JP2005214333A - 歯付プーリおよび歯付ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】背面側から荷重を受ける歯付ベルトの長寿命化を図ることができる歯付プーリおよび歯付ベルトを提供する。
【解決手段】歯付プーリの歯溝深さ(D)と歯付ベルトの歯高さ(H)とを用いて、ベルト歯圧縮率(α)をα=[(D−H)/H]×100(%)で定義する。ベルト歯圧縮率(α)を−7.5%≧α≧−10.5%の範囲に設定する。ベルト背面側からの荷重の無載荷時に、プーリの歯先3bとベルト歯4の歯底4cとの間に所定の大きさの隙間9が形成される。ベルト背面側からの荷重の有載荷時に、ベルト歯4の歯部4aの圧縮変形により隙間9が閉じられる。ベルト背面側からの荷重により、ベルト歯4の歯底4cにプーリの歯先3bが圧接される。ベルト歯4の歯部4aが圧縮変形し、その弾性力によって、ベルト歯4の歯底4cとプーリの歯先3bとの接触圧が軽減させる。ベルト歯4の歯底4cの損傷が軽減され、歯付ベルト2の寿命が長くなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば運搬機材に装備されるクローラベルトとして使用する歯付ベルトおよびこれを掛巻する歯付プーリに関するものである。
一般に、歯付ベルトは、環状のベルト本体と、周方向に作用する張力を受け持つ心線と、ベルト本体を保護する帆布とからなり、所定の大きさの取付張力で歯付プーリに掛巻して使用される。ベルト本体は、背ゴム部に歯ゴム部を配設した構造とされ、その背ゴム部に心線が埋設されて、歯付プーリと噛み合う歯ゴム部側に帆布が貼着されている。
歯付ベルトの耐久性を高めるための手段としては、帆布の強度を高める手法が多く用いられる。
例えば、特許文献1における帆布(基布)は、アンカー効果が高い捲縮糸からなる緯糸と、強度が高く表面摩擦係数が低い非捲縮糸からなる経糸とを朱子織に製織して構成されている。
朱子織は、その表裏の一方の面に捲縮糸(緯糸)が多く露出し、他方の面に非捲縮糸(経糸)が多く露出する構造であり、捲縮糸が多く露出している面を歯ゴム部に貼着して、非捲縮糸が多く露出している面をプーリ接触面とする。これにより、帆布とベルト本体との接着力に優れ、かつ、耐摩耗性、耐歯欠け性に優れた歯付ベルトが構成される。
特開2003−166595号公報(段落番号0010、0011)
ところで、ベルトメーカーやプーリメーカーでは、それぞれJIS B 1857−1およびJIS B 1857−2に準じて、標準歯付ベルトと標準歯付プーリとを設定している。そして、この標準歯付ベルトおよび標準歯付プーリを仕様に合わせて追加工して動力伝達機構に採用している。
しかし、運搬機材などに装備されるクローラベルトは、床面側から運搬機材の荷重による反力を受け、また、重量物を搬送する搬送ベルトは、ベルト背面に直接荷重を受けることになる。したがって、これらの歯付ベルトは、その取付張力に加えて、ベルト背面側から大きい荷重を受けながら走行することになる。
そのため、歯付ベルトに噛み合うプーリ歯の歯先が、ベルト歯の歯底を強く圧縮しながら擦ることになり、歯付ベルトの歯底部分の帆布を摩耗させて心線を露出させるおそれがある。この歯底の損傷によって歯付プーリとの噛み合いが悪化した歯付ベルトは、横ずれして逸脱走行しやすくなる。
したがって、背面側から荷重を受ける歯付ベルト・プーリ構造に、前記標準歯付プーリおよび歯付ベルトをそのまま使用すると、ベルトの耐久性が低下しやすいという問題があった。
本発明は、プーリ歯と噛み合うベルト歯の歯底の損傷を軽減し、歯付ベルトの長寿命化を図ることができる歯付プーリおよび歯付ベルトを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、背面側から荷重を受ける歯付ベルトを掛巻して使用する歯付プーリにおいて、ベルト背面側からの荷重によるベルト歯底への歯付プーリの歯先の接触圧を軽減させる方策を案出したものである。
