JP2005213410A - 高屈折率樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品として求められる十分な透明性を維持し、かつ高屈折率である樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】屈折率分布を持つ微粒子と透明な熱可塑性樹脂とを含有してなる高屈折率樹脂組成物、好ましくは前記微粒子が、中心から粒子径の10〜90%までの範囲の中央部と粒子表層部とからなる微粒子であり、表面の屈折率をn、中央部の屈折率をnとするとき、n>nであり、表面から中央部に向かって屈折率が連続的又は段階的に増加している透明な微粒子である高屈折率樹脂組成物、及びこれらの樹脂組成物を成形してなる光学部品。

Description

本発明は、高屈折率を有する透明性樹脂組成物に関する。より詳細には、本発明は屈折率分布をもつ微粒子を含有する透明性樹脂組成物、及びこれを備えた光学部品に関するものである。
従来、高屈折率樹脂組成物として、金属又は金属酸化物微粉末を分散混合する手法が考案されている。例えば、特許文献1には、高屈折率・高アッベ数の無機微粒子を透明基材ポリマーに分散して、高屈折率・高アッベ数の有機ポリマーを得ることが記載されている。しかしながらこの方法では、微粒子の凝集が起こりやすく、光散乱を起こしやすいため、透明性が十分ではなかった。
また、特許文献2には、無機微粒子の表面を有機物で処理して反応性官能基を導入し、これを反応性官能基を有するマトリクスポリマーに分散させている。この手法は、微粒子の凝集を抑える手法ではあるが、完全に凝集をおさえることは出来ず、光学部品としての透明性には不十分であった。
特開2001−183501号公報 特開2002−047425号公報
本発明は、前述の技術的背景のもとになされたものであり、その目的は、光学部品として求められる十分な透明性を維持し、かつ高屈折率である樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記問題を解決すべく、鋭意研究の結果、特定の微粒子と透明樹脂との組合せからなる樹脂組成物を用いることにより、上記問題点を解決することができることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
(1)屈折率分布を持つ微粒子と透明樹脂とを含有してなる高屈折率樹脂組成物、
(2)前記微粒子が、中心から粒子径の10〜90%までの範囲の中央部と粒子表層部とからなる微粒子であり、表面の屈折率をn、中央部の屈折率をnとするとき、n>nであり、表面から中央部に向かって屈折率が連続的又は段階的に増加している透明な微粒子である(1)記載の高屈折率樹脂組成物、
(3)透明樹脂の屈折率をnとするとき、n−n>0.3かつ|n−n|<0.1であり、微粒子の粒径が0.1〜100nmである(1)又は(2)に記載の高屈折率樹脂組成物、
及び、
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の高屈折率樹脂組成物を成形してなる光学部品、がそれぞれ提供される。
通常、樹脂中に微粒子を分散させた系で透明性を維持するためには、微粒子を樹脂マトリクス中に2次凝集を可及的に低減した状態で分散させることが一般に認識されている。これは微粒子が2次凝集すると、散乱が生じ高度な透明性が得られなくなるからである。また、微粒子とマトリクス樹脂との屈折率差が大きいほど、微粒子の粒径を小さくしなければ、レイリー散乱が生じ、樹脂組成物は白濁してしまう。酸化チタンのような高屈折率微粒子の場合、粒径を均一に制御し、さらに10nm以下にしなければ、高度な透明性を持つ樹脂組成物は得られない。
粒径10nm以下の微粒子を工業的に得ることは非常に困難であり、さらに10nm以下の微粒子を、樹脂マトリクス中で完全単分散させることは非常に困難である。
しかしながら本発明によれば、粒子の屈折率プロファイルを制御することで、100nmサイズでもレイリー散乱が生じず、完全な単分散をしなくても高度に透明な樹脂組成物を得ることが出来る。また、本発明の樹脂組成物は、バルク状態において高度の透明性を有するとともに、微粒子の中心部分の屈折率に由来する高屈折率性を発現する。また、その屈折率は用途により調整可能である。
本発明の高屈折率樹脂組成物は、屈折率分布を持つ微粒子と透明樹脂とを含有してなる。
本発明に使用する微粒子は、粒子内部の屈折率プロファイルが中心からの距離により異なる粒子である。
本発明において、使用する微粒子が、中心から粒子径の10〜90%までの範囲の中央部と粒子表層部とからなる微粒子であり、表面の屈折率をn、中央部の屈折率をnとするとき、n>nであり、表面から中央部に向かって屈折率が連続的又は段階的に増加している透明な微粒子であることが好ましく、透明樹脂の屈折率をnとするとき、n−n>0.3かつ|n−n|<0.1であり、微粒子の粒径が0.1〜100nmであることがさらに好ましい。また、前記n−nは、n−n>0.6であることがさらに好ましく、n−n>1であることが特に好ましい。
微粒子の粒子径が0.1nmより小さくなると体積分率が小さくなる、もしくは微粒子の結晶性が極端に低下するといった理由により、微粒子の特徴である高屈折率性の発現が不十分となる場合がある。また、微粒子の粒子径が100nmより大きくなると、本発明の樹脂組成物の透明性が極端に低下する場合がある。
