JP2005218937A - 微粒子製造方法及び微粒子製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造する微粒子の大きさを小さくすることが可能となる微粒子製造方法を提供する。
【解決手段】 微粒子の原料を含む原料気体流ETと当該原料気体流ETを覆う反応気体流GRとを高温雰囲気の反応空間HKに流入させ、前記原料気体流ETの外周部で熱処理によって粒子を生成するとともに、生成した粒子を前記反応気体流GRで冷却して微粒子を製造する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、微粒子の原料物質を高温雰囲気の反応空間に投入して微粒子を製造する微粒子製造方法、及び、その微粒子製造方法に使用する微粒子製造装置に関する。
上記微粒子製造方法及び装置において、従来から、可燃バーナやプラズマ発生ノズル等の熱源ノズルで作り出した高温炎(高温雰囲気の反応空間に対応する)に、金属粉末や金属溶液等の原料物質をノズル等から噴射して微粒子を生成させることが行われている(例えば特許文献1、2、3参照)。
上記特許文献のうち特許文献3には、微粒子の原料物質を含む金属塩水溶液を可燃性液体に乳濁させて作製した原料液を噴霧器でキャリアーガスと共に噴霧してバーナに吹き付け、エマルジョン粒子を覆う可燃性液体の燃焼熱により、金属塩溶液を熱処理(化学反応等による)して核を形成するとともに、冷却過程で核生成と成長を繰り返して、1μm以下の大きさの複合酸化物の微粒子を製造する方法が記載されている。
特開昭60−255602号公報 特開平6−25717号公報 特開平9−262470号公報
しかし、上記特許文献3では、噴霧器によって霧化させた金属塩水溶液をバーナ炎に対して単純に吹き付ける程度のものであり、かかる技術では、製造する微粒子の大きさを所望の大きさ(例えば、粒径100nm以下)まで小さくすることが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造する微粒子の大きさを小さくすることが可能となる微粒子製造方法、及び微粒子製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る微粒子製造方法の第一特徴構成は、微粒子の原料を含む原料気体流と当該原料気体流を覆う反応気体流とを高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料気体流の外周部で熱処理によって粒子を生成するとともに、生成した粒子を前記反応気体流で冷却して微粒子を製造する点にある。
すなわち、上記原料気体流と反応気体流とを高温雰囲気の反応空間に流入させると、反応気体流で覆われた原料気体流の外周部で原料気体流が熱処理されて粒子が生成するが、生成した粒子は反応気体流と共に移動するときに反応気体流によって速やかに急冷されるため、生成した粒子同士の合体・凝集や蒸気の粒子表面への凝縮・反応等によって製造される微粒子の大きさが大きくなる現象が抑制される。
従って、製造する微粒子の大きさを小さくすることが可能となる微粒子製造方法が提供される。
同第二特徴構成は、微粒子の原料物質を含む液滴流を前記反応気体流の内部に位置させた状態で前記反応空間内に噴出し、気化させて前記原料気体流を作る点にある。
すなわち、微粒子の原料物質を含む液滴流を反応気体流の内部に位置させた状態で高温雰囲気の反応空間内に噴出すると、液滴流を構成する液滴が温度上昇及び蒸気圧上昇に伴い蒸発気化し、液滴流が反応気体流で覆われた原料気体流に変化する。
また、液体の噴出は噴出量が安定しているので、微粒子の原料の供給量を所望の値に設定し易く、その結果、粒子生成反応を正確に制御することが可能となる。
従って、微粒子の原料物質を含む液滴流を用いて原料の供給量を適切に設定するとともに、反応気体流で覆われた原料気体流を良好な状態で作り出す微粒子製造方法の好適な実施形態が提供される。
同第三特徴構成は、前記熱処理が前記原料気体流と前記反応気体流との化学反応によるものである点にある。
すなわち、前記原料気体流と前記反応気体流との化学反応によって粒子が生成され、この生成した粒子を前記反応気体流で冷却して微粒子を製造する。
従って、反応気体流を構成する反応気体の種類を変更することにより、製造される微粒子の組成が異なるので、各種の微粒子を製造することが可能となる微粒子製造方法の好適な実施形態が提供される。例えば、反応気体を酸素ガスにすると酸化物の微粒子が得られ、窒素ガスにすると窒化物の微粒子が得られる。
