JP2004134600A - シリコンウェハ用洗浄液およびシリコンウェハの洗浄方法 - Google Patents

シリコンウェハ用洗浄液およびシリコンウェハの洗浄方法 Download PDF

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Shinya Hirano
平野 真也
Tomonori Saeki
佐伯 智則
Masaru Tsugane
津金 賢
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Abstract

【課題】下地シリコン表面にダメージを与えず、しかも表面等に付着する金属汚染物質を除去可能な洗浄液を実現する。
【解決手段】上記の目的に対して、組成が重量パーセント表示でフッ化水素:硝酸:界面活性剤が0.1〜7.1:60.0〜69.8:0.3〜2なる範囲の洗浄液、もしくはフッ化水素:硝酸:酢酸が0.4〜0.5:30.0〜60.0:19.0〜55.0なる範囲の洗浄液がシリコン表面の面荒れを抑制し、かつシリコン表面、裏面、ベベル部における金属物質を極めて効果的に除去する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子材料の洗浄方法に関する。詳しくは、半導体Siウェハの製造工程、半導体デバイス製造工程に属する。特にSiウェハに成膜された金属材料のウェットエッチング工程において、Siに対して成膜された金属膜、金属汚染を効果的に除去することができる電子材料の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIに代表される各種デバイスの高性能化、高集積化に伴い、デバイスに使用されている基板表面の清浄化への要求は益々厳しさを増している。汚染の中でも特に金属汚染、パーティクル汚染はデバイスの電気的特性や歩留まりを低下させるため、極力低減する必要がある。
【0003】
近年、半導体基板上の配線材料としてタングステンおよびアルミニウムに代わり、電気抵抗が低くエレクトロマイグレーション耐性が高いCuが主流になっている。Cuは、ドライエッチが困難なこと、深孔へのCVDが困難なため以下のようなプロセスが必要とされる。すなわち、絶縁膜上に微細な溝(配線溝)および孔を形成した後、その内部にCVD、スパッタリング及びめっきといった手法によりCuを埋め込むことによって形成される(ダマシン法)。その後、化学機械研磨(CMP)により不要のCuを除去する。
【0004】
しかし、前述のプロセスでは、Cu原子が絶縁膜中へ拡散しデバイス特性を劣化させることがある。そこで、Cu原子の拡散を防止する目的で、配線溝または孔を形成した絶縁膜上にバリア層を設けることが検討されている。このようなバリア層の材料としては、Ta、TaN等が広く採用されている。
【0005】
Cuは半導体製造工程においてSiウェハ中に容易に拡散し、自己汚染してしまう。また、デバイス面以外の部分(ウェハの裏面、エッジ及びベベル部)に付着したCuは、基板の搬送、保管・処理の工程において、他の製品をCuで汚染させてしまう可能性があるため、Cuの成膜工程やCMP工程直後に完全に除去しなければならない。ここで、ベベルとは、ウェハ周辺部を外周研磨された部分を指し、ウエハのエッジから1ミリと定義する。
【0006】
従来、ウェハの周辺部分およびベベル部分のCu、W、Ta,TaN等の金属を除去する手段としては、従来酸性薬液を用いた裏面周辺洗浄による枚葉洗浄が広く採用されている。特に、ベベル部のCu除去性能を高めるために、特許文献1に裏面周辺洗浄において薬液供給ノズルを複数有し、基板の中心部分と、ベベル部分に一本配置した洗浄方法が開示されている。また、具体的に金属除去に使用されるエッチング液として、特許文献2〜4に詳しく記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−184751号公報
【特許文献2】