かかる微粒子の屈折率は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において、EDX等の局所元素分析により微粒子の成分組成に関する情報も得ることが可能であり、得られた成分から算出可能である。
微粒子を構成する材質としては、特に制限されないが、高屈折率樹脂組成物を得る観点からセラミックスが好ましい。
ここでいうセラミックスとは鉱物、その加工品及びこれら合成品の総称であり、金属の酸化物・窒化物・炭酸化物等のことをいう。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化セリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化ホルミウムの金属の酸化物が可視光領域での透明性に優れる点で好ましい。
本発明に使用する微粒子は、得られた樹脂組成物の高屈折率化の点と透明性に優れる点で、前記のセラミックスの複合粒子であることが好ましく、粒子の中心部に酸化チタン、表面部に酸化珪素を配置してなるものが特に好ましい
本発明に使用する微粒子の製造方法は、屈折率分布を有する微粒子が得られる方法であれば特に制限されないが、ゾル-ゲル法により金属アルコキシドから作製する方法が簡便に屈折率プロファイルを制御することができる点で好ましい。また、セラミックスの複合粒子を得る場合は、粒子の中心部を構成する微粒子を核粒子として使用してもよい。具体的には、特開2002−274860号公報に記載されているような酸化ケイ素など低屈折率を示す微粒子の表面に組成の異なる金属アルコキシド溶液をコーティングする方法などが挙げられる。
本発明に使用する透明樹脂としては、透明性及び成形性に優れた熱可塑性樹脂であれば、特に限定されない。例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、非晶性ポリエステル、脂環式構造を有する重合体樹脂等を用いることができる。中でも透明性、耐熱性、低吸湿性などの特性に優れる点から、脂環式構造を有する重合体樹脂が好ましい。
本発明に好適に使用する脂環式構造を有する重合体樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環式構造としては、飽和脂環炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性などの特性が高度にバランスされ、好適である。本発明に使用する脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、もっとも好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると樹脂組成物の透明性および耐熱性に優れる。
脂環式構造を有する重合体樹脂は、具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素添加物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体樹脂は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体から選ばれる。
本発明に使用する透明樹脂は、極性基を含有しても良い。極性基は、微粒子との親和性を向上させることができ、したがって、樹脂組成物の分散性を向上させることができる。
前記極性基としては、ヘテロ原子またはヘテロ原子を有する原子団等を挙げることができ、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等を挙げることができる。これらヘテロ原子の中でも、無機化合物との分散性および相溶性の観点から、酸素原子および窒素原子が好ましい。前記極性基として、具体的には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシ基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、ハロゲン基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基、スルホン基、酸無水物基等を挙げることができる。
極性基を有する脂環式構造含有樹脂を得る方法としては特に制限はないが、脂環式構造を有する重合体樹脂が、ノルボルネン系重合体である場合、例えば、(1)各種のノルボルネン系モノマーの中から選択されたところの、極性基を有しないノルボルネン系モノマーを重合して得られる未変性重合体に、極性基を有する化合物を反応(変性反応)させる方法、(2)各種のノルボルネン系モノマーの中から選択されたところの、極性基を有しないノルボルネン系モノマーと極性基を有するノルボルネン系モノマーとを共重合させる方法、(3)各種のノルボルネン系モノマーの中から選択されたところの、極性基を有しないノルボルネン系モノマーを重合して得られる重合体と、前記(1)の方法または(2)の方法により得られた極性基を有するノルボルネン系重合体とを混合する方法等を挙げることができる。ノルボルネン系重合体以外の脂環式構造を有する重合体樹脂やその他の透明な熱可塑性樹脂の場合においても、ノルボルネン系重合体の場合と同様である。