このようなベルト歯底に対するプーリ歯先の接触圧軽減方策として、以下の構成を採用することができる。すなわち、本発明は、背面側から荷重を受ける歯付ベルトを掛巻して使用する歯付プーリにおいて、当該歯付プーリの歯溝深さをD、歯付ベルトの歯高さをHとし、α=[(D−H)/H]×100(%)で定義するベルト歯圧縮率(α)が−7.5%≧α≧−10.5%の範囲になるように、歯溝深さ(D)を設定したことを特徴としている。
上記構成によれば、歯溝深さ(D)は、前記荷重の無載荷時に、プーリ歯先とベルト歯底との間に隙間を形成し、前記荷重の有載荷時に、ベルト歯部の圧縮変形により前記隙間を閉じる寸法に設定されることになる。したがって、歯付ベルトは、取付張力に加えてベルト背面側からの荷重を受けるが、その多くをベルト歯の歯部に受け持たせることにより、プーリの歯先が押し付けられるベルト歯の歯底の負担を低減させることができ、歯付ベルトの歯底を損傷させにくくすることができる。
α>−7.5%の場合、つまり歯溝深さが深すぎる場合には、ベルト歯底とプーリ歯先との接触圧軽減効果はほとんど期待できない。一方、α<−10.5%の場合、つまり歯溝深さが浅すぎる場合には、ベルト歯底とプーリ歯先との接触圧が小さくなり、ベルト歯底が損傷しにくくなるが、歯付プーリの歯溝深さが浅い分、ベルト歯側面部との接触面積が小さくなりすぎ、ベルト歯側面部にクラックなどの損傷を生じさせやすくなる。
これに対し、ベルト歯圧縮率(α)を−7.5%≧α≧−10.5%の範囲内とすることは、歯付プーリの歯溝深さを、歯付ベルトの歯底を損傷しにくくし、かつ歯付ベルトの歯側面部を損傷しにくくすることが可能な大きさに設定することになる。なお、プーリの最適な歯溝深さは、取付張力およびベルト背面側からの荷重に応じて、上記範囲内で適宜設定するのがよい。
上述の歯付プーリの製造方法は、特に限定されるものではないが、ベルト歯圧縮率(α)がα>−7.5%である標準歯付プーリの歯先を切削することによりプーリ歯先を得るようにすれば、簡単な加工方法で所望の歯付プーリを得ることができる。
ここで、標準歯付プーリとは、JIS B 1857−2に基づいて製作されたプーリ、あるいは、これに準じて各プーリメーカーが独自に設計した歯付プーリをいう。また、本発明に係る歯付プーリは、標準歯付プーリの使用による不具合を解消するものであるため、これに使用する歯付ベルトは、標準歯付プーリに使用される標準歯付ベルトである。標準歯付ベルトは、JIS B 1857−1に基づいて、あるいは、これに準じて製作されたものをいう。
また、上述の歯付プーリは、ベルト背面側から大きい荷重を受けるものならば、その用途は特に限定されないが、大きな荷重を受けるクローラベルト用の歯付プーリとして使用するのが好適である。
また、プーリの歯溝深さを所定の大きさに設定する代わりに、ベルト歯の歯高さを所定の大きさに設定してもよい。すなわち、本発明は、歯付プーリに掛巻して使用され、背面側から荷重を受ける歯付ベルトにおいて、ベルト歯高さが、前記荷重の無載荷時に、ベルト歯底とプーリ歯先との間に所定の大きさの隙間を形成し、かつ前記荷重の有載荷時に前記隙間が閉じられるように設定され、ベルト歯部の弾性力は、前記荷重によるベルト歯底へのプーリ歯先の接触圧を軽減可能な大きさに設定されたことを特徴とする。
また、本発明の歯付ベルトをクローラベルトとして使用すれば、本発明の好適な態様を提供することができる。
以上のとおり、本発明によると、プーリ歯溝深さ、又はベルト歯高さを所定の値に設定することにより、プーリの歯先とベルト歯の歯底との接触圧を小さくして、ベルト歯の歯底の損傷を軽減することができる。
その結果、運搬機材などに装備されるクローラベルトや、重量物を搬送する搬送ベルトのように、取付張力に加えて、ベルト背面側から大きい荷重を受ける歯付ベルトにおいても、ベルト歯の歯底の損傷から噛み合いの悪化、横ずれ、逸脱走行に至る不具合を防止し、その長寿命化を図ることができる。
以下、本発明に係る歯付プーリおよび歯付ベルトを実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。図1(a)は本発明に係る歯付プーリおよびこれに掛巻した歯付ベルトの側面図、図1(b)は歯付ベルトの要部断面図、図2はプーリ歯およびこれに噛み合うベルト歯の要部断面図である。
