JPH10324694A - リピッドa1位カルボン酸誘導体 - Google Patents

リピッドa1位カルボン酸誘導体

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JPH10324694A
JPH10324694A JP7558198A JP7558198A JPH10324694A JP H10324694 A JPH10324694 A JP H10324694A JP 7558198 A JP7558198 A JP 7558198A JP 7558198 A JP7558198 A JP 7558198A JP H10324694 A JPH10324694 A JP H10324694A
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JP
Japan
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myr
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deoxy
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Application number
JP7558198A
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English (en)
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Takashi Mochizuki
隆 望月
Masao Shiosaki
正生 汐崎
Shinichi Kurakata
慎一 蔵方
Masahiro Nishijima
正弘 西島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内毒素以外の有用な活性を有する新規なリピッ
ドA誘導体を見いだすことである。 【解決手段】マクロファージ活性化作用を有し、免疫賦
活剤又は抗腫瘍剤として有用な、または、マクロファー
ジ活性抑制作用を有し、抗炎症剤、抗自己免疫疾患剤又
は抗敗血症剤として有用な、下記式(I)で表される新
規なリピッドA1位カルボン酸誘導体を提供することが
できた。 【化1】 [式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、ホルミル基;又
は置換可C2 −C20アルカノイル基を示し、R5 は、水
素原子又はメチル基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、マクロファ−ジ
活性化作用に基づいた免疫賦活作用又は抗腫瘍作用、も
しくは、マクロファ−ジ活性抑制作用に基づいた抗炎症
作用、抗自己免疫疾患作用又は抗敗血症作用を有する、
新規なリピッドA誘導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】腸内細菌から得られたグラム陰性菌の細
胞壁の最表層には菌体外に分泌されない毒成分(内毒
素)が含まれており、この内毒素は、内毒素活性以外に
も、生体の自己防衛にかかわる免疫アジュバント活性作
用、マクロファ−ジ活性化作用、マイトジェン活性作
用、発熱作用、腫瘍壊死作用、抗体産生増強作用、TN
F誘導作用等の多様な生物活性を示す。
【0003】かかる内毒素はリポ多糖よりなり、いわゆ
るリピッドAと称される部分が内毒素活性の活性中心で
あることが確認されている(井本等、テトラヘドロン・
レタ−ズ,26巻,1545(1985年))。
【0004】一方、リピッドA生合成前駆体として、モ
ノサッカライドであるリピッドX、及びリピッドYが、
E.coli変異株より分離され、これらもリピッドAと同様
の活性を示すことが明らかとなっている。
【0005】これらの結果から、上記の多様な活性のう
ち、有用な活性を有するリピッドA、X又はYの誘導体
合成の試みが頻繁に行われるようになり、例えば、マク
ロファージ活性化作用に基づく免疫賦活作用又は抗腫瘍
作用を有する誘導体の合成は、井本等[テトラヘドロン
・レタ−ズ,26巻,1545頁(1985年)]又は長谷川、木
曽等、カ−ボハイドレイト・リサ−チ,162 巻,127 頁
(1987年)]によって行われている。また、例えば、マ
クロファージ活性抑制作用に基づく抗炎症作用、抗自己
免疫疾患作用又は抗敗血症作用を有する誘導体の合成
は、W.J.クリスト等[サイエンス,268 巻,80頁
(1995年)]又はJ.Am.Chem.Soc.,116
巻,3637頁(1994年)]によって行われているが、未だ
に満足すべき誘導体は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等の課題は上
記した内毒素以外の有用な活性を有する新規リピッドA
誘導体を見出すことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決する為に鋭意努力した結果、リピッドA1位カル
ボン酸誘導体のある系統の化合物にマクロファ−ジ活性
化作用を、また、他の系統の化合物にマクロファ−ジ活
性抑制作用を見出し本願発明を完成した。
【0008】即ち、本願発明の新規なリピッドA1位カ
ルボン酸誘導体は、一般式
【0009】
【化3】
【0010】[ 式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、ホ
ルミル基;同一又は異なって下記(置換基群A)から選
択された一種以上の基で置換されていてもよいC2 −C
20アルカノイル基を示し、R5 は、水素原子又はメチル
基を示し、(置換基群A)は、ハロゲン原子:オキソ
基:水酸基:及びC2 −C20アルカノイルオキシ基を示
す] で表わされるマクロファージ活性化作用を有する化
合物又はその塩に関し、及び、[式中、R1 、R2 及び
4 は、同一又は異なって下記(置換基群A)から選択
された一種以上の基で置換されていてもよいC2 −C20
アルカノイル基を示し、R3 は、ホルミル基;又はC2
−C20アルカノイル基を示し、R5 は、水素原子又はメ
チル基を示し、(置換基群A)は、ハロゲン原子、オキ
ソ基、水酸基、C2 −C20アルカノイルオキシ基を示
す。]で表わされるマクロファージ活性抑制作用を有す
る化合物又はその塩に関する。
【0011】上記一般式において、R1 、R2 、R3
びR4 の定義における「C2 −C20アルカノイル基」及
び置換基群Aの定義における「C2 −C20アルカノイル
オキシ基」における「C2 −C20アルカノイル基」は、
例えば、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、
ブチリル、イソブチリル、sec −ブチリル、tert−ブチ
リル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノ
イル、イソヘキサノイル、ヘプタノイル、イソヘプタノ
イル、オクタノイル、イソオクタノイル、ノナノイル、
イソノナノイル、デカノイル、イソデカノイル、ウンデ
シリル、イソウンデシリル、ラウロイル、イソラウロイ
ル、トリデカノイル、イソトリデカノイル、ミリストイ
ル、ペンタデカノイル、パルミトイル、ヘプタデカノイ
ル、ステアロイル、イソステアロイル、ノナデカノイ
ル、エイコサノイルのような直鎖又は分枝鎖のC2 −C
20アルカノイル基を挙げることができる。
【0012】(置換基群A)の定義における「ハロゲン
原子」は、フッ素、塩素、臭素又は沃素を示し、好適に
は、フッ素原子又は、塩素原子であり、更に好適には、
フッ素原子である。
【0013】マクロファージ活性化作用における(置換
基群A)の好適なアルカノイルオキシ基は、C4 −C18
アルカノイルオキシ基であり、より好適には、C8 −C
16アルカノイルオキシ基であり、更に好適には、C12
14アルカノイルオキシ基であり、特に好適には、ラウ
ロイルオキシ基又はミリストイルオキシ基であり、最適
には、ミリストイルオキシ基である。
【0014】(置換基群A)の置換位置は特に限定され
ないが、好適には、3位である。
【0015】R5 は、水素原子又はメチル基を示すが、
好適には、メチル基である。
【0016】マクロファージ活性化作用における好適な
1 及びR2 は、同一又は異なって、置換基を有しても
よいC4 −C18アルカノイル基であり、より好適には、
置換基を有してもよいC8 −C16アルカノイル基であ
り、更に好適には、無置換又は水酸基を置換基として有
するC12−C14アルカノイル基であり、特に好適には、
無置換又は水酸基を置換基として有するラウロイル基又
はミリストイル基であり、最適には、ヒドロキシミリス
トイル基である。
【0017】マクロファージ活性化作用における好適な
3 及びR4 は、同一又は異なって、置換基を有しても
よいC4 −C18アルカノイル基であり、より好適には、
置換基を有してもよいC8 −C16アルカノイル基であ
り、更に好適には、フッ素原子、水酸基又はC12−C14
アルカノイルオキシ基を置換基として有するC12−C14
アルカノイル基であり、特に好適には、ラウロイルオキ
シ基又はミリストイルオキシ基を置換基として有するラ
ウロイル基又はミリストイル基であり、最適には、ミリ
ストイルオキシミリストイル基である。
【0018】マクロファージ活性抑制作用における好適
なR1 及びR2 は、同一又は異なって、置換基を有して
もよいC4 −C18アルカノイル基であり、より好適に
は、置換基を有してもよいC8 −C16アルカノイル基で
あり、更に好適には、無置換又は水酸基を置換基として
有するC12−C14アルカノイル基であり、特に好適に
は、無置換又は水酸基を置換基として有するラウロイル
基又はミリストイル基であり、最適には、ヒドロキシミ
リストイル基である。
【0019】マクロファージ活性抑制作用における好適
なR3 は、好適には、ホルミル基;C2 −C16アルカノ
イル基であり、やや好適には、ホルミル基;C2 −C12
アルカノイル基であり、よりやや好適には、ホルミル
基;C2 −C8 アルカノイル基であり、より好適には、
ホルミル基;更に好適には、C2 −C6 アルカノイル基
であり、より更に好適には、ホルミル基;C2 −C4
ルカノイル基であり、特に好適には、アセチル基又はプ
ロピオニル基であり、最適には、アセチル基である。
【0020】マクロファージ活性抑制作用における好適
なR4 は、置換基を有してもよいC 2 −C18アルカノイ
ル基であり、より好適には、置換基を有してもよいC2
−C16アルカノイル基であり、更に好適には、フッ素原
子、水酸基又はC12−C14アルカノイルオキシ基を置換
基として有するC12−C14アルカノイル基であり、特に
好適には、水酸基、ラウロイルオキシ基又はミリストイ
ルオキシ基を置換基として有するラウロイル基又はミリ
ストイル基であり、最適には、ミリストイルオキシミリ
ストイル基である。
【0021】本願発明の化合物(I)は、塩にすること
ができるが、そのような塩としては、好適にはナトリウ
ム塩、カリウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の塩;トリエチルアミン塩、ト
リメチルアミン塩のような有機塩基の塩を挙げることが
できる。
【0022】本願発明の化合物(I)は、分子中に不斉
炭素を有し、各々がS配位、R配位である立体異性体が
存在するが、その各々、或いはそれらの混合物のいずれ
も本願発明に包含される。
【0023】二種類の活性について好適な態様の化合物
を以下に挙げる。 A)上記一般式(I)において、マクロファージ活性化
作用における好適な態様は、 1.R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異なって下
記(置換基群A1 )から選択された一種以上の基で置換
されていてもよいC4 −C18アルカノイル基を示す化合
物であり、(置換基群A1 )は、塩素原子、フッ素原
子、水酸基、C4−C18アルカノイルオキシ基を示す。
【0024】2.R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又
は異なって下記(置換基群A2 )から選択された一種以
上の基で置換されていてもよいC8 −C16アルカノイル
基を示す化合物であり、(置換基群A2 )は、フッ素原
子、水酸基、C8 −C16アルカノイルオキシ基を示す。
【0025】3.R1 、R2 、R3 及びR4 は、置換基
の位置が3位であるC12−C14アルカノイル基を示す化
合物。 4.R1 及びR2 は、同一又は異なって水酸基で置換さ
れていてもよいC12−C14アルカノイル基を示す化合
物。
【0026】5.R1 及びR2 は、同一又は異なってミ
リストイル基、3−ヒドロキシラウロイル基又は3−ヒ
ドロキシミリストイル基を示す化合物。
【0027】6.R1 及びR2 は、3−ヒドロキシミリ
ストイル基を示す化合物。
【0028】7.R3 及びR4 は、同一又は異なって下
記(置換基群A3 )から選択された一種以上の基で置換
されていてもよいC12−C14アルカノイル基を示す化合
物であり、(置換基群A3 )は、水酸基、C12−C14
ルカノイルオキシ基を示す。 8.R3 及びR4 は、同一又は異なって3−ラウロイル
オキシラウロイル基、3−ラウロイルオキシミリストイ
ル基、3−ミリストイルオキシラウロイル基又は3−ミ
リストイルオキシミリストイル基を示す化合物。
【0029】9.R3 は、3−ラウロイルオキシミリス
トイル基を示す化合物。
【0030】10.R4 は、3−ミリストイルオキシミ
リストイル基を示す化合物。
【0031】11.R5 は、水素原子又はメチル基を示
す化合物。
【0032】12.R5 は、メチル基を示す化合物。
【0033】13.R5 は、水素原子を示す化合物。
【0034】14.R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一
又は異なって下記(置換基群A1 )から選択された一種
以上の基で置換されていてもよいC4 −C18アルカノイ
ル基を示し、R5 は、水素原子又はメチル基を示す化合
物であり、(置換基群A1 )は、塩素原子、フッ素原
子、水酸基、C4 −C18アルカノイルオキシ基を示す。
【0035】15.R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一
又は異なって3位が下記(置換基群A3 )から選択され
た一種以上の基で置換されているC12−C14アルカノイ
ル基を示し、R5 は、水素原子又はメチル基を示す化合
物であり、(置換基群A3 )は、水酸基、C12−C14
ルカノイルオキシ基を示す。
【0036】16.R1 及びR2 は、同一又は異なって
ラウロイル基、ミリストイル基、3−ヒドロキシラウロ
イル基又は3−ヒドロキシミリストイル基を示し、R3
及びR4 は、3−ラウロイルオキシラウロイル基、3−
ラウロイルオキシミリストイル基、3−ミリストイルオ
キシラウロイル基又は3−ミリストイルオキシミリスト
イル基を示し、R5 は、水素原子又はメチル基を示す化
合物。
【0037】B)上記一般式(I)において、マクロフ
ァージ活性抑制作用における好適な態様は、 1.R1 、R2 及びR4 は、同一又は異なって下記(置
換基群A1 )から選択された一種以上の基で置換されて
いてもよいC4 −C18アルカノイル基を示す化合物であ
り、(置換基群A1 )は、塩素原子、フッ素原子、水酸
基、C4 −C18アルカノイルオキシ基を示す。
【0038】2.R1 、R2 及びR4 は、同一又は異な
って下記(置換基群A2 )から選択された一種以上の基
で置換されていてもよいC8 −C16アルカノイル基を示
す化合物であり、(置換基群A2 )は、フッ素原子、水
酸基、C8 −C16アルカノイルオキシ基を示す。
【0039】3.R1 、R2 及びR4 は、置換基の位置
が3位であるC12−C14アルカノイル基を示す化合物。
【0040】4.R1 及びR2 は、同一又は異なって水
酸基で置換されていてもよいC12−C14アルカノイル基
を示す化合物。
【0041】5.R1 及びR2 は、同一又は異なってミ
リストイル基、3−ヒドロキシラウロイル基又は3−ヒ
ドロキシミリストイル基を示す化合物。
【0042】6.R4 は、下記(置換基群A3 )から選
択された一種以上の基で置換されているC12−C14アル
カノイル基を示す化合物であり、(置換基群A3 )は、
水酸基;C12−C14アルカノイルオキシ基を示す。
【0043】7.R4 は、3−ラウロイルオキシラウロ
イル基、3−ラウロイルオキシミリストイル基、ミリス
トイルオキシラウロイル基又はミリストイルオキシミリ
ストイル基を示す化合物。
【0044】8.R4 は、3−ミリストイルオキシミリ
ストイル基を示す化合物。
【0045】9.R3 は、ホルミル基又はC2 −C16
ルカノイル基を示す化合物。
【0046】10.R3 は、ホルミル基又はC2 −C12
アルカノイル基を示す化合物。
【0047】11.R3 は、ホルミル基又はC2 −C8
アルカノイル基を示す化合物。
【0048】12.R3 は、ホルミル基又はC2 −C6
アルカノイル基を示す化合物。
【0049】13.R3 は、ホルミル基又はC2 −C4
アルカノイル基を示す化合物。
【0050】14.R3 は、アセチル基又はプロピオニ
ル基を示す化合物。
【0051】15.R3 は、アセチル基を示す化合物。
【0052】16.R5 は、水素原子又はメチル基を示
す化合物。
【0053】17.R5 は、メチル基を示す化合物。 18.R5 は、水素原子を示す化合物。
【0054】19.R1 、R2 及びR4 は、同一又は異
なって下記(置換基群A1 )から選択された一種以上の
基で置換されていてもよいC4 −C18アルカノイル基を
示し、R3 は、ホルミル基、C2 −C16アルカノイル基
を示し、R5 は、水素原子又はメチル基を示し、(置換
基群A1 )は、塩素原子、フッ素原子、水酸基又はC4
−C18アルカノイルオキシ基を示す化合物である。
【0055】20.R1 及びR2 は、同一又は異なって
3位が水酸基で置換されていてもよいC12−C14アルカ
ノイル基を示し、R3 は、ホルミル基又はC2 −C4
ルカノイル基を示し、R4 は、3位が下記(置換基群A
3 )から選択された一種以上の基で置換されているC12
−C14アルカノイル基を示し、R5 は、水素原子又はメ
チル基を示し、(置換基群A3 )は、水酸基又はC12
14アルカノイルオキシ基す化合物。
【0056】21.R1 及びR2 は、同一又は異なって
ラウロイル基、ミリストイル基、3−ヒドロキシラウロ
イル基又は3−ヒドロキシミリストイル基を示し、R3
は、ホルミル基、ホルミル基、アセチル基又はプロピオ
ニル基を示し、R4 は、3−ラウロイルオキシラウロイ
ル基、3−ラウロイルオキシミリストイル基、ミリスト
イルオキシラウロイル基又はミリストイルオキシミリス
トイル基を示し、R5 は、水素原子又はメチル基を示す
化合物。
【0057】本願発明の代表的化合物としては、例え
ば、下に記載する化合物を挙げることができるが、本願
発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0058】
【化4】
【0059】下記表において、略号は以下の基または符
号を示す。
【0060】 Ac・・・・・アセチル Byr ・・・・・ブチリル Dco ・・・・デカノイル Eicn・・・・・エイコサノイル Fo ・・・・ホルミル Hxn ・・・・・ヘキサノイル Lau ・・・・ラウロイル Me・・・・・・メチル Myr ・・・・ミリストイル Octo・・・・・オクタノイル =O ・・・・オキソ Pal ・・・・・パルミトイル Piv ・・・・ピバロイル Prn ・・・・・プロピオニル Ste ・・・・ステアロイル Va ・・・・・バレリル O +上記アルカノイル基略号=相当するアルカノイルオ
キシ基を示す。
【0061】 例 ; OAc: アセトキシ ; OLau: ラウロイルオキシ
【0062】
