JP2006144730A - 往復動式冷媒圧縮機 - Google Patents

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シンシア 真淑 石田
Ko Inagaki
耕 稲垣
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Abstract

【課題】インバータ制御において、特に運転回転数の低下により回転体の回転慣性力が小さなった際に、圧縮負荷を乗り切れず脱調停止することを防止する。
【解決手段】クランクシャフト107または回転子105の少なくとも一方にフライホイール119を形成することにより、電動要素103の回転周波数が低下しても、回転子105やクランクシャフト107の回転慣性力を高く保つことが可能となり、冷媒の吸入、圧縮および吐出における回転角速度の変動を少なくすることで、圧縮機が脱調停止することを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に家庭用の電気冷凍冷蔵庫などに使用されるインバータ制御方式の往復動式冷媒圧縮機に関するものである。
近年、地球環境に対する要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置等においても、消費電力量の低減が強く要望されている。特に、インバータ駆動回路により低速運転を行うことで消費電力量を低減する往復動式冷媒圧縮機においては、低速回転時での高効率化および安定した運転が課題になっている。
従来、この種の往復動式冷媒圧縮機としては、低速運転時において安定した効率を得るために潤滑油を安定して供給する改善をしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の往復動式冷媒圧縮機を説明する。
図9は、特許文献1に記載された従来の往復動式冷媒圧縮機の縦断面図を示したものである。
図9において、密閉容器1の底部にはオイル2を貯留している。電動要素3は固定子4および回転子5から構成され、圧縮要素6を駆動する。また、電動要素3は、インバータ駆動回路(図示せず)によって回転し、固定子4に突極集中巻の巻線を採用することで大幅にコイルエンドを減少させ、回転子5には磁石材を鉄心内に配置し、小型で高効率を実現している。
次に、圧縮要素6の詳細を以下に説明する。クランクシャフト7は主軸部8および偏心部9から構成されており、主軸部8はシリンダブロック10の軸受部11に回転自在に軸支されるとともに、回転子5が固定され、下端にはオイル2に浸漬したオイルポンプ12が形成されている。偏心部9には、ピストン13と連結する連結手段14およびバランスウェイト15が固定されている。また、ピストン13はシリンダブロック10のシリンダ16に往復自在に挿入されており、圧縮室17を形成する。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下にその動作を説明する。
電動要素3に通電されると、固定子4に発生する磁界により、回転子5はクランクシャフト7を回転させる。主軸部8の回転により、偏心部9の偏心運動が連結手段14を介してピストン13に伝えられる。ピストン13はシリンダ16内で往復動し、密閉容器1外の既知の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒を密閉容器1内の圧縮室17内へ導入し、連続して圧縮する。この圧縮運動の際に、ピストン13の往復運動による振動やクランクシャフト7の偏心部9の偏心運動が発生するが、バランスウェイト15によって釣り合わされる。そして、圧縮された冷媒は、吐出管(図示せず)を経由して密閉容器1外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送出される。
インバータ駆動回路(図示せず)は、回転子5の回転を検出し、所定の回転数になるように出力を調整しながら、電動要素3を駆動する。通常、インバータ駆動回路の出力は、クランクシャフト7一回転中で一定であるが、電動要素3が駆動する際の負荷トルクは1回転中で大きく変動し、冷媒の圧縮時には大きく、吸入時には逆に小さくなる。その負荷トルクの変動に起因して、回転子5の回転角速度も一回転中で変化する。しかしながら、商用周波数付近の回転数では回転子5やクランクシャフト7の回転慣性力は比較的大きく、回転角速度の絶対値に比べて回転角速度の変動量が小さいため、圧縮機の脱調停止などといった、負荷トルクの変動に起因した問題が発生することは少なかった。
特開2003−65236号公報
しかしながら、上記従来の構成では、運転回転数が小さくなると、回転子5やクランクシャフト7の回転慣性力が小さくなるため、回転子5の回転角速度の変動も大きくなる。この現象は、20r/sec以下といった非常に低い周波数では特に顕著となり、圧縮時に回転子5の回転角速度が大幅に低下し、負荷を乗り切れずに電動要素3が脱調することで圧縮機が停止する可能性があるという課題がある。これらの課題は、特に冷蔵庫の消費電力量を低減する手段として、20r/sec以下といったより低い運転回転数を用い、広範囲の冷凍能力に対応する圧縮機を実現するための障壁となっていた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、運転回転数を広範囲に設定した圧縮機の安定運転を実現することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の往復動式冷媒圧縮機は、クランクシャフトまたは回転子の少なくとも一方にフライホイールを形成したもので、冷媒の吸入、圧縮および吐出の過程に伴う負荷トルクが変動しても、回転慣性力が大きいために、低い回転数においても回転角速度の変動が少なくなり、脱調停止が起こりにくくなるという作用を有する。
