JP5230011B2 - 透明プラスチック基板 - Google Patents

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本発明は、透明プラスチック基板に関する。さらに詳しくは液晶タッチパネル用プラスチック基板、透明導電性基板、レンズアレイに関する。
タッチパネルは、カーナビゲーション、携帯型ゲーム機、PDAなどを中心として広く採用されている。従来、液晶用タッチパネルは、その基板としてガラス基板が用いられていたが、近年、タッチパネル基板の小型携帯化のニーズが高まっている。これを実現するために軽量化、耐衝撃性・耐熱性の向上に関する要求が増し、0.4〜2.0mm厚のガラス基板を用いた液晶タッチパネルが生産されている。しかし、ガラス基板は耐衝撃性が低く、落下により割れ易いという問題があった。さらに軽量化を目的にガラス基板を薄肉化することは、ガラス基板の割れ発生率の増加につながり、結果として生産歩留りや耐久性の低下を招くという問題があった。軽量化と前述のガラス割れ対策のため、ガラスに代わる基板として透明プラスチック基板を使用した液晶タッチパネルの開発要求が強くなってきている(特許文献1)。
また、透明導電膜は可視光透過性と電気伝導性を兼ね備えた膜として広く知られている。透明導電膜には、例えば、スズ添加酸化インジウム膜(以下「ITO膜」という)が挙げられ、このITO膜を透明基板上に積層した積層体は、電極、通電による発熱体、電磁波の遮蔽材や透光体として広く用いられている。近年では、高価なITO膜に替わる材料として、酸化亜鉛(ZnO)系透明導電膜などが開発されている。従来、透明導電膜の基材としてはガラスが主に用いられてきたが、需要や用途が増えるにつれ、加工性や生産性の向上が求められるようになってきた。そのため近年では、ガラスに比べ軽量で加工性・生産性に優れたプラスチックが注目されるようになり、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、環状オレフィン樹脂などを透明プラスチック基板に加工して用いられるようになってきている(特許文献2)。
電極基板、例えば、液晶ディスプレイ用電極基板、液晶タッチパネル用電極基板では、全光線透過率が同じであっても複屈折がより小さいプラスチック基板が求められる。さらに近年の液晶ディスプレイの大型化の結果、外力の偏りによって生じる複屈折変化が小さい、即ち、光弾性係数の小さい透明プラスチック基板が求められるようになってきている(特許文献3、4)。
一方、照明・表示装置として、透明プラスチック基材からなるレンズアレイがある。レンズアレイは偏肉成形品であり、例えば、携帯電話の押しボタンは、厚肉部となる単レンズが複数個配列され、それが薄肉部で連結された形状を持っている。従来の透明プラスチック基材では使用環境温度によって、熱変形を受けて、明るさムラにつながるなどの問題があった(特許文献5)。
特開2003−5909号公報 特開2007−115657号公報 特開平4−176857号公報 特開2003−34860号公報 特開2008−281728号公報 特許第2886893号公報
以上、従来、ガラス基板が用いられてきた用途において、透明プラスチック基板への代替への努力が払われている。透明プラスチック基板の材料として、PMMAに代表されるアクリル系樹脂が、その透明性の高さ、複屈折の小ささから幅広く用いられているが、耐熱性が十分でなく、寸法変化を受け易いという問題があり、市場の要求に対し満足しうるものではなかった。一方、耐熱性を向上させたアクリル系樹脂である、メタクリル酸メチル、スチレンおよび無水マレイン酸からなる3元共重合体(スチレン/無水マレイン酸重量比≧1)が開示されているが、該共重合体には複屈折が大きいという問題がある(特許文献5)。
従って、耐熱性を有し、複屈折値が小さく、成形加工性、及び表面平滑性に優れる透明プラスチック基板の開発が求められている。
本発明は、耐熱性を有し、複屈折値が小さく、成形加工性、及び表面平滑性に優れる透明プラスチック基板を提供することを目的とする。具体的には、液晶タッチパネル用プラスチック基板、透明導電性基板、レンズアレイを提供することを目的とする。
本発明は、特定のアクリル系共重合体からなる透明プラスチック基板が、耐熱性を有し、複屈折値が小さく、成形加工時の熱安定性に優れ、成形加工性、及び表面平滑性に優れることを見出しなされたものである。
すなわち本発明は、
[1]下記式(1)で表されるメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:10〜70重量%、下記式(2)で表されるビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位:5〜40重量%、及び下記式(3)又は下記式(4)で表される環状酸無水物繰り返し単位:20〜50重量%を含有し、さらに、下記式(5)で表される芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:0.1〜5重量%を含有する共重合体であって、ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位の含有量(A)と環状酸無水物繰り返し単位の含有量(B)のモル比(B/A)が、1より大きく、10以下の範囲にあり、且つ、該共重合体100重量部に対して残存する単量体の合計が0.5重量部以下である共重合体からなる透明プラスチック基板。
Figure 0005230011

(式中:R は、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
