JP2020056643A - ガスセンサ用部材、ガスセンサ、及びガスセンサ用部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検知対象となる分子の脱離が容易であり、抵抗値を分子の吸着前の抵抗値に戻すことが容易なガスセンサ用部材を提供する。【解決手段】金属酸化物材料で構成される基体10と、基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層20と、を有し、被覆層は、検知対象となる分子が金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、分子の求核付加反応、分子の酸化反応、及び分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む、ガスセンサ用部材を提供する。【選択図】図1
Description
本開示は、ガスセンサ用部材、ガスセンサ、及びガスセンサ用部材の製造方法に関する。
半導体ガスセンサは、ガス検知部に検知対象となる分子が結合するとガス検知部の抵抗値が変化することを利用して、対象となる分子の存在を検知する装置である。ガスセンサは、例えば、呼気等の生体ガスをモニタリングすることで生体情報を得るために利用することができる。
半導体ガスセンサのガス検知部に用いられるセンサ材料が種々検討されている。例えば、特許文献1には、チタン及び/又はケイ素を含む金属アルコキシドを重合した高分子マトリクスで構成される揮発性アルデヒドの捕捉担体であって、特定の揮発性アルデヒド又はそれに類似する立体構造を有する分子を鋳型とする窩洞からなる認識手段を前記捕捉担体の内部及び/又は表面に有し、揮発性アルデヒドを立体構造的かつ化学的に認識し、捕捉する前記捕捉担体が開示されている。
ガスセンサにおいては、ガス検知部に一旦結合した分子を再び脱離させ、初期のガス検知能力を回復させること、すなわち、ガス検知部の抵抗値を分子の吸着前の抵抗値に戻すことが極めて重要とされている。デバイスを高温にさらし、検知部に吸着した分子の脱離を促進させることによって、検知部の抵抗値を初期の抵抗値に戻す方法が考えられる。しかし、高温にさらすことによって、デバイス自体の劣化を引き起こし得る。
本開示は、検知対象となる分子の脱離が容易であり、抵抗値を分子の吸着前の抵抗値に戻すことが容易なガスセンサ用部材及びガスセンサ用部材の製造方法を提供することを目的とする。本開示はまた、初期化が容易なガスセンサを提供することを目的とする。
本開示の一側面は、金属酸化物材料で構成される基体と、上記基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層と、を有し、上記被覆層は、検知対象となる分子が上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、上記分子の求核付加反応、上記分子の酸化反応、及び上記分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む、ガスセンサ用部材を提供する。
上記ガスセンサ用部材は、金属酸化物材料で構成される基体の表面に、所定の被覆層が設けられることによって、金属酸化物材料上で検知対象となる分子が更に求核付加反応又は酸化反応を起こすことで上記金属酸化物材料と強固に結合すること、及び上記金属酸化物材料上で検知対象となる分子が多量化反応を起こし分子量が増加して脱離しづらくなることを抑制することができる。このような作用によって、金属酸化物材料で構成される基体の表面に一旦吸着し化学結合を形成した分子が金属酸化物材料の表面から容易に脱離することが可能であり、ガスセンサ用部材が初期の抵抗値を容易に回復することができる。
検知対象となる上記分子が、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含み、上記被覆層は、上記分子が上記金属酸化物に吸着することで進行するジオレート化及びカルボキシレート形成反応の少なくとも一方を抑制する層を含んでもよい。
本開示の一側面は、金属酸化物材料で構成される基体と、上記基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層と、を有し、上記被覆層のルイス酸性が、上記基体のルイス酸性よりも低い、ガスセンサ用部材を提供する。
上記ガスセンサ用部材は、金属酸化物材料で構成される基体の表面に、金属酸化物よりもルイス酸性の低い被覆層が設けられることによって、金属酸化物材料上で検知対象となる分子が求核付加反応又は酸化反応を起こし上記金属酸化物材料と強固に結合すること、及び上記金属酸化物材料上で検知対象となる分子が多量化反応を起こし分子量が増加して脱離しづらくなることを抑制することができる。このような作用によって、金属酸化物材料で構成される基体の表面に一旦吸着し化学結合を形成した分子が容易に金属酸化物材料の表面から脱離することが可能となり、ガスセンサ用部材が初期の抵抗値を容易に回復することができる。
上記ガスセンサ用部材は、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を検知するガスセンサに用いられてもよい。
上記基体の上記被覆層による被覆率が5%以上であってもよい。
上記金属酸化物材料が、酸化チタニウム、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、及び酸化タングステンからなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。
上記被覆層が、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも1種に由来する構造を含有してもよい。
上記被覆層が硫酸に由来する構造を含有してもよい。
本開示の一側面は、センサ電極と、上記センサ電極と電気的に接続されたガス検知部とを備え、上記ガス検知部が上述のガスセンサ用部材を含む、ガスセンサを提供する。
上記ガスセンサは、ガス検知部に上述のガスセンサ用部材を含むことによって、金属酸化物材料上で検知対象となる分子が求核付加反応又は酸化反応を起こし上記金属酸化物材料と強固に結合すること、及び上記金属酸化物材料上で検知対象となる分子が多量化反応を起こし分子量が増加して脱離しづらくなることを抑制することができる。このような作用によって、検知対象の分子を容易に脱離することが可能となり、ガス検知部の抵抗値を分子の吸着前に容易に戻すことが可能なガスセンサを提供することができる。
