JP2005217009A - 表面実装機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品搬送時の吸着部品と実装部品との干渉を確実に防止する一方で、タクトタイムの短縮化を図る。
【解決手段】 昇降可能な実装用ヘッド18を備えた移動可能なヘッドユニット6の前記実装用ヘッド18により部品供給部4から電子部品Cを吸着した状態で取出し、この部品Cを実装作業位置に位置決めされたプリント基板3上に搬送して実装する表面実装機。この表面実装機において、実装作業位置におけるプリント基板3の実装面の高さ位置は、プリント基板3に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さhb分だけ部品供給部4における部品の取出し高さ位置haよりも低く設定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、先端に吸着ノズルをもつ実装用ヘッドによりIC等の電子部品を負圧吸着してプリント基板上に搬送して実装するように構成された表面実装機に関するものである。
従来から、先端に吸着ノズルをもつ一乃至複数の実装用ヘッドを備えた移動可能なヘッドユニットによりIC等のチップ部品を部品供給部から負圧吸着し、プリント基板上の所定位置に搬送して実装するように構成された表面実装機が一般に知られている。
この種の表面実装機では、部品供給部における部品の取出し高さ位置とプリント基板の実装面との高さ位置とが等しく設定され、これらに対してヘッドユニットが一定の高さ位置で移動しながら実装用ヘッドがヘッドユニットに対して昇降することにより部品の取出し等が行われるように構成されている。また、この種の表面実装機において、部品の吸着ミスや吸着ズレに伴う実装不良を防止するために、事前(実装前)に吸着部品を画像認識してその吸着状態を調べることも行われている(例えば、特許文献1)。
特開平5−206681号公報
上記の表面実装機では、部品吸着後、プリント基板上の実装位置まで直線的に部品を搬送して実装することがタクトタイムを短縮する上で重要となるが、既にプリント基板上に部品が実装されていると、実装用ヘッドによる吸着部品とプリント基板上の実装部品とが干渉する虞れがあるため、必要に応じて吸着部品を実装部品よりも高い位置に保持して搬送することが行われている。
この場合、部品の吸着位置(部品の取出し位置)と実装部品の位置とが離れていればヘッドユニットの移動途中に実装用ヘッドを上昇させることによってタクトタイムを犠牲にすることなく部品を搬送することができる。ところが、両者の位置が接近していると、ヘッドユニットの移動中に実装用ヘッドを必要な高さ位置まで上昇させることが時間的に間に合わない場合がある。このような場合には、実装用ヘッドを必要な高さ位置にセットした後にヘッドユニットを移動させるか、又は実装部品を迂回するように部品を搬送することが行われており、いずれの場合もタクトタイムの短縮化を阻害する要因となっている。
従って、吸着部品と実装部品との干渉を確実に防止する一方でタクトタイムについてもこれを短縮できるようにすることが望まれている。なお、部品吸着後に吸着部品を画像認識してその吸着状態を調べるように構成された表面実装機おいては、さらにタクトタイムの短縮化を阻害することなく画像認識が行われ得るようにするのが望ましい。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、部品搬送時の吸着部品と実装部品との干渉を確実に防止する一方で、タクトタイムの短縮化を図ることを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明は、昇降可能な実装用ヘッドを備えた移動可能なヘッドユニットの前記実装用ヘッドにより部品供給部から電子部品を吸着した状態で取出し、この部品を実装作業位置に位置決めされた基板上に搬送して実装する表面実装機において、前記基板上に実装される部品のうち最小高さをもつ部品の当該高さと最大高さをもつ部品の当該高さとの間の高さとなる特定の高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置を前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定したものである(請求項1)。
この表面実装機は、前記基板上に実装される部品のうち最も実装数が多い種類の部品の当該高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置が前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定されているのが好ましい(請求項2)。
