JP2005214031A - 往復動式冷媒圧縮機および冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インバータ制御において、特に低い運転回転数でのピストンの往復動による振動が大きくなることを防止し、振動に起因する冷凍装置の配管の疲労破壊を防止する。
【解決手段】主軸部109に対し相互に反対方向に偏心して連設された偏心部110a,110bとクランクシャフト108を挟んで対向に圧縮室119a,119bを形成し、圧縮室119a,119b内で往復運動する一対のピストン114a,114bを各々連結手段115a,115bで結合したことにより、クランクシャフト108の一回転中において、ピストン114a,114bが同時に圧縮作用を行うので、ピストン114a,114bの往復運動により発生する振動を相殺し、超低回転インバータ運転においても振動を大幅に低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】主軸部109に対し相互に反対方向に偏心して連設された偏心部110a,110bとクランクシャフト108を挟んで対向に圧縮室119a,119bを形成し、圧縮室119a,119b内で往復運動する一対のピストン114a,114bを各々連結手段115a,115bで結合したことにより、クランクシャフト108の一回転中において、ピストン114a,114bが同時に圧縮作用を行うので、ピストン114a,114bの往復運動により発生する振動を相殺し、超低回転インバータ運転においても振動を大幅に低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に家庭用の電気冷凍冷蔵庫などに使用されるインバータ制御方式の往復動式冷媒圧縮機に関するものである。
近年、地球環境に対する要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置等においても、消費電力量の低減が強く要望されている。特に、インバータ駆動回路により運転回転数を可変速する方式の往復動式冷媒圧縮機においては、低速運転を行うことで消費電力量を低減することが可能な反面、低速運転時での高効率化および低振動化が課題となっている。
従来、この種の往復動式冷媒圧縮機としては、低速運転時において安定した効率を得るために潤滑油を安定して供給する改善をしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の往復動式冷媒圧縮機を説明する。
図4は、特許文献1に記載された従来の往復動式冷媒圧縮機の縦断面図を示したものである。
図4において、密閉容器1の底部には潤滑油2を貯留している。電動要素3は固定子4および回転子5から構成され、圧縮要素6を駆動する。また、電動要素3は、インバータ駆動回路(図示せず)によって回転している。さらに、圧縮要素6は密閉容器1の下部に固定されたサスペンションスプリング7により弾性的に支持されている。
次に圧縮要素6の詳細を以下に説明する。圧縮要素6は電動要素3の上方に配設されている。圧縮要素6のクランクシャフト8は主軸部9および偏心部10から構成されており、主軸部9はブロック11の軸受部12に回転自在に軸支されるとともに、回転子5が固定され、下端には潤滑油2に浸漬したポンプ13が形成されている。偏心部10には、ピストン14と連結する連結手段15およびバランスウェイト16が固定されている。また、ピストン14はブロック11のシリンダ17に往復自在に挿入されており、シリンダ17とバルブプレート18とともに圧縮室19を形成する。連結手段15は偏心部10とピストン14を連結している。また、バルブプレート18はシリンダヘッド20によりサクションマフラー21とともに、ブロック11に固定されている。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下にその動作を説明する。
インバータ駆動回路(図示せず)は、回転子5の回転を検出し、所定の回転数になるように出力を調整しながら、電動要素3を駆動する。
電動要素3に通電されると、固定子4に発生する磁界により、回転子5はクランクシャフト8を回転させる。主軸部9の回転により、偏心部10の偏心運動が連結手段15を介してピストン14に伝えられる。ピストン14はシリンダ17内で往復動し、密閉容器1外の既知の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒を密閉容器1内のサクションマフラー21を通して圧縮室19内へ導入し、連続して圧縮する。この圧縮運動の際に、ピストン14の往復運動による不平衡な振動やクランクシャフト8の偏心部10の偏心運動が発生するが、バランスウェイト16によって釣り合わされる。そして、圧縮された冷媒は、吐出管(図示せず)を経由して密閉容器1外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送出される。また、クランクシャフト8の回転に伴い、ポンプ13は潤滑油2を吸引し、クランクシャフト8内を上方へと導き、圧縮要素6の上へと噴射されて圧縮要素6の各摺動面を潤滑する。
特開2003−65236号公報
しかしながら、上記従来の構成では、ピストン14の往復運動により発生する振動をバランスウェイト16により完全に打ち消すことは不可能であり、運転回転数が小さくなるほど、サスペンションスプリング7から密閉容器1へ振動が伝わりやすくなり、圧縮機の振動が大きくなるという課題がある。また、この振動に伴い圧縮機や冷凍装置から発生する騒音が増加し、冷凍装置の配管を振動により疲労破壊してしまい、冷媒がリークしてしまうといった課題がある。