Figure 0005230011

(式中:R 、R は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。lは1〜3の整数を示す。)
Figure 0005230011

Figure 0005230011

(式中:R 〜R は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
Figure 0005230011

(式中:R は、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を示す。)
[2]共重合体が、GPC測定法による重量平均分子量で10,000〜400,000、分子量分布で1.8〜3.0の範囲にあることを特徴とする[1]に記載の透明プラスチック基板。
[3]共重合体が、メタクリレート単量体由来の繰り返し単位がメタクリル酸メチル、ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位がスチレン、環状酸無水物繰り返し単位が無水マレイン酸、芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位がメタクリル酸ベンジルからそれぞれ誘導される共重合体よりなることを特徴とする[1]〜[2]のいずれかに記載の透明プラスチック基板。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の透明プラスチック基板からなる液晶タッチパネル用プラスチック基板。
[5][1]〜[3]のいずれかに記載の透明プラスチック基板の少なくとも片面に直接スズ添加酸化インジウム膜が積層された透明導電性基板。
[6][1]〜[3]のいずれかに記載の透明プラスチック基板の少なくとも片面に直接酸化亜鉛系透明導電膜が積層された透明導電膜導電性基板。
[7][1]〜[3]のいずれかに記載の透明プラスチック基板からなるレンズアレイ。
に関する。
本発明は、特定のアクリル系樹脂からなる、耐熱性を有し、複屈折値が小さく、成形加工時の熱安定性に優れ、成形加工性、及び表面平滑性に優れる透明プラスチック基板を提供することができる。
[アクリル系共重合体]
本発明の透明プラスチック基板を得るのに好ましいアクリル系共重合体は、
下記式(1)で表されるメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:10〜70重量%、下記式(2)で表されるビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位:5〜40重量%、及び下記式(3)又は下記式(4)で表される環状酸無水物繰り返し単位:20〜50重量%を含有する共重合体であって、ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位の含有量(A)と環状酸無水物繰り返し単位の含有量(B)のモル比(B/A)が、1より大きく、10以下の範囲にあり、且つ、該共重合体100重量部に対して残存する単量体の合計が0.5重量部以下であるアクリル系共重合体である。
Figure 0005230011
(式中:Rは、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
Figure 0005230011
(式中:R、Rは、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。lは1〜3の整数を示す。)
Figure 0005230011
Figure 0005230011
(式中:R〜Rは、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
さらに好ましいアクリル系共重合体は、下記式(5)で表される芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:0.1〜5重量%を含有するアクリル系共重合体である。
Figure 0005230011
(式中:Rは、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を示す。)
アクリル系共重合体において、式(1)で表される繰り返し単位は、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステル単量体から誘導される。使用されるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル;などが挙げられる。メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらメタクリル酸エステルのうち、アルキル基の炭素数が1〜7であるメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、得られたアクリル系共重合体の耐熱性や透明性が優れることから、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、透明性の観点から10〜70質量%、好ましくは25〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
