JP2005211940A - 接合方法 - Google Patents

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隆 佐々木
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Abstract

【課題】 接合箇所の外周面を平滑な接合状態にでき、しかも短時間で接合できる接合方法を提供する。
【解決手段】 本発明の接合方法は、柱状の誘電性を有する第一部材11の接合端面11a、および、柱状の誘電性を有する第二部材12の接合端面12aをプラズマ火炎により加熱し、前記接合端面同士を押し当てる。その後、第一部材11と第二部材12とが離れる方向に少なくとも一方を移動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘電性を有する部材の接合方法に関する。
従来から、誘電性を有する柱状の部材、例えばシリカ等からなる棒体を接合することが行われている。特許文献1には、この種の棒体の接合にプラズマトーチを用いることが記載されている。プラズマトーチは、高周波電流を流したコイルの中心部に、例えば、石英ガラスなどで作られた環状のトーチ本体が挿入されたものであり、トーチ本体にアルゴンや空気などを導入してプラズマ火炎を発生できる。
特許文献1には、図4に示すように、シリカ等からなる第1の棒体40と第2の棒体41とを用意し、これらを各端面40a,41aが互いに向かい合うように配置する(図4(A))。端面40aは円錐状に形成されている。そして、向かい合う端面40a,41aをプラズマトーチ42で5分〜10分程度加熱して軟化させ、棒体40および棒体41を近づくように移動させて接合する(図4(B))。
特許文献1において、プラズマトーチを用いて棒体同士を接合すると、燃焼ガスとして水素を使用しないので、接合端面から水酸化物イオンを含む化合物などの不純物の混入を防止できることが記載されている。
特開2001−19459号公報
上記のように柱状部材を接合する場合、強固に接合させるために、加熱・軟化後に柱状部材の接合端面同士をある程度押し当てる必要がある。しかし、この接合時の押し当て力により、柱状部材を接合させた接合箇所の外周面が他の外周面より盛り上がってはみ出す状態が生じる。このようなはみ出し状態が生じると、例えば接合した柱状部材を光ファイバ製造用ガラスロッド等として使用する場合、ジャケット付けを行う際に接合箇所付近に亀裂や割れが発生し、良品が得られない。
特許文献1では、上記はみ出し状態を解消するために、接合箇所をさらに10分から25分間プラズマトーチにより加熱することが提案されている。しかし、この方法では、完全にはみ出し状態を解消することは困難であり、所望の接合状態にするまでに時間がかかる。
本発明の目的は、誘電性を有する部材同士の接合方法において、接合箇所の外周面を平滑な接合状態にでき、しかも短時間で接合できる接合方法を提供することである。
本発明に係る接合方法は、柱状の誘電性を有する第一部材の接合端面、および、柱状の誘電性を有する第二部材の接合端面をプラズマ火炎により加熱し、前記接合端面同士を押し当てた後、前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させることを特徴としている。
本発明において、「誘電性を有する部材」とは、抵抗率が106Ω・cm以上の電気的絶縁材料からなる部材を意味する。
上記接合方法において、前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させた後、前記第一部材と前記第二部材とを接合させた接合箇所の外周面に押さえ部材を押し当て、前記押さえ部材を前記外周面に対して相対的に周方向に移動させることが好ましい。また、前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させた後、前記接合箇所をプラズマ火炎により加熱し、前記押さえ部材を押し当てることがより好ましい。
また、上記接合方法において、前記接合端面同士を押し当てる前に、前記第一部材および前記第二部材の接合端面をプラズマ火炎により10秒以上加熱することが好ましい。
また、前記第一部材および前記第二部材の少なくともいずれかの接合端面が、先端に向かって外径が縮小する形状であることが好ましく、前記第一部材および前記第二部材の少なくともいずれかの接合端面が、球面形状を有することがより好ましい。
