JP2005214626A - ガスセンサ、ガスセンサユニットおよびそれを用いた保鮮装置 - Google Patents

ガスセンサ、ガスセンサユニットおよびそれを用いた保鮮装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスセンサの耐湿性を向上するために、ガス感知するガス感応体上に保護層を形成して対策することができるが、ガスが感応体表面に到達しにくくなるために感度が低下しやすくなる。また、湿度の高い状態においては、保護層に水分が吸湿してしまうことによってその水分がセンサから放出されにくくなり、吸着水分による感応体の劣化を生じやすくなるという課題があった。
【解決手段】高感度でかつ高信頼性を同時に確保するために、疎水化処理された多孔質保護材からなる保護層1をガス感応体2上に形成したガスセンサを作製する。保護層1を多孔質にすることで感度向上を図るとともに、保護層1を疎水化処理することで耐湿性向上による高信頼性を図ることができた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜や果物などの食品から発生する低濃度のガスを感知するガスセンサと、そのガスセンサを利用設備に装備するセンサユニット、およびそのガスセンサユニットを用いて食品の新鮮度を感知して食品を長期にわたって保存するための冷蔵庫、冷蔵室、冷蔵ボックス、保温庫などの保鮮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、野菜、果物、生魚などの食品の鮮度をセンサで検知して、新鮮度を長期に保持するための情報として用いる取組みが行われている。新鮮度の情報を得るために、その食品から発生するガス成分を検知するガスセンサの利用が検討されている。そのガスセンサとしては半導体式センサが用いることができ、ガス成分に感知する感応体材料には酸化物半導体が検討されている。たとえば、特許第2875174号公報では、感応体材料として触媒にパラジウムを添加した酸化スズを用いて、野菜から発生する硫化物ガス(メルカプタン類)に対して感度を有する野菜新鮮度感知センサが開示されている。
【0003】
食品から発生するガスは食品によって異なり、におい成分として生魚類ではトリメチルアミンなどのアミン類など、野菜や果物ではエチレン、エタノール、アルデヒド類、メルカプタン類、アンモニアなどのアミン類などが発生している。これらのガスから新鮮度を感知するためには、各食品の新鮮度が経時的に変わるにつれてどのガスが発生するかを知っておく必要がある。たとえば野菜や果物からは初期から微量のエチレン、エタノール、アルデヒド類のガス発生がみられ、メルカプタン類は野菜や果物の腐敗開始時期から、アンモニアなどのアミン類は果物の腐敗開始時期から発生することがわかってきた。したがって、野菜や果物類の新鮮度感知においては、エチレン、エタノール、アルデヒド類などのガスの方が有効であり、メルカプタン類やアンモニアなどのアミン類は野菜や果物類の腐敗感知に有効であることが明らかになってきた。
【0004】
このように食品の新鮮度を感知するためには、各ガスに対する感度1ppmレベルでの高感度の検知が必要である。また、食品保存する場合には、新鮮さを保持するために温度、湿度を調整して行うことが多いため、その雰囲気下での耐環境性が必要である。そのために、ガス感度を向上するために薄膜構造にした触媒添加のガス感応体に、耐湿性を向上するための保護層を形成したガスセンサが、特願2001−18998号公報に開示されている。このガスセンサでは保護層によってガス感応体を覆ってしまうことで感度低下することがないように、保護層にガス感応する触媒を添加する構成も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガスセンサを高感度でかつ高信頼性にするために、そのガス感応体上に保護層を形成した場合には大きく2つの課題がある。
【0006】
第一は、ガス感知するガス感応体の表面を保護層が覆ってしまっているために、ガスが感応体に到達しにくくなっている。そのために、ガスに対する感度が低下してしまうことが生じやすくなる。保護層にガス感知する触媒を添加することで感度の低下を抑えることができるが、やはりガス感応体への対象ガスが到達しにくいためにさらに感度向上を進めることが必要である。
【0007】
第二は、湿度の高い状態においては、ガス感知するガス感応体の表面を覆っている保護層の表面に水分がつきやすくなっている。そのために、保護層に水分が吸湿してしまうことによって、その水分がセンサから放出されにくくなる。そして、いったん吸着してしまうことで、ガス感応体の表面をその水分が水酸基化するなどの表面変質を生じて感度が低下したり、そのガス感応体の電気抵抗を初期から変化させてしまうことになり、安定にガス感知できなくなるなどの問題を生じることがある。
【0008】