本発明の往復動式冷媒圧縮機は、クランクシャフトまたは回転子の少なくとも一方にフライホイールを形成したもので、低い回転数においても回転角速度変動が少ないために脱調停止が起こりにくく、安定した運転を可能とすることができる。
請求項1に記載の発明は、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数でインバータ駆動され、固定子および回転子からなる電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを密閉容器内に収容し、前記圧縮要素は主軸部および偏心部を備えたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを回転自在に軸支する軸受部と、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記偏心部と前記ピストンとを連結する連結手段とを備え、前記回転子を前記主軸部に固定するとともに、前記クランクシャフトまたは前記回転子の少なくとも一方にフライホイールを形成することにより、冷媒の吸入、圧縮および吐出の行程に伴う負荷トルクが変動しても、回転慣性が大きいために、低い回転数においても回転角速度の変動が少なくなり、脱調停止などが起こりにくい、安定した運転を可能とすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明のフライホイールを、電動動要素と圧縮要素の間に配設することにより、フライホイールを配設するために特別な空間を設けることなく、電動要素と圧縮要素の間の活用していない無効空間内にフライホイールを配設できるため、請求項1に記載の発明の効果に加えて、圧縮機を大型化することなくフライホイールを配設でき、脱調停止などが起こりにくい、安定した運転を可能とすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明のフライホイールを回転子に設け、前記フライホイールの少なくとも一部を非磁性体とすることにより、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、回転子の磁束の漏れを防ぎ、モータの効率低下を防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明のフライホイールの外径を回転子の外径よりも小さくすることにより、請求項3に記載の発明の効果に加えて、フライホイールの配設が容易となり、圧縮機の組み立てを容易にすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明のフライホイールの材料を真鍮とすることにより、請求項3に記載の発明の効果に加えて、フライホイールの加工が容易となり、フライホイールを容易に形成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明のフライホイールにおいて、クランクシャフトの主軸部の軸心に対し、クランクシャフトの偏心方向に不平衡なウェイトを形成することにより、請求項1から5に記載の発明の効果に加えて、往復運動や偏心運動による不釣合いをバランスさせるバランスウェイトの効果が得られ、部品点数を増やすことなくフライホイールを配設することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、20r/sec以下の回転数を含むことにより、請求項1から6に記載の発明の効果に加えて、大幅な入力低減が実現でき、高い省エネ効果を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、最低回転数に対する最高回転数の比が3以上であることにより、低負荷な運転条件においては低速運転し、高負荷な運転条件では高速運転することとなり、請求項1から7に記載の発明の効果に加えて、低速運転で入力低減による高い効率を得ることができるとともに、高負荷な運転条件では高速運転により必要な高い冷凍能力を確保し、負荷を乗り切ることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の回転子において、希土類からなる磁石材を鉄心内に配置することにより、請求項1から8に記載の発明の効果に加えて、電動要素の小型化により往復動式冷媒圧縮機を小型化できるとともに、回転子の回転慣性力が小さくなるにもかかわらず、フライホイールにて回転慣性力を高く保つことができ、安定した運転を得ることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の発明の往復動式冷媒圧縮機において、圧縮する冷媒をR600aとしたことにより、R134a冷媒の時と比べて必要気筒容積が増大するため、請求項1から9に記載の発明の効果に加えて、ピストンの大径化に伴って質量が増大したり、ピストンの往復動の変位が大きくなっても、フライホイールにて回転慣性力を高く保つことができ、安定した運転を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図である。