本発明に係る接合方法によれば、第一部材および第二部材の接合端面同士を押し当てた後、第一部材と第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させることにより、外周面の盛り上がり部分を引き伸ばして縮小させることができるので、接合箇所の外周面を平滑な接合状態にでき、しかも短時間で接合できる接合方法を提供できる。
以下、本発明に係る誘電性を有する部材の接合方法の実施形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
誘電性を有する第一部材および第二部材として、中実かつ円柱状で石英ガラスからなる石英棒11および石英棒12を用意する。石英棒11,12は、それぞれ、軸線方向Zに対して垂直で平坦な形状の接合端面11aおよび接合端面12aを有する。
この石英棒11,12を、図1(A)に示すように、接合端面11a,12aが互いに向かい合うように配置する。このときの接合端面11aと接合端面12aとの距離dは、例えば0〜50mmの範囲に設定でき、接合端面11a,12aの面積等により適宜調整できる。
接合端面11a,12aを向かい合わせた状態で、石英棒11,12を軸回転させながら、プラズマ火炎を放出するプラズマトーチ10を用いて接合端面11a,12aを加熱して軟化させる。石英棒11,12の回転速度は、0〜100rpmの範囲で設定できる。また、プラズマトーチ10は、出力:0.1〜100kW、電流周波数1〜10MHzの範囲のものを使用できる。プラズマトーチ10に導入するガスとしては、アルゴン、酸素、空気、等を用いることができる。
プラズマトーチ10による加熱温度は、1800〜2350℃の範囲が好ましく、2000〜2300℃の範囲がより好ましい。石英棒11,12が添加物を含まない純石英棒である場合、加熱温度は2000〜2350℃が好ましく、石英棒11,12がゲルマニウムやフッ素等の添加物を含む石英棒である場合には1800〜2100℃が好ましい。また、加熱時間は10秒以上が好ましい。
次に、図1(B)に示すように、接合端面11aと接合端面12aとが近づくように、石英棒11,12を軸線方向Zに平行に移動させる。接合端面11a,12aが接触後、石英棒11,12の軸回転およびプラズマ火炎の放射を停止する。その後、接合端面11a又は接合端面12aをさらに押し込み、石英棒11,12が接合面14aで接合した石英棒14を形成する。なお、石英棒11,12のうち一方を固定し、他方のみを移動させてもよい。
ここで、押し当て時の石英棒11,12の軸線方向Zの移動量をZ1とすると、Z1≧dの関係であることが好ましい。Z1≧dとすることにより石英棒11,12をより強固に接合できる。Z1は、例えば、石英棒11,12の外径が60〜160mmのとき、0〜8mmの範囲とするのが好ましい。
一方、接合端面11a,12aを押し当てることにより、接合端面11a,12aとの接合面14aの近傍(この部分を接合箇所15とする)の石英材が押し出され、接合面14aに沿って外周面に隆起部16が形成される。
この隆起部16を縮小させるために、石英棒11,12の接合端面11a,12aを押し当てた後、図1(C)に示すように、石英棒11,12が互いに離れるように石英棒11,12を軸線方向Zに移動させる。このように、石英棒11,12を互いに引き離すことにより、隆起部16を引き伸ばして縮小させることができ、石英棒11,12の接合箇所15の外周面を平滑化できる。
また、石英棒11,12を引き離す際の軸線方向Zの移動量をZ2とすると、Z2≧Z1−dの関係であることが好ましい。Z2≧Z1−dとすることにより、より確実に隆起部16を縮小することができる。
石英棒11,12を引き離す場合も、石英棒11,12両方を移動させてもよいし、石英棒11,12のうち一方を固定し、他方のみを移動させてもよい。
上記のようにして石英棒11,12を接合した後、さらに隆起部16を縮小させるために、図2に示す方法を行うことができる。すなわち、図2(A)に示すように、接合した石英棒11,12を軸回転させ、隆起部16に向けてプラズマトーチ10によりプラズマ火炎を放射し加熱する。加熱後、図2(B)に示すように、隆起部16に押さえ部材18を押し当てる。このとき、プラズマトーチ10で加熱しながら、押さえ部材18を押し当ててもよい。
このように、隆起部16の石英材をプラズマ火炎により気化させるとともに、押さえ部材18を押し当てることにより、隆起部16をより縮小させ、より確実に接合箇所15の外周面を平滑化にすることができる。
押さえ部材18としては、例えばコテ、ローラ等を用いることができる。押さえ部材18は、石英棒11,12に不純物が混入しない材質から形成されることが好ましく、例えばカーボン製のものが挙げられる。