【表1】 ─────────────────────────────────── 化合物 No R12345 ─────────────────────────────────── 1 3-OH-Lau 3-OH-Lau Fo 3-OMyr-Myr Me 2 3-OH-Lau 3-OH-Lau Ac 3-OMyr-Myr Me 3 3-OH-Lau 3-OH-Lau Prn 3-OMyr-Myr Me 4 3-OH-Lau 3-OH-Lau Byr 3-OMyr-Myr Me 5 3-OH-Lau 3-OH-Lau Hxn 3-OMyr-Myr Me 6 3-OH-Lau 3-OH-Lau Octo 3-OMyr-Myr Me 7 Myr Myr Fo 3-OMyr-Myr Me 8 Myr Myr Ac 3-OMyr-Myr Me 9 Myr Myr Prn 3-OMyr-Myr Me 10 Myr Myr Byr 3-OMyr-Myr Me 11 Myr Myr Hxn 3-OMyr-Myr Me 12 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OMyr-Myr Me 13 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OMyr-Myr Me 14 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OMyr-Myr Me 15 3-OH-Myr 3-OH-Myr Byr 3-OMyr-Myr Me 16 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OMyr-Myr Me 17 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OMyr-Myr Me 18 3-OH-Myr 3-OH-Myr Octo 3-OMyr-Myr Me 19 3-OH-Myr 3-OH-Myr Dco 3-OMyr-Myr Me 20 3-OH-Myr 3-OH-Myr Lau 3-OMyr-Myr Me 21 3-OH-Myr 3-OH-Myr Myr 3-OMyr-Myr Me 22 3-OH-Myr 3-OH-Myr Pal 3-OMyr-Myr Me 23 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ste 3-OMyr-Myr Me 24 3-OH-Myr 3-OH-Myr Eicn 3-OMyr-Myr Me 25 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OAc-Byr 3-OByr-Byr Me 26 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OByr-Hxn 3-OHxn-Hxn Me 27 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OHxn-Octo 3-OOcto-Octo Me 28 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OOcto-Dco 3-ODco-Dco Me 29 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-ODco-Lau 3-OLau-Lau Me 30 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Myr Me 31 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OMyr-Myr Me 32 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OH-Myr Me 33 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr Me 34 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-=O-Myr 3-OH-Myr Me 35 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-=O-Myr Me 36 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-F-3-OLau-Myr 3-F-3-OMyr-Myr Me 37 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-F-3-OH-Dco 3-OMyr-Myr Me 38 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-Cl-3-OLau-Myr 3-Cl-3-OMyr-Myr Me 39 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Lau Me 40 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Lau Me 41 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Lau 3-OMyr-Myr Me 42 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OMyr-Pal 3-OPal-Pal Me 43 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OPal-Ste 3-OSte-Ste Me 44 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OSte-Eicn 3-OEicn-Eicn Me 45 3-OH-Lau 3-OH-Lau Fo 3-OMyr-Myr H 46 3-OH-Lau 3-OH-Lau Ac 3-OMyr-Myr H 47 3-OH-Lau 3-OH-Lau Prn 3-OMyr-Myr H 48 3-OH-Lau 3-OH-Lau Byr 3-OMyr-Myr H 49 3-OH-Lau 3-OH-Lau Hxn 3-OMyr-Myr H 50 3-OH-Lau 3-OH-Lau Octo 3-OMyr-Myr H 51 Myr Myr Fo 3-OMyr-Myr H 52 Myr Myr Ac 3-OMyr-Myr H 53 Myr Myr Prn 3-OMyr-Myr H 54 Myr Myr Byr 3-OMyr-Myr H 55 Myr Myr Hxn 3-OMyr-Myr H 56 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OMyr-Myr H 57 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OMyr-Myr H 58 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OMyr-Myr H 59 3-OH-Myr 3-OH-Myr Byr 3-OMyr-Myr H 60 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OMyr-Myr H 61 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OMyr-Myr H 62 3-OH-Myr 3-OH-Myr Octo 3-OMyr-Myr H 63 3-OH-Myr 3-OH-Myr Dco 3-OMyr-Myr H 64 3-OH-Myr 3-OH-Myr Lau 3-OMyr-Myr H 65 3-OH-Myr 3-OH-Myr Myr 3-OMyr-Myr H 66 3-OH-Myr 3-OH-Myr Pal 3-OMyr-Myr H 67 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ste 3-OMyr-Myr H 68 3-OH-Myr 3-OH-Myr Eicn 3-OMyr-Myr H 69 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OAc-Byr 3-OByr-Byr H 70 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OByr-Hxn 3-OHxn-Hxn H 71 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OHxn-Octo 3-OOcto-Octo H 72 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OOcto-Dco 3-ODco-Dco H 73 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-ODco-Lau 3-OLau-Lau H 74 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Myr H 75 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OMyr-Myr H 76 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OH-Myr H 77 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr H 78 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-=O-Myr 3-OH-Myr H 79 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-=O-Myr H 80 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-F-3-OLau-Myr 3-F-3-OMyr-Myr H 81 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-F-3-OH-Dco 3-OMyr-Myr H 82 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-Cl-3-OLau-Myr 3-Cl-3-OMyr-Myr H 83 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Lau H 84 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Myr 3-OMyr-Lau H 85 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OLau-Lau 3-OMyr-Myr H 86 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OMyr-Pal 3-OPal-Pal H 87 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OPal-Ste 3-OSte-Ste H 88 3-OH-Myr 3-OH-Myr 3-OSte-Eicn 3-OEicn-Eicn H 89 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OH-Lau Me 90 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OH-Lau Me 91 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OH-Lau Me 92 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OH-Lau Me 93 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OH-Lau Me 94 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OH-Lau Me 95 3-OH-Myr 3-OH-Myr Octo 3-OH-Myr Me 96 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OH-Myr Me 97 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OH-Myr Me 98 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OH-Myr Me 99 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OH-Myr Me 100 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OH-Myr Me 101 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OH-Myr Me 102 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OLau-Myr Me 103 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OLau-Myr Me 104 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OLau-Myr Me 105 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OLau-Myr Me 106 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OLau-Myr Me 107 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OLau-Myr Me 108 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OMyr-Lau Me 109 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OMyr-Lau Me 110 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OMyr-Lau Me 111 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OMyr-Lau Me 112 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OMyr-Lau Me 113 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OMyr-Lau Me 114 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OH-Lau H 115 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OH-Lau H 116 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OH-Lau H 117 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OH-Lau H 118 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OH-Lau H 119 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OH-Lau H 120 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OH-Myr H 121 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OH-Myr H 122 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OH-Myr H 123 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OH-Myr H 124 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OH-Myr H 125 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OH-Myr H 126 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OLau-Myr H 127 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OLau-Myr H 128 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OLau-Myr H 129 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OLau-Myr H 130 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OLau-Myr H 131 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OLau-Myr H 132 3-OH-Myr 3-OH-Myr Fo 3-OMyr-Lau H 133 3-OH-Myr 3-OH-Myr Ac 3-OMyr-Lau H 134 3-OH-Myr 3-OH-Myr Prn 3-OMyr-Lau H 135 3-OH-Myr 3-OH-Myr Bry 3-OMyr-Lau H 136 3-OH-Myr 3-OH-Myr Val 3-OMyr-Lau H 137 3-OH-Myr 3-OH-Myr Hxn 3-OMyr-Lau H ─────────────────────────────────── 上記化合物のうち、マクロファージ活性化作用におい
て、好適には、化合物番号29、30、31、32、3
3、36、37、38、39、40、41、42、7
3、74、75、76、77、80、81、83、8
4、85及び86の化合物を挙げることができるが更に
好適には化合物番号30、39、40、41、74、8
3、84及び85の化合物を挙げることができるが、特
に好適には、下記化合物番号の化合物を挙げることがで
きる。
【0063】化合物番号30.2、6−アンヒドロ−
[7−O−{2−デオキシ−2−O−{(R)−3−ド
デカノイルオキシテトラデカナミド}−4−O−ホスホ
ノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテ
トラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3−
デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナ
ミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカ
ノイル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸。
【0064】化合物番号74.2、6−アンヒドロ−
[7−O−{2−デオキシ−2−O−{(R)−3−ド
デカノイルオキシテトラデカナミド}−6−O−メチル
−4−O−ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデ
カノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グルコピ
ラノシル}−3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロ
キシテトラデカナミド}−4−O−{(R)−3−ヒド
ロキシテトラデカノイル]−D−グリセロ−D−イド−
ヘプトニン酸。
【0065】上記化合物のうち、マクロファージ活性抑
制作用において、好適には、化合物番号1、2、3、
7、8、9、12、13、14、45、46、47、5
1、52、53、56、57、58、89、90、9
1、96、97、98、102、103、104、10
8、109、110、114、115、116、12
0、121、122、126、127、128、13
2、133及び134の化合物を挙げることができるが
更に好適には化合物番号2、3、8、9、13、14、
46、47、52、53、57、58、103、10
4、109、110、127、128、133及び13
4の化合物を挙げることができるが、特に好適には、下
記化合物番号の化合物を挙げることができる。
【0066】化合物番号2.2、6−アンヒドロ− [7
−O−{2−アセタミド−2−デオキシ−6−O−メチ
ル−4−O−ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラ
デカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グルコ
ピラノシル}−3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒド
ロキシドデカナミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロ
キシドデカノイル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプト
ニン酸。
【0067】化合物番号8.2、6−アンヒドロ− [7
−O−{2−アセタミド−2−デオキシ−6−O−メチ