また、本発明は、昇降可能な実装用ヘッドを備えた移動可能なヘッドユニットの前記実装用ヘッドにより部品供給部から電子部品を吸着した状態で取出し、この部品を実装作業位置に位置決めされた基板上に搬送して実装する表面実装機において、前記基板上に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さ以上であって、かつその高さの2倍の高さよりも低い特定の高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置を前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定したものである(請求項3)。
なお、上記各表面実装機においては、前記基板上への吸着部品の搬送中に、前記基板上に既に実装されている部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さに近い位置であって、かつ当該部品と干渉しない高さ位置に前記吸着部品を配置すべく前記実装用ヘッドを駆動制御する制御手段を備えているものであるのが好ましい(請求項4)。
また、上記各表面実装機においては、前記ヘッドユニットを、その下方に固定的に配置されたミラー上を通過させることにより前記実装用ヘッドに吸着された部品の像を当該ミラーにより反射させて前記ヘッドユニットに搭載された撮像手段により撮像するように構成されるとともに、前記実装作業位置の基板上に実装された部品が前記撮像手段の被写界深度内に入るように前記実装作業位置の基板と前記撮像手段との高さ位置が設定されているものであるのがより好ましい(請求項5)。
この場合、前記ミラーは、前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低くい位置であって、かつ部品供給部から取出した吸着部品をそのままの高さに保持した状態で前記撮像手段による吸着部品の撮像が可能となる位置に固定されているのが好ましい(請求項6)。
本発明の請求項1に係る表面実装機によると、実装用ヘッドにより部品供給部から部品を吸着して取出した後、その取出し高さのまま吸着部品を基板上に移動させても当該吸着部品と基板上の実装部品のうち少なくとも最小高さをもつ実装部品とは干渉することが無くなる。また、当該最小高さをもつ実装部品よりも高さのある部品が実装されている場合でも、その実装部品と最小高さをもつ実装部品との差分だけ吸着部品を上昇させれば干渉を回避することができる。そのため、部品取出し高さと基板実装面との高さが等しい従来装置と比べると実装部品との干渉を回避させるための実装用ヘッドの昇降移動量を軽減することができ、その分だけタクトタイムを短縮することが可能となる。
この場合、最も実装数が多い種類の部品の当該高さだけ基板実装面の高さが低く設定される請求項2に係る構成によれば、1枚の基板に対する実装作業において実装用ヘッドの昇降移動量を効果的に軽減することが可能になる。
一方、請求項3に係る表面実装機によると、実装用ヘッドにより部品供給部から部品を吸着して取出した後、その取出し高さのまま吸着部品を基板上に移動させても当該吸着部品が基板上の実装部品と干渉することが無いため、部品取出し後、その取出し高さのまま直ちに部品を基板上の実装位置に直線的に(最短距離で)移動させて実装することができる。従って、従来のように実装部品との干渉を避けるために取出し高さ位置よりも更に高く吸着部品を持上げ、あるいは実装部品を迂回して実装位置まで移動する必要が無くなり、その分だけタクトタイムを短縮することが可能となる。この場合、例えば実装作業位置における基板実装面の高さ位置を、基板上に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さ分だけ前記部品供給における部品の取出し高さ位置よりも低く設定すれば、実装用ヘッドの昇降移動量を可及的に小さくすることができるため特に有効となる。
なお、上記の各表面実装機において請求項4に係る構成を採用した場合には、部品供給部から基板上への移動中に、基板上の実装部品に干渉しない範囲で基板実装面に対して可及的に近い高さ位置まで吸着部品が移動することとなるので、部品取出し高さ位置のままで実装位置まで吸着部品を移動させる場合に比べて部品実装時の実装用ヘッドの下降量が短くなる。従って、その分だけさらにタクトタイムを短縮することが可能となる。