したがって、本発明は、ガス感応体に保護層を形成した際に生じるこれらの課題を同時に解決して、高感度で、高信頼性のガスセンサを提供することを目的とする。また、食品を保存するための高い湿度の環境においても、そのガスセンサを用いて食品の新鮮度を検知して、その鮮度を保持させる保鮮装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のガスセンサは、ガス感応体部が疎水化処理された多孔質保護材で覆われてなることを特徴とする。
【0010】
本発明のガスセンサの構成としては、支持基板と、その支持基板上に形成された一対の電極と、その電極間にガス感応体部が形成されてなり、さらにそのガス感応体部の上部に疎水化処理された多孔質保護材からなる保護層が形成されてなることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のガスセンサの構成としては、支持基板と、その支持基板上に形成された一対の電極と、その電極間に疎水化処理された多孔質保護材を複合化したガス感応体部が形成されてなることを特徴としている。
【0012】
上記構成のガスセンサにおける本発明の保護層としては、疎水化処理された多孔質保護材が、水の接触角が100°から170°の範囲であり、平均細孔直径が0.3nmから100nmの範囲であることを特徴としている。さらに、多孔質保護材が、酸化ケイ素を主成分としてなることを特徴としている。
【0013】
また、上記構成のガスセンサにおける本発明のガス感応体としては、酸化スズを主成分とすることを特徴としている。
【0014】
本発明のガスセンサユニットとしては、疎水化処理された多孔質保護材で覆われてなるガスセンサが、センサケース内に設置されてなることを特徴としている。
【0015】
また、本発明のガスセンサユニットとしては、支持基板上に一対の電極とその電極間にガス感応体部が形成されたガスセンサが、センサケース内に設置され、そのセンサケースの開口部が疎水化処理された多孔質保護材で覆われてなることを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明の上記ガスセンサユニットを用いた保鮮装置においては、絶対水分量5g/m3から50g/m3の雰囲気において、食品から発生するガスを感知することでその食品の鮮度状態を表示、通知または保持することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明におけるガスセンサは、ガス感応体部を疎水化処理された多孔質保護材で覆うことによって、ガスに対する高感度化と高い湿度環境下における信頼性を同時に得ることを可能にするものである。
【0018】
その保護層による効果が得られる理由として、原理の概念の模式図を図3に示す。ガス感応体部は酸化物半導体などの半導体粒子13では、その表面がガスに対して感知する性質であり、保護材はその表面を覆っている。本発明では、疎水化された多孔質保護材を用いてガスセンサを構成することが特徴である。これによって、対象のガス分子は保護材料の連続孔部12を通過して、ガス感知する半導体粒子13の表面に到達するため、ガスを検出することができ、保護材によって感度低下を生じることなく高感度のガスセンサを提供することができる。
【0019】
また、水分子は、保護材料の骨格部11を疎水化しているために、水分は保護材料に吸湿しないうえに、保護材料の連続孔部12に凝縮して蓄えられることがない。したがって、食品を保鮮するような高い湿度の環境下においても、保護材に蓄えられた水分によってガス感知する半導体粒子13の表面を水酸基化などの変質を生じさせることを極めて低減することができ、高信頼性のガスセンサを提供することができる。
【0020】
本発明は、疎水化された多孔質保護材をガスセンサに適用する形態に特徴があるものである。
【0021】
以下に、本発明のガスセンサおよびガスセンサユニットとそれを用いた保鮮装置の具体的な実施の形態について図を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)に示すように、ガスセンサを支持するために支持基板4上にセンサを構成する。その支持基板4上に一対の電極3を形成し、そのセンサ電極3間にガス感応体部2を形成した。さらにガス感応体部2を覆うようにその上部に疎水化処理された多孔質保護材からなる保護層1が形成した。この構成では、図1(b)のようにガス感応体部2に酸化物半導体を用いた際には、ガス感応体部2は半導体粒子2aの集合体として形成することで表面積を広くして感度を高くすることができ、保護層1はガス感応体部2上にオーバーコートした形態となる。
【0023】
また、本実施の形態における他の構成を図4に示す。本発明のガスセンサを用いるときに、対象ガスに対するガス応答性やガス感度を最適化するためにヒータ等による加熱機構を設けて、ガス感応体部2の動作温度を制御することも好ましく用いることができる。
【0024】
