JP2005219305A - 通気孔を有する射出成形靴の製造装置及び製造方法及び射出成形靴 - Google Patents

通気孔を有する射出成形靴の製造装置及び製造方法及び射出成形靴 Download PDF

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Abstract

【課題】 サイドモールドに通気孔形成のピンを設けた場合サイドモールドが側部方向に移動するため、ピンが通気孔に引っかかり通気孔が破壊されてしまう課題や、ピンの当接圧力が調整できないため、裏布の強度によっては、ピン先の当接圧力に負けて破けたり、傷ついてしまう課題があった。
【解決手段】 ラストモールド1に対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールド2の甲部に対応する部分に複数のピン4を設けてなり、各モールド1、2、3を型組み後、これらのピン4は圧力手段5により、サイドモールド2の表面より突出してラストモールド1に当接可能であるとともに、サイドモールド2の表面より没することが可能である射出成形靴の製造装置、製造方法、及び射出成形靴による。
【選択図】 図2

Description

この発明は、射出成形靴の製造装置及びその製造装置を使用する射出成形靴の製造方法及びその製造装置から製造される射出成形靴に関する。
射出成形靴の製造方法は、伸縮性の裏布を足形をしたラストモールドに吊り込んだ後、ラストモールドの両側方の外面を形成する2つのサイドモールドと、底面を形成するボトムモールドとをラストモールドに適宜の間隔を空けて接近させ、前記4つのモールドから形成される空間に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料が冷却固化した後、脱型して形成される。
射出成形靴は、合成樹脂で一体的に形成されるため、一般的に密閉性が高く通気性が悪いため、水回りの仕事で一日着用する場合、足が蒸れるという問題点があった。そして通気性が悪い問題点を解決するために、従来靴に穴を開けるという従来技術が知られている。
従来の靴の甲部に孔を穿設して排湿性を求めた靴としては、特許文献1(従来技術1)に「ゴム長靴の甲部のつま先部分近くに穿設した多数の通気小孔と、筒状履口前面部よりやや下に設けた排湿口とを、ゴム長靴の外側に形成した排湿道により連絡してなる排湿装置付ゴム長靴」の開示があり、その他多数知られていた。
また、靴の底部に通気孔を穿設する成形方法及びそれに使用する射出成形靴の製造装置としては、特開平10−329237号公報[特許文献2(従来技術2)]に、「ラストモールドとサイドモールドとボトムモールドによってテープ部成形用空間部を画成し、同時にボトムモールドに対して上下摺動自在で且つスプリングで付勢される複数のピンの先端をラストモールド側の中底に当接させて靴底材料を射出しテープ部を成形する。次いでボトムモールドを降下させてソール部成形用空間部を画成すると同時に、ピン先端を中底に当接させたままの状態にし、靴底材料を射出することでソール部を成形する。そしてピンの個所を通気孔として形成する。」との記載がある。
更に特許文献2には、「通気孔成形機構5は、図3に示すようにボトムモールド4を上下に貫通するピン孔10と、このピン孔10に沿って上下に摺動自在なピン11と、前記ピン孔10の下端側開口ネジ部に螺合する調整部材12と、この調整部材12と前記ピン11間に介装される付勢部材としてのスプリング13を備えており、このスプリング13をの付勢力で前記ピン11の先端は、ボトムモールド4の上面より上方に突出している(特許文献2[0018]の欄参照)。」との記載もある。
実願昭49−022843号(実開昭50−112349号)の最初の願書に添付された全文明細書 特開平10−329237号公報
従来技術1には、ゴム長靴の製造方法として、ゴムの甲部のつま先部分近くに穿設した多数の通気小孔が、どのような技術によって穿設されたかの記載はなく、在来からのゴム長靴に通気小孔及び排湿口を穿つ旨の記載がされているのみである。射出成形長靴においても、従来用いられていた通気小孔を設ける手段として、靴にドリル、パンチ等によって通気小孔が開けられていた。射出成形靴では、特に長靴において履き心地を向上させるために合成樹脂を射出する前にラストモールドに布等からなる裏材を吊り込んで裏材と樹脂が一体の靴を成形していた。そのためドリルやパンチ等の穿設工具により通気小孔を設けようとした場合、裏材までも孔を開けて損傷させてしまう問題点があった。また損傷部分に当て布をした場合は、当て布に足爪が引っかかる危険性があった。