この振動の増加は、20r/sec以下といった非常に低い周波数では特に顕著となり、特に冷蔵庫の消費電力量を低減する手段として、20r/sec以下といったより低い運転回転数を用い、広範囲の冷凍能力に対応する圧縮機を実現するための障壁となっていた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、運転回転数を広範囲に設定した圧縮機の振動を低減し、信頼性の高い冷凍装置を実現することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の往復動式冷媒圧縮機は、主軸部および前記主軸部に対し相互に反対方向に偏心して連設された偏心部を備えたクランクシャフトと、前記主軸部を回転自在に軸支する主軸受を有するとともに、前記クランクシャフトを挟んで対向に圧縮室を形成するシリンダ部を備えたブロックと、前記圧縮室内で往復運動する一対のピストンと、前記偏心部と前記ピストンとを各々連結する一対の連結手段を備えたもので、一対のピストンが同時に反対方向へ圧縮作用を行うので、ピストンの往復運動により発生する振動は相殺されることとなる。
本発明の往復動式冷媒圧縮機は、クランクシャフトの回転に対して一対のピストンが同時に圧縮作用を行うことにより、ピストンの往復運動による振動が相殺されるため、圧縮機の振動を大幅に低減することができる。
請求項1に記載の発明は、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数でインバータ駆動され、潤滑油と、固定子および回転子からなる電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを密閉容器内に収容し、前記圧縮要素は、主軸部および前記主軸部に対し相互に反対方向に偏心する偏心部を連設するとともに前記潤滑油を給油する給油装置を備えたクランクシャフトと、前記主軸部を回転自在に軸支する主軸受を有するとともに前記固定子を支持する支持部と、前記クランクシャフトを挟んで対向に圧縮室を形成するシリンダ部とを備えたブロックと、前記圧縮室内で往復運動する一対のピストンと、前記偏心部と前記ピストンとを各々連結する一対の連結手段とを備えたもので、クランクシャフトの回転に対して一対のピストンが同時に反対方向の運動を行うことにより、圧縮動作における往復運動に伴う振動を相殺することとなり、振動を大幅に低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、圧縮要素を電動要素の下に配設したもので、圧縮要素が圧縮機の潤滑油に近い下方に配置されることにより、圧縮機の上部まで潤滑油を給油する必要がなくなり、圧縮要素への給油が容易となることとなり、圧縮要素の摺動面を容易に潤滑することができ、さらに、給油装置は主軸部の下端に設けたポンプ部と、一端が前記ポンプ部に連通し、他端は密閉容器内の空間に開口する給油通路を備えるとともに、前記給油通路は回転子の下方に開口する回転子の下方に給油通路を有することにより、給油装置によって給油された潤滑油が電動要素の固定子にかかることがなくなることとなり、巻線の劣化や電流のリークなどを軽減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、ポンプ部が遠心ポンプから成るので、圧縮機構が圧縮機の下方に配設してあるため、よう程が低く、構造が簡単で安価な遠心ポンプでも圧縮機構の摺動面への給油を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、ブロックを別部品より成るシリンダ部および支持部を各々固定することにより構成したもので、各々のシリンダ部へのピストンの挿入が容易となり、圧縮要素の組立てを容易にすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、連結手段のピストン側の連結部をボールジョイントにて形成したもので、ピストン側の連結部をボールジョイントにすることにより、シリンダ部の組付け精度が悪くてもボールジョイントは全ての方向に対して回転自在であるため、ピストンが圧縮室の内壁に対して傾いた状態になりこじることを防止することとなり、異常磨耗を低減することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、クランクシャフトは偏心部を挟んで主軸部と同軸上に形成された副軸部を備え、前記副軸部を軸支する副軸受を有する第二ブロックをブロックに固定したもので、主軸受および副軸受の両方でクランクシャフトを支えることにより、連結手段によりクランクシャフトに伝わった圧縮時の荷重を偏心部の両側で支持することでクランクシャフトのこじりを防止することとなり、異常磨耗を低減することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、圧縮する冷媒ガスをR600aとしたもので、冷媒の特性の違いによりR134a冷媒に比べて必要気筒容積が増え、ピストンの外径が大きくなり、振動の増加が著しくなるが、ピストンを一対備えているため、1気筒あたりの気筒容積を小さくでき、ピストンの外径を小さく保つこととなり、R600aを冷媒に用いても低振動の圧縮機を実現することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、20r/sec以下の運転周波数を含むとしたもので、回転数を低くすることにより、圧縮機の入力を低減することとなり、省エネを実現することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、最低回転数に対する最高回転数の比を3以上としたもので、冷却サイクルの負荷変動に対し適切な冷凍能力を得ることとなり、省エネを実現することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機を圧縮機、凝縮器、膨張器、および蒸発器とを備えた冷凍装置に用いたもので、ピストンの往復運動による振動を低減した圧縮機を用いることにより、圧縮機の振動に伴い発生する冷凍装置の騒音や配管の疲労破壊を低減することとなり、騒音が低く、信頼性の高い冷凍装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
