JP2005219240A - 射出成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 平板状の大型樹脂成形品においても、射出成形で成形する際のウエルドマークの発生を極力防止し得る射出成形用金型とすること。
【解決手段】 射出成形用金型100は、キャビティー3内に最初に樹脂を射出する第1ゲートG1と、第1ゲートG1から樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートG2とを少なくとも有する。そして、溝5によって、第1ゲートG1から射出された樹脂を第2ゲートG2が形成された部分に優先的に流動させる。まず一定の方向に樹脂を初期充填させ、次に、その初期充填領域から広がるように樹脂を流動させることによって、広範囲の充填領域をもった薄肉大型成形品のキャビティー内に樹脂を充填させる際のウエルドマークの発生を極力抑えることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 射出成形用金型100は、キャビティー3内に最初に樹脂を射出する第1ゲートG1と、第1ゲートG1から樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートG2とを少なくとも有する。そして、溝5によって、第1ゲートG1から射出された樹脂を第2ゲートG2が形成された部分に優先的に流動させる。まず一定の方向に樹脂を初期充填させ、次に、その初期充填領域から広がるように樹脂を流動させることによって、広範囲の充填領域をもった薄肉大型成形品のキャビティー内に樹脂を充填させる際のウエルドマークの発生を極力抑えることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、溶融樹脂をキャビティー内に射出して樹脂成形品を製造するための射出成形用金型に関するものである。
自動車用の樹脂製サンシェードやバンパー等の、大型薄肉樹脂成形品を射出成形にて製造する場合、各所における充填密度を均一化するために、多点ゲートによる射出成形が用いられる。しかし、多点ゲートによる射出成形は、複数のゲートから溶融樹脂をキャビティー内に射出するため、異なったゲートから射出された溶融樹脂の流動端がキャビティー内で合流する機会が増加し、合流箇所で成形品表面にウエルドマークが生じるという問題が発生する。
上記問題に対応するため、特許文献1においては、それぞれのゲートにおいて逐次的に溶融樹脂がキャビティーに射出されるようにし、かつ、逐次的に射出されるゲートにおける射出タイミングを、そのゲートが形成されるキャビティー部分に溶融樹脂が到達したのを検知した場合に射出を開始するようなタイミングとして、異なるゲートから射出される樹脂の流動端が合流することを防ぎ、ウエルドマークの発生を防止した技術が記載されている。
特開平6−254895
特許文献1に記載の方法は、長尺状の樹脂成形品に対しては有効である。しかし、薄肉平板状の樹脂成形品に適用しようとした場合、ゲート列を複数列設けなければならず、各列から射出された樹脂同士が合流することによりウエルドマークが発生するおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、平板状の大型樹脂成形品においても、射出成形で成形する際のウエルドマークの発生を極力防止し得る射出成形用金型の構造を提供することを技術的課題とするものである。
上記した技術課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
固定型と、該固定型に対して型締め、型開き可能な可動型とを有し、型締めされた可動型と固定型とによって薄肉成形品に対応するキャビティーが形成された射出成形用金型において、
該射出成形金型は、前記キャビティー内に最初に樹脂を射出する第1ゲートと、該第1ゲートから樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートと、前記第1ゲートから射出された樹脂を前記第2ゲートが形成された部分に優先的に流動させる優先流動促進手段とを具備することを特徴とする、射出成形用金型としたことである。
固定型と、該固定型に対して型締め、型開き可能な可動型とを有し、型締めされた可動型と固定型とによって薄肉成形品に対応するキャビティーが形成された射出成形用金型において、