図2は、同実施の形態における図1のA−A断面図である。図3は、同実施の形態におけるピストン変位の特性図であり、従来の往復動式冷媒圧縮機の特性を破線で示し、本実施の形態における往復動式冷媒圧縮機の特性を実線で示している。図4は、同実施の形態における圧縮室内の負荷トルクの特性図であり、図5は、同実施の形態におけるクランクシャフトの回転角速度の特性図である。
図1および図2において、密閉容器101内に、巻線を保有する固定子104と回転子105からなる電動要素103と、電動要素103によって駆動される圧縮要素106を収容し、オイル102を貯留するとともに、例えばR600aなどの温暖化係数の低い炭化水素系の冷媒を充填している。
電動要素103は、シリンダブロック110の下方に固定され、インバータ駆動回路(図示せず)とつながっている突極集中巻の巻線を採用した固定子104と、例えばネオジウム等の希土類からなる磁石材を鉄心内に配置し、主軸部108に固定された回転子105とから構成される。その結果、電動要素103は高い効率が得られるとともに、回転子104の積厚が低く固定子104の巻線部がコンパクトになり小型化が実現できているものの、回転子105の軽量化に伴って、回転慣性力は小さくなっている。
また、電動要素103は、インバータ駆動により、最低回転数が15r/secで、最高回転数を75r/secとすることで、最低回転数に対する最高回転数の比を5としたものであり、能力幅が広範囲な運転を行うよう設定されている。
次に、圧縮要素106の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト107は、回転子105を圧入固定した主軸部108と、主軸部108に対し偏心して形成された偏心部109を有するとともに、主軸部108の内部にはオイルポンプ(図示せず)がオイル102中に開口するように設けてある。
シリンダブロック110は、略円筒形のシリンダ116を有するとともに、主軸部108を回転自在に軸支する軸受部111を有し、電動要素103の上方に配設されている。
そして、ピストン113は、鉄などの金属で形成され、シリンダ116に往復動自在に挿入されることで圧縮室117を形成する。また、ピストン113は、偏心部109との間を連結手段114によって連結されている。
さらに、フライホイール119は、クランクシャフト107の主軸部108の外径側に形成されており、フライホイール119を貫通する穴120をあけることにより、主軸部108の軸心に対し、クランクシャフト107の偏心方向に不平衡なウェイト121を形成している。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
インバータ駆動回路より電動要素103に通電されると、固定子104に発生する磁界により回転子105はクランクシャフト107とともに回転する。そして、主軸部108の外径側に形成されたフライホイール119は、主軸部108の回転に伴って主軸部108と同軸で回転し、偏心部109は主軸部108に対して偏心して回転する。その偏心部109の偏心回転は、連結手段114を介して往復運動に変換され、ピストン113をシリンダ116内で往復運動させる。
ピストン113の往復動に伴って、密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒は圧縮室117内に吸入され、圧縮された後、吐出配管(図示せず)を経由して密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、密閉容器101内に貯留されたオイル102は、クランクシャフト107の下端部から吸い上げられ、クランクシャフト107の各摺動部と、ピストン113と圧縮室117の摺動部や連結手段114の摺動部を潤滑する。
次に、図3、図4および図5により、上述した圧縮機の動作における回転慣性力および回転子105の回転角速度の特性について説明する。
図3は、クランクシャフト107の1回転中におけるピストン113変位を、上死点位置を起点として示している。図4は、図3のピストン113変位の変化に対応した、圧縮室117内の負荷トルクを示している。負荷トルクとは、クランクシャフト107を回転させて圧縮室117内に冷媒を吸入し圧縮するとの動作を行うために必要な、電動要素103の回転トルクである。
図3、図4からわかるように、ピストン113が上死点から下死点へ向かう吸入行程では負荷トルクは小さいが、下死点から上死点へ向かう圧縮行程では圧縮室117内の圧力の上昇とともに大きくなり、特に圧縮行程の最終で急激に大きくなる。そして、吐出弁(図示せず)の開きとともに圧縮室117内の圧力が低下し、負荷トルクも急激に小さくなる。