図4では、支持基板4に対してガス感応体部2の反対面にヒータ22を形成している。まず、支持基板4の片面にヒータ用の電極21を形成し、そのヒータ電極21上にヒータ22を形成する。使用する環境によって必要に応じてヒータ22のオーバーコートした保護層23を形成する。さらに、ヒータ22側の反対側にガス感応体部2を支持基板4上にまず形成し、その上に一対の電極3を形成した後に疎水化処理された多孔質保護材からなる保護層1を形成している。
【0025】
本実施の形態では、ヒータ22とガス感応体2との位置関係について支持基板4に対して対向する位置に配置しているが、これに限定されるものではない。ヒータ22を形成した面にさらにその上にガス感応体部2を形成することも可能であるし、ガスセンサと別にヒータを設けて動作温度を制御することもできる。
【0026】
(実施の形態2)
図2(a)に示すように、ガスセンサを支持するために支持基板4上にセンサを構成する。その支持基板4上に一対の電極3を形成し、そのセンサ電極3間に疎水化処理された多孔質保護材で処理をした保護ガス感応体部5を形成した。この構成では、図2(b)のように保護ガス感応体部5にガス感応材料として酸化物半導体を用いた際には、ガス感応体は半導体粒子5aの集合体として形成されている部分に、疎水化処理された多孔質の保護材料5bが半導体粒子5aの個々を覆った形態となる。
【0027】
この構成においてもガスセンサの性能を最適化するためにヒータと組み合わせて用いることが可能である。
【0028】
(実施の形態3)
支持基板4上に一対のセンサ電極3とガス感応体部2を形成したガスセンサ32を実際に機器、設備に装備する際に用いるガスセンサユニットの構成を示す。この構成に適用されるガスセンサ32は保護材なしで形成されている。このガスセンサ32のセンサ電極3からリードワイヤ33を用いて電極端子36に電気的な結線を行う。この状態でセンサケース34内にガスセンサ32を設置する。センサケース34は上面に外部からガスが入ってくる開口部を有しており、その開口部に疎水化された多孔質保護材を設置して保護フィルタ部31を配置させる。この構成によって、ガスセンサ32に保護材による処理を行わなくても、ガスセンサユニットの構成として高感度で高信頼性のガス感知を行うことが可能になる。
【0029】
この際、ガスセンサにヒータ部が形成されている場合には、電極端子36としてはヒータ電極用の電極端子も必要となる。
【0030】
(実施の形態4)
実施の形態1または2の保護材により処理されたガスセンサ38を実際に機器、設備に装備する際に用いるガスセンサユニットの構成を示す。ガスセンサ38のセンサ電極3からリードワイヤ33を用いて電極端子36に電気的な結線を行う。この状態でセンサケース34内にガスセンサ38を設置する。センサケース34は上面に外部からガスが入ってくる開口部を有しており、その開口部にメッシュ37を配置させる。ガスセンサ38に疎水化処理された多孔質保護材を形成しているため、開口部はガスが進入しやすく、ごみなどが入りにくいものであれば材料としてはメッシュでなくてもよい。
【0031】
この際、ガスセンサにヒータ部が形成されている場合には、電極端子36としてはヒータ電極用の電極端子も必要となる。
【0032】
(実施の形態5)
本発明の保鮮装置における実施の形態を説明する。
【0033】
本発明の保鮮装置は、食品を保存する環境として新鮮な野菜などがみずみずしさを失わないような高い湿度の雰囲気で用いるのに適している。温度、湿度の条件としては、温度5℃、相対湿度70%以上の冷蔵条件から、温度40℃、相対湿度95%くらいまでの加温条件で用いることができる。これら湿度条件における絶対水分量としては、約5g/m3から約50g/m3の範囲の雰囲気である。本発明のガスセンサユニットでは湿度に対する信頼性を高めることができるため、上述の高い湿度雰囲気条件においても、食品から発生するガスを感知することが可能になる。そして、感度を低下させることもないため、高感度に対象ガスを検知したガスセンサからの出力を得て、食品の鮮度状態を表示して知らせたり、その出力から鮮度保持するための機構にフィードバックして新鮮さを制御したりすることことが可能になる。
【0034】
食品の鮮度状態を表示する方法としては、ディスプレイに表示したり、表示ランプを点灯したりするなどの汎用的な手段を適用することができる。
【0035】
食品の新鮮状態を保持するために制御する方法としては、温度や湿度の制御や、食品から発生したガスを除去するなどの手段を適用することができる。例えば、食品から発生したエチレン、エタノール、アンモニアなどの前述したガスはその食品の腐敗を促進したり、他の食品の新鮮さを低下したりすることが知られている。したがって、これらのガスを保鮮装置内から排出したり、外部から他の気体を入れたり、脱臭したりするなどの手段によって食品の置かれた雰囲気から除去すればよい。脱臭する方法としては、その動作を制御できれば、触媒、光触媒、プラズマ、イオン脱臭などの各種技術を適用することが可能である。