本開示の一側面は、金属酸化物材料で構成される基体に、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する溶液を接触させ、上記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を形成する工程を有し、上記被覆層は、検知対象となる分子が上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、上記分子の求核付加反応、上記分子の酸化反応、及び上記分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む、ガスセンサ用部材の製造方法を提供する。
上記ガスセンサ用部材の製造方法において、金属酸化物材料で構成される基体の表面に、無機オキソ酸等を含む溶液を接触させることで、上記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を設ける工程を有している。これによって、金属酸化物材料上で検知対象となる分子が求核付加反応又は酸化反応を起こし上記金属酸化物材料と強固に結合すること、及び上記金属酸化物材料上で検知対象となる分子が多量化反応を起こし分子量が増加して脱離しづらくなることを抑制することができるため、検知対象の分子を容易に脱離することが可能であり、抵抗値を分子の吸着前に容易に戻すことが可能なガスセンサ用部材を製造することができる。
本開示の一側面は、金属酸化物材料で構成される基体に、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する溶液を接触させ、上記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を形成する工程を有し、上記被覆層のルイス酸性が、上記基体のルイス酸性よりも低い、ガスセンサ用部材の製造方法を提供する。
上記ガスセンサ用部材の製造方法において、金属酸化物材料で構成される基体の表面に、無機オキソ酸等を含む溶液を接触させて、上記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を設ける工程を有していることから、検知対象の分子を容易に脱離することが可能であり、ガス検知部の抵抗値を分子の吸着前に容易に戻すことが可能なガスセンサ用部材を製造することができる。
上記ガスセンサ用部材が、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を検知するガスセンサに用いられてもよい。
本開示によれば、検知対象となる分子の脱離が容易であり、抵抗値を分子の吸着前の抵抗値に戻すことが容易なガスセンサ用部材及びガスセンサ用部材の製造方法を提供することができる。本開示によればまた、初期化が容易なガスセンサを提供することができる。
本発明の実施形態を、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各層の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、ガスセンサ用部材の一例を示す模式断面図である。ガスセンサ用部材100は、金属酸化物材料で構成される基体10と、基体10の表面に設けられた被覆層20とを有する。被覆層20は、基体10の表面における化学反応を抑制する層である。図1においてガスセンサ用部材100は、ワイヤ状の基体10の切断面を想定しているが、基体10の形状は特に限定されるものではなく、例えば、図2に示すような態様であってもよい。図2は、ガスセンサ用部材の別の例を示す模式断面図である。ガスセンサ用部材102は、金属酸化物材料で構成されるフィルム状の基体12と、基体12の表面の一部に設けられた被覆層22とを有する。以下の説明では、簡単のためにガスセンサ用部材100を例に説明するが、ガスセンサ用部材100の説明内容をガスセンサ用部材102に適用することができる。
ガスセンサ用部材100の一実施形態において、上記被覆層20は、検知対象となる分子が上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、上記分子の求核付加反応、上記分子の酸化反応、及び上記分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む。上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する上記分子の求核付加反応としては、例えば、揮発性アルデヒド又は揮発性ケトンのジオレート化等を挙げることができる。上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する上記分子の酸化反応としては、例えば、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン又は揮発性カルボン酸の酸化によるカルボキシレート形成反応等を挙げることができる。また、上記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する上記分子の多量化反応としては、例えば、アルドール縮合反応等を挙げることができる。被覆層20は、上記分子が上記金属酸化物材料に吸着することで進行するジオレート化及びカルボキシレート形成反応の少なくとも一方を抑制する層を含んでもよい。
基体10の形状は、例えば、粒子、ロッド、ワイヤ、チューブ及びフィルム等であってもよい。基体10は、市販のものを用いてもよく、別途調製したものを用いてもよい。基体10の形状がロッド又はワイヤである場合、原料となる金属酸化物を用いて、例えば、マイクロ波加熱法及び化学気相成長(CVD)法等によって調製された基体を用いることができる。基体10の形状がチューブである場合、原料となる金属酸化物を用いて、例えば、水熱合成法等によって調製された基体を用いることができる。基体10の形状がフィルムである場合、原料となる金属酸化物を用いて、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法等によって調製された基体を用いることができる。
基体10の大きさは、例えば、500μm以下であってよく、300μm以下、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であってよい。基体10の大きさは、例えば、1nm以上であってよく、5nm以上、10nm以上、15nm以上、又は20nm以上であってよい。基体10の大きさが上記範囲内であることによって、表面に設けられた被覆層による効果をセンサ特性により十分に反映することができる。基体10の大きさは、レーザー回折法によって測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合の体積累積が50%となる粒子径に対応する値を意味する。レーザー回折法による測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いることができる。