透明樹脂中の極性基の含有量は、好ましくは0.01mmol/g以上、さらに好ましくは0.01mmol/g〜0.8mmol/g、特に好ましくは0.01mmol/g〜0.5mmol/gの範囲である。
極性基の含有量を前記範囲とすることにより、微粒子との親和性を向上させることができる。なお、極性基の含有量が多すぎると得られる樹脂組成物の吸水性が高くなるので好ましくない。
上記極性基の含有量は、前述(1)の変性反応の場合には、極性基を有する不飽和化合物の変性による導入率により、(2)の場合には共重合する極性基を有するモノマーの共重合の割合により、(3)の場合には極性基を有しない重合体と極性基を含有する重合体との混合割合により、適宜コントロールすることができる。
本発明に使用する透明な熱可塑性樹脂の分子量に特に制限はないが、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常は、5,000〜500,000、好ましくは、8,000〜200,000、より好ましくは、10,000〜100,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、得られる樹脂組成物の成形加工性が良好となり、機械的強度を向上させることもできる。この重量平均分子量は、シクロヘキサンまたはトルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定することができる。
本発明に使用する透明な熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常80℃以上、好ましくは130〜250℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、得られる樹脂組成物において、高温下の使用に耐え、熱変形、応力集中等を生じることがなく、優れた耐久性を与えることができる。
本発明において、透明な熱可塑性樹脂が脂環式構造を有する重合体樹脂である場合は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。
オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択、重合反応、水素化反応などの反応条件、樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件、などを最適化すればよい。オリゴマーの成分量は、シクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定することができる。
本発明の樹脂組成物において、高屈折率とは、25℃においてナトリウムD線を光源として測定される該組成物の屈折率nd25が、1.6以上であるものをいう。
本発明の樹脂組成物において微粒子の含有量は、通常、1体積%〜50体積%、好ましくは5体積%〜30体積%である。微粒子の含有量が少なすぎると高屈折率化されず、多すぎると樹脂組成物の機械的物性や成形性あるいは低比重化の観点から好ましくない。この範囲内であれば、微粒子配合量を自由に設定でき、所望の屈折率を持つ樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明の樹脂組成物には、透明な熱可塑性樹脂及び屈折率分布を有する微粒子の他に、その他の配合剤を含んでいてもよい。
配合剤としては、格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。
本発明で言う光学部品として十分な透明性とは、厚さ1mmの成形体に対し全光線透過率が85%以上であることを言う。
本発明の樹脂組成物を得る方法としては、特に制限されることはなく、例えば、(i)透明な熱可塑性樹脂と微粒子とを、ブラベンダー、押出機、ロール等を用いて溶融混合する方法、(ii)透明な熱可塑性樹脂と微粒子と有機溶媒とをで混合して溶液とし、該溶液中の溶媒を除去する方法を挙げることができる。中でも、微粒子の分散性の向上を図ることができる点で、前記(ii)の方法が好ましい。
前記(ii)の方法を用いる場合、混合を行う装置として高速回転ミキサーを用いることが好ましい。好ましく用いられる前記高速回転ミキサーは、撹拌部の先端速度が15m/sec以上、好ましくは20m/sec以上、より好ましくは30m/sec以上の速度で稼動されることが望ましい。先端速度の上限は、通常、90m/sec程度である。このような高速回転による撹拌によって、せん断力を強力にして、微粒子の分散を均一にすることができる。混合に要する時間は、通常は2〜1800秒間、好ましくは5〜1200秒間、より好ましくは5〜900秒間である。また、混合するときの温度は、通常は20〜80℃、好ましくは30〜70℃である。
前記高速回転ミキサーは、容器と撹拌ホイールとを備えており、撹拌ホイールは、高速回転が可能でその端部が容器内側近傍に達する粒径を有していることが好ましい。このような撹拌ホイールを高速回転させると、遠心力によって、撹拌液が容器内側面に回転しながら、薄膜状に押し付けられ、その薄膜に撹拌ホイールの先端部が接触して、効率的な撹拌を実現できることができる。