また、請求項5に係る表面実装機によると、部品供給部から基板上への移動中にヘッドユニットに搭載された撮像手段を使って実装用ヘッドによる部品の吸着状態を画像認識することができるとともに、当該撮像手段をそのまま使って基板上の部品の実装状態を画像認識機することが可能となる。従って、共通の撮像手段を使って吸着部品と実装部品の双方の画像認識を可能とする合理的な構成が達成される。
この場合、特に請求項6に係る表面実装機によると、実装用ヘッドにより部品供給部から部品を吸着して取出した後、その取出し高さのまま吸着部品を基板上に移動させながらその間に吸着部品の画像認識を行うことができるようになる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は本発明に係る表面実装機を概略的に示している。同図に示すように表面実装機(以下、実装機と略す)の基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板3がこのコンベア2上を搬送されて所定の実装作業位置で停止されるようになっている。
上記コンベア2の両側には、部品供給部4が配置されている。これら部品供給部4には、多数列のテープフィーダー4aが設けられている。各テープフィーダー4aは、それぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されており、後述するヘッドユニット6により部品が取り出されるに伴い間欠的に部品を繰り出すように構成されている。
上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット6が装備されている。このヘッドユニット6は、部品供給部4とプリント基板3が位置する部品装着部とにわたって移動可能とされ、X軸方向(コンベア2と平行な方向)及びY軸方向(コンベア2と直交する方向)に移動することができるようになっている。
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置され、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向のガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット6が移動可能に保持され、このヘッドユニット6に設けられたナット部分(図示せず)がボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動により上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりヘッドユニット6が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
また、Y軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15には、それぞれエンコーダ10,16が設けられており、これによって上記ヘッドユニット6の移動位置が検出されるようになっている。
ヘッドユニット6には部品装着用の複数の実装用ヘッド18が搭載されており、当実施形態では6本の実装用ヘッド18がX軸方向に等間隔で一列に並べて搭載されている。
実装用ヘッド18は、それぞれヘッドユニット6のフレームに対してZ軸方向の移動及びR軸(ノズル中心軸)回りの回転が可能とされ、サーボモータを駆動源とする昇降駆動手段および回転駆動手段により駆動されるようになっている。また、各実装用ヘッド18には、その先端(下端)に吸着ノズル18aが装着されており、図外の負圧供給手段から吸着ノズル先端に負圧が供給されることにより、この負圧による吸引力で部品を吸着するようになっている。
この実装機には、さらにヘッドユニット6(各吸着ノズル18a)による部品の吸着状態を画像認識するための部品認識装置が搭載されている。この部品認識装置は、各部品供給部4とコンベア2との間に設けられるミラー17と、ヘッドユニット6に搭載されるカメラ19(撮像手段)と、上下2種類の照明装置20a,20bとを備えている。
ミラー17は、上向きに反射面を有したX軸方向に細長のハーフミラーで、基台1に固定的に設けられている。
カメラ19は、例えばCCDエリアセンサを備えたカメラからなり、図1に示すように各実装用ヘッド18に対応して設けられている。各カメラ19は、X軸方向に一列に並べられてそれぞれ図3に示すように斜め下向きの状態でヘッドユニット6に固定されており、実装用ヘッド18による部品吸着後、ヘッドユニット6が前記ミラー17上を通過するときに、ミラー17で反射した吸着部品Cの像(部品Cの下面像)を撮像するとともに、部品実装後は、必要に応じてプリント基板3上の実装部品Cを撮像し、その画像信号を後述する制御装置に出力するようになっている。