基体10がロッド、ワイヤ又はチューブである場合、基体10の長さは、例えば、100μm以下であってよく、50μm以下、又は10μm以下であってよい。また基体10の長さは、例えば、100nm以上であってよく、1μm以上、2μm以上、3μm以上、又は5μm以上であってよい。基体10がロッド、ワイヤ又はチューブである場合、基体10の直径は、例えば、10〜900nm、50〜800nm、100〜600nm、又は200〜500nmであってよい。本明細書において、基体10の長さ及び直径は、電子顕微鏡観察によって測定される値を意味する。
基体10を構成する金属酸化物材料は、例えば、酸化チタニウム、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、及び酸化タングステンからなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。酸化タングステンとしては、例えば、三酸化タングステンであってよい。
基体10の表面の少なくとも一部は、被覆層20によって被覆されている。被覆層20による基体10の被覆率は、例えば、5%以上であってよく、10%以上、15%以上、30%以上、40%以上、又は45%以上であってもよい。基体10の被覆層20による被覆率は、例えば、55%以下であってよく、50%以下であってよい。基体10の被覆層20による被覆率が上記範囲内であることによって、得られるガスセンサ用部材の初期値に回復するための時間をより短いものとすることができる。
本明細書において被覆率は、電子顕微鏡観察及びXPS測定をすることによって決定することができる。より具体的には、測定対象となるサンプル1gを用意し、電子顕微鏡を用いて表面積を測定する。次に、同サンプルに対してXPS(X線光電子分光)法によってサンプル表面における基体の表面を構成する金属原子(例えば、タングステン等)のピーク強度を測定して、単位面積当たりの金属原子の存在比率Aを決定する。次に、測定対象となるサンプルを構成する金属酸化物材料と同種の金属酸化物材料で構成される基体1gを用意し、上述した方法と同様にして、単位面積当たりの金属原子の存在比率Bを決定する。そして、下記式にしたがって、被覆率を決定することができる。
被覆率[%]=(単位面積当たりの金属原子の存在比率A)/(単位面積当たりの金属原子の存在比率B)×100
被覆率[%]=(単位面積当たりの金属原子の存在比率A)/(単位面積当たりの金属原子の存在比率B)×100
被覆層20は、例えば、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種に由来する構造を有してもよい。被覆層20が上記構造を有することで、検知対象となる分子と金属酸化物材料との強固な結合形成をより抑制することができる。
無機オキソ酸は、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸、臭素酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、モリブデン酸、イソポリ酸、及びヘテロポリ酸等を挙げることができる。
有機酸は、例えば、カルボン酸、スルホン酸、及びホスホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、及びフタル酸等が挙げられる。スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びベンゼンジスルホン酸等が挙げられる。ホスホン酸としては、例えば、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸、及びフェニルホスホン酸等が挙げられる。
有機シラン化合物は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、及びビニルトリイソプロポキシシラン等が挙げられる。
ガスセンサ用部材100の別の実施形態は、金属酸化物材料で構成される基体と、上記基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層と、を有し、上記被覆層のルイス酸性が、上記基体のルイス酸性よりも低い。
被覆層のルイス酸性が基体のルイス酸性よりも低いことで、検知対象となる分子が金属酸化物材料で構成される基体の表面へ吸着し化学結合を形成することを抑制でき、検知対象となる分子が金属酸化物材料の表面に強固に結合すること、及び金属酸化物材料の表面で多量化することを抑制することができる。
本明細書における「ルイス酸性」とは、金属酸化物材料の表面に存在する電子対受容部位が電子対供与体と錯形成する際の会合エンタルピー変化の大きさと、金属酸化物の表面に存在する電子対受容部位の濃度と、によって決定される値である。上記値は、予めアンモニアガスを吸着させた材料(金属酸化物材料、又は被覆層を構成する成分で調製された材料)を加熱し、摂氏100℃以上の温度域で脱離する単位面積当たりのアンモニアガスの脱離量(単位:mol/cm2)として評価することができる。アンモニアガスの脱離量が多い材料の方が、アンモニアガスの脱離量が少ない材料よりも、より高いルイス酸性を有することを意味する。
基体を構成する金属酸化物材料は、上述の基体10を構成する金属酸化物材料として、例示した化合物を含んでもよい。また、上記被覆層は、例えば、上述の被覆層20として例示した化合物に由来する構造を有してもよい。本実施形態におけるルイス酸性が上記基体のルイス酸性よりも低い被覆層は、例えば、上記金属酸化物材料と、上記被覆層を構成する所定の化合物に由来する構造との組み合わせによって形成することができる。上記金属酸化物材料と、上記被覆層を構成する所定の化合物に由来する構造との組み合わせは、例えば、金属酸化物表面により安定で密な被覆層を形成することができる組み合わせを選択してもよい。より安定で密な被覆層を形成するためには、例えば、等電位点が低い金属酸化物材料(例えば、酸化タングステン及び酸化チタニウム等)に対して、加水分解耐性の高いオキソ酸(例えば、スルホン酸及びホスホン酸等)を組み合わせればよい。より安定で密な被覆層を形成するためにはまた、例えば、等電位点が高い金属酸化物材料(例えば、酸化亜鉛等)に対して、無機オキソ酸又は有機酸を組み合わせればよい。
