JP2005219301A - プレス成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製のシート素材が搬送されて載置される下型と、該下型と咬合して型締めを行う上型とを備え、該下型と該上型との型締めによって該シート素材を所定の製品にプレス成形するためのプレス成形装置であって、前記下型はスライダー上に固定されており、該スライダーはスライダーレール上をスライド移動可能に設置されており、該下型と該上型との型開き状態において、該下型は該スライダーが該スライダーレール上をスライド移動し、該シート素材が載置される際の位置と型締めされる際の該上型の下方位置との間を往復可能であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
また、プレス成形後の製品及びスクラップを処理する際の効率の点でも問題がある。例えば、特許文献1においては、図5でプレス成形されたシート素材70が、図6の状態に至るまでに、どのようにして払い出されたのかまでは開示されていない。すなわち、従来の技術では、プレス成形後の製品をプレス成形装置から搬出したり、切り出されたスクラップをリサイクル用に回収することの効率化まではほとんど考慮されていない。
第1の発明に係るプレス成形装置は次の手段をとる。すなわち、樹脂製のシート素材が搬送されて載置される下型と、該下型と咬合して型締めを行う上型とを備え、該下型と該上型との型締めによって該シート素材を所定の製品にプレス成形するためのプレス成形装置であって、前記下型はスライダー上に固定されており、該スライダーはスライダーレール上をスライド移動可能に設置されており、該下型と該上型との型開き状態において、該下型は該スライダーが該スライダーレール上をスライド移動し、該シート素材が載置される際の位置と型締めされる際の該上型の下方位置との間を往復可能であることを特徴とする。
この第1の発明によれば、下型の上方が開放されているので、シート素材を下型に載置する搬送手段を下型の上方に設ける場合であっても、上型による位置的制約を受けることがない。また、前記搬送手段を考慮して、型開き時の上型と下型の間の距離を大きく取る必要がない。
この第2の発明によれば、下型は上型の下方位置をスライド移動してもプレス成形時には適正な位置に位置決めされる。
この第3の発明によれば、プレス成形後の製品又はスクラップを上型から落下させて回収し、プレス成形装置外へ払い出すことができる。
この第4の発明によれば、プレス成形後の製品はワイヤー間を通り抜けられない大きさのため、ワイヤーに引掛かり上段シューターによって回収される。一方、スクラップはワイヤー間を通り抜け、下段シューターによって回収される。これにより、上型からの一回の落下動作で製品とスクラップを個別に回収できる。
この第5の発明によれば、選り分けられたスクラップを回収してすぐに、そのままスクラップ粉砕機に投入することができる。
第1の発明によれば、上型による位置的制約を受けることがないことから、シート素材を下型に載置するための、ベルトコンベアのような搬送機器を配置する際の自由度が広がる。また、型開き時の上型と下型の間の距離を大きく取る必要がないことから、プレス成形時の上型又は下型のいずれかの金型の昇降ストロークを小さくできる。その結果、プレス成形装置の小型化を図ることができ、関連機器を配置する際においても自由度が得られるという効果がある。
また、第2の発明によれば、プレス成形時に上型と下型が適正に咬合することが可能となり、プレス成形装置の動作が確実なものとなる。
また、第3の発明によれば、プレス成形のためだけでなく、製品あるいはスクラップの回収のためにもスライダーの動きを利用することができる。すなわち、スライダーの有効活用を図ることができる。
また、第4の発明によれば、別途作業員や機械に頼らずに、製品とスクラップを選り分けることができる。
また、第5の発明によれば、別途作業員や機械に頼らずに、選り分けられたスクラップをスクラップ粉砕機まで搬送して粉砕後加熱溶融し、シート素材の押出成形工程に戻すことができる。
本実施例に係るプレス成形装置は、シート素材が当該プレス成形工程で通過していく部位を時系列に従って分けると、大きくは4部位に分かれる。すなわち、図1において左方向から右方向に向かって、下型ポジション10、上型ポジション20、スクラップ粉砕機40、及び製品台50の4部位である。
以下、4部位の構造についてそれぞれ詳述する。なお、前述した図5及び図6に示した部材と同じ部材には同一番号を付してある。
一方、上型21の上部は略矩形平板形状の上型固定台22の下面に固定されている。上型固定台22は、その矩形形状の四隅に当たる部分に各隅1本ずつ挿通固定されている略円柱状のガイドロッド23を介して、台座30に固定されている。なお、図1及び図2において、上型固定台22の上部に示されている構造物は上型21及びガイドロッド23を固定等するためのものであり、周知の一般的な構造物である。
図3に良く示されているように、昇降台24の上面には短手方向全体に渡り2本の第2スライダー係合溝25が平行に設けられている。第2スライダー係合溝25は、その両側面が昇降台24の表面から垂直上向きに立設した断面略U字形状のレールであり、下型ポジション10にある第1スライダー係合溝13aと連続したレール溝を形成している。すなわち、下型ポジション10から移動してくるスライダー12が連続的に上型ポジション20までスライド移動できる構成となっている。
以下、時系列に従って、図4(a)〜(e)のそれぞれの状態及びそれに係る動作等について詳述する。
下型ポジション10にて静止・待機状態の下型11にシート素材70が載置される。このとき、上型ポジション20においては、昇降台24がスライダーレール13とほぼ同じ高さで待機している。
また、下型11が固定されているスライダー12の端部に立設されているシューター支持枠15からは、スクラップ粉砕機40及び製品台50までシューター14がたるみのない状態で張設されている。なお、図示は省略するが、下型11へのシート素材70の載置は、ベルトコンベアのような搬送手段により行われる。