従来技術2は、靴底面に通気孔を形成するため、ボトムモールドに設けられるピンが、ボトムモールドに対して上下摺動自在で且つスプリングで付勢され、複数のピンの先端をラストモールド側の中底に当接させて、ラストモールドとの隙間に合成樹脂を射出し固化させた後に、ラストモールドに対してボトムモールドを降下させることによって行っていた。即ち従来技術2の通気孔は、靴底に形成されるため、ボトムモールドを通気孔の孔方向に降下させることによって行われていた。
そのため、ラストモールドに対し足の幅方向に離隔するサイドモールドにおいて、靴の甲部に連通する通気孔を開ける場合、従来技術1のピンがラストモールドへスプリングで付勢されたままの構成では、サイドモールドが合成樹脂の固化後に足の幅方向に離れると、サイドモールドのピンは通気孔の孔方向ではなく、孔の側部方向に移動するため、ピンが通気孔に引っかかり通気孔が破壊されてしまうし、さらに裏材として耐水性の膜状フィルムを用いた場合、これを傷つけてしまうため、使用することができないという課題があった。
また、従来技術2のようにスプリングの付勢力でピンを突出したままラストモールドに被せた裏布に当てる場合、ピンと裏布が擦れるおそれがあるため、傷ついてしまうおそれがあった。
上記課題を解決するために、ラストモールドと、2つのサイドモールドと、ボトムモールドとを型組みして形成される空隙に合成樹脂材料を充填し、少なくとも甲部と靴底部とを同時に成形する射出成形靴の製造装置において、
ラストモールドに対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールドの甲部に対応する部分に複数のピンを設けてなり、各モールドを型組み後、これらのピンは圧力手段により、サイドモールドの表面より突出してラストモールドに当接可能であるとともに、サイドモールドの表面より没することが可能であることを特徴とする射出成形靴の製造装置を提案する。
また、ラストモールドと、2つのサイドモールドと、ボトムモールドとを型組みして形成される空隙に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料を固化させて少なくとも甲部と靴底部を同時に成形する射出成形靴の製造方法において、
ラストモールドに対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールドには甲部に対応する部分に複数のピンが設けてあり、各モールドを型組みするとともに、これらのピンをサイドモールドの表面より突出させてラストモールドに被せた裏布材に適宜の圧力で当接して合成樹脂材料の充填空隙を形成し、この空隙に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料が固化した後、これらのピンをサイドモールドの表面より没しさせ、その後各モールドを離隔することにより、固化した樹脂材料の甲部に複数の通気孔を形成することを特徴とする射出成形靴の製造方法を提案する。
更に、少なくとも通気孔が形成される位置及びその周辺の裏布材は、耐水性と透湿性又は通気性とを有する膜状のフィルムを有してなり、フィルムを合成樹脂材料に接触するようにラストモールドに被せられる裏布材である0013欄記載の射出成形靴の製造方法を提案する。
また、0013欄又は0014欄記載の射出成形靴の製造方法によって製造される射出成形靴であって、形成された通気孔に多孔樹脂弾性体を充填してなることを特徴とする射出成形靴を提案する。
この発明の射出成形靴の製造装置及び射出成形靴の製造方法によれば、ラストモールドに対し左右方向に離隔するサイドモールドの甲部に対応する部分に設けた複数のピンが、圧力手段によりサイドモールドの表面より没することが可能であるため、合成樹脂材料が固化して、これらのピンによって形成された複数の通気孔を破壊することなく成形された射出成形靴を脱型することが可能になった。
また、この発明の射出成形靴の製造装置及び射出成形靴の製造方法によれば、サイドモールドの甲部に対応する部分に設けた複数のピンが圧力手段により、サイドモールドの表面よりラストモールド表面方向へ突出してラストモールドに被せた裏布材へ適宜の調整された圧力により当接可能であるため、ピンによって裏布材や裏布材の膜状フィルムを傷つけるおそれがない。
更に、この発明の射出成形靴の製造方法により製造される射出成形靴は、形成された通気孔に多孔樹脂弾性体を良好に充填することができるものであり、多孔樹脂弾性体を充填したことにより、通気孔に雨水や水道水が溜まらないようにして靴の透湿性や通気性を確保できるし、同様に土や砂が混入しないようにして裏布材の損傷を防止して靴の耐水性を確保する。
この発明の実施形態を示す射出成形靴の製造装置の説明図である図1、図1のA部拡大部分断面説明図である図2、図2のB部拡大説明図である図3、この発明の実施形態を示す射出成形靴の製造装置によって製造された射出成形靴の甲部を示す斜視図である図4に基づいて胴部と甲部と靴底部とからなる長靴を例にとって説明する。