同第四特徴構成は、製造する微粒子の大きさに応じて前記原料気体流の流量に対する前記反応気体流の流量の比を変更設定する点にある。
すなわち、前記原料気体流の流量に対する前記反応気体流の流量の比を大きくすると、微粒子の原料の量が相対的に少なくなり、反応気体の量は相対的に多くなるので、微粒子の原料が熱処理される反応領域の長さが短くなり、生成した粒子が反応領域に滞留する時間が短くなると同時に、反応気体流による冷却作用が強くなるので、粒子同士の合体・凝集や蒸気の粒子表面への凝縮・反応等がより発生し難く、製造される微粒子の大きさが小さくなる。
一方、前記原料気体流の流量に対する前記反応気体の流量の比を小さくすると、微粒子の原料の量が相対的に多くなり、反応気体の量は相対的に少なくなるので、上記反応領域の長さが長くなり、生成した粒子が反応領域に滞留する時間が長くなると同時に、反応気体流による冷却作用が弱くなるので、粒子同士の合体・凝集や蒸気の粒子表面への凝縮・反応等が発生し易く、製造される微粒子の大きさが大きくなる。
従って、原料気体流の流量に対する反応気体流の流量の比を変更することにより、所望の大きさの微粒子を製造することが可能となる微粒子製造方法の好適な実施形態が提供される。
本発明に係る微粒子製造装置の第一特徴構成は、上記第一から第四特徴構成の微粒子製造方法に用いる微粒子製造装置であって、前記微粒子の原料物質を含む原料液を噴出する液体ノズルと、当該液体ノズルの周囲に位置して、前記反応気体流を形成する気体を前記液体ノズルの軸芯方向に沿って噴出する気体ノズルとを備えている点にある。
すなわち、液体ノズルによって微粒子の原料物質を含む原料液を噴出するとともに、液体ノズルの周囲に位置した気体ノズルから前記反応気体流を形成する気体を前記液体ノズルの軸芯方向に沿って噴出すると、液体ノズルから噴射された原料液が気体ノズルから噴射された気体によって霧化されて液滴流になり、さらにこの液滴流が蒸発気化して原料気体流になり、原料気体流とこの原料気体流を覆う反応気体流が形成される。
従って、上記微粒子製造方法において原料気体流及び反応気体流を適切に形成することができる微粒子製造装置が提供される。
同第二特徴構成は、前記気体ノズルが、前記液体ノズルの軸芯方向視において前記液体ノズルに対して同心状に形成されている点にある。
すなわち、液体ノズルの軸芯方向視において液体ノズルに対して同心状に形成された気体ノズルから噴射された反応気体流が液体ノズルから噴射された原料液を同心状に囲むので、原料液が霧化及び気化して生成された原料気体流を流れの中心に位置させる状態で覆う反応気体流が形成される。
従って、原料気体流の外周部の全周に亘って均一に微粒子生成反応を起こさせることが可能な微粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
同第三特徴構成は、前記液体ノズルと前記気体ノズルとを備えてノズルユニットを構成し、その噴射方向が前記反応空間内の1点に集まる当該ノズルユニットの組を少なくとも1組有している点にある。
すなわち、液体ノズルと気体ノズルとを備えた少なくとも1組のノズルユニットから噴射された前記原料気体流及び反応気体流が、前記高温雰囲気の反応空間内の1点に集まって衝突するので、上記各ノズルユニットから噴射された各気体流が上記反応空間を形成する容器壁等に達して粒子が付着し、微粒子として回収できない不都合を抑制することができ、同時に、複数のノズルユニットから同時に多量の原料を供給して多量の微粒子を製造することができる。
従って、微粒子の製造効率を高めた微粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
同第四特徴構成は、前記高温雰囲気の反応空間を作り出す熱源がプラズマ発生装置である点にある。
すなわち、プラズマ発生装置によって高温雰囲気の反応空間を容易に作り出すことができる。従って、適切な熱源を備えた微粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
同第五特徴構成は、前記反応空間を冷却する冷却手段を備えている点にある。
すなわち、反応空間を冷却することにより反応気体流の高温化を防止して、反応気体流による生成粒子に対する急冷効果を高め、生成粒子が成長して大きくなる現象をより一層抑制することができる。特に、融点が低い粒子に対して反応気体流だけでは急冷効果が不足するような場合に有効である。
従って、製造する微粒子の大きさを一層小さくすることが可能となる微粒子製造装置の好適な実施形態が提供される。
