1.44 (2H, m), 1.65-1.80 (4H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.23 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.24-3.28 (4H, m, containing 3H, s, at 3.27 ppm), 3.38 (3H, s), 3.64-3.80 (4H, m), 3.91 (1H, t, J=9.5 Hz), 4.03 (1H, m), 4.50 (1H, q, J=9.5 Hz), 4.57-4.61 (4H, m), 5.00 (1H, dd, J=3.7, 10.3 Hz), 5.25-5.40 (6H, m), 5.90-6.00 (2H, m), 6.50 (1H, d, J=3.7 Hz), 8.61 (1H, s).
FABMS (positive-ion) m/z; 771, 954 [35Cl, M+Na]+, 956 [M+Na]+
(4) アリル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセトアミド−β−D−グルコピラノシド(第Ba1工程)
アリル 2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセトアミド−β−D−グルコピラノシド(10.660 g, 30.000 mmol)をDMF(40 mL)に溶かし、この溶液にデシル メタンスルホネート(17.735 g, 75.000 mmol)及び水素化ナトリウム(55%分散油, 3.49 g, 80.000 mmol)を氷冷下加え、30分間撹拌した後、室温で一夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、氷水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、標記化合物(9.516 g, 収率64%)を得た。
IR νmax(KBr) 3318 (w), 2925, 2854, 1705, 1561 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.42-1.53 (5H, m, containing 3H, s, at 1.49 ppm), 3.29-3.41 (2H, m), 3.47 (1H, m), 3.61 (1H, m), 3.74-3.80 (2H, m), 3.81-3.95 (2H, m), 4.05 (1H, m), 4.31 (1H, m), 4.92 (1H, d, J=8.1 Hz), 5.19-5.28 (2H, m), 5.78-5.86 (1H, m), 6.43 (1H, d, J=8.1 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 496 [M+H]+
(5) アリル 2−アミノ−3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−グルコピラノシド(第Ba2工程)
(4)で得られたアリル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセトアミド−β−D−グルコピラノシド(1.76 g, 2.018 mmol)をエタノール(20mL)に溶かし、この溶液に1 mol/L水酸化カリウム(20mL)を加え、一夜還流し、更に室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、エーテルにて抽出し、エーテル層を水及び飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1:4)で精製することにより標記化合物(870 mg, 収率61%)を得た。
IR νmax(film) 3395 (w), 2926, 2857 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.50-1.59 (4H, m, containing NH2), 2.83 (1H, dd, J=7.3, 9.5 Hz), 3.19-3.28 (2H, m), 3.56 (1H, m), 3.67 (1H, dd, J=8.8, 9.5 Hz), 3.77-3.92 (3H, m), 4.11 (1H, m), 4.32 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.35 (1H, m), 5.20-5.33 (2H, m), 5.92 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 400 [M+H]+.
HRFABMS; Calcd. for C22H42NO5: 400.3063. Found: 400.3056。
(6) アリル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(第Ba3工程)
(5)で得られたアリル 2−アミノ−3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−β−D−グルコピラノシド(974 mg, 2.437 mmol)及び3−オキソテトラデカン酸(886 mg, 3.655 mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶かし、この溶液に1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(800 mg, 4.173 mmol)を加え、30分間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより標記化合物(1.320 g, 収率87%)を得た。
IR νmax(KBr) 3265, 3097, 2921, 2851, 1724, 1716, 1648, 1565, 1447 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40 (3H, s), 1.44-1.48 (5H, m, containing 3H, s, at 1.48 ppm), 2.52 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.29 (1H, m), 3.39 (2H, s), 3.43-3.59 (2H, m), 3.61 (1H, m), 3.68-3.80 (2H, m), 3.91 (1H, dd, J=5.1, 11.0 Hz), 4.05 (1H, m), 4.30 (1H, m), 4.79 (1H, d, J=8.8 Hz), 5.14-5.26 (2H, m), 5.82 (1H, m), 7.11 (1H, d, J=8.1 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 624 [M+H]+, 646 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C36H66NO7: 624.4839. Found: 624.4844。
(7) アリル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(第Ba4工程)
(6)で得られたアリル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(1.310 g, 2.100 mmol)を80%酢酸水(100 mL)に溶かし、この溶液を60℃で1時間撹拌し、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル、次に5%メタノール含有する酢酸エチル)で精製することにより標記化合物(1.100 g, 収率90%)を得た。
IR νmax(KBr) 3270, 3094 (w), 2955, 2921, 2851, 1726, 1716, 1648, 1559 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.50-1.60 (4H, m), 2.16 (1H, bs, OH), 2.50-2.54 (3H, m, containing OH), 3.40-3.41 (3H, m, containing 2H, s, at 3.40 ppm), 3.58-3.64 (5H, m), 3.81 (1H, dd, J=4.4, 11.7 Hz), 3.91 (1H, dd, J=3.3, 11.7 Hz), 4.06 (1H, dd, J=5.9, 13.2 Hz), 4.06 (1H, d, J=5.5 Hz), 4.73 (1H, d, J=7.3 Hz), 5.15-5.27 (2H, m), 5.84 (1H, m), 7.22 (1H, d, J=7.3 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 584 [M+H]+, 606 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C33H62NO7: 584.4526. Found: 584.4537。
(8) アリル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(第Ba5工程)
(7)で得られたアリル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(1.030 g, 1.764 mmol)を塩化メチレン(25 mL)に溶かし、この溶液にt−ブチルジメチルシリルクロライド(293 mg, 1.940 mmol)及びジメチルアミノピリジン(237 mg, 1.940 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製することにより標記化合物(1.072 g, 収率87%)を得た。
IR νmax(KBr) 3516 (w), 3270, 3087 (w), 2956, 2922, 2852, 1715, 1647, 1556, 1467 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.09 (6H, s), 0.88 (6H, m), 0.90 (9H, s), 1.26 (30H, bs), 1.50-1.58 (4H, m), 2.52 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.11 (1H, bs, OH), 3.36 (1H, m), 3.39 (2H, s), 2.52-2.62 (4H, m), 3.72 (1H, m), 3.84 (1H, m), 3.91 (1H, m), 4.04 (1H, m), 4.28 (1H, dd, J=5.1, 13.2 Hz), 4.71 (1H, d, J=8.1 Hz), 5.13-5.25 (2H, m), 5.83 (1H, m), 7.09 (1H, d, J=8.1 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 698 [M+H]+, 720 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C39H76NO7Si: 698.5391. Found: 698.5383。
(9) (E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(第Ba6工程)
(8)で得られたアリル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(315 mg, 0.451 mmol)をTHF(10 mL)に溶かし、この溶液に水素で活性化したIr[C8H12(MePh2P)2]PF6(5 mg)を加え、窒素気流下、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、標記化合物を定量的に得た。
IR νmax(KBr) 3509 (w), 3276 (w), 2956, 2922, 2852, 1714, 1642, 1556, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.08 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.86-0.92 (15H, m, containing 9H, s, at 0.90 ppm), 1.26 (30H, bs), 1.50-1.58 (7H, m), 2.51 (2H, t, J=7.7 Hz), 3.19 (1H, bs, OH), 3.39 (2H, s), 3.43 (1H, m), 3.51-3.75 (5H, m), 3.84 (1H, m), 3.91 (1H, m), 4.94 (1H, d, J=8.1 Hz, anomeric H), 5.06 (1H, qd, J=6.6, 12.5 Hz), 6.15 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz), 7.19 (1H, d, J=8.1 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 698 [M+H]+, 720 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C39H76NO7Si: 698.5391. Found: 698.5407。
(10) (E)−1−プロペニル 4−O−(アリルオキシカルボニル)−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(第Ba7工程)
(9)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(840 mg, 1.203 mmol)をトルエン(10 mL)に溶かし、この溶液にピリジン(381 mg, 0.602 mmol)を加え、更に氷冷下トリホスゲン(179 mg, 0.602 mmol)を加え、10分間激しく撹拌した。反応液に更にアリルアルコール(700 mg, 12.05 mmol)を加え、氷冷下1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、重曹水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製することにより蝋状の標記化合物(704 mg, 収率75%)を得た。
IR νmax(KBr) 3269, 3088 (w), 2926, 2855, 1752, 1717, 1681 (w), 1647, 1558, 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.03 (3H, s), 0.04 (3H, s), 0.87 (15H, m), 1.22-1.26 (30H, bs), 1.40-1.44 (2H, m), 1.51 (3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz), 1.52-1.58 (2H, m), 2.50 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.38 (2H, s), 3.49-3.57 (4H, m), 3.68-3.78 (2H, m), 3.93 (1H, t, J=9.2 Hz), 4.62-4.73 (3H, m), 4.99 (1H, d, J=8.1 Hz, anomeric H), 5.08 (1H, m), 5.26-5.39 (2H, m), 5.92 (1H, m), 6.16 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz), 7.22 (1H, d, J=7.3 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 804 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C43H79NO9SiNa: 804.5422. Found: 804.5413。
(11) 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ba8工程)
(10)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−(アリルオキシカルボニル)−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−β−D−グルコピラノシド(630 mg, 0.805 mmol)を塩化メチレン−アセトニトリル混合溶媒(1:2, 63 mL)に溶かし、この溶液に48%フッ化水素酸水溶液(14 mL)を加え、室温で2時間激しく撹拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、水及び重曹水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2、次いで酢酸エチル/メタノール=19/1)で精製することにより蝋状の標記化合物(336 mg, 収率66%)を得た。
IR νmax(KBr) 3546, 3406, 3292, 3085, 2925, 2854, 1758, 1721, 1641, 1555 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40-1.49 (2H, m), 1.51-1.60 (2H, m), 2.45 (1H, m, OH), 2.52 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.42 (2H, s), 3.46 (1H, m, OH), 3.52-3.80 (5H, m), 4.00 (1H, m), 4.16 (1H, m), 4.66 (2H, d, J=5.9 Hz), 4.80 (1H, t, J=9.5 Hz, anomeric H), 5.28-5.40 (3H, m), 5.94 (1H, m), 7.33 (1H, d, J=8.8 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 610, 628 [M+H]+, 650 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C34H61NO9Na: 650.4244. Found: 650.4254。
(12) 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca1工程)
(3)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(164 mg, 0.175 mmol)及び(11)で得られた4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(100 mg, 0.159 mmol)を塩化メチレン(5 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(250 mg)を加え、窒素気流下で15分間撹拌し、更にトリフルオロメタンスルホン酸銀(AgOTf, 100 mg, 0.389 mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf, 10 mg, 0.045 mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することによりガム状の標記化合物(135 mg, 収率61%)を得た。
IR νmax(film) 3650-3200, 2927, 2855, 1752, 1650, 1546, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.26 (60H, bs), 1.41-1.44 (4H, m), 1.55-1.74 (6H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.31-2.35 (2H, m), 2.52 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.22 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.40 (5H, m), 3.49-3.79 (11H, m), 4.18 (1H, m), 4.25 (1H, m), 4.41 (1H, m), 4.52-4.67 (9H, m, containing OH), 4.93 (1H, m), 5.24-5.40 (8H, m), 5.89-5.98 (3H, m), 7.13 (1H, d, J=9.5 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1420 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C76H136NO19PNa: 1420.9342. Found: 1420.9341。
(13) ジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(12)で得られた4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(167 mg, 0.119 mmol)を塩化メチレン(6 mL)に溶かし、この溶液に硫酸ナトリウム(350 mg)、1H−テトラゾール(121 mg, 1.727 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(179 mg, 0.730 mmol)を加え、窒素気流下室温で1時間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製することにより油状のホスファイト(199 mg)を得た。このホスファイトをTHF(7 mL)に溶解し、この溶液に30%過酸化水素水(0.4 mL)を加え、氷冷下1時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%ハイポ水、飽和重曹水及び食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製することにより油状の標記化合物(108 mg, 収率58%)を得た。
IR νmax(film) 3290, 3085 (w), 2926, 2855, 1755, 1723 (w), 1678, 1650, 1552 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (60H, bs), 1.42-1.44 (4H, m), 1.55-1.74 (6H, m), 2.00-2.10 (4H, m), 2.33 (1H, m), 2.39 (1H, m), 2.49 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.20 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.38 (3H, s), 3.39 (2H, s), 3.51-3.75 (10H, m), 3.95 (1H, m), 4.08 (1H, m), 4.26-4.34 (2H, m), 4.40 (1H, d, J=7.3 Hz, anomeric H), 4.58-4.64 (10H, m), 4.93 (1H, m), 4.76 (1H, dd, J=9.5, 10.3 Hz), 4.90 (1H, dd, J=8.1, 9.5 Hz), 5.24-5.42 (12H, m), 5.69 (1H, m, anomeric H), 5.89-6.03 (5H, m), 7.40 (1H, d, J=8.8 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; ; 1379, 1580 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C82H145NO22PNa: 1580.9631. Found: 1580.9618。
(14) ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(13)で得られたジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(95 mg, 0.061 mmol)を乾燥THF(5 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(11 mg, 0.042 mmol)、トリエチルアミン(43 mg, 0.425 mmol)、ギ酸(36 mg, 0.782 mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4, 11 mg, 0.010 mmol)を加え、窒素中55℃で20時間撹拌した。反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をDEAE-セルロース5gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分を得た。得られた画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15mol/L塩酸水を加え(pH 2−3に調整)、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め、減圧濃縮することにより蝋状の標記化合物(67 mg, 収率84%)を得た。
IR νmax(KBr) 3537, 3301, 2955, 2923, 2852, 1722, 1655, 1544, 1467 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 4:1) δ 0.87-0.90 (12H, m), 1.26-1.28 (60H, m), 1.42-1.65 (8H, m), 1.71-1.76 (2H, m), 2.00-2.04 (4H, m), 2.30-2.43 (2H, m), 2.56 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.26-3.46 (9H, m, containing two 3H, s, at 3.30 (C6-OMe) and 3.41 (side chain OMe) ppm), 3.48-4.22 (15H, m), 4.52 (1H, d, J=8.1 Hz, anomeric H), 4.88 (1H, t, J=8.8 Hz, O-C2-H), 5.34-5.36 (2H, m), 5.50 (1H, m, anomeric H).