特開平6−314684号公報
【特許文献3】
特開平11−302877号公報
【特許公報4】
特開平7−142436号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ウェハの周辺部分およびベベル部分のCu、W、Ta,TaN等の金属を除去する手段として、酸性薬液を用いた裏面周辺洗浄による枚葉洗浄が広く採用されている。
【0009】
単数のノズルを用いた裏面周辺洗浄において、ベベル部の金属を除去するためには高濃度の酸性薬液を使用しなくてはならず、裏面の半導体のダメージが非常に大きいという問題があった。そのため、周辺部から数ミリの成膜しない領域を有した基板(エッジカットウェハ)を用いることで洗浄における負荷を低減する方法が広く用いられている。
【0010】
Cu除去に用いられる洗浄液としては、主に、フッ化水素、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸、燐酸、などの酸性液や複数種の強酸成分を含む混酸液をエッチング液として使用する方法や、このようなエッチング液とNaOH,KOH等のアルカリ性薬液を併用する方法がある。更には上記した特許文献2〜3のフッ化水素、硝酸、酢酸からなる薬液を用いた洗浄法が開示されている。
【0011】
しかしながら、これらの特許文献に開示されているフッ化水素、硝酸、酢酸混合液はSiのエッチングレートが大きい。それによって、エッチングレートが大きくなるとSiのダメージが大きくなる。ここで述べるダメージとは、エッチング量と面粗さと定義する。そのため、これらの組成では、Siウェハ表面の面粗さが、未洗浄のSi表面粗さと同等でほとんどダメージを与えずに金属を除去することは困難であった。
【0012】
本発明は、装置の機構的にも簡便な単数のノズルを用いた裏面周辺洗浄において、エッジカットウェハに限らず、半導体ウェハ全面に金属を成膜したウェハを用いても、半導体基板にダメージを与えること無しにウェハの周辺部分およびベベル部分のCu、W、Ta,TaNを除去することが出来る薬液を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特に配線用材料として用いられているCuのウェット洗浄に際し、下地となるSiウェハのエッチングが殆ど無く、表面の面荒れを起こすことなしに、Cu等の金属を除去できる薬液および洗浄方法を提供する。
【0014】
発明者の検討結果によれば、上記課題は以下の2種類の洗浄液を用いることで解決できることが明らかになった。即ち、ひとつはフッ化水素を0.1重量%以上7.1重量%以下の濃度で含有し、硝酸を60.0重量%以上69.8重量%以下の濃度で含有し、かつ、0.3〜2重量%以下の界面活性剤を含有してなる洗浄液である(以下、洗浄液1とする)。また、もうひとつはフッ化水素を0.4重量%以上0.5重量%以下の濃度で含有し、硝酸を30.0重量%以上60.0重量%の濃度で含有し、酢酸を19.0重量%以上55.0重量%以下の濃度で含有してなる洗浄液(以下、洗浄液2とする)である。
【0015】
これらの洗浄液を用いてシリコン表面の洗浄を行った結果、何れの組成を有する洗浄液においてもSi表面およびベベル部分におけるCu等の金属除去能力に優れていることが明確になった。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
洗浄液1、2は、ともに、Siのエッチング時に、エッチング後のSi表面のラフネスRa’(nm)が、未エッチングウェハのRa(nm)に比較し、Ra’/Ra≦2.0を満足する時間を有することを特徴とし、その時間がエッチング開始から1min以上持続することが可能である。この面粗さRa’/Raが2.0という値は、現在のLSI製造工程で最も、シリコンウェハの面粗さが要求されるゲート工程においては、面粗さは1nm以下である。本発明を検討するにあたり使用したSiウェハは、面粗さがRa=0.10 nmのシリコンウェハであった。