歯付プーリ1は、例えば運搬機材に床面を走行させるためのものであり、運搬機材などに回転自在に装備され、背面側(床面側)から荷重(反力)を受けるクローラベルトとしての歯付ベルト2を掛巻するようになっている。モータの駆動力によって歯付プーリ1を回転させることにより、歯付ベルト2が周方向に旋回して、運搬機材などが床面を走行する。
歯付プーリ1は、鋼材や鋳鉄、アルミニウムなどから成形された標準歯付プーリの歯部3aに切削加工を施して、その歯先3bに多少のRをつけながらプーリ外径を小さくすることにより形成される。この切削加工により、プーリ歯3の歯底3cから歯先3bまでの歯溝深さ(D)が所定の大きさ(図2におけるD1〜D8)に設定され、標準歯付プーリの歯溝深さ(図2におけるD0)よりも小さくなる。
すなわち、歯付プーリ1の歯溝深さ(D)と歯付ベルト2の歯高さ(H)を用いて、α=[(D−H)/H]×100(%)で定義するベルト歯圧縮率(α)を−7.5%≧α≧−10.5%の範囲に設定する。これにより、歯溝深さ(D)が標準歯付プーリの歯溝深さ(D0)よりも小さくされる。ここで、標準歯付プーリは、JIS B 1857−2に基づいて又は準じて製作されたものであり、例えばH8Mが使用される。
歯付ベルト2は、JIS B 1857−1に基づいて又は準じて製作された歯付ベルトであって、プーリに噛み合うベルト歯4を有し、その歯部4aの歯先4bから歯底4cまでの歯高さ(H)が通常の大きさに設定された標準の歯付ベルトであり、例えばニトリルゴムからなる環状のベルト本体5と、ベルト歯4の表面を補強する帆布6と、歯付ベルト2に作用する張力を受け持つ心線7と、ベルト本体5の変形を規制する中間帆布8とを備えている。
帆布6は、例えばナイロン製の布をゴム糊などに浸漬させてなり、ベルト歯4が形成されたベルト本体5の内周面を覆う。心線7は、ガラス繊維を撚り合わせたガラス心線などであり、ベルト歯4の歯底4cの近傍に位置するように、ベルト本体5に周方向に連続して埋設される。
中間帆布8は、例えばナイロン製の布からなり、ベルト本体5のうちの心線7よりも外周側に、心線7と間隔をあけて埋設される。この中間帆布8は、ベルト本体5の幅方向の広がりを規制して、同時にベルト本体5の厚さ方向の変形を小さくすることにより、心線7の変形を抑えて保護するようになっている。
次に、プーリの歯溝深さ(D)と歯付ベルトの寿命との関係を説明する。まず、歯付ベルトの寿命を測定するための試験方法について説明する。駆動側歯付プーリおよび従動側歯付プーリに試験ベルト(歯付ベルト)を掛巻して走行させ、駆動側歯付プーリ上における試験ベルトの背面にローラを押し付けることにより、歯付ベルトが背面側から荷重を受けるようにしている。試験ベルトが損傷して走行不能になるまでの走行時間(寿命)を測定すると共に、走行不能になった試験ベルトの損傷部位およびその損傷状態を観察する。
試験に用いる歯付プーリの歯溝深さ(D)は、D0(3.02mm)、D1(2.90mm)、D2(2.85mm)、D3(2.80mm)、D4(2.78mm)、D5(2.75mm)、D6(2.70mm)、D7(2.66mm)、D8(2.61mm)の9種類とし(図2参照)、駆動側および従動側の歯付プーリに同じものを用いる。また、試験ベルトの歯高さ(H)は、全プーリに対して3.02mmである。
なお、駆動側歯付プーリおよび従動側歯付プーリのプーリ歯数はともに44歯であり、回転速度は125rpmである。試験ベルトは、周長920mm、歯ピッチ8mm、ベルト幅20mmの標準の歯付ベルトであり、その取付張力は235Nである。ローラの押し付け力は、2.6kNである。
図3はベルト歯圧縮率とベルトの寿命時間比との関係を示す図である。図3において、横軸はベルト歯圧縮率α(%)を示し、縦軸はベルトの寿命時間比(%)を示す。
ここで、ベルト歯圧縮率(α)は、試験に用いた9種類の歯付プーリの歯溝深さ(D)と、試験ベルトの歯高さ(H)を用いて、α=[(D−H)/H]×100(%)にて表される。また、ベルトの寿命時間比は、標準の歯溝深さ(D0)の歯付プーリのときのベルト寿命時間(走行時間)(T0)と、試験に用いた9種類の歯溝深さ(D)の歯付プーリのときのベルト寿命時間(走行時間)(T)との比率を表したものであり、(T/T0)×100(%)にて表される。