上述のガスセンサ用部材100は、例えば、下記のような方法によって製造することができる。ガスセンサ用部材の製造方法の一実施形態は、例えば、金属酸化物材料で構成される基体に、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する溶液を接触させ、上記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を形成する工程を有する。
上記基体と上記溶液とを接触させる方法は、例えば、上記溶液中に上記基体を浸漬させる方法であってよく、上記基体の表面に上記溶液を滴下させる方法であってもよい。上記基体に接触させる溶液の温度は、例えば、5℃以上であってよく、5〜350℃、25〜300℃、50〜250℃、又は100〜200℃であってよい。溶液の温度を上記範囲内とすることで、上記基体表面において金属酸化物材料を活性化させることができ、被覆層をより容易に形成することができる。
被覆層を形成する工程において、上記基体に溶液を接触させる時間は、例えば、0.5〜10時間、1〜8時間、又は2〜4時間であってよい。上記基体に溶液を接触させる時間を調整することによって、被覆層による上記基体の表面の被覆率を調整することもできる。例えば、上記基体に溶液を接触させる時間を長く設けることによって、被覆率を向上させることができる。
被覆層を形成する工程において、上記溶液は、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種の他に、例えば、溶媒等を更に含有させてもよい。溶媒としては、例えば、水、アルコール及びアセトン等が挙げられる。上記溶液が溶媒を含有する場合、溶媒の含有量は、溶液全量を基準として、例えば、99.9質量%以下、90質量%以下、又は50質量%以下であってよく、また、5質量%以上であってよい。溶媒の含有量を上記範囲内とすることによって、溶液の取扱い性を向上させ、被覆層の形成をより容易にするともに、溶液を上記基体と接触させた後に溶媒を除去することが容易にできる。
上記製造方法は、被覆層を形成する工程に加えて、別の工程を更に有してもよい。
上記基体に接触させる溶液が溶媒を含有する場合、上記製造方法は、上記基体を溶液に接触させた後に、上記基体上に設けられた塗膜中の溶媒を低減する工程を更に有してもよい。溶媒を低減する工程を有することによって、被覆層をより容易に形成することができる。塗膜中の溶媒を低減する方法は、例えば、風乾させる方法、及び加熱によって溶媒を除去する方法等であってよい。塗膜中の溶媒の低減を加熱によって行う場合、加熱温度は、例えば、5℃以上、25℃以上、50℃以上、又は100℃以上であってよく、また600℃以下、500℃以下、又は400℃以下であってよい。加熱温度が上記範囲内とすることによって、金属酸化物材料の劣化をより十分に抑制することができる。
上記製造方法は、上記基体に溶液を接触させた後に、有機溶媒で上記基体の表面を洗浄する工程を更に有してもよい。有機溶媒で洗浄する工程を設けることによって、上記基体と結合し被覆層を形成していない余剰分の無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物等をより十分に除去することができる。
上記製造方法は、上記基体上に被覆層を形成した後に、上記基体及び上記被覆層を更に加熱する工程を備えてもよい。加熱する工程を設けることで、上記基体と被覆層とをより十分に結合させることができる。加熱温度は、例えば、5℃以上、25℃以上、50℃以上、又は100℃以上であってよく、また600℃以下、500℃以下、又は400℃以下であってよい。加熱温度が上記範囲内とすることによって、金属酸化物材料の劣化をより十分に抑制することができる。
上記製造方法における金属酸化物材料で構成される基体は、例えば、ガスセンサを構成するものであってもよい。上記実施形態に係るガスセンサ用部材は、ガスセンサを製造するために好適に用いることができるが、既に、ガスセンサを構成している金属酸化物材料で構成される基体に対して、上記溶液を接触させることによって、ガスセンサ上で上記実施形態に係るガスセンサ用部材を製造することもできる。
図3は、ガスセンサの一例を示す模式図である。図3の(a)はガスセンサの一例を示す上面図である。図3の(b)は、図3の(a)のIIb−IIb線における模式断面図である。ガスセンサ500は、基材200と、基材200上に設けられたガス検知部400と、ガス検知部400の少なくとも一部と接するように基材200上に設けられた一対のセンサ電極300とを有する。ガス検知部400は、センサ電極と電気的に接続されている。
ガスセンサ500の一実施形態において、ガス検知部400は、上述のガスセンサ用部材100を含んでよく、またガスセンサ用部材100であってよい。ガス検知部400は、例えば、ガスセンサ用部材100が、セラミック、グラフェン、シリコン、化合物半導体、高分子化合物及びその他無機化合物等の担体に担持された部材であってもよい。
基材200は、例えば、セラミック等であってよい。センサ電極300は、例えば、白金、銅、及び銀等の金属を含んでよい。センサ電極300は、上記金属等を用いてスパッタリング等によって形成することができる。
ガスセンサ500は、ヒーターを更に有していてもよい。ガスセンサ500がヒーターを有することによって、検知対象となる分子に合わせてガス検知部400近傍の温度をより容易に調整することができる。
検知対象となる分子は、揮発性を有する分子であってよい。検知対象となる分子は、例えば、アルコール、アンモニア、チオール、オレフィン、ケトン、アルデヒド、エステル、アミド及びカルボン酸からなる群より選択される1種以上を含んでよい。検知対象となる分子は、例えば、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。アルコールとしては、例えば、エタノール等が挙げられる。チオールとしては、例えば、メチルメルカプタン等が挙げられる。オレフィンとしては、例えばエチレン、アセチレン、及びブタジエン等が挙げられる。ケトンとしては、例えば、アセトン、アセトフェノン等が挙げられる。アルデヒドとしては、例えば、ノナナール、アセトアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられる。エステルとしては、例えば酢酸エチル、クロロ酢酸メチル等が挙げられる。アミドとしては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びモノフルオール酢酸アミド等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、ノナン酸、及び安息香酸等が挙げられる。