ル−4−O−ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラ
デカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グルコ
ピラノシル}−3−デオキシ−3−{(R)−テトラデ
カナミド}−4−O−{(R)−テトラデカノイル]−
D−グセロ−D−イド−ヘプトニン酸。
【0068】化合物番号13.2、6−アンヒドロ−
[7−O−{2−アセタミド−2−デオキシ−6−O−
メチル−4−O−ホスホノ−3−O−{(R)−3−テ
トラデカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グ
ルコピラノシル}−3−デオキシ−4−{(R)−3−
ヒドロキシテトラデカナミド}−4−O−{(R)−3
−ヒドロキシテトラデカノイル]−D−グセロ−D−イ
ド−ヘプトニン酸 化合物番号46.2、6−アンヒドロ− [7−O−{2
−アセタミド−2−デオキシ−4−O−ホスホノ−3−
O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカ
ノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ
−3−{(R)−3−ヒドロキシドデカナミド}−4−
O−{(R)−3−ヒドロキシドデカノイル]−D−グ
セロ−D−イド−ヘプトニン酸。
【0069】化合物番号52.2、6−アンヒドロ−
[7−O−{2−アセタミド−2−デオキシ−4−O−
ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
キシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}
−3−デオキシ−3−{(R)−テトラデカナミド}−
4−O−テトラデカノイル]−D−グセロ−D−イド−
ヘプトニン酸。
【0070】化合物番号57.2、6−アンヒドロ−
[7−O−{2−アセタミド−2−デオキシ−4−O−
ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
キシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}
−3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラ
デカナミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテト
ラデカノイル]−D−グセロ−D−イド−ヘプトニン
酸。
【0071】
【発明の実施の形態】本願発明の一般式(I)を有する
化合物は、以下の3方法で製造される。
【0072】本願発明のリピッドA類縁体は以下に記載
する方法によって、公知化合物(II)[テトラヘドロン
レターズ, 第37巻7271頁(1996年)] 及び公
知化合物(X )[ ブルテイン・ケミカル・ソサイエティ
−・ジャパン, 第60巻, 第2205頁( 1987
年)] を出発原料として製造することができる。
【0073】
【化5】
【0074】
【化6】
【0075】
【化7】
【0076】
【化8】
【0077】式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
前述したものと同意義を示す。R6およびR7 は、同一
又は異なって水素原子、C1 −C6 アルキル基又はC6
−C10アリ−ル基又はを示す。R8 は置換基を有しても
よいC6 −C10アリ−ル基又はC7 −C11アラルキル基
を示し、好適には、フェニル基又はベンジル基である。
9 はC1 −C4 アルキル基を示し、R10はC7 −C11
アラルキルオキシカルボニル基又はメチル基を示す。
【0078】本願発明の化合物(I)を製造する工程は
三工程からなる。
【0079】(1)A工程:主要中間体(IX)を製造す
る工程である。
【0080】(2)B工程:主要中間体(XXII)を製造
する工程である。a法とb法の2種類の方法を記載す
る。
【0081】(3)C工程:中間体(IX)及び中間体
(XXII)を縮合し目的化合物(I)を製造する工程であ
る。以下に説明する。
【0082】(1)A工程 (第A1工程)本工程は、1位シアノ体(III )を製造
する工程であり、不活性溶剤中、触媒存在下に、公知出
発化合物(II)をシアノ化剤で処理することによって達
成される。
【0083】使用される溶剤としては、反応を阻害せ
ず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定
はないが好適には、アセトニトリルのようなニトリル
類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジ
クロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類があげられ
るが、好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、特に好
適には、メチレンクロリドである。
【0084】使用されるシアノ化剤は、シアン化ナトリ
ウム、シアン化カリウム又はトリメチルシリルシアナイ
ド等が挙げられるが、トリメチルシリルシアナイドが好
適である。
【0085】使用される触媒としては、四塩化スズ、ト
リフルオロボロン/エーテラート、塩化アルミニウム、
塩化第二鉄、トリメチルシリルトリフレート[CF3SO3Si
(CH3)3のルイス酸があげられ、好適にはトリメチルシリ
ルトリフレートである。
【0086】反応温度は、−40℃乃至100 ℃で行われる
が好適には10℃乃至40℃である。
【0087】反応時間は、反応温度、試薬又は使用され
る溶剤等により異なるが、通常10分乃至10時間であり好
適には30分乃至5 時間である。
【0088】反応後の処理は、通常の方法によって行わ
れる。得られた化合物は必要ならば、通常例えばクロマ
トグラフィー等によって更に精製できる。
【0089】(第A2工程)本工程は第A1工程で得た
シアノ体(III )の4 及び 6位の水酸基を保護した誘導
体(IV)を製造する工程であり、シアノ体(III )を不
活性溶剤中、アルカリ条件下に3, 4, 6 位を脱保護する
脱保護工程と、酸触媒存在下、保護化剤で処理する保護
工程を行うことによって達成される。
【0090】脱保護工程で使用される溶剤としては、反
応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれ
ば特に限定はないが、メタノール、エタノールのような
アルコール類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;アセトニ
トリルのようなニトリル類;及びホルムアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホロトリアミドのようなアミド類;アセトン、メチ
ルエチルケトンのようなケトン類をあげることがでる
が、好適には、アルコール類(エタノール)である。
【0091】脱保護工程において、使用されるアルカリ
としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのよ
うなアルカリ金属炭酸水素塩類;水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムのような水酸化アルカリ金属;ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムter 一ブ
トキシドのようなアルカリ金属アルコキシドを挙げるこ
とができるが、好適には、アルカリ金属アルコキシドで
あり、特に好適には、ナトリウムメトキシドである。
【0092】脱保護工程における反応温度は、0 ℃乃至
l00 ℃で行なわれるが、好適には、10℃乃至50℃であ
る。
【0093】保護工程における反応時間は、反応温度、
原料、試薬又は使用される溶剤等により異なるが、通常
5 分乃至24時間であリ、好適には10分乃至3 時間であ
る。保護工程で使用される溶剤は、反応を阻害せず、出
発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はない
が、n 一ぺンタン、n 一ヘキサン、n −ヘプタンのよう
な脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル
類;ニトロベンゼン、ニトロメタンのようなニトロ化合
物類;アセトニトリルのようなニトリル類;及びホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド
類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類を
あげることができ、好適には、アミド類(ジメチルホル
ムアミド)またはケトン類(アセトン)である。
【0094】保護工程において使用される保護化試薬
は、ジメトキシプロパン又はベンズアルデヒドジメチル
アセタールのようなアセタール類;アセトンのようなケ
トン類が挙げられるが、好適には、アセタール類であ
り、特に好適には、ベンズアルデヒドジメチルアセター
ルである。
【0095】保護工程において使用される酸触媒として
は、カンファースルホン酸、p ートルエンスルホン酸、
ピリジニウムp ートルエンスルホン酸のようなスルホン
酸類が挙げられ、好適には、p 一トルエンスルホン酸で
ある。
【0096】保護工程における反応温度は、0 ℃乃至l0
0 ℃で行なわれるが、好適には、l0℃乃至40℃である。
【0097】保護工程における反応時間は、反応温度、
原料、試薬又は使用される溶剤等により異なるが、通常
2 時間乃至24時間であリ、好適には2 時間乃至8 時間で
ある。
【0098】保護反応終了後の処理は、例えば、反応混
合物を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない有機
溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離
し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去する
ことによって得られる。得られた化合物は必要ならば、
常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等
によって更に精製できる。
【0099】(第A3工程)本工程は、不活性溶剤中、
化合物(IV)のアジド基を還元し、生成した2 位アミノ
基を選択的にアシル化し、相当するアシル化合物(V )
を製造する工程であり、化合物(IV)に還元剤、次いで
アシル化剤を処理することによって達成される。
【0100】アジド基の還元に使用される溶剤として
は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するもの
であれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンのような水溶性エーテル類をあげることができ、
好適には、テトラヒドロフランである。
【0101】アジド基の還元剤は、ホスフィン類とアン
モニア水が挙げられる。トリメチルホスフィン、トリエ
チルホスフィンのようなトリアルキルホスフィンとアン
モニア水;又はトリフェニルホスフィンのようなトリア
リールホスフィンとアンモニア水が挙げられるが、好適
には、トリフェニルホスフィンとアンモニア水である。
【0102】化合物(IV)と還元剤の反応時間はl 乃至
24時間であり、好適には、30分である。
【0103】反応温度は、0 乃至50℃であるが、好適に
は、15乃至25℃(室温)である。化合物(IV)とホスフ
ィン類の反応混合物とアンモニア水の反応温度は、0 乃
至50℃であり、好適には、室温である。
【0104】アシル化剤は、式:R1 OH(式中、R1
は前記と同意義を示す。)で表されるカルボン酸が使用
される。
【0105】使用される溶剤は、テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロリド、ク
ロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素
類;N,N −ジメチルホルムアミドのようなアミド類を
あげることができるが、好適には、エーテル類であり、
更に好適には、テトラヒドロフランである。
【0106】縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジ
イミドが使用される。
【0107】反応温度は0 ℃乃至50℃であり、好適に
は、15℃乃至25℃(室温)である。反応時間は、l 時間
乃至24時間であり、好適には、l 時間乃至5 時間であ
る。 (第A4工程)本工程は化合物(V )のl 位ニトリル基
のカルボン酸への変換、4及び6位の脱保護及びカルボ
ン酸の保護により、相当するカルボン酸エステル(VI)
を製造する工程であり、化合物(V )の不活性溶剤中で
の酸処理、エステル化剤処理によって達成することがで
きる。
【0108】加水分解で用いられる溶剤は、有機溶剤と
水との混合溶剤であり、有機溶剤としては、メタノー
ル、エタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランのよう
なエーテル類;アセトニトリルのようなニトリル類;及
びホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなア
ミド類のような水溶性有機溶剤であり、好適には、エー
テル類(ジオキサン)である。
【0109】加水分解で用いられる酸は、塩酸、硫酸の
ような鉱酸であり、好適には、塩酸である。
【0110】反応温度は20℃〜l00 ℃であり、好適に
は、50乃至80℃である。
【0111】反応時間はl 乃至l0時間であり、好適に
は、2 乃至5 時間である。
【0112】処理はそのまま減圧下濃縮し、更に精製す
ることなく次の反応に用いられる。エステル化剤として
は、生成したエステルより再び酸性条件下でもとのカル
ボン酸を回復することのできるようなジアゾメタン;又
はジフェニルジアゾメタンのようなエステル化剤が好適
であり、好適には、ジフェニルジアゾメタンである。
【0113】エステル化の溶剤としては、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;ジメチルホルムアミドのようなアミド類であ
り、好適には、エーテル類であり、特に好適には、テト
ラヒドロフランである。
【0114】エステル化の反応温度は0 乃至l00 ℃であ
り、好適には、25乃至60℃である。反応時間は30分乃至
24時間であり、好適には、1 乃至l0時間である。
【0115】反応終了後の処理は、例えば、反応混合物
を濃縮し、得られた化合物は必要ならば、常法、例えば
再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等によって更に
精製できる。
【0116】(第A5工程)本工程は、化合物(VI)の
4 位,6 位水酸基の保護化により、化合物(VII )を製
造する工程であり、不活性溶剤中、第A2工程の保護化
と同一の条件で行うことにより達成される。
【0117】(第A6工程)本工程は、化合物(VII )
の3 位水酸基のアシル化による保護により化合物(VII
I)を製造する工程であり、第A3工程のアシル化と同
一の条件で行うことにより達成される。
【0118】アシル化剤としては、式:R2 OH(式
中、R2 は前記と同意義を示す)で表されるカルボン酸
を使用し、第A3工程のアシル化と同一の条件でアシル
化を行うことができる。
【0119】(第A7工程)本工程は化合物(VIII)よ
り本工程における主要中間体の一つである化合物(IX)
を製造する工程であり、化合物(VIII)の4 位及び6 位
の水酸基の保護基を酸処理によって脱保護することによ
り達成される。
【0120】酸としては、塩酸、硫酸のような無機酸;
酢酸、修酸のような有機酸を挙げることができるが、好
適には、有機酸であり、更に好適には、水で希釈(70〜
90%)した酢酸が好適である。
【0121】反応温度は、20乃至l00 ℃であり、好適に
は、40乃至80℃である。
【0122】反応時間は、l0分乃至20時間であるが、好
適には、30分乃至5 時間である。
【0123】本工程で得られた化合物IXは、後述する化
合物XXIIと縮合して化合物Iを製造する。
【0124】(2)B工程 (2−1)a法 (第Ba1工程)本工程は化合物(X )の3位水酸基を
アシル化し、相当するアシル化合物(XI)を製造する工
程であり、第A3工程のアシル化と同一の条件でアシル
化を行なうことにより達成できる。
【0125】アシル化剤としては、式:R4 OH(式
中、R4 は前記と同意義を示す)で表されるカルボン酸
を使用し、第A3工程のアシル化と同一の条件でアシル
化を行なうことができる。
【0126】(第Ba2工程)本工程は化合物(XI)の
4位及び6位の保護基が脱保護された化合物(XII )を
製造する工程であり、第A7工程と同様な条件で酸処理
することにより達成される。
【0127】(第Ba3工程)本工程は、化合物(XII
)の6位水酸基が選択的に保護された合物(XIII)を
製造する工程であり、不活性溶剤中、塩基存在下、エス
テル化剤と処理することによって達成される。
【0128】使用される保護剤としては、脱保護処理を
行なうことによって6位水酸基が収率よく回復できる保
護剤であればよく、そのような保護剤としてtert−ブト
キシカルボニルクロリドのようなアルキルオキシカルボ
ニルハライド、又はベンジルオキシカルボニルクロリド
のようなアラルキルオキシカルボニルハライドが挙げら
れるが、好適には、ベンジルオキシカルボニルクロリド
である。
【0129】使用される塩基は、例えばピリジン、ジメ
チルアミノピリジン、トリエチルアミン、N ,N −ジメ
チルアニリンのような有機塩基類であるが、好適には、
ピリジンである。
【0130】使用される溶剤は、例えば、メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;
アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好
適には、ハロゲン化炭化水素類であり、特に好適には、
メチレンクロリドである。
【0131】反応温度はー50乃至50℃であり、好適に
は、一l0乃至30℃である。
【0132】反応時間は、10分乃至24時間であり、好適
には、30分乃至5 時間である。
【0133】(第Ba4工程)本工程は化合物(XIII)
のリン酸化合物(XIV )を製造する工程であり、化合物
(XIII)の4 位水酸基を不活性溶剤中、塩基存在下、リ
ン酸化剤で処理することにより達成される。
【0134】使用されるリン酸化剤は式:(R8 O)2
P(=O)Xで表されるリン酸ハライドが使用される。
式中、Xは、塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原子を
示し、好適には、塩素原子である。リン酸ハライドとし
ては、化合物(XIII)をリン酸化して得られるリン酸エ
ステル(XIV )を脱保護(脱R8 基)してリン酸化合物
(I)に変換する際、保護基R8 が簡単な処理で容易に
除かれるようなリン酸ハライドであればよく、そのよう
なリン酸ハライドとして、好適には、ベンジルホスホリ
ルクロリド(R8 =べンジル)又はフェニルホスホリル
クロリド(R8=フェニル)が挙げられる。
【0135】使用される塩基は、例えばピリジン、ジメ
チルアミノピリジシ、トリエチルアミン、N ,N −ジメ
チルアニリンのような有機塩基類であるが、好適には、
ジメチルアミノピリジンである。
【0136】使用される溶剤は、例えば、メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;
アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好
適には、ハロゲン化炭化水素類(特に、メチレンクロリ
ド)である。
【0137】反応温度は0 乃至50℃であり、好適には、
5 乃至30℃である。
【0138】反応時間は、l 0 分乃至24時間であり、好
適には、30分乃至5 時間である。
【0139】(第Ba5工程)本工程は主要中間体(XX
II)の前駆体のひとつである1位が脱保護かされた化合
物(XV)を製造する工程であり、不活性溶剤中、化合物
(XIV )の一位アリル基を、金属触媒によって異性化さ
せ、その後、酸性加水分解することによって達成され
る。
【0140】使用される金属触媒としては、パラジウ
ム、ロジウム、イリジウムなどの錯体が用いられるが、
好適には、(1 、5ーシクロオクタジエン)ビス(メチ
ルジフェニルホスフィン)イリジウム(I )ヘキサフル
オロホスフェート([Ir(COD)(PMePh2)2]PF6 )である。
【0141】使用される溶剤は、例えば、メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;
アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好
適には、エーテル類であり、更に好適には、テトラヒド
ロフランである。
【0142】反応温度は0 乃至50℃であり、好適には、
5 乃至25℃である。
【0143】反応時間は、l 0 分乃至24時間であり、好
適には、30分乃至5 時間である。異性化したビニルエー
テルの加水分解条件としては、塩酸や硫酸などの鉱酸、
蟻酸、pートルエンスルホン酸などの有機酸や水中で沃
素を作用させることであるが、好適には、ピリジンー水
の混合溶媒中で沃素を作用させることである。
【0144】反応温度は0 乃至100 ℃であり、好適に
は、25乃至45℃である。
【0145】反応時間は、l 0 分乃至24時間であり、好
適には、30分乃至5 時間である。
【0146】(第Ba6工程)本工程は主要中間体の一
つであるトリクロロアセトイミデート体(XXII)を製造
する工程であり、これ迄に得られた化合物(XV)の1位
水酸基に、不活性溶剤中、塩基存在下、トリクロロアセ
トニトリルを作用させることにより達成される。
【0147】使用される溶剤は、例えば、メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;
アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好
適には、ハロゲン化炭化水素類であり、更に好適には、
メチレンクロリドである。
【0148】塩基としては、1、8ージアザビシクロ[
5、4、0] ー7ーウンデセン(DBU)などの有機塩
基;又はナトリウムヒドリド、炭酸カリウム、炭酸セシ
ウムなどの無機塩基が用いられるが、好適には、有機塩
基であり、更に好適には、1、8ージアザビシクロ[
5、4、0] ー7ーウンデセン(DBU)である。
【0149】反応温度は-25 乃至50℃であり、好適に
は、0 乃至25℃である。
【0150】反応時間は、l 0 分乃至24時間であり、好
適には、30分乃至2 時間である。反応終了後の処理は、
例えば、反応混合物を濃縮し、直接カラムクロマトグラ
フィーによって精製することによって得られる。
【0151】(2−2)(b法) (第Bb1工程)本工程は、第Ba2工程で得られた化
合物(XII )の4位及び6位水酸基を保護した化合物
(XVI )を製造後、同化合物(XVI )の6位保護基を選
択的に除去した化合物(XVII)を製造する工程であり、
化合物(XI)に不活性溶剤中、塩基存在下、シリル化剤
を反応させて得られた化合物を酸性条件下に加水分解す
ることにより達成される。
【0152】シリル化剤は、式:(R93 SiX’
(式中、R9 は前記と同意義を示し、X’はハロゲン原
子又はトリフルオロメタンスルホニル基を示す)で表さ
れるトリアルキルシリルハライド又はトリアルキルシリ
ルトリフルオロメタンスルホナートを用いるが、好適に
は、tert- ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンス
ルホナートである。
【0153】使用される塩基は、例えばピリジン、ジメ
チルアミノピリジンのようなピリジン類;トリエチルア
ミン、トリブチルアミンのようなトリアルキルアミン
類;アニリン、N ,N −ジメチルアニリンのようなアニ
リン類;2、6ールチジンのようルチジン類が挙げられ
るが、好適には、2、6ールチジンである。
【0154】使用される溶剤は、例えば、メチレンクロ
リド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭
化水素類;エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン
のようなエーテル類;酢酸エチルのようなエステル類;
アセトニトリルのようなニトリル類が挙げられるが、好
適には、ハロゲン化炭化水素類であり、更に好適には、
メチレンクロリドである。
【0155】反応温度は-10 乃至50℃であり、好適に
は、-5乃至25℃である。
【0156】反応時間は、l0分乃至24時間であり、好適
には、30分乃至5 時間である。
【0157】加水分解に用いられる酸としては、塩酸、
硫酸のような無機酸、酢酸、修酸のような有機酸を挙げ
ることができるが、好適には、酢酸であり、水で希釈
(70〜90%)した酢酸が好適である。
【0158】反応温度は、20乃至l00 ℃であり、好適に
は、50乃至80℃である。反応時間は、l0分乃至20時間で
あるが、好適には、30分乃至5 時間である。
【0159】(第Bb2工程)本工程は、化合物(XVI
I)の6位の水酸基を保護した化合物(XVIII )を製造
後、4位の保護基を選択的に除去した化合物(XIX )を
製造する工程であり、化合物(XVII)を不活性溶剤中、
酸触媒存在下、アルキル化剤で処理後、生成した化合物
(XVIII )を酸加水分解することにより達成される。
【0160】アルキル化剤としては、ジアゾメタンが使
用される。
【0161】使用される酸触媒としては、四塩化スズ、
トリフルオロボロン/エーテラート、塩化アルムニウ
ム、塩化第二鉄、トリメチルシリルトリフレート(CF3S
O3SiMe3 )等のようなルイス酸;トリフルオロメタンス
ルホン酸のようなプロトン酸があげられ、好適には、ル
イス酸であり、更に好適には、トリフルオロボラン/エ
ーテラートである。
【0162】アルキル化に使用される溶剤としては、エ
ーテル、ジオキサン又はテトラヒドロフランのようなエ
ーテル類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳
香族炭化水素が挙げられるが、好適には、エーテル類で
あり、更に好適には、エーテル類である。 反応温度
は、−40℃乃至100 ℃で行なわれるが好適には0 ℃乃至
40℃である。 反応時間は、反応温度、試薬又は使用さ
れる溶剤等により異なるが、通常10分乃至10時間であり
好適には30分乃至5 時間である。
【0163】加水分解に使用される溶剤としては、エー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテ
ル類が良いが、好適には、エーテルである。
【0164】酸としては、トリフルオロ酢酸水溶液(6
0ー90%)が使用される。
【0165】反応温度は25乃至100 ℃であり、好適に
は、50乃至80℃である。
【0166】反応時間は、l0分乃至24時間であり、好適
には、30分乃至5 時間である。
【0167】(第Bb3工程)本工程はリン酸化合物
(XX)を製造する工程であり、化合物(XIX )の4 位水
酸基を第Ba4工程と同様の条件で処理することにより
達成される。
【0168】(第Bb4工程)本工程は化合物(XXI )
を製造する工程であり、第Ba5工程と同一条件下で処
理することによって達成される。
【0169】(第Bb5工程)本工程は主要中間体の一
つであるトリクロロアセトイミデート体(XXII)を製造
する工程であり、化合物(XXI )を第Ba6工程と同条
件下で処理することにより達成される。
【0170】(3)C工程 (第C1工程)本工程は主要中間体(XXII)と主要中間
体(IX)との反応により、リピッドA構造を有する化合
物(XXIII )を製造する工程であり、中間体(XXII)と
主要中間体(IX)とを不活性溶剤中、酸触媒存在下にグ
リコシル化させることにより達成される。
【0171】使用される触媒としては、四塩化スズ、ト
リフルオロボロン/エーテラート、塩化アルミニウム、
塩化第二鉄、トリメチルシリルトリフレート等のルイス
酸があげられ、好適にはトリメチルシリルトリフレート
である。
【0172】反応温度は、ー100 ℃乃至25℃で行なわれ
るが好適には, ー78℃乃至0 ℃である。
【0173】反応時間は、反応温度、試薬又は使用され
る溶剤等により異なるが、通常10分乃至10時間であり好
適には30分乃至5 時間である。
【0174】反応後の処理は、通常の方法によって行わ
れる。得られた化合物は必要ならば、通常例えばクロマ
トグラフィー等によって更に精製できる。
【0175】(第C2工程)本工程は、化合物(XXIII
)のトリクロロエトキシカルボニル基を除去し、他の
アシル基であるR3 で変換した化合物(XXIV)を製造す
る工程であり、不活性溶剤中、化合物(XXIII )に脱保
護剤を作用させた後、アシル化剤と処理することにより
達成される。
【0176】脱保護反応に使用される溶剤は、酢酸であ
り、トリクロロエトキシカルボニル基の脱離剤は、亜鉛
である。
【0177】反応温度は、0 ℃乃至80℃で行なわれるが
好適には,10 ℃乃至30℃である。反応時間は、10分乃至
10時間であり好適には30分乃至5 時間である。
【0178】アシル化剤としては、式R3 OH(R3
前記と同意義である)で表されるカルボン酸を使用し、
第A3工程のアシル化と同一の条件でアシル化を行なう
ことができる。
【0179】(第C3工程)本工程は、1位がフリーで
あるカルボン酸化合物(XXV )を製造する工程であり、
化合物(XXIV)の1位の保護基及びR1 、R2 、R3
4 、R8 又はR10中のアラルキル保護基を、不活性溶
剤中、触媒存在下、接触還元によって除去することによ
って達成される。
【0180】使用される触媒は、例えば、パラジウム/
カーボン、水酸化パラジウム、水酸化パラジウム/カー
ボン、パラジウムブラックを挙げることができるが、好
適には、水酸化パラジウム/カーボンである。
【0181】使用される溶剤は、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジオキサンのようなエーテル類;酢酸エチルの
ようなエステル類;メチルアルコール、エチルアルコー
ルのようなアルコール類;ギ酸、酢酸のような有機酸類
が挙げられるが、好適には、エーテル類(特に、テトラ
ヒドロフラン)である。
【0182】反応温度は0 乃至50℃であり、好適には、
5 乃至15℃である。
【0183】反応時間は、l0分乃至48時間であり、好適
には、1 時間乃至24時間である。
【0184】反応終了後の処理は、例えば、反応混合物
より、触媒類を濾過し、得られた濾液を濃縮することに
よって目的化合物が得られる。本化合物は必要ならば、
常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等
によって更に精製できる。
【0185】なお、本工程において、R8 がアラルキル
基であれば、次の工程を行うことなく目的化合物(I)
が得られる。
【0186】(第C4工程)本工程は目的化合物(I)
を得る工程であり、化合物(XXV )を不活性溶剤中、触
媒存在下、接触還元により、リン酸基中のR8 基を除去
することにより達成される。
【0187】使用される触媒は、好適には、酸化白金で
ある。
【0188】使用される溶剤、反応温度、反応時間は第
C3工程に準じて行うことができる。
【0189】以下、本発明化合物の製造及び製剤につい
て実施例によって更に詳しく説明するが本発明はこれに
限定されるものではない。
【0190】
【実施例】
【0191】
【実施例1】2、6−アンヒドロ−3ーアジド−2−デオキシ−3、
4、7−トリ−O−アセチル−D−グリセロ−D−イド
−ヘプトノニトリル(III ) 原料の2,2,2−トリクロロエチルイミドイル 2−
アジド−2−デオキシ−3,4,6−トリ−O−アセチ
ル−D−グルコピラノサイド(II、α,β混合液)8.44
g(17.7 mmol )の塩化メチレン(80 ml )溶液にトリ
メチルシリルシアナイド2.83 ml (21.3 mmol )とトリ
メチルシリルトリフレ−ト130 mgを窒素気流中加え、室
温でl 夜攪拌した。減圧下濃縮し、酢酸エチル500 mlで
希釈し、重曹水、食塩水にて順次洗い、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥した。この溶液を濾過、濃縮し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィ−にて精製する。シクロヘキサ
ン−酢酸エチル(2 :l )で溶出すると、6.22g (定量
的)の目的化合物(III )が得られた。
【0192】IR (フィルム) スぺクトル:2200(w), 2130,17
50, 1600(w)cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 2.06(3H,
s ), 2.09 (3H, s), 2.12 (3H, s ), 3. 95(1H, dd,
J=6.0 Hz, 10.5 Hz), 4.07-4.19(2H, m), 4.30−4.38(1
H ,m ), 4, 94 (lH, d, J=6.0Hz, 5.01-5.11(1H,m) 質量スペクトル(m /z ):341 (M++l )
【0193】
【実施例2】2、6−アンヒドロ−3ーアジド−2−デオキシ−4、
6−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−イド−
ヘプトノニトリル(IV:R6 =R7 = メチル) 実施例1で得られたアジド体(化合物III,5.36 g, 15.8
mmol )のエタノ−ル(200 ml)溶液に水酸化カリウム
290 mg(5.2 mmol)を加えた。30分間、24℃で攪拌後、
減圧下濃縮し、得られた残査をジメチルホルムアミド
(36 ml )及び 2,2−ジメトキシプロパン(36 ml )に
溶解した。この溶液に、p −トルエンスルホン酸(l.44
g, 7.6 mmol)を加え、16時間25℃で攪拌した後、酢酸
エチルで希釈し、重曹水、食塩水にて順次洗い、硫酸マ
グネシウム上で乾燥した。この溶液を濾過、濃縮し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィ−にて精製した。シク
ロヘキサン−酢酸エチル(2 :l )で溶出すると、融
点:172 −173 ℃を示す固体として2.6g(収率:65%)
の目的化合物IVが得られた。
【0194】 IR(ヌシ゛ョール)スペクトル:3510, 2230(w ), 2130cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: l.45 (3
H, s ), l.51(3H, s), 2. 98 (lH, bs, 0H), 3.50
−3.60(lH, m ), 3.65−3.80(3H, m ), 3.84−4.07
(2H, m ), 4.83(lH, d, J=5.9Hz, N0E がd 3.73とd
4.83 のプロトンの間に認められたので2 −シアノ基の
配位はS −アクシアルである) 質量スペクトル(m /z ):251 (M++ l ), 239
【0195】
【実施例3】2、6−アンヒドロ−[ 3−{(R)−3−ベンジルオ
キシテトラデカナミド}−3−デオキシ−5、7−O−
イソプロピリデン]−D−グリセロ−D−イド−ヘプト
ノニトリル(V:R1 = R2 = (R)−3−ベンジルオキ
シテトラデカノイル基, R6 = R7 = メチル) l −シアノ体(化合物IV, 127mg, 0.500 mmol )のテト
ラヒドロフラン(5 ml)溶液にトリフェニルホスフィン
328 mg(1.25 mmol )を加えた。1 時間、室温で攪拌
後、水(0.3 ml)とアンモニア水(0.1 ml)を加えた。
混合物を一昼夜、室温で攪拌後、減圧下ポンプで濃縮し
た。(得られた残査をテトラヒドロフラン)(5 ml)に
溶解した。この溶液に、(R)−3−ベンジルオキシテ
トラデカン酸(201 mg, 0.600 mmol)、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(124 mg, 0.600mmol )を加え、16時
間室温で攪拌した。反応中に生成した尿素を濾別後、溶
媒を減圧下に溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−にて精製する。シクロヘキサン−酢酸エチル(1:1
)で溶出すると、133 mg(収率:49%)の目的化合物V
が得られた。
【0196】IR(フィルム)スペクトル:3418, 3324, 328
6, 2925, 2854, 1644, 1628 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ:0.88(3H,
t, J=6.2-7.0 Hz ),l.26(18H, bs ), l.43(3H, s
), l.49(3H, s ), l.50-1.74(2H, m), 2.41-2.58(2H,
m), 3.44-3.55(2H, m ), 3.65(1H, m), 3.72 (1
H, t,J=9.8-10.4Hz), 3.82 (lH, m), 3.91(lH, dd, J =
4.3,9.7Hz ), 4.06(1H,m), 4.54(1H,AB-q, J = 11.2
Hz), 4.64(1H, AB-q, J = 11.2Hz), 5.20(1H, d, J
= 6.0Hz), 7.03(1H, d, J = 6.0Hz, NH), 7.32-7.40(10
H, m) 質量スペクトル(M/Z):545.3599(M+H)+
【0197】
【実施例4】ジフェニルメチル 2、6−アンヒドロ−[ 3−
{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカナミド}−3
−デオキシ]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトネート
(VI:R1 =(R)−3−ベンジルオキシテトラデカノ
イル基) 実施例3の化合物である5、7−O−イソプロピリデン
体(化合物V ,3.44 g, 3.99 mmol )の4 モル塩酸−ジ
オキサン(22 ml )−ジオキサン(22 ml )−水(2.2
ml)溶液を4 時間、55℃で攪拌加温後、減圧下濃縮し
た。得られた残さをジメチルホルムアミド(16 ml)に
溶解し、ジフェニルジアゾメタン(3.10 g, 15.9 mmol
)を加え、55−60℃でl.5 時間加温した。この溶液を
減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製した。まず、酢酸エチル、次に5 %メタノール−
酢酸エチルで溶出すると、融点132.5-133.0 ℃の目的化
合物VIが固体として897 mg, 収率:33%)得られた。
【0198】IR (KBr)スぺクトル:3323(broad ), 17
34, 1645, 1538, 1105, 697 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ:0.88 (3H,
t, J= 6.6Hz), l.25−1.30(18H, m), 1.40-1.65(2H,
m), 2.27-2.42(2H, m), 2.87(1H, broad, OH),3.28(1H,
m), 3.57-3.81(6H, m,OHの1Hを含む), 4.33(1H, m),
4.40(2H, AB-q,J = 11.5Hz), 4.55(1H, d, J = 5.7Hz),
6.82(1H, s), 6.98(1H, d, J = 9.1Hz, NH), 7.21-7.4
1(15H, m) 質量スペクトル(m /z ):690.4006(M +H )+ 元素分析値:C41H55NO8 (分子量:861.2) 計算値(%) C71.37 H8.04 N2.03 分析値(%) C71.25 H8.17 N2.00
【0199】
【実施例5】ジフェニルメチル 2、6−アンヒドロ−[ 3−
{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカナミド}−3
−デオキシ−5、7−O−イソプロピリデン]−D−グ
リセロ−D−イド−ヘプトネート(VII :R1 = (R)
−3−ベンジルオキシテトラデカノイル、R6 =R7 =
メチル) 実施例4の化合物であるl −エステル体(化含物VI,0.7
81 g, 1.13 mmol )のp −トルエンスルホン酸(52 mg
)を含むジメチルホルムアミド(8ml )及び2,2 −ジ
メトキシプロパン(8 ml)溶液を3 時間、室温で放置
後、エーテルで希釈し、重曹水、食塩水にて順次洗い、
硫酸マグネシウム上で乾燥する。この溶液を濾過、濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶出すると、融点:
104 −106 ℃(酢酸エチル−n −ヘキサン)を示す固体
として0 .660g(収率:80%)の目的化合物VII が得ら
れた。 IR (KBr)スぺクトル:3376, 1728, 1640, 1532, 1127cm
-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ:0.88(3H,
t, J=6.4 −6.8Hz ), l.23-1.29(18H, m), 1.36-1.65
(8H, 2個の 3H を含むm, s, at d 1.37 及び 1.48), 2.