式(2)で表される繰り返し単位は、芳香族ビニル単量体から誘導される。使用される単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2−メチル−4−クロロスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α―メチルスチレン、cis−β−メチルスチレン、trans−β−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレン、4−フルオロ−α−メチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、4−ブロモ−α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2,4−ジフルオロスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、α−ブロモスチレン、β−ブロモスチレン、2−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの単量体のうち、共重合が容易なことから、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
式(2)で表される繰り返し単位の含有割合は、透明性、耐熱性の観点から5〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
式(3)で表される環状酸無水物繰り返し単位は、無置換及び/又は置換無水マレイン酸から誘導される。使用される単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸、ジクロロ無水マレイン酸、ブロモ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、ジフェニル無水マレイン酸などが挙げられる。これらの単量体のうち、共重合が容易なことから、無水マレイン酸が好ましい。
また、式(4)で表される環状酸無水物繰り返し単位は、後述する繰り返し単位間での縮合環化反応により誘導され、例えば、無水グルタル酸などが挙げられる。
本発明の共重合体(a)において、式(3)又は式(4)であらわされる環状酸無水物繰り返し単位は、空気中の湿気など外的環境により一部加水分解を受け開環する可能性がある。本発明の共重合体(a)では、光学的特性や耐熱性の観点から、その加水分解率は10モル%未満であることが望ましい。さらに5モル%未満であることが好ましく、1モル%未満であることがより好ましい。
ここで、加水分解率(モル%)は、{1−(加水分解後の環状酸無水物量(モル))/加水分解前の環状酸無水物量(モル)}×100で求められる。
式(3)又は式(4)で示される環状酸無水物繰り返し単位の含有割合は、本発明のアクリル系共重合体が高い耐熱性と光学特性(特に、後述する位相差の制御)をより高度に達成するために、20〜50質量%、好ましくは20〜45質量%である。但し、本発明のアクリル系共重合体中、式(2)で表されるビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位の含有量(A)と式(3)又は式(4)で表される環状酸無水物繰り返し単位の含有量(B)のモル比(B/A)は、好ましくは1より大きく、10以下であり、より好ましくは1より大きく、5以下である。
式(5)で表される繰り返し単位は、芳香族基を有するメタクリレート単量体から誘導される。使用される単量体としては、例えば、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸1−フェニルエチルなどが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの単量体のうち、メタクリル酸ベンジルが特に好ましい。
式(5)で示される繰り返し単位の含有割合は、本発明の効果である光学的特性(特に、光弾性係数を極小化する)を発現させる上で、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明の共重合体は、残存する(共重合体の繰り返し単位を構成する)単量体の合計が、共重合体100重量部に対して0.5重量部以下であり、好ましくは0.4重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下である。残存単量体の合計が、0.5重量部を超えると、成形加工時に熱時着色したり、成形品の耐熱・耐候性が低下するなど実用に適さない成形体が得られ問題である。本発明でいう残存揮発分量とは、先述した重合反応時に反応しなかった残存単量体、重合溶媒、副生水、及び副生アルコールの合計量をいう。
本発明のアクリル系共重合体のGPC測定法によるPMMA換算の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜400,000、好ましくは40,000〜300,000、より好ましくは70,000〜200,000であり、その分子量分布(Mw/Mn)は1.8〜3.0、好ましくは1.8〜2.7、より好ましくは1.8〜2.5の範囲である。
本発明のアクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、樹脂組成で任意に制御できるが、産業上の応用性の観点から、好ましくは120℃以上に制御される。より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは135℃以上に制御される。
本発明のアクリル系共重合体の製造法は公知の懸濁重合、溶液重合、塊状重合等の重合方法を適用して製造でき、特に限定されない。例えば、特公昭63−1964号公報、特開昭60−147417号公報、特許第387964号等に記載されている方法等を用いることができる。アクリル系共重合体は、分子量、組成等がことなる2種以上のものを同時に用いることができる。
