JP2005215519A - 透過型スクリーンおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とを、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わせて構成した透過型スクリーンにおいて、摩擦低減材の存在を原因とする迷光の発生を防止する。
【解決手段】
フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さを0.2μm以下とする。
【選択図】 図1
フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とを、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わせて構成した透過型スクリーンにおいて、摩擦低減材の存在を原因とする迷光の発生を防止する。
【解決手段】
フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さを0.2μm以下とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、背面投写型表示装置などに用いられる透過型スクリーンおよびその製造方法に関する。
従来より、背面投写型表示装置には、図1(概略構成図)に示すような透過型スクリーンが用いられている。このような透過型スクリーンは、フレネルレンズシート1とレンチキュラーレンズシート2とを密着させて構成し、更に、枠に取り付けた上で、背面投写型表示装置の筐体に装着される(特許文献1、第6図参照)。
一般に、フレネルレンズシートは、等間隔で同心円状の微細ピッチの複数のレンズ刃からなるフレネルレンズが光出射面に設けられたものである。一方、レンチキュラーレンズシート2は、通常、光入射面および光出射面のそれぞれに等間隔でシリンドリカルレンズが配置されているものである。このようなレンチキュラーレンズシート2には、明室でのコントラスト向上のために、入射面側に設けられた各レンズの集光部以外の部位に、表面に光吸収層が形成された凸状部が形成されている。なお、レンチキュラーレンズシート2の前面には、平坦で透明なガラスや樹脂板からなる保護板(図示せず)が配置される場合もある。
ところで、透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の輸送は、鉄道、車両などの一般的な輸送手段が利用されているため、輸送の際に輸送手段が発生する振動が透過型スクリーンに伝わる。その結果、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとが、擦れたりぶつかり合うなどの現象を生じ、場合によりレンズシートの一部が損傷し、外観上曇りを生じたり、映像を表示した際に明るさムラが生じたりする場合がある。
このため、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせる際に、レンチキュラーレンズシートのフレネルレンズシート側の面に摩擦低減材としてシリコーンオイルを数μm厚の塗布厚で塗布することにより、両者の擦れによる損傷を防止することが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、レンチキュラーレンズに塗布されたシリコーンオイルなどの摩擦低減材はレンチキュラーレンズに接触することになるが、図2に示すように、特にフレネルレンズ1の光学中心およびその近傍を合わせた中心領域A付近で、投射された光線が本来意図しない方向へ屈折して出射し、迷光を生じるという問題があった。
本発明は、以上の従来の課題を解決しようとするものであり、フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とを、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わせて構成した透過型スクリーンにおいて、摩擦低減材の存在を原因とする迷光の発生が防止された透過型スクリーン、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、かかる問題は、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとが互いに接触する部分、特に、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域A付近に多量の摩擦低減材を付着させると、中央部分ではレンズ刃の高さが低いため、付着した摩擦低減材がレンズ刃の底の部分Bに溜まることに起因していることを見出し、少なくとも該中心領域の摩擦低減材付着量を調節することにより上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下であることを特徴とする透過型スクリーンを提供する。