FABMS (negative-ion) m/z; 1312 [M-H]-.
HRFABMS; Calcd. for C66H124NO20P2: 1312.8192. Found: 1312.8104.
Anal. Calcd. for C66H125NO20P2 .3H2O (1368.7): C, 57.92; H, 9.65; N, 1.02; P, 4.53. Found: C, 57.86; H, 9.55; N, 1.22; P, 4.30。
[実施例2]
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号2番)
(1) (E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa5工程)
参考例3で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(3.140 g, 7.293 mmol)及び(Z)−11−オクタデセニル メタンスルホネート(3.040 g, 48.175 mmol)をDMF(20 mL)に溶かし、この溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 400 mg, 9.167 mmol)を氷冷下加えた。反応液を室温で1時間、更に60℃で1.5時間攪拌した後、氷冷下メタノールを加え水素化ナトリウムを分解した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=19/1、その後9/1)で精製することにより油状の標記化合物(4.000 g, 収率81%)を得た。
IR νmax(film) 2926, 2856, 1680 (w), 1661 (w), 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (6H, m), 1.29 (30H, bs), 1.40-1.80 (17H, m, containing two 3H, s, at 1.42 and 1.49 ppm), 2.01-2.04 (4H, m), 3.19-3.93 (14H, mcontaining 3H, s, at 3.34 ppm), 4.53 (0.3H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.07 (0.7H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 5.11-5.22 (1H, m), 5.34-5.38 (2H, m), 6.14-6.23 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 681 [M+H]+, 703 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C41H76O7Na: 703.5490. Found: 703.5527。
(2) (E)−1−プロペニル 3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa6工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 4,6−O−イソプロピリデン−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(4.000 g, 5.873 mmol)を80%酢酸水(10 mL)に溶かし、この溶液を60℃で2.5時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1、その後2/3)で精製することにより油状の標記化合物(2.310 g, 収率61%)を得た。
IR νmax(film) 3423 (br), 2926, 2856, 2525 (br), 1680 (w), 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.45-1.61 (9H, m, containing two 3H, dd, J=1.6, 6.6 Hz at 1.56 ppm), 1.71-1.80 (2H, m), 1.99-2.08 (4H, m), 3.18 (1H, m), 3.23-3.92 (12H, mcontaining 3H, s, at 3.32 ppm), 4.10 (1H, m), 4.52 (0.3H, d, J=7.0 Hz, anomeric H), 5.11 (0.7H, d, J=3.1 Hz, anomeric H), 5.20 (1H, m), 5.34-5.36 (2H, m), 6.16-6.24 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 641 [M+H]+, 663 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C38H72O7Na: 663.5176. Found: 663.5182。
(3) (E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa7工程)
(2)で得られた(E)−1−プロペニル 3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、参考例6と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率93%)を得た。
IR νmax(film) 3432 (br), 2927, 2856, 1681 (w), 1661 (w), 1463 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.07 (6H, s), 0.86-0.92 (15H, m), 1.24-1.40 (30H, m), 1.41-1.60 (9H, m), 1.75-1.79 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 3.13-4.03 (14H, m, containing 3H, s, at 3.31 ppm), 4.46 (0.4H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.08-5.21 (1.6H, m, containing 0.6H, anomeric H), 5.33-5.38 (2H, m), 6.18-6.23 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 755 [M+H]+.
HRFABMS (on addition of NaI), Calcd. for C44H86O7SiNa : 777.6040. Found: 777.6022。
(4) (E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa8工程)
(3)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、参考例7と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率92%)を得た。
IR νmax(film) 2928, 2856, 1681 (w), 1463 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.05 (6H, s), 0.86-0.92 (15H, m), 1.24-1.28 (30H, bs), 1.43-1.50 (2H, m), 1.53-1.62 (7H, m), 1.78-1.81 (2H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 3.18-4.20 (14H, m), 4.46 (0.4H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.54-4.58 (4H, m), 5.09-5.39 (8H, m), 5.90-5.98 (2H, m), 6.18-6.23 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 915 [M+H]+, 937 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C50H96O10Si: 915.6510. Found: 915.6527。
(5) (E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa9工程)
(4)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、参考例8と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率100%)を得た。
IR νmax(film) 3431 (br), 2927, 2856, 1680 (w), 1661 (w), 1462 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.8 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40-1.44 (2H, m), 1.54-1.61 (7H, m), 1.73-1.78 (2H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 3.20-3.39 (5H, m, containing 3H, s, at 3.29 ppm), 3.56-3.93 (8H, m), 4.31 (1H, m), 4.47 (0.4H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.55-4.58 (2H, m), 4.61-4.65 (2H, m), 5.08-5.21 (1.6H, m, containing 0.6H, d, J=3.9 Hz, at 5.13 ppm, anomeric H), 5.25-5.41 (6H, m), 5.90-5.98 (2H, m), 6.17-6.22 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 801 [M+H]+, 823 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C44H81O10PNa: 823.5465. Found: 823.5477。
(6) (E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Aa10工程)
(5)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(1)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率87%)を得た。
IR νmax(film) 2926, 2856, 1681 (w), 1661 (w), 1459 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40-1.46 (2H, m), 1.51-1.60 (7H, m), 1.74-1.80 (2H, m), 1.98-2.01 (4H, m), 3.19-3.91 (16H, m, containing two 3H, s, at 3.28 and 3.37 ppm), 4.42 (0.6H, q, J=9.4 Hz), 4.34 (0.4H, q, J=9.4 Hz), 4.45 (0.4H, d, J=7.8 Hz), 4.53-4.58 (4H, m), 5.06-5.38 (7.6H, m), 5.88-5.97 (2H, m), 6.16-6.22 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 815 [M+H]+, 837 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C45H83O10PNa: 837.5621. Found: 837.5635。
(7) 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノース(第Aa11工程)
(6)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(2)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率75%)を得た。
IR νmax(film) 3354 (br), 2927, 2856, 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (32H, bs), 1.40-1.45 (2H, m), 1.57-1.61 (2H, m), 1.75-1.81 (2H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 3.09-3.40 (16H, m, containing two 3H, s, at 3.29 and 3.39 ppm), 3.54-3.88 (7H, m), 4.04-4.29 (3H, m), 4.54-4.65 (4H, m), 5.24-5.40 (6H, m), 5.91-5.99 (2H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 775 [M+H]+, 797 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C42H79O10PNa: 797.5309. Found: 797.5279。
(8) トリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノース(第Aa12工程)
(7)で得られた4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノースを用い、実施例(3)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率100%)を得た。
IR νmax(film) 3350-3000, 2927, 2856, 1733, 1674, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.24-1.55 (34H, m), 1.77-1.80 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 3.25-4.00 (16H, m, containing two 3H, s, at 3.30 and 3.38 ppm), 4.37-4.48 (1H, m), 4.56-4.62 (4H, m), 5.24-5.41 (6H, m), 5.67 (0.5H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.90-6.00 (2H, m), 6.50 (0.5H, d, J=3.2 Hz, anomeric H), 8.59 (0.5H, s), 8.66 (0.5H, s).
FABMS (positive-ion) m/z; 940 [M+Na]+
(9) 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノース(α−アノマー)及び4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノース(β−アノマー)(第Ca1工程)
(8)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(12)と同様に反応させることにより、油状物として標記化合物のα−アノマー(66 mg, 収率15%)及びβ−アノマー(143 mg, 収率32%)を得た。
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3450-3300, 2926, 2854, 1751, 1723 (w), 1646, 1554, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.26 (62H, bs), 1.40-1.45 (4H, m), 1.55-1.59 (4H, m), 1.70-1.80 (2H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.52 (2H, t, J=7.2 Hz), 3.20-3.91 (25H, m, containing two 3H, s, and 2H, s, at 3.28, 3.38 and 3.39, respectively), 4.13-4.24 (2H, m), 4.37 (1H, m, OH), 4.52-4.63 (6H, m), 4.87 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 5.13 (1H, t, J=3.1 Hz, changed to a doublet on addition of D2O, anomeric H), 5.23-5.40 (8H, m), 5.88-5.98 (3H, m), 7.08 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1406 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C76H138NO18PNa: 1406.9550. Found: 1406.9556.
β−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3307 (w), 2926, 2855, 1754, 1722, 1645, 1555 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (62H, bs), 1.40-1.50 (4H, m), 1.50-1.60 (4H, m), 1.75-1.79 (2H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.52 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.16-3.88 (25H, m, containing two 3H, s, and 2H, s, at 3.28, 3.38 and 3.40, respectively), 4.20 (1H, m), 4.31 (1H, m), 4.37 (1H, d, J=7.0 Hz, anomeric H), 4.54-4.64 (6H, m), 5.20 (1H, m, changed to a doublet, J=3.1 Hz, on addition of D2O, anomeric H), 5.25-5.39 (8H, m), 5.89-5.98 (3H, m), 7.12 (1H, d, J=9.3 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1406 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C76H138NO18PNa: 1406.9550. Found: 1406.9575。
(10) ジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(9)で得られた4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノースを用い、実施例1(13)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率58%)を得た。
IR νmax(film) 3293, 3086 (w), 2926, 2856, 1757, 1721, 1678, 1650, 1552, 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (62H, bs), 1.40-1.49 (4H, m), 1.52-1.60 (4H, m), 1.74-1.79 (2H, m), 2.00-2.13 (4H, m), 2.48-2.54 (2H, m), 3.11 (1H, dd, J=7.8, 8.6 Hz), 3.23 (1H, m), 3.28 (3H, s), 3.31-3.38 [22H, m, containing 3H, s, 2H, s, and 1H, d, J=7.4 Hz (anomeric H), at 3.37, 3.40, and 4.27 ppm, respectively], 4.54-4.65 (10H, m), 4.84 (1H, m), 5.23-5.42 (12H, m), 5.72 (1H, dd, J=3.1, 6.3 Hz, anomeric H), 5.87-6.01 (5H, m), 7.41 (1H, d, J=8.6 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1366, 1406, 1566 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C82H147NO21P2Na: 1566.9838. Found: 1566.9841。
(11) ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(10)で得られたジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(14)と同様に反応させることにより蝋状の標記化合物(収率60%)を得た。
IR νmax(KBr) 3296 (w, br), 2924, 2853, 1717, 1649, 1546, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 4:1) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.26-1.28 (62H, bs), 1.51-1.60 (8H, m), 1.81-1.85 (2H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.54-2.58 (2H, m), 3.14 (1H, m), 3.28-4.11 (26H, m, containing two 3H, s, at 3.34 (C6-OMe) and 3.40 (side chain OMe) ppm), 4.39 (1H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.34-5.39 (2H, m, olefinic H), 5.53 (1H, dd, J=3.1, 6.9 Hz, anomeric H).
FABMS (negative-ion) m/z; 1298 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C66H127NO19P2(1300.7): C, 60.95; H, 9.84; N, 1.08; P, 4.76. Found: C, 60.78; H, 9.61; N, 1.32; P, 4.53。
[実施例3]
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号3番)
(1) (E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab1工程)
(E)−1−プロペニル 3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(1.49 g, 2.275 mmol)及びピリジン(5 g)を塩化メチレン(90 mL)に溶かし、この溶液にアリルクロロホルメート(5.00 g, 41.48mmol)を0℃で滴下し、30分間同温度で攪拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより油状の標記化合物のアノマー混合物(1.52 g, 収率90%)を得た。混合物の一部をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを用いてα−アノマー及びβ−アノマーに分離することができた。
α−アノマー(Rf=0.353, cyclohexane:EtOAc=4:1):
IR νmax(film) 3500-3400, 2927, 2856, 1749, 1680 (w), 1660 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.28 (30H, bs), 1.40-1.48 (4H, m), 1.54 (3H, dd, J=1.6, 7.0 Hz), 1.57-1.65 (2H, m), 1.67-1.76 (2H, m), 1.98-2.03 (4H, m), 2.31-2.40 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.34 (1H, m), 3.55 (1H, m), 3.65-3.74 (3H, m), 3.83 (1H, m), 3.95 (1H, m), 4.40 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 4.63 (1H, td, J=1.2, 5.0 Hz), 4.72 (1H, dd, J=3.5, 10.2 Hz), 5.15 (1H, m), 5.22 (1H, d, J=3.9 Hz), 5.25-5.39 (4H, m), 5.93 (1H, m), 6.11 (1H, dd, J=1.6, 12.1 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 681, 739 [M+H]+, 761 [M+Na]+.
β−アノマー(Rf=0.265, cyclohexane:EtOAc=4:1):
IR νmax(film) 3500-3400, 2927, 2856, 1752, 1682 (w), 1662 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.40-1.48 (4H, m), 1.53 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.60-1.64 (2H, m), 1.68-1.72 (2H, m), 1.99-2.10 (4H, m), 2.31-2.34 (2H, m), 3.29 (3H, s), 3.31-3.39 (2H, m), 3.56-3.64 (3H, m), 3.80-3.85 (2H, m), 4.36 (1H, m), 4.50 (1H, d, J=11.7 Hz), 4.56 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.64 (1H, dd, J=1.0, 5.7 Hz), 4.98 (1H, t, J=9.0 Hz), 5.08 (1H, m), 5.27-5.39 (4H, m), 5.93 (1H, m), 6.18 (1H, d, J=12.0 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 681, 761 [M+Na]+
(2) (E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab2工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、参考例7と同様に反応させることにより油状の標記化合物のアノマー混合物(収率95%)を得た。混合物の一部をシリカゲル薄層クロマトグラフィーを用いてα−アノマー及びβ−アノマーに分離することができた。
α−アノマー(Rf=0.395, cyclohexane:EtOAc=3:1):
IR νmax(film) 2927, 2856, 1750, 1680 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.40-1.48 (2H, m), 1.54 (3H, d, J=5.8 Hz), 1.61-1.78 (4H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.32-2.40 (2H, m), 3.25 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.77-3.94 (4H, m), 4.31-4.38 (2H, m), 4.46 (1H, dd, J=2.0, 11.7 Hz), 4.56-4.63 (6H, m), 4.76 (1H, dd, J=3.9, 9.8 Hz), 5.17 (1H, m), 5.20 (1H, d, J=3.9 Hz), 5.24-5.39 (8H, m), 5.89-5.98 (3H, m), 6.10 (1H, dd, J=2.0, 12.7 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 899 [M+H]+, 921 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C48H83O8PNa: 921.5469. Found: 921.5450.