本発明のアクリル系共重合体は、必要に応じて公知の色剤、紫外線吸収剤・酸化防止剤等の安定剤、各種添加剤を使用してもよい。例えば、無機充填剤、酸化鉄等の顔料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。
また、本発明のアクリル系共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/メタアクリル酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメタアクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の熱可塑性樹脂、およびフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などの少なくとも1種以上を混合することができる。
[透明プラスチック基板]
本発明における透明プラスチック基板を製造する際、必要に応じて染料、顔料、ヒンダードフェノール系やリン酸塩等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系などの紫外線吸収剤、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系などの可塑剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、またはトリグリセリド系などの離型剤、高級脂肪酸エステル、ポリオレフィン系などの滑剤、ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩などの帯電防止剤、リン系、リン/塩素系、リン/臭素系などの難燃剤、反射光のぎらつきを防止するためにメタクリル酸メチル/スチレン共重合体ビーズなどの有機系光拡散剤、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクなどの無機系光拡散剤、補強剤として多段重合で得られるアクリル系ゴム等を使用してもよい。
これらの添加剤を配合するときには、公知の方法で実施しうる。例えば、単量体混合物にあらかじめ添加剤を溶解しておき重合する方法や、溶融状態、ビーズ状あるいはペレット状の樹脂に添加剤をミキサー等でドライブレンドし、押出し機を用いて混練、造粒する方法などが挙げられる。
本発明の透明プラスチック基板は、フィルム、もしくはシートであることが好ましい。本発明におけるフィルム・シートは、厚さの違いのみであり、フィルムは300μm以下の厚さのものを言い、シートは300μmを超えるものである。
好ましいプラスチック基板の厚さは、0.01〜10.0mmの範囲のフィルムまたはシートである。0.01〜10.0mmの範囲のフィルムまたはシートは、パネル加工時に変形しにくく取り扱いやすい。また、基板の荷重による変形も生じ難くなる。さらに好ましいプラスチック基板の厚さは0.1〜5.0mmの範囲である。
本発明における透明プラスチック基板であるフィルム、またはシートは耐熱性を有していることが好ましく、その耐熱性の指標として、温度90℃の雰囲気下で約1時間静置した際、そり・変形のないことが好ましい。
本発明における透明プラスチック基板であるフィルム、またはシートは透明性が必須であり、その透明性の指標として全光線透過率が80%以上、ヘイズ値が5%以下であることが好ましい。さらに好ましくは全光線透過率が85%以上、ヘイズ値が2%以下である。
本発明における透明プラスチック基板であるフィルム、またはシートは光学等方性が優れるものが好ましく、リタデーション値が30nm以下、遅相軸のバラツキが40度以内、より好ましくはリタデーション値が20nm以下、遅相軸のバラツキが20度以内のものが好適である。ここで、リタデーション値は、公知の測定装置を用いて測定した波長590nmにおける複屈折の屈折率の差△nと膜厚dとの積△n・dで表されるものである。
本発明における透明プラスチック基板であるフィルム、またはシートは光弾性係数の絶対値が3.0×10−12Pa−1未満であることが好ましい。光弾性係数がこの範囲内であれば、応力による複屈折の変化が少ないため、液晶表示装置等に使用した場合にコントラストや画面の均一性に優れる。
光弾性係数に関しては種々の文献に記載があり(例えばMacromolecules
2004,37,1062−1066参照)、下式により定義されるものである。
|CR|=|Δn|/σR |Δn|=|n1−n2|
(式中、|CR|:光弾性係数の絶対値、σR:伸張応力、|Δn|:複屈折の絶対値、n1:伸張方向の屈折率、n2:伸張方向と垂直な屈折率)
光弾性係数の値がゼロに近いほど外力による複屈折の変化が小さいことを示しており、各用途において設計された複屈折の変化が小さいことを意味する。
本発明の透明プラスチック基板は、耐熱性を有し、さらに複屈折値が小さい。さらに、成形加工性、及び表面平滑性に優れるため、液晶タッチパネル用プラスチック基板、透明導電性基板、レンズアレイなどに好適に用いられる。
1)液晶タッチパネル用プラスチック基板
液晶タッチパネル用基板は、例えば、表面を液晶タッチパネル基板用として平坦に加工処理されたガラス基板の上面に紫外線硬化樹脂を介してプラスチック基板を積層することによって得られる。具体的には、このプラスチック基板の上側から圧延ローラーを回動させることによって紫外線硬化樹脂を所定の厚さに圧延塗布する。
その後、ガラス基板の下面側から紫外線ランプにより紫外線照射することにより、紫外線硬化樹脂を硬化させた表面コート層(薄膜層)を形成させる。硬化後、この表面コート層(硬化した紫外線硬化樹脂)とともにプラスチック基板をガラス基板から引き離す。