以上の負荷トルクの変動があるために、図5に示すように、クランクシャフト107の回転角速度も1回転中で変動する。すなわち、ピストン113が上死点近傍で回転角速度は最低となり、ピストン113が下死点と上死点の中間位置近傍の、圧縮行程の後半で最大となる。すなわち、圧縮行程の後半で負荷トルクが最大となるまでは、電動要素103に作用する回転トルクにより回転角速度は大きくなるが、負荷トルクが大きくなる圧縮行程の後半では、負荷トルクがクランクシャフト107の回転を止めるように作用するために、急激に回転角速度は小さくなる。
詳細な説明は省略するが、負荷トルクの変動の増減に応じて、回転角速度も概ね増減するといった回転角速度の特性を有している。
この回転速度変動において、主軸部108の外径側にフライホイール119を配設することにより、主軸部108とフライホイール119が一体となった回転体そのものの質量が増大し、回転慣性力が大きくなる。そのため、クランクシャフト107の回転角速度の平均値は変化しないものの、負荷トルクの変動によって生じるクランクシャフト107の回転角速度の変動を抑制し、回転角速度の変動を小さくすることができる。
さらに、本実施の形態では、フライホイール119に貫通する穴120をあけることで、主軸部108の軸心に対し、クランクシャフト107の偏心方向に不平衡なウェイト121を形成しているため、圧縮の際に発生するピストン113の往復運動やクランクシャフト107の偏心部109の偏心運動との釣り合いをとることができる。そのため、フライホイール119は、回転角速度の変動を小さくする効果のみならず、往復運動や偏心運動による不釣合いをバランスさせるバランスウェイトの効果も得ることができる。
従って、フライホイール119は、釣り合いをとるために従来の圧縮機に備えていたバランスウエイトの機能を兼ねることができるため、部品点数を増やすことなく、クランクシャフト107の回転角速度の変動を小さくすることができ、安定した運転を可能としている。
上述のように、フライホイール119によって、回転角速度の変動を小さくすることができるため、例えば15r/secといった低速回転の運転において、クランクシャフト107の回転慣性力が小さい場合においても、フライホイール119によって回転慣性力を大きくすることで回転角速度の変動を小さくすることができるため、圧縮負荷を乗り切れずに圧縮機が脱調してしまうことを防止でき、安定した運転を得ることができる。
さらに、15r/secといった低速回転の運転においては、脱調にまで至らないまでも、固定子104の作る回転磁界に対する回転子105の遅れによって生ずる過電流を制御側が感知し、停止命令を出すことによる圧縮機の停止が発生しやすかったが、こうした現象を減らすことができ、安定した運転を得ることができる。
また、上述した通り本実施の形態において、低速の回転数を15r/secまで下げることができたため、その低速の回転数に対して、従来から実施されていた高速の回転数75r/secとの回転数比は5以上と、極めて広くすることができる。
そのため、低速での安定した運転が可能になることで入力が低い運転が実現でき、高い省エネ効果を得ることができる。
一方、近年の家庭用冷凍冷蔵庫は断熱性能が格段に向上しており、安定運転時と高い冷凍能力を必要とする負荷投入時との必要冷凍能力の比が大きくなってきているが、往復動式冷媒圧縮機の冷凍能力はおおむね電動要素の回転数に比例するため、本実施の形態によればこうした必要冷凍能力の比の拡大に対応することができ、先に述べたように、極めて高い省エネ効果が得られるものである。そして、負荷投入時にも必要な冷凍能力を得ることができ、不冷や冷却速度が遅いといった冷却性能の問題も防止することができる。
さらに、本実施の形態では、固定子104に突極集中巻の巻線を採用し、回転子105の鉄心内には希土類からなる磁気力の大きな磁石材を用いたので、磁気特性が大幅に改善され、電動要素103の小型化や効率の向上を図ることができる。
その電動要素103の小型化に伴って回転子105も軽量化され回転時に回転慣性力が小さくなるものの、それをフライホイール119の配設によって回転慣性力を大きくすることで補うことができるので、電動要素103の小型化や効率の向上に加えて、圧縮負荷を乗り切れずに圧縮機が脱調してしまうことを防止でき、安定した運転を得ることができる。
また、本実施の形態では、冷媒として環境負荷の低いR600aを用いているが、R600aはR134aといったHFC冷媒に対して単位流量あたりの冷凍能力が低いため、気筒容積を相対的に大きくする必要がある。そのため、ピストン113の外径を大きくしたり、ピストン113の往復動の変位を大きくするといった諸元の変更が必要となる。
ピストン113の外径が大きく質量が増大したり、ピストン113の往復動の変位を大きくなった場合においても、フライホイール119によって、クランクシャフト107の回転慣性力を高め、回転角速度の変動を小さくすることができるため、安定した運転を得ることができる。そのため、特にR600aに対して好適であり、環境負荷の低い冷媒を用いた運転を実現するとともに、圧縮負荷を乗り切れずに圧縮機が脱調してしまうことを防止でき、安定した運転を得ることができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2による往復動式冷媒圧縮機の縦断面図である。図7は、同実施の形態における図6のB−B断面図である。