本発明に係る微粒子製造方法、及び微粒子製造装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に本発明の微粒子製造方法が適用される微粒子製造システムの主要部の構成を示す。微粒子製造システムは、微粒子製造装置としての反応器10と、反応器10で生成した微粒子を冷却して回収する回収器20等で構成される。尚、図示しないが、反応器10から出た微粒子は冷却塔を通過して冷却された後、回収器20に備えたバグフィルタによって集められる。
また、上記反応器10内の圧力は、回収器20よりも下流側に設けた排気装置によって減圧または加圧状態にされている。ここで、図示しないが、排気装置として、具体的には排気通路に排気用ファンやダンパを設けるとともに、反応器10の内圧が一定圧に維持されるように、反応器10の内圧を測る圧力センサの計測情報に基づいて、上記排気用ファンを駆動するファンモータの回転数をインバータ制御し、あるいは、上記ダンパの開度を変更調整している。このように反応器10の内圧を一定圧に維持することで、後述の反応気体流GRの流速を安定させ、生成される微粒子の大きさ(粒度)が安定する効果が得られる。また、反応器10の内圧を一定圧に維持するためには反応器10以降の配管や冷却塔・回収器などの機器類に圧力センサを設置し、この圧力センサの計測情報に基づいて、上記ファンモータの回転数制御やダンパの開度調整を行うようにしてもよい。
上記反応器10は、粒子出口が先細状に形成された円筒状の容器1あるいは先細状でない円筒に短管をつけた容器を備え、容器1の上部には、容器1の内部に高温雰囲気の反応空間HKを作り出す熱源としてのプラズマ発生装置2が設置されている。プラズマ発生装置2には、放電用のアルゴンガスが供給管7によって供給されている。なお、プラズマ発生装置2に供給するガスは、アルゴンガス単独ではなく、アルゴンガスに例えば20%程度ヘリウムガス、水素ガス又は窒素ガスを加えた混合ガスでもよい。つまり、ガスの種類により熱伝導率が異なるので、プラズマ発生装置2に供給するガスの組成を変更することで、プラズマの温度をコントロールすることができる。
容器1の入口側横壁には、容器1内に噴射方向を向けた1個のノズルユニット3が設置されている。ノズルユニット3は、図2及び図3に示すように、微粒子の原料物質を含む原料液を噴出する液体ノズル4と、液体ノズル4の周囲に位置して、反応気体流GRを形成する気体(具体的には酸素ガス)を液体ノズル4の軸芯方向に沿って噴出する気体ノズル5とを備えて構成されている。尚、上記気体ノズル5には供給管5aによって酸素ガスが供給され、液体ノズル4には供給管4aによって原料液が供給される(図1参照)。
上記気体ノズル5は、液体ノズル4の軸芯方向視において液体ノズル4に対して同心状に形成されている。具体的には、液体ノズル4が円形に形成され、気体ノズル5が、円形の液体ノズル4を中心にした円環に形成されている。なお、図2に各ノズル4,5の構造を模式的に示すが、(イ)は気液外部混合型を示し、(ロ)は気液内部混合型を示す。
なお、ノズルユニット3の構造は、例えば円筒形等の単一の部材内に液体ノズル4及び気体ノズル5用の流路を形成した構造(図2)に限られず、例えば、1本の液体ノズルを中心に配置し、その液体ノズルの周囲に液体ノズルとは別体の複数の気体ノズルを対称に配置したノズルユニットでもよい(図12参照)。
さらに、図示はしないが、本発明の微粒子製造装置は、前記反応空間HKを冷却する冷却手段を備えている。具体的には、前記容器1の外周部に水冷用のジャケットを配置して容器外部から冷却する間接冷却手段、冷却用のガス(酸素ガス等)や液体(水等)を容器1の内部に吹き込む直接冷却手段などを用いることができる。
次に、本発明の微粒子製造方法は、図3に模式的に示すように、微粒子の原料を含む原料気体流ETと当該原料気体流ETを覆う反応気体流GRとを高温雰囲気の反応空間HKに流入させ、前記原料気体流ETの外周部で熱処理によって粒子を生成するとともに、生成した粒子を前記反応気体流GRで冷却して微粒子を製造するものである。
そして、上記熱処理は前記原料気体流ETと前記反応気体流GRとの化学反応によるものである。具体的には、反応気体として酸素ガスを用い、酸化反応(燃焼反応)によって微粒子の酸化物を製造している。
