JP2005213194A - ポリフェノール類を含有する抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、合成ポリフェノール誘導体の抗菌剤としての利用に関する。
昨今の衛生意識の向上を反映し抗菌加工を施した製品の市場が拡大している。現在、これらの製品に使用されている抗菌剤は、大まかには無機系抗菌剤、有機系抗菌剤、及び天然系抗菌剤に分類することが出来る。この内、無機系抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属を用いたものが知られている。中でも銀系抗菌剤は殺菌力が比較的強くかつ安全性が高いことから、繊維製品やデオドラント系の化粧料等数多くの製品に利用されているものの、生活環境に多い塩素と反応してハロゲン化銀を生成するなどの欠点を有する。一方、有機系抗菌剤としては、トリクロサン、ジンクピリジオン、パラベン等が知られており、主に化粧品の防腐剤や洗浄用殺菌剤として使用されている。しかしこれら薬剤の中には、使用者に対して皮膚刺激性を示すものも有り安全性の点に於いて必ずしも十分ではない。
安全性が比較的高くかつ環境に対する影響が少ない事から、近年天然系抗菌剤の利用場面が増えてきた。その代表的なものとして、キトサン、ヒノキチオール、アリルイソチオシアネート、緑茶ポリフェノール等を挙げる事が出来る。しかしながら天然物から上記の薬剤を得る場合、抽出方法が煩雑であったり、あるいは抽出効率が低い等の問題がしばしば起こり、必ずしも安価に薬剤を供給できない。また、天然系抗菌剤は熱に対して安定でない場合が多く、加工性においても問題が残る。
以上の点を鑑み本発明においては、人体に対する安全性が高く、かつ環境に対する影響が少なく、更には安価に供給可能な抗菌剤を提供する事を目的とする。
上述の目的にかなう性能を持つ、安価に製造できる合成ポリフェノール誘導体を見出すこと。
本発明の合成ポリフェノール誘導体を用いる事で、人体に対する安全性が高く、かつ環境に対する影響が少なく、更には安価に供給可能な抗菌剤の提供を可能にする。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で表される化合物中のAにおける、置換されてもよい低級アルキル構造とは、炭素数1から6の鎖状構造や脂環構造に置換基を有する構造である。鎖状構造には、-CH2CH2-、−CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-があげられ、任意の位置に置換基を持つことができる。また、脂環構造とは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環があげられ、任意の位置に置換基を持つことができる。
更に、Aにおける置換されてもよいフェニル基とは、1,2−位、1,3−位、1,4−位において結合し、さらにフェニル基上の可能な位置に置換基があってもよく、また複数の位置に置換基があってもよい。複数の置換基を有する場合,置換基の種類は同一であっても別の置換基であってもよい。置換基としてはたとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの置換もしくは無置換アミノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、ホルムアミド基、アセトアミド基、ベンズアミド基などのアミド基等が挙げられる。置換されているフェニル基の例としては、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,3−ジヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2,3,4−トリヒドロキシフェニル基、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基、2,4,5−トリヒドロキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、4−アミノフェニル基、3,4−ジアミノフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−クロロフェニル基,3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基,3,4−ジブロモフェニル基、2−ホルムアミドフェニル基、3−ホルムアミドフェニル基、4−ホルムアミドフェニル基、2−アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4−アセトキシフェニル基、3,4−アセトキシフェニル基、2,3−アセトキシフェニル基、4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル基等が挙げられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基などのさらなる置換が可能な置換基の先には、化合物の脂溶性、安定性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性などをコントロールするような種々の置換基を導入することもできる。
R1、R2、R3における低級アルキル基とは、炭素数1から4のアルキル基を表す。
R4基における水酸基の保護基とは、フェノール性あるいはアルコール性の水酸基を保護するような置換基であれば良い。また、置換基においては化合物の脂溶性、水溶性、体内への移行性、腸管での吸収性をコントロールするような種々の部分構造を加える事ができる。R4基における置換基の例としては、他の官能基により置換されても良いアルキル基、他の官能基により置換されても良いシリル基、他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基、他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基、他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基、他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基などが挙げられる。