【0017】
洗浄液1、2による、請求項1に示すSiのダメージ抑制保持時間においては、Ra’は0.20を超えることは無く、ゲート工程においての要求も満足する。
我々の詳細な検討では、例えば信越化学製の製品グレードのS525ウェハ(Raが〜0.10nm)においても、洗浄後のRa’がRaと殆ど同レベルである保持時間は最短でもエッチング開始から、1分間以上であった。また、この時間内では、Siは洗浄液によるエッチングは無い。
【0018】
しかしながら、洗浄液1、2は、このSiがダメージを受けない時間内においても、Si表面およびベベル部分のCu等の金属除去能力に優れている。この際、初期濃度が〜5.0×1014atoms/cm程度のCuを少なくとも、1分未満の洗浄で5.0×1011atoms/cm以下まで除去できる。
【0019】
洗浄液1は、フッ化水素、硝酸、パーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤からなることを特徴としている。我々の詳細な検討によると、特許文献4に開示されているような、耐酸性に優れるパーフルオロアルキル基を有するアニオン、カチオン性界面活性剤を1重量%添加しても、請求項1および2に示したSiのダメージ抑制時間は確認できず、我々の目標は満足しなかった。
【0020】
洗浄液1の組成を有するフッ化水素、硝酸混合液に添加して、Siダメージ抑制効果のある界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤のみであった。
【0021】
洗浄液2は、フッ化水素を0.4重量%以上0.5重量%以下の濃度で含有し、硝酸を30.0重量%以上60.0重量%の濃度で含有し、酢酸を19.0重量%以上55.0重量%以下の濃度で含有してなる洗浄液である。フッ化水素、硝酸、酢酸の混酸を用いるSi洗浄液は、先の特許文献2〜3に開示されている。
【0022】
特許文献2では、重量%比でHF/HNO=0.30〜0.40、(HF+HNO)/CHCOOH=0.80〜3.00、(HF+HNO)/HO=0.80〜2.90の組成からなる薬液にSiを0.36〜2.90 mol/l溶解したことを特徴とする薬液である。
【0023】
本発明である洗浄液2の組成は、重量%比でHF/HNO=0.008〜0.015と非常にフッ化水素濃度が低く、エッチングレートが低い。そのため、Siのダメージ抑制効果は洗浄液2の方が高い。 我々の詳細な検討により、洗浄液2の有する低フッ化水素濃度からなる組成において初めて、請求項1に記載の、Siに対するダメージ抑制効果が得られる。
【0024】
特許文献3には、フッ化水素を5〜20重量%、硝酸を15〜30重量%、酢酸の混酸に、混酸と同体積の水を混合した薬液で、酸性成分を20〜50重量%含有する洗浄液を提示した。同公報には、酢酸の添加量は明記されてないが、酸性成分から計算すると0〜30重量%である。同公報において、考えられるHF/HNOを重量%比にて表すと0.166〜1.333である。
【0025】
本発明の洗浄液2については、HF/HNOは、0.006〜0.016である。この洗浄液2はきわめてフッ化水素濃度が低く、エッチングレートは低い。例えば、同混酸濃度においても、Siのエッチングレートに大きな違いがある。洗浄液2において最も酢酸濃度の低い19.0重量%の組成を持つ薬液においても、Siのエッチングレートは約80nm/minである。
【0026】
特許文献3中の代表的図面に記載の同じ混酸濃度を持つ薬液のエッチングレートは約0.2μm/secであり、150倍ときわめて高エッチングレートである。洗浄液2はエッチングレートから明らかなようにSiに対するダメージ抑制効果は優れている。我々の詳細な検討により、洗浄液2の有する低フッ化水素濃度からなる組成において初めて、請求項1に記載の、Siに対するダメージ抑制効果が得られる。
【0027】