本実施形態において、石英棒11,12の外径は異なっていてもよい。また、石英棒11,12の純度は限定されず、ゲルマニウムやフッ素等のドーパントが含まれたものであってもよい。
また、上記実施形態では、第一部材および第二部材として、中実の石英棒11,12について説明したが、本発明の第一部材、第二部材は中空の柱状部材(例えば、ガラスパイプ等)であってもよい。また、本発明の接合方法は中実の柱状部材と中空の柱状部材との接合にも適用できる。
さらに、上記実施形態では、石英棒11,12の接合端面11a,12aが平坦な形状のものを使用した例を示したが、接合端面11a,12aの少なくともいずれかは、例えば図3に示すような、先端に向かって外径が縮小する形状であることが好ましい。
図3(A)に示す接合端面31は、接合端面31の外周に沿って面取りされた形状である。接合端面がこのような形状であることにより、押し当て時に過剰な石英材によって形成される隆起部16の高さを低くすることができ、接合箇所の外周面をより平滑にすることができる。
また、本実施形態に係る接合端面11a,12aの少なくともいずれかの形状は、図3(B)又は(C)に示すように、球面形状を有する形状であることが好ましい。図3(B)に示す接合端面32は、先端が平坦で、面取り部32aが球面形状である。また、図3(C)に示す接合端面33は、接合端面全体が球面形状である。このように接合端面が球面形状を有することにより、上記面取り形状の接合端面31における作用効果に加え、接触時における接合端面同士の接触面積を最小にできるので、小さな気泡が接合面に入り込むのを防止できる。
石英棒11,12が中空の柱状部材(例えば、ガラスパイプ等)である場合、接合端面の形状は平坦であってもよく、図3(D)に示すように球面形の面取り部34a,34bを有する接合端面であってもよい。
なお、本発明の接合方法は、ガラス材料からなる柱状部材の接合に適用することが好ましく、特に、光ファイバのコアを形成し得るコアロッドとダミー棒との接合、または、コアロッド同士、クラッドを形成し得るガラスパイプ同士、コアとクラッドからなるプリフォーム同士の接合に好適に用いることができる。
本発明に係る方法を用いて、上記のような光ファイバ製造用ガラスロッド、ガラスパイプ等を接合すると、接合箇所の外周面が平滑で良好な接合状態を得ることができ、接合したガラスロッド、ガラスパイプ等にジャケット付けを行う際亀裂や割れを防止できる。
本発明に係る接合方法の一実施形態を示す概要図である。 本発明に係る接合方法の好ましい実施形態を示す概要図である。 本発明に係る接合方法の実施形態に用いられる石英棒の接合端面の形状を示す模式図である。 従来の柱状部材を接合する接合方法を示す概要図である。
符号の説明
10 プラズマトーチ
11,12 石英棒(第一部材,第二部材)
11a,12a 接合端面
15 接合箇所
18 押さえ部材

Claims (6)

  1. 柱状の誘電性を有する第一部材の接合端面、および、柱状の誘電性を有する第二部材の接合端面をプラズマ火炎により加熱し、前記接合端面同士を押し当てた後、前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させることを特徴とする接合方法。
  2. 前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させた後、前記第一部材と前記第二部材とを接合させた接合箇所の外周面に押さえ部材を押し当て、前記押さえ部材を前記外周面に対して相対的に周方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記第一部材と前記第二部材とが離れる方向に少なくとも一方を移動させた後、前記接合箇所をプラズマ火炎により加熱し、前記押さえ部材を押し当てることを特徴とする請求項2に記載の接合方法。
  4. 前記接合端面同士を押し当てる前に、前記第一部材および前記第二部材の接合端面をプラズマ火炎により10秒以上加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記第一部材および前記第二部材の少なくともいずれかの接合端面が、先端に向かって外径が縮小する形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
  6. 前記第一部材および前記第二部材の少なくともいずれかの接合端面が、球面形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
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