本実施形態では、微粒子の原料物質を含む液滴流ETを反応気体流GRの内部に位置させた状態で高温雰囲気の反応空間HK内に噴出し、気化させて前記原料気体流ETを作っている。すなわち、噴出された液滴流ETが反応空間HK内を進むと、温度上昇に伴って蒸発気化して原料気体流ETに変化する。したがって、ETで表わした流れ部分のうち左側の基部側は液滴流の領域であり、右側の先端側では原料気体流の領域となる。図3中、3は上記液滴流(原料気体流)ET及び反応気体流GRを形成する前記ノズルユニットであり、このノズルユニット3によって、反応気体流GRの円錐の広がり角度θgが液滴流(原料気体流)ETの円錐の広がり角度θeよりも大きくなるように形成している。
以下、本発明の微粒子製造方法による微粒子製造動作について説明する。
(1)粒子は原料気体流ETの外周部(具体的には、原料気体流ETに接する反応気体流GRの界面付近)に発生する反応領域(燃焼部ゾーン)HRで生成される。
(2)反応領域HR内の生成粒子は反応気体流GRの移動速度と同等の速度で移動する。
(3)反応領域HRが長くなってノズルの位置に近づくと(図3(ハ)の状態)、生成粒子が反応領域HR内に留まる滞留時間(高温雰囲気に保持される時間)が長くなり、また、反応気体流GRによる冷却作用も小さくなるので、粒子同士の合体等が促進されて粒子径が大きくなる。
(4)逆に、反応領域HRが短くなってノズルの位置から遠くなると(図3(ロ)の状態)、生成粒子が反応領域HR内に留まる滞留時間(高温雰囲気に保持される時間)が短くなり、また、反応気体流GRによる冷却作用も強くなるので、粒子同士の合体等が抑制されて粒子径が小さくなる。
そして、本発明の微粒子製造方法においては、製造する微粒子の大きさに応じて前記原料気体流(実際は液滴流)ETの流量に対する前記気体流GRの流量の比(以下、気液比と呼ぶ)を変更設定している。
すなわち、気液比が大きい場合は、反応の対象となる液滴流ET内の原料物質の量が少なくなるので前記反応領域HRが短くなり、生成粒子の反応領域HR内での滞留時間が短くなる場合に対応するので、製造される粒子径が小さくなる。一方、気液比が小さい場合は、反応の対象となる液滴流ET内の原料物質の量が多くなるので前記反応領域HRが長くなり、生成粒子の反応領域HR内での滞留時間が長くなる場合に対応するので、製造される粒子径が大きくなる。
図4に、前記気液外部混合型ノズルユニットを用いて、ノズル径0.5mmの液体ノズル4から噴出する原料液の液流量(リットル/min)を変化させるとともに、一定ガス圧(0.55MPa)の条件で、液体ノズル4の外径を1.3mmに固定し、気体ノズル5の内径Rを種々変化させてガス流量を変化させたときに得られる気液比の一例を示す。ここで、液体ノズル4の外周部と気体ノズル5の内周部との間の円環開口からガス(酸素)が噴出する。図4に示すごとく、気液比は、1000から15000を超える値に設定した。なお、上記ガス圧を変化させて気液比を変更することも可能である。
前記ノズルユニット3から噴出した反応気体流GRはノズルからの距離が遠くなるに従い、流速[m/sec]が低下し、流速の低下に伴い滞留時間[msec]も長くなる。このガス流速と滞留時間の変化の様子を、前記気体ノズル5の内径Rを変化させて気液比を変更した場合の計算例について図5及び図6に示す。ここで、前記反応気体流GRの広がり角度θgを18度、原料気体流ETの広がり角度θeを9度にして計算している。なお、図6においてSPで表わす位置が前記容器1内でノズルユニット3から噴出した気体流がプラズマ領域の中心部に当たる位置に対応する。
図5及び図6より、気液比を大きくすると、流速が速くなって滞留時間が短くなり、逆に、気液比を小さくすると、流速が遅くなって滞留時間が長くなるので、粒子径の小さい微粒子を製造するためには、気液比を大きくする必要がある。
図7〜図10に、いくつかの種類の粒子について気液比を変更して、微粒子のBET(比表面積)から換算したBET換算径(nm)の実験データを示す。例えば、粒子径50nmの微粒子を製造するには、粒子の種類によって異なるが、2000から3000程度の高い気液比に設定する必要があることが判る。
微粒子の原料物質としては、例えば、SiOの粒子の場合は、各種のシリコン類(シリコンオイル等)が使用でき、これを一般の溶剤で溶解(希釈混合)して原料液を作製し、前記ノズルユニット3の液体ノズル4に供給する。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、反応気体流GRを形成する気体として酸素ガスを用いて、熱処理として酸化(燃焼)化学反応を起こさせて酸化物の微粒子を製造したが、酸素ガスの代わりに窒素ガスを用いて窒化反応を起こさせて窒化物の微粒子を製造したり、あるいは、過剰のアルゴンガスと少量の酸素ガスを供給した場合には、上記酸化反応が抑制され、原料内に存在する物質との反応、例えば炭化反応により炭化物(例えば、SiC)の微粒子を製造することも可能である。なお、熱処理として、化学反応以外の反応を用いてもよい。