他の官能基により置換されても良いアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジルオキシメチル基、トリメチルシリルオキシエチル基などが挙げられる。
他の官能基により置換されても良いアルキルアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、n−ペンテノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、メトキシプロピオニル基、フェニルアセチル基が挙げられる。また、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、メチオニンなどのアミノ酸のエステル類が挙げられる。
他の官能基により置換されても良い芳香族アシル基の例としては、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、3−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、3−メトキシベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、2−ヒドロキシベンゾイル基、3−ヒドロキシベンゾイル基、4−ヒドロキシベンゾイル基、ピリジン−2−イルカルボニル基、ピリジン−3−イルカルボニル基、ピリジン−4−イルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル基、4−フェニルベンゾイル基、4−アミノベンゾイル基などが挙げられる。他の官能基により置換されても良いヒドロキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキしカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、i−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、フェニルメチルオキシカルボニル基、などが挙げられる。
他の官能基により置換されても良いアミノカルボニル基の例としては、アミノカルボニル基、N−メチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N−フェニルアミノカルボニル基、N−ベンジルアミノカルボニル基などが挙げられる。
化合物の塩とは、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミンなどの有機塩基、アンモニアなどの無機塩基との塩を化合物の塩として挙げることができる。
また一般式(1)の化合物がアミノ基などの塩基性を有する場合は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸などの無機酸の他、酢酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩も化合物の塩として挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物はより効果的に用いるために水酸基やアミノ基などをマスクする事でプロドラッグとして用いる事も出来る。
一般式(1)で表される化合物において不斉炭素を有する場合は、異なった立体異性形態またはラセミ形態を含む立体異性形態の混合物の形態で存在することができる。すなわち、本発明はこのように規定した種々の形態をも包含するが、これらも同様に有効成分化合物として用いることができる。
有効成分として含有するとは、製剤中に一般式(1)で表される化合物を一つまたは複数含有することである。
なお、本発明の対象疾患はこれらに限定されることはない。
本発明の化合物の合成は、Journal of Medicinal Chemistry 1997年40号2035ページやJournal of American Chemical Society 2001年123号8923ページなどに報告された方法により合成する事ができる。
本発明の化合物の合成は、Journal of Medicinal Chemistry 1997年40号2035ページやJournal of American Chemical Society 2001年123号8923ページなどに報告された方法により合成する事ができる。
上記の方法により得られる化合物を抗菌剤として使用する場合、一般式(1)から(5)記載の化合物をそれぞれ単独に用いても良いし、該化合物群から選ばれる少なくとも2種以上を混合して用いても良い。また、該化合物群を抗菌剤として用いる場合の剤型に特に制限はなく、液状、ゲル状、粉末等の形態で使用することができ、更に該化合物群を、ローション、スプレー剤、ムース剤等に配合する事もできる。液状、ゲル状の製品とする場合は抽出物を0.00001〜10重量%含有させる事が好ましい。
本発明によって得られる抗菌剤は、使い捨て紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に含有させたり、ウェットティッシュ、おしり拭き等のワイパーの薬剤として使用することが出来る。
上記抗菌剤を吸収性物品に含有させる場合、例えば吸収性物品用の基材に液状の抗菌剤を含浸するか、またはスプレー法、グラビア印刷法等により該基材表面に塗布する方法により行う事が出来る。中でもグラビア印刷法によって表面塗布する方法が好ましい。
