JP2005217312A - Simoxウェーハの製造方法及びその方法で製造されたsimoxウェーハ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入し、この酸素イオンを注入したシリコンウェーハ11を洗浄した後に、このシリコンウェーハ11を熱処理することによりシリコンウェーハ11の内部に埋込み酸化膜を形成する。シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入した後であってシリコンウェーハ11を洗浄する前に、シリコンウェーハ11をフッ酸水溶液12に浸漬してシリコンウェーハ11の表面に形成されたSiO2膜をエッチング処理する工程を更に含む。このエッチング処理時のフッ酸水溶液12のSiO2膜に対するエッチングレートは150〜3000Å/分である。
【選択図】 図1
Description
このように構成された半導体の製造方法では、酸素イオンの注入工程の途中でウェーハを洗浄してパーティクルを除去することにより、その後の酸素イオンの注入時にウェーハのパーティクルによる遮蔽面積を小さくすることができるので、埋込み酸化膜の電流パス欠陥を低減できる。また予めウェーハに表面酸化膜を形成した状態で酸素イオンをウェーハに注入し、ウェーハへの酸素イオンの注入工程の途中で、希フッ酸水溶液を用いて表面酸化膜を除去するので、表面酸化膜の表面に付着したパーティクルが表面酸化膜とともに除去され、ウェーハ表面のパーティクルを効果的に低減できるようになっている。
本発明の目的は、酸素イオン注入時に付着したパーティクルを効率良く除去でき、SIMOX構造における上記SOI層を貫通する深い欠陥を低減できる、SIMOXウェーハの製造方法及びその方法で製造されたSIMOXウェーハを提供することにある。
その特徴ある構成は、シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入した後であってシリコンウェーハ11を洗浄する前に、シリコンウェーハ11をフッ酸水溶液12に浸漬してシリコンウェーハ11の表面に形成されたSiO2膜をエッチング処理する工程を更に含み、このエッチング処理時のフッ酸水溶液12のSiO2膜に対するエッチングレートが150〜3000Å/分であるところにある。
この請求項1に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、シリコンウェーハ11を、ウェーハ11表面のSiO2膜に対するエッチングレートが150〜3000Å/分であるフッ酸水溶液12に浸漬したので、シリコンウェーハ11の表面が高速でエッチングされる。このとき二酸化ケイ素に対するエッチングレートが高いので、ケイ素と酸素の結合を大量に含むパーティクルの強固な結合も切断される。この結果、シリコンウェーハ11表面からほぼ完全にパーティクルを除去できる。
この請求項2に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、酸素イオン注入工程のいずれか1回の注入工程直後、例えば最初の酸素イオン注入直後に、フッ酸水溶液12に浸漬してウェーハ11表面処理を行うと、次の酸素イオン注入前にウェーハ11表面に残っているパーティクルが少なくなる。この結果、パーティクルによる酸素イオン注入の遮蔽効果が少なくなるので、SIMOX熱処理工程を経たウェーハ11表面において、温度23℃での濃度が50重量%であるのフッ酸水溶液12に30分間浸漬した後に観察されるSOI層を貫通する深い欠陥の数を低減できる。
またフッ酸水溶液の温度がこのフッ酸水溶液12の凝固点を越えかつ40℃以下であり、フッ酸水溶液へのシリコンウェーハの浸漬時間が10〜600秒間であることが好ましい。
更にSiO2膜に対するフッ酸水溶液12のエッチングレートをR[Å/分]とし、シリコンウェーハ11のフッ酸水溶液12への浸漬時間をH[秒]とするとき、H≧(1500/R)[秒]となるように上記浸漬時間を設定することができる。
この請求項5に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、シリコンウェーハ11を界面活性剤を添加したフッ酸水溶液12から引上げると、界面活性剤がウェーハ11表面の保護膜として作用するため、パーティクルがウェーハ11表面に再付着するのを防止できる。またこのときウェーハ11を純水にてリンスしても水切れは良好である。