照明装置20a,20bは、カメラ19による部品撮像用の照明光を提供するものである。これら照明装置20a,20bのうち、一方側(下側)の照明装置20aは前記ミラー17の下方に配置されており、ヘッドユニット6がミラー17上を通過する際に、該ミラー17を介して実装用ヘッド18に吸着された部品Cの下面に対して照明光を照射するように構成されている。これに対して他方側(上側)の照明装置20bは、ヘッドユニット6に搭載されており、プリント基板3上に実装された部品Cに対して照明光を照射できるように構成されている。
ここで、上記実装機では、部品の実装およびこれに伴う部品の画像認識を効率的に、かつ合理的に行い得るように部品供給部4、コンベア2および部品認識装置の各構成要素の相対的な位置関係が以下の(1)〜(3)の要件を満たす設定となっている。
(1)図3に示すように、部品供給部4における部品の取出し高さ位置ha(同図中破線で示す)、具体的にはテープフィーダー4aの部品取出部5から取出された部品CをXY方向へ移動させることができる最も低い高さ位置に対して、実装作業位置におけるプリント基板3の実装面の高さ位置がこのプリント基板3に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さ(図中符号hbで示す)分だけ低く設定されている。
(2)前記ミラー17は、部品供給部4における部品の取出し高さ位置haよりも低くい位置に配置されている。
(3)部品供給部4からプリント基板3上へヘッドユニット6を移動させる際に、テープフィーダー4aから取出された部品Cをその高さ位置(取出し高さ位置ha)のままカメラ19で撮像することができ、さらにプリント基板3上に実装された部品Cをカメラ19で撮像することができるようにカメラ19およびミラー17の位置が設定されている。つまり、図3の実線に示すようにヘッドユニット6がミラー17上に配置された状態で、カメラ19からミラー17までの光路長d1にミラー17から部品Cまでの光路長d2を加えた距離(d1+d2)がカメラ19の被写界深度内にあり、かつ図3の二点鎖線に示すように、プリント基板3上の実装部品Cがカメラ19の光軸上に位置するようにヘッドユニット6を配置した時のカメラ19から部品Cまでの光路長d3がカメラ19の被写界深度内にあるようにカメラ19およびミラー17の位置が設定されている。この場合、好ましくは光路長(d1+d2)=光路長d3とされる。
なお、上述した実装機は、図示を省略するが、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成される制御装置を有しており、ヘッドユニット6を駆動する前記サーボモータ9,15、部品認識装置のカメラ19、照明装置20a,20b等は全てこの制御装置に電気的に接続されている。そして、実装動作時には、予め記憶されているプログラムに従ってヘッドユニット6等を作動させるべくこの制御装置によりサーボモータ9,15等が統括的に駆動制御されるようになっている。
また、前記制御装置は、カメラ19により撮像された画像に基づいて実装用ヘッド18による部品Cの吸着状態やプリント基板3上における部品Cの実装状態を認識する機能を有しており、実装動作時には、その認識結果に基づいて実装位置の補正等の処理が行われるようになっている。
次に、上記のように構成された実装機の実装動作(前記制御装置による制御に基づく実装動作)について図3を参照しつつその作用について説明する。
実装動作が開始されると、まず、ヘッドユニット6が部品供給部4に移動して各実装用ヘッド18により部品Cの吸着が行われる。具体的には、実装用ヘッド18が対象となるテープフィーダー4aの部品取出部5上方に配置された後、実装用ヘッド18が昇降することによりテープ内の部品Cを吸着ノズル18aにより吸着した状態でテープフィーダー4aから取出し、上述した部品の取出し高さ位置haに保持する。この際、可能な場合には複数の実装用ヘッド18により同時にテープフィーダー4aから部品Cが取出される。
部品の吸着が終了すると、部品Cを実装すべくヘッドユニット6が実装作業位置に位置決めされているプリント基板3上に移動するとともに、この移動途中でヘッドユニット6がミラー17上を通過することにより各実装用ヘッド18に吸着された部品Cの像がミラー17で反射してそれぞれ対応するカメラ19により撮像されることとなる。