【0036】
なお、本発明の保鮮装置は、食品だけでなく、新鮮度を検知して鮮度を保持する必要のあるものであれば、生花、切花などの食品以外にも適用することができる。
【0037】
まず、本発明のガスセンサの構成について詳しく説明する。
【0038】
本発明のガスセンサのガス感応体部について述べる。
【0039】
ガス感応体の材料としては、ガス感度が高いため半導体材料が好ましい。特に、金属酸化物半導体では、前述の食品から発生されるエチレン、エタノール、アルデヒド類、アミン類、メルカプタン類などのにおいガス成分に対して比較的高い感度を示す。例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化タンタルなどがある。これらの材料のうち、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化タングステンからなる群からいずれか一つを主成分とするガス感応体部は、塗布するために印刷法、スピンコートやディップコートなどのコーティング法、スパッタリング法、真空蒸着法などの薄膜製法を用いることができ、感度の高い薄膜構成を得ることができるために好ましい。
【0040】
ガス感応体部の薄膜構成としては、緻密な薄膜でもよいが、金属酸化物半導体の粒子が集合した多孔質な構造であれば、ガス感知する感応体表面が増大するので高い感度を得ることができるので好ましい。また、ガス感応体の感度やガス選択性の向上を目的として、ガス感応体部に触媒を添加することも好ましい。添加される触媒としては、金属またはその化合物が好ましく、アルカリ土類金属、遷移金属などが用いられ、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、カドミウム、アンチモン、ビスマス、パラジウム等が挙げられる。これらは、ガス感応体部の形成時に、無機塩または有機塩として加えられ、焼成処理時に分解して金属またはその化合物を得るのが一般的である。なお、例えば、無機塩では硝酸塩、硫酸塩、塩化物塩等が、有機塩ではカルボン酸塩、ジカルボン酸塩やアセチルアセトン錯塩が挙げられる。
【0041】
金属酸化物ガス感応体を形成するには、基板上にガス感応体形成用組成物の被膜を形成した後、数百℃以上の温度で焼成し形成するのが実施しやすい。なお、ガス感応体形成用組成物の塗布には、スクリーン印刷法、ロールコート法、ディップコート法、スピンコート法等を用いることができる。また、焼成温度としては、ガス感応体形成用組成物が分解する温度以上で、かつ基板の変形温度以下であればよく、400℃から800℃が好ましい。また、ガス感応体部の厚みとしては、0.1μmから1mmの範囲を用いることができ、好ましくは0.5μmから10μmの範囲でガス感度が高く、ガス応答性の高いガスセンサを得ることができる。
【0042】
次に、本発明の疎水化処理された多孔質保護材について説明する。
【0043】
本発明の多孔質保護材の材料としては、ガス感応体部の導通状態に影響しないように絶縁性であり、かつガスセンサの動作温度に対する耐熱性を考慮して200℃以上の耐熱性が必要であるため、材質として酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミノシリケート塩などの金属酸化物およびその塩を用いることができる。特に、ゾルゲル法などの比較的低温の成膜プロセスを適用することのできる酸化ケイ素を主成分としてなるのが好ましい。また、これらの材質で得られる多孔質保護材としては、
(1)100nm以下の連続細孔を有する密度500kg/m3以下の低密度乾燥ゲルであるエアロゲルやキセロゲル、
(2)1nm以下の均一な極細孔を有するゼオライト、
(3)界面活性剤をテンプレートとして用いて1nmから100nmの範囲で孔径を精密に制御したメソポーラス多孔体、
(4)高分子をテンプレートとして用いて1nmから10μmの範囲で孔径を制御した酸化物多孔体
などを用いることができる。
【0044】
細孔サイズとしては、ガスの分子が通過するサイズを考慮すると、多孔質体の平均細孔直径が0.5nmから100nmの範囲であるのが好ましい。これ以上のサイズになる水分の通過量が大きくなるとともにガス以外の不純物の通過も生じるために効果が低下してしまう。多孔質保護材を得る方法としてはそれぞれ簡単に以下に説明する。なお、一般的な製法であり、これらに限られるものではない。
【0045】
(1)エアロゲルは、ケイ酸ナトリウムや水酸化アルミニウムなどの無機原料、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、アルミニウムイソプロポキシドやアルミニウム−sec−ブトキシドなどの有機金属アルコキシドの有機原料などを触媒とともに溶媒中でゾルゲル法によって湿潤ゲルを形成させる。この湿潤ゲルをゲルが収縮しないように超臨界乾燥法を用いて乾燥して低密度乾燥ゲルを得る。キセロゲルは、湿潤ゲルを疎水化することによってゲル表面エネルギーを変えて界面張力を低減することでゲル収縮しないように加熱または減圧乾燥して低密度乾燥ゲルを得る。