この請求項6に記載されたSIMOXウェーハは、請求項1ないし5いずれか1項に記載の方法により、酸素イオン注入前にウェーハ表面に残っているパーティクルが少なくなって、パーティクルによる酸素イオン注入の遮蔽効果が少なくなるので、温度23℃における濃度50重量%のフッ酸水溶液に30分間浸漬した後に観察されるSOI層を貫通する深い欠陥の数が極めて少なくなる。
またフッ酸水溶液に界面活性剤を添加すれば、シリコンウェーハをこの界面活性剤を添加したフッ酸水溶液から引上げたときに、界面活性剤がウェーハ表面の保護膜として作用する。この結果、パーティクルがウェーハ表面に再付着するのを防止でき、またこのときのウェーハの純水によるリンス後の水切れは良好である。
更に上記方法で製造されたSIMOXウェーハは、温度23℃における濃度50重量%のフッ酸水溶液に30分間浸漬した後に観察されるSOI層を貫通する深い欠陥の数が0.05個/cm2以下と極めて少なくなる。
図1及び図2に示すように、SIMOXウェーハの製造方法は、シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入する工程と、酸素イオンを注入したウェーハ11を洗浄する工程と、この洗浄したウェーハ11を熱処理することによりウェーハ11の内部に埋込み酸化膜を形成する工程とを含む。この実施の形態では、酸素イオン注入を3段階に分けて行う。またウェーハ11の洗浄方法としては、SC−1洗浄液を用いた洗浄方法、硫酸と過酸化水素と純水の混合液を用いた洗浄方法、塩酸と過酸化水素と純水の混合液を用いた洗浄方法、オゾン水及び濃度0.2〜2重量%のフッ酸水溶液を用いた洗浄方法、又はこれらの洗浄方法を組合せた洗浄方法、或いはこれらの洗浄方法とメガソニック洗浄を組合せた洗浄方法などが挙げられる。ここで、メガソニック洗浄とは、0.8〜10MHzの極超音波を被洗浄物に液中で照射する洗浄である。チョクラルスキー法で引上げられたシリコンインゴットはスライスして表面を研磨した後に、第1洗浄工程で洗浄される(図2)。この洗浄されたウェーハ11には、1回目の酸素イオンの注入を行う(第1酸素イオン注入工程)。この酸素イオンの注入は、ウェーハ11を300〜500℃に加熱した状態で酸素イオンのドーズ量が5×1016〜2×1017atoms/cm2で行う。
また、上記SiO2膜に対するエッチングレートが150〜3000Å/分であるフッ酸水溶液に浸漬するウェーハ表面処理に代えてSC−1洗浄液を用いた処理を行っても、SC−1洗浄液のケイ素及び二酸化ケイ素(SiO2)に対するエッチングレートは20Å/分程度が限界であり、その処理時間を長くしてエッチング量を増加させても、除去できない不動点パーティクルが多数残存し、ウェーハの欠陥の原因となってしまう。ここで、不動点パーティクルとは、第2洗浄工程前後において同一位置に残存するパーティクルをいう。
このように製造されたSIMOXウェーハは、酸素イオン注入前にウェーハ表面に残っているパーティクルが少なくなって、パーティクルによる酸素イオン注入の遮蔽効果が少なくなるので、温度23℃における濃度50重量%のフッ酸水溶液12に30分間浸漬した後に観察されるSOI層を貫通する深い欠陥の数が0.05個/cm2以下と極めて少なくなる。
<実施例1〜3>
図2に示すように、チョクラルスキー法で引上げられた直径200mmのシリコンインゴットをスライスして表面を研磨し洗浄(第1洗浄工程)した後に、酸素イオン注入を3回に分けて行った。図1及び図2に示すように、第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハ11を、ウェーハ11表面のSiO2膜に対するエッチングレートが600Å/分(フッ酸水溶液の濃度:10重量%)であって温度が23℃であるフッ酸水溶液12に60秒間浸漬してエッチング処理した。次いでこれらのウェーハ11を純水14のオーバフローするリンス槽13に3分間浸漬した後に乾燥した。次にこれらのウェーハ11を枚葉スピン方式で洗浄した。具体的には、ウェーハ11を1枚ずつ回転させながら、その表面に濃度15ppmのオゾン水を20秒間噴射して洗浄した後に、濃度0.5重量%のフッ酸水溶液を10秒間噴射して洗浄した。これらの洗浄を3回繰返した後(第2洗浄工程)にウェーハを乾燥した。更にこれらのウェーハ11に対して、第2酸素イオン注入工程、第3洗浄工程、第3酸素イオン注入工程、第4洗浄工程を経てSIMOX熱処理を施した。これらのウェーハを実施例1〜3とした。