図3に示されるように、ベルト歯圧縮率(α)が−7.5%≧α≧−10.5%の範囲にあるとき、ベルト寿命時間(走行時間)が特に長くなることがわかる。α>−7.5%のときのベルト寿命時間は、歯溝深さ(D)がD0のときよりもわずかに長くなるだけであり、α<−10.5%のときのベルト寿命時間は、歯溝深さ(D)がD0のときよりもわずかに長くなるだけか、あるいは短くなっている。なお、α>−7.5%のときの損傷部位は歯底4cであり、α<−10.5%のときの損傷部位は歯側面部4dである。
具体的に説明すると、プーリの歯溝深さ(D)がD0(α=0%)である標準歯付プーリのときのベルト寿命時間変化率は100(%)である。プーリの歯溝深さ(D)がD1(α=−3.97%)のときのベルト寿命時間比は102(%)、D2(α=−5.63%)のときのベルト寿命時間比は104(%)、D3(α=−7.28%)のときのベルト寿命時間比は110(%)であり、歯溝深さ(D)がD0のときよりもベルト寿命時間(走行時間)がわずかに長くなっている。
プーリの歯溝深さ(D)がD4(α=−7.95%)のときのベルト寿命時間比は120(%)、D5(α=−8.94%)のときのベルト寿命時間比は135(%)であり、歯溝深さ(D)がD0のときよりもベルト寿命時間(走行時間)が特に長くなっている。なお、歯溝深さ(D)がD0〜D5のときの試験ベルトの損傷部位は歯底4cであり、その帆布6が摩耗して心線7が露出している。
プーリの歯溝深さ(D)がD6(α=−10.60%)のときのベルト寿命時間比は111(%)であり、歯溝深さ(D)がD0のときよりもベルト寿命時間(走行時間)がわずかに長くなっている。プーリの歯溝深さ(D)がD7(α=−11.92%)のときのベルト寿命時間比は72(%)、D8(α=−13.58%)のときのベルト寿命時間比は15(%)であり、歯溝深さ(D)がD0のときよりもベルト寿命時間(走行時間)が短くなっている。なお、歯溝深さ(D)がD6〜D8のときの試験ベルトの損傷部位は歯側面部4dであり、クラックが発生している。
次に、プーリとベルト歯4との噛み合いについて説明する。歯付プーリ1に歯付ベルト2を掛巻した状態において、ベルト背面側からの荷重の無載荷時に、プーリの歯先3bとベルト歯4の歯底4cとの間に隙間9が形成される。
隙間9は、ベルト背面側にローラを押し付けた有載荷時に、ベルト歯4の歯部4aの圧縮変形を伴って閉じられる。その際、ローラの押し付け力により、ベルト歯4の歯底4cにプーリの歯先3bが圧接されるが、その接触圧は、歯部4aの圧縮変形による弾性力により軽減される。
歯付プーリ1を回転させることにより、プーリの歯部3aがベルト歯4の歯側面部4dを押圧して歯付ベルト2が旋回する。このとき、プーリの歯先3bによって、ベルト歯4の歯底4cが擦られる。
ベルト歯圧縮率(α)が−7.5%≧α≧−10.5%の範囲にあるとき、隙間9を十分な大きさに設定して歯部4aを圧縮変形させるので、プーリの歯先3bとベルト歯4の歯底4cとの接触圧が十分に軽減される。これにより、プーリの歯先3bで擦られるベルト歯4の歯底4cが損傷しにくくなり、歯溝深さ(D)がD0である標準の歯付プーリに歯付ベルトを掛巻する場合よりも走行時間が長くなる。
なお、α<−10.5%の範囲にあるとき、ベルト歯4の歯底4cがより損傷しにくくなるが、プーリの歯溝深さ(D)が小さい分、ベルト歯4の歯側面部4dの面積が小さくなり、歯側面部4dが損傷しやすくなる。そのため、ベルト歯4の歯底4cが損傷する前に、ベルト歯4の歯側面部4dが損傷し、この歯側面部4dの損傷によって、歯溝深さ(D)がD0である標準の歯付プーリに歯付ベルトを掛巻する場合よりも走行時間が短くなる。
上記構成によれば、プーリの歯先3bを切削して、その歯溝深さ(D)と歯付ベルトの歯高さ(H)を用いて、α=[(D−H)/H]×100(%)で定義するベルト歯圧縮率(α)を−7.5%≧α≧−10.5%の範囲に設定している。