前記高速回転ミキサーとしては、薄膜旋回型高速ミキサー、薄膜旋回型高速回転分散混合機等を挙げることができ、市販品としては、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速ミキサー(商品名:T.K.フィルミックス)、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速粉体溶解装置(商品名:T.K.パウダーフィルミックス)等を挙げることができる。
溶媒を除去する装置としては、特に制限されないが、円筒型濃縮乾燥機が好ましく用いられる。この円筒型濃縮乾燥機を用いるときの条件は、通常、乾燥温度が100〜350℃、圧力が1MPa以下である。
さらに、溶媒を除去した樹脂組成物を、二軸押出機等を用いてさらに溶融混練を行うことが好ましく、その場合、円筒型濃縮乾燥機から吐出された溶融状態の樹脂組成物をそのまま二軸押出機の混練ゾーンに供給して連続的に溶融混練を行うことも可能である。
本発明の光学部品は、本発明の高屈折率樹脂組成物を成形してなる。
本発明の光学部品を成形する方法は特に限定されず、例えば、射出成形法、押し出し成形法、圧空成形法、真空成形法、熱プレス成形法などの一般の熱可塑性樹脂を成形する方法を採用できる。また、キャスト法によりフィルム状の成形品を得ることもできる。これらの中でも、射出成形法が容易であり、寸法精度に優れたものが得られるので好ましい。
本発明の光学部品としては、回折格子、フレネルレンズ、レンズ、プリズム、ミラー等の光学部品、導光板、液晶基板、光反射板、灯具用レンズ、灯具用カバー、光ディスク、インクジェット用流路板等が挙げられ、中でも光学レンズ(例えば、CD用ピックアップレンズ等)、光学プリズムに好適である。
本発明を、参考例、実施例及び比較例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)へイズ及び全光線透過率
JIS K7105の方法に準拠して、濁度計(NDH−300A、日本電色工業社製)を用いて測定する。
(2)屈折率の測定
JIS K7105の方法に準拠して、25℃においてナトリウムD線を光源として、アッベ屈折率計を用いて測定する。
[製造例1]脂環式構造を有する重合体樹脂の製造例
窒素雰囲気下に、脱水したシクロヘキサン500部、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部およびトリイソブチルアルミニウム0.30部を反応器に入れ、室温で混合した後、45℃に保持しながら、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(以下、「ETCD」と略記する。)100部および六塩化タングステン(0.7質量%トルエン溶液)40部を、2時間に亘り連続的に添加して重合した。得られた重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部およびイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し、重合反応を停止させて、ETCD開環重合体を含有する重合反応溶液を得た。
次いで、得られたETCD開環重合体を含有する重合反応溶液100部に、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒として、ニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により反応器内を5MPaに加圧して、撹拌しながら200℃まで加温し、4時間、反応させることにより、脂環式構造を有する重合体樹脂の一例であるETCD開環重合体水素化物を20%含有する反応溶液を得た。得られた反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010)を、ETCD開環重合体水素化物を100部に対して0.1部になるように、ろ過して得られた反応溶液に添加し、溶解させた。次いで、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)を用い、270℃、1kPa以下で、シクロヘキサンおよびその他の揮発成分を除去しつつ、ETCD開環重合体水素化物を溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後、ペレット化してペレットを製造した。
得られたETCD開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は40,000、水素化率は99.9%、ガラス転移温度(Tg)は138℃であった。またこのETCD開環重合体水素化物の屈折率nは1.525であった。
[製造例2]極性基を有する脂環式構造を有する重合体樹脂の製造例
製造例1で得られたETCD開環重合体水素化物100部に、無水マレイン酸10部、ジクミルパーオキシド3部およびtert−ブチルベンゼン230部を混合し、オートクレーブ中で135℃、6時間、反応させた後、多量のイソプロピルアルコール中に加えることによって析出させ、ろ過して、樹脂を得た。