第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを、ウェーハ表面のSiO2膜に対するエッチングレートが700Å/分(フッ酸水溶液の濃度:50重量%)であって温度が5℃であるフッ酸水溶液に非イオン系界面活性剤を1重量%添加した液に30秒間浸漬してエッチング処理し、更にこれらのウェーハを純水のオーバフローするリンス槽に5分間浸漬したことを除いて、実施例1〜3と同様にして3枚のSIMOXウェーハを作製した。これらのウェーハを実施例4〜6とした。
第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを、ウェーハ表面のSiO2膜に対するエッチングレートが400Å/分(フッ酸水溶液の濃度:25重量%)であって温度が15℃であるフッ酸水溶液に300秒間浸漬してエッチング処理し、更にこれらのウェーハを純水のオーバフローするリンス槽に1分間浸漬したことを除いて、実施例1〜3と同様にして3枚のSIMOXウェーハを作製した。これらのウェーハを実施例7〜9とした。
第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを、ウェーハ表面のSiO2膜に対するエッチングレートが350Å/分(フッ酸水溶液の濃度:2重量%)であって温度が35℃であるフッ酸水溶液にイオン系界面活性剤を3重量%添加した液に500秒間浸漬してエッチング処理し、これらのウェーハを純水のオーバフローするリンス槽に1分間浸漬して乾燥し、更にこれらのウェーハを80℃のSC−1洗浄液(NH4OH:H2O2:H2O=0.5:1:10)に5分間浸漬して洗浄したことを除いて、実施例1〜3と同様にして3枚のSIMOXウェーハを作製した。これらのウェーハを実施例10〜12とした。
チョクラルスキー法で引上げられた直径200mmのシリコンインゴットをスライスして表面を研磨し洗浄(第1洗浄工程)した後に、酸素イオン注入を3回に分けて行った。第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを80℃のSC−1洗浄液(NH4OH:H2O2:H2O=0.5:1:10)に10分間浸漬して洗浄した後(第2洗浄工程)に乾燥した。次にこれらのウェーハに対して、第2酸素イオン注入工程、第3洗浄工程、第3酸素イオン注入工程、第4洗浄工程を経てSIMOX熱処理を施した。これらのウェーハを比較例1〜13とした。
チョクラルスキー法で引上げられた直径200mmのシリコンインゴットをスライスして表面を研磨し洗浄(第1洗浄工程)した後に、酸素イオン注入を3回に分けて行った。第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを枚葉スピン方式で洗浄した。具体的には、ウェーハを1枚ずつ回転させながら、その表面に濃度15ppmのオゾン水を20秒間噴射して洗浄した後に、濃度0.5重量%のフッ酸水溶液を10秒間噴射して洗浄した。これらの洗浄を3回繰返した後(第2洗浄工程)にウェーハを乾燥した。次にこれらのウェーハに対して、第2酸素イオン注入工程、第3洗浄工程、第3酸素イオン注入工程、第4洗浄工程を経てSIMOX熱処理を施した。これらのウェーハを比較例14〜26とした。
第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを、ウェーハ表面のSiO2膜に対するエッチングレートが30Å/分(フッ酸水溶液の濃度:0.5重量%)であって温度が23℃であるフッ酸水溶液に30秒間浸漬してエッチング処理したことを除いて、実施例1と同様にしてSIMOXウェーハを作製した。これらのウェーハを比較例27〜39とした。
<比較例40〜52>
第1酸素イオン注入直後に、これらのウェーハを、ウェーハ表面のSiO2膜に対するエッチングレートが120Å/分(フッ酸水溶液の濃度:2.0重量%)であって温度が23℃であるフッ酸水溶液に30秒間浸漬してエッチング処理したことを除いて、実施例1と同様にしてSIMOXウェーハを作製した。これらのウェーハを比較例40〜52とした。