また、本発明は、フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンの製造方法であって、フレネルレンズシートの出射側面に、フレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下となるように摩擦低減材を塗工することを特徴とする製造方法を提供する。
本発明の透過型スクリーンによれば、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下であるので、摩擦低減材がレンズ刃の谷部に溜まりにくくなっているために、投射された光線が本来意図しない方向へ屈折せず、迷光が非常に生じにくくなっている。従って、本発明の透過型スクリーンを装着した背面投写型表示装置は、摩擦低減材の存在に由来する迷光現象がなく、高い品位で画像を映し出すことができる。
本発明の透過型スクリーンは、フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされてなるものであり、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが、0.2μm以下、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.01〜0.10μmに調整されているものである。フレネルレンズ中心領域を囲むフレネルレンズ周辺領域における摩擦低減材の厚み等にもよるが、場合により、フレネルレンズ中心領域に摩擦低減材が存在しない場合も有り得る。なお、本発明が好ましく適用される透過型スクリーンのフレネルレンズシートは、対角線距離50〜70インチ、レンズ刃ピッチ0.05〜0.1mm、レンズ刃最大高さ50〜100μmのものである。
また、本発明における摩擦低減材の厚みは、単位面積当たりに塗布した摩擦低減材の体積(塗布重量を比重で除した値)を単位面積で除した数値として定義することができる。
本発明において、フレネルレンズ中心領域とは、フレネルレンズの光学中心を中心とする直径50mm、好ましくは直径25mm、特に好ましくは直径10mmの略円形状の内部領域を意味する。これは、従来、光学中心を含むこのような大きさの円内部に迷光の発生が観察されたためである。
本発明の透過型スクリーンにおいては、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下であることが必要であるが、フレネルレンズ中心領域を囲むフレネルレンズ周辺領域における摩擦低減材の厚さについては、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとの接触、摩擦によりフレネルレンズに破損が生じない厚さであればよい。好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmである。従って、フレネルレンズ中心領域における摩擦低減材の厚さと、フレネルレンズ周辺領域における摩擦低減材の厚さとが略同一である場合もあり得る。
なお、フレネルレンズ中心領域における摩擦低減材の厚さよりも、フレネルレンズ中心領域を囲むフレネルレンズ周辺領域の少なくとも一部における摩擦低減材の厚さの方が厚い方が好ましい。これは、図2に示されているように、フレネルレンズの刃先が周辺領域ほど鋭いため傷つき易いことや、フレネルレンズ周辺領域の端部方向のレンズ刃の高さが高く、レンチキュラーレンズシートとの接触圧が高くなることなどのためである。
ここで、「フレネルレンズ中心領域を囲むフレネルレンズ周辺領域の少なくとも一部における摩擦低減材の厚さの方が厚い」という具体的態様としては、図3A、3B及び3Cに示すような摩擦低減材厚みプロファイル(塗布厚)を示すものが挙げられる。ここで、図3Aは、摩擦低減材の厚みが、中央領域で0.05μm以下、周辺領域で0.1〜0.2μmであり、中央領域と周辺領域の間の厚み差が0.15μm以下となっている態様である。図3Bは、摩擦低減材の厚みが、中央領域で0.1μm、中央領域直近の周辺領域で0.1μm未満(例えば0.09μm)、中央領域から離れるに従って0.1μmを超える(例えば0.2μm)態様である。図3Cは、中央領域付近で0μmより厚く(例えば、0.01μm)、中央領域から離れるに従って増加し、周辺領域で例えば、0.2μmとなる態様である。これらの中で、図3A又は図3Cの態様が好ましい。
本発明における摩擦低減材としては、従来より摩擦低減効果を有するものとして知られているものを使用可能であるが、中でも、不揮発性、透明性、摩擦低減効果、環境安定性などの点からシリコーンオイル、フッ素系オイルなどが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、例えば一般名で「ジメチルポリシロキサン」と呼ばれているもの、フッ素系オイルとしては、例えば一般名で「クロロトリフルオロエチレン」と呼ばれているものが使用できるが、シリコーンオイルが特に好ましく用いられる。用いる摩擦低減材の粘度としては、25℃で100〜1000mm2/S程度(JIS K 2283)であることが好ましく、200〜500mm2/S程度であることがより好ましい。
フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている、本発明の透過型スクリーンは、フレネルレンズシートの出射側面に、フレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下となるように摩擦低減材を塗工することにより製造することができる。塗工する方法としては、公知の塗工方法を採用することができるが、塗布量の均一性、塗布量の調節が容易である等の点から、ロール転写方法を好ましく使用することができる。
具体的な塗工方法の例としては、(1)迷光現象が頻発する中央領域をカバーで覆い、摩擦低減材の塗工後にカバーを除去する方法が挙げられる。この場合、摩擦低減剤の塗工膜の有無の境界が外観などの問題を生じる場合には、境界部分の塗布液の一部を粘着テープ、布、脱脂綿などでふき取り除去することが好ましい。(2)また、他の具体的な塗工方法の例として、摩擦低減材を、フレネルレンズシートの全面に塗工した後、迷光を生じる部分の塗布液の一部または全部を粘着テープ、布、脱脂綿などでふき取り除去する方法、(3)ロールで塗工する場合、ゴーストなどの問題を生じる部分への摩擦低減材の塗工量を比較的少なくする方法が挙げられる。例えば、転写ロールまたは塗布ロールの表面精度が高く、平滑であるほど塗布量が少ない事を利用し、ロール中央部の表面精度が周辺部より高いロールを用い、中央部分の塗布量を比較的少なくする。この方法の場合には、例えば、縦、横など2回以上塗布して、塗布量が少ない周辺部を生じないようにしてもよい。(4)また、ロールで塗工する場合、フレネルレンズシートの板厚分布を、中央領域が比較的薄くなるようにすることで、中央領域への摩擦低減材の塗工量を周辺領域より比較的少なくする方法が挙げられる。(5)また、ロールで均一に薄く塗布する方法も挙げあられる。
以上説明した本発明の透過型スクリーンは、従来の背面投射型表示装置の透過型スクリーンとして好ましく使用することができる。透過型スクリーン以外の他の構成は、特許文献1に記載されたような構成(第6図参照)を採用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
(シリコーン塗布厚み測定方法)
フレネルレンズシートに、予め重さを測定したPETフィルム(厚み150μm、サイズ160mm×700mm)を載せ、そのPETフィルム上にシリコーンをロール塗付する。次いでシリコーン塗布前後の重量変化を電子天秤(測定限界0.01mg)により測定し、塗布されたシリコーンの単位面積当たりの体積を算出し、その体積を単位面積で除することにより、シリコーン膜厚を算出する。なお、静電気による測定誤差を極力小さくするために、フィルム重量は除電エアー等を用いて除電後に測定する。
フレネルレンズシートに、予め重さを測定したPETフィルム(厚み150μm、サイズ160mm×700mm)を載せ、そのPETフィルム上にシリコーンをロール塗付する。次いでシリコーン塗布前後の重量変化を電子天秤(測定限界0.01mg)により測定し、塗布されたシリコーンの単位面積当たりの体積を算出し、その体積を単位面積で除することにより、シリコーン膜厚を算出する。なお、静電気による測定誤差を極力小さくするために、フィルム重量は除電エアー等を用いて除電後に測定する。
実施例1
まず、メチルメタクリレート−スチレン共重合体を主原料とし、押出成形によってレンチキュラーレンズシートを作製した。該レンチキュラーレンズシートの出射側非集光部の凸状部へ、樹脂系黒色インク(VARインク、帝国インキ製造株式会社製)を印刷し、光吸収層を形成した。
まず、メチルメタクリレート−スチレン共重合体を主原料とし、押出成形によってレンチキュラーレンズシートを作製した。該レンチキュラーレンズシートの出射側非集光部の凸状部へ、樹脂系黒色インク(VARインク、帝国インキ製造株式会社製)を印刷し、光吸収層を形成した。
レンチキュラーレンズシートとは別に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体を押出成形したフレネルレンズ用基板表面に、成形型によってウレタンアクリレートを含む紫外線硬化樹脂製のフレネルレンズ形状を付与し、フレネルレンズシートを作製した。
その後、図4に示すようなロールコータ40によってフレネルレンズシート41のレンズ表面に、シリコーンオイル42(例えば、シリコーンオイルKF96、信越化学工業株式会社製)を次の方法により塗布した。まず、ロール表面が合成ゴムからなる供給ロール43をオイル槽44のシリコーンオイル42へ接触させた後、供給ロール43により供給されたシリコーンオイルの厚みを、金属製の転写ロール45およびドクターブレード46により調整し、層厚が調整されたシリコーンオイル層がゴム製の塗布ロール47の表面へ転写され、更にバックアップロール48で搬送されるフレネルレンズシート41へ転写される。
ロールコータ40においては、前述したように、金属製の転写ロール45の表面粗度およびドクターブレード46とにより塗布厚みを調節できる。本実施例においては、金属製の転写ロール45の表面粗度(JIS B 0601)は1.0μmであり、ゴム製の塗布ロール47と金属製の転写ロール45の速度はいずれも10m/分であり、塗布厚みは0.1μmであった。