【0046】
(2)ゼオライトは、通常、ケイ酸ナトリウム、コロイダルシルカ、ヒュームドシリカ、アルコキシシランなどのシリカ源と、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウムアルコキシドなどのアルミナ源と、アルカリ金属の水酸化物、弗化物の鉱化剤と、水と、必要に応じてテトラプロピルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩などの構造規定剤を加えて形成したヒドロゲルまたは乾燥ゲルから水熱合成法で形成する。
【0047】
(3)界面活性剤をテンプレートとするメソポーラス多孔体は、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムに代表されるアルキルアンモニウム系の界面活性剤などや、分子集合体を溶液中で形成する液晶分子などを、酸化物骨格原料と混合して上述のゾルゲル法や水熱合成法などと組み合わせて複合体を得る。骨格形成後に焼成して界面活性剤を除去して細孔形成し、その孔径を制御して金属酸化物の多孔体を得る。孔径は、界面活性剤の種類やアルキル鎖長によって決定できる。
【0048】
(4)高分子をテンプレートとするメソポーラス多孔体は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドのブロック共重合体、ポリビニルピロリジノンなどの高分子を酸化物骨格原料と混合して上述のゾルゲル法や水熱合成法などと組み合わせて、高分子分散またはスピノーダル分解した複合体を得る。骨格形成後に焼成して高分子を除去して細孔形成し、その孔径を制御して金属酸化物の多孔体を得る。孔径は、高分子の種類、分子量や濃度によって決定できる。
【0049】
これらの多孔質保護材を疎水化処理する手段としては、湿潤ゲルを形成する際に原料に疎水化剤を添加する方法、湿潤ゲルの段階で疎水化剤によって処理する方法、乾燥または焼成して得られた多孔質体を疎水化剤で処理する方法などがある。疎水化剤としては、アルキル基を有し、結合官能基の元素がケイ素、アルミニウム、チタンなどのカップリング剤を用いることができる。また、疎水化効果を示すアルキル基の部分にフッ素を導入したフルオロアルキル基を用いたものも効果がある。疎水化処理の方法としては、気相、液相で疎水化剤を多孔質体の固体部分に作用させることができるが、細孔の内部まで効率よく疎水化するためには溶媒中で処理する方法が好ましい。疎水化剤としては、例えば、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、ヘキサデシルジメチルクロルシラン、オクタデシルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン、フロオロメチルトリエチルシリケート、ジフルオロアルキルジアルコキシシラン、トリメチルシラノールなどが挙げられる。
【0050】
疎水化処理の効果は、水の接触角で評価できる。水の接触角が90°以上で疎水化されている。疎水化状態は、多孔体表面の凸凹状態や疎水化剤の種類等の条件によって90°から180°の範囲で接触角が得られた。ガス感応体部の耐湿性としては、水の接触角が100°以上で好ましい効果が得られた。上述の製法によって作製した疎水化処理された多孔質保護材の膜質や膜厚の均質性などからは、100°から170°の範囲が好ましかった。
【0051】
疎水化処理された多孔質保護材のガスセンサへの形成は、ガス感応体部に形成する場合には、保護材の原料を感応体に塗布することで湿潤ゲル化する手段が好ましい。その後に、疎水化処理、または、乾燥処理、焼成処理等を組み合わせて疎水化処理された多孔質保護材を得る。また、ガスセンサユニットとして適用する際には、自立した多孔質保護材を形成するか、メンブレンフィルムのような多孔質の支持材上に多孔質保護材を形成したものをセンサケースの開口部に貼り付けるなどの手段を行うことができる。
【0052】
次に、本発明のガスセンサにおける他の構成材料について説明する。
【0053】
ガスセンサの基板は、表面が絶縁性を有し、センサ使用時の温度に対する耐熱性や耐湿性を有しているものが必要であり、いずれのものも使用することができ、材料や構成等を限定するものではない。好ましくは、アルミナやシリカガラス、シリコンカーバイドなどの基板を用いることができる。また、必要に応じて、ヒータなど加熱機能を備えているものもよい。また、基板の表面粗さは0.01μmから1μmの間であることが好ましい。
【0054】