実施例1〜12及び比較例1〜52のシリコンウェーハの第2洗浄工程前後の不動点パーティクルの除去率を計測した。この不動点パーティクルの除去率は、SurfScan6420(米国KLA-Tencor社製の表面検査装置)を用いて行い、第2洗浄工程前後の粒径0.20μm以上のパーティクルの数を計測した後に、第2洗浄工程後の粒径0.20μm以上のパーティクルの数を、第2洗浄工程前の粒径0.20μm以上のパーティクルの数で除した割合を百分率で表した。その結果を図3及び図4に示す。
図3及び図4から明らかなように、比較例1〜52では、不動点パーティクルの除去率が45〜85%と低かったのに対し、実施例1〜12では、不動点パーティクルの除去率が88〜100%と極めて高くなった。この理由は、酸素イオンを3回に分けて注入するため、2回目の酸素イオン注入直前にパーティクルを少なくしておいたことが、実施例の不動点パーティクルの除去率が極めて高くなったからであると考えられる。即ち、3回目の酸素イオン注入は低温であるため、持込みパーティクルがある程度あっても欠陥核にはならないと考えられる。また注入時間に対してウェーハ表面に滞在時間の長かったパーティクルが欠陥核になるため、1回目及び2回目の酸素イオン注入時に存在したパーティクルは欠陥核になり易く、2回目及び3回目の酸素イオン注入時のみに存在したパーティクルは欠陥核になり難いからであると考えられる。
実施例1、4、7及び10、比較例3〜6及び比較例16〜19の第1〜第3酸素イオン注入工程及びSIMOX熱処理工程を経たシリコンウェーハのSOI層を貫通する深い欠陥の数を計測した。この欠陥の数は、上記ウェーハを濃度50重量%のフッ酸水溶液に23℃で30分間浸漬してSOI層の欠損を顕在化させた後に、この顕在化した欠損の数を光学顕微鏡により観察して測定した。その結果を図5に示す。
図5から明らかなように、比較例3〜6及び比較例16〜19では、SOI層を貫通する深い欠陥の数が17〜26個と多かったのに対し、実施例1、4、7及び10では、SOI層を貫通する深い欠陥の数が0〜5個、即ち直径200mmのSIMOXウェーハでは0.016個/cm2以下と極めて少なくなった。
12 フッ酸水溶液
Claims (6)
- シリコンウェーハ(11)に酸素イオンを注入する工程と、前記酸素イオンを注入したシリコンウェーハ(11)を洗浄する工程と、前記洗浄したシリコンウェーハ(11)を熱処理することにより前記シリコンウェーハ(11)の内部に埋込み酸化膜を形成する工程とを含むSIMOXウェーハの製造方法において、
前記シリコンウェーハ(11)に酸素イオンを注入した後であって前記シリコンウェーハ(11)を洗浄する前に、前記シリコンウェーハ(11)をフッ酸水溶液(12)に浸漬して前記シリコンウェーハ(11)の表面に形成されたSiO2膜をエッチング処理する工程を更に含み、前記エッチング処理時のフッ酸水溶液(12)の前記SiO2膜に対するエッチングレートが150〜3000[Å/分]であることを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。 - シリコンウェーハ(11)への酸素イオン注入を複数回に分けて行い、これらの酸素イオン注入工程のいずれか1回の注入工程直後又は2回以上の各注入工程直後に、前記シリコンウェーハ(11)をフッ酸水溶液(12)に浸漬する請求項1記載のSIMOXウェーハの製造方法。
- フッ酸水溶液(12)の温度がこのフッ酸水溶液(12)の凝固点を越えかつ40℃以下であり、前記フッ酸水溶液(12)へのシリコンウェーハ(11)の浸漬時間が10〜600秒間である請求項1又は2記載のSIMOXウェーハの製造方法。
- SiO2膜に対するフッ酸水溶液(12)のエッチングレートをR[Å/分]とし、前記シリコンウェーハ(11)の前記フッ酸水溶液(12)への浸漬時間をH[秒]とするとき、H≧(1500/R)[秒]となるように前記浸漬時間を設定する請求項1又は2記載のSIMOXウェーハの製造方法。
- フッ酸水溶液(12)に界面活性剤が添加された請求項1ないし4いずれか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
- 請求項1ないし5いずれか1項に記載の方法で製造されかつ温度23℃における濃度50重量%のフッ酸水溶液(12)に30分間浸漬した後に観察されるSOI層を貫通する深い欠陥の数が0.05個/cm2以下であるSIMOXウェーハ。
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