下型ポジション10にてシート素材70が載置された下型11が固定されているスライダー12は、スライダーレール13上を上型ポジション20に向かってスライド移動する。そのスライド移動によって、上型21と適正に咬合できる所定の位置に達したスライダー12は、位置決めピン26が昇降台24より突出して、スライダー12の下面に穿設されている係合孔と係合することによって位置決めされる。
このとき、シューター支持枠15より張設されているシューター14は、スライド移動によりスクラップ粉砕機40及び製品台50に近づく。それに伴い、ワイヤー状の上段シューター14aは重力の作用によりたるんだ状態となる一方で、シート状の下段シューター14bは下段シューターガイド27及びスクラップ投入口41内の張力調整機構により、たるまないように調整される。もちろん、このような張力調整機構は上段シューター14aについても設けることが可能である。なお、張力調整機構を設けている理由は、シューター14がたるんでスライダー12と昇降台24の間の間隙に巻き込まれないようにするためである。
上型ポジション20において、上型21と適正に咬合できるよう位置決めされた下型11は、シート素材70を載置したまま、昇降台24の上昇により上型21の中に入り込みプレス成形が行われる。このとき、上型21の中ではシート素材70が所定の形状にプレス成形されて、シート素材70の周辺部が上型21の内壁部に張着する。なお、この張着は上型21と下型11との圧着により自然に生じるものであるが、真空吸着等の手段を用いて確実に張着させる構成としてもよい。
一方、スライダー12の端部に立設しているシューター支持枠15も昇降台24と共に上昇し、上型21の外側において上型21と水平方向に並列する。このとき、シューター支持枠15はスクラップ粉砕機40及び製品台50から遠ざかるため、上段シューター14はたるみがとれて張設されることになる。
上型ポジション20において、上型21の内壁部に張着しているプレス成形後のシート素材71を残し、下型11は昇降台24と共に下降する。昇降台24はスライドレール13とほぼ同じ高さの位置まで、すなわち図4(b)に示されている位置まで下降して停止する。一方、上段シューター14aも図4(b)と同様のたるんだ状態となる。
スライダー12は、上型ポジション20から下型ポジション10までスライド移動し、所定の位置で静止・待機状態となる。このとき、上段シューター14aは図4(a)と同様のたるみのない張設状態となる。この状態のシューター14上に、上型21のカッター機構によって切断分離された製品71及び分割切断されたスクラップ72が、上型21が有する製品落下機構によって落下される。
製品71は、上段シューター14aのワイヤーに引掛かるには十分な大きさのため、いわゆる滑り台状態となっている上段シューター14aの上を製品台50に向かって滑り落ちていく。一方、スクラップ72は、上段シューター14aのワイヤーの間をすり抜け、下段シューター14bのシート上まで落下し、スクラップ投入口41に導かれる。なお、下段シューター14bのシート上にスクラップ72の砕片が引掛かることがあっても、図4(a)〜(e)のサイクルを繰り返す中で自動的にシートからふるい落とされることが期待できる。
10 下型ポジション
11 下型
12 スライダー
12a レール係合部
13 スライダーレール
13a 第1スライダー係合溝
13b レール脚部
14 シューター
14a 上段シューター
14b 下段シューター
15 シューター支持枠
20 上型ポジション
21 上型
22 上型固定台
23 ガイドロッド
24 昇降台
25 第2スライダー係合溝
26 位置決めピン
27 下段シューターガイド
28 昇降台制御部
29 ピン制御部
30 台座
40 スクラップ粉砕機
41 スクラップ投入口
50 製品台
60 ベルトコンベア
61 ベルト
70 シート素材
71 製品
72 スクラップ
Claims (5)
- 樹脂製のシート素材が搬送されて載置される下型と、該下型と咬合して型締めを行う上型とを備え、該下型と該上型との型締めによって該シート素材を所定の製品にプレス成形するためのプレス成形装置であって、
前記下型はスライダー上に固定されており、該スライダーはスライダーレール上をスライド移動可能に設置されており、該下型と該上型との型開き状態において、該下型は該スライダーが該スライダーレール上をスライド移動し、該シート素材が載置される際の位置と型締めされる際の該上型の下方位置との間を往復可能であることを特徴とするプレス成形装置。 - 請求項1に記載のプレス成形装置であって、
前記スライダーが前記上型の下方位置まで移動する際、前記下型が該上型の下方位置に達した時点で該下型位置の位置決めを行う位置決め手段が備えられていることを特徴とするプレス成形装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のプレス成形装置であって、
前記スライダーには、前記上型から落下する製品又はスクラップを受け止め可能なシューターが連結されており、前記下型がシート素材の載置位置に移動した際、該シュータ−は該上型の下方位置に配置する構成であることを特徴とするプレス成形装置。 - 請求項3に記載のプレス成形装置であって、
前記シューターは、複数本のワイヤーを並列に設けた上段シューターと、その下方に設けられたシート状の下段シューターとを備えており、前記下型のスライド移動及び型締めの際の移動に追従する構成であることを特徴とするプレス成形装置。 - 請求項3又は請求項4に記載のプレス成形装置であって、
前記下段シューターはスクラップ粉砕機のスクラップ投入口に導かれており、前記上型から落下したスクラップが該下段シューターから排出されて粉砕される構成であることを特徴とするプレス成形装置。
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