図1および図2において、密閉容器101内底部に潤滑油102を貯留するとともに、電動要素103と、これによって駆動される圧縮要素106を収容し、例えばR600aなどの温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒を充填している。
電動要素103は、ブロック111の上方に固定され、インバータ駆動回路(図示せず)とつながっている突極集中巻の巻線を採用した固定子104と、例えばネオジウム等の希土類からなる磁石材を鉄心内に配置し、主軸部109に固定された回転子105とから構成される。
また、電動要素103は、インバータ駆動により、最低回転数が15r/secで、最高回転数を75r/secとすることで、最低回転数に対する最高回転数の比を5としたものであり、能力幅が広範囲な運転を行う。
次に、圧縮要素106の詳細を以下に説明する。
ブロック111は電動要素103の下方に配設されており、支持部122に別部品より成るシリンダ部123a,123bを固定することにより構成されている。シリンダ部123a,123bは、各々略円筒形のシリンダ117a,117bを形成しており、クランクシャフト108を挟んで対向して固定されている。また、支持部122はクランクシャフト108の主軸部109を回転自在に軸支する主軸受112を形成するとともに、固定子104が上方に固定されている。
第二ブロック124は、密閉容器101下部に固定されたサスペンションスプリング107により弾性的に支持されており、クランクシャフト108の副軸部125を回転自在に軸支する副軸受126を形成するとともに、圧縮要素106の下方でブロック111に固定されている。
クランクシャフト108は、回転子105を圧入固定した主軸部109と、主軸部109に対し相互に反対方向に偏心して連設された偏心部110a,110bおよび、偏心部110a,110bを挟んで主軸部109と同軸上に形成された副軸部125から構成されている。主軸部109および副軸部125は、主軸受112および副軸受126を介して、ブロック111および第二ブロック124に回転自在に軸支されるとともに、主軸部109の上端には回転子105が固定される。
また、給油装置127はクランクシャフト108の下端に設けた遠心ポンプから成るポンプ部113および、一端がポンプ部113と連通し他端が回転子105の下方に開口する給油通路128から構成されており、この給油通路128の途中にある開口部や上端の開口部より各軸受や偏心部110a,110bへ潤滑油102が搬送される。
偏心部110a,110bは、ピストン114a,114b側の連結部がボールジョイントにて形成された一対の連結手段115a,115bにより、一対のピストン114a,114bと連結されている。
各ピストン114a,114bはブロック111の各シリンダ部123a,123bにそれぞれ往復自在に挿入されており、一対のシリンダ117a,117bと一対のバルブプレート118a,118bとともに一対の圧縮室119a,119bを形成する。また、各バルブプレート118a,118bは一対のシリンダヘッド120a,120bにより一対のサクションマフラー121a,121bとともに、ブロック111の各シリンダ部123a,123bに固定されている。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
インバータ駆動回路より電動要素103に通電されると、固定子104に発生する磁界により回転子105はクランクシャフト108とともに回転する。主軸部109および副軸部125の回転に伴い、偏心部110a,110bは相互に反対方向に偏心回転し、この偏心運動は各連結手段115a,115bを介して往復運動に変換され、それぞれのピストン114a,114bをシリンダ117a,117b内で往復運動させることで密閉容器101内の冷媒ガスを圧縮室119a,119b内に吸入し、圧縮する所定の圧縮動作を同時に行う。
この圧縮動作に伴う吸入行程において、密閉容器101内の冷媒ガスはそれぞれのサクションマフラー121a,121bを介して圧縮室119a,119b内に同時に吸入され、圧縮された後、吐出配管(図示せず)を経由して密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、密閉容器101内に貯留された潤滑油102は、クランクシャフト108の回転に伴い、クランクシャフト108の下端に設けられたポンプ部113より吸い上げられ、給油通路128を伝い、クランクシャフト108の各摺動部と、それぞれのピストン114a,114bと各圧縮室119a,119bの摺動部や連結手段115a,115bの摺動部を潤滑する。