以下にこの発明の実施例を図に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の洗浄液の典型的な例として、0.4重量%のフッ化水素、69.4重量%の硝酸にパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤を1重量%添加した洗浄液を用いて洗浄を行った場合の、Si面上のCu除去性能とSiの面荒れ比Ra’/Raを示した。横軸は、エッチング時間である。
【0028】
Siウェハは、Si(100)の製品グレードを用いた。このウェハの洗浄液によるエッチングによる面荒れを評価するために、あらかじめこのウェハの面粗さを原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)によって測定した。須く、面粗さRaは〜0.1nmであった。まず、このウェハをDHF(1:99)で20secのエッチングを行い表面の自然酸化膜を除去し、撥水性表面で、自然酸化膜が除去されたことを確認した。
【0029】
次に、本発明の洗浄液を用い、薬液温度25℃によるエッチングを所定時間行った。さらに10minの純水によるリンスを行った後、面粗さをAFMで測定した。図1に示すように、3minのエッチングを行っても、面荒さはRa’/Ra=2と、新品ウェハ同等の面粗さ維持していることわかる。
【0030】
しかしながら、このSiの面荒れ抑制効果はパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤の添加による効果であり、パーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤を添加しないフッ化水素、硝酸のみからなる洗浄液の場合は、エッチング開始後30secでRa’は2nmを超えてしまう。
【0031】
次に、Si上にCuをスパッタしたウェハを用いて、Cuの除去性能を評価した。まず、Cu成膜Siウェハを硫酸と過酸化水素水と水の混合液(容量比1:10:9、以後SPM(1:10:9と略す))、5minのエッチングにて汚染レベルまで除去する。この処理による残留Cu濃度を全反射蛍光X線(TXRF;Total X−Ray Reflection Fluorescence)により測定した。この(汚染濃度)初期濃度は概して、〜1×1014atoms/cmである。その後、本発明の洗浄液で所定時間のエッチングを施し、純水による10分間のリンスを行った後、残留Cu濃度を測定する。
【0032】
図1より、該洗浄液によるエッチングによれば、Siの面荒れが進行しなかったエッチング時間において、特に1minのエッチングでも、残留Cu濃度が5×1011atoms/cmに到達し、エッチング時間2minではTXRFの測定限界まで残留Cuが除去されることが分かった。
【0033】
図2、図3には、フッ化水素を0.1重量%以上7.1重量%以下の濃度で含有し、硝酸を60.0重量%以上69.8重量%以下の濃度で含有し、かつ、0.3重量%以上2重量%以下の界面活性剤を含有してなる洗浄液(1)の、エッチング時間1minにおける残留Cu濃度とSiの面荒れ比Ra’/Raを比較した。横軸には、フッ化水素、硝酸の重量%比を用いた。
【0034】
図2には、パーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤を1重量%添加した洗浄液のエッチング時間1minにおける残留Cu濃度とSiの面荒れ比Ra’/Raを比較した。図3には、パーフルオロアルキル基を有するアニオンおよび、カチオン性界面活性剤を1重量%添加した洗浄液のエッチング時間1minにおける残留Cu濃度とSiの面荒れ比Ra’/Raを比較した。使用したウェハは、Si(100)ウェハの鏡面にTa膜を膜厚20nmで全面スパッタし、その上にTaNを膜厚20nmで全面スパッタし、その上にCuを150nmの膜厚でウェハ表面に全面スパッタ成膜したウェハを用いた。
【0035】