これによりガラス基板の表面形状が、プラスチック基板に一体接合された表面コート層の表面に転写され、このガラス基板とまったく同じ平坦化処理された表面コート層を有するプラスチック基板である液晶タッチパネル用基板を得ることができる。
表面コート層形成のために使用した紫外線硬化樹脂は、ガラスとの剥離が容易であることおよび揮発成分が少ないために発泡の問題が起こりにくい等のメリットがある。
紫外線硬化樹脂に代えて熱硬化樹脂を用いてもよいし、あるいは紫外線硬化樹脂と熱硬化樹脂を併用しても良いが、紫外線硬化樹脂は上記利点があるため好ましく用いられる。
熱硬化樹脂を用いる場合には、2液混合タイプの熱硬化樹脂を用い混合後、そのポットライフを利用して硬化開始後ガラスから剥離し、熱硬化させる。なお、紫外線や熱線はガラス基板の下側から照射していてもよく、プラスチック基板の上側からまたは両側から照射してもよい。
2)透明導電性基板
透明導電性基板は、例えば、スズ添加酸化インジウム膜、酸化亜鉛膜をプラスチック基板上に積層することにより得られる。得られた積層体は、電極、通電による発熱体、電磁波の遮蔽材や透光体として広く用いられている。
例えば、酸化亜鉛系の透明導電膜に用いる材料としては、アルミニウム,ガリウム,ホウ素,ケイ素、スズ、インジウム、ゲルマニウム、アンチモン、イリジウム、レニウム、セリウム、ジルコニウム、スカンジウム、及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類以上を含む酸化亜鉛膜が利用される。
酸化亜鉛膜に添加されるアルミニウム,ガリウム,ホウ素,ケイ素、スズ、インジウム、ゲルマニウム、アンチモン、イリジウム、レニウム、セリウム、ジルコニウム、スカンジウム、イットリウムの含有量は、これらのうち1種類を添加する場合は、酸化亜鉛に対するこれらの材料の原子比がいずれも0.05〜15の範囲が好ましい。このような比率で添加すると、膜の導電性及び透明性を良好に維持できる。
また、これらの材料の複数種類を添加する場合は、添加する材料の全体の添加量を酸化亜鉛に対して15%以下の範囲が好ましい。
これらの材料の中でも三酸化二ガリウムを添加した酸化亜鉛であると膜の導電性及び透明性がより好適である。
酸化亜鉛系透明導電膜の膜厚は、10nm〜1000nmの範囲が好ましい。この膜厚の範囲では、用途によって異なるが、可撓性が保たれた連続的な膜を得る事が出来る。
さらに、本発明の透明導電膜の膜厚は用途に応じて20〜500nmとすることが望ましい。
透明導電性基板のシート抵抗値は、用途によって異なるが、5〜10000Ω/□の範囲のものが導電性材料として好ましい。さらに好ましくは10〜300Ω/□の範囲のものが好ましい。
透明導電膜を形成してなる透明導電性基板の製造方法において、成膜法は、特に限定するものではなく、スパッタ法や、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法が用いられる。イオンプレーティング法では、成膜室に配設した電極部としてのハース等に、成膜材料として、ドーパントを含有する酸化亜鉛を配置し、この酸化亜鉛に例えばアルゴンプラズマを照射して酸化亜鉛を加熱し、蒸発させ、プラズマを通過した酸化亜鉛の各粒子をハース等に対向する位置に置かれた透明樹脂フィルムまたはシートに成膜する。このイオンプレーティング法は、例えばスパッタ法に比べて、粒子の持つ運動エネルギが小さいため、粒子が衝突するときに基板や基板に積層して成膜される酸化亜鉛系透明導電膜に与えるダメージが小さく、結晶性の良好な膜が得られることが知られている。
透明導電性基板の最外層として、任意の樹脂又は無機化合物の層を1層又は2層以上積層してもよい。このような最外層には、保護膜、反射防止膜、フィルター等の役割、又は、液晶の視野角の調整、曇り止め等の機能を持たせることができる。
3)レンズアレイ
本発明でいうレンズアレイは、単レンズを複数個並べたレンズであり、例えば連続したレンズ形状が繰り返しあるものが挙げられ、単レンズが、X方向に、又は面としてXY方向に配列してある一体型のものも含まれる。単レンズの形状として制限はなく、例えば、一般的な凹凸Rレンズ形状、プリズム形状、ピラミッド形状、蒲鉾形レンズ形状、フレネルレンズ形状、モスアイレンズ形状、レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ等が挙げられる。また、レンズの大きさには限定されず、マイクロレンズから緩やかなR形状のものまで含まれる。
レンズアレイの一例として、携帯電話の押しボタンがある。この場合、厚肉部となる単レンズが複数配列されており、単レンズ以外の部分が薄肉部で繋がり、一体型の成形品となっているもので、一般的には連結レンズとも呼ばれる。携帯電話の押しボタンは、決まった場所に組み込まれるものであり、組み立ての効率などを考えるとボタンが全て繋がっていることはメリットが大きい。
意匠によっては、単レンズが、規則正しくXY方向に平面で配列されていたり、一直線にX方向だけ並んでいたり、デザイン上ランダムに並んでいたり、また単レンズの形状、厚み、大きさが各々の機能により異なったものが並んでいたり、と種々の形状が想定できるが、本発明のレンズアレイにはいずれも含まれる。また、携帯電話の押しボタン以外にもディスプレーのインジケーターなども含まれる。
更に、特に近年、急激に普及の広がったLED光源用のレンズとして、LEDの光を効率良く拾い上げる為に、一つのLEDを包み込むような形で、逆三角錐の頂点にLEDを入れる穴を空けて、LEDを10mm間隔で面光源としてXY方向に敷き詰めたLED一つ一つに単レンズを被せ、これを一体型の成形品にしたLED光源用のレンズも含まれる。