以下、図6および図7に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
フライホイール219は回転子105に形成され、圧縮要素106と電動要素103の間の空間に配設されている。そして、フライホイール219の材料の少なくとも一部は例えば真鍮などの非磁性体である。また、フライホイール219の一部に厚い部分220を形成することにより、クランクシャフト107の主軸部108の軸心に対し、クランクシャフト107の偏心方向に不平衡なウェイト221を形成している。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
インバータ駆動回路より電動要素103に通電されると、固定子104に発生する磁界により回転子105および回転子105に形成されたフライホイール219は、クランクシャフト107とともに回転する。そして、主軸部108の回転に伴い偏心部109は偏心回転し、この偏心運動は連結手段114を介して往復運動に変換され、ピストン113をシリンダ116内で往復運動させる。
ピストン113の往復動に伴って、密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒は圧縮室117内に吸入され、圧縮された後、吐出配管(図示せず)を経由して密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、密閉容器101内に貯留されたオイル102は、クランクシャフト107の下端部から吸い上げられ、クランクシャフト107の各摺動部と、ピストン113と圧縮室117の摺動部や連結手段114の摺動部を潤滑する。
以上のような本実施の形態において、圧縮機の動作における回転慣性力および回転子105の回転角速度の特性、そして、回転子105の回転角速度変動の低減についての説明は、実施の形態1と同様であるため省略する。
ここで、本実施の形態では、フライホイール219は回転子105に形成されており、しかも圧縮要素106と電動要素103の間の空間に配設されている。圧縮要素106と電動要素103の間には、電動要素103の絶縁距離の確保や、組み立て性などの観点から、必ず無効空間が存在しており、フライホイール219はその無効空間に配設されている。
そのため、電動要素103と圧縮要素106との間の無効空間を有効に活用し、フライホイール219を配設することにより、圧縮機を大型化することなく、低い回転数においても回転角速度の変動が少なく、脱調停止などが起こりにくい、安定した運転を可能とすることができる。
さらに、フライホイール219の材料として、真鍮など非磁性体の材料を用いているので、回転子105の磁束による漏れを防ぐこととなり、電動要素103の効率低下を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、フライホイール219の一部に厚い部分220を設けることで、主軸部108の軸心に対し、クランクシャフト107の偏心方向に不平衡なウェイト221を形成しているため、圧縮の際に発生するピストン113の往復運動やクランクシャフト107の偏心部109の偏心運動との釣り合いをとることができる。そのため、フライホイール219は、回転角速度の変動を小さくする効果のみならず、往復運動や偏心運動による不釣合いをバランスさせるバランスウェイトの効果も得ることができる。
従って、フライホイール219は、釣り合いをとるために従来の圧縮機に備えていたバランスウエイトの機能を兼ねることができるため、部品点数を増やすことなく、クランクシャフト107の回転角速度の変動を小さくすることができ、安定した運転を可能としている。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図である。
以下、図8に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2と同一構成については同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
フライホイール319は回転子105に形成され、圧縮要素106と電動要素103の間の空間に配設されている。そして、フライホイール319の外径は、回転子105の外径よりも小さくなっている。
以上のように構成された往復動式冷媒圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
インバータ駆動回路より電動要素103に通電されると、固定子104に発生する磁界により回転子105および回転子105に形成されたフライホイール319は、クランクシャフト107とともに回転する。そして、主軸部108の回転に伴い偏心部109は偏心回転し、この偏心運動は連結手段114を介して往復運動に変換され、ピストン113をシリンダ116内で往復運動させる。
ピストン113の往復動に伴って、密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)より戻った冷媒は圧縮室117内に吸入され、圧縮された後、吐出配管(図示せず)を経由して密閉容器101外の既知の冷凍サイクル(図示せず)へ送られる。