この樹脂を100℃、0.1kPa以下で48時間、乾燥して、極性基を有する脂環式構造を有する重合体樹脂の一例である無水マレイン酸変性ETCD開環重合体水素化物を得た。この無水マレイン酸変性ETCD開環重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は65,000、ガラス転移温度(Tg)は138℃、H-NMRで測定した無水マレイン酸変性量は0.45mmol/gであった。また、この無水マレイン酸変性ETCD開環重合体水素化物の屈折率nは1.533であった。
[実施例1]
製造例1により製造された脂環式構造を有する重合体樹脂100部をトルエン300部に溶解させた溶液と、チタンシリケート微粒子(ホソカワミクロン社製、25%TiO/75%SiO、粒径98nm)50部をトルエン150部に分散させた懸濁液とを混合し、この混合液を高速旋回分散機(特殊機化工業社製、フィルミックスFM80−50型)を用い、その高速旋回分散機における撹拌部の先端速度が20m/secとなるようにして分散処理した。次いで、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)を用い、270℃、1kPa以下で、トルエンを除去しつつ、溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後、ペレット化して、樹脂組成物1を製造した。
ここで使用したチタンシリケート微粒子の粒子断面を、TEM/EDXで組成分析したところ、粒子表面付近はSiO成分が100%存在し、中心へ向かうにつれ徐々にTiO成分が増加し、中心付近はTiO成分が100%となるプロファイルが確認された。さらに、TiO微粒子及びSiO微粒子(ホソカワミクロン社製)それぞれを、トルエン溶液に分散させガラス上に製膜・乾燥したフィルムの屈折率を測定したところ、TiOが2.7で、SiOが1.48であった。従って、上記チタンシリケートの屈折率プロファイルは、中心部が屈折率2.7で徐々に屈折率が減少し表面付近では屈折率1.48となっていることが分かった。従って、チタンシリケート微粒子の表面の屈折率nと中心部の屈折率nの差(n−n)は1.22であり、表面の屈折率nと樹脂の屈折率nとの差の絶対値(|n−n|)は0.045であった。また、樹脂組成物1中の微粒子の体積分率は11.2体積%であった。
この樹脂組成物1を200℃で熱プレスすることにより厚さ1mmのサンプルを作製し、ヘイズ、全光線透過率、及び屈折率の測定を行った。その結果、サンプルのヘイズは0.6%、全光線透過率は90%、屈折率は1.65であった。
[実施例2]
製造例1で得られた樹脂を製造例2で得られた樹脂に変え、チタンシリケート微粒子の配合量を150部とした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物2を製造した。微粒子表面の屈折率nと樹脂の屈折率nとの差の絶対値(|n−n|)は0.053であった。また、樹脂組成物2中の微粒子の体積分率は27.5%であった。
次いで、この樹脂組成物2を実施例1と同様に200℃で熱プレスすることにより厚さ1mmのサンプルを作製し、ヘイズ、全光線透過率、及び屈折率の測定を行った。その結果、サンプルのヘイズは0.9%、全光線透過率は88%、屈折率は1.80であった。
[比較例1]
透明な熱可塑性樹脂として製造例2で得られた樹脂を用い、微粒子として酸化アルミニウム微粒子(シーアイ化成社製、粒径30nm、屈折率1.8)を60部用いた他は、実施例1と同様にして樹脂組成物3を得、次いで厚さ1mmのサンプルを作製して、評価を行った。その結果、サンプルのヘイズは2.8%、全光線透過率は70%、屈折率は1.56であり、透明性におとり、かつ高屈折率化できなかった。
[比較例2]
微粒子として酸化チタン(ホソカワミクロン社製、粒径58nm、屈折率2.7)を用いた他は、実施例2と同様にして樹脂組成物4を得、次いで厚さ1mmのサンプルを作製して、評価を行った。その結果、サンプルのヘイズは28.8%、全光線透過率は45%、屈折率は不透明で測定不可能であった。
本実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。
本発明によれば、実施例に示すように、光学部品として求められる十分な透明性を維持し、かつ高屈折率である樹脂組成物を提供することが出来る。

Claims (4)

  1. 屈折率分布を持つ微粒子と透明樹脂とを含有してなる高屈折率樹脂組成物。
  2. 前記微粒子が、中心から粒子径の10〜90%までの範囲の中央部と粒子表層部とからなる微粒子であり、表面の屈折率をn、中央部の屈折率をnとするとき、n>nであり、表面から中央部に向かって屈折率が連続的又は段階的に増加している透明な微粒子である請求項1記載の高屈折率樹脂組成物。
  3. 透明樹脂の屈折率をnとするとき、n−n>0.3かつ|n−n|<0.1であり、微粒子の粒径が0.1〜100nmである請求項1又は2に記載の高屈折率樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高屈折率樹脂組成物を成形してなる光学部品。















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