検知対象となる分子は、キャリアとなるガスと共に混合ガスとして、ガス検知部400に供給されてもよい。キャリアとなるガスとしては、例えば、窒素ガス及び空気等が挙げられる。キャリアガスは、乾燥させて用いてもよい。
ガス検知部400に供給される混合ガスにおける検知対象となる分子の濃度は、混合ガス全量を基準として、例えば、0.1×10−12体積%以上、1×10−12体積%以上、10×10−12体積%以上、100×10−12体積%以上、1×10−9体積%以上、10×10−9体積%以上、又は100×10−9体積%以上であってよい。ガス検知部400に供給される混合ガスにおける検知対象となる分子の濃度は、混合ガス全量を基準として、例えば、100×10−6体積%以下であってよく、10×10−6体積%以下であってよく、1×10−6体積%以下であってよい。混合ガスにおける検知対象となる分子の濃度が上昇すると、通常、上記分子の脱離が抑制される傾向にあるが、本開示に係るガスセンサ用部材は上記分子の脱離が容易となっていることから、比較的高濃度で上記分子を供給することもできる。
本実施形態に係るガスセンサにおける初期化に要する時間(初期化時間)は、検知対象となる分子の種類によっても異なるが、200℃の環境下で、例えば、100秒間以下、90秒間以下、80秒間以下、70秒間以下、60秒間以下、又は50秒間以下とすることができる。
本明細書において「初期化」とは、検知対象となる分子がガス検知部に結合することで変化した抵抗値を、上記分子を脱離させることによって、再び抵抗値を回復させることをいう。分子の脱離後の抵抗値の回復率は、検知対象となる分子が結合する前のガス検知部の抵抗値を基準として、90%以上であってよく、95%以上であってよく、100%であってもよい。
上述のガスセンサ500は、ガス検知部400を1つ有する例で示したが、複数のガス検知部と、各ガス検知部近傍の温度を調整可能な複数のヒーターとを有してもよい。すなわち、本開示の一側面に係るガスセンサは、2つ以上のガス検知部を集積したガスセンサであってよい。この場合、上述のように複数のガス検知部を集積化したガスセンサは、複数の分子を一度に検知することもできる。
ガスセンサは、検知対象となる分子が、まず、ガス検知部(例えば、ガスセンサ用部材)の表面に物理吸着し、ガス検知部の表面近傍の活性中心である金属原子(例えば、タングステン等)と化学結合を形成する。検知対象となる分子とガス検知部との間で化学結合が形成される(すなわち、電子の授受が行われる)ことによって、ガス検知部の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出することによって、検知対象となる分子がガス中に存在することを確認することができる。
その後、ガス検知部との間に形成されていた化学結合が熱等によって切断される(すなわち、電子の授受が行われる)ことによって、検知対象となる分子は、ガス検知部から脱離する。検知対象となる分子が脱離すると、ガス検知部の抵抗値が初期値(検知対象となる分子が物理吸着して化学結合を形成する前の抵抗値)に回復する。
従来のガスセンサ用部材においては、検知対象となる分子が金属酸化物材料の表面に化学結合を形成した後、更に求核付加反応及び酸化反応等が進行し得る。このような反応が進行すると、上記分子が有する官能基から、カルボキシレート及びジオレート等の構造変換が生じ、金属酸化物材料を構成する金属原子と強い結合を形成し得る。こうして、上記分子が比較的強固に金属酸化物材料の表面に結合すると、再度脱離させるためには比較的高熱にさらす必要がある。同様に、従来のガスセンサ用部材においては、検知対象となる分子が金属酸化物材料の表面に化学結合を形成した後、上記分子の多量化反応が進行し得る。このような多量化反応が進行すると、例えば、上記分子に由来して発生する分子(例えば、2量化反応によって生じる二量体)は元の分子よりも分子量が増大すると、やはり再度脱離させるためには比較的高熱にさらす必要がある。
上記のような求核付加反応、酸化反応、及び多量化反応は、金属酸化物材料の表面近傍に化学結合した検知対象となる分子が、その近傍の別の活性中心である金属原子又は当該金属原子に化学結合した別の分子が存在することで進行すると推定される。本開示に係るガスセンサ用部材においては、所定の被覆層を有することで、活性中心となる複数の金属原子が近接して存在することを抑制し得る。また被覆層のルイス酸性を下げることによって、一度に多数の検知対象となる分子が金属酸化物材料に結合することを抑制し得る。本開示に係るガスセンサ用部材においては、所定の被覆層を有することで、上述のような求核付加反応、酸化反応、及び多量化反応の進行を抑制することができ、金属酸化物材料に結合した検知対象となる分子の脱離が容易となっている。すなわち、初期化に要する時間を短縮することが可能であり、また必ずしも高熱にさらさずにガスセンサを初期化することができる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、共通する構成については互いの説明を適用することができる。また本開示は、上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、三酸化タングステンナノワイヤ(長さ(平均値):10μm、直径(平均値):407nm)を用意し、室温で濃硫酸に4時間浸漬した。濃硫酸から取出した三酸化タングステンナノワイヤをメタノールで洗浄し、風乾した。その後、200℃で1時間加熱することで、被覆層を有するガスセンサ用部材Xを調製した。得られたガスセンサ用部材Xについて赤外吸収スペクトル測定した。結果を図4に示す。
まず、三酸化タングステンナノワイヤ(長さ(平均値):10μm、直径(平均値):407nm)を用意し、室温で濃硫酸に4時間浸漬した。濃硫酸から取出した三酸化タングステンナノワイヤをメタノールで洗浄し、風乾した。その後、200℃で1時間加熱することで、被覆層を有するガスセンサ用部材Xを調製した。得られたガスセンサ用部材Xについて赤外吸収スペクトル測定した。結果を図4に示す。
図4は、実施例1において測定した赤外吸収スペクトルである。当該赤外吸収スペクトルに示されるとおり、ガスセンサ用部材Xのスペクトル(図中、After sulfationで示されるスペクトル)は、原料である三酸化タングステンナノワイヤ(図中、Before sulfationで示されるスペクトル)には観測されない1400cm−1付近のピークが観測された。当該ピークはS=Oに由来するピークであり、このピークが観測されたことから、ガスセンサ用部材Xが、SO4を含む被覆層が形成されていることが確認された。