凸レンズや凹レンズ、ピックアップレンズ、プロジェクターレンズや、偏肉レンズ、プリズム、ミラーレンズなど、製品形状によりヒケが問題となりやすい単レンズから構成されるレンズアレイにも適している。
本発明のレンズアレイの製造方法としては、射出成形、押出し成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、延伸成形等が挙げられる。発明のレンズアレイの耐熱性は、ビカット軟化温度で100℃以上が好ましく、より好ましくは103℃以上である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
本願発明に用いられる各測定値の測定方法は次のとおりである。
(a)アクリル系共重合体の解析
(1)繰り返し単位
H−NMR測定より、(i)メタクリレート単量体由来の繰り返し単位、(ii)ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位、(iii)芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位、及び(iv)酸無水物繰り返し単位を同定し、その存在量を算出した。
測定機器:ブルーカー株式会社製 DPX−400
測定溶媒:CDCl、又はd−DMSO
測定温度:40℃
(2)ガラス転移温度
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(パーキンエルマージャパン(株)製 Diamond DSC)を用いて、窒素ガス雰囲気下、α−アルミナをリファレンスとし、JIS−K−7121に準拠して、試料約10mgを常温から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温して得られたDSC曲線から中点法で算出した。
(3)分子量
重量平均分子量、及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー(株)製 HLC−8220)を用いて、溶媒はテトラヒドロフラン、設定温度40℃で、市販標準PMMA換算により求めた。
(b)光学特性評価
(1)光学フィルムサンプルの作製
(a)プレスフィルムの成型
真空圧縮成型機((株)神藤金属工業所製 SFV−30型)を用いて、大気圧下、260℃、で25分間予熱後、真空下(約10kPa)、260℃、約10MPaで5分間圧縮してプレスフィルムを成型した。
(b)延伸フィルムの成型
インストロン社製5t引張り試験機を用いて、延伸温度(Tg+20)℃、延伸速度(500mm/分)で一軸フリー延伸して延伸フィルムを成形した。延伸倍率は、100%、200%、及び300%で延伸した。
(2)複屈折の測定
大塚電子製RETS-100を用いて、回転検光子法により測定を行った。複屈折の値は、波長550nm光の値である。複屈折(Δn)は、以下の式により計算した。
Δn=nx-ny
(Δn:複屈折、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向と垂直な屈折率)
複屈折(Δn)の絶対値(|Δn|)は、以下のように求めた。
|Δn|=|nx-ny|
(3)位相差の測定
<面内の位相差>
大塚電子(株)製RETS-100を用いて、回転検光子法により波長400〜800nmの範囲について測定を行った。
複屈折の絶対値(|Δn|)と位相差(Re)は以下の関係にある。
Re=|Δn|×d
(|Δn|:複屈折の絶対値、Re:位相差、d:サンプルの厚み)
また、複屈折の絶対値(|Δn|)は以下に示す値である。
|Δn|=|nx-ny|
(nx:延伸方向の屈折率、ny:面内で延伸方向と垂直な屈折率)
<厚み方向の位相差>
王子計測機器(株)製位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いて、波長589nmにおける位相差を測定し、得られた値をフィルムの厚さ100μmに換算して測定値とした。
複屈折の絶対値(|Δn|)と位相差(Rth)は以下の関係にある。
Rth=|Δn|×d
(|Δn|:複屈折の絶対値、Rth:位相差、d:サンプルの厚み)
また、複屈折の絶対値(|Δn|)は以下に示す値である。
|Δn|=|(nx+ny)/2-nz|
(nx:延伸方向の屈折率、ny:面内で延伸方向と垂直な屈折率、nz:面外で延伸方向と垂直な厚み方向の屈折率)
(理想となる、3次元方向について完全等方的等方性であるフィルムでは、面内位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)ともに0となる。)
(4)光弾性係数の測定
Polymer Engineering and Science1999,39,2349−2357に詳細について記載のある複屈折測定装置を用いた。レーザー光の経路にフィルムの引張り装置を配置し、23℃で伸張応力をかけながら複屈折を測定した。伸張時の歪速度は50%/分(チャック間:50mm、チャック移動速度:5mm/分)、試験片幅は6mmで測定を行った。複屈折の絶対値(|Δn|)と伸張応力(σ)の関係から、最小二乗近似によりその直線の傾きを求め光弾性係数(C)を計算した。計算には伸張応力が2.5MPa≦σ≦10MPaの間のデータを用いた。
=|Δn|/σ
|Δn|=|nx-ny|
(C:光弾性係数、σ:伸張応力、|Δn|:複屈折の絶対値、nx:伸張方向の屈折率、ny:伸張方向の垂直な屈折率)
[アクリル系共重合体]
メタクリル酸メチル/スチレン/無水マレイン酸
[合成例1]