β−アノマー(Rf=0.303, cyclohexane:EtOAc=3:1):
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.88 (6H, m), 1.26 (30H, bs), 1.40-1.48 (2H, m), 1.53 (3H, d, J=8.8 Hz), 1.60-1.76 (4H, m), 1.99-2.08 (4H, m), 2.32-2.39 (2H, m), 3.23 (1H, m), 3.26 (3H, m), 3.58 (1H, t, J=8.8 Hz), 3.66-3.80 (3H, m), 4.32-4.38 (2H, m), 4.53-4.59 (7H, m), 4.62 (1H, d, J=5.9 Hz), 5.01 (1H, t, J=8.3 Hz), 5.08 (1H, m), 5.25-5.39 (8H, m), 5.90-5.97 (3H, m), 6.16 (1H, dd, J=2.0, 12.7 Hz)。
(3) 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab3工程)
(2)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(2)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率81%)を得た。
IR νmax(film) 3324, 2927, 2856, 1750, 1460 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (30H, bs), 1.42-1.50 (2H, m), 1.58-1.77 (4H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.36-2.40 (2H, m), 2.86 (1H, bs, OH), 3.25 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.76-3.79 (2H, m), 3.87 (1H, t, J=9.2 Hz), 4.20 (1H, m), 4.28-4.37 (3H, m), 4.51-4.64 (7H, m), 4.76 (1H, dd, J=3.5, 9.8 Hz), 5.24-5.39 (8H, m), 5.88-5.99 (3H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 859 [M+H]+, 881 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C45H79O13PNa: 881.5156. Found: 881.5153。
(4) トリクロロアセトイミドイル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab4工程)
(3)で得られた6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(3)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率98%、7:3のアノマー混合物)を得た。
IR νmax(film) 3348 (w), 2928, 2856, 1752, 1677, 1651 (w), 1460 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.90 (6H, m), 1.24-1.28 (30H, m), 1.41-1.45 (2H, m), 1.58-1.77 (4H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.28-2.32 (2H, m), 3.24 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.67-4.15 (5H, m), 4.36-4.62 (8H, m), 4.99 (1H, dd, J=3.5, 8.8 Hz), 5.24-5.40 (8H, m), 5.83 (0.3H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.88-5.99 (3H, m), 6.49 (0.7H, d, J=3.9 Hz, anomeric H), 8.63 (0.7H, s), 8.65 (0.3H, s).
FABMS (positive-ion) m/z; 1026, 1024 [M+Na]+
(5) 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノース(第Ca1工程)
(4)で得られたトリクロロアセトイミドイル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(12)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率54%)を得た。
IR νmax(film) 3293, 3085 (w), 2924, 2854, 1752, 1729 (shoulder), 1707 (shoulder), 1635, 1557, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.26 (60H, bs), 1.40-1.50 (4H, m), 1.52-1.75 (6H, m), 2.01-2.04 (4H, m), 2.33-2.35 (2H, m), 2.50-2.54 (2H, m), 3.25 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.39 (2H, s), 3.44-3.76 (11H, m), 4.11-4.65 (14H, m), 4.92 (1H, t, J=7.0 Hz), 5.18 (1H, s), 5.24-5.39 (10H, m), 5.90-6.00 (4H, m), 7.13 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1490 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C79H138NO21PNa: 1490.9397. Found: 1490.9419。
(6) ジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(5)で得られた4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノースを用い、実施例1(13)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率70%)を得た。
IR νmax(film) 3289 (w), 3086 (w), 2926, 2856, 1754, 1679, 1650, 1552, 1462 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (60H, bs), 1.40-1.46 (4H, m), 1.50-1.70 (6H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.34 (1H, m), 2.40 (1H, m), 2.42-2.51 (2H, m), 3.22 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.39 (2H, s), 3.51-3.72 (10H, m), 3.92 (1H, m), 4.08 (1H, m), 4.25-4.35 (2H, m), 4.42 (1H, d, J=8.2 Hz, anomeric H), 4.57-4.65 (12H, m), 4.76 (1H, m), 4.90 (1H, m), 5.24-5.42 (14H, m), 5.70 (1H, m, anomeric H), 5.90-5.99 (6H, m), 7.38 (1H, d, J=8.2 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1450, 1650 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C85H147NO24P2Na: 1650.9686. Found: 1650.9692。
(7) ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(6)で得られたジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(14)と同様に反応させることにより蝋状の標記化合物(収率57%)を得た。
IR νmax(KBr) 3299 (br), 2955, 2924, 2853, 1722, 1650, 1545, 1467 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.87-0.90 (12H, m), 1.26 (60H, bs), 1.42-1.70 (8H, m), 1.70-1.76 (2H, m), 1.98-2.02 (4H, m), 2.35-2.40 (2H, m), 2.54-2.57 (2H, m), 3.26-4.11 (21H, m, containing 3H, s, and 2H, s, at 3.31 and 3.38 ppm, respectively), 4.24 (1H, m), 4.50 (1H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 4.86 (1H, m), 5.35-5.39 (2H, m), 5.49 (1H, m, anomeric H).
FABMS (negative-ion) m/z; 1298 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C65H123NO20P2 .3H2O: C, 57.63; H, 9.60; N, 1.03; P, 4.57. Found: C, 57.59; H, 9.38; N, 1.29; P, 4.49。
[実施例4]
ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号4番)
(1) (E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab1工程)
実施例2(3)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー1:1混合物)を用い、実施例3(1)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率64%)を得た。
IR νmax(film) 3500-3400, 2927, 2856, 1752, 1681 (w), 1661 (w), 1458 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.24-1.38 (30H, m), 1.42-1.49 (4H, m), 1.54-1.62 (7H, m), 1.71-1.79 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 3.18 (1H, m), 3.27-3.82 (11H, m, containing 3H, s, at 3.31 ppm), 4.08 (1H, m), 4.30-4.50 (1.5H, m, containing 0.5H anomeric H), 4.62-4.64 (2H, m), 5.08-5.23 (1.5H, m, containing 0.5H, d, J=3.5 Hz, at 5.12 ppm, anomeric H), 5.25-5.39 (4H, m), 5.88-5.98 (1H, m), 6.13-6.24 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 725 [M+H]+, 747 [M+Na]+
(2) (E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab2工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー1:1混合物)を用い、参考例7と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率85%, アノマー3:2混合物)を得た。
IR νmax(film) 2927, 2856, 1753, 1680 (w), 1660-1651 (w), 1460 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (32H, bs), 1.40-1.45 (2H, m), 1.54-1.60 (5H, m, containing 3H, dd, J=1.6, 6.6 Hz, at 1.55 ppm), 1.75-1.80 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 3.24 (1H, m), 3.29 (3H, s), 3.31-3.38 (1H, m), 3.56-3.92 (7H, m), 4.21-4.52 (2.4H, m, containing 0.4H, d, J=7.8 Hz, at 4.47 ppm, anomeric H), 4.56-4.63 (6H, m), 5.09-5.20 (1.6H, m, containing 0.6H, d, J=3.9 Hz, at 5.10 ppm, anomeric H), 5.23-5.39 (8H, m), 5.87-5.97 (3H, m), 6.16-6.20 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 461, 885 [M+H]+, 907 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C48H85O12PNa: 907.5677. Found: 907.5654。
(3) 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab3工程)
(2)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:2混合物)を用い、実施例1(2)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率78%、アノマー混合物)を得た。
IR νmax(film) 3338 (br), 2927, 2856, 1753, 1650 (w), 1460 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.7 Hz), 1.27 (32H, bs), 1.42-1.46 (2H, m), 1.59-1.63 (2H, m), 1.75-1.79 (2H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 3.12-3.42 (6H, m, containing 3H, s, at 3.29 ppm), 3.60-3.69 (2H, m), 3.78-3.87 (2H, m), 4.16-4.53 (4H, m), 4.56-4.63 (6H, m), 5.23-5.39 (9H, m), 5.87-5.97 (3H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 845 [M+H]+, 867 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C45H81O12PNa: 867.5363. Found: 867.5362。
(4) トリクロロアセトイミドイル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ab4工程)
(3)で得られた6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(3)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率100%、アノマー1:1混合物)を得た。
IR νmax(film) 3350-3080, 2928, 2856, 1752, 1675, 1651 (w), 1611 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.7 Hz), 1.22-1.29 (32H, m), 1.43-1.53 (4H, m), 1.74-1.82 (2H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 3.25 (1H, m), 3.30 (3H, s), 3.44-4.11 (7H, m), 4.33-4.51 (3H, m), 4.56-4.62 (6H, m), 5.23-5.40 (8H, m), 5.71 (0.5H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.86-5.99 (3H, m), 6.48 (0.5H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 8.61 (0.5H, s), 8.66 (0.5H, s).
FABMS (positive-ion) m/z; 827, 1010 [35Cl, M+H]+, 1012 [M+H]+
(5) 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(α−アノマー)及び4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(β−アノマー)(第Ca1工程)
(4)で得られたトリクロロアセトイミドイル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α,β−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(12)と同様に反応させることにより油状の標記化合物のα−アノマー(543 mg, 収率53%)及びβ−アノマー(280 mg, 収率28%)を得た。
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3380-3080, 2927, 2856, 1752, 1725, 1690-1672 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.26 (62H, bs), 1.40-1.46 (4H, m), 1.53-1.80 (4H, m), 1.70-1.80 (2H, m), 1.98-2.05 (4H, m), 2.53 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.21-3.93 (19H, m, containing 3H, s, at 3.28 ppm), 4.15-4.41 (4H, m, containing OH), 4.49-4.64 (10H, m), 4.87 (1H, d, J=3.1 Hz, anomeric H), 5.16 (1H, d, J=3.9 Hz, anomeric H), 5.21-5.40 (10H, m), 5.87-5.99 (4H, m), 7.15 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 867, 1476 [M+Na]+.
β−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3312 (w, br), 2926, 2855, 1754, 1650, 1547 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (62H, bs), 1.40-1.50 (4H, m), 1.52-1.60 (4H, m), 2.52 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.19 (1H, t, J=8.0 Hz), 3.26 (1H, m), 3.29 (3H, s), 3.35 (1H, m), 3.37, 3.42 (2H, AB-q, J=14.3 Hz), 3.50-3.89 (11H, m), 4.20 (1H, dt, J=3.4, 10.0 Hz), 4.27-4.39 (2H, m, containing anomeric H), 4.36 (1H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 4.43 (1H, bs, OH), 4.56-4.66 (10H, m), 5.22-5.40 (11H, m), 5.88-5.98 (4H, m), 7.18 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1476 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C79H140NO20PNa: 1476.9604. Found: 1476.9606。
(6) ジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(5)で得られた4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシドを用い、実施例1(13)と同様に反応させることにより油状の標記化合物(収率61%)を得た。
IR νmax(film) 3294 (w), 3089 (w), 2926, 2856, 1754, 1678 (w), 1650 (w), 1550 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.26 (62H, bs), 1.42-1.46 (4H, m), 1.51-1.57 (4H, m), 1.74-1.80 (2H, m), 2.00-2.02 (4H, m), 2.48-2.51 (2H, m), 3.13 (1H, m), 3.23 (1H, m), 3.29 (3H, s), 3.35 (1H, t, J=9.0 Hz), 3.40 (2H, s), 3.50-4.29 (14H, m), 4.50-4.65 (14H, m), 4.84 (1H, t, J=9.5 Hz), 5.22-5.42 (14H, m), 5.72 (1H, dd, J=3.1, 6.3 Hz), 5.89-5.98 (6H, m), 7.42 (1H, d, J=9.0 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 1436, 1636 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C85H149NO23P2Na: 1636.9894. Found: 1636.9932。
(7) ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(6)で得られたジアリルホスホノ 4−O−(アリルオキシカルボニル)−3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシドを用い、反応温度を35℃とした以外は実施例1(14)と同様に反応させることにより蝋状の標記化合物(収率66%)を得た。
IR νmax(KBr) 3700-3000, 2925, 2854, 1717, 1652, 1543, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 0.89 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.22-1.34 (62H, m), 1.50-1.58 (8H, m), 1.78-1.84 (2H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.55 (2H, t, J=7.2 Hz), 3.14 (1H, t, J=8.4 Hz), 3.31-3.38 (6H, m, containing 3H, s, at 3.34 ppm), 3.50 (1H, d, J=9.8 Hz), 3.60-4.15 (16H, m), 4.39 (1H, d, J=7.4 Hz, anomeric H), 5.31-5.39 (2H, m), 5.52 (1H, q, J=3.1 Hz, anomeric H).