該射出成形金型は、前記キャビティー内に最初に樹脂を射出する第1ゲートと、該第1ゲートから樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートと、前記第1ゲートから射出された樹脂を前記第2ゲートが形成された部分に優先的に流動させる優先流動促進手段とを具備することを特徴とする、射出成形用金型としたことである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、
前記キャビティーは、少なくとも一つの辺を持った断面形状を呈しており、
前記第1ゲート及び前記第2ゲートの位置関係は、前記キャビティーの一辺に略平行となる位置関係であることを特徴としている。
前記キャビティーは、少なくとも一つの辺を持った断面形状を呈しており、
前記第1ゲート及び前記第2ゲートの位置関係は、前記キャビティーの一辺に略平行となる位置関係であることを特徴としている。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2のいずれか1項の発明において、
前記優先流動促進手段は、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの間のキャビティー面に形成された溝であることを特徴としている。
前記優先流動促進手段は、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの間のキャビティー面に形成された溝であることを特徴としている。
上記請求項1の発明によれば、射出成形用金型は、キャビティー内に最初に樹脂を射出する第1ゲートと、第1ゲートから樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートとを、少なくとも有する。そして、優先流動促進手段によって、第1ゲートから射出された樹脂を第2ゲートが形成された部分に優先的に流動させる。従って、第1ゲートから射出された最初の樹脂は、指向性をもってキャビティー内を流動して第2ゲートまで到達し、第1ゲートと第2ゲートとを結ぶ領域に樹脂が初期充填される。その後、第1ゲートからのみならず、第2ゲートからも樹脂が逐次的に射出されるため、初期充填領域から拡散する方向に樹脂の流動が進み、最終的にキャビティーの全領域に樹脂が充填される。
本発明は、上記のようにして、まずは一定の方向に樹脂を初期充填させ、次に、その初期充填領域から広がるように樹脂を流動させることによって、広範囲の充填領域をもった薄肉大型成形品のキャビティー内に樹脂を充填させることができる。即ち、本発明によれば、まず一方向に樹脂を流動させて初期充填させ、次いで、上記一方向とは異なった方向に樹脂を拡散させてキャビティー全体に樹脂を充填させることができるものであり、このようにキャビティー内に射出された樹脂を整然と整理して充填させれば、樹脂の流動端が合流する機会を減少させることができ、その結果、樹脂の合流によるウエルドマークの発生を効果的に防止することができる。
なお、請求項1において、「第1ゲートから樹脂が射出された後に逐次的に樹脂を射出する第2ゲート」とは、第1ゲートからキャビティー内に射出された樹脂が、第2ゲートが位置するキャビティーの領域に拡がってきた後に、第2ゲートから樹脂をキャビティー内に射出する場合における、当該第2ゲートを指す。
請求項2の発明によれば、第1ゲート及び第2ゲートの位置関係が、少なくとも一辺を持つ断面形状を呈するキャビティーの上記一辺に略平行となるように配置されてなるので、第1ゲートから射出された樹脂が第2ゲート側に流動することにより、まず、キャビティーの一辺と平行となる領域に樹脂が充填される。その後、上記充填領域から樹脂が拡がっていくことによりキャビティー全体に充填されることになる。このように、キャビティーの一辺に平行な領域にまず充填し、次いでその領域から拡がるように樹脂を充填するようにして、整然と樹脂をキャビティー内で流動させることができるため、キャビティーの角部等において樹脂が合流してウエルドマークを形成するのを極力防止することができる。