[ガスセンサ特性の評価1:揮発性アルデヒドの表面吸着性能の評価]
上述のようにして得られたガスセンサ用部材Xを用いてガスセンサ特性の評価を行った。まず、検知対象となる分子としてノナナールを用い、ノナナールの濃度が2.62ppmとなるように窒素との混合ガスを調製した。調製した混合ガスを充填した容器に、ガスセンサ用部材Xと、比較用に三酸化タングステンナノワイヤとを容器に入れ、室温(25℃)で10分間静置した。その後、ガスセンサ用部材X及び三酸化タングステンナノワイヤを容器から取出し、それぞれ赤外吸収スペクトル測定を行った。結果を図5に示す。
上述のようにして得られたガスセンサ用部材Xを用いてガスセンサ特性の評価を行った。まず、検知対象となる分子としてノナナールを用い、ノナナールの濃度が2.62ppmとなるように窒素との混合ガスを調製した。調製した混合ガスを充填した容器に、ガスセンサ用部材Xと、比較用に三酸化タングステンナノワイヤとを容器に入れ、室温(25℃)で10分間静置した。その後、ガスセンサ用部材X及び三酸化タングステンナノワイヤを容器から取出し、それぞれ赤外吸収スペクトル測定を行った。結果を図5に示す。
図5は、ノナナールの吸着性能を示す赤外吸収スペクトルである。当該赤外吸収スペクトルに示されるとおり、被覆層を有していない三酸化タングステンナノワイヤのスペクトル(図中、w/o sulfationで示されるスペクトル)では、ノナナールの吸着に由来する1715cm−1付近のスペクトルに加えて、カルボキシレート基(COO基)に由来する1601cm−1及び1624cm−1のピークが観測された。これに対して、ガスセンサ用部材Xのスペクトル(図中、with sulfationで示されるスペクトル)では、ノナナールの吸着に由来する1720cm−1付近のピークは観測されるものの、1600cm−1付近にはピークが観測されないことが確認された。この結果は、SO4を含む被覆層をガスセンサ用部材Xにおいては、ノナナールが三酸化タングステンナノワイヤ上に吸着し化学結合を形成するものの、更なる酸化反応が抑制されており、カルボキシレート形成反応が抑制されていることを示していると考えられる。
[ガスセンサ特性の評価2:初期化性能の評価]
セラミック基材上に上記ガスセンサ用部材Xを載せ、白金スパッタリングによって、上記ガスセンサ用部材Xの両端上に白金電極を形成した。こうして得られたガスセンサ(図3に示すようなガスセンサ)を評価用サンプルとして初期化性能の評価を行った。検知対象となる分子としてノナナールを用い、200℃の環境下で測定を行った。なお、抵抗値の測定は、電圧を1Vに設定して測定した。
セラミック基材上に上記ガスセンサ用部材Xを載せ、白金スパッタリングによって、上記ガスセンサ用部材Xの両端上に白金電極を形成した。こうして得られたガスセンサ(図3に示すようなガスセンサ)を評価用サンプルとして初期化性能の評価を行った。検知対象となる分子としてノナナールを用い、200℃の環境下で測定を行った。なお、抵抗値の測定は、電圧を1Vに設定して測定した。
初期化性能の評価は、具体的には以下の方法によって行った。すなわち、上記ガスセンサのガス検知部(ガスセンサ用部材X)に対して窒素ガスを供給しながら、ガスセンサ用部材Xの抵抗値の測定を開始した。測定開始から200秒間経過後に、ノナナールの濃度が2.62ppmとなるように窒素ガスと共にノナナールを加え、ノナナールの供給を200秒間継続した。測定結果を図6に示す。
図6は、ガスセンサの初期化性能の評価結果を示すグラフである。図6の(a)は、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサの結果を示しており、図6の(b)は、三酸化タングステンナノワイヤを用いたガスセンサの結果を示している。図6に示されるとおり、初期化に要する時間(図中、trecoveryで示す)が、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサにおいて大幅に短くなっていることが確認できる。より具体的には、三酸化タングステンナノワイヤを用いたガスセンサでは、初期化に640秒間を要しているのに対して、被覆層を備えるガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサでは、56秒間で初期化されている。
[ガスセンサ特性の評価3:サイクル特性の評価]
上述の初期化性能の評価と同様にして、ガスセンサのサイクル特性を評価した。結果を図7に示す。図7は、ガスセンサのサイクル特性の評価結果を示すグラフである。図7の(a)は、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサの結果を示しており、図7の(b)は、三酸化タングステンナノワイヤを用いたガスセンサの結果を示している。図中、「Gas in」は、ノナナールの供給開始を意味し、「Gas out」は、ノナナールの供給を遮断したことを意味する。図7に示すとおり、複数回のノナナールの供給を行っても、1回目の供給と同等にノナナールの検知及び初期化を行えることが確認された。
上述の初期化性能の評価と同様にして、ガスセンサのサイクル特性を評価した。結果を図7に示す。図7は、ガスセンサのサイクル特性の評価結果を示すグラフである。図7の(a)は、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサの結果を示しており、図7の(b)は、三酸化タングステンナノワイヤを用いたガスセンサの結果を示している。図中、「Gas in」は、ノナナールの供給開始を意味し、「Gas out」は、ノナナールの供給を遮断したことを意味する。図7に示すとおり、複数回のノナナールの供給を行っても、1回目の供給と同等にノナナールの検知及び初期化を行えることが確認された。
[ガスセンサ特性の評価4:検知対象分子の濃度依存性の評価]
検知対象となるノナナールの供給濃度を変更した以外は、上述の初期化性能の評価と同様にして、ガス検知性能を評価した。検知対象となるノナナールの供給濃度を、2.67pppm、1.33ppm、667.5ppb、133.5ppb、66.8ppb、26.7ppb及び6.7ppbに調整して、各2回ずつノナナールをガス検知部に供給して抵抗値の測定を行った。結果を図8に示す。
検知対象となるノナナールの供給濃度を変更した以外は、上述の初期化性能の評価と同様にして、ガス検知性能を評価した。検知対象となるノナナールの供給濃度を、2.67pppm、1.33ppm、667.5ppb、133.5ppb、66.8ppb、26.7ppb及び6.7ppbに調整して、各2回ずつノナナールをガス検知部に供給して抵抗値の測定を行った。結果を図8に示す。