FABMS (negative-ion) m/z; 1284 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C65H125NO19P2 .2H2O: C, 59.03; H, 9.83; N, 1.06; P, 4.68. Found: C, 59.10; H, 9.77; N, 1.07; P, 4.29。
[実施例5]
2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号5番)
(1)アリル 3−O−デシル−2−O−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセチルアミノ−α−D−グルコピラノシド(第Ba1工程)
アリル 2−O−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセチルアミノ−α−D−グルコピラノシド(10.60 g, 29.834 mmol)及びデシル メタンスルホネート(9.04 g, 38.245 mmol)をDMF(40 mL)に溶かし、この溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 3.00 g, 38.750 mmol)を氷冷下加え、0℃で30分間、その後室温で一夜攪拌した。反応終了後、氷冷下反応液にメタノールを加え余分な水素化ナトリウムを分解した。反応液を酢酸エチルで希釈し、この溶液を水及び飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより油状の標記化合物(13.20 g, 収率89%)を得た。
IR νmax(film) 3320, 2927, 2857, 1715, 1556-1543, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.24 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.42-1.50 (2H, m), 1.51 (3H, s), 3.40-3.51 (2H, m), 3.64-3.88 (5H, m), 3.99 (1H, m), 4.15-4.21 (2H, m), 4.88 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 5.24-5.32 (2H, m), 5.87 (1H, m), 6.40 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 496 [M+H]+
(2) 2−ヒドロキシエチル 2−アミノ−3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(第Bk1工程)
(1)で得られたアリル 3−O−デシル−2−O−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−トリフルオロアセチルアミノ−α−D−グルコピラノシド(13.20 g, 26.634 mmol)をTHF−水の混合溶媒(3:1, 260 mL)に溶かし、この溶液にメタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4, 43 g)及びオスミウム酸(OsO4, 4.5 mL, 2.5% t-ブタノール溶液)を加え、室温下1.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、この溶液を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮することにより、粗アルデヒド(16.47 g)を得た。
得られた粗アルデヒドを99.5%エタノール(300 mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4, 2.00 g)を加え室温20分攪拌した。反応終了後、氷冷下反応液に酢酸を加えてNaBH4を分解し、減圧濃縮した。濃縮物を酢酸エチルに溶解し、この溶液を飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮することにより、アルコールのアミドとアミンの混合物(約9.0 g)を得た。
この混合物をエタノール(100 mL)及び1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)に溶かし、反応液を1.5時間還流した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をNH-シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/メタノール=19/1)で精製することにより標記化合物(8.10 g, 収率76%)を得た。
IR νmax(film) 3700-3000, 2926, 2857, 1682, 1593 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+D2O) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (14H, bs), 1.40 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.52-1.56 (2H, m), 2.86 (1H, dd, J=3.4, 9.8 Hz, C2-H), 3.40 (1H, t, J=9.3 Hz), 3.53-3.87 (10H, m), 4.94 (1H, d, J=3.4 Hz, anomeric H).
FABMS (positive-ion) m/z; 404 [M+H]+, 426 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C21H42NO6: 404.3012. Found: 404.3011。
(3) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Bk2工程)
(2)で得られた2−ヒドロキシエチル 2−アミノ−3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(2.02 g, 5.000 mmol)を塩化メチレン(20 mL)に溶かし、この溶液に1H−テトラゾール(1.56 g, 22.27 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(1.69 g, 6.889 mmol)を加え、室温で0.5時間攪拌し、その後オキソン(4.55 g, 7.401 mmol)のTHF-水(2:1, 37.5 mL)混合溶液を加え、室温で15分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮し、粗ホスフェートを得た。
得られた粗ホスフェートを塩化メチレン(150 mL)に溶かし、この溶液に、3−オキソテトラデカン酸(1.46 g, 6.000 mmol)、塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(1.44 g, 7.511 mmol)及びDMAP(0.92 g, 7.530 mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、水及び食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/シクロヘキサン=3/1)で精製することにより標記化合物(1.96 g, 2工程収率50%)を得た。
IR νmax(film) 3290, 3085 (w), 2926, 2856, 1820, 1673, 1658 (shoulder), 1550, 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (30H, bs), 1.40 (3H, s), 1.42-1.48 (2H, m), 1.49 (3H, s), 1.53-1.58 (2H, m), 2.52-2.56 (2H, m), 3.43-3.50 (4H, m, containing 2H, s, at 3.43), 3.60-3.88 (7H, m), 4.19-4.26 (3H, m), 4.52-4.61 (4H, m), 4.78 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 5.26-5.44 (4H, m), 5.90-6.02 (2H, m). 7.62 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 788 [M+H]+, 810 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C41H74NO11PNa: 810.4897. Found: 810.4916。
(4) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Bk3工程)
(3)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(1.06 g, 1.345 mmol)を80%酢酸水(100 mL)に溶かし、この溶液を85℃で1.5時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル、その後酢酸エチル/メタノール=19/1)で精製することにより標記化合物(550 mg, 収率55%)を得た。
IR νmax(KBr) 3427, 3298, 3081 (w), 2921, 2851, 1708, 1639, 1549 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.8 Hz), 1.25 (28H, bs), 1.50-1.70 (8H, m, containing OHx2), 2.54 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.43-3.92 (11H, m, containing 2H, s at 3.45 ppm), 4.19-4.27 (3H, m), 4.52-4.59 (4H, m), 4.78 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 5.62-5.42 (4H, m), 5.89-5.99 (2H, m), 7.71 (1H, d, J=9.4 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; 748 [M+H]+,770 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C38H71NO11P: 748.4765. Found: 748.4776。
(5) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイル)アミノ−α−D−グルコピラノシド(第Cc1工程)
実施例1(3)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(250mg, 0.268 mmol)及び(4)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(180mg, 0.241 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(0.5 g)を加え30分間攪拌した後、窒素中AgOTf(180 mg, 0.701 mmol)及びTMSOTf(16mg, 0.072 mmol)を加え、一夜室温で攪拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することにより標記化合物(165 mg, 収率45%)を得た。
IR νmax(film) 3302, 2925, 2854, 1747, 1720, 1636, 1549, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+ D2O) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (60H, bs), 1.40-1.72 (10H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.31-2.35 (2H, m), 2.54 (2H, t, J=7.0-8.2 Hz), 3.21 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.43 (2H, s), 3.45-3.78 (12H, m), 3.85 (1H, m), 3.98 (1H, dd, J=2.3, 11.0 Hz), 4.15-4.23 (3H, m), 4.35 (1H, q, J=9.4 Hz), 4.49-4.60 (10H, m), 4.72 (1H, d, J=3.9 Hz), 4.97 (1H, dd, J=8.2, 9.4 Hz), 5.24-5.43 (10H, m), 5.89-6.00 (4H, m), 7.67 (1H, d, J=9.4 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 1518 [M+H]+, 1540 [M+Na]+
(6) 2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Cc2工程)
(5)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイル)アミノ−α−D−グルコピラノシド(160 mg, 0.105 mmol)を乾燥THF(8 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(18 mg, 0.069 mmol)、トリエチルアミン(70 mg, 0.692 mmol)、ギ酸(59 mg, 1.282 mmol)及びPd(PPh3)4(18 mg, 0.016 mmol)を加え、窒素中55℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をDEAE-セルロース7 gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05 mol/L酢酸アンモニウム溶液)にて精製することにより目的物の画分を得た。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え(pH 2−3に調整)、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め、減圧濃縮することにより、蝋状の標記化合物(118 mg, 収率82%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.20-1.35 (60H, m), 1.38-1.62 (8H, m), 1.71-1.73 (2H, m), 2.00-2.04 (4H, m), 2.31-2.34 (2H, m), 2.55-2.58 (2H, m), 3.29 (3H, s), 3.32-4.18 (25H, m, containing 3H, s, at 3.40 ppm), 4.49 (1H, d, J=7.7 Hz, anomeric H), 4.72 (1H, d, J=3.5 Hz, anomeric H), 4.88 (1H, dd, J=8.2, 9.0 Hz), 5.32-5.35 (2H, m).
FABMS (negative-ion) m/z; 1356 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C68H128NO21P2 .1.4 H2O: C, 59.02; H, 9.60; N, 1.01; P, 4.48. Found: C, 59.10; H, 9.51; N, 1.09; P, 4.37。
[実施例6]
2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号6番)
(1) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Cc1工程)
2,2,2−トリクロロアセトイミドイル 6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(223 mg, 0.222 mmol)及び実施例5(4)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(220 mg, 0.294 mmol)を塩化メチレン(8 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(0.5 g)を加え、30分間攪拌した後、窒素中AgOTf(180 mg, 0.701 mmol)及びTMSOTf(16 mg, 0.072 mmol)を加え、一夜室温で攪拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することにより標記化合物(135 mg, 収率38%)を得た。
IR νmax(film) 3400-3200, 2926, 2855, 1751, 1669, 1651, 1547, 1461 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+ D2O) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (60H, bs), 1.40-1.78 (10H, m), 2.00-2.02 (4H, m), 2.30-2.34 (2H, m), 2.51-2.55 (2H, m), 3.21 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.43 (2H, s), 3.53-3.74 (12H, m), 3.85 (1H, m), 4.07 (1H, d, J=10.2 Hz), 4.15-4.40 (4H, m), 4.45 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.50-4.65 (11H, m), 4.70 (1H, d, J=3.5 Hz), 4.95 (1H, m), 5.25-5.42 (12H, m), 5.90-5.97 (5H, m), 7.72 (1H, d, J=9.8 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 1588 [M+H]+, 1610 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C83H147NO23P2:Na: 1610.9736. Found: 1610.9709。
(2) 2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(第Ce1工程)
(1)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(203 mg, 0.128 mmol)を用い、実施例実施例5(6)と同様に反応させることにより蝋状の標記化合物(95 mg, 収率55%)を得た。
IR νmax(KBr) 3600-3200, 2924, 2853, 1723, 1650, 1547, 1467 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 4:1) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.26 (60H, bs), 1.40-1.62 (8H, m), 1.71-1.73 (2H, m), 2.00-2.04 (4H, m), 2.32-2.36 (2H, m), 2.56-2.58 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.31-4.24 (22H, m), 4.48 (1H, d, J=8.2 Hz, anomeric H), 4.73 (1H, d, J=3.4 Hz, anomeric H), 4.87 (1H, t, J=8.2 Hz), 5.33-5.37 (2H, m).
FABMS (negative-ion) m/z; 1342 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C67H127NO21P2 .1.4 H2O: C, 59.85; H, 9.52; N, 1.04; P, 4.61. Found: C, 59.96; H, 9.32; N, 1.19; P, 4.47。
[実施例7]
2−(ホスホノオキシ)エチル 6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(化合物番号7番)
(1) アリル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド
アリル 4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(2.90 g, 11.14 mmol)をDMF(29 mL)に溶かし、この溶液にヨウ化ドデシル(8.00 g, 27.00 mmol)及び水素化ナトリウム(55%分散油, 2.36 g, 54.00 mmol)を氷冷下加え、室温で一夜撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、氷水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより標記化合物(6.49 g, 収率98%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (36H, bs), 1.41 (3H, s), 1.48 (3H, s), 1.50-1.60 (4H, m), 3.30 (1H, m), 3.49-3.74 (8H, m), 3.83 (1H, m), 4.08 (1H, dd, J=6.6, 13.3 Hz), 4.18 (1H, dd, J=5.1, 13.3 Hz), 4.90 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.22 (1H, m), 5.32 (1H, m), 5.92 (1H, m)。
(2) 2−(ヒドロキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(第Bc1工程)
(1)で得られたアリル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(2.39 g, 4.00 mmol)及びNaIO4(4.00 g)をエタノール(30 mL)−水(10 mL)混合溶液に溶かし、この溶液にOsO4(2.5% t-ブタノ−ル溶液80 mg)を加え、2時間室温で攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮することにより、粗アルデヒドを得た。得られた粗アルデヒドを99%エタノール(50mL)に溶解し、この溶液にNaBH4(200 mg)を加え、室温で10分間攪拌した。反応終了後反応液に酢酸を加え過剰の還元剤を除き、反応液を酢酸で希釈し、重曹水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、標記化合物(1.66 g, 収率69%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (9H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (36H, bs), 1.40 (3H, s), 1.41-1.43 (4H, m), 1.48 (3H, s), 2.82 (1H, bs, OH), 3.30 (1H, m), 3.51-3.85 (14H, m), 4.89 (1H, d, J=3.7 Hz)。
(3) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(第Bc2工程)
(2)で得られた2−(ヒドロキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(1.47 g, 2.45 mmol)を塩化メチレン(30mL)に溶かし、この溶液に1H−テトラゾール(400 mg, 5.71 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(1.20 g, 4.89 mmol)を加え、室温で20分間撹拌した。その後、反応溶液にTHF(30 mL)を加え、次いで30%過酸化水素水(0.5 g)を加え、20分間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルにて希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより標記化合物(1.62 g, 収率87%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (36H, bs), 1.39 (3H, s), 1.47 (3H, s), 1.50-1.59 (4H, m), 3.29 (1H, m), 3.50-3.88 (11H, m), 4.23-4.27 (2H, m), 4.56-4.59 (4H, m), 4.90 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.25-5.42 (4H, m), 5.90-6.00 (2H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 761 [M+H]+, 783 [M+Na]+
(4) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(第Bc3工程)
(3)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド(6.60 g, 9.10 mmol)をメタノール(60 mL)に溶かし、この溶液にp−トルエンスルホン酸/
一水和物(412 mg)を加え、室温で2時間攪拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル、その後10%メタノール酢酸エチル溶液)で精製することにより蝋状の標記化合物(6.00 g, 収率96%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (36H, bs), 1.50-1.71 (4H, m), 3.27 (1H, dd, J=3.7, 8.8 Hz), 3.41-3.91 (11H, m), 4.24-4.28 (2H, m), 4.48-4.59 (4H, m), 4.95 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.19-5.40 (4H, m), 5.90-6.00 (2H, m)。
(5) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(第Cc1工程)
実施例1(3)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(260 mg, 0.279 mmol)及び(4)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(197 mg, 0.279 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(500 mg)を加え、窒素気流下で30分間撹拌した。その後、反応液にAgOTf(180 mg, 0.701 mmol)及びTMSOTf(20 mg, 0.090 mmol)を加え、窒素中室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することによりガム状の標記化合物(215 mg, 収率52%)を得た。
IR νmax(film) 3412, 2926, 2855, 1750, 1652 (w), 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.10-1.43 (70H, m), 1.55-1.70 (6H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.29-2.36 (2H, m), 2.82 (1H, bs, OH), 3.22 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.39 (3H, s), 3.47-3.84 (18H, m), 3.96 (1H, dd, J=1.0, 8.6 Hz), 4.19-4.25 (2H, m), 4.32 (1H, q, J=9.4 Hz), 4.47 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.54-4.59 (8H, m), 4.89 (1H, d, J=3.5 Hz), 4.97 (1H, d, J=8.6 Hz), 5.24-5.40 (10H, m), 5.89-5.99 (4H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1513 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C80H148O20P2Na: 1513.9937. Found: 1513.9934。
(6) 2−(ホスホノオキシ)エチル 6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(第Cc2工程)
(5)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(140 mg, 0.094 mmol)を乾燥THF(8 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(16 mg, 0.061 mmol)、トリエチルアミン(65 mg, 0.642 mmol)、ギ酸(54 mg, 0.843 mmol)及びPd(PPh3)4(16 mg, 0.014 mmol)を加え、窒素中55℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をDEAE-セルロース6gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の 0.05 mol/L 酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分を得た。画分を集め、全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え(pH 2−3に調整)、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め、減圧濃縮することにより蝋状の標記化合物(81 mg, 収率65%)を得た。
IR νmax(KBr) 3500-2500 (br), 2924, 2853, 1726, 1467 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.26 (66H, bs), 1.40-1.44 (2H, m), 1.54-1.62 (6H, m), 1.71-1.75 (2H, m), 2.00-2.04 (4H, m), 2.32-2.38 (2H, m), 3.24-3.39 (6H, m, containing 3H, s, at 3.30 ppm), 3.41 (3H, s), 3.47-3.82 (15H, m), 4.02 (1H, d, J=10.2 Hz), 4.16-4.21 (3H, m), 4.49 (1H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.87 (1H, d, J=3.4 Hz, anomeric H), 4.91 (1H, t, J=8.4 Hz), 5.33-5.37 (2H, m).