本評価には、図4に示すスピン式洗浄法を用いた。ここで述べるスピン式洗浄法とは、ある回転数で回転するステージに保持されたSiウェハに、その中央部上方に位置したノズルから、ある流量、温度に制御された洗浄液をウェハ中央部に落下させる洗浄法である。ウェハに接触した薬液は、その後、ウェハの周辺に拡がりながら、ウェハの裏側まで回り込む。この回り込み長は、薬液の流量、ウェハの回転数にも依存するがエッジから数mmである。また、ここで述べる、スピン洗浄時のウェハの表裏はノズルを向いている面を表面、回転ステージ側を裏面と定義する。
【0036】
面荒れ評価は、Si(100)ベアウェハを用い、Siウェハ表面の中央部について評価した。なお、Cuの除去性能評価は、Cu膜をSPM(1:10:9)により5minのエッチングを行い、汚染レベルまで除去したのち行った。
【0037】
図2における、ウェハのベベル部のCuエッチングは、スピン洗浄法において基板を裏返し、TaN,Ta,Cu成膜面が裏側となるように設置し、上記した薬液の回り込みを利用して行う(裏面周辺洗浄)。
【0038】
つまり、TaN,Ta,Cu成膜面は薬液とは直接接触せず、Si面のみが薬液と接触する。ここでも、Cuの除去性能評価は、CuをSPM(1:10:9)、5minのエッチングにて汚染レベルまで除去した後に行った。面部の残留Cu濃度はTXRFにより、ベベル部の残留Cu濃度は、容量結合型質量分析法(ICP−MS;Inductively Coupled Plasma−Mass Spectrometry)により評価した。
【0039】
図2に示すように、Cuの除去性能は、面上Cuよりベベル部のCuが若干劣る。この現象は、薬液の回り込みによってエッチングされるベベル部のTa,TaNのエッチングレートが面のTa,TaNエッチングレートより劣るためと推測する。しかしながら、フッ化水素/硝酸の重量%比が>0.002になると、1minのエッチングにより、面上、ベベル部の残留Cu濃度はともに5×1011atoms/cm以下に除去される。
【0040】
一方、Siの面荒れ抑制効果は、フッ化水素/硝酸の重量%比が大きくなれば、面荒れ抑制時間は短縮される。1minのエッチングでRa’/Raが〜1を保持することが可能なHF/HNOは、0.0012〜0.06の範囲であった。この領域では、エッチング開始から1min以上のSiの面荒れ抑制時間を保持し、1min未満のエッチング時間で面上、ベベル部の残留Cu濃度はともに5×1011atoms/cm以下まで除去することが可能である。HF/HNOが0.06を超えてしまうと、Ra’/Ra<2の保持時間はエッチング開始から1分未満となる。
【0041】
図3に示す、カチオン性、アニオン性の界面活性剤を添加した洗浄液については、Cuの除去性能は、図2のノニオン性の界面活性剤を添加した洗浄液とほぼ同じ特徴を有している。やはり、Cu除去性能は面上Cuよりベベル部のCuが若干劣る。しかしながら、フッ化水素/硝酸の重量%比が>0.002になると、1minのエッチングにより、面上、ベベル部の残留Cu濃度はともに5×1011atoms/cm以下に除去される。
【0042】
一方、Siの面荒れ抑制効果界面活性剤の種類により明白な違いが確認された。アニオン性の界面活性剤を添加した洗浄液についてはノニオン性界面活性剤を添加した洗浄液のようなSiの面荒れ抑制効果は無く、今回我々が評価した薬液の組成で最もフッ酸濃度の低いフッ化水素/硝酸の重量%比が0.0012であってもRa’/Raは約10と顕著な面荒れが生じる。また、カチオン性の界面活性剤を添加した洗浄液はフッ化水素濃度が低い場合のみSiの面荒れ抑制効果が見られたが、フッ化水素濃度が高くなると面荒れが顕著になる。これは、カチオン性界面活性剤のSi表面吸着よりもSiエッチング速度の方が早いことを示唆している。
【0043】
図5には、フッ化水素、硝酸混合液にノニオン性界面活性剤を添加し、Siの面荒れ抑制効果を有する最適添加量を検討した。エッチング時間は1minである。ノニオン性界面活性剤の添加量は0.1重量%〜2重量%について評価を行った。
【0044】