また、密閉容器101内に貯留されたオイル102は、クランクシャフト107の下端部から吸い上げられ、クランクシャフト107の各摺動部と、ピストン113と圧縮室117の摺動部や連結手段114の摺動部を潤滑する。
以上のような本実施の形態において、圧縮機の動作における回転慣性力および回転子105の回転角速度についての説明や、フライホイールの配設箇所および非磁性体の材料に関する説明は、実施の形態1および実施の形態2と同様であるため省略する。
ここで、本実施の形態では、フライホイール319の外径は回転子105の外径よりも小さいので、フライホイール319は小型となり、回転子105に配設し易くなる。
そして、主軸部108に回転子105を組み付ける際に、回転子105のどちら側からでも主軸部108に挿入することができるため、組み立ての制限が少なくなり、組み立て性や生産性が向上する。
さらに、固定子104をシリンダブロック110に組み付ける際に、回転子105との半径方向の隙間を一定に確保するためにゲージを使用するが、ゲージがフライホイール319に干渉することなく挿入することができるため、圧縮機の組み立てを容易に行うことができ、生産性が向上する。
以上のように、本発明にかかる往復動式冷媒圧縮機は、圧縮機の回転慣性力を高め、脱調しない安定運転が可能となるので、家庭用電気冷凍冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍サイクル装置等に使用されるインバータ制御方式の往復動式圧縮機に広く適用できる。
本発明の実施の形態1における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図 同実施の形態における図1のA−A断面図 同実施の形態におけるピストン変位の特性図 同実施の形態における圧縮室内の負荷トルクの特性図 同実施の形態におけるクランクシャフトの回転角速度の特性図 本発明の実施の形態2における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図 同実施の形態における図6のB−B断面図 本発明の実施の形態3における往復動式冷媒圧縮機の縦断面図 従来の往復動式冷媒圧縮機の縦断面図
符号の説明
101 密閉容器
103 電動要素
104 固定子
105 回転子
106 圧縮要素
107 クランクシャフト
108 主軸部
109 偏心部
110 シリンダブロック
111 軸受部
113 ピストン
114 連結手段
117 圧縮室
119,219,319 フライホイール
121,221 ウェイト

Claims (10)

  1. 商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数でインバータ駆動され、固定子および回転子からなる電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを密閉容器内に収容し、前記圧縮要素は主軸部および偏心部を備えたクランクシャフトと、前記クランクシャフトを回転自在に軸支する軸受部と、圧縮室を形成するシリンダブロックと、前記圧縮室内で往復運動するピストンと、前記偏心部と前記ピストンとを連結する連結手段とを備え、前記回転子を前記主軸部に固定するとともに、前記クランクシャフトまたは前記回転子の少なくとも一方にフライホイールを形成した往復動式冷媒圧縮機。
  2. 電動要素と圧縮要素の間にフライホイールを配設した請求項1に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  3. フライホイールを回転子に設け、前記フライホイールの少なくとも一部を非磁性体とした請求項1または2に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  4. フライホイールの外径を回転子の外径より小さくした請求項3に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  5. フライホイールの材料を真鍮とした請求項3に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  6. フライホイールはクランクシャフトの主軸部の軸心に対し、クランクシャフトの偏心方向に不平衡なウェイトを形成する請求項1から5のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  7. 20r/sec以下の回転数を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  8. 最低回転数に対する最高回転数の比が3以上である請求項1から7のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  9. 回転子は希土類からなる磁石材を鉄心に配置してなる請求項1から8のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
  10. 圧縮する冷媒がR600aである請求項1から9のいずれか一項に記載の往復動式冷媒圧縮機。
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