29-2.44(2H, m), 2.54(1H, d, J = 2.8Hz, OH), 3.17-
3.26(1H, m), 3.56(1H, t, J = 9.3Hz), 3.62-3.86(4H,
m), 4.35-4.51(3H, m, 1H を含む, d, J= 5.9Hz, at d
4.41), 4.56(1H, d, J = 5.9Hz), 6.83(1H, d, J = 6.
9Hz, NH), 6.84(1H, s), 7.24-7.38(15H, m) 質量スペクトル(m /z ):730.4307(M+H )+ 元素分析値:C44H59NO8 (分子量:730.0) 計算値(%) C72.40 H8.15 N1.92 分析値(%) C71.85 H7.85 N2.22
【0200】
【実施例6】ジフェニルメチル 2、6−アンヒドロ−[ 3−
{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカナミド}−4
−O−{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカノイ
ル}−3−デオキシ−5、7−O−イソプロピリデン]
−D−グリセロ−D−イド −ヘプトネート(VIII: R1
= R2 = (R)−3−ベンジルオキシテトラデカノイル
基, R6 = R7 = メチル) 実施例5の化合物である5、7−保護−1−エステル体
(化合物VII, 0.610 g, 0.835 mol )のジクロロメタン
(8 ml)溶液に(R )−3−ベンジルオキシテトラデカ
ン酸(317 mg, 0.947 mmol)、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(207mg, l.00 mmol )及び4−ジメチルアミ
ノピリジン(l24 mg, l.01 mmol )を24℃、攪拌下に加
えた。この溶液を16時間、25℃で攪拌後、酢酸エチルで
希釈し、0 .l 規定塩酸、水、重曹水、食塩水にて順次
洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥する。この溶液を濾
過、減圧下濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製した。酢酸エチル−シクロヘキサン(8 :l )
で溶出すると目的化合物VIIIが、融点92.0-92.5 ℃の固
体として0.747 mg(収率:85%)で得られた。
【0201】 IR(KBr )スペクトル:2920, 1740, 1124, 698 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ:0.88(6H,
t, J = 6.5Hz), l.15−1.66(46H, m), 2.04-2.20(2H,
m), 2.39(1H, dd, J = 5.9, 15.3Hz), 2.65(1H, dd, J
= 6.4, 15.1Hz), 3.22-3.31(1H, m), 3.63-3.81(5H,
m), 4.37-4.60(6H, m)5.40(1H, t, J = 9.8Hz), 6.56(1
H, d, J = 8.8Hz), 6.85(1H, s), 7.08-7.54(20H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)l06
8.6543 (M+K) + 元素分析値:C65H91NO10(分子量:1046.43) 計算値(%) C73.97 H8.84 N1.36 分析値(%) C74.61 H8.77 N1.34
【0202】
【実施例7】ジフェニルメチル 2、6−アンヒドロ−[ 3−
{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカナミド}−4
−O−{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカノイ
ル}−3−デオキシ]−D−グリセロ−D−イド−ヘプ
トネート(IX: R1 = R2= (R)−3−ベンジルオキ
シテトラデカノイル基) 2,3 −ジアシル−l −エステル体(化合物VIII, 0.763
g, 0.729 mmol )の90%酢酸(l5 ml)、溶液を
l 時間、60℃で攪拌後、この溶液をポンブ減圧下濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。
酢酸エチル−ヘキサン(1:2 )で溶出すると、目的化
合物物IXが融点:112-114 ℃を示す固体として0.649 mg
(収率:75%)得られた。
【0203】 IR (KBr)スぺクトル:3350, 1733, 1649, 1536 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ : 0.88
(6H, t, J=6.4Hz )1.14-1.69(40H, m), 2.14-2.22(2
H, m), 2.42-2.62(2H, m), 2.76-3.14(1H, b, OH),3.30
-3.37(1H, m), 3.58-3.73(5H, m), 3.80-3.99(1H, m),
4.32-4.50(5H, m,2H を含む, s, at d 4.37, 2H, s, at
d 4.48), 4.63(1H, d, J = 5.8Hz), 5.27(1H, t, J =
9.9Hz), 6.61(1H, d, J = 8.8Hz), 6.85(1H, s), 7.08-
7.33(20H,m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)l00
6.6397(M +H)+ 元素分析値:C62H87NO10(分子量:1006.37) 計算値(%) C72.92 H8.59 N1.55 分析値(%) C74.00 H8.71 N1.39
【0204】
【実施例8】アリル 2−デオキシ−4,6−O−イソプロピリデン
−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテト
ラデカノイル}−2−(2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(X
I: R4 =(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラ
デカノイル基, R6 = R7 = メチル基) 既知化合物アリル 2−デオキシ−4,6−O−(イソ
プロピリデン)−2−(2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(X:
6 ,R7 =メチル基, 1.06 g, 2.43 mmol )のジクロ
ロメタン(20 ml )溶液に(R)−3−テトラデカノイ
ルオキシテトラデカン酸(1.22 g, 2.67mmol )、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(550 mg, 2.67 mmol )及
び4−ジメチルアミノピリジン(326 mg, 2.67 mmol )
を24℃、攪拌下に加えた。この溶液を16時間、25℃で攪
拌後、酢酸エチルで希釈し、この溶液を濾過、減圧下濃
縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
た。酢酸エチル−ヘキサン(1 :l0)で溶出すると目的
化合物XIが、油状物質として2.12 g(収率:99%)で得
られた。
【0205】IR(ニート) スペクトル:2926, 2855, 1743,
1516, 1044 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.6Hz )1.08-1.30(38H, m), 1.38(3H, s),
1.49(3H, s, 1.53-1.59(4H, ), 2.27(2H, t, J =7.5H
z), 2.45-2.67(2H, m), 3.73-4.02(6H, m), 4.14-4.20
(1H, m), 4.68(1H,AB-q, J = 12.1Hz), 4.74(1H, AB-q,
J = 12.1Hz), 4.89(1H, d, J = 3.8Hz), 5.13-5.38(5
H, m), 5.80-5.93(1H, m). 元素分析値:C43H74NO10Cl3 (分子量:871.42) 計算値(%) C60.24 H8.72 N1.71 Cl11.35 分析値(%) C59.27 H8.56 N1.61 Cl12.21
【0206】
【実施例9】アリル 2−デオキシ−3−O−{(R)−3−テトラ
デカノイルオキシテトラデカノイル}−2−(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−α−D−
グルコピラノシド(XII:R4 = (R)−3−テトラデカ
ノイルオキシテトラデカノイル基) 実施例8の化合物である3 −アシル−1 −アリル体(化
合物XI, 2.11 g, 2.42mmol )の90%酢酸(50 ml)、溶
液をl 時間、60℃で攪拌後、この溶液をポンプ減圧下濃
縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
た。酢酸エチル−ヘキサン(1 :2 )で溶出すると、目
的化合物物XII が固体として0.710 g (収率:35%)得
られた。
【0207】IRス(KBr )ペクトル:3463, 3319, 172
4, 1542, 1174, 1053 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ : 0.88
(6H, t, J=6.6Hz )1.20-1.37(38H, m), 1.57-1.67(4
H, m), 2.15(1H. b, OH), 2.30(2H, t, J = 7.5Hz), 2.
47-2.60(2H, m), 3.51(1H,b,OH), 3.66-3.78(2H, m),
3.87-4.04(4H, m), 4.21(1H, dd, J = 5.3, 13.0Hz),
4.67(1H, AB-q, J = 12.2Hz), 4.74(1H, AB-q,J = 12.2
Hz), 4.92(1H, d, J = 3.5Hz), 5.09-5.34(4H, m), 5.4
6(1H, d, J =9.6Hz), 5.82-5.96(1H, m) 元素分析値:C40H70NO10Cl3 (分子量:831.36) 計算値(%) C57.79 H8.49 N1.69 Cl12.79 分析値(%) C57.98 H8.55 N1.95 Cl12.71
【0208】
【実施例10】アリル 6−O−ベンジルオキシカルボニル−2−デオ
キシ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシ
テトラデカノイル}−2−(2,2,2−トリクロロエ
トキシカルボニルアミノ)−α−D−グルコピラノシド
(XIII: R4 = (R)−3−テトラデカノイルオキシテ
トラデカノイル基) 実施例9の化合物である3 −アシル−1 −アリル体(化
合物XII, 438 mg, 0.526 mmol )のテトラヒドロフラン
(60 ml )溶液に0℃で、ベンジルオキシカルボニルク
ロリド(125 mg, 0.735 mmol)、ピリジン(62.7 mg,
0.79 mmol)を、攪拌下に加えた。この溶液を2時間、2
5℃で攪拌後、減圧下濃縮し、酢酸エチルで希釈した
後、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗う。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、酢酸エチル−ヘキサン(1:l )で溶出する
と目的化合物XIIIが、融点57.0℃の固体物質として304
mg(収率:60%)で得られた。
【0209】IR (KBr)スぺクトル:3472, 3320, 1748,
1724, 1540, 1296 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz,CDCl3)δ:0.88(6H,
t, J=6.6Hz )1.17-1.30(38H, m), 1.52-1.68(4H, m),
2.29(2H, t, J = 7.5Hz), 2.45-2.56(2H, m),3.40(1H,
d, J = 3.9Hz), 3.57-3.66(1H, m), 3.85-4.01(3H,
m), 4.11-4.20(1H, m), 4.45(2H, d, J = 3.3Hz), 4.65
(1H, AB-q, J = 12.0Hz), 4.76(1H, AB-q, J = 12.0H
z), 4.90(1H, d, J = 3.5Hz), 5.05-5.41(7H, m, 2Hを
含む, s at 5.18 ppm), 5.79-5.94(1H, m), 7.29-7.45
(5H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)98
6.4332(M+Na)+ 元素分析値:C48H76NO12Cl3 (分子量:965.48) 計算値(%) C59.71 H7.94 N1.45 Cl11.02 分析値(%) C58.67 H7.90 N1.49 Cl11.05
【0210】
【実施例11】アリル 6−O−ベンジルオキシカルボニル−2−デオ
キシ−4−O−ジフェニルホスホ−3−O−{(R)−
3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル}−2−
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)
−α−D−グルコピラノシド(XIV:R4 =(R)−3−
テトラデカノイルオキシテトラデカノイル基, R8 = フ
ェニル基) 実施例10の化合物である1−アリル−6−ベンジルオ
キシカルボニル体(化合物XIII, 278.4 mg, 0.288 mmo
l)のジクロロメタン(5 ml)溶液に、ジフェニルホス
フィノイルクロリド(155 mg, 0.577 mmol)、ジメチル
アミノピリジン(70.8 mg, 0.58 mmol)を、室温で攪拌
下に加えた。この溶液を2時間、25℃で攪拌後、溶媒を
減圧下留去し、酢酸エチルで希釈した後、炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗う。さらにシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル−ヘキサ
ン(1 :5 )で溶出すると目的化合物XIV が、油状物質
として337 mg(収率:98%)で得られた。
【0211】 IR(ニート) スペクトル:1751, 1267, 1024, 958 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.6Hz ), 0.92-1.33(38H, m), 1.40-1.56(4
H, m), 2.14(2H, t, J = 7.6Hz), 2.45(2H, d, J= 6.3H
z), 3.95-4.08(3H, m), 4.11-4.35(3H, m), 4.60(1H, A
B-q, J = 12.0Hz), 4.74(1H, q, J = 9.4Hz), 4.79(1H,
AB-q, J = 12.0Hz), 5.01-5.13(3H, m,2Hを含む, AB-
q, J = 12.1Hz at 5.01, 5.11ppm), 5.25(1H, d, J =
1.1Hz, NH), 5.26(1H, dd, J = 1.6, 28.2Hz), 5.38-5.