ここで、本実施の形態では、偏心部110a,110bは相互に反対方向に偏心しているため、それぞれのピストン114a,114bは常に逆向きに同じ速度で往復動することとなる。そのため、それぞれのピストン114a,114bの往復運動により発生する振動は互いに打ち消しあい、圧縮機の振動を大幅に低減することができる。
さらに、本実施の形態では、圧縮要素106を電動要素103の下方に配設しており、圧縮機上方まで潤滑油102を給油する必要がなくなるため、圧縮要素106の摺動面への潤滑油102の給油が容易となる。また、給油装置127のポンプ部113を遠心ポンプにすることにより、従来の圧縮機では圧縮機が低回転になった場合においての給油は困難となったが、本実施の形態では圧縮要素106が圧縮機の下方に配設してあるため、遠心ポンプを用いても圧縮要素106の摺動面への給油が十分行うことができ、構造が簡単で安価な給油機構を提供することができる。また、電動要素103が圧縮要素106の上方に配設してあるため、電動要素103の固定子104が潤滑油102に曝されることがなく、固定子104の巻線などの劣化や、電流のリークなどを著しく軽減することができる。
また、本実施の形態では、ブロック111は、支持部122およびシリンダ部123a,123bを固定することで構成されることにより、各シリンダ部123a,123bへの各ピストン114a,114bの挿入が容易となり、圧縮要素106の組立てが容易となる。
さらに、それぞれのピストン114a,114bをクランクシャフト108の偏心部110と繋ぐ各連結手段115a,115bのピストン114a,114b側の連結部をボールジョイントとすることにより、各ピストン114a,114bと各シリンダ117a,117bの組付け精度が悪くてもボールジョイントは全ての方向に対して回転自在であるため、ピストン114a,114bが圧縮室119a,119bの内壁に対して傾いた状態になりこじることを防止することができ、摩擦磨耗を低減することができる。
また、ブロック111の主軸受112および、第二ブロック124の副軸受126の両方でクランクシャフト108を支えることにより、連結手段115a,115bによりクランクシャフト108に伝わった圧縮時の荷重を両側で支持することでこじりを防止することとなり、摩擦磨耗を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、冷媒として環境負荷の低いR600aを用いているが、R600aはR134aといったHFC冷媒に対して単位流量あたりの冷凍能力が低いため、気筒容積を相対的に大きくする必要がある。そのため、ピストンの外径を大きくしたり、ピストンの往復動の変位を大きくするといった諸元の変更が必要となり、どちらの場合においてもピストンの往復運動に伴う振動は増加する。
しかし、本実施の形態では、ピストン114a,114bを一対設けているため、圧縮室119a,119bの1気筒あたりの気筒容積を約半分にできるので、各ピストン114a,114bの外径を小さく保つことができ、さらに本実施の形態では、ピストン114a,114bが常に逆向きに同じ速度で往復運動するため、ピストン114a,114bの往復運動に伴う振動は相殺されることとなり、単気筒で振動増加が著しいR600aを冷媒に用いても低振動の圧縮機を実現することができる。
また、上述したように、本実施の形態では圧縮要素106の摺動面への給油が十分に行える上、ピストン114a,114bの往復動による振動を大幅に低減することが可能であるため、15r/secといった超低速運転が可能となり、低入力運転が実現でき、高い省エネ効果が得られる。さらに、低速の回転数を15r/secまで下げることができたため、その低速の回転数に対して、従来から実施されていた高速の回転数75r/secとの回転数比は5以上と、極めて広くすることができる。近年の家庭用冷凍冷蔵庫は断熱性能が格段に向上しており、安定運転時と高い冷凍能力を必要とする負荷投入時との必要冷凍能力の比が大きくなってきているが、往復動式冷媒圧縮機の冷凍能力はおおむね電動要素103の回転数に比例するため、本実施の形態によればこうした必要冷凍能力の比の拡大に対応することができ、先に述べたように、極めて高い省エネ効果が得られるものである。そして、負荷投入時にも必要な冷凍能力を得ることができ、不冷や冷却速度が遅いといった冷却性能の問題も防止することができる。
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態2による冷凍装置の構成図である。
図3は、本実施の形態2による冷凍装置の構成図である。
図3において、圧縮機150は、凝縮器151、乾燥器152、膨張器153、蒸発器154とそれぞれがロウ付けなどの溶接により、配管によって流体的に結合している。また、圧縮機150は本発明の実施の形態1に記載されたものである。
以上のように構成された冷凍装置について、以下その動作、作用を説明する。
圧縮機150は低圧、低温の冷媒蒸気を吸入し、圧縮して高圧、高温の蒸気にする。圧縮機150より吐出された高温、高圧の冷媒蒸気は凝縮器151に入り、空気により冷却され、高圧の冷媒液となる。その後、乾燥器152にて、冷凍装置内の水分などが除去され、膨張器153の狭い弁路の抵抗により高圧であった冷媒の圧力が低下し、低圧、低温の液冷媒となり、蒸発器154に入る。この低圧、低温の液冷媒は蒸発器154内を流れる間、周囲の熱を奪いながら蒸発し、低圧、低温の冷媒蒸気となり、圧縮機150の吸入管に吸込まれる。