FABMS (negative-ion) m/z; 1329 [M-H]-, 1351 [M-2H+Na]-.
Anal. Calcd. for C68H132O20P2: C, 61.33; H, 9.99; P, 4.65. Found: C, 61.39; H, 9.70; P, 4.58。
[実施例8]
ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号8番)
(1) 3−O−デシル−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−グルコフラノース
1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−グルコフラノース(17.00 g, 65.309 mmol)及びデシル p−トルエンスルホネート(15.34 g, 64.898 mmol)をDMF(65 mL)に溶かし、この溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 3.40 g, 77.916 mmol)を氷冷下加え、0℃で15分間撹拌し、更に室温で一夜攪拌した。反応終了後、氷冷下反応液にメタノールを加え残余の水素化ナトリウムを分解し、酢酸エチルで希釈、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより油状の標記化合物(22.50 g, 収率98%)を得た。
(2) アリル 3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−α,β−D−グルコピラノシド
(1)で得られた3−O−デシル−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−グルコフラノース(20.60 g, 51.429 mmol)を2%の塩酸を含むアリルアルコール(300 mL)に溶解し、30分間還流した。反応液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をDMF(30 mL)及び2,2−ジメトキシプロパン(30 mL)に溶解し、この溶液p−トルエンスルホン酸・一水和物(500 mg)を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより油状の標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 16.48 g, 収率80%)を得た。混合物の一部をクロマトグラフィーを用いてα−アノマー及びβ−アノマーに分離することができた。
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3470 (br), 2994, 2925, 2856 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.53-1.60 (2H, m), 2.27 (1H, d, J=7.3 Hz, OH), 3.46-3.86 (8H, m), 4.04 (1H, m), 4.21 (1H, m), 4.93 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.22-5.35 (2H, m), 5.93 (1H, m).
Anal. Calcd. For C22H40O6: C, 65.97; H, 10.07. Found: C, 65.49; H, 9.79.
β−アノマーの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.55-1.60 (2H, m), 2.29 (1H, d, J=2.2 Hz, OH), 3.25 (1H, m), 3.31 (1H, t, J=8.8 Hz), 3.45 (1H, m), 3.59-3.67 (2H, m), 3.75-3.82 (2H, m), 3.91 (1H, dd, J=5.1, 11.0 Hz), 4.14 (1H, dd, J=6.2, 12.8 Hz), 4.35 (1H, dd, J=5.1, 12.5 Hz), 4.40 (1H, d, J=8.1 Hz), 5.20-5.35 (2H, m), 5.93 (1H, m).
Anal. Calcd. For C22H40O6: C, 65.97; H, 10.07. Found: C, 65.49; H, 9.79。
(3) アリル 3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(第Bj1工程)
(2)で得られたアリル 3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 300 mg, 0.750 mmol)を塩化メチレン−THF(2:1, 6 mL)に溶かし、この溶液に3−オキソテトラデカン酸(242 mg, 1.00 mmol)及びWSCI塩酸塩(192 mg, 1.000 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、水及び重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより、標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 375 mg, 収率80%)を得た。混合物の一部からクロマトグラフィーを用いてβ−アノマー及びα−アノマーを分離することができた。
β−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 2923, 2853, 1752, 1722, 1636, 1568 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40 (3H, s), 1.41-1.68 (7H, m, containing 3H, s, at 1.49 ppm), 2.56 (2H, t, J=6.3 Hz), 3.23 (1H, m), 3.38-3.56 (3H, m), 3.92 (1H, m), 4.05 (1H, m), 4.30 (1H, m), 4.47 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.95 (1H, m), 5.15-5.27 (2H, m), 5.84 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 623 [M-H]+, 647 [M+Na]+
α−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 2926, 2856, 1751, 1720, 1649(w), 1624(w), 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.40-1.60 (10H, m ,containing two 3H, s, at 1.41 and 1.50), 2.54 (2H, dt, J=2.2, 7.3 Hz), 3.41-3.60 (3H, m), 3.61-3.79 (5H, m), 3.84 (1H, m), 4.00 (1H, m), 4.17 (1H, m), 4.80 (1H, dd, J=4.4, 9.5 Hz, C2-H), 5.04 (1H, d, J=4.4 Hz, C1-H), 5.18-5.32 (2H, m), 5.89 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 623 [M-H]+, 625 [M+H]+, 647 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C36H64O8Na: 647.4499. Found: 647.4490。
(4) アリル 3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(第Bj2工程)
(3)で得られたアリル 3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 2.37 g, 3.793 mmol)をメタノール(35 mL)に溶かし、この溶液にp−トルエンスルホン酸(200 mg)を加え、室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 1.31 g, 収率59%)を得た。混合物の一部をクロマトグラフィーを用いてα−アノマー及びβ−アノマーに分離することができた。
α−アノマーの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.51-1.60 (4H, m), 2.05 (2H, m, OH), 2.53 (2H, dt, J=1.5, 6.6 Hz), 3.48 (2H, s), 3.59-3.87 (7H, m), 4.01 (1H, m), 4.18 (1H, m), 4.74 (1H, dd, J=3.7, 10.3 Hz), 5.08 (1H, d, J=3.7 Hz, anomeric H), 5.19-5.32 (2H, m), 5.89 (1H, m).
β−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3284 (br), 2921, 2852, 2596-2400 (w), 1752, 1720, 1649, 1632 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.51-1.63 (4H, m), 2.07 (1H, m, OH), 2.52-2.57 (2H, m), 3.20 (1H, d, J=2.9 Hz), 3.45 (1H, s), 3.35-3.41 (2H, m), 3.58-3.68 (3H, m), 3.80 (1H, m), 3.91 (1H, m), 4.07 (1H, m), 4.31 (1H, m), 4.46 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.94 (1H, m), 5.16-5.28 (2H, m), 5.86 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 583 [M-H]+. 607 [M+Na]+
(5) (E)−1−プロペニル 3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(第Bj3工程)
(4)で得られたアリル 3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 1.15 g, 1.966 mmol)をTHF(40 mL)に溶かし、この溶液に水素で活性化したIr[C8H12(MePh2P)2]PF6(25 mg)を加え、窒素中室温で6時間攪拌した。反応終了後反応液を減圧濃縮し、標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 1.15 g, 収率100%)を得た。混合物の一部をクロマトグラフィーを用いてα−アノマー及びβ−アノマーに分離することができた。なお、得られた標記化合物は精製せずに次の反応に使用した。
α−アノマーの物理恒数:
Rf=0.459 (cyclohexane/EtOAc=3/2).
IR νmax(KBr) 3408 (br), 2923, 2853, 1740, 1681 (w), 1659 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.54-1.60 (7H, m, containing 3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz, at 1.55 ppm), 2.00 (1H, m, OH), 2.51-2.55 (2H, m), 3.48 (2H, s), 3.60-3.76 (5H, m), 3.80-3.83 (2H, m), 4.76 (1H, dd, J=3.7, 9.5 Hz), 5.16 (1H, dd, J=6.6, 12.5 Hz), 5.23 (1H, d, J=3.7 Hz), 6.11 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
β−アノマーの物理恒数:
Rf=0.324 (cyclohexane/EtOAc=3/2).
IR νmax(film) 3500-3200 (br), 2922, 2853, 1745, 1720, 1682, 1648 (w), 1630 (w) cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=5.9-7.3 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.51-1.62 (7H, m, containing 3H, d, J=5.9 Hz at 1.54 ppm), 2.02 (1H, bs, OH), 2.52-2.58 (2H, m), 3.19 (1H, d, J=10.3 Hz), 3.36-3.48 (3H, m, containing 2H, s, at 3.45 ppm), 3.57-3.70 (3H, m), 3.81 (1H, m), 3.93 (1H, m), 4.62 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.99 (1H, m), 5.10 (1H, m), 6.16 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 607 [M+Na]+
(6) (E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(第Bj4工程)
(5)で得られた(E)−1−プロペニル 3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 2.89 g, 4.942 mmol)を塩化メチレン(40 mL)に溶かし、この溶液にt−ブチルジメチルシリルクロリド(800 mg, 5.315 mmol)及びDMAP(650 mg, 5.315 mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液をそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 3.45 g, 収率100%)を得た。混合物の一部からクロマトグラフィーを用いてβ−アノマーを分離することができた。
β−アノマーの物理恒数:
IR νmax(film) 3507 (br), 2927, 2856, 1754, 1721, 1682, 1663, 1621, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.08 (6H, m), 0.86-0.91 (15H, m, containing 9H, s, at 0.90 ppm), 1.25 (30H, bs), 1.50-1.61 (5H, m), 2.55-2.58 (2H, m), 3.12-3.20 (1H, m), 3.36-3.46 (3H, m), 3.54-3.73 (3H, m), 3.83-3.93 (2H, m), 4.57 (1H, d, J=8.8 Hz), 4.98 (1H, m), 5.08 (1H, m), 6.14 (1H, d, J=10.7 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 697 [M-H]+, 721 [M+Na]+ (on addition of NaI)。
(7) (E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(第Bj5工程)
(6)で得られた(E)−1−プロペニル 6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 3.45 g, 4.935 mmol)をトルエン(60 mL)に溶かし、この溶液にピリジン(4.00 g, 50.569 mmol)を加え、次いで氷冷下トリホスゲン(2.20 g, 7.414 mmol)を加え、15分間撹拌した後、アリルアルコール(6.90 g, 118.8mmol)を加え、氷冷下1時間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び食塩水で洗い、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより標記化合物のアノマー混合物(α−アノマーとβ−アノマーの混合比=3:1, 2.63 g, 収率68%)を得た。混合物の一部からクロマトグラフィーを用いてβ−アノマーを分離することができた。
β−アノマー:
IR νmax(film) 2927, 2856, 1758, 1722, 1682 (w), 1664 (w), 1628 (w), 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.04 (6H, s), 0.86-0.90 (15H, m, containing 9H, s, at 0.88 ppm), 1.26 (30H, bs), 1.42-1.60 (7H, m, containing 3H, d, J=7.3 Hz, at 1.52 ppm), 2.54 (2H, t, J=7.3 Hz), 3.19 (1H, d, J=8.8 Hz), 3.43 (1H, s), 3.47-3.57 (4H, m), 3.72-3.73 (2H, m), 4.57 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.61-4.65 (2H, m), 4.78 (1H, t, J=9.5 Hz), 4.97-5.14 (2H, m), 5.27-5.39 (2H, m), 5.92 (1H, m), 6.16 (1H, dd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 805 [M+Na]+
(8) 4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(第Bj6工程)
(7)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー3:1混合物, 2.20 g, 4.935 mmol)を塩化メチレン(30 mL)及びアセトニトリル(60 mL)に溶かし、この溶液に48%フッ化水素酸水溶液(20 mL)を加え、1.5日間室温で撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水、重曹水及び食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製することにより標記化合物のアノマー混合物(1.02 g, 収率58%)を得た。
IR νmax(film) 3430, 2925, 2855, 1754, 1719, 1650 (w), 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (30H, bs), 1.45-1.70 (4H, m), 2.50-2.57 (2H, m), 3.47-3.80 (7H, m), 3.90 (1H, t, J=9.5 Hz), 4.02 (1H, m), 4.66 (2H, d, J=5.9 Hz), 4.76-4.88 (1.5H, m), 5.29-5.40 (2H, m), 5.49 (0.5H, bs), 5.93 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 369, 611, 651 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C34H60O10Na: 651.4085. Found: 651.4052。
(9) 4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(第Ca1工程)
実施例1(3)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(260 mg, 0.279 mmol)及び(8)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(175 mg, 0.279 mmol)を塩化メチレン(8 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(500 mg)を加え、窒素気流下30分間撹拌した後、AgOTf(180 mg, 0.701 mmol)及びTMSOTf(20 mg, 0.090 mmol)を加え、窒素中室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することによりガム状の標記化合物(アノマー混合物, 240 mg, 収率65%)を得た。
IR νmax(film) 3326 (w), 2926, 2856, 1754, 1720, 1650 (w), 1629 (w), 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (60H, bs), 1.40-1.74 (10H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.19 (0.5H, m), 2.32-2.36 (2H, m), 2.52-2.56 (1.5H, m), 3.21-3.90 (20H, m, containing two 3H, s, at 3.26 and 3.39 ppm, and OH), 4.26 (1H, m), 4.40 (1H, m), 4.51-4.67 (9H, m), 4.77 (1H, dd, J=3.5, 9.8 Hz), 4.85 (1H, m), 4.94 (1H, t, J=7.6 Hz), 5.24-5.40 (8H, m), 5.89-5.97 (3H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1421 [M+Na]+
(10) ジアリルホスホノ 3−O−デシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(9)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(240 mg, 0.171mmol)を塩化メチレン(8 mL)に溶かし、この溶液に硫酸ナトリウム(0.5 g)、1H−テトラゾール(173 mg, 2.480 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(210 mg, 0.855 mmol)を加え、窒素気流下室温で30分間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することによりホスファイト(264 mg)を得た。
得られたホスファイトをTHF(8 mL)に溶解し、この溶液に30%過酸化水素水(0.55 mL)を加え、氷冷下30分間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルにて希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより標記化合物(263 mg, 収率57%)を得た。
IR νmax(film) 2927, 2856, 1757, 1721, 1650 (w), 1464 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (60H, bs), 1.40-1.71 (10H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.18-2.56 (4H, m), 3.20 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.38 (3H, s), 3.44 (2H, s), 3.45-3.75 (7H, m), 3.80 (1H, t, J=9.6 Hz), 3.96 (1H, m), 4.08 (1H, m), 4.30 (1H, q, J=9.4 Hz), 4.39 (1H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.44-4.59 (10H, m), 4.63-4.65 (2H, m), 4.75 (1H, t, J=9.4 Hz), 4.84 (1H, m), 4.91 (1H, m), 5.21-5.42 (12H, m), 5.80 (1H, dd, J=3.5, 6.6 Hz), 5.89-5.99 (5H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1581 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C82H144O23P2Na: 1581.9471. Found: 1581.9447。
(11) ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(10)で得られたジアリルホスホノ 3−O−デシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(100 mg, 0.064 mmol)を乾燥THF(5 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(11 mg, 0.042 mmol)、トリエチルアミン(43 mg, 0.425 mmol)、ギ酸(43 mg, 0.782 mmol)及びPd(PPh3)4(11 mg, 0.010 mmol)を加え、窒素中50℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮し、DEAE-セルロース6gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05 mol/L酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分を得た。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え(pH 2−3に調整)、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め、減圧濃縮することにより、蝋状の標記化合物(46 mg, 収率54%)を得た。
IR νmax(KBr) 3505 (w), 2925, 2854, 1747, 1719, 1653 (w), 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.87-0.90 (12H, m), 1.27 (60H, bs), 1.40-1.76 (10H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.19 (0.4H, t, J=7.5 Hz), 2.71 (1.6H, t, J=7.5 Hz), 2.32-2.42 (2H, m), 3.26-3.98 (22H, m, containing two 3H, s, at 3.30 and 3.41 ppm), 4.18 (1H, m), 4.51 (1H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.71 (1H, d, J=10.2 Hz), 4.88 (1H, t, J=8.6 Hz), 5.31-5.39 (2H, m), 5.68 (1H, dd, J=3.1, 7.4 Hz).