47(2H, m), 5.79-5.93(1H, m), 5.79-5.94(1H, m), 7.1
4-7.65(15H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)12
34.4381(M +K)+ 元素分析値:C60H85NO15PCl3(分子量:1197.67) 計算値(%) C60.17 H7.15 N1.17Cl8.88 P2.59 分析値(%) C60.29 H6.95 N1.30Cl8.68 P2.57
【0212】
【実施例12】6−O−ベンジルオキシカルボニル−2−デオキシ−4
−O−ジフェニルホスホノ−3−O−{(R)−3−テ
トラデカノイルオキシテトラデカノイル}−2−(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)−α−
D−グルコピラノ−ス(XV: R4 = (R)−3−テトラ
デカノイルオキシテトラデカノイル基, R 8 = フェニル
基) 実施例11の化合物である 1−アリル−6 −ベンジルオ
キシカルボニル体(化合物XIV,323.0 mg, 0.269 mmol)
と(1、5−シクロオクタジエン)ビス−(メチルジフ
ェニルホスフィン)−イリジウム ヘキサフルオロホス
フェ−ト([Ir(COD)(PMePh2)2]PF6 )のテトラヒドロフ
ラン(3 ml)溶液を水素置換して、赤褐色の溶液が透明
になるまで待つ。1−2分反応系を窒素置換して、再び
攪拌する。10時間後、水1ml 、ピリジン0.1ml 、沃素0.
1gを加え攪拌する。5 時間後、溶媒を留去し、5 %亜硫
酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥す
る。溶媒を減圧下留去し、カラムクロマトグラフィーに
より精製し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3 )で溶出する
と目的化合物XVが、融点71.5-73.0 ℃の固体物質として
220.6 mg(収率:71%)で得られた。
【0213】IR (KBr)スぺクトル:3344, 1749, 1490,
1269, 1024, 964 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.6Hz ), 1.11-1.30(38H, m), 1.33-1.67(4
H, m), 2.16(2H, t, J = 7.6Hz), 2.45(2H, d, J= 6.3H
z), 3.94-4.03(1H, m), 4.18-4.37(3H, m), 4.64(1H, A
B-q, J = 12.0Hz), 4.73(1H, q, J = 9.2Hz), 4.52(1H,
AB-q, J = 12.0Hz), 5.01-5.13(3H, m,2Hを含む, AB-
q, J = 12.0Hz at 5.03, 5.11ppm), 5.32(1H, d, J =
3.4Hz), 5.45-5.58(2H, m), 7.11-7.65(15H, m) 元素分析値:C57H81NO15PCl3(分子量:1157.60) 計算値(%) C59.14 H7.05 N1.21 P2.68 Cl9.19 分析値(%) C58.5.0 H7.04 N1.23 P2.66 Cl9.32
【0214】
【実施例13】2,2,2−トリクロロエチルイミドイル 6−O−ベ
ンジルオキシカルボニル−2−デオキシ−4−O−ジフ
ェニルホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノ
イルオキシテトラデカノイル}−2−(2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニルアミノ)−α−D−グルコ
ピラノ−ス(XXII: R4 = (R)−3−テトラデカノイ
ルオキシテトラデカノイル基, R8 = フェニル基) 実施例12の化合物である6 −ベンジルオキシ−2 −ト
リクロロエトキシカルボニルアミノグルコース体(化合
物 XV, 249 mg, 0.215 mmol )とトリクロロアセトニト
リル(286 mg, 1.98 mmol )のメチレンクロリド(2 ml
)溶液に0 ℃で、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0] −7 −
ウンデセン(DBU, 3.5 mg, 0.0228 mmol)のメチレンク
ロリド(1 ml)溶液を攪拌下に加えた。この溶液を1時
間、0 ℃で攪拌後、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:2 )
により、素早く過剰のDBU を除去し、目的化合物(XXII)
を得た。この化合物は精製することなく実施例20に使
用した。
【0215】
【実施例14】tert−ブチルジメチルシリル−2−デオキシ−3−O−
{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイ
ル}−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカ ルボニ
ルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(XVII: R4 =
(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル
基, R9 Si= tert−ブチルジメチルシリル基) 実施例9の化合物である 3−アシル−1 −アリル体(化
合物XII,639 mg, 0.733 mmol)のメチレンクロリド20 m
l )溶液に0 ℃で、tert- ブチルジメチルシリルトリフ
ルオロメタンスルホナ−ト(t-BuMe2SiOTf, 771 mg, 2.
92 mmol )、2,6-ルチジン(460 mg, 4.29 mmol )を、
攪拌下に加えた。この溶液を2時間、0℃で攪拌後、こ
の溶液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。クロロ
ホルムで抽出し、飽和食塩水で洗う。無水硫酸ナトリウ
ムによる乾燥後、減圧下溶媒を留去し、残査(XVI) を得
る。引き続き、85% 酢酸水溶液30mlを加え、攪拌下80℃
に加熱する。7 時間後、溶媒を留去し、カラムクロマト
グラフィーで精製し、酢酸エチル−ヘキサン(1 :7 )
で溶出すると目的化合物XVIIが、油状物質として542 mg
(収率:78%)で得られた。
【0216】IR(ニート) スペクトル:3436, 1744, 1516,
1464, 1038 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.07(3H,
s), 0.13(3H, s), 0.86(9H, s), 0.88(6H, t, J=6.4H
z ), 1.20-1.35(38H, m), 1.51-1.68(4H, m),2.24(2H,
t, J = 7.5Hz), 2.48-2.69(2H, m), 3.65-3.88(6H,
m), 3.98(1H, dd, J = 6.4, 12.7Hz), 4.18(1H, dd, J
= 5.3, 13.0Hz), 4.62(1H, AB-q, J = 12.0Hz), 4.77(1
H, AB-q, J = 12.0Hz), 4.88(1H, d, J = 3.5Hz), 5.16
-5.36(5H,m), 5.80-5.95(1H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)96
6.4828(M+Na)+ 元素分析値:C46H84NO10Cl3Si (分子量:945.60) 計算値(%) C58.43 H8.95 N1.48 Cl11.25 分析値(%) C57.84 H9.07 N1.47 Cl11.43
【0217】
【実施例15】アリル 2−デオキシ−6−O−メチル−3−O−
{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイ
ル}−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ルアミノ)−α−D−グルコピラノシド(XIX:R4 =
(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル
基) 実施例14の化合物である1 −アリル−4 −シリル体
(化合物XVII, 507 mg,0.535 mmol)のジエチルエーテ
ル(20 ml )溶液に0 ℃で、別途調整したジアゾメタン
のジエチルエーテル溶液15 ml を加え、更にトリフルオ
ロボロン・エーテルコンプレックス10μl 、攪拌下に加
えた。この溶液を30分、0 ℃で攪拌後、溶液を濾過す
る。濾液について減圧下溶媒を留去し残査(XVIII )を
得る。引き続き、90% トリフルオロ酢酸水溶液13 ml を
加え、攪拌下50℃に加熱する。1 時間後、溶媒を留去
し、カラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル−
ヘキサン(1 :5 )で溶出すると目的化合物XIX が、油
状物質として273 mg(収率:60%)で得られた。
【0218】 IR(ニート) スペクトル:3420, 1744, 1518, 1464 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.6Hz ), 1.14-1.37(38H, m), 1.57-1.75(4
H, m), 2.30(2H, t, J = 7.5Hz), 2.45-2.61(2H,m), 3.
33(1H, d, J = 3.5Hz), 3.42(3H, s), 3.62-3.73(3H,
m), 3.78-3.84(1H, m), 3.91-4.04(2H, m), 4.11-4.24
(1H, m), 4.66(1H, AB-q, J = 12.0Hz), 4.76(1H, AB-
q, J = 12.0Hz), 4.92(1H, d, J = 3.6Hz), 5.09-5.43
(5H, m), 5.81-5.96(1H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)86
6.4141(M+Na)+ 元素分析値:C41H72NO10Cl3 (分子量:845.37) 計算値(%) C58.25 H8.59 N1.66 Cl12.58 分析値(%) C58.65 H8.83 N1.62 Cl11.08
【0219】
【実施例16】アリル 2−デオキシ−4−O−ジフェニルホスホノ−
6−O−メチル−3−O−{(R)−3−テトラデカノ
イルオキシテトラデカノイル}−2−(2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニルアミノ)−α−D−グルコ
ピラノシド(XX:R4 = (R)−3−テトラデカノイル
オキシテトラデカノイル基, R8 =フェニル基) 実施例15の化合物である1 −アリル−6 −メトキシ体
(化合物XIX, 273 mg,0.323 mmol )について、実施例
11と同様な操作を行い、化合物XXが、油状化合物とし
て319 mg(収率:92% )得られた。
【0220】IR(ニート) スペクトル:1748, 1516, 1491,
1192, 1025, 957 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.7Hz ), 1.13-1.61(44H, m), 2.13(2H, t,
J = 7.5Hz), 2.45(2H, d, J = 6.3Hz), 3.20(3H, m),
3.42-3.52(2H, m), 3.90-4.05(3H, m), 4.18-4.25(1H,
m), 4.61(1H, AB-q, J = 11.8Hz), 4.73-4.84(2H, m,1H
を含む, AB-q, J = 11.8Hz at 4.78 ppm),4.96(1H, d,
J = 3.5Hz), 5.00-5.16(1H, m), 5.22-5.48(4H, m), 5.
81-5.96(1H, m), 7.17-7.37(10H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)10
98.4390(M +Na)+ 元素分析値:C 53H81NO13PCl3 (分子量:1077.55) 計算値(%) C59.08 H7.58 N1.30 P2.87 Cl9.87 分析値(%) C58.40 H7.71 N1.26 P2.84 Cl10.15
【0221】
【実施例17】2−デオキシ−4−O−ジフェニルホスホノ−6−O−
メチル−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキ
シテトラデカノイル}−2−(2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニルアミノ)−α−D−グルコピラノ−
ス(XXI:R4 = (R)−3−テトラデカノイルオキシテ
トラデカノイル基, R8 =フェニル基) 実施例16の化合物である1 −アリル−6 −メトキシ体
(化合物XX, 89.6 mg,0.0831 mmol)について、実施例
12と同様な操作を行い、化合物XXI が、融点102-104
℃を示す固体化合物として36.0 mg (収率:42% )得ら
れた。
【0222】IR (KBr)スぺクトル:3399(フ゛ロート゛), 174
2, 1728, 1525, 1490, 1197 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (6
H, t, J=6.6Hz ), 1.11-1.55(42H, m), 2.15(2H, t,
J = 7.6Hz), 2.44(2H, d, J = 6.1Hz), 3.20(3H, s),
3.37-3.52(2H, m), 3.98(1H, dt, Jd = 3.1Hz, J t = 1
0.1Hz), 4.18-4.22(1H, m), 4.32(1H,b,OH), 4.62-4.79
(3H, m), 5.06-5.15(1H, m), 5.32(1h, d,J = 3.1Hz),
5.50(1H, dd, J = 9.8, 10.3Hz), 5.66(1H, d, J = 9.5
Hz), 7.18-7.37(10H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)10
36.4297(M +H)+
【0223】
【実施例18】2,2,2−トリクロロエチルイミドイル 2−デオキ
シ−4−O−ジフェニルホスホノ−6−O−メチル−3
−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデ
カノイル}−2−(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルアミノ)−α−D−グルコピラノ−ス(XXII:
4 = (R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカ
ノイル基, R8 =フェニル基,R10=メチル) 実施例17の化合物(XXI,R10=メチル)とトリクロロア
セトニトリルを実施例13と同様の操作を行い目的化合
物(XXII,R10= メチル)得られた。この化合物は精製す
ることなく実施例19に使用した。
【0224】
【実施例19】ジフェニルメチル 2、3−アンヒドロ− [7−O−
{6−O−ベンジルオキシカルボニル−2−デオキシ−
4−O−ジフェニルホスホノ−3−O−{(R)−3−
テトラデカノイルオキシテトラデカノイル}−2−
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ)
−β−D−グルコピラノシル}−3−{(R)−3−ベ
ンジルオキシテトラデカナミド}−4−O−{(R)−
3−ベンジルオキシテトラデカノイル}−3−デオキ
シ]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトネート(XXIII:
1 = R2 = (R)−3−ベンジルオキシテトラデカノ
イル基, R4=(R)−3−テトラデカノイルオキシテト
ラデカノイル基, R8 = フェニル基, R10= ベンジルオ
キシカルボニル基) 実施例13の化合物(XXII、R10=ベンジルオキシカルボニ
ル) に十分に乾燥させたモレキュラ−シ−ブス4Aと実施
例7の化合物であるジオール体(IX, 217 mg,0.216 mmo
l)を加え、メチレンクロリド4ml の懸濁液にする。こ
の懸濁液を-78℃で攪拌下、トリメチルシリルトリフル
オロメタンスルホナ−ト(TMSOTf, 4.83mg, 0.0217 mmo
l)のメチレンクロリド(0.1 ml)溶液を加える。1時
間後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、反応を
停止させ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムによって乾燥させ
た。溶媒を減圧下留去し、シリカゲルクロマトグラフィ
ーにより精製し、酢酸エチル−ヘキサン(1 :3 )で溶
出すると目的化合物XXIII が、融点83.0-84.0 ℃を示す
固体化合物として289 mg(収率:56%)で得られた。
【0225】IR (KBr)スぺクトル:3343, 1735, 1531,
1268, 1023, 957 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (12
H, t, J =6.5Hz ),1.11-1.67(82H, m), 2.13-2.64(8
H, m), 2.82(1H, broad, OH), 3.34-3.45(2H,m), 3.54-
3.74(4H, m), 3.80-3.85(1H, m), 3.95-4.01(1H, m),
4.16-4.22(1H,m), 4.29-4.57(6H, m,1Hを含む, s at 4.