該レンチキュラーレンズシートの光吸収層が形成されている面を視聴者側に配し、フレネルレンズシートを、フレネルレンズを有する面が該レンチキュラーレンズシートの光吸収層がある面の反対の面に接するように配し、透過型スクリーンを作製した。
実施例2
金属製の転写ロール45の表面粗度を2.0μmとし、シリコーンオイルの塗布量を0.2μmとし、同心円中心の中央領域(直径50mmの円内部)のシリコーンオイルを粘着テープで除去したこと以外、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
金属製の転写ロール45の表面粗度を2.0μmとし、シリコーンオイルの塗布量を0.2μmとし、同心円中心の中央領域(直径50mmの円内部)のシリコーンオイルを粘着テープで除去したこと以外、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
実施例3
フレネルレンズシートの同心円中心領域を、直径50mmの紙製のカバーでマスキングした後、全体にシリコーンオイルを0.2μmの厚みで塗布し、その後、紙製カバーを除去したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
フレネルレンズシートの同心円中心領域を、直径50mmの紙製のカバーでマスキングした後、全体にシリコーンオイルを0.2μmの厚みで塗布し、その後、紙製カバーを除去したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
実施例4
図5に示すように、中央部の長手方向に幅100mmの範囲Xに表面粗度(JIS B 0601)0.6μm、中央部300mmより端の部分Zに表面粗度が2.0μmであり、その境界の範囲Yの面粗度は、中央部から端の部分へ向かって表面粗度が徐々に0.6μm〜2.0μmに変化する塗布ロールを用い、塗布厚みが中央部100mmφの範囲では0.05μmであり、中央部300mmφより外側の部分の塗布厚みが0.2μmであり、中央部100mmφから300mmφの部分へ向かって塗布量が連続的に0.05μmから0.2μmに変化している塗布ロールを用いる以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
図5に示すように、中央部の長手方向に幅100mmの範囲Xに表面粗度(JIS B 0601)0.6μm、中央部300mmより端の部分Zに表面粗度が2.0μmであり、その境界の範囲Yの面粗度は、中央部から端の部分へ向かって表面粗度が徐々に0.6μm〜2.0μmに変化する塗布ロールを用い、塗布厚みが中央部100mmφの範囲では0.05μmであり、中央部300mmφより外側の部分の塗布厚みが0.2μmであり、中央部100mmφから300mmφの部分へ向かって塗布量が連続的に0.05μmから0.2μmに変化している塗布ロールを用いる以外は、実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
比較例1
シリコーンオイルを塗布しない以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した
シリコーンオイルを塗布しない以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した
比較例2
金属製の転写ロール45の表面粗度(JIS B 0601)を2.0μmとし、シリコーンオイルの塗布量を0.2μmとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
金属製の転写ロール45の表面粗度(JIS B 0601)を2.0μmとし、シリコーンオイルの塗布量を0.2μmとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことにより透過型スクリーンを作製した。
(評価試験)
実施例および比較例の透過型スクリーンを、それぞれ、背面透過型表示装置(サムスン社製プロジェクションTV「SVP−47W」)に透過型スクリーンとして取り付けた。得られた背面透過型表示装置を梱包し、それを1トントラックに積載し、1000km走行することにより、輸送試験を実施した。輸送後に背面透過型表示装置の梱包を開梱し、透過型スクリーンの外観及び映像の投射による明るさムラを、無作為に抽出した10人の観察者によって評価した。スクリーンの外観評価については、約500ルクスの明るさの室内で目視による問題の有無を判定した。また、明るさムラなどの映像評価は、暗室内にてTV映像及び全白色信号を表示した画面を目視評価し、問題の有無を判定した。得られた結果を表1に示す。