FABMS (negative-ion) m/z; 1313 [M-H]-, 1335 [M-2H+Na]-.
Anal. Calcd. for C66H124O21P2 .2.5H2O: C, 58.27; H, 9.56; P, 4.55. Found: C, 58.43; H, 9.39; P, 4.51。
[実施例9]
ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(化合物番号9番)
(1) 4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−{6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(第Ca1工程)
実施例3(4)で得られたトリクロロアセトイミドイル 6−O−(アリルオキシカルボニル)−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(340 mg, 0.344 mmol)及び実施例8(8)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(216 mg, 0.344 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(620 mg)を加え、窒素気流下30分間撹拌した後、AgOTf(222 mg, 0.864 mmol)及びTMSOTf(20 mg, 0.090 mmol)を加え、窒素中室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することによりガム状の標記化合物(436 mg, 収率86%)を得た。
IR νmax(film) 3500-3200, 2927, 2856, 1754, 1650 (w), 1461 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (60H, bs), 1.40-1.48 (4H, m), 1.56-1.72 (6H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.19 (0.4H, m), 2.32-2.40 (2H, m), 2.52-2.58 (1.6H, m), 3.23 (1H, m), 3.26 (3H, s), 3.46-3.90 (13H, m), 4.21-4.64 (14H, m), 4.77 (1H, dd, J=3.1, 9.8 Hz), 4.93 (1H, m), 5.23-5.41 (10H, m), 5.88-5.98 (4H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1491 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C79H137O22PNa: 1491.9237. Found: 1491.9266。
(2) ジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−[6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル]−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(1)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−[6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル]−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α,β−D−グルコピラノース(424 mg, 0.288 mmol)を塩化メチレン(12 mL)に溶かし、この溶液に硫酸ナトリウム(0.6 g)、1H−テトラゾール(101 mg, 1.442 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(141 mg, 0.577 mmol)を加え、窒素気流下室温で20分間撹拌した。反応液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することによりホスファイト(439 mg)を得た。このホスファイトをTHF(10 mL)に溶解し、この溶液に30%過酸化水素水(1 mL)を加え、氷冷下で20分間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより油状の標記化合物(355 mg, 収率76%)を得た。
IR νmax(film) 2927, 2856, 1754, 1721 (w), 1650 (w), 1461 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) d 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (60H, bs), 1.37-1.46 (4H, m), 1.56-1.75 (6H, m), 1.99-2.02 (4H, m), 2.16-2.20 (0.4H, m), 2.28-2.47 (2H, m), 2.51-2.56 (1.6H, m), 3.20 (1H, m), 3.25 (3H, s), 3.38 (3H, s), 3.45-3.82 (12H, m), 3.94 (1H, dd, J=2.0, 11.0 Hz), 4.06 (1H, m), 4.22-4.30 (2H, m), 4.46 (1H, m), 4.53-4.65 (12H, m), 4.67-5.04 (3H, m), 5.22-5.41 (14H, m), 5.80 (1H, m), 5.88-5.99 (6H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1651 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C85H146O25P2Na: 1651.9526. Found: 1651.9546。
(3) ホスホノ 3−O−デシル−6−O−[3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(2)で得られたジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−3−O−デシル−6−O−[6−O−アリルオキシカルボニル−4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル]−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド(210 mg, 0.129 mmol)を乾燥THF(10 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(22 mg, 0.084 mmol)、トリエチルアミン(86 mg, 0.850 mmol)、ギ酸(72 mg, 1.564 mmol)及びPd(PPh3)4(22 mg, 0.020 mmol)を加え、窒素中55℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮し、DEAE-セルロース9gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の 0.05 mol/L酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分を得た。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え(pH 約2に調整)、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め、減圧濃縮することにより、蝋状の標記化合物(80 mg, 収率48%)を得た。
IR νmax(KBr) 3500-3000, 2925, 2854, 1743, 1720, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 4:1) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.20-1.28 (60H, m), 1.24-1.75 (10H, m), 1.99-2.04 (4H, m), 2.17-2.19 (0.4H, m), 2.31-2.38 (2H, m), 2.54-2.59 (1.6H, m), 3.30 (3H, s), 3.31-4.01 (19H, m), 4.23 (1H, m), 4.50 (1H, d, J=7.8 Hz, anomeric H), 4.70 (1H, m), 4.87 (1H, t, J=8.2-8.6 Hz), 5.34-5.36 (2H, m), 5.67 (1H, dd, J=3.5, 7.4 Hz).
FABMS (negative-ion) m/z; 1299 [M-H]-.
Anal. Calcd. for C65H122O21P2: C, 59.98; H, 9.45; P, 4.76. Found: C, 60.10; H, 9.23; P, 4.47。
[実施例10]
2−(ホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−[6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−α−D−グルコピラノシド(化合物番号10番)
(1) 2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−[6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−α−D−グルコピラノシド及び2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−[6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−α−D−グルコピラノシル]−α−D−グルコピラノシド(第Cc1工程)
実施例1(3)に準じて得られるトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(500mg, 0.552 mmol)及び実施例7(4)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシドを塩化メチレン(7.5 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(630 mg)及びAgOTf(12.5 mg, 0.055 mmol)を加え、窒素中室温で1間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/塩化メチレン=1/2)で精製することによりガム状の標記化合物である2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(180 mg, 収率22%)及び2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−α−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(120 mg, 収率14%)を得た。
2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシドの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (68H, bs), 1.40-1.79 (10H, m),1.99-2.07 (4H,m), 2.60 (1H, bs, OH), 3.17-3.90 (24H, m, containing two 3H, s, at 3.28 and 3.39 ppm), 4.05 (1H, m), 4.20-4.30 (4H, m), 4.35 (1H,d, J=7.8Hz), 4.53-4.60 (8H, m), 4.92 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.21-5.24 (4H, m), 5.30-5.40 (8H, m), 5.89-6.00 (4H,m).
FABMS m/z; [M+H]+,1499 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C80H150O19P2Na: 1500.0144. Found:1500.0145.
2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−α−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシドの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (68H, bs), 1.40-1.79 (10H, m), 1.99-2.07 (4H, m) 3.17-3.90 (24H, m, containing two 3H, s, at 3.28 and 3.39 ppm), 3.99 (1H, m), 4.20-4.30 (4H, m), 4.53-4.58 (8H, m), 4.88 (1H, d, J=3.7 Hz), 4.92 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.20-5.30 (4H, m), 5.89-6.00 (4H,m).
FABMS m/z; 1499 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C80H150O19P2Na:1500.0144. Found:1500.0121。
(2) 2−(ホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(第Cc2工程)
(1)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(180 mg, 0.12 mmol)を乾燥THF(10 mL)に溶かし、この溶液にトリエチルアミン(150 mg, 1.480 mmol)、ギ酸(120 mg, 2.700 mmol)、Pd(PPh3)4(40 mg, 0.255 mmol)及びトリフェニルホスフィン(40 mg, 0.152 mmol)を加え、窒素中36℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮し、DEAE-セルロース8gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05 mol/L 酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分が得られた。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め減圧濃縮することにより蝋状の標記化合物(100 mg, 収率67%)を得た。
IR νmax(KBr) 2954, 2923, 2853, 1654cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD, 5:1) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (68H, bs), 1.39-1.75 (10H, m), 1.75-1.90 (2H, m), 1.98-2.04 (4H, m), 3.23-4.85 (26H, m, containing two 3H, s at 3.28 and 3.39 ppm), 4.00-4.10 (2H, m), 4.10-4.30 (2H, m), 4.40 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.94 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.33-5.38 (2H, m).
FABMS (negative-ion) m/z; 1315 [M-H]-.
Anal Calcd for C68H134O19P2.5/2H2O; C; 60.01,H; 10.31,P; 4.33, Found, C; 59.93, H; 10.28, P; 4.55。
[実施例11]
2−(ホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−α−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(化合物番号11番、第Cc2工程)
実施例10(1)で得られた2−(ジアリルホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ジアリルホスホノ−α−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド(120 mg, 0.081 mmol)を用い、実施例10(2)と同様に反応させることにより蝋状の標記化合物(90 mg, 収率84%)を得た。
IR νmax(KBr) 3480, 2955, 2852, 1654cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3+CD3OD,5:1) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (68H, br s), 1.39-1.70 (10H, m), 1.75-1.90 (2H, m), 1.98-2.04 (4H, m), 3.23-4.85 (26H, m, containing two 3H, s at 3.28 and 3.39 ppm), 4.00-4.25 (4H, m), 4.90 (1H, d, J=3.7 Hz), 4.99 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.33-5.38 (2H, m).
FABMAS (negative ion) m/z; 1315 [M-H]-.
Anal Calcd for C68H134O19P2.H2O; C; 60.01,H; 10.31,P; 4.33, Found, C; 59.93, H; 10.28, P; 4.55。
[実施例12]
ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(化合物番号12番)
(1) (E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド
参考例11で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(840 mg, 0.951 mmol)を塩化メチレン(5 mL)−アセトニトリル(10 mL)混合溶媒に溶解し、この溶液に48%フッ化水素水溶液(200 mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、これを飽和重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより標記化合物(467 mg, 収率64%)を得た。
IR νmax(KBr) 3527, 2925, 2854, 1747, 1679 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (36H, bs), 1.50-1.65 (7H, m), 1.87-1.92 (2H, m), 2.33 (1H, OH), 3.37 (1H, dd, J=2.9, 9.5 Hz), 3.55-3.81 (8H, m), 4.60-4.67 (4H, m), 4.72 (1H, m), 4.80 (1H, m), 5.13 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.18 (1H, qd, J=6.6, 12.5 Hz), 5.25-5.40 (4H, m), 5.89-5.98 (2H, m), 6.16 (1H, qd, J=1.5, 12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; 711 [M+H]+, 791 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C43H76O11Na: 791.5286. Found: 791.5281。
(2) 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−D−グルコピラノース(第Bb1工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−D−α−グルコピラノシド(500 mg, 0l651 mmol)をアセトニトリル(25 mL)に溶かし、この溶液に48%フッ化水素酸水溶液(1.46 mL)を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、飽和重曹水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより油状の標記化合物(340 mg, 72%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86 (6H,t,J=6.6Hz), 1.25 (360H, bs), 1.49-1.65(4H, m), 1.80-2.00 (2H, m), 2.39 (1H, m), 3.2 (1H, d,d, J= 2.9, 9.5Hz), 3.60-4.00 (8H, m), 4.58-4.72 (5H, m), 4.80-4.90 (1H, m), 5.25-5.40 (4H, m), 5.88-6.00 (2H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 751 [M+Na]+
(3) 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル」−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−D−グルコピラノ−ス(第Ca1工程)
実施例1(3)で得られたトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−α−D−グルコピラノシド(666 mg, 0.700 mmol)及び(2)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−D−グルコピラノース(520 mg, 0.700 mmol)を塩化メチレン(20 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(400 mg)を加え、窒素中室温で20分間撹拌した後、AgOTf(20 mg, 0.070 mmol)を加え、窒素中室温で20分間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することによりガム状の標記化合物(520 mg, 収率52%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (66H, bs), 1.40-1.90 (13H, m), 1.92-2.02 (4H, m), 2.30-2.42 (2H, m), 3.20-3.90 (20H, m , containing 3H, s, at 3.17 ppm and 3H, s, at 3.37 ppm), 4.10-4.70 (14H, m), 4.80-4.99 (2H, m), 5.20-5.4 (11Hm), 5.89-6.00 (4H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1521 [M+Na]+.