この場合においては、キャビティーの断面形状は、略長方形又は略正方形の形状を呈しているのが最も好ましい。このようなキャビティー断面形状であれば、まず第1ゲートから第2ゲートに向かって樹脂が流動することによって、その断面形状の一辺に平行な領域に樹脂が充填され、次いで、その充填領域から広がるように上記一辺に直行する側の辺に沿って樹脂が流動し、これによりキャビティーの全領域に樹脂が充填される。このため、整然と樹脂がキャビティー内の全領域を充填することができるため、ウエルドマークの発生をより効果的に防止できる。
尚、上記において、キャビティーにおける、「断面形状」とは、パーティング面におけるキャビティーの外形形状のことである。
請求項3の発明によれば、優先流動促進手段として、第1ゲートと第2ゲートとの間のキャビティー面に形成された溝を採用するため、簡単な構成で樹脂を優先的に第1ゲートから第2ゲートに流動させることができる。
上記において、「キャビティー面」とは、射出成形用金型における、キャビティーを形成する部分の面をいう。従って、射出成形用金型が、固定型及び可動型を有しており、キャビティーが両型の合わせ面において形成される場合、固定型と可動型の両方がキャビティー面を持ち、請求項3の発明における「溝」は、固定型のキャビティー面に形成されていても、可動型のキャビティー面に形成されていても良いことになる。
以下、本発明に係わる実施の形態を図面にもとづいて説明する。
(第1実施形態例)
図1は、本発明の実施の形態に係る射出成形用金型のパーティングラインにおける固定型の正面図、図2は図1における固定型をA−A断面で切った場合における、固定型と可動型とを型合わせした状態での断面図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る射出成形用金型のパーティングラインにおける固定型の正面図、図2は図1における固定型をA−A断面で切った場合における、固定型と可動型とを型合わせした状態での断面図である。
図2に示すように、本実施形態における射出成形用金型100は、固定型1及び可動型2を有する。固定型1は、ダイベース等に組み付けられ、可動しないように構成されている。一方、可動型2は、ダイベース等に組み付けられるとともに、油圧シリンダ等で固定型1に対して可動可能とされる。図2においては、可動型2は図示左右方向に移動可能とされ、この移動によって固定型1に対して水平方向に型締め、型開きが可能とされている。
固定型1のパーティング面及び可動型2のパーティング面には、樹脂成形すべき樹脂成形品の外形形状が描かれたキャビティー面が形成される。そして、固定型1に対して可動型2が型締めされた際に、それぞれの型のキャビティー面が合わせられ、成形品の全体形状に対応するキャビティー3が形成される。なお、本例においては、このキャビティー3の形状を、断面が略長方形である薄肉の略平板形状としている。従って、成形される樹脂製品も、薄肉の略平板形状である。
可動型2の内部には、図2に示すように樹脂供給路2aが形成されている。この樹脂供給路2aは、可動型2内に複数形成されており、その各々が、図示せぬ射出成形機の射出ノズルに接続されている。また、各樹脂供給路2aのキャビティー面への開口部分はゲートGとされ、このゲートGを経由して樹脂供給路2aからキャビティー3内に溶融樹脂が射出されることにより、キャビティー3内に樹脂が充填される。
各々の樹脂供給路2aには、開閉バルブ4が取り付けられている。本例において開閉バルブ4は、樹脂供給路2aの断面積よりも小さい径を持った棒状部材として構成され、図示せぬアクチュエータにより軸方向に往復作動可能とされている。また、図に示すように樹脂供給路2aは、ゲートGの近傍ではその断面積が徐々に小さくなるように円錐状に形成されている。従って、開閉バルブ4が図示右方向へ移動した場合に樹脂供給路2aの内壁に当接する位置が存在し、斯かる位置に開閉バルブ4が到達するとゲートGが遮蔽される。また、バルブ4により遮蔽されているゲートGは、バルブ4の図示左方向への移動によって上記当接が解除され、開通させることができる。尚、各樹脂供給路2aは、図示せぬヒータ等の加熱手段によりその感壁面が加熱されており、いわゆるホットランナとして機能する。
図1において、キャビティー3の内部に点線で示された円は、可動型2のキャビティー面に形成されたゲートを示す。図に示すように、ゲートは、キャビティー3の全面に行き渡るように配設される。本例では3行4列の12個のゲートを均等に配置した構成を示してあるが、ゲート位置は、製品形状や使用する樹脂の性状等により、適宜最適位置に配設可能である。