上記実施形態では、原料液を液体ノズル4から噴出して液滴流ETを生成した後、この液滴流ETを蒸発気化させて原料気体流ETを形成するようにしたが、予め作製した原料気体を気体ノズルから噴出して原料気体流ETを形成するようにしてもよい。
上記実施形態では、ノズルユニット3を1個だけ設置する場合について説明したが、複数のノズルユニット3を設置してもよい。この場合、各ノズルユニット3の噴射方向が前記高温雰囲気の反応空間HK内の1点に集まる当該ノズルユニットの組を少なくとも1組有することが好ましい。図11に、1組を構成する2個のノズルユニット3を、各噴出方向が容器1の中心部に発生させた反応空間HK内の1点に集まるように互いに180度をなす状態で対向配置させた場合を示す。また、図12に、2個のノズルユニット3を対向させずに(斜め方向に向けて)反応空間HK内の1点に集まるように配置させた場合を示す。なお、図12では、各ノズルユニット3を、別体の液体ノズル4Aと気体ノズル5Aで構成している。ただし、噴射方向が反応空間HK内の1点に集まる1組を構成するノズルユニット3の数は3個以上でもよい。
さらに、上記噴射方向が1点に集まるノズルユニット3の組を複数組備えてもよいが、この場合に、各ノズルユニット3の組の噴射方向が全て反応空間HK内の同じ点に集まるようにしてもよいが、別な点に集まるようにしてもよい。また、噴射方向が1点に集まるノズルユニット3の組の他に、噴射方向が反応空間HK内の他の点に向いた単独のノズルユニット3を単数または複数設置してもよい。
本発明に係る微粒子製造装置の全体構成を示す断面図 ノズル部の構造を模式的に示す断面図と正面図 本発明に係る微粒子製造方法を模式的に説明する図 気液比を変更するための実験条件を示すグラフ 反応気体流における流速の計算例を示すグラフ 反応気体流における滞留時間の計算例を示すグラフ 気液比と粒子径の関係を示す実験データの一例 気液比と粒子径の関係を示す実験データの一例 気液比と粒子径の関係を示す実験データの一例 気液比と粒子径の関係を示す実験データの一例 別実施形態の微粒子製造装置の要部を示す断面図 他の別実施形態の微粒子製造装置の要部を示す断面図
符号の説明
2 熱源(プラズマ発生装置)
3 ノズルユニット
4 液体ノズル
4A 液体ノズル
5 気体ノズル
5A 気体ノズル
10 微粒子製造装置
ET 原料気体流(液滴流)
GR 反応気体流
HK 反応空間

Claims (9)

  1. 微粒子の原料を含む原料気体流と当該原料気体流を覆う反応気体流とを高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料気体流の外周部で熱処理によって粒子を生成するとともに、生成した粒子を前記反応気体流で冷却して微粒子を製造する微粒子製造方法。
  2. 微粒子の原料物質を含む液滴流を前記反応気体流の内部に位置させた状態で前記反応空間内に噴出し、気化させて前記原料気体流を作る請求項1記載の微粒子製造方法。
  3. 前記熱処理が前記原料気体流と前記反応気体流との化学反応によるものである請求項1又は2記載の微粒子製造方法。
  4. 製造する微粒子の大きさに応じて前記原料気体流の流量に対する前記反応気体流の流量の比を変更設定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子製造方法に用いる微粒子製造装置であって、
    前記微粒子の原料物質を含む原料液を噴出する液体ノズルと、当該液体ノズルの周囲に位置して、前記反応気体流を形成する気体を前記液体ノズルの軸芯方向に沿って噴出する気体ノズルとを備えている微粒子製造装置。
  6. 前記気体ノズルが、前記液体ノズルの軸芯方向視において前記液体ノズルに対して同心状に形成されている請求項5記載の微粒子製造装置。
  7. 前記液体ノズルと前記気体ノズルとを備えてノズルユニットを構成し、その噴射方向が前記反応空間内の1点に集まる当該ノズルユニットの組を少なくとも1組有している請求項5又は6記載の微粒子製造装置。
  8. 前記高温雰囲気の反応空間を作り出す熱源がプラズマ発生装置である請求項5〜7のいずれか1項に記載の微粒子製造装置。
  9. 前記反応空間を冷却する冷却手段を備えている請求項5〜8のいずれか1項に記載の微粒子製造装置。
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