最初に、この発明の実施形態を示す射出成形靴の製造装置について説明する。1はラストモールド、2はサイドモールド、3はボトムモールドである。2つのサイドモールド2、2は、一方がラストモールド1の左の外形状に、他方が右の外形状に対応する凹状表面を有し、ラストモールド1に対し左右方向に接近離隔可能に設けられている。ボトムモールド3は、ラストモールド1の底面側に靴底部を形成可能なようにラストモールド1の底面に対して上昇下降移動可能に設けられている。尚、靴底部については、必ずしも接地底を含んで成形する必要はなく、成形された靴底部に後から別途作製の接地底を接着することもできる。
ラストモールド1、サイドモールド2、2及びボトムモールド3は、型組みされることで合成樹脂材料が充填可能な空隙を形成する。尚、合成樹脂材料としては、2液反応タイプのウレタン樹脂材料や、加熱することで溶融する塩化ビニル樹脂材料等の熱可塑性樹脂材料がある。
以下、この発明を加熱することで溶融する熱可塑性樹脂材料の具体例で説明する。サイドモールド2、2のそれぞれの甲部に対応する部分(特に爪先周辺)には、複数のピン4を分散させて設けている。各モールドの型組み後、複数のピン4のそれぞれは、エアシリンダー等の圧力手段5により、サイドモールド2、2の表面よりラストモールド1方向へ突出して、ラストモールド1を被覆している裏布材10に当接することで合成樹脂材料を充填する空隙8を形成する。更にまた、複数のピン4のそれぞれは、エアシリンダー内に設けられたバネにより、押し戻されてサイドモールド2、2の表面より没する。
複数のピン4のそれぞれは、図3に示すようにエアシリンダー5のピストンロッドの先端に装着されている。また、エアシリンダー5は、取付け治具を介してサイドモールド2に固定されている。そしてエアシリンダー5にエアホース6によりエアが供給されることで、これらのピン4は、サイドモールド2表面より突出してラストモールド1に当接するように構成されている。それぞれのピン4の形状は、円柱形でも多角柱形でもよい。ピン4の数は、4〜15個程度であり、ピン4の先端の面積は、甲部に形成される通気孔7の孔径に対応して1〜10mm程度である。これより通気孔7の孔径を小さくしようとしてピン4を細くすると、裏布材10を損傷するおそれがあるばかりでなく、折角通気孔7を設けたのに透湿効果が小さい。また、これより通気孔7の孔径を大きくしようとしてピン4を太くすると、固化した樹脂材料による抵抗が大となりピン4が戻りづらいばかりでなく、雨水や水道の水が通気孔7に入りやすくなって透湿効果を損ねるおそれがある。
それぞれのピン4は、圧力手段であるエアシリンダー5によりエアホース6を通じてエア圧力をかけることにより移動する。ラストモールド1に被せられる裏布材10に当接する圧力は、1×10〜1×10Paである。ラストモールド1には、ピン4が当接する位置及びその周辺に弾性体(図示せず)が嵌め込まれている。弾性体は、裏布材の損傷をより確実に防ぐためのもので、タイプA硬さで40〜70度、厚さで1〜15mmのものが有効である。
次に、この発明の射出成形靴の製造方法について説明する。この発明は、ラストモールド1と、2つのサイドモールド2、2と、ボトムモールド3とから形成される空隙8に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料が冷却固化した後、脱型してなる射出成形靴の製造方法でに関するもので、ラストモールド1に予め裏布材10を被せることで靴が完成したときに、裏布材が樹脂と一体となるように設けてある。
裏布材10は、布帛を単独で用いても良いが、通気孔7に耐水性や透湿性を付与するために、少なくとも甲部の爪先周辺に対応する部分(ピン4が当接する部分及びその周辺部分)においては、布帛又は布帛とクッション材の積層体に耐水性のフィルムを積層した構造であり、布帛側をラストモールド側に向けてラストモールドに被せられる。布帛又は布帛とクッション材の積層体の存在により、ピン4が裏布材10に当接する際の衝撃を分散し、フィルムの損傷を有効に防止する。また裏布材10は、水はじき性を持たせるために、フッ素系撥水剤やシリコーン系撥水剤で処理することも可能である。
裏布材10に使用する布帛としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、また綿、麻や羊毛等の天然繊維を使用することができ、それぞれ単独または2種以上混合して織物、編み物、または不織布等として使用することができる。クッション材としては、ポリウレタンフォームが使用できる。