33ppm, 1H, s at 4.35ppm, 1H, s at 4.48ppm, 1H, s a
t 4.49ppm), 4.61-4.75(4H, m), 4.99(1H, d, J = 9.7H
z), 5.01-5.32(4H, m, 1Hを含む, AB-q, J = 12.3Hz at
5.03ppm, 1H, AB-q, J = 12.3Hz at 5.12ppm), 5.48-
5.55(1H, m), 5.71(1H, d, J = 6.8Hz), 6.51(1H, d, J
=8.9Hz), 6.84(1H, s), 7.11-7.38(35H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)21
66.0549(M +Na)+
【0226】
【実施例20】ジフェニルメチル 2、3−アンヒドロ−[ 7−O−
{2−デオキシ−4−O−ジフェニルホスホノ−6−O
−メチル−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
キシテトラデカノイル}−2−(2、2、2−トリクロ
ロエトキシカルボニルアミノ)−β−D−グルコピラノ
シル}−3−{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカ
ナミド}−4−O−{(R)−3−ベンジルオキシテト
ラデカノイル}−3−デオキシ]−D−グリセロ−D−
イド−ヘプトネート(XXIII:R1 = R 2 = (R)−3−
ベンジルオキシテトラデカノイル基、R4 = (R)−3
−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル基、R8 =
フェニル基、R10= メチル基) 実施例18の化合物(化合物XXII, 183 mg, 0.176 mmo
l)とジオール体(化合物IX, 197 mg, 0.196 mmol)に
ついて実施例19と同様な操作を行なうと目的化合物XX
III が、融点95.0℃の固体化合物として204 mg(収率:
57%)で得られた。
【0227】IR (KBr)スぺクトル:3550-3360, 1738, 1
531, 958 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88 (12
H, t, J =6.5Hz ),1.11-1.66(94H, m), 2.14-2.65(8
H, m), 3.20(3H, s), 3.38-3.44(4H, m), 3.47-3.65(3
H, m), 3.73-3.86(2H, m), 3.97-4.01(1H, m), 4.34-4.
50(5H, m), 4.61-4.75(4H, m), 4.92(1H, d, J = 8.3H
z), 5.17-5.31(2H, m), 5.47(1H, t, J =9.8Hz), 5.62
(1H, d, J = 6.6Hz), 6.50(1H, d, J = 8.8Hz), 6.84(1
H, s), 7.15-7.36(30H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)20
46.0288(M +Na)+
【0228】
【実施例21】ジフェニルメチル 2、3−アンヒドロ− [7−O−
{6−O−ベンジルオキシカルボニル−2−デオキシ−
4−O−ジフェニルホスホノ−2−O−{(R)−3−
ドデカノイルオキシテトラデカナミド}−3−O−
{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイ
ル}−β−D−グルコピラノシル}−3−{(R)−3
−ベンジルオキシテトラデカナミド}−4−O−
{(R)−3−ベンジルオキシテトラデカノイル}−3
−デオキシ]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトネート
(XXIV: R1 = R2 = (R)−3−ベンジルオキシテト
ラデカノイル基、R3 = (R)−3−ドデカノイルオキ
シテトラデカノイル基, R4 = (R)−3−テトラデカ
ノイルオキシテトラデカノイル基、R8 = フェニル基、
10= ベンジルオキシカルボニル基) 実施例19の化合物である6 −ベンジルオキシカルボニ
ル−2 −トリクロロエトキシカルボニルアミノ体(化合
物XXIII, 174 mg, 0.0803 mmol)の酢酸(5 ml)溶液に
亜鉛粉末745 mgを加えて、3 時間激しく攪拌する。溶液
をセライト濾過し、溶媒を減圧下留去する。残査にクロ
ロホルムと1N塩酸水溶液を加え、有機層を分離する。
さらに5 %炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し、引き続
き(R)−ドデカノイルオキシテトラデカン酸(34.7 m
g, 0.0813 mmol)のメチレンクロリド(3 ml)溶液を加
える。更に、室温で攪拌下、1 −エチル−3 −(3 −ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・
HCl, 31.0 mg, 0.162 mmol)を加える。16時間後、溶媒
を減圧下留去し、薄層クロマトグラフィーにより精製
し、目的化合物XXIVを、融点71.5-72.5 ℃を示す固体化
合物として71.8 mg (収率:38%)で得た。
【0229】IR (KBr)スぺクトル:3341, 1748, 1732,
1651, 1534, 1493, 1464cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ : 0.88
(18H, t, J =6.2Hz ), 1.14-1.66(138H, m), 2.08-
2.61(12H, m), 3.39-3.43(1H, m), 3.60-3.83(5H,m),
3.97-4.10(1H, m), 4.17-4.24(1H, m), 4.29-4.64(9H,
m), 4.99-5.18(5H,m, 1Hを含む, AB-q, J = 12.2Hz at
5.01ppm, 1H, AB-q, J = 12.2Hz at 5.11ppm), 5.28-5.
32(1H, m), 5.47-5.51(1H, m), 6.42(1H, d, J = 7.0H
z), 6.50(1H, d, J = 8.8Hz), 6.83(1H, s), 7.10-7.58
(35H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)24
00.5078(M +Na) +
【0230】
【実施例22】ジフェニルメチル 2、3−アンヒドロ− [7−O−
{2−デオキシ−4−O−ジフェニルホスホノ−2−
{(R)−3−ドデカノイルオキシテトラデカナミド}
−6−O−メチル−3−O−{(R)−3−テトラデカ
ノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラ
ノシル}−3−{(R)−3−ベンジルオキシテトラデ
カナミド}−4−O−{(R)−3−ベンジルオキシテ
トラデカノイル}−3−デオキシ]−D−グリセロ−D
−イド−ヘプトネート(XXIV: R1 = R 2 = (R)−3
−ベンジルオキシテトラデカノイル基, R3 = (R)−
3−ドデカノイルオキシテトラデカノイル基、R4 =
(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル
基、R8 = フェニル基、R10= メチル基) 6 −メチル−2 −トリクロロエトキシカルボニルアミノ
体(化合物XXIII ,189 mg, 0.0930 mmol )について、
実施例21と同様な操作をして、目的化合物XXIVを、融
点49.0-50.0 ℃を示す固体化合物として123 mg(収率:
59%)で得た。 IR (KBr)スぺクトル:1736, 1659, 1536, 1493, 1192,
957cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ:0.88(18H,
t, J =6.3Hz ), 1.23-1.74(120H, m), 2.04-2.68(12
H, m), 3.18(3H, s), 3.18(1H, broad), 3.40-3.98(11
H, m), 4.34-4.68(6H, m), 5.04(1H, d, J = 8.6Hz),
5.12-5.17(2H, m), 5.31(1H, dd, J = 1.3, 9.2Hz), 5.
43(1H, t, J = 9.6Hz), 6.35(1H, d, J =7.3Hz), 6.50
(1H, d, J = 9.3Hz), 6.83(1H, s), 7.14-7.42(30H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)22
80.4871(M +Na)+
【0231】
【実施例23】2、6−アンヒドロ−[ 7−O{2−デオキシ−4−O
−ジフェニルホスホノ−2{(R)−3−ドデカノイル
オキシテトラデカナミド}−3−O−{(R)−3−テ
トラデカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グ
ルコピラノシル}−3−デオキシ−3−{(R)−3−
ヒドロキシテトラデカナミド}−4−O−{(R)−3
−ヒドロキシテトラデカノイル]−D−グリセロ−D−
イド−ヘプトネート(XXV:R1 = R2 = (R)−3−ヒ
ドロキシテトラデカノイル基、R3=(R)−3−ドデ
カノイルオキシテトラデカノイル基、R4 =(R)−3
−テトラデカノイルオキシテトラデカノイル基、R5 =
水素原子、R8 = フェニル基) 実施例21の化合物である1 −ジフェニルメチルカルボ
キシレ−ト体(XXIV,73.4mg, 0.0308mmolの酢酸エチル
(3 ml)溶液に水酸化パラジウム−炭素(73.6mg )を
加えて、水素雰囲気下に、25℃で15時間激しく攪拌後、
濾過した。この濾液を減圧下濃縮し、得られた残査を薄
層クロマトグラフィ−により精製し、目的化合物XXV
を、融点153.0-154.0 ℃を示す固体化合物として33.5 m
g (収率:57%)で得た。
【0232】IR(KBr)スペクトル:3372, 1736, 1664,
1536, 1490, 1467, 1189cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3)δ: 0.88(18H,
t, J =6.5Hz ), 1.20−1.68(120H,
m), 2.17(2H, t, J = 7.6H
z), 2.23−2.52(10H, m), 3.
51−3.59(3H, m), 3.73−4.55
(15H, m), 4.76(1H, q, J =
9.2Hz), 4.93(1H, d, J =
8.1Hz), 5.10−5.17(2H, m),
5.31(1H, t, J = 9.6Hz),
5.47(1H, t, J = 9.7Hz),
6.68(1H, m), 7.12−7.36(10
H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)19
20.2963(M +Na)+
【0233】
【実施例24】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−デオキシ−4−
O−ジフェニルホスホノ−2−O−{(R)−3−ドデ
カノイルオキシテトラデカナミド}−6−O−メチル−
3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラ
デカノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオ
キシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナミ
ド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカノ
イル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトネート(XXV:
1 =R2 =(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル
基、R3 =(R)−3−ドデカノイルオキシテトラデカ
ノイル基、R4 =(R)−3−テトラデカノイルオキシ
テトラデカノイル基、R8 =フェニル基、R5 =メチル
基) 実施例22の化合物である1−ジフェニルメチルカルボ
キシレ−ト体(化合物XXIV, 96.0mg, 0.0425mmol)のテ
トラヒドロフラン(3 ml)溶液に10%パラジウム−炭素
(93.0 mg )を加えて、水素雰囲気下に、25℃で8 時間
激しく攪拌後、濾過した。この濾液を減圧下濃縮し、得
られた残査を薄層クロマトグラフィ−により精製し、目
的化合物XXV を、融点75.0-76.0 ℃を示す固体化合物と
して27.7mg (収率:34%)で得た。
【0234】IR(KBr)スペクトル:3350, 1736, 1190,
1025, 960 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ: 0.88
(18H, t, J =6.5Hz ), 1.14-1.60(120H, m), 2.17-
2.51(12H, m), 3.21(3H, s), 3.24-.4.17(16H, m), 4.4
7-4.54(2H, m), 4.71(1H, q, J = 9.3Hz), 4.93(1H, d,
J = 8.4Hz), 5.10-5.19(2H, m), 5.35-5.42(2H, m),
6.47-6.53(1H, m), 7.15-7.36(10H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)193
4.3162(M +Na)+
【0235】
【実施例25】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−デオキシ−2−
O−{(R)−3−ドデカノイルオキシテトラデカナミ
ド}−4−O−ホスホノ−3−O−{(R)−3−テト
ラデカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グル
コピラノシル}−3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒ
ドロキシテトラデカナミド}−4−O−{(R)−3−
ヒドロキシテトラデカノイル]−D−グリセロ−D−イ
ド−ヘプトニン酸(I:R1 =R2 =(R)−3−ヒド
ロキシテトラデカノイル基、R3 =(R)−3−ドデカ
ノイルオキシテトラデカノイル基、R4 =(R)−3−
テトラデカノイルオキシテトラデカノイル基、R5 =水
素原子、例示化合物No.74) 実施例23の化合物であるジフェニルホスフェ−ト体
(化合物XXV, 32.3 mg,0.0170 mmol )のテトラヒドロ
フラン(2 ml)溶液に酸化白金(II)(32.0 mg)を加
えて、水素雰囲気下に、25℃で18時間激しく攪拌
後、濾過した。この濾液を減圧下濃縮し、得られた残査
を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:エタノー
ル:酢酸:水=8:5:1:1)により精製し、更に以
下の操作により混入するシリカゲルを除去した。すなわ
ち、得られた混合物を4 mlの0.1N塩酸に懸濁し、更にク
ロロホルム5 ml、メタノール10 ml を加えて、溶解す
る。この溶液にクロロホルム5 ml、0.1N塩酸5 mlを加え
ると二層に分離するのでクロロホルム層を分取する。ク
ロロホルムを減圧下留去し、目的化合物Iを、融点155.
0-156.0 ℃を示す固体化合物として15.5 mg (収率:52
%)で得た。
【0236】IR(KBr)スペクトル:3350, 1735, 1663,
1538, 1467, 1174, 1080cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ: 0.88(18
H, t, J =6.4Hz ),1.16-1.68(120H, m), 2.25-2.70(1
2H, m), 3.40-4.74(13H, m), 5.11-5.35(4H, 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ネガティブ)17
44.24015(M-H)- 元素分析値:C95H177N20O23P(分子量:1746.42 ) 計算値(%) C65.34 H 10.60 N1.60 分析値(%) C64.16 H9.61 N1.65
【0237】
【実施例26】2、6−アンヒドロ− [7−{−2−デオキシ−2−O
−{(R)−3−ドデカノイルオキシテトラデカナミ
ド}−6−O−メチル−4−O−ホスホノ−3−O−
{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイ
ル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ−3
−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナミド}−4−
O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル]−D
−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸(I: R1 =R2
=(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル基、R3
(R)−3−ドデカノイルオキシテトラデカノイル基、
4 =(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカ
ノイル基、R5 =メチル基、例示化合物No.30) 実施例24の化合物であるジフェニルホスフェート体
(化合物XXV, 17.3mg, 0.00904mmol)について実施例2
5と同様な操作を行なうことにより、目的化合物Iを、
融点167-170 ℃(dec.)を示す固体化合物として7.8mg
(収率:49%)で得た。
【0238】IR(KBr)スペクトル:3351, 1734, 1664,
1538, 1468, 1162cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ: 0.88
(18H, t, J =6.5Hz ), 1.20-1.65(120H, m), 2.16-
2.76(12H, m), 3.35-5.38(27H, m,3Hを含む, s at3.41p
pm) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)178
2.2542(M +Na)+1
【0239】
【実施例27】ジフェニルメチル 2、6−アンヒドロ− [7−O−
{2−アセタミド−2−デオキシ−4−O−ジフェニル
ホスホノ−6−O−メチル−3−O−{(R)−3−テ
トラデカノイルオキシテトラデカノイル}−β−D−グ
ルコピラノシル}− 3−{(R)−3−ベンジルオキシ
テトラデカナミド}−4−O−{(R)−3−ベンジル
オキシテトラデカノイル}−3−デオキシ]−D−グリ
セロ−D−イド−ヘプトニトネート(XXIV: R1 =R2
=(R)−3−ベンジルオキシテトラデカノイル基、R
3 =アセチル基、R4 =(R)−3−テトラデカノイル
オキシテトラデカノイル基、R8 =フェニル基、R9
メチル基) 実施例20の化合物である6- メチル- 2 -トリクロロ
エトキシカルボニルアミノ体(化合物XXIII,23.3 mg,0.