また、センサの電極としては、ガス感応体部に電圧印加して、その抵抗値を測定することが主たる目的であり、電極の材料、構成、パターン、製造方法等を限定するものではない。構成としては、単層の電極で形成することもできるが、基板との密着性などから薄膜電極と厚膜電極の二層構成を形成することも好ましい。また、厚膜電極はリードとの接合をよくする場合に用いるものである。このとき、二層構成の電極としては、薄膜電極の厚さは0.1〜1μm、厚膜電極の厚さは3〜20μmの間であることが好ましい。電極材料としては、対象のガスや湿度によって変成することがない材料が好ましく、金、銀、白金等の金属が用いられる。
【0055】
【実施例】
なお、ガス感度評価については、空気中におけるガスセンサの素子抵抗をRA、1ppmの対象ガスを含む試験ガスを加えて30分後のセンサ素子抵抗をRGとしてRG/RAを求めてセンサ感度とした。また、耐湿性については、初期のガス感度を測定した後に、ガスセンサを40℃、相対湿度95%(絶対水分量約50g/m3)の雰囲気で10日間放置した後にガス感度を測定し、初期感度と比較して評価した。ここで、エチレン、エタノール等の対象ガスでは、ガス雰囲気の抵抗が低くなるためにガス感度はRG/RAが小さいほど感度が高くなる。
【0056】
(実施例1)
まず、支持基板上に電極の形成を行った。厚さ0.4mmのアルミナ基板の上に、金の有機金属化合物ペ−ストをスクリーン印刷法により塗布・乾燥した後、800℃で焼成して、膜厚が0.3μmの薄膜電極を形成した。次に、この薄膜電極上に、同様に金の厚膜印刷用ペーストをスクリーン印刷法により塗布・乾燥した後、800℃で焼成して、膜厚が6μmの厚膜電極を形成した二層構造の電極を得た。
【0057】
次に、ガス感応体部の形成について示す。100mlのビーカーに、添加濃度が1mol%となるように活剤として塩化パラジウムを秤量し、粘度調整剤として1gのエチルセルロースを溶解させた10gのブチルカルビトール溶液を加え、さらに、9gの2−エチルヘキサン酸スズを加えて、撹拌・混合して、所望のガス感応体形成用組成物を得た。そのガス感応体形成用組成物を、電極を形成したアルミナ基板の上に、スクリーン印刷により塗布後、700℃で1時間焼成し、膜厚が約2μmの酸化スズを主成分とする金属酸化物からなるガス感応体薄膜を形成した。
【0058】
次に、疎水化処理された多孔質保護材の形成について示す。本実施例では、アルコキシシランをゲル原料として多孔質体の前駆体である湿潤ゲルを形成し、この湿潤ゲル内の水を含む溶媒をアセトンを用いた溶媒置換により除いた後、疎水化剤としてジメチルジメトキシシランを用いてアセトン中で疎水化処理を行った。最後に、乾燥工程に於いて、溶媒置換を行った後乾燥することで乾燥ゲルを作製した。
【0059】
具体的には、テトラメトキシシラン/メタノール/水=100/90/47(重量比)を混合し、この溶液をゲル化が生じる前にガス感応体部に塗布してからゲル化させてオーバーコート保護層の形態で多孔質体の前駆体である湿潤ゲルを得た。なお、水としては、ゲル化触媒のアンモニアを加えた0.1規定アンモニア水を用いた。引き続き、得られた湿潤ゲルを、ゲル体積の10倍のアセトンに浸漬することで、湿潤ゲル中の水を含む溶媒をアセトンに置換した。その後にゲル形成に用いたテトラメトキシシラン1モルに対して、0.5モルの割合のジメチルジメトキシシランを10wt%アセトン溶液に、センサ表面を浸した。その後に、センサ表面をゲル体積のアセトンで洗浄することで湿潤ゲル中の溶媒置換を行った。最後に、センサを50℃、12MPaの二酸化炭素で超臨界乾燥することにより、乾燥ゲルとして疎水化処理された保護層を多孔質化した。疎水化処理された多孔質保護層の厚みは約1μm、密度は約200kg/m3で、その平均細孔直径は約20nmであった。保護層表面に水の接触角は約120°であり疎水性を示すことが確認された。
【0060】
作製したガスセンサ素子をリードワイヤで接続して、開口部が網目状メッシュのガスセンサユニットを作製した。これを用いて1ppmのエチレンに対するガス感度を測定した。7リットルのアクリルボックス中にセンサ素子を固定し、空気中と、700ppmのエチレンをボックス中に10ml加えて、センサ素子に接触させたときのセンサ素子抵抗変化を測定して評価した。
【0061】
得られた初期のセンサ感度は0.5であり、耐湿試験後のセンサ感度も0.5であり、高いガス感度と高い耐湿性を有していた。
【0062】
(比較例1)
実施例1と同様の手順でガス感応体部まで作製したガスセンサを用いたガスセンサユニットで1ppmのエチレンに対して評価した結果、初期のセンサ感度は0.5であり高いガス感度を示した。しかし、耐湿試験後のセンサ感度が0.8と悪くなっており、耐湿性に問題があった。
【0063】
(比較例2)
実施例1と同様の手順でガス感応体部まで作製した後に、多孔質でないシリカを保護層としたガスセンサを得た。シリカ保護層の製造方法としては、8gのエタノールに、10gのテトラエトキシシランを溶解させ原料溶液を調製し、同じく8gのエタノールに、0.2gの濃塩酸と10gの水を加えた加水分解用溶液を調製して、両者を室温中で混合しガス感応体表面に塗布した後に溶媒を乾燥した。その後に、600℃で焼成してシリカ保護層を得た。