HRFABMS; Calcd. for C82H147O21PNa: 1522.007. Found: 1522.0068。
(4) ジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−α,β−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(3)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル」−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−D−グルコピラノ−ス(430 mg, 0.287 mmol)を塩化メチレン(60 mL)に溶かし、この溶液に硫酸ナトリウム(900 mg)、1H−テトラゾール(84.3 mg, 1.2 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(105 mg, 0.43 mmol)を加え、窒素気流下室温で30分間撹拌した。反応終了後、反応液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより油状のホスファイト(500 mg)を得た。
このホスフィトをTHF(25 mL)に溶かし、この溶液に30%過酸化水素(500 mg)を加え、氷冷下30分間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、10%ハイポ水及び食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより油状の標記化合物(430 mg, 収率90%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.80-1.90 (12H, m), 1.26 (66H, bs), 1.40-1.75 (10H, m), 1.80-1.90 (2H, m), 1.99-2.05 (4H, m), 2.25-2.50 (2H, m), 3.18-3.90 (221H, m, containing two 3H, s at 3.27 and 3.38 ppm), 4.00 (1H, m), 4.20-4.405 (21H, m), 4.56-4.63 (11H, m), 4.70-5.05 (2H, m), 5.23-5.43 (2H, m), 5.86-5.98 (5H, m).
FABMS(positive-ion) m/z; 1681 [M+Na]+
(5) ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(4)で得られたジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−[(Z)−11−オクタデセノイル]−β−D−グルコピラノシル}−α,β−D−グルコピラノシド(180 mg, 0.090 mmol)を乾燥THF(10 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(30 mg, 0.114 mmol)、トリエチルアミン(111 mg, 1.099 mmol)、ギ酸(93 mg, 2.020 mmol)及びPd(PPh3)4(30 mg, 0.026 mmol)を加え、窒素中36℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮し、DEAE-セルロース8gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05 mol/L酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分が得られた。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルム及び0.15 mol/L塩酸水を加え、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め減圧濃縮すると蝋状の標記化合物(90 mg, 収率75%)を得た。
IR νmax(KBr) 3506 (w), 3345 (w), 2923, 2853, 1720, 1465, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3-CD3OD, 5:1) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.27 (66H, bs), 1.40-1.80 (12H, m), 2.00-2.08 (4H, m), 2.24-2.28 (2H, m), 3.13-4.06 (26H, m, containing two 3H, s at 3.30 and 3.40 ppm), 4.2-4.4 (1H, m), 4.45-4.59 (1H, m), 4.92-4.97 (1H, m),5.34-5.38 (2H, m).
FABMS (negative-ion) m/z; 1329 [M-H]-, 1322.
Anal. Calcd for C68H132O20P2.3H2O: C, 58.99; H, 10.00; P, 4.23. Found: C, 58.94; H, 10.04; P4.47。
[実施例13]
ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(化合物番号13番)
(1) (E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシド及び(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシド(第Cf1工程)
実施例1(3)に準じて得られるトリクロロアセトイミドイル 4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)11−オクタデセノイル]−α,β−D−グルコピラノシド(760 mg 0.840 mmol)及び実施例12(1)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド(645 mg, 0.840 mmol)を塩化メチレン(50 mL)に溶かし、この溶液にモレキュラーシーブス4A(400 mg)及びAgOTf(21 mg, 0.0840 mmol)を加え、窒素中室温で60分間撹拌した。反応終了後、反応液を塩化メチレンで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することによりガム状の標記化合物(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシド(400 mg, 収率32%)及び(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシド(460 mg, 収率37%)を得た。
(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシドの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (66H, bs), 1.40-1.80 (13H, m, containing 3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz at 1.55 ppm), 1.82-1.89 (2H, m),1.98-2.02 (4H, m) 3.1-3.2 (2H, m), 3.22-3.79 (20H, m, containing 3H, s, at 3.28ppm, and 3H, s, at 3.37 ppm),3.8-4.0 (4H, m),4.19-4.3 (2h, m),4.53-4.87 (12H, m),5.03-5.4 (12H, m), 5.88-5.97 (4H, m), 6.13 (1H, qd, J=1.5, J=12.5Hz).
FABMS (positive-ion) m/z; [M+Na,] 1547+.
HRFABMS; Calcd. for C85H153O20PNa:1500.0591 Found;1548.0624.
(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−α−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシドの物理恒数:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (12H, t, J=6.6 Hz), 1.25 (66H, bs), 1.40-1.80 (13H, m, containing 3H, dd, J=1.5, 6.6 Hz at 1.55 ppm), 1.82-2.02 (6H, m), 3.22-4.0 (22H, m, contining 3H, s, at 3.28ppm, and 3H, s, at 3.37ppm), 4.23 (1H, m), 4.53-4.88 (12H, m), 5.03-5.4 (12H, m), 5.89-5.98 (4H, m), 6.13 (1H, qd, J=1.5, 12.5 Hz, NH).
FABMS (positive-ion) m/z; [M+Na,] 1547+.
HRFABMS; Calcd. for C85H153O20PNa: 1548.0590, Found; 1548.0582。
(2) 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−D−グルコピラノ−ス(第Cf2工程)
(1)で得られた(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−α−D−グルコピラノシド(370 mg, 0.242 mmol)をTHF(20 mL)及び水(0.5 mL)に溶かし、この溶液にヨウ素(92.5 mg, 0.365 mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、チオ硫酸ナトリウム水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することによりガム状の標記化合物(250 mg, 収率69%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.86-0.89 (12H, m), 1.25 (66H, bs), 1.40-2.02 (17H, m, containing OH), 3.10-3.90 (20H, m, containing 3H, s, at 3.17 ppm, and 3H, s, at 3.37 ppm4.0-4.70 (14H, m), 4.81 (1H, m), 5.18-5.42 (11H, m), 5.89-6.00 (4H, m).
FABMS (positive-ion) m/z; 1507 [M+Nal]+.
HRFABMS; Calcd. for C82H149O20PNa;1508.0277. Found; 1508.0294。
(3) ジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−α,β−D−グルコピラノシド(第Ca2工程)
(2)で得られた4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−D−グルコピラノ−ス(250 mg, 0.168 mmol)を塩化メチレン(30 mL)に溶かし、この溶液に硫酸ナトリウム(540 mg)、1H−テトラゾール(51 mg, 0.700 mmol)及びジアリル ジイソプロピルホスホルアミダイト(64 mg, 0.250 mmol)を加え、窒素気流下室温で30分間撹拌した。反応終了後、反応液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより油状のホスファイト(268 mg)を得た。
得られたホスファイトをTHF(25 mL)に溶かし、この溶液に30%過酸化水素(500 mg)を加え、氷冷下30分間攪拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、10%ハイポ水及び食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより油状の標記化合物のアノマー混合物(240 mg, 収率86%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.80-1.90 (12H, m), 1.26 (66H, bs), 1.40-1.70 (10H, m), 1.70-1.80 (2H, m), 1.80-1.90 (2H, m), 1.90-205 (4H, m), 3.10 (1H, m), 3.27 (3H, s), 3.33 (1H, m), 3.38 (3H, m), 3.40-390 (14H, m), 4.1-4.2 (1H, m), 4.25 (1H, m), 4.40-4.80 (14H, m), 5.1 (1H, m5.19-5.40 (14H, m), 5.86-5.98 (6H, m).
FABMS(positive-ion) m/z; 1667 [M+Na]+.
HRFABMS,C88H158O23P2Calcd. for: 1668.0567. Found: 1668.0590。
(4) ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド(第Ca3工程)
(3)で得られたジアリルホスホノ 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−3−O−ドデシル−6−O−{4−O−ジアリルホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−α,β−D−グルコピラノシド(アノマー混合物, 150 mg, 0.091 mmol)を乾燥THF(20 mL)に溶かし、この溶液にトリフェニルホスフィン(30 mg, 0.114 mmol)、トリエチルアミン(111 mg, 1.09 mmol)、ギ酸(93 mg, 2.02 mmol)及びPd(PPh3)4(30 mg, 0.026 mmol)を加え、窒素中36℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、減圧濃縮し、DEAE-セルロース8gを詰めたカラム(溶出溶媒:クロロホルム-メタノール-水(2:3:1)の0.05 mol/L酢酸アンモニウム溶液)で精製することにより目的物の画分が得られた。画分を集め全体がクロロホルム-メタノール-水(1:1:1)の混合物となるようにクロロホルムと 0.15 mol/L塩酸水を加え、分液ロートで撹拌し、下層のクロロホルム層を集め減圧濃縮すると蝋状の標記化合物のアノマー混合物(88 mg, 収率73%)を得た。
IR νmax(KBr) 3291 (w), 3076 (w), 2925, 2853, 1628, 1554, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3-CD3OD, 5:1) δ 0.86-0.90 (12H, m), 1.27 (62H, bs), 1.40-1.75 (12H, m), 1.99-2.03 (4H, m), 2.20-2.26 (2H, m), 3.23-4.12 (26H, m, containing two 3H, s at 3.30 and 3.40 ppm), 4.76 (1H, d, J=8.1 Hz), 5.33-5.39 (2H, m), 5.71 (1H, dd, J=3.3, 7.0 Hz).
FABMS (negative-ion) m/z; 1315.
Anal. Calcd for C68H134O19P2.3H2O: C; 59.52,H; 9.93, P; 4.42. Found: C; 59.94, H; 10.29, P; 4.52。
[参考例11]
(E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−α−D−グルコピラノシド
(1) 1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−3−O−デシル−α−D−グルコフラノース
1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−グルコフラノース(17.0 g, 65.31 mmol)及び1−(メタンスルフォニルオキシ)デカン(15.34 g, 64.90 mmol)をDMF(65 mL)に溶解し、その溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 3.40 mg, 77.92 mmol)を氷冷下加えた。0℃で15分間及びその後室温一夜攪拌した。その後、反応液に氷冷下メタノールを加え水素化ナトリウムを分解し、酢酸エチルで希釈した。この溶液を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1、更に4/1)で精製することにより油状の標記化合物(22.5 g, 収率98%)を得た。
IR νmax(film) 2987, 2928, 2857 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.27 (14H, bs), 1.32 (3H, s), 1.36 (3H, s), 1.43 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.55-1.58 (2H, m), 3.52 (1H, m), 3.59 (1H, m), 3.86 (1H, d, J=3.7Hz), 3.99 (1H, dd, J=5.9, 8.8 Hz), 4.08 (1H, d, J=5.9 Hz), 4.11 (1H, t, J=6.6 Hz), 4.14 (1H, m), 4.31 (1H, m), 4.53 (1H, d, J=4.4 Hz), 5.88 (1H, d, J=4.4 Hz)。
(2) アリル 3−O−デシル−α−D−グルコピラノシド
(1)で得られた化合物(20.6 g)を2%塩酸を含むアリルアルコール(300 mL)に加え15分間還流した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1、更に1/3)で精製することにより、油状の標記化合物(14.6g, 収率98%, a,b-混合物)を得た。標記化合物を更に精製することなく次の反応に使用した。
(3) アリル 3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−α,β−D−グルコピラノシド
(2)で得られた化合物(1.20 g, 3.33 mmol)をDMF(2.5 mL)に溶かし、この溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(2.5 mL)及びp-TsOH(50 mg)を加え、室温で6時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより、油状の標記化合物であるα体(902 mg, 収率68%)及びβ体(293 mg, 収率22%)を得た。
α体:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.53-1.60 (2H, m), 2.27 (1H, d, J=7.3 Hz, OH), 3.46-3.86 (8H, m), 4.04 (1H, m), 4.21 (1H, m), 4.92 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.22-5.35 (2H, m), 5.93 (1H, m).
β体:
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (3H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (14H, bs), 1.41 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.55-1.60 (2H, m), 2.29 (1H, d, J=2.2 Hz, OH), 3.25 (1H, m), 3.31 (1H, t, J=8.8 Hz), 3.45 (1H, m), 3.59-3.67 (2H, m), 3.75-3.82 (2H, m), 3.91 (1H, dd, J=5.1, 11.0 Hz), 4.14 (1H, dd, J=6.2, 12.8 Hz), 4.35 (1H, dd, J=5.1, 12.5 Hz), 4.40 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.92 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.20-5.35 (2H, m), 5.93 (1H, m)。
(4) アリル 2−O−[(R)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)テトラデシル]−3−O−デシル−4,6−O−イソプロピリデン−α−D−グルコピラノシド
(3)で得られたα体(4.58 g, 11.45 mmol)及び(R)−3−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−1−(メチルスルフォニルオキシ)テトラデカン(4.84 g, 11.45 mmol)をDMF(3 mL)に溶かし、この溶液に水素化ナトリウム(55%分散油, 1.50 g, 34.38 mmol)を加えた。反応液を室温で一夜、更に50℃で2時間攪拌した後、氷冷下反応液にメタノールを加え水素化ナトリウムを分解した後、酢酸エチルで希釈した。この溶液を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより油状の標記化合物(5.60 g, 収率67%)を得た。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.04 (6H, s), 0.878 (9H, s), 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (32H, bs), 1.39-1.59 (10H, m, containing 3H, s at d 1.41 ppm and 3H, s at d 1.48 ppm), 1.67-1.77 (2H, m), 3.29 (1H, dd, J=3.7, 8.8 Hz), 3.45-3.85 (10H, m), 4.04 (1H, dd, J=6.6, 12.5 Hz), 4.18 (1H, dd, J=5.1, 12.5 Hz), 4.92 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.20-5.34 (2H, m), 5.92 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z, 727 [M+H]+
(5) アリル 2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−3−O−デシル−α−D−グルコピラノシド
(4)で得られた化合物(500 mg, 0.688 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かし、この溶液にパラトルエンスルホン酸(24 mg)を加え、40分間室温で攪拌し、減圧濃縮した後酢酸エチルで希釈した。この溶液を重曹水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより標記化合物(217 mg, 収率58%)を得た。
IR νmax(KBr) 3358 (broad), 3270 (broad), 2921, 2850, 1466 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (32H, bs), 1.40-1.73 (6H, m), 1.93 (1H, t, J=6.5 Hz, OH), 2.44 (1H, d, J=2.2 Hz, OH), 2;93 (1H, bs, OH), 3.30 (1H, dd, J=3.7, 9.5 Hz), 3.50-3.92 (10H, m), 4.05 (1H, m), 4.20 (1H, m), 5.01 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.22-5.34 (2H, m), 5.95 (1H, m).