この際、部品供給部4における部品の取出し高さ位置haに各部品Cが保持された状態で、ヘッドユニット6が最初の実装位置に向って直線的に(最短距離で)移動することによりプリント基板3側へ部品の搬送が速やかに行われるとともに、その間に各吸着部品Cの画像認識が適切に行われることとなる。すなわち、この実装機では、上述したようにプリント基板3の実装面の高さ位置がプリント基板3に実装される最大高さをもつ部品の当該高さhb分だけ部品供給部4における部品の取出し高さ位置haよりも低く設定されているため、当該高さ位置haに部品Cを保ったままでプリント基板3上の何れの場所に当該部品Cを移動させても吸着部品Cがプリント基板3上の実装部品Cと干渉することがなく、しかも、部品の取出し高さ位置haのままでカメラ19により吸着部品Cを撮像できるようにミラー17等が設けられるため、前記高さ位置haからさらに部品Cの高さを変えることなく吸着部品Cを撮像することができる。そのため、上記のように部品吸着後、部品の取出し高さ位置haに部品Cを保持したままでヘッドユニット6が最短距離で最初の実装位置に移動することにより、各吸着部品Cの画像認識を行いながらが当該部品Cを速やかにプリント基板3上へ移動させることができる。
こうして部品供給部4からプリント基板3へのヘッドユニット6の移動中、カメラ19の撮像画像に基づいて吸着ノズル18aに対する部品Cの吸着ズレ(吸着誤差)、詳しくはノズル中心に対する部品中心のX軸およびY軸方向のズレと、ノズル中心回りの部品のズレが求められ、このズレに基づいてヘッドユニット6の移動目標位置および実装用ヘッド18の目標回転角が補正される。
そして、再設定された目標位置に従ってヘッドユニット6等が駆動制御されることにより、各実装用ヘッド18に吸着された部品が順次プリント基板3上に実装されることとなる。具体的には、対象となる部品Cを吸着した実装用ヘッド18が実装位置の上方に配置された後、実装用ヘッド18が昇降するとともにその最下位置で吸着ノズル18aへの負圧供給が遮断されることにより部品Cがプリント基板3上に実装されることとなる。
部品Cの実装が完了すると、図3の二点鎖線に示すように、カメラ19の光軸上に当該実装部品Cが位置するようにヘッドユニット6が配置され、実装部品Cがカメラ19により撮像されることにより、その画像に基づいて部品Cの実装状態が画像認識される。これにより部品Cの実装状態が悪い、すなわち実装位置から部品Cがズレていて許容範囲を超えているような場合等には、その旨が図外のモニターを介してオペレータに報知される。
こうして以後、ヘッドユニット6が部品供給部4とプリント基板3との間を往復しながらプリント基板3上に必要数の部品が順次実装されることとなる。
以上のような実装機によると、図4(a)に一点鎖線で示すように、実装用ヘッド18により部品供給部4から部品Cを吸着して取出した後、その取出し高さ位置haのまま直ちに部品Cをプリント基板3上の実装位置に直線的に(最短距離で)移動させて実装することができるため、従来のように実装部品との干渉を避けるために取出し高さ位置よりも更に高く吸着部品を持上げたり、あるいは実装部品を迂回して実装位置まで部品を移動させる必要が無く、従って、その分だけタクトタイムを短縮することが可能となる。
具体的に説明すると、例えば、図4(b)に示すように仮にプリント基板3の実装面が部品供給部4における部品の取出し高さ位置haと等しい高さ位置にあると仮定した場合、プリント基板3上においてミラー17の極近傍に既に実装された部品C′(最大高さをもつ部品)を挟んで部品供給部4の反対側の位置に部品Cを実装しようとすると、ミラー17通過後、部品Cを一旦実装部品C′より高い位置まで持上げて実装位置に移動させるか、あるいは実装部品C′を迂回して実装位置に部品Cを移動させる必要生じることとなる。しかし、上記実装機の構成によると、図4(a)に示すように、部品吸着後、部品Cを水平、かつ直線的に実装位置上方まで移動させてそのまま実装することができるので、図4(b)の場合に比べると、部品Cを持上げる分だけ、あるいは実装部品C′を迂回させる分だけ部品Cの移動量が少なくて済み、その分だけタクトタイムを短縮することができる。
従って、上記の実装機によると、部品搬送時の吸着部品Cと実装部品との干渉を確実に防止する一方で、タクトタイムを短縮することができるという効果がある。