図8は、ガスセンサ特性と、検知対象分子の濃度に対する関係を評価した結果を示すグラフである。図8における縦軸は、検知対象となるノナナールを所定濃度で含む混合ガス雰囲気下におけるガスセンサ用部材Xの抵抗値(Rgas)に対する、窒素ガス雰囲気下におけるガスセンサ用部材Xの初期の抵抗値(RN2)の比(RN2/Rgas)を示しており、この値が大きいことは検知対象分子に対する感度が高いことを意味する。図8にしめすとおり、ノナナールの濃度が6.7ppbであっても、ノナナールを吸着して、ガスセンサ用部材Xの抵抗値が1桁〜2桁低下することがわかる。すなわち、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサは、比較的低濃度のノナナールであっても十分に検知することができることが確認された。
(実施例2及び実施例3)
検知対象分子をアルデヒドの一種であるノナナールから、ケトンの一種である2−ノナノン(実施例2)又はカルボン酸の一種であるノナン酸(実施例3)に代えて、実施例1と同様にガスセンサ特性の評価を行った。結果を図9、図10、図11、及び図12に示す。
検知対象分子をアルデヒドの一種であるノナナールから、ケトンの一種である2−ノナノン(実施例2)又はカルボン酸の一種であるノナン酸(実施例3)に代えて、実施例1と同様にガスセンサ特性の評価を行った。結果を図9、図10、図11、及び図12に示す。
図9は、2−ノナノンの吸着性能を示す赤外吸収スペクトルである。図9に示されるとおり、2−ノナノンを検知対象とした場合であっても、実施例1と同様に、被覆層を備えるガスセンサ用部材Xでは、2−ノナノンが三酸化タングステンナノワイヤ上に吸着し化学結合を形成するものの、更なる求核付加反応又は酸化反応が抑制されており、ジオレート化及び酸化によるカルボキシレート形成反応が抑制されていることが確認された。また図10は、2−ノナノンを対象とするガスセンサの初期化性能の評価結果を示すグラフである。図10に示されるとおり、検知対象が2−ノナノンであっても、実施例1と同様に、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサにおいても初期化に要する時間が50秒間と短いものとなることが確認された。
図11は、ノナン酸の吸着性能を示す赤外吸収スペクトルである。図11に示されるとおり、ノナン酸を検知対象とした場合であっても、被覆層を備えるガスセンサ用部材Xでは、ノナン酸が三酸化タングステンナノワイヤ上に吸着し化学結合を形成しているものの、更なる反応が抑制されており、カルボキシレートの形成が抑制されていることが確認された。なお、ガスセンサ用部材Xのスペクトルでは、カルボキシル基に由来する1513cm−1付近のピークが確認されている。また図12は、ノナン酸を対象とするガスセンサの初期化性能の評価結果を示すグラフである。図12に示されるとおり、検知対象がノナン酸であっても、実施例1と同様に、ガスセンサ用部材Xを用いたガスセンサにおいても初期化に要する時間が64秒間と短いものとなることが確認された。
(実施例5)
まず、酸化亜鉛ナノワイヤ(長さ(平均値):10μm、直径(平均値):407nm)を用意し、空気中で600℃、3時間加熱した。その後、酸素プラズマ(150W、1Torrにてプラズマ生成)を10分間照射して、酸化亜鉛ナノワイヤの表面を処理した。次に、メチルホスホン酸(MPA)のメタノール溶液(濃度:0.01mM%)に、表面処理を行った酸化亜鉛ナノワイヤを3時間浸漬した。MPAのメタノール溶液から取出した酸化亜鉛ナノワイヤをメタノールで洗浄し、風乾した。その後、100℃で1時間、加熱することで、被覆層を有するガスセンサ用部材Yを調製した。
まず、酸化亜鉛ナノワイヤ(長さ(平均値):10μm、直径(平均値):407nm)を用意し、空気中で600℃、3時間加熱した。その後、酸素プラズマ(150W、1Torrにてプラズマ生成)を10分間照射して、酸化亜鉛ナノワイヤの表面を処理した。次に、メチルホスホン酸(MPA)のメタノール溶液(濃度:0.01mM%)に、表面処理を行った酸化亜鉛ナノワイヤを3時間浸漬した。MPAのメタノール溶液から取出した酸化亜鉛ナノワイヤをメタノールで洗浄し、風乾した。その後、100℃で1時間、加熱することで、被覆層を有するガスセンサ用部材Yを調製した。
[ガスセンサ特性の評価:初期化性能の評価]
セラミック基材上に上記ガスセンサ用部材Yを載せ、白金スパッタリングによって、上記ガスセンサ用部材Yの両端上に白金電極を形成した。こうして得られたガスセンサ(図3に示すようなガスセンサ)を評価用サンプルとして初期化性能の評価を行った。検知対象となる分子としてノナナールを用い、ノナナールの供給濃度が2.5ppmとなるように窒素との混合ガスを供給しながら、200℃の環境下で測定を行った。なお、抵抗値の測定は、電圧を1Vに設定して測定した。結果を図13に示す。
セラミック基材上に上記ガスセンサ用部材Yを載せ、白金スパッタリングによって、上記ガスセンサ用部材Yの両端上に白金電極を形成した。こうして得られたガスセンサ(図3に示すようなガスセンサ)を評価用サンプルとして初期化性能の評価を行った。検知対象となる分子としてノナナールを用い、ノナナールの供給濃度が2.5ppmとなるように窒素との混合ガスを供給しながら、200℃の環境下で測定を行った。なお、抵抗値の測定は、電圧を1Vに設定して測定した。結果を図13に示す。
図13は、ガスセンサの初期化性能の評価結果を示すグラフである。図13の(a)はガスセンサ用部材Yを用いたガスセンサの結果を示しており、図13の(b)は酸化亜鉛ナノワイヤを用いたガスセンサの結果を示している。図13に示されるとおり、初期化に要する時間が、ガスセンサ用部材Yを用いたガスセンサにおいて大幅に短くなっていることが確認できる。より具体的には、酸化亜鉛ナノワイヤを用いたガスセンサの場合初期化に1148秒間要しているのに対して、ガスセンサ用部材Yを用いたガスセンサでは、220秒間で初期化を達成していることが確認された。
[ガスセンサ特性の評価:脱離成分の評価]
上記評価用サンプルと同様に調製されたガスセンサを用いて、脱離成分の評価を行った。より具体的には、ノナナールを検知した後(ガスセンサ用部材の抵抗値の低下が確認された後に)に、ガスセンサから排出される成分(脱離成分)についてガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)法によって分析した。結果を図14に示す。ガスセンサ用部材Yの調製時における溶液濃度を0.1mM%、0.5mM%及び1mM%に変更したこと以外は上記実施例5と同様にしてガスセンサ用部材を調製し、上記と同様にGC−MS法によって脱離成分の分析を行った。