また、裏布材10に使用する膜状フィルムとしては、耐水圧(JIS−L1092A法)が、300mmHO以上で、かつ透湿性を有する材料を用いる。例えば、(1)ポリウレタンを主成分とする微多孔質膜、(2)ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする微多孔質膜、(3)透湿性を有するウレタンを主成分とする無孔質膜、(4)透湿性を有するポリブチレンテレフタレートを主成分とする無孔質膜などを使用する。膜状フィルムを有する裏布材10の具体例としては、ポリウレタン樹脂を水に可溶な溶剤に溶解させてなるポリウレタン溶液を布帛に直接又は間接的にコーティングし、これを水中で湿式ゲル化するとともに、溶剤を水により置換して布帛上に膜状のフィルム(ポリウレタン微多孔質膜)を形成することによって得られる積層体が挙げられる。
サイドモールド2、2は、甲部に対応する部分(特に爪先周辺)に複数のピン4を分散させて設けている。尚、爪先周辺とは、足の爪先の上部及び/又は側部に相当する位置のことである。これらのピン4は、エアシリンダー等の圧力手段5により、サイドモールド2、2の表面よりラストモールド1の方向へ突出してラストモールド1を被覆している裏布材10へ適宜の圧力で当接可能である。更にまた、これらのピン4は、エアシリンダー内に設けられたバネにより押し戻されて、サイドモールド2、2の表面より没することができる。
以下この発明の実施形態である製造工程について説明する。ラストモールド1に向かって左右のサイドモールド2、2及びボトムモールド3を接近移動させて各モールドを型組する。この接近移動のとき、それぞれのピン4は、エアシリンダー内のバネによってサイドモールド2、2の表面より没した状態である。
各モールドの型組後、圧力手段であるエアシリンダーによりそれぞれのピン4へエア圧力を加え、サイドモールド2、2の表面より没していたピン4をラストモールド1の方向へ突出させてラストモールド1に被せた裏布材10に当接させることで、合成樹脂材料を充填する空隙8を形成する。このときのそれぞれのピン4が、裏布材10に当接する圧力は、1×10〜1×10Paである。圧力をこれより低くすると、ピン4の先端と裏布材10との間に溶融した合成樹脂材料が入り込み、甲部に形成される通気孔7が塞がってしまう虞れがある。また圧力を、上記より高くすると裏布材10を損傷する虞れがある。また、裏布材10に使用される布帛は、その内部に空隙を含んでいるため、ピン4の先端が裏布材10に当接するときに、緩衝効果があり、フィルムの損傷を防止する作用がある。
次に、各モールドを型組し、それぞれのピン4をラストモールド1を被覆した裏布材10に当接させて形成した空隙8に合成樹脂材料を流し込んで充填させる。そして、合成樹脂材料が冷却固化した後、圧力手段であるエアシリンダー5に加えているエア圧力をゼロにすることでエアシリンダー5内のバネによって、それぞれのピン4を、サイドモールド2、2表面より没しさせる。このピン4の退却移動により、ピン4の位置していた場所は、通気孔7が形成される。
このようにして裏布材と一体であるとともに固化した樹脂材料の甲部に複数の通気孔7を有する射出成形靴を成形し、その後成形した靴を脱型する。
次に、この発明の射出成形靴の製造装置の使用により製造される射出成形靴Sについて説明する。この発明の1つの実施形態である射出成形靴Sは、ラストモールド1に対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールド2、2の甲部に対応する部分に複数のピン4を設けるとともに、これらのピン4は、エアシリンダー5等による圧力手段により、サイドモールド2、2の表面よりラストモールド1方向へ突出してラストモールド1を予め被覆している裏布材10へ1×10〜1×10Pa程度の圧力で当接可能であるとともに、サイドモールド2、2の表面より没することが可能である射出成形靴の製造装置の使用により製造される射出成形靴Sである。
この発明の1つの実施形態である射出成形靴Sは、各モールドを型組みした後エアシリンダー5等の圧力手段により、ラストモールド1を予め被覆している裏布材10へ1×10〜1×10Pa程度の圧力で当接せしめて形成される空隙8に合成樹脂材料を充填し、この状態で合成樹脂材料を冷却固化させ、次にこれらのピン4をサイドモールド2、2の表面より没しさせることにより固化した樹脂材料に通気孔7が形成されるとともに、裏布材10が、通気孔7を覆って樹脂と一体になった射出成形靴を成形し、その後、形成された通気孔7に多孔樹脂弾性体9を充填したものである。通気孔7の総面積は、10〜50mmであればよく、通気孔7の数は、4〜15個程度であればよい。多孔樹脂弾性体9は、好ましくは疎水性(撥水性)の性質を有する材料で形成したり、表面に撥水剤を塗布したものを使用するとよい。