また、この実装機によると、上記のように実装用ヘッド18による吸着部品Cの画像認識と、プリント基板3上に実装された部品Cの画像認識をヘッドユニット6に搭載された共通のカメラ19を使って行うように構成されているので、吸着部品Cおよび実装部品Cを画像認識する部品認識装置の構成において両部品Cを撮像するための手段(撮像手段)を共通化した合理的な構成が達成されるという効果もある。
特に、この実装機では、ミラー17を部品供給部4における部品の取出し高さ位置haよりも下方に配置し、部品吸着後、その取出し高haのまま吸着部品Cをプリント基板3に移動させながらその間に吸着部品Cを撮像できるように部品認識装置が構成されていので、吸着部品の認識のためにその高さ位置を変える場合に比べると、その高さ分だけ部品Cの移動量が少なくて済み、この点でもタクトタイムを短縮することができるという効果がある。
なお、以上説明した実装機は、本発明に係る表面実装機の一の実施形態であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような構成も採用することが可能である。
(1)上記の実施形態では、部品吸着後、その取出し高haのまま吸着部品Cをプリント基板3に移動させるようにしているが、ミラー17を通過した後、実装用ヘッド18を下降させて、プリント基板3上に既に実装されている部品Cのうち最大高さをもつ部品Cと干渉しない高さ位置であって可及的に低くい高さ位置まで部品Cを下降させるように実装用ヘッド18を駆動制御するようにしてもよい。このようにすれば、部品Cの取出し高さ位置haのままでプリント基板3上の実装位置まで吸着部品を移動させる場合に比べて部品実装時の実装用ヘッド18の下降ストロークが短くなる。従って、その分だけさらにタクトタイムを短縮することが可能になるという利点がある。
(2)上記の実施形態では、実装作業位置におけるプリント基板3の実装面の高さ位置が、このプリント基板3に実装される部品Cのうち最大高さをもつ部品Cの当該高さ(図3中の符号hb)分だけ部品供給部4における部品Cの取出し高さ位置haよりも低く設定されているが、これは実装部品の多くが最大高さをもつ部品Cである場合にタクトタイムを短縮する上で最適な構成であって、プリント基板3の前記実装面の高さ位置は、プリント基板3上に実装される部品Cのうち最大高さをもつ部品Cの当該高さ以上であって、かつその高さの2倍の高さよりも低い特定の高さ分だけ、部品Cの取出し高さ位置haよりも低く設定されていればタクトタイムを短縮する上で有効である。すなわち、部品の取出し高さ位置と実装面の高さ位置とが等しい従来装置では、例えば高密度実装する場合、プリント基板に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さ(Hbとする)まで吸着部品を持上げて搬送した後、下降させて実装するため、実装用ヘッドのトータル的な昇降移動量Hは2Hとなり、また、一旦部品を持上げるため実装用ヘッドの動作として上昇加速、上昇減速、停止といった動作も必要となる。これに対して、上記のような構成によれば実装用ヘッドのトータル的な昇降移動量Hは2Hb未満となり、また、実装用ヘッドの動作が下降動作のみとなるので上昇加速、上昇減速、停止といった動作が不要となる。従って、従来装置に比べると実装用ヘッドの昇降移動量が低減される上、実装用ヘッドの駆動の切換えに伴うタイムロスも軽減されるので、タクトタイムを有効に短縮することが可能となる。
(3)上記の実施形態、あるいは前記(2)の例では、いずれもプリント基板3の前記実装面の高さ位置を、プリント基板3上に実装される部品Cのうち最大高さをもつ部品Cの当該高さ分、あるいはそれ以上の高さ分だけ部品Cの取出し高さ位置haよりも低く設定しているが、例えば、プリント基板3に実装される部品Cのうち最小高さをもつ部品Cの当該高さと最大高さをもつ部品Cの当該高さとの間の高さとなる特定の高さ分だけ、実装作業位置における基板実装面の高さ位置を部品供給部4における部品Cの取出し高さ位置haよりも低く設定するようにしてもよい。この構成によれば、実装用ヘッド18により部品供給部4から部品Cを吸着して取出した後、その取出し高さのまま吸着部品Cを基板上に移動させても当該吸着部品Cと基板上の実装部品Cのうち少なくとも最小高さをもつ実装部品とは干渉することが無くなる。また、当該最小高さをもつ実装部品Cよりも高さのある部品Cが実装されている場合でも、その実装部品Cと最小高さをもつ実装部品Cとの差分だけ吸着部品Cを上昇させれば干渉を回避することができる。すなわち、最小高さをもつ部品の当該高さをHcとし、それよりも高のある部品の当該高さをHdとした場合、従来装置では実装用ヘッドの昇降移動量は2Hdとなるが、上記の場合には、Hd−Hc(<2Hd)で済む。そのため、部品取出し高さhaと基板実装面との高さが等しい従来装置と比べると実装部品Cとの干渉を回避させるための実装用ヘッド18の昇降移動量を軽減することができ、その分だけタクトタイムを短縮することができる。なお、この場合、プリント基板3に実装する部品のうち最も多い種類の部品Cの当該高さだけ基板実装面の高さを低く設定するようにすれば、1枚のプリント基板3に対する実装作業において実装用ヘッド18の昇降移動量を効果的に軽減することが可能になる。