【0064】
この作製したガスセンサを用いたガスセンサユニットで1ppmのエチレンに対して評価した結果、初期のセンサ感度は0.6であり、耐湿試験後のセンサ感度は0.7であった。ガス感度は保護層がない比較例1のガスセンサと比較して感度が悪い結果となった。おそらく、多孔質でないシリカ保護層がガス感応体を覆ってしまっているため、対象ガスがガス感応体部までの到達しにくくなっているためと思われる。また、耐湿性については、比較例1の保護層がないときに対しては向上しているが、実施例1よりも効果は少なかった。
【0065】
(比較例3)
ガス感応体部上に多孔質体の前駆体であるシリカの湿潤ゲルを形成までは実施例1と同様の手順で行い、湿潤ゲルを疎水化しないで超臨界乾燥を行って多孔質保護層を形成したガスセンサを得た。
【0066】
この作製したガスセンサを用いたガスセンサユニットで1ppmのエチレンに対して評価した結果、初期のセンサ感度は0.5であり高いガス感度を示した。しかし、耐湿試験では、多孔質保護層が、吸湿して失透するとともに吸湿して割れと剥離を生じたため、センサ感度は0.8であり、耐湿性は得られなかった。
【0067】
(実施例2)
ガス感応体部上に多孔質体の前駆体であるシリカの湿潤ゲルを形成までは実施例1と同様の手順で行った。ただし、湿潤ゲルの形成は、原料溶液がガス感応体部の中まで十分に含浸してからゲル化するようにした。その後に、ゲル形成に用いたテトラメトキシシラン1モルに対して、0.5モルの割合のトリメチルクロルシランを5wt%ヘキサン溶液に、センサ表面を浸した。その後に、センサ表面をゲル体積のヘキサンで洗浄することで湿潤ゲル中の溶媒置換を行った。最後に、80℃、真空減圧乾燥によって乾燥することにより、疎水化処理された乾燥ゲルで複合化された保護ガス感応体部を得た。疎水化処理された保護ガス感応体部における平均細孔直径は約15nmであった。保護層表面における水の接触角は約120°であり疎水性を示すことが確認された。
【0068】
作製したガスセンサ素子をリードワイヤで接続して、開口部が網目状メッシュのガスセンサユニットを作製した。これを用いて10ppmのエタノールに対するガス感度を測定した。
【0069】
得られた初期のセンサ感度は0.4であり、耐湿試験後のセンサ感度も0.45であり、高いガス感度と高い耐湿性を有していた。
【0070】
(実施例3)
ガス感応体部までは実施例1と同様の手順で行った。疎水化された多孔質保護材は以下のように調製した。テトラメトキシシランと水を1:2で混合し少量の塩酸によって部分縮合し溶液を得た。これに、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩を加えて原料溶液を得た。この溶液を、ガス感応体部にスピンコーティングで塗布を行った。成膜後に550℃で焼成して有機成分を除去して多孔質の保護層薄膜を得た。保護層の厚みは約0.3μmであった。その多孔質保護層に、トリメチルクロルシランの5wt%ヘキサン溶液にセンサ表面を浸して疎水化を行い、疎水化処理された多孔質保護層を得た。保護層の細孔直径は約3nmであり、保護層表面の水の接触角は約110°であり疎水性を示すことが確認された。
【0071】
作製したガスセンサ素子をリードワイヤで接続して、開口部が網目状メッシュのガスセンサユニットを作製した。これを用いて1ppmのジメチルサルファイドに対するガス感度を測定した。
【0072】
得られた初期のセンサ感度は0.5であり、耐湿試験後のセンサ感度も0.55であり、高いガス感度と高い耐湿性を有していた。
【0073】
(実施例4)
ガス感応体部までは実施例1と同様の手順で行った。
【0074】
疎水化された多孔質保護材は以下のように調製した。テトラメトキシシランと水を1:2で混合し少量の塩酸によって部分縮合し溶液を得た。これに、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩を加えて原料溶液を得た。この溶液を、ガス感応体部にスピンコーティングで塗布を行った。成膜後に550℃で焼成して有機成分を除去して多孔質の保護層薄膜を得た。保護層の厚みは約0.3μmであった。その多孔質保護層に、トリメチルクロルシランの5wt%ヘキサン溶液にセンサ表面を浸して疎水化を行い、疎水化処理された多孔質保護層を得た。保護層の細孔直径は約3nmであり、保護層表面の水の接触角は約110°であり疎水性を示すことが確認された。
【0075】
作製したガスセンサ素子をリードワイヤで接続して、開口部が網目状メッシュのガスセンサユニットを作製した。これを用いて1ppmのジメチルサルファイドに対するガス感度を測定した。
【0076】
得られた初期のセンサ感度は0.5であり、耐湿試験後のセンサ感度は0.55であり、高いガス感度と高い耐湿性を有していた。