以上のような本実施の形態において、圧縮機150を本実施の形態1における圧縮機150としたので、圧縮機150の振動は大幅に低減されており、冷凍装置に対する加振力が小さくなるので、冷凍装置が圧縮機150と共振することにより発生する異常音を大幅に低減することができる。また、冷凍装置の構成要素は全てロウ付けなどの溶接により、配管によって結合されているが、このロウ付けされた部分に大きな振動による応力が繰り返しかかると疲労により亀裂が発生し、冷媒がリークする可能性もある。しかしながら、本実施の形態では圧縮機150の振動が低いため、冷凍装置の配管の疲労による亀裂の発生が抑えられ、折損が生じにくくなり、信頼性の高い冷凍装置を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる往復動式冷媒圧縮機および冷凍装置は、圧縮機のピストンにより発生する振動を大幅に低減できるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置等に使用されるインバータ制御方式の往復動式圧縮機に広く適用できる。
101 密閉容器
102 潤滑油
103 電動要素
104 固定子
105 回転子
106 圧縮要素
108 クランクシャフト
109 主軸部
110a,110b 偏心部
111 ブロック
112 主軸受
113 ポンプ部
114a,114b ピストン
115a,115b 連結手段
119a,119b 圧縮室
122 支持部
123a,123b シリンダ部
124 第二ブロック
125 副軸部
126 副軸受
127 給油装置
128 給油通路
150 圧縮機
151 凝縮器
153 膨張器
154 蒸発器
102 潤滑油
103 電動要素
104 固定子
105 回転子
106 圧縮要素
108 クランクシャフト
109 主軸部
110a,110b 偏心部
111 ブロック
112 主軸受
113 ポンプ部
114a,114b ピストン
115a,115b 連結手段
119a,119b 圧縮室
122 支持部
123a,123b シリンダ部
124 第二ブロック
125 副軸部
126 副軸受
127 給油装置
128 給油通路
150 圧縮機
151 凝縮器
153 膨張器
154 蒸発器
Claims (10)
- 商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数でインバータ駆動され、潤滑油と、固定子および回転子からなる電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを密閉容器内に収容し、前記圧縮要素は、主軸部および前記主軸部に対し相互に反対方向に偏心する偏心部を連設するとともに前記潤滑油を給油する給油装置を備えたクランクシャフトと、前記主軸部を回転自在に軸支する主軸受を有するとともに前記固定子を支持する支持部と、前記クランクシャフトを挟んで対向に圧縮室を形成するシリンダ部とを備えたブロックと、前記圧縮室内で往復運動する一対のピストンと、前記偏心部と前記ピストンとを各々連結する一対の連結手段とを備えた往復動式冷媒圧縮機。
- 圧縮要素は電動要素の下に配設されており、給油装置は主軸部の下端に設けたポンプ部と、一端が前記ポンプ部に連通し、他端は密閉容器内の空間に開口する給油通路を備えるとともに、前記給油通路は回転子の下方に開口する請求項1記載の往復動式冷媒圧縮機。
- ポンプ部は遠心ポンプから成る請求項2に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- ブロックは別部品より成るシリンダ部および支持部を各々固定することにより構成された請求項1から3のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- 連結手段のピストン側の連結部がボールジョイントにて形成された請求項1から4のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- クランクシャフトは偏心部を挟んで主軸部と同軸上に形成された副軸部を備え、前記副軸部を軸支する副軸受を有する第二ブロックをブロックに固定した請求項1から5のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- 圧縮する冷媒ガスがR600aである請求項1から6のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- 20r/sec以下の運転周波数を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- 最低回転数に対する最高回転数の比が3以上である請求項1から8のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
- 圧縮機、凝縮器、膨張器、および蒸発器とを備え、前記圧縮機に請求項1から9のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機を用いた冷凍装置。
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JP2004019615A JP2005214031A (ja) | 2004-01-28 | 2004-01-28 | 往復動式冷媒圧縮機および冷凍装置 |
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- 2004-01-28 JP JP2004019615A patent/JP2005214031A/ja active Pending
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