0115 mmol )の酢酸(1 ml)溶液に亜鉛粉末147 mgを加
えて、2 時間激しく攪拌する。溶液をセライト濾過し、
溶媒を減圧下留去する。引き続きメチレンクロリド3 ml
を加え、室温で攪拌下、1-エチル-3- (3 −ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl, 4.8
mg, 0.025 mmol )を加える。16時間後、溶媒を減圧下
留去し、薄層クロマトグラフィーにより精製し、目的化
合物XXIVを、融点71.5-72.5 ℃を示す固体化合物として
15.9 mg (収率:75%)で得た。
【0240】IR(KBr)スペクトル:3339, 1742, 1654,
1198, 1105, 1056, 956 cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ: 0.88
(12H, t, J =6.4Hz ), 1.11-1.78(82H, m), 1.87(3
H, s), 2.14-2.65(8H, m), 3.21(3H, s),3.35-3.52(4H,
m), 3.58-4.05(6H, m), 4.36(2H, d, J = 1.9Hz), 4.4
0-4.72 (6H, m), 5.10-5.19(1H, m), 5.22(1H, d, J =
8.2Hz), 5.30(1H, dd, J = 9.3, 10.5Hz),5.46(1H, dd,
J = 9.4, 10.0Hz), 6.41(1H, d, J = 7.1Hz), 6.52(1
H, d, J = 9.0Hz), 6.82(1H, s), 7.13-7.39(30H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジチブ)191
4.1450(M+Na)+
【0241】
【実施例28】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−アセタミド−2
−デオキシ−4−O−ジフェニルホスホノ−6−O−メ
チル−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシ
テトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3
−デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカ
ナミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデ
カノイル] −D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸
(XXV:R1 =R2 =(R)−3−ヒドロキシテトラデカ
ノイル基、R3 =アセチル基, R4 =(R)−3−テト
ラデカノイルオキシテトラデカノイル基、R5 =メチル
基、R 8 =フェニル基) 実施例27の化合物である1- ジフェニルメチルカルボ
キシレート体(化合物XXIV, 14.6 mg, 0.00789 mmol の
酢酸エチル(3 ml)溶液に水酸化パラジウム−炭素(1
5.2 mg )を加えて、水素雰囲気下に、25℃で15時間激
しく攪拌後、濾過した。この濾液を減圧下濃縮し、得ら
れた残査を薄層クロマトグラフィ−により精製し、目的
化合物XXV を、融点109.5-110.5 ℃を示す固体化合物と
して7.7 mg(収率:63%)で得た。
【0242】IR(KBr)スペクトル:3500-3300(フ゛ロート゛),
1740, 1655, 1491, 1190cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ:0.88(12
H, t, J =6.5Hz ),1.14-1.59(78H, m), 1.94(3H, s),
2.16-2.56(8H, m), 3.23(3H, s), 3.44-4.03(16H, m),
4.16-4.21(1H, m), 4.48-4.57(2H, m), 4.73(1H, q, J
= 9.3Hz), 4.97(1H, d, J = 8.3Hz), 5.04-5.17(1H,
m), 5.33-5.50(2H, m), 6.45-6.47(1H,m), 7.14-7.40(1
0H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)15
67.9694(M +Na)+
【0243】
【実施例29】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−アセタミド−2
−デオキシ−6−O−メチル−4−O−ホスホノ−3−
O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカ
ノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ
−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナミド}−
4−O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル]
−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸(I: R1
2 =(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル基, R
3 =アセチル基, R4 =(R)−3−テトラデカノイル
オキシテトラデカノイル基, R5 =メチル基;例示化合
物No.13) ジフェニルホスフェ−ト体(化合物XXV, 7.0 mg, 0.004
5 mmol)について実施例25と同様な操作を行なうこと
により、目的化合物Iを、融点152-153 ℃( 分解) を示
す固体化合物として6.3mg (収率:定量的)で得た。
【0244】IR(KBr)スペクトル:3362, 1737, 1665,
1538, 1378, 1172, 1111cm-1 核磁気共鳴スペクトル(270MHz, CDCl3 )δ: 0.88
(12H, t, J =6.2Hz ), 1.11-1.64(82H, m), 2.17-2.
65(11H, m), 3.07-5.10(28H, m) 質量スペクトル(m /z ):FAB マス(ポジティブ)14
15.9036(M +Na)
【0245】
【試験例30】マクロファ−ジ活性試験 ヒト単球系細胞株U937を用いて、in vitroでTNF α
を産生させた。産生されたTNF αはジェンザイム(Genz
yme )社のELISA KIT により定量した。評価方法は、Da
niel-Issakani らの方法(ジャ−ナルオブバイオロジカ
ルケミストリ−、第264 巻20240-20247 頁(1989年)、
[J.Biol.Chem.,264, 20240-20247(1989)] )により行っ
た。10 ng/ml のLPS (リポポリサッカライド)によ
り、6 時間の間にU937細胞105 個につき約1ng のTNF α
が産生された(標準産生量 : l00%とする)。
【0246】マクロファ−ジ活性化試験(アゴニスト試
験)については、LPS 非存在下、実施例化合物によるTN
F αの産生量が標準産生量の50%に達する濃度を求め、
ED50として表した。
【0247】各化合物の細胞毒性については、実施例化
合物存在下での6 時間後のU937細胞の細胞生存率(cell
viability)をMTT 法により測定し、化合物非存在下で
の細胞生存率(cell viability)の50%に抑制する濃度
をCC50で表し、表2に示した。
【0248】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例化合物No. (例示化合物No. ) ED50(mM) CC50(mM) CC50/ED50 ────────────────────────────────── 25(74) 0.173 >50 >290 26(30) 0.0237 >50 >2100 ────────────────────────────────────
【0249】
【試験例31】マクロファ−ジ活性抑制試験(アンタゴニスト試験) LPS 10 ng/ml存在下、実施例化合物存在下でのTNF αの
産生量を標準産生量の50%に抑制する濃度を求め、E
50%として表わした。
【0250】各化合物の細胞毒性については、実施例各
化合物存在下での6 時間後のJ774.1細胞の細胞生存率
(Cell Viability)をMTT 法により測定し、化合物非存
在下での細胞生存率(Cell Viability)の50%に抑制
する濃度をIC50で表し、表3に示した。
【0251】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実施例化合物No. (例示化合物No. ) ED50(nM) IC50(nM) ED50/IC50 ────────────────────────────────── 29(13) <0.5 >5×104 >105 ────────────────────────────────────
【0252】
【発明の効果】本願発明のリピッドA1位カルボン酸誘
導体は、有意なマクロファージ活性化作用を示し、免疫
賦活剤又は抗腫瘍剤として極めて有用であり、また、有
意なマクロファ−ジ活性抑制作用も示し、抗炎症剤、抗
自己免疫疾患剤又は抗敗血症剤として極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 正弘 神奈川県川崎市宮前区宮前平1−4−29− A−101

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異なっ
    て下記(置換基群A)から選択された一種以上の基で置
    換されていてもよいC2 −C20アルカノイル基を示し、
    5 は、水素原子又はメチル基を示し、(置換基群A)
    は、ハロゲン原子、オキソ基、水酸基、C2 −C20アル
    カノイルオキシ基を示す。]で表わされる化合物又はそ
    の塩。
  2. 【請求項2】R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異
    なって下記(置換基群A1 )から選択された一種以上の
    基で置換されていてもよいC4 −C18アルカノイル基を
    示し、(置換基群A1 )は、塩素原子、フッ素原子、水
    酸基、C4 −C18アルカノイルオキシ基を示す請求項1
    に記載の化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異
    なって下記(置換基群A2 )から選択された一種以上の
    基で置換されていてもよいC8 −C16アルカノイル基を
    示し、(置換基群A2 )は、フッ素原子、水酸基、C8
    −C16アルカノイルオキシ基を示す請求項1に記載の化
    合物又はその塩。
  4. 【請求項4】R1 、R2 、R3 及びR4 は、同一又は異
    なって下記(置換基群A3 )から選択されていてもよい
    12−C14アルカノイル基を示し、(置換基群A3
    は、水酸基、C12−C14アルカノイルオキシ基を示す請
    求項1に記載の化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】R1 、R2 、R3 及びR4 は、置換基の位
    置が3位であるC12−C14アルカノイル基を示す請求項
    1に記載の化合物又はその塩。
  6. 【請求項6】R1 及びR2 は、同一又は異なってミリス
    トイル基、3−ヒドロキシラウロイル基又は3−ヒドロ
    キシミリストイル基を示す請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】R1 及びR2 は、3−ヒドロキシミリスト
    イル基を示す請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】R3 及びR4 は、同一又は異なって3−ラ
    ウロイルオキシラウロイル基、3−ラウロイルオキシミ
    リストイル基、3−ミリストイルオキシラウロイル基又
    は3−ミリストイルオキシミリストイル基を示す請求項
    1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】R3 及びR4 は、同一又は異なって3−ミ
    リストイルオキシミリストイル基を示す請求項1に記載
    の化合物。
  10. 【請求項10】R5 は、水素原子又はメチル基を示す請
    求項1乃至9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】R5 は、メチル基を示す請求項1乃至9
    に記載の化合物。
  12. 【請求項12】2、6−アンヒドロ−[ 7−O−{2−
    デオキシ−2−O−{(R)−3−ドデカノイルオキシ
    テトラデカナミド}−4−O−ホスホノ−3−O−
    {(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノイ
    ル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ−3
    −{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナミド}−4−
    O−(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル]−D−
    グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸
  13. 【請求項13】2、6−アンヒドロ−[ 7−O−{2−
    デオキシ−2−O−{(R)−3−ドデカノイルオキシ
    テトラデカナミド}−6−O−メチル−4−O−ホスホ
    ノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオキシテ
    トラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}−3−
    デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナ
    ミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカ
    ノイル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸。
  14. 【請求項14】一般式 【化2】 [式中、R1 、R2 及びR4 は、同一又は異なって下記
    (置換基群A)から選択された一種以上の基で置換され
    ていてもよいC2 −C20アルカノイル基を示し、R3
    は、ホルミル基;又はC2 −C20アルカノイル基を示
    し、R5 は、水素原子又はメチル基を示し、(置換基群
    A)は、ハロゲン原子、オキソ基、水酸基、C2 −C20
    アルカノイルオキシ基を示す。]で表わされる化合物又
    はその塩。
  15. 【請求項15】R1 、R2 及びR4 は、同一又は異なっ
    て下記(置換基群A1 )から選択された一種以上の基で
    置換されていてもよいC4 −C18アルカノイル基を示
    し、(置換基群A1 )は、塩素原子、フッ素原子、水酸
    基、C4 −C18アルカノイルオキシ基を示す請求項14
    記載の化合物。
  16. 【請求項16】R1 、R2 及びR4 は、同一又は異なっ
    て下記(置換基群A2 )から選択された一種以上の基で
    置換されていてもよいC8 −C16アルカノイル基を示
    し、(置換基群A2 )は、フッ素原子、水酸基、C8
    16アルカノイルオキシ基を示す請求項14記載の化合
    物。
  17. 【請求項17】R1 、R2 及びR4 は、同一又は異なっ
    て下記(置換基群A3 )から選択で置換されていてもよ
    いC12−C14アルカノイル基を示し、(置換基群A3
    は、水酸基;C12−C14アルカノイルオキシ基を示す請
    求項14記載の化合物。
  18. 【請求項18】R1 、R2 及びR4 は、置換基の位置が
    3位であるC12−C14アルカノイル基を示す請求項14
    に記載の化合物。
  19. 【請求項19】R1 及びR2 は、同一又は異なってラウ
    ロイル基、ミリストイル基、3−ヒドロキシラウロイル
    基又は3−ヒドロキシミリストイル基を示す請求項14
    に記載の化合物。
  20. 【請求項20】R1 及びR2 は、同一又は異なって3−
    ヒドロキシミリストイル基を示す請求項14に記載の化
    合物。
  21. 【請求項21】R4 は、3−ラウロイルオキシラウロイ
    ル基、3−ラウロイルオキシミリストイル基、3−ミリ
    ストイルオキシラウロイル基又は3−ミリストイルオキ
    シミリストイル基を示す請求14に記載の化合物。
  22. 【請求項22】R4 は、3−ミリストイルオキシミリス
    トイル基を示す請求14に記載の化合物。
  23. 【請求項23】R3 は、ホルミル基;又はC2 −C16
    ルカノイル基を示す請求項14乃至22に記載の化合
    物。
  24. 【請求項24】R3 は、ホルミル基;又はC2 −C12
    ルカノイル基を示す請求項14乃至22に記載の化合
    物。
  25. 【請求項25】R3 は、ホルミル基;又はC2 −C8
    ルカノイル基を示す請求14乃至22に記載の化合物。
  26. 【請求項26】R3 は、ホルミル基;又はC2 −C4
    ルカノイル基を示す請求14乃至22に記載の化合物。
  27. 【請求項27】R3 は、アセチル基又はプロオピオニル
    基を示す請求項14乃至22に記載の化合物。
  28. 【請求項28】R3 は、アセチル基を示す請求14乃至
    22に記載の化合物。
  29. 【請求項29】R5 は、水素原子又はメチル基を示す請
    求項14乃至28に記載の化合物。
  30. 【請求項30】R5 は、メチル基を示す請求項14乃至
    28に記載の化合物。
  31. 【請求項31】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−6−O−メチル−4−O−
    ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
    キシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}
    −3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシドデカ
    ナミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシドデカノ
    イル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸
  32. 【請求項32】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−6−O−メチル−4−O−
    ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
    キシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}
    −3−デオキシ−3−{(R)−テトラデカナミド}−
    4−O−テトラデカノイル]−D−グリセロ−D−イド
    −ヘプトニン酸
  33. 【請求項33】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−6−O−メチル−4−O−
    ホスホノ−3−O−{(R)−3−テトラデカノイルオ
    キシテトラデカノイル}−β−D−グルコピラノシル}
    −3−デオキシ−3−{(R)−3−ヒドロキシテトラ
    デカナミド}−4−O−{(R)−3−ヒドロキシテト
    ラデカノイル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン
  34. 【請求項34】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−4−O−ホスホノ−3−O
    −{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノ
    イル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ−
    3−{(R)−3−ヒドロキシドデカナミド}−4−O
    −{(R)−3−ヒドロキシドデカノイル]−D−グリ
    セロ−D−イド−ヘプトニン酸
  35. 【請求項35】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−4−O−ホスホノ−3−O
    −{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノ
    イル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ−
    3−{(R)−テトラデカナミド}−4−O−テトラデ
    カノイル]−D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸
  36. 【請求項36】2、6−アンヒドロ− [7−O−{2−
    アセタミド−2−デオキシ−4−O−ホスホノ−3−O
    −{(R)−3−テトラデカノイルオキシテトラデカノ
    イル}−β−D−グルコピラノシル}−3−デオキシ−
    3−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカナミド}−4
    −O−{(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイル]−
    D−グリセロ−D−イド−ヘプトニン酸
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005066193A1 (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Sankyo Company, Limited 左糖グルコースリピドa類縁体
JP2005220130A (ja) * 2004-01-08 2005-08-18 Sankyo Co Ltd 左糖グルコースリピドa類縁体
JP2007039450A (ja) * 2005-07-08 2007-02-15 Sankyo Co Ltd 左糖グルコースリピドa類縁体を含有する医薬

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