−7.5%≧αの範囲に設定することにより、ベルト背面側から受ける荷重の無載荷時に、ベルト歯4の歯底4cとプーリの歯先3bとの間に所定の大きさの隙間9が形成され、有載荷時に、その隙間9が閉じられる。隙間9が閉じられるときにベルト歯4の歯部4aが圧縮変形されるので、この圧縮変形による弾性力を利用して、プーリの歯先3bとベルト歯4の歯底4cとの接触圧を低減し、ベルト歯4の歯底4cの損傷を低減することができる。また、α≧−10.5%の範囲に設定することにより、ベルト歯4の歯側面部4dの面積が所定の大きさ以上になるので、歯側面部4dの損傷を低減することができる。
その結果、運搬機材に装備されるクローラベルトのように、取付張力に加えてベルト背面側から荷重(床面からの反力)を受ける場合であっても、歯付ベルト2に損傷を生じさせにくくして、その寿命を長くすることができる。
また、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、標準の歯付プーリの歯先3aを切削して所定の歯溝深さ(D)に設定する代わりに、歯付プーリ1を成形する際に、所定の歯溝深さ(D)に設定するようにしてもよい。
歯付ベルト1は、その背面側から大きい荷重を受けるものであれば、運搬機材などに装備されるクローラベルトや、重量物を搬送する搬送ベルトなど、どのようなものであってもよい。
ベルト背面側からの押し付け力が大きい場合、プーリの歯溝深さ(D)を小さめに設定するのがよい。また、歯付ベルト2を旋回させるときの周方向の負荷が小さい場合、歯側面部4dが受ける力も小さくなるので、プーリの歯溝深さ(D)を小さめに設定することができる。
プーリの歯溝深さ(D)を所定の大きさに設定する代わりに、ベルト歯4の歯高さ(H)を所定の大きさに設定するようにしてもよい。この場合もプーリの歯溝深さ(D)の設定と同様、ベルト背面側からの押し付け力が大きいときや、歯付ベルト2を旋回させるときの周方向の負荷が小さいとき、ベルト歯4の歯高さ(H)をより大きく設定するのがよい。
(a)は本発明に係る歯付プーリおよびこれに掛巻した歯付ベルトの側面図、(b)は歯付ベルトの要部断面図 プーリ歯およびこれに噛み合うベルト歯の要部断面図 ベルト歯圧縮率とベルトの寿命時間比との関係を示す図
符号の説明
1 歯付プーリ
2 歯付ベルト
3 プーリ
3a 歯部
3b 歯先
3c 歯底
4 ベルト歯
4a 歯部
4b 歯先
4c 歯底
4d 歯側面部
5 ベルト本体
6 帆布
7 心線
8 中間帆布
9 隙間

Claims (6)

  1. 背面側から荷重を受ける歯付ベルトを掛巻して使用する歯付プーリにおいて、
    当該歯付プーリの歯溝深さをD、前記歯付ベルトの歯高さをHとし、α=[(D−H)/H]×100(%)で定義するベルト歯圧縮率(α)が
    −7.5%≧α≧−10.5%
    の範囲になるように、前記歯溝深さ(D)を設定したことを特徴とする歯付プーリ。
  2. ベルト歯圧縮率(α)が−7.5%≦αである標準歯付プーリの歯先を切削することによりプーリ歯先を得ることを特徴とする請求項1に記載の歯付プーリ。
  3. 背面側から荷重を受ける歯付ベルトを掛巻して使用する歯付プーリにおいて、
    プーリ歯溝深さが、前記荷重の無載荷時に、プーリ歯先とベルト歯底との間に隙間を形成し、前記荷重の有載荷時に、ベルト歯部の圧縮変形により前記隙間を閉じる寸法に設定されることを特徴とする歯付プーリ。
  4. クローラベルトを掛巻するものであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の歯付プーリ。
  5. 歯付プーリに掛巻して使用され、背面側から荷重を受ける歯付ベルトにおいて、
    ベルト歯高さが、前記荷重の無載荷時に、ベルト歯底とプーリ歯先との間に所定の大きさの隙間を形成し、かつ前記荷重の有載荷時に前記隙間が閉じられるように設定され、ベルト歯部の弾性力は、前記荷重によるベルト歯底へのプーリ歯先の接触圧を軽減可能な大きさに設定されたことを特徴とする歯付ベルト。
  6. クローラベルトとして使用することを特徴とする請求項5に記載の歯付ベルト。
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