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素ガス導入ノズル、原料溶液導入ノズル、開始剤溶液導入ノズル、及び重合溶液排出ノズルとを備えたジャケット付ガラス反応器(容量1L)を用いた。重合反応器の圧力は、微加圧、反応温度は100℃に制御した。
メタクリル酸メチル(MMA)518g、スチレン(St)48g、無水マレイン酸(MAH)384g、メチルイソブチルケトン240g、n−オクチルメルカプタン1.2gを混合した後、窒素ガスで置換して原料溶液を調製した。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.364gをメチルイソブチルケトン12.96gに溶解した後、窒素ガスで置換して開始剤溶液を調整した。
原料溶液はポンプを用いて6.98ml/minで原料溶液導入ノズルから導入した。また、開始剤溶液はポンプを用いて0.08ml/minで開始剤溶液導入ノズルから導入した。30分後、重合溶液排出ノズルから抜き出しポンプを用いて425ml/hrの一定流量でポリマー溶液を排出した。
ポリマー溶液は、排出から1.5時間分は初流タンクに分別回収した。排出開始から、1.5時間後から2.5時間のポリマー溶液を本回収した。得られたポリマー溶液を、貧溶媒であるメタノールに滴下し、沈殿、精製した。真空下、130℃で2時間乾燥して目的とするアクリル系共重合体を得た。
組成:MMA/St/MAH=61/11/27wt%
分子量:Mw=19.5×10;Mw/Mn=2.23
Tg:141℃
メタクリル酸メチル/スチレン/無水マレイン酸/メタクリル酸ベンジル
[合成例2]
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素ガス導入ノズル、原料溶液導入ノズル、開始剤溶液導入ノズル、及び重合溶液排出ノズルとを備えたジャケット付ガラス反応器(容量1L)を用いた。重合反応器の圧力は、微加圧、反応温度は100℃に制御した。
メタクリル酸メチル(MMA)518g、スチレン(St)48g、メタクリル酸ベンジル(BzMA)9.6g、無水マレイン酸(MAH)384g、メチルイソブチルケトン240g、n−オクチルメルカプタン1.2gを混合した後、窒素ガスで置換して原料溶液を調製した。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.364gをメチルイソブチルケトン12.96gに溶解した後、窒素ガスで置換して開始剤溶液を調整した。
原料溶液はポンプを用いて6.98ml/minで原料溶液導入ノズルから導入した。また、開始剤溶液はポンプを用いて0.08ml/minで開始剤溶液導入ノズルから導入した。30分後、重合溶液排出ノズルから抜き出しポンプを用いて425ml/hrの一定流量でポリマー溶液を排出した。
ポリマー溶液は、排出から1.5時間分は初流タンクに分別回収した。排出開始から、1.5時間後から2.5時間のポリマー溶液を本回収した。得られたポリマー溶液を、貧溶媒であるメタノールに滴下し、沈殿、精製した。真空下、130℃で2時間乾燥して目的とするアクリル系共重合体を得た。
組成:MMA/St/BzMA/MAH=61/12/1/27wt%
分子量:Mw=18.8×10;Mw/Mn=2.08
Tg:142℃
[合成例3]
合成例2において、メタクリル酸メチル499g、スチレン42g、メタクリル酸ベンジル48g、無水マレイン酸371gに変更した以外は、合成例2と同様の操作を行ってアクリル系共重合体を得た。
組成:MMA/St/BzMA/MAH=60/11/5/24wt%
分子量:Mw=20.2×10;Mw/Mn=2.36
Tg:138℃
メタクリル酸メチル/スチレン/メタクリル酸/無水グルタル酸
[合成例4]
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素ガス導入ノズル、原料溶液導入ノズル、開始剤溶液導入ノズル、及び重合溶液排出ノズルとを備えたジャケット付ガラス反応器(容量1L)を用いた。重合反応器の圧力は、微加圧、反応温度は100℃に制御した。
メタクリル酸メチル900g、スチレン36g、メタクリル酸ベンジル48g、メタクリル酸(MAA)216g、メチルイソブチルケトン240g、n−オクチルメルカプタン1.2gを混合した後、窒素ガスで置換して原料溶液を調製した。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を0.364gをメチルイソブチルケトン12.96gに溶解した後、窒素ガスで置換して開始剤溶液を調整した。
原料溶液はポンプを用いて6.98ml/minで原料溶液導入ノズルから導入した。また、開始剤溶液はポンプを用いて0.08ml/minで開始剤溶液導入ノズルから導入した。30分後、重合溶液排出ノズルから抜き出しポンプを用いて425ml/hrの一定流量でポリマー溶液を排出した。
ポリマー溶液は、排出から1.5時間分は初流タンクに分別回収した。排出開始から、1.5時間後から2.5時間のポリマー溶液を本回収した。得られたポリマー溶液を、貧溶媒であるメタノールに滴下し、沈殿、精製した。真空下、130℃で2時間乾燥して前駆体を得た。該前駆体を脱揮装置を附帯したラボプラストミルで加熱処理(処理温度:250℃、真空度:133hPa(100mmHg))して目的とするアクリル系共重合体を得た。
組成:MMA/St/BzMA/MAA/無水グルタル酸
=70/5/4/4/21wt%
分子量:Mw=11.4×10;Mw/Mn=2.40
Tg:128℃
これらの重合結果を表1に示す。
[比較合成例1]
合成例1において、メタクリル酸メチル960gを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行って熱可塑性樹脂を得た。