図1に示すように、複数個のゲートのうち、最も上側のゲート列の中央のゲートが第1ゲートG1とされ、その左右のゲートが第2ゲートG2とされる。また、図示上から2番目の列の3つのゲートが第3ゲートG3、3番目の列の3つのゲートが第4ゲートG4、4番目の列の3つのゲートが第5ゲートG5とされる。なお、これらのゲートの番号は、そのゲートから樹脂が逐次的に射出される順番を示す。
また、可動型2のキャビティー面には、本発明の優先流動促進手段として機能する溝5が形成されている。この溝5は、図1及び図2に示すように、第1ゲートG1が形成される部分から、2つの第2ゲートG2が形成される部分を結ぶように、可動型2のキャビティー面に形成されている。溝深さや幅は、製品の特性や、射出樹脂の特性に応じて設定される。また、図から明らかなように、本例において、第1ゲート及び第2ゲートの位置関係は、平板状に形成されたキャビティー3の一辺(図においては上辺若しくは下辺)に略平行となる位置関係とされている。従って、第1ゲートG1と第2ゲートG2とを結ぶように形成された溝5は、キャビティーの断面形状の一辺方向である水平方向に延びていることになる。
キャビティー3内には、図2に示すように表皮材Hがインサートされる。この表皮材は、本例においては固定型1側のキャビティーの全面を覆うようにインサートされる。従って、射出成形により成形されるものは、片面が表皮材で覆われた薄肉平板状の表皮一体成形品となる。このような成形品の具体例としては、自動車のサンルーフ用サンシェードが挙げられる。
また、第1ゲートG1を除く各ゲートGに対面する固定型1の部分には、圧力センサ6が埋設されている。この圧力センサ6によって、その部分の樹脂圧を検知し、その部分に樹脂が流動したか否かを判断する。
また、各樹脂供給路2a内に配設された開閉バルブ4を駆動するアクチュエータ(図示せぬ)は、図示せぬ制御装置に電気的に接続されている。さらに、圧力センサ6も、制御装置に電気的に接続されている。この制御装置は、各圧力センサ6から入力される圧力情報に基づいて、各開閉バルブ4の開閉状態を制御するものである。
上記構成において、以下、樹脂の射出操作について、説明する。
まず、第1ゲートG1以外のゲートに通ずる樹脂供給路2a内に配設された開閉バルブ4を駆動させて、第1ゲートG1以外のゲートを遮蔽しておく。このように第1ゲートG1のみを開通させた状態で、射出成形機から溶融樹脂を射出する。すると、溶融樹脂は各樹脂供給路2aを流れていくが、第1ゲートG1以外のゲートが遮蔽されているためにこれらのゲートから樹脂がキャビティー3内に侵入することができず、溶融樹脂は第1ゲートG1のみを通ってキャビティー3内に充填される。このときの樹脂の流れを図3に示す。尚、図3において、黒く塗りつぶした部分が、樹脂流動部分である。
第1ゲートG1からキャビティー3内に射出された樹脂は、キャビティー3内で広がろうとするが、ここで、第1ゲートG1が形成された部分には溝5が形成されているため、溝5に沿った方向の流動断面積が溝5に沿っていない方向の流動断面積よりも大きいため、樹脂は溝5に沿った方向に優先的に流動する。この溝5は、第1ゲートG1が形成された部分と2つの第2ゲートが形成された部分を結ぶように形成されているので、溝5に沿って流れる樹脂は、第1ゲートG1が形成されている部分から第2ゲートG2が形成されている部分に優先的に流動する。このときの流れを図4に示す。尚、図4において、黒く塗りつぶした部分が、樹脂流動部分である。
キャビティー3内の溶融樹脂が溝5に沿った方向に流動すると、やがて第2ゲートG2が形成された部分にも流動する。第2ゲートG2が形成された部分に対面する固定型1の部分には、圧力センサ6が埋設されているため、この圧力センサ6により第2ゲートG2が形成された部分に樹脂が流動してきたか否かが検知できる。この圧力センサ6で樹脂が第2ゲート部分に流動してきたことを検知した場合若しくは検知して所定時間経過した場合に、第2ゲートG2が形成された樹脂供給路2aに配設された開閉バルブ4を駆動させて、第2ゲートG2を開通させる。従って、樹脂は、第1ゲートG1及び2つの第2ゲートG2から、それぞれ射出されることになる。この場合において、溝5は、平板状のキャビティーの図示水平方向に形成されており、すでにこの部分には樹脂が充填されているため、樹脂はこの部分からキャビティーの図示鉛直方向に向かって流動していく。このときの流れを図5に示す。尚、図5において、黒く塗りつぶした部分が、樹脂流動部分である。