ノニオン性界面活性剤の添加量が0.1重量%の場合は、フッ化水素/硝酸の重量%比が0.002以下の低濃度フッ化水素の領域のみSi面荒れ抑制効果が確認された。ノニオン性の界面活性剤の添加量が0.3重量%になると、フッ化水素/硝酸の重量%比が0.02以下の領域まで、面荒れ抑制効果が見られるようになったが、この範囲よりフッ化水素濃度が高くなると面荒れの抑制効果は低下してしまった。
【0045】
ノニオン性の界面活性剤の添加量が0.5重量%の場合は、図2における、添加量が1.0重量%とほぼ同等の面荒れ抑制効果が確認され、フッ化水素/硝酸の重量%比が0.06の高フッ化水素濃度の範囲まで面荒れ抑制効果を保持していた。ノニオン性の界面活性剤の添加量が2重量%の場合は、さらに高フッ化水素濃度である、フッ化水素/硝酸の重量%比が0.2の場合でもRa’/Ra<2.0を保持していた。
【0046】
このように、Siの面荒れを抑え、Cuを除去出来る洗浄液の組成は、好ましくは、フッ化水素が0.2〜3.8 wt%、硝酸が64.6〜69.7 wt%の範囲であり、好適な界面活性剤はパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤であり、その添加量は0.3〜2重量%であり、特に望ましくは0.5〜1.0重量%である。この範囲より多く添加してもSi面荒れ抑制効果には変化が無く、泡立ちが顕著となり、廃液の問題などから好ましくない。
【0047】
図6には、フッ化水素を0.4重量%以上0.5重量%以下の濃度で含有し、硝酸を30.0重量%以上60.0重量%の濃度で含有し、酢酸を19.0重量%以上55.0重量%以下の濃度で含有してなる洗浄液のCu除去性能とSiの面荒れ比Ra’/Raを評価した。同図には、1minのエッチング時間による残留Cu濃度とそのときのSiの面荒れ比Ra’/Raを示した。横軸には、硝酸/酢酸の重量%比を用いた。ここで、フッ化水素濃度は0.45〜0.48重量%である。
【0048】
使用したウェハは、図2にて使用したウェハと同仕様である。Si(100)ウェハの鏡面にTa、TaNのバリアメタルをSiウェハ全面に所定膜厚スパッタ成膜し、その上にCuをウェハ全面にスパッタ成膜したウェハを用いた。洗浄方法は、図4に示すスピン式洗浄法を用いた。面上およびベベル部のCu除去性能およびSi面荒れの評価方法も同様である。
【0049】
図6に示すように、Cuの除去性能は面上よりベベル部のCuが若干劣るが、硝酸濃度が高くなり硝酸/酢酸濃度の重量%比が>0.6になると、1minのエッチングでも面上、ベベル部の残留Cu濃度は5×1011atoms/cmを達成する。
【0050】
一方、Siの面荒れは、硝酸/酢酸の重量%比が2.0まではRa’/Ra=〜1と面荒れはなく、硝酸/酢酸の重量比が2.8でもRa’/Ra<2と小さい。このように、硝酸/酢酸濃度の重量%比が0.6以上2.8の範囲では、Siの面荒れはほとんど無く、Ta,TaN上に成膜されたCuおよび、Ta,TaN上に成膜されたベベル部のCuのみが洗浄される。
【0051】
このように、Siの面荒れを抑えつつ、優れたCu除去性能を有する洗浄液の組成は、好ましくは、フッ化水素が0.45〜0.48 wt%、硝酸が32.5〜55.5wt%、酢酸が19.8〜52.2重量%の範囲である。
【0052】
【発明の効果】
以上に説明したように、フッ化水素、硝酸、界面活性剤の組み合わせ、またはフッ化水素、硝酸、酢酸の組み合わせにおける適正な濃度範囲において、Si表面及びベベル部分のCu等の金属を効率良く除去することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ化水素、硝酸混合液にノニオン性界面活性剤を1重量%添加した洗浄液によるCu除去性能とSiの面荒れ比Ra’/Raのエッチング時間依存性との関係を表す説明図である。
【図2】フッ化水素、硝酸混合液にノニオン性界面活性剤を添加した洗浄液によるベベル部残留Cu濃度と面上残留Cu濃度およびSiウェハの中央部の面荒れ比Ra’/Raのフッ化水素/硝酸の重量%比依存性との関係を表す説明図である。