上記抗菌剤を含有する吸収物品用の基材としては、合成繊維、天然繊維の繊維製品(織布、不織布等)、フィルム製品等、いかなる素材いかなる形状でもよく、吸収性物品の用途に応じて適宜選択可能である。また、対象となる基材は、疎水性、親水性を問わず使用可能である。例えば、疎水性の繊維製品又はフィルム製品に抗菌剤を含有させる場合、抗菌剤の処理に先立って、市販の親水化剤を基材表面に塗布するか、又は基材に練りこむか、或いは物理的手法により製品表面を親水化する事により、効果的に該抗菌剤を含有させる事ができる。ここで、物理的に親水化する具体的な方法としては、例えばプラズマ処理法を挙げる事が出来る。更に、上記抗菌剤を当該基材に含有させる場合、該抗菌剤は基材の重量の0.0001〜10重量%の範囲である事が好ましく、特に0.001〜1重量%の範囲である事が好ましい。
本発明によって得られる抗菌剤をウェットティッシュ、おしり拭き等の衛生用ワイパーの薬剤として使用する場合、該かぶれ防止剤は基材の重量の0.001〜10重量%の範囲である事が好ましく、特に0.01〜1重量%の範囲である事が好ましい。
本発明の抗菌剤は、化粧料や医薬品等の皮膚外用剤として使用することが出来る。この場合、該抗菌剤の効果を損なわない範囲で、抗炎症剤、保湿剤、栄養補給剤からなる群から選ばれる薬効成分の1種または2種以上を配合する事により、更に効果を高めることが可能である。具体的な薬効剤としては以下のものが例示できる。
(抗炎症剤)
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体が挙げられる。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、チアミン塩酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸アミド、塩化コリン、アロエ抽出物、アルニカ抽出物、アシタバ抽出物、ウコン抽出物、キハダ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー抽出物、スイカズラ抽出物、セージ抽出物、ワレモコウ抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、コンドロイチン硫酸及びその誘導体が挙げられる。
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ抽出液、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース、セラミド、尿素等が挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、アロエ抽出液、冬虫夏草抽出液、プラセンタ抽出液、ホホバ抽出液、ローヤルゼリー、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチン、トレハロース、セラミド、尿素等が挙げられる。
(栄養補給剤)
栄養補給剤としては、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、チアミン塩酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビオチン等のビタミン類が挙げられる。
栄養補給剤としては、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、チアミン塩酸塩、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ビオチン等のビタミン類が挙げられる。
また、本発明のかぶれ防止剤には、上記の抗炎症剤、保湿剤、栄養補給剤に加えて、必要に応じて通常の皮膚外用剤に用いられる添加物、例えば水性成分、油性成分、粉末成分、アルコール類、エステル類、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、色剤、香料、pH調整剤、キレート剤等の成分を配合する事が出来る。
本発明に用いられる化合物は、フェノール性水酸基を保護した安息香酸誘導体を活性化し、アミノ基と反応させ、縮合させた後、脱保護することで容易に得ることができる。
本発明に用いられる化合物は、フェノール性水酸基を保護した安息香酸誘導体を活性化し、アミノ基と反応させ、縮合させた後、脱保護することで容易に得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]
化合物5(N,N'−ビス−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン)の合成
[合成例1]
化合物5(N,N'−ビス−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン)の合成
(1) 3,4−ビス(ベンジルオキシ)安息香酸(2.67g、8.0mmol)のジクロロメタン(50ml)懸濁液に、オキザリルクロリド(0.73ml、9.0mmol)を加え、さらにDMF一滴を加えた後40℃で2時間攪拌した。溶媒を留去したのち、10mlのジクロロメタンを加え、酸クロリドジクロロメタン溶液を調製した。1,3−フェニレンジアミン(0.15g、1.39mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液に、ピリジン(1ml)を加え、氷冷下先に調製した酸クロリドのジクロロメタン溶液(5ml)を滴下した後、室温で一番反応させた。水を加えた後クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒留去して得られた残さにメタノールおよびジイソプロピルエーテルを加え析出した固体を濾取、乾燥することにより、N,N'−ビス−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン(0.81g)を得た。
収率78%。
1H-NMR (270 MHz、 DMSO-d6) δ 5.08(4H、 s)、 5.24(4H、s)、 7.14-7.54(29H、 m)、 8.19(1H、s)、 10.33(2H、 brs).