樹脂の流動が更に進み、樹脂が第3ゲートG3が形成された位置に到達したことを、第3ゲートG3に対面する固定型1の部分に埋設された圧力センサ6が検知すると、第3ゲートG3が形成された樹脂供給路2a内に配設された開閉バルブ4が作動し、第3ゲートG3が開通する。その後、第1ゲートG1及び第2ゲートG2が形成された樹脂供給路2a内の開閉バルブ4が作動して、第1ゲートG1及び第2ゲートG2を閉じる。このため、樹脂は、第3ゲートG3のみから射出される。これにより、樹脂がキャビティー3内の更に鉛直方向に向かって流動する。このときの流れを図6に示す。尚、図6において、黒く塗りつぶした部分が、樹脂流動部分である。
樹脂の流動が更に進み、樹脂が第4ゲートG4が形成された位置に到達したことを、第4ゲートG4に対面する固定型1の部分に埋設された圧力センサ6が検知すると、第4ゲートG4が形成された樹脂供給路2a内に配設された開閉バルブ4が作動し、第4ゲートG4が開通する。その後、第3ゲートG3が形成された樹脂供給路2a内の開閉バルブ4が作動して、第3ゲートG3を閉じる。このため、樹脂は、第4ゲートG4のみから射出される。これにより、樹脂がキャビティー3内の更に鉛直方向に向かって流動する。このときの流れを図7に示す。尚、図7において、黒く塗りつぶした部分が、樹脂流動部分である。
そして、樹脂の流動が更に進み、樹脂が第5ゲートG5が形成された位置に到達したことを、第5ゲートG5に対面する固定型1の部分に埋設された圧力センサ6が検知すると、第5ゲートG5が形成された樹脂供給路2a内に配設された開閉バルブ4が作動し、第5ゲートG5が開通する。その後、第4ゲートG4が形成された樹脂供給路2a内の開閉バルブ4が作動して、第4ゲートを閉じる。このため、樹脂は、第5ゲートG5のみから射出される。こうして最終的に第5ゲートG5から樹脂が射出されてキャビティー3の全領域に樹脂が充填される。このときの流れを図8に示す。
以上のようにして溶融樹脂がキャビティー3内に射出充填される。そして、保圧、冷却工程を経てから型開きを行い、成形品を取り出す。
(第2実施形態例)
図9は、本発明の第2実施形態例に係る射出成形用金型のパーティングラインにおける固定型の正面図、図10は図9における固定型をA−A断面で切った場合における、固定型と可動型とが型合わせした状態での断面図であるである。尚、図9及び図10において、上記第1実施形態例で説明した図1および図2と共通するところは、同じ番号で示してある。
図9は、本発明の第2実施形態例に係る射出成形用金型のパーティングラインにおける固定型の正面図、図10は図9における固定型をA−A断面で切った場合における、固定型と可動型とが型合わせした状態での断面図であるである。尚、図9及び図10において、上記第1実施形態例で説明した図1および図2と共通するところは、同じ番号で示してある。
本例において、上記第1実施形態例と異なるところは、キャビティー3内にインサートする表皮材が無いこと、及び、溝5が固定型1に形成されていることである。
表皮材等がキャビティー3内にインサートされている場合、優先流動促進手段としての溝は、表皮材がインサートされている型と反対側の型に設けなければならない。同じ側の型に溝を設けた場合、インサート材によって溝が覆われてしまい、十分に樹脂の優先的な流動を促進しないからである。ところが、本例のようにインサート材が無い場合は、溝に樹脂が充填されるのを妨げる部材がキャビティー内に存在しないため、どちらの型のキャビティー面に溝を設けても構わない。本例では、第1実施形態例と異なり、固定型1のキャビティー面に溝5を設けた構成を示している。
尚、本例においても、溶融樹脂をキャビティー内に射出する上での射出動作は、上記第1実施形態例と同様であるので省略する。
以上のように、上記第1実施形態例及び第2実施形態例によれば、射出成形用金型100は、キャビティー3内に最初に樹脂を射出する第1ゲートG1と、第1ゲートG1から樹脂が射出された後に樹脂を逐次的に射出する第2ゲートG2とを少なくとも有する。そして、優先流動促進手段としての溝5が、第1ゲートG1が形成された部分から第2ゲートG2が形成された部分にかけて形成されている。よって、第1ゲートG1から射出された樹脂は第2ゲートG2が形成された部分に優先的に流動し、第1ゲートと第2ゲートとを結ぶ領域に樹脂が初期充填される。その後、第1ゲートG1からのみならず、第2ゲートG2からも樹脂が逐次的に射出されるため、初期充填領域から拡散する方向に樹脂の流動が進み、最終的にキャビティーの全領域に樹脂が充填される。このようにしてキャビティー内に射出された樹脂を整然と整理して充填させることができるので、樹脂の流動端が合流する機会を減少させることができ、その結果、樹脂の合流によるウエルドマークの発生を効果的に防止することができる。