多孔樹脂弾性体9の通気度(JIS−K6400のA法に準拠する)は、20ml/cm・s程度より低いことが好ましく、これより通気度が高いと通気孔に水が侵入しやすくなる。このような多孔樹脂弾性体9は、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、EVA樹脂が利用できる。
この射出成形靴Sは、通気孔7の周りの固化した樹脂材料の縁部分70まで裏布材10が強固に一体的に接着しているため、多孔樹脂弾性体9を通気孔7に挿入する際に裏布材10が挿入ストッパーとして働くために、多孔樹脂弾性体9を確実に通気孔7に詰められるものである。通気孔7の孔径は、ピン4の径に対応して1〜10mm程度であるため、通気孔7における多孔樹脂弾性体9の保持が確実にされる。通気孔7の孔径が大きすぎると、挿入される多孔樹脂体9の保持が難しく、また射出成形靴を実際に着用する場合、通気孔7の位置の裏布材10が破損しやすい欠点がある。
また、多孔樹脂弾性体9を挿入して設ける代わりに、合成樹脂分散液をミキシングして微細な多数の空気粒を形成させ固化する前にそれぞれの通気孔7に充填させ、通気孔7の中で固化させて多孔樹脂弾性体9を形成してもよい。この場合も裏布材10が、ストッパーとして働くので都合がよい。
この発明の射出成形靴の製造方法による甲部の爪先周辺(爪先の上部及び側部)に通気孔を有する射出成形靴と、通気孔の無い射出成形靴との比較を着用試験により行った。湿度センサーを通気性のある中敷の裏側爪先部に装着し、経時で湿度を測定した。室温16℃。
Figure 2005219305
なお、通気孔は、直径2mmのものを爪先周辺に分散させて8個形成し、裏布材のピン当接部及びその周辺には透湿度3000g/cm・24h、耐水性2000mmHOの膜状フィルムを用いた。
射出成形靴、特に水回りで履く長靴として、長靴内部、特に甲部の爪先周辺の透湿性が向上し、足が蒸れにくいとともに、通気孔に撥水性を有する多孔樹脂弾性体を備える靴の製造が可能である。したがって、長靴等の射出成形靴の製造として利用可能性が高い。
この発明の実施形態を示す射出成形靴の製造装置の説明図 図1のA部拡大部分断面説明図 図2のB部拡大説明図 この発明の1実施例である射出成形靴の甲部部分を示す斜視図
符号の説明
S 射出成形靴
1 ラストモールド
10 裏布材
2 サイドモールド
3 ボトムモールド
4 ピン
5 エアシリンダー(圧力手段)
6 エアホース
7 通気孔
70 通気孔の周りの固化した樹脂材料の縁部分
8 空隙
9 多孔樹脂弾性体

Claims (4)

  1. ラストモールドと、2つのサイドモールドと、ボトムモールドとを型組みして形成される空隙に合成樹脂材料を充填し、少なくとも甲部と靴底部とを同時に成形する射出成形靴の製造装置において、ラストモールドに対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールドの甲部に対応する部分に複数のピンを設けてなり、各モールドを型組み後、これらのピンは圧力手段により、サイドモールドの表面より突出してラストモールドに当接可能であるとともに、サイドモールドの表面より没することが可能であることを特徴とする射出成形靴の製造装置。
  2. ラストモールドと、2つのサイドモールドと、ボトムモールドとを型組みして形成される空隙に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料を固化させて少なくとも甲部と靴底部を同時に成形する射出成形靴の製造方法において、ラストモールドに対し左右方向に接近離隔移動するサイドモールドには甲部に対応する部分に複数のピンが設けてあり、各モールドを型組みするとともに、これらのピンをサイドモールドの表面より突出させてラストモールドに被せた裏布材に適宜の圧力で当接して合成樹脂材料の充填空隙を形成し、この空隙に合成樹脂材料を充填し、合成樹脂材料が固化した後、これらのピンをサイドモールドの表面より没しさせ、その後各モールドを離隔することにより、固化した樹脂の甲部に複数の通気孔を形成することを特徴とする射出成形靴の製造方法。
  3. 少なくとも通気孔が形成される位置及びその周辺の裏布材は、耐水性と透湿性又は通気性とを有する膜状のフィルムを有してなり、フィルムを合成樹脂材料に接触するようにラストモールドに被せられる裏布材である請求項2記載の射出成形靴の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3の射出成形靴の製造方法によって製造される射出成形靴であって、形成された通気孔に多孔樹脂弾性体を充填してなることを特徴とする射出成形靴。
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