(2)N,N'−ビス−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン(0.74g、1.0mmol)のTHF(25ml)−メタノール(25ml)懸濁液に、窒素気流下10% Pd/C(50%wet、0.24g)を加え、水素気流下、室温で2時間攪拌した。窒素置換した後触媒をろ過し、濃縮してえられた残さにジイソプロピルエーテルを加えて析出した固体を濾取することにより、N,N'−ビス−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン(0.27g)を得た。
収率71%。
融点 212−9℃(dec)
1H-NMR (270 MHz、 DMSO-d6) δ 6.78(2H、 dd、 J=7.9、7.9Hz)、 6.99(2H、dd、 J=1.3、 7.9Hz)、 7.36(1H、ddd、J=1.3、7.3、7.9Hz)、 7.46-7.50(4H、m)、 8.14(1H、d、 J=2.0Hz)、 9.48(2H、 brs)、 10.43(2H、 brs).
同様にして化合物1〜4、6〜20を合成した。構造を表1に示す。
収率78%。
1H-NMR (270 MHz、 DMSO-d6) δ 5.08(4H、 s)、 5.24(4H、s)、 7.14-7.54(29H、 m)、 8.19(1H、s)、 10.33(2H、 brs).
(2)N,N'−ビス−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン(0.74g、1.0mmol)のTHF(25ml)−メタノール(25ml)懸濁液に、窒素気流下10% Pd/C(50%wet、0.24g)を加え、水素気流下、室温で2時間攪拌した。窒素置換した後触媒をろ過し、濃縮してえられた残さにジイソプロピルエーテルを加えて析出した固体を濾取することにより、N,N'−ビス−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−1,3−フェニレンジアミン(0.27g)を得た。
収率71%。
融点 212−9℃(dec)
1H-NMR (270 MHz、 DMSO-d6) δ 6.78(2H、 dd、 J=7.9、7.9Hz)、 6.99(2H、dd、 J=1.3、 7.9Hz)、 7.36(1H、ddd、J=1.3、7.3、7.9Hz)、 7.46-7.50(4H、m)、 8.14(1H、d、 J=2.0Hz)、 9.48(2H、 brs)、 10.43(2H、 brs).
同様にして化合物1〜4、6〜20を合成した。構造を表1に示す。
[試験例1]化合物1〜16について、各菌株に対する最小生育阻止濃度(MIC)を調べた。以下にその具体的方法を記す。
1.試験菌株
Escherichia coli ATCC700926
Micrococcus luteus NBRC3332
Staphylococcus epidermidis NBRC12993
Bacillus subtilis NBRC3134
2.増殖用培地
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
3.感受性試験用培地
Mueller Hinton II agar培地
4.感受性測定用平板培地の作成
化合物1〜16は、夫々10重量%になるようDMSOに溶解し溶解原液を作成した後、DMSOで順次2倍希釈し、2倍系列希釈液を調整した。次いで滅菌、溶解後50〜60℃に保った各感受性測定用培地に、各溶解原液及び各2倍系列希釈液を1/99量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させて感受性測定用平板培地を作成した。
5.摂取用菌液の調整
各菌株を上記の増殖用培地に摂取し、35℃で18〜20時間増殖培養を行った後、増殖用培地で菌数が106/mLとなるように希釈し、摂取用菌液とした。
6.感受性測定試験
上記感受性測定平板培地に摂取用菌液を樹脂製ループ(内径約1mm)を用いて1〜2cm程度線画塗沫した後、35℃で18〜20時間培養した。培養終了後、発育の有無を肉眼で観察し、発育が阻止された最小濃度をもって各菌株に対する最小発育阻止濃度とした。その結果を表2に示す。
表2の結果のとおり、本発明における抗菌剤は何れも抗菌作用を示した。
1.試験菌株
Escherichia coli ATCC700926
Micrococcus luteus NBRC3332
Staphylococcus epidermidis NBRC12993
Bacillus subtilis NBRC3134
2.増殖用培地
ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地
3.感受性試験用培地
Mueller Hinton II agar培地
4.感受性測定用平板培地の作成
化合物1〜16は、夫々10重量%になるようDMSOに溶解し溶解原液を作成した後、DMSOで順次2倍希釈し、2倍系列希釈液を調整した。次いで滅菌、溶解後50〜60℃に保った各感受性測定用培地に、各溶解原液及び各2倍系列希釈液を1/99量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させて感受性測定用平板培地を作成した。
5.摂取用菌液の調整