【0077】
(実施例5)
実施例1と同様の手順でガス感応体部まで作製したガスセンサを用いた。作製したガスセンサ素子をリードワイヤで接続して、センサケースに開口部があるガスセンサユニットを作製した。この開口部には以下の手順で作製した疎水化したゼオライト薄膜シートを接着封止した。
【0078】
支持体シートとして、厚さ0.3mmで数μmの細孔を有するα−アルミナを用いた。コロイダルシリカとテトラプロピルアンモニウム塩と水を混合して、支持体シートを設置したオートクレーブ中において180℃で水熱合成した。α−アルミナの支持体シート表面に約2μmの厚みのゼオライト膜が形成された。このゼオライト膜をヘキサメチルジシラザンのエタノール溶液中に浸漬して60℃で疎水化処理をした。細孔直径は約0.3nmで、水の接触角は115°であった。
【0079】
このガスセンサユニットを用いて1ppmのエチレンに対するガス感度を測定した。
【0080】
得られた初期のセンサ感度は0.5であり、耐湿試験後のセンサ感度も0.5であり、高いガス感度と高い耐湿性を有していた。
【0081】
(実施例6)
実施例1で作製したガスセンサユニットを設置し、温度5℃、相対湿度90%(絶対水分量6g/m3)に調整できる50Lの断熱保管庫を作製した。発生したガスを除去する機構として光触媒を用いた脱臭器を設置した。
【0082】
この保管庫の中にほうれん草一束を保管して発生するジメチルサルファイドを感知してモニタ表示した。ジメチルサルファイドを0.1ppm未満に維持した場合と、特にガス除去しない場合と比較すると、維持した場合の方が3倍程度長期に鮮度状態を長く保持できた。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ガスセンサは、ガス感応体部を疎水化処理された多孔質保護材で覆うことによって、ガスに対する高感度化と高い湿度環境下における信頼性を同時に得ることを可能にできる。また、食品を保存するための高い湿度の環境においても、そのガスセンサを用いることで食品の新鮮度を検知して、その鮮度を保持させる保鮮装置を提供することができる。工業的価値の大なる物である
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の形態として示すガスセンサの断面図
(b)図1aのガス感応体部の模式図
【図2】(a)本発明の第2の形態として示すガスセンサの断面図
(b)図2aの保護ガス感応体部の模式図
【図3】本発明の保護層の効果を説明する模式図
【図4】本発明の第3の形態として示すガスセンサの断面図
【図5】本発明の第4の形態として示すガスセンサユニットの構成図
【図6】本発明のガスセンサを設置したガスセンサユニットの構成図
【符号の説明】
1 保護層
2 ガス感応体部
2a 半導体粒子
3 センサ電極
4 基板
5 保護ガス感応体部
5a 半導体粒子
5b 保護材料
11 保護材料の骨格部
12 保護材料の連続孔部
13 半導体粒子
21 ヒータ電極
22 ヒータ部
23 ヒータ保護層
31 保護フィルタ部
32 保護材なしのガスセンサ
33 ワイヤ
34 センサケース
35 絶縁シール部
36 電極端子
37 メッシュ
38 保護材で処理されたガスセンサ

Claims (8)

  1. ガス感応体部が疎水化処理された多孔質保護材で覆われてなることを特徴とするガスセンサ。
  2. 支持基板と、前記支持基板上に形成された一対の電極と、前記電極間にガス感応体部が形成されてなり、さらに前記ガス感応体部の上部に疎水化処理された多孔質保護材からなる保護層が形成されてなる請求項1記載のガスセンサ。
  3. 疎水化処理された多孔質保護材が、水の接触角が100°から170°の範囲であり、平均細孔直径が0.3nmから100nmの範囲である請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. 多孔質保護材が、酸化ケイ素を主成分としてなる請求項1から3のいずれか記載のガスセンサ。
  5. ガス感応体が、酸化スズを主成分とする請求項1または2に記載のガスセンサ。
  6. センサケース内に設置されてなることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサユニット。
  7. 支持基板上に一対の電極と前記電極間にガス感応体部が形成されたガスセンサが、センサケース内に設置され、前記センサケースの開口部が疎水化処理された多孔質保護材で覆われてなることを特徴とするガスセンサユニット。
  8. 絶対水分量5g/m3から50g/m3の雰囲気において、請求項6または7記載のガスセンサユニットを用いることによって、食品から発生するガスを感知することで前記食品の鮮度状態を表示または保持することを特徴とする保鮮装置。
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