本発明に係る表面実装機を示す平面略図である。 本発明に係る表面実装機を示す正面図である。 表面実装機に搭載される部品認識装置の構成を示す模式図である。 部品実装時の吸着部品の移動軌跡を示す図であって、(a)は本発明に係る表面実装機における移動軌跡を示す図で、(b)は部品供給部における部品の取出し高さ位置とプリント基板の実装面の高さ位置を等しくしたと仮定した場合(比較例)における移動軌跡を示す図である。
符号の説明
3 プリント基板
4 部品供給部
4a テープフィーダー
5 部品取出部
6 ヘッドユニット
17 ミラー
18 実装用ヘッド
18a 吸着ノズル
19 カメラ
20a,20b 照明装置
C 部品

Claims (6)

  1. 昇降可能な実装用ヘッドを備えた移動可能なヘッドユニットの前記実装用ヘッドにより部品供給部から電子部品を吸着した状態で取出し、この部品を実装作業位置に位置決めされた基板上に搬送して実装する表面実装機において、
    前記基板上に実装される部品のうち最小高さをもつ部品の当該高さと最大高さをもつ部品の当該高さとの間の高さとなる特定の高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置を前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定したことを特徴とする表面実装機。
  2. 請求項1に記載の表面実装機において、
    前記基板上に実装される部品のうち最も実装数が多い種類の部品の当該高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置を前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定したことを特徴とする表面実装機。
  3. 昇降可能な実装用ヘッドを備えた移動可能なヘッドユニットの前記実装用ヘッドにより部品供給部から電子部品を吸着した状態で取出し、この部品を実装作業位置に位置決めされた基板上に搬送して実装する表面実装機において、
    前記基板上に実装される部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さ以上であって、かつその高さの2倍の高さよりも低い特定の高さ分、前記実装作業位置における基板実装面の高さ位置を前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低く設定したことを特徴とする表面実装機。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の表面実装機において、
    前記基板上への吸着部品の搬送中に、前記基板上に既に実装されている部品のうち最大高さをもつ部品の当該高さに近い位置であって、かつ当該部品と干渉しない高さ位置に前記吸着部品を配置すべく前記実装用ヘッドを駆動制御する制御手段を備えていることを特徴とする表面実装機。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の表面実装機において、
    前記ヘッドユニットを、その下方に固定的に配置されたミラー上を通過させることにより前記実装用ヘッドに吸着された部品の像を当該ミラーにより反射させて前記ヘッドユニットに搭載された撮像手段により撮像するように構成されるとともに、前記実装作業位置の基板上に実装された部品が前記撮像手段の被写界深度内に入るように前記実装作業位置の基板と前記撮像手段との高さ位置が設定されていることを特徴とする表面実装機。
  6. 請求項5に記載の表面実装機において、
    前記ミラーは、前記部品供給部における部品の取出し高さ位置よりも低くい位置であって、かつ部品供給部から取出した吸着部品をそのままの高さに保持した状態で前記撮像手段による吸着部品の撮像が可能となる位置に固定されていることを特徴とする表面実装機。
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