各菌株を上記の増殖用培地に摂取し、35℃で18〜20時間増殖培養を行った後、増殖用培地で菌数が106/mLとなるように希釈し、摂取用菌液とした。
6.感受性測定試験
上記感受性測定平板培地に摂取用菌液を樹脂製ループ(内径約1mm)を用いて1〜2cm程度線画塗沫した後、35℃で18〜20時間培養した。培養終了後、発育の有無を肉眼で観察し、発育が阻止された最小濃度をもって各菌株に対する最小発育阻止濃度とした。その結果を表2に示す。
表2の結果のとおり、本発明における抗菌剤は何れも抗菌作用を示した。
ポリプロピレンを原料とする繊維径2.1デニールの連続長繊維からなる目付量が15g〜25/m2のスパンボンド不織布を作成した。次に、DMSOに溶解した化合物3を該不職布に対して0.1重量%含有するよう含浸した後乾燥する事により、試験用不織布を作成した。
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、化合物7を含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、化合物11を含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、化合物12を含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、化合物15を含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
[比較例1]
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、DMSOを含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
[試験例2]
化合物3、7、11、12、15を夫々不織布に含浸した後、ハローテストによる抗菌試験を行った。以下にその具体的な方法を記す。
1.ハローテスト用平板培地の作成
試験例1に記載の方法に従いEscherichia coli、Micrococcus luteus 、Staphylococcus epidermidis及びBacillus subtilisの各摂取用菌液を調整した後、Mueller Hinton II agar培地に1/10量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させてハローテスト用平板培地を作成した。
2.ハローテスト
実施例1〜5及び比較例1で得られた試験用不織布を夫々3cm四方の正方形に裁断し、上記のハローテスト用平板培地上に載せた後、各菌種何れも35℃で18〜20時間培養した。培養終了後、試験用不織布周囲のハローの有無を肉眼で観察し、抗菌活性を判定した。その結果を表3に示す。
[比較例1]
実施例1に於いて、化合物3の代わりに、DMSOを含浸した以外は、該実施例1と同様に操作し、試験用不織布を作成した。
[試験例2]
化合物3、7、11、12、15を夫々不織布に含浸した後、ハローテストによる抗菌試験を行った。以下にその具体的な方法を記す。
1.ハローテスト用平板培地の作成
試験例1に記載の方法に従いEscherichia coli、Micrococcus luteus 、Staphylococcus epidermidis及びBacillus subtilisの各摂取用菌液を調整した後、Mueller Hinton II agar培地に1/10量添加し、十分に混和後、シャーレに分注、固化させてハローテスト用平板培地を作成した。
2.ハローテスト
実施例1〜5及び比較例1で得られた試験用不織布を夫々3cm四方の正方形に裁断し、上記のハローテスト用平板培地上に載せた後、各菌種何れも35℃で18〜20時間培養した。培養終了後、試験用不織布周囲のハローの有無を肉眼で観察し、抗菌活性を判定した。その結果を表3に示す。
化合物7を配合した皮膚外用剤として、液体石鹸の配合例を実施例6〜10として以下に示す。各種配合成分、及び配合割合を表4に示す。なお、配合割合は重量%である。
(A)成分を80℃にて加熱混合後冷却し、(B)成分を添加し、次いで(C)成分を添加して液体石鹸を調製した。化合物7を配合したいずれの液体石鹸も皮膚外用剤としての活性を示した。
本発明の抗菌活性を有する化合物は、安価に製造することができ、広く利用することができる。
Claims (9)
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物を、それぞれ単独乃至は少なくとも2種以上を含有することを特徴とする抗菌製品。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物を、それぞれ単独乃至は少なくとも2種以上を含有することを特徴とする繊維製品またはフィルム製品。
- 請求項7記載の繊維製品またはフィルム製品を用いる事を特徴とする吸収物品またはワイパー。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物を、それぞれ単独乃至は少なくとも2種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。
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