また、第1ゲートG1及び第2ゲートG2の位置関係が、断面形状が長方形であるキャビティー3の一辺に略平行となるように配置されてなるので、第1ゲートG1から射出された樹脂が第2ゲートG2側に流動することにより、まず、キャビティー3の一辺と平行となる領域に樹脂が充填される。その後、上記充填領域から樹脂が拡がっていくことによりキャビティー3全体に充填されることになる。このようにして整然と樹脂をキャビティー内で流動させることができるため、キャビティーの角部等において樹脂が合流してウエルドマークを形成するのを極力防止することができる。
以上、本発明を具体的に実施の形態に則して説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施の形態においては、優先樹脂流動手段として、キャビティー面に形成された溝を例として説明したが、その他、第1ゲートと第2ゲートとの間のキャビティー面の部分を他の部分よりも高い温度として樹脂の流動性を良好にしておくといった手段等が考えられる。
また、上記実施の形態においては、優先樹脂流動手段(溝5)が水平方向に形成されるように第1ゲート及び第2ゲートが水平方向に配置されているが、これらのゲートを鉛直方向に配置して、優先樹脂流動手段(溝5)を鉛直方向に形成しても良い。
更に、上記実施の形態では、優先樹脂流動手段(溝5)が最も上側の列のゲートを覆うように形成されているが、最も下側の列のゲートを覆うように形成しても、真中の列のゲートを覆うようにしても良い。
更に、上記実施の形態では、型に埋設された圧力センサでその場の樹脂圧を検知することにより各ゲートに樹脂が到達したことを検知し、その検知情報に基づいて各ゲートを開閉制御する例を示したが、圧力センサを省略し、射出成形機から射出される射出樹脂量に基づいて各ゲートを開閉制御することもできる。圧力センサを省略した場合には、圧力センサの故障による設備停止を防止することができるため、量産型に適する。ただし、この場合には、試作型において圧力センサを埋設して実験を繰り返すことによって射出成形機からの射出樹脂量とキャビティー内の各所での充填タイミングとの相関を調査する必要がある。
また、キャビティー形状は、必ずしも平板形状である必要はなく、充填領域が広範囲に及び、多点ゲートによる射出成形が必要なキャビティー形状であれば、適用可能である。
1・・・固定型、 2・・・可動型、 3・・・キャビティー、 4・・・開閉バルブ、 5・・・溝(優先樹脂流動手段)、 6・・・圧力センサ、 100・・・射出成形用金型、
G・・・ゲート、 G1・・・第1ゲート、 G2・・・第2ゲート、 G3・・・第3ゲート、 G4・・・第4ゲート
G・・・ゲート、 G1・・・第1ゲート、 G2・・・第2ゲート、 G3・・・第3ゲート、 G4・・・第4ゲート
Claims (3)
- 固定型と、該固定型に対して型締め、型開き可能な可動型とを有し、型締めされた可動型と固定型とによって成形品に対応するキャビティーが形成された射出成形用金型において、
該射出成形用金型は、前記キャビティー内に最初に樹脂を射出する第1ゲートと、該第1ゲートから樹脂が射出された後に逐次的に樹脂を射出する第2ゲートと、前記第1ゲートから射出された樹脂を前記第2ゲートが形成された部分に優先的に流動させる優先流動促進手段とを具備することを特徴とする、射出成形用金型。 - 請求項1において、
前記キャビティーは、少なくとも一つの辺を持った断面形状を呈しており、
前記第1ゲート及び前記第2ゲートの位置関係は、前記キャビティーの一辺に略平行となる位置関係であることを特徴とする、射出成形用金型。 - 請求項1又は2のいずれか1項において、
前記優先流動促進手段は、前記第1ゲートと前記第2ゲートとの間のキャビティー面に形成された溝であることを特徴とする、射出成形用金型。
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