【図3】フッ化水素、硝酸混合液にアニオン、カチオン性界面活性剤を添加した洗浄液によるベベル部残留Cu濃度と面上残留Cu濃度およびSiウェハの中央部の面荒れ比Ra’/Raのフッ化水素/硝酸の重量%比依存性との関係を表す説明図である。
【図4】スピン式洗浄方法の概略図である。
【図5】フッ化水素、硝酸混合液にノニオン性界面活性剤を添加した薬液によるSiの面荒れ抑制効果とノニオン性界面活性剤の添加量依存性との関係を表す図である。
【図6】フッ化水素、硝酸、酢酸混合液によるベベル部残留Cu濃度と面上残留Cu濃度とSiの面荒れ比Ra’/Raの硝酸/酢酸の重量%比依存性との関係を表す図である。
【符号の説明】
1…面粗さの比Ra’/Raが2.0以下を満足する時間、2、3、8、9…洗浄液の組成範囲、4…薬液供給ノズル、5…洗浄液、6…ウェハ、7…回転ウェハ保持台

Claims (11)

  1. シリコンウェハのエッチングにおいて、エッチング後のシリコンウェハ表面のラフネスRa’(nm)と未エッチングSiウェハのRa(nm)とが、Ra’/Ra≦2.0を満足し、Ra’/Ra≦2.0を満足する時間がエッチング開始から少なくとも1分間持続してなることを特徴とするシリコンウェハ用洗浄液。
  2. 請求項1に記載の洗浄液であり、ウェハ上の金属濃度を1分間未満の洗浄により、5×1011atoms/cm 以下に除去することが出来ることを特徴とするシリコンウェハ洗浄液。
  3. 請求項1または2に記載の洗浄液であって、フッ化水素を0.1重量%以上7.1重量%以下の濃度で含有し、硝酸を60.0重量%以上69.8重量%以下の濃度で含有し、かつ、0.3〜2重量%以下の界面活性剤を含有することを特徴とするシリコンウェハ用洗浄液。
  4. 請求項3に記載の洗浄液であって、前記界面活性剤はパーフルオロアルキル基を有するノニオン性界面活性剤であることを特徴とするシリコンウェハ用洗浄液。
  5. 請求項1または2に記載の洗浄液であって、フッ化水素を0.4重量%以上0.5重量%以下の濃度で含有し、硝酸を30.0重量%以上60.0重量%の濃度で含有し、酢酸を19.0重量%以上55.0重量%以下の濃度で含有することを特徴とするシリコンウェハ用洗浄液。
  6. シリコンウェハを請求項1乃至5の何れかに記載の洗浄液と接触させることにより、前記シリコンウェハの表面を洗浄することを特徴とするシリコンウェハの洗浄方法。
  7. 請求項6記載の洗浄方法であり、前記記載のウェハが、シリコン上に少なくとも1層以上の金属膜が成膜されたものであり、シリコンの上層に金属2が、金属2の上層に金属1が成膜されていることを特徴とするシリコンウェハの洗浄方法。
  8. 請求項6記載の洗浄方法であり、前記記載のウェハが、シリコン上に少なくとも1層以上の金属膜が成膜されたものであり、シリコンの上層に金属2が、金属2の上に金属1が成膜されており、金属1がCuまたはWであることを特徴とするシリコンウェハの洗浄方法。
  9. 請求項6記載の洗浄方法であり、前記記載のウェハが、シリコンウェハ上に少なくとも1層以上の金属膜が成膜されたものであり、シリコンの上層に金属2が、金属2の上に金属1が成膜されており、金属層2は、TaまたはTaNまたはTiNであることを特徴とするシリコンウェハの洗浄方法。
  10. 請求項6記載の洗浄方法であって、前記接触部分が、シリコンウェハの表面および裏面、ベベル部であることを特徴とするシリコンウェハの洗浄方法。
  11. 研磨、洗浄、ウェットエッチングのうち、少なくとも一つの工程を含む半導体ウェハの製造方法であって、請求項1乃至5に何れかに記載の洗浄液にウェハの表面を接触させて研磨、洗浄またはウェットエッチングの何れかの処理を行わせてなることを特徴とする半導体ウェハの製造方法。
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