FABMS (positive-ion) m/z, 573 [M+H]+, 595 [M+Na]+.
HRFABMS, Calcd. for C33H64O7Na: 595.4550. Found: 595.4541。
(6) (E)−1−プロペニル 2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−3−O−デシル−α−D−グルコピラノシド
(5)で得られた化合物(210 mg, 0.367 mmol)をテトラヒドロフラン(THF, 4 mL)に溶かし、この溶液に水素で活性化したIr[C8H12(MePh2P)2]PF6(5 mg)を加え、室温で一夜攪拌した後、減圧濃縮することにより標記化合物(210 mg, 定量的)を得た。得られた標記化合物は精製せず、次の反応に使用した。
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 1.26 (32H, bs), 1.41-1.73 (9H, m), 1.87 (1H, br, OH), 2.47 (1H, br, OH), 2.74 (1H, bs, OH), 3.32 (1H, m), 3.54-3.92 (10H, m), 5.17 (1H, d, J=3.7 Hz), 5.20 (1H, m), 6.19 (1H, J=1.5, 2.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z, 573 [M+H]+, 595 [M+Na]+
(7) (E)−1−プロペニル 6−O−t−ブチルジメチルシリル−3−O−デシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α−D−グルコピラノシド
(6)で得られた化合物(200 mg, 0.349 mmol)を塩化メチレン(4 mL)に溶かし、この溶液にt−ブチルジメチルシリルクロライド(58 mg, 0.384 mmol)及びDMAP(47 mg, 0.384 mmol)を加え、室温で一夜攪拌した後、そのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより油状の標記化合物(217 mg, 収率90%)を得た。
IR νmax(film) 3456 (broad), 2926, 2855, 1465 cm-1.
400 MHz 1H NMR (CDCl3) δ 0.08 (6H, s), 0.88 (6H, t, J=6.6 Hz), 0.90 (9H, s), 1.26 (32H, bs), 1.40-1.75 (9H, m, containing 3H, d, J=7.3 Hz at 1.55 ppm), 2.75 (1H, bs, OH), 2.84 (1H, bs, OH), 3.30 (1H, m), 3.53-3.87 (10H, m), 5.14 (1H, d, J=2.9 Hz), 5.20 (1H, m6.20 (1H, d, J=12.5 Hz).
FABMS (positive-ion) m/z, 687 [M+H]+, 709 [M+Na]+.
HRFABMS Calcd. for C39H78O7SiNa: 709.5414. Found: 709.5393。
(8) (E)−1−プロペニル 4−O−アリルオキシカルボニル−2−O−[(R)−3−(アリルオキシカルボニルオキシ)テトラデシル]−6−O−(t−ブチルジメチルシリル)−3−O−デシル−α−D−グルコピラノシド
(7)で得られた化合物(203 mg, 0.293 mmol)をトルエン(6 mL)に溶かし、この溶液にピリジン(0.50 g, 6.32 mmol)を加え、更に氷冷下トリホスゲン(200 mg, 0.674 mmol)を加え、10分間激しく撹拌した。この反応液にアリルアルコール(0.60 g, 10.331 mmol)を加え、氷冷下1時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、重曹水及び飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル=14/1)で精製することにより標記化合物と不明物の混合物(325 mg)を得た。得られた標記化合物は、更に精製することなく次の反応に使用した。
[試験例1]
ヒト全血TNFα産生に対する抑制試験(in vitro)
本試験は、Hartmanらの方法(D.A.Hartman, S.J.Ochalski and R.P.Carlson; The effects of antiinflammatory and antiallergic drugs on cytokine release after stimulation of human whole blood by lipopolysaccharide and zymosan A: Inflamm. Res., 44, 269 (1995))に準じて行なった。
健常人のボランティアよりへパリン存在下末梢血を採取した。全血360 μLを、被検化合物のジメチルスルホキシド溶液20 μLを予め添加した96−wellブロックに加え、更に刺激剤としてリポ多糖(LPS)(E.coli O26:B6由来、SIGMA社)(終濃度10 ng/mL)20 μLを添加後よく混和し、37℃、5%CO2の条件下で6時間培養を行なった。培養終了後、4℃に冷却して反応を止め、直ちに2000 rpmの条件で15分間遠心し、上清の血漿を分離回収した。血漿中に産生、放出されたTNFαは酵素免疫測定(ELISA)キット(Biosource社)で測定した。被検化合物存在下及び非存在下のサイトカイン産生量より抑制率を求めた。これら平均抑制率に基づいて、最小二乗法によりIC50値を求めた。その結果を表1に示す。なお、比較として、米国特許5935938号公報に記載の化合物を比較化合物として用い、試験化合物と同様にIC50値を求めた。比較化合物の構造式を示す。
Figure 2005220130
[表1]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 IC50(nM)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物1 0.49
化合物2 0.51
化合物3 0.65
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 0.97
―――――――――――――――――――――――――――――
[試験例2]
ヒト全血TNFα産生に対する抑制試験(in vitro)
本試験は、試験例1と同様に行った。得られた結果を表2〜3に示す。なお、比較化合物についても試験例1と同様の比較化合物を用いた。
[表2]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 IC50(nM)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物8 0.06
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 2.94
―――――――――――――――――――――――――――――
[表3]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 IC50(nM)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物9 0.83
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 8.24
―――――――――――――――――――――――――――――
[試験例3]
マウスTNFα産生に対する抑制活性試験(in vivo)
本試験は、Y.Endoらの方法(British Journal of Pharmacology 128, 5-12 (1999))に準じて行った。
リポポリサッカライド(LPS)に対して感受性が強いことが知られているC3H/HeNマウス(雄、7週齢)を1群5匹で使用した。ガラクトサミン(GalN, 1 g/5mL)及びLPS(0.05 mg/5mL)は生理食塩水でそれぞれ溶解した後、等量で混和してGalN・LPS溶液を調製した。調製したGalN・LPS溶液は10 mL/kgの割合で尾静脈内注射した。試験化合物は0.1%トリエチルアミン水溶液に溶解し、GalN・LPS溶液注射とほぼ同時に10 mL/kgの割合で尾静脈内注射した。GalN・LPS溶液注射1時間後にエーテル麻酔下、マウス下行大静脈より血液を採取し、血漿を分離した。血漿中のTNFα産生量は市販のTNFαELISAキットを用いて測定した。試験化合物のTNFα産生抑制活性は、GalN・LPS注射により産生されたTNFαに対する抑制率として算出した。各個体での抑制率と投与量からの回帰直線を求め、この回帰直線からID50値(50%の抑制率を示す投与量)を算出した。試験結果を表4〜6に示す。
[表4]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 ID50(mg/kg)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物1 0.45
化合物2 <0.2
化合物3 0.96
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 2.12
―――――――――――――――――――――――――――――
[表5]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 ID50(mg/kg)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物8 0.55
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 3.28
―――――――――――――――――――――――――――――
[表6]
―――――――――――――――――――――――――――――
試験化合物 ID50(mg/kg)
―――――――――――――――――――――――――――――
化合物9 <0.2
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
比較化合物 1.82
―――――――――――――――――――――――――――――
[試験例4]
マウス致死に対する救命試験(in vivo)
本試験は、H.Takadaらの方法(The Journal of Infectious Diseases 162, 428-434 (1990))に準じて行なった。
GalN・LPS溶液注射72時間後のマウスの生死を観察し、生存率を算出した。使用したマウスの系統、週齢、性別、GalN・LPSおよび化合物投与液の調製法、投与経路とタイミング等は試験例3に準じて行なった。なお、本試験は1群8匹のマウスを使用した。試験結果を表7〜9に示す。
[表7]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
72時間後のマウスの生存率(%)
――――――――――――――――――――――――――――――
投与量(mg/kg) 試験化合物: 化合物2 化合物3 比較化合物
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
0.3 38 50 25
1 75 100 63
3 100 100 100
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[表8]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
72時間後のマウスの生存率(%)
――――――――――――――――――――――――――――――
投与量(mg/kg) 試験化合物: 化合物8 比較化合物
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
0.3 50 50
1 75 75
3 100 50
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
[表9]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
72時間後のマウスの生存率(%)
――――――――――――――――――――――――――――――
投与量(mg/kg) 試験化合物: 化合物9 比較化合物
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
0.3 13 13
1 38 0
3 100 25
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Claims (25)

  1. 下記一般式
    Figure 2005220130

    [式中、Qは、酸素原子、C1−C3アルキレン基、基-O-Alk-又は基-O-Alk-O-(但し、AlkはC1−C3アルキレン基を示す。)であり、
    Wは、酸素原子又は基-NH-を示し、
    1(Wが基-NH-である場合)は、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルカノイル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルケノイル基又は下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルキノイル基を示し、
    1(Wが酸素原子である場合)、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルキル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC2−C20アルケニル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC2−C20アルキニル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC1−C20アルカノイル基、下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルケノイル基又は下記置換基群Aから選択された一種以上の基で置換されていてもよいC3−C20アルキノイル基を示し、
    5は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基を有していてもよいC1−C6アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C6アルケニルオキシ基又はオキソ基を有していてもよいC2−C6アルキニルオキシ基を示し、
    置換基群Aは、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、オキソ基を有していてもよいC1−C20アルコキシ基、(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ基、{(C1−C20アルコキシ)C1−C20アルコキシ}C1−C20アルコキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C20アルケニルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC2−C20アルキニルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC1−C20アルカノイルオキシ基、オキソ基を有していてもよいC3−C20アルケノイルオキシ基及びオキソ基を有していてもよいC3−C20アルキノイルオキシ基からなる群である。]で表される化合物、その薬理上許容しうる塩。
  2. Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C8−C18アルカノイル基又はC8−C18アルケノイル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  3. Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C10−C18アルカノイル基又はC10−C18アルケノイル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  4. Wが基−NH−であり、かつ、R1が置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノイル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  5. Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C4−C18アルキル基、C4−C18アルケニル基、C4−C18アルカノイル基又はC4−C18アルケノル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  6. Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C8−C18アルキル基、C8−C18アルケニル基、C8−C18アルカノイル基又はC8−C18アルケノル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  7. Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C10−C18アルキル基、C10−C18アルケニル基、C10−C18アルカノイル基又はC10−C18アルケノル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  8. Wが酸素原子であり、かつ、R1、R2、R3及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルキル基、C12−C16アルケニル基、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  9. Wが酸素原子であり、R1及びR3が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルカノイル基又はC12−C16アルケノル基であり、かつ、R2及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、C12−C16アルキル基又はC12−C16アルケニル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  10. Wが酸素原子であり、R1及びR3が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ドデセノイル基、テトラデセノイル基又はオクタデセノイル基であり、かつ、R2及びR4が、同一又は異なって、置換基群Aから選択された置換基を有してもよい、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ドデセニル基、テトラデセニル基又はオクタデセニル基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  11. 置換基群Aから選択された置換基が、フッ素原子、水酸基、C1−C20アルコキシ基、C12−C14アルケニルオキシ基、C12−C14アルカノイルオキシ基又はC12−C14アルケノイルオキシ基である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  12. 置換基群Aから選択された置換基が、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、ドデカノイルオキシ基、テトラデカノイルオキシ基、ドデセノイルオキシ基、テトラデセノイルオキシ基又はオクタデセノイル基である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  13. 5が、ハロゲン原子、水酸基又は無置換のC1−C6アルコキシ基である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  14. 5が、フッ素原子、水酸基又はメトキシ基である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  15. Qが、酸素原子である請求項1乃至14のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  16. Qが、ホスホノエチル基である請求項1乃至14のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  17. 右側グルコース又はグルコサミンの1位がα位である請求項1乃至16のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理上許容しうる塩。
  18. 請求項1に記載の、
    ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    ホスホノ 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    2−(ホスホノオキシ)エチル 3−O−デシル−2−デオキシ−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−(3−オキソテトラデカノイルアミノ)−α−D−グルコピラノシド、
    2−(ホスホノオキシ)エチル 6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2,3−ジ−O−ドデシル−α−D−グルコピラノシド、
    ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド、
    ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド、
    2−(ホスホノオキシ)エチル 2,3−ジ−O−ドデシル−6−O−{6−O−メチル−3−O−[(R)−3−メキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−α−D−グルコピラノシド若しくは
    ホスホノ 6−O−{4−O−ホスホノ−3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセニル]−β−D−グルコピラノシル}−3−O−ドデシル−2−O−[(R)−3−ヒドロキシテトラデシル]−α,β−D−グルコピラノシド、又はその薬理上許容しうる塩。
  19. 請求項1に記載の、
    ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−6−O−メチル−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド若しくは
    ホスホノ 3−O−デシル−6−O−{3−O−[(R)−3−メトキシデシル]−2−O−[(Z)−11−オクタデセノイル]−4−O−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル}−2−O−(3−オキソテトラデカノイル)−α−D−グルコピラノシド、又はその薬理上許容しうる塩。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する医薬。
  21. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、炎症の予防剤又は治療剤。
  22. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、自己免疫疾患の予防剤又は治療剤。
  23. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、敗血症の予防剤又は治療剤。
  24. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、免疫抑制剤。
  25. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の化合物を有効成分として含有する、冠動脈バイパス形成術後の予後改善剤。
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