実施例および比較例の透過型スクリーンを、それぞれ、背面透過型表示装置(サムスン社製プロジェクションTV「SVP−47W」)に透過型スクリーンとして取り付けた。得られた背面透過型表示装置を梱包し、それを1トントラックに積載し、1000km走行することにより、輸送試験を実施した。輸送後に背面透過型表示装置の梱包を開梱し、透過型スクリーンの外観及び映像の投射による明るさムラを、無作為に抽出した10人の観察者によって評価した。スクリーンの外観評価については、約500ルクスの明るさの室内で目視による問題の有無を判定した。また、明るさムラなどの映像評価は、暗室内にてTV映像及び全白色信号を表示した画面を目視評価し、問題の有無を判定した。得られた結果を表1に示す。
表1からわかるように、10人全員が、実施例1〜4のいずれの透過型スクリーンについては外観に問題なく、また、映像を表示しても明るさムラはないと判定した。
一方、比較例1については、10人全員がスクリーンの周辺部50mmの範囲に白濁した部分があり、映像を照射すると、その部分が暗い影となって写り、問題があると判定した。比較例1のスクリーンをTVセットから取り外し、フレネルレンズシート表面を観察したところ、白濁した部分はフレネルレンズのレンズ刃の頂部が削れており、白濁して見えた。また、比較例2については、10人全員が外観に問題ないと判定したが、映像を投射すると、フレネルの同心円中央部20mmφの範囲のみ突出して明るい部分が認められ、10人全員が迷光があり問題であると判定した。この明るさムラは、シリコーンオイルがフレネルレンズ刃の谷部分に溜まり、迷光を生じたと推定される。
本発明の透過型スクリーンは、摩擦低減材の存在を原因とする迷光の発生が防止されたものである。従って、本発明の透過型スクリーンを搭載した背面投写型テレビジョンなどの背面透過型表示装置は、摩擦低減材の存在を原因とする迷光の発生が防止された高品質の画像表示が可能となる。
1、41 フレネルレンズシート
2 レンチキュラーレンズシート
A 中央領域
B フレネルレンズシートのレンズ刃の谷部
40 ロールコータ
42 シリコーンオイル
43 供給ロール
44 オイル槽
45 転写ロール
46 ドクターブレード
47 塗布ロール
48 バックアップロール
2 レンチキュラーレンズシート
A 中央領域
B フレネルレンズシートのレンズ刃の谷部
40 ロールコータ
42 シリコーンオイル
43 供給ロール
44 オイル槽
45 転写ロール
46 ドクターブレード
47 塗布ロール
48 バックアップロール
Claims (10)
- フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートのフレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下であることを特徴とする透過型スクリーン。
- 該フレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.15μm以下である請求項1記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さよりも、該フレネルレンズ中心領域を囲むフレネルレンズ周辺領域の少なくとも一部における該摩擦低減材の厚さの方が厚い請求項1又は2記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズ周辺領域の少なくとも一部における該摩擦低減材の厚さが、0.1〜0.4μmである請求項3記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズ周辺領域における該摩擦低減材の厚さが、0.1〜0.2μmである請求項3記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズ中心領域の大きさが、直径50mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズ中心領域の大きさが、直径25mm以下である請求項6記載の透過型スクリーン。
- 摩擦低減材が、シリコーンオイルである請求項1〜7のいずれかに記載の透過型スクリーン。
- フレネルレンズシートの出射側面とレンチキュラーレンズシートの入射側面とが、摩擦低減材を介して向かい合うように組み合わされている透過型スクリーンの製造方法であって、フレネルレンズシートの出射側面に、フレネルレンズ中心領域における該摩擦低減材の厚さが0.2μm以下となるように摩擦低減材を塗工することを特徴とする製造方法。
- 請求項1記載の透過型スクリーンを備えた背面投写型表示装置。
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---|---|---|---|---|
WO2006080518A1 (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-03 | Kuraray Co., Ltd. | 透過型スクリーン及び塗布装置 |
JP2012163986A (ja) * | 2006-08-28 | 2012-08-30 | Seiko Epson Corp | スクリーン、及びプロジェクタ |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091104 |