組成:MMA=100wt%
分子量:Mw=10×10;Mw/Mn=1.89
Tg:121℃
[比較合成例2]
合成例1において、メタクリル酸ベンジルを用いることなく、メタクリル酸メチル768g、スチレン144g、無水マレイン酸48gに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行って熱可塑性樹脂を得た。
組成:MMA/St/MAH=76/17/7wt%
分子量:Mw=13.4×10;Mw/Mn=2.01
Tg:128℃
これらの重合結果を表1に示す。
[評価例1〜4、比較評価例1,2]
合成例1〜4、及び比較合成例1、2で得られたアクリル系共重合体を用いて、前述の方法に従いプレスフィルムを成型した。該プレスフィルムから前述の方法に従い100%延伸フィルムを成型し、その光学特性を評価した。測定結果を表2に示す。
[実施例1〜4、比較例1、2]
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られたアクリル系共重合体をベント付2軸押出機へ供給して温度220〜230℃ベント真空圧力700〜750mmHgで造粒した、このペレットを名機製作所製M−70で射出成形し成形温度220℃で200*200*3mmの平板成形品を得た。
評価結果を表3に示す。
表2、3より、本発明の透明プラスチック基板は、耐熱性を有し、複屈折値が小さく、成形加工性、及び表面平滑性に優れることが判る。
これらの特性は、液晶タッチパネル用プラスチック基板、透明導電性基板、レンズアレイ等に好適である。
Figure 0005230011
Figure 0005230011
Figure 0005230011
透明プラスチック基板は、液晶タッチパネル用プラスチック基板、透明導電性基板、レンズアレイ等に好適である。レンズアレイとしては、LED光源用のレンズも含まれ、凸レンズや凹レンズ、ピックアップレンズ、プロジェクターレンズや、偏肉レンズ、プリズム、ミラーレンズなどにも好適である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:10〜70重量%、下記式(2)で表されるビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位:5〜40重量%、及び下記式(3)又は下記式(4)で表される環状酸無水物繰り返し単位:20〜50重量%を含有し、さらに、下記式(5)で表される芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位:0.1〜5重量%を含有する共重合体であって、ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位の含有量(A)と環状酸無水物繰り返し単位の含有量(B)のモル比(B/A)が、1より大きく、10以下の範囲にあり、且つ、該共重合体100重量部に対して残存する単量体の合計が0.5重量部以下である共重合体からなる透明プラスチック基板。
    Figure 0005230011

    (式中:Rは、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
    Figure 0005230011

    (式中:R、Rは、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。lは1〜3の整数を示す。)
    Figure 0005230011

    Figure 0005230011

    (式中:R〜Rは、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
    Figure 0005230011

    (式中:R は、水素、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を示す。)
  2. 共重合体が、GPC測定法による重量平均分子量で10,000〜400,000、分子量分布で1.8〜3.0の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の透明プラスチック基板。
  3. 共重合体が、メタクリレート単量体由来の繰り返し単位がメタクリル酸メチル、ビニル芳香族単量体由来の繰り返し単位がスチレン、環状酸無水物繰り返し単位が無水マレイン酸、芳香族基を有するメタクリレート単量体由来の繰り返し単位がメタクリル酸ベンジルからそれぞれ誘導される共重合体よりなることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の透明プラスチック基板。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の透明プラスチック基板からなる液晶タッチパネル用プラスチック基板。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の透明プラスチック基板の少なくとも片面に直接スズ添加酸化インジウム膜が積層された透明導電性基板。
  6. 請求項1〜いずれか1項に記載の透明プラスチック基板の少なくとも片面に直接酸化亜鉛系透明導電膜が積層された透明導電膜導電性基板。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の透明プラスチック基板からなるレンズアレイ。
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