上記評価用サンプルと同様に調製されたガスセンサを用いて、脱離成分の評価を行った。より具体的には、ノナナールを検知した後(ガスセンサ用部材の抵抗値の低下が確認された後に)に、ガスセンサから排出される成分(脱離成分)についてガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)法によって分析した。結果を図14に示す。ガスセンサ用部材Yの調製時における溶液濃度を0.1mM%、0.5mM%及び1mM%に変更したこと以外は上記実施例5と同様にしてガスセンサ用部材を調製し、上記と同様にGC−MS法によって脱離成分の分析を行った。
図14は、脱離成分のGC−MS法による分析結果を示すグラフである。図14に示すとおり、酸化亜鉛ナノワイヤを用いたガスセンサの結果を示すスペクトル(図中、ZnO nanowaireで示されるスペクトル)から、検知対象であるノナナールに加えて、2−ヘプチル−2−ウンデカナールが生成していることがわかる。2−ヘプチル−2−ウンデカナールはノナナールがアルドール縮合して2量化することで得られる化合物であると推測される。これに対して、被覆層を設けたガスセンサ用部材Yを用いたガスセンサの結果を示すスペクトル(図中、MPA0.01mM、MPA0.1mM、MPA0.5mM、及びMPA1mMで示されるスペクトル)では、2−ヘプチル−2−ウンデカナールに対応するピークの強度が弱くなっていることが分かる。上述の初期化性能の評価において、初期化することができている(分子がほぼすべて脱離している)ことと合わせて考えると、ガスセンサ用部材Yを用いたガスセンサにおいては、ノナナールの多量化反応が抑制されているといえる。また、被覆層を形成させるためのMPAの溶液濃度を上昇させると、多量化反応の抑制効果が高まることが確認できる。
本開示では、検知分子の吸着後の脱離が容易であり、センサ部の抵抗値を容易に分子の吸着前の抵抗値に戻すことが可能なガスセンサ用部材及びガスセンサ用部材の製造方法を提供される。また、本開示におけるガスセンサ用部材は、検知分子の吸着後の脱離が容易であり、センサ部の抵抗値を容易に分子の吸着前の抵抗値に戻すことが可能なガスセンサに有用である。
10,12…基体、20,22…被覆層、100,102…ガスセンサ用部材、200…基材、300…センサ電極、400…ガス検知部、500…ガスセンサ。
Claims (12)
- 金属酸化物材料で構成される基体と、
前記基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層と、を有し、
前記被覆層は、検知対象となる分子が前記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、前記分子の求核付加反応、前記分子の酸化反応、及び前記分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む、ガスセンサ用部材。 - 検知対象となる前記分子が、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含み、
前記被覆層は、前記分子が前記金属酸化物材料に吸着することで進行するジオレート化及びカルボキシレート形成反応の少なくとも一方を抑制する層を含む、請求項1に記載のガスセンサ用部材。 - 金属酸化物材料で構成される基体と、
前記基体の表面の少なくとも一部に設けられた被覆層と、を有し、
前記被覆層のルイス酸性が前記基体のルイス酸性よりも低い、ガスセンサ用部材。 - 揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を検知するガスセンサに用いられる、請求項3に記載のガスセンサ用部材。
- 前記基体の前記被覆層による被覆率が5%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ用部材。
- 前記金属酸化物材料が、酸化チタニウム、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、及び酸化タングステンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスセンサ用部材。
- 前記被覆層が、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種に由来する構造を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスセンサ用部材。
- 前記被覆層が硫酸に由来する構造を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスセンサ用部材。
- センサ電極と、前記センサ電極と電気的に接続されたガス検知部と、を備え、
前記ガス検知部が請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスセンサ用部材を含む、ガスセンサ。 - 金属酸化物材料で構成される基体に、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する溶液を接触させ、前記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を形成する工程を有し、
前記被覆層は、検知対象となる分子が前記金属酸化物材料に吸着し化学結合を形成することで進行する、前記分子の求核付加反応、前記分子の酸化反応、及び前記分子の多量化反応からなる群より選択される少なくとも1つの反応を抑制する層を含む、ガスセンサ用部材の製造方法。 - 金属酸化物材料で構成される基体に、無機オキソ酸、有機酸、及び有機シラン化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含有する溶液を接触させ、前記基体の表面の少なくとも一部に被覆層を形成する工程を有し、
前記被覆層のルイス酸性が、前記基体のルイス酸性よりも低い、ガスセンサ用部材の製造方法。 - 前記ガスセンサ用部材が、揮発性アルデヒド、揮発性ケトン、及び揮発性カルボン酸からなる群より選択される少なくとも1種を検知するガスセンサに用いられる、請求項10又は11に記載のガスセンサ用部材の製造方法。
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