以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図12は本発明の一実施形態を示す図で、図1はワイヤストリッパ装置を示す斜視図、図2は図1のA−A方向から見た矢視図、図3は図1のB−B方向から見た矢視図、図4は光学部品および加工スペースの構成を示す説明図、図5は光学部品およびマウント材の構成を示す説明図、図6は加工スペースおよび加工ステージの構成を示す説明図、図7は加工ステージおよびカセットの構成を示す説明図、図8はワイヤストリッパ装置の電気的構成を示すブロック図、図9はワイヤストリッパ装置において被覆電線の上側をレーザ加工する様子を示す説明図、図10は被覆電線の上側をレーザ加工する様子を示す説明図、図11はワイヤストリッパ装置において被覆電線の下側をレーザ加工する様子を示す説明図、図12は被覆電線の下側をレーザ加工する様子を示す説明図である。
はじめに、図1乃至図7を参照しながら、本発明の一実施形態に係るワイヤストリッパ装置1の機構的な構成について説明する。本発明の一実施形態に係るワイヤストリッパ装置1は、例えば、ワイヤ、同軸ケーブル、フラットケーブル、ドレイン線ケーブルなどの被覆電線70の被覆材をレーザ光により昇華させて除去し、これら被覆電線70の金属導体を露出させるものである。図1に示すように、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1において、筐体10の正面パネル10aには、表示パネル11が備えられており、正面パネル10aにおける表示パネル11の下側には、電源スイッチ12および操作スイッチ13が設けられている。なお、操作スイッチ13と同様な機能を有するフットスイッチ(不図示)も備えられている。表示パネル11は、作業者に対して装置の動作状況や設定内容を表示すると共にパラメータ設定を行うことが可能なタッチパネルにより構成されている。この場合のパラメータは、加工ステージ22の送り量や、送り速度、レーザのビームなどである。
筐体10の正面側には、凹状に切欠かれた加工スペース20が形成されており、ワイヤストリッパ装置1では、この加工スペース20において、被覆電線70の被覆材の除去が行なわれるようになっている。また、加工スペース20には、レーザ光が外部に漏出しないように透明又は半透明の保護窓21が取り付けられている。筐体10の内部には、図2に示すように、加工スペース20と仕切られた空間部30が形成されており、この空間部(以下、光学部品配置スペースと言う)30には、種々の光学部品が配置されている。すなわち、光学部品配置スペース30における所定位置には、光学部品として、レーザ発振器31、反射鏡32a、光路切替用反射鏡32b、上側反射鏡32c、下側反射鏡32d、上側出射光ユニット32e、下側出射光ユニット32fが配置されている。
本実施形態に係るレーザ発振器31としては、被加工物の被覆層を熱で昇華させることができるように、CO2レーザ発振器が用いられている。なお、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1において、レーザ発振器31は、CO2レーザ発振器に限らず、その他にも、エキシマレーザ発振器やYAGレーザ発振器が用いられても良い。ここで、本例におけるレーザ発振器31は、図2に示すように、その直立状態から僅かに傾斜するようにして装置に搭載されている。このように、レーザ発振器31を鉛直方向に対して傾斜させることにより、レーザ発振器31を横臥させた場合に比して装置の床面積を小さくすることが可能である。
また、本実施形態のように、レーザ発振器31を鉛直方向に対して傾斜させることにより、レーザ発振器31を直立させた場合に比して、装置の全高を低いものとすることができる。従って、レーザ発振器31を直立させた場合と同一の全高で本装置を構成する場合には、レーザ発振器31を直立させた場合と比較して、より出力の大きいレーザ発振器(出力が大きいと長手方向の寸法も大きくなる)を搭載することが可能となる。さらに、予め装置の全高を最大許容寸法に設定しておけば、後に、出力の小さなレーザ発振器から出力の大きなレーザ発振器への載せ換えも、装置の全高寸法の変更等を強いられることなく容易に行うことが可能である。
また、レーザ発振器31を直立させた状態で装置に搭載した場合には、レーザ発振器31内にダスト等が発生しても、このダストがレーザ発振器31の出射窓あるいは反射ミラー上に停滞してしまう虞がある。しかしながら、本例のように、レーザ発振器31を直立状態から僅かに傾斜させた状態で装置に搭載した場合には、レーザ発振器31内にダスト等が流入しても、このダストがレーザ発振器31の出射窓あるいは反射ミラー上に停滞することを防止することが可能である。
そして、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、レーザ発振器31によって発振されたレーザ光が反射鏡32aにより光路切替用反射鏡32bに向けて反射されるようになっている。光路切替用反射鏡32bは、光路切替用モータ34によりその傾動角度を切り替えられるようになっており、これにより、レーザ光の光路を切り替えられることができるようになっている。また、本例では、図2に示すように、光路切替用反射鏡32bが第一の傾動角度にあるときには、光路切替用反射鏡32bによってレーザ光が上側反射鏡32cに向けて反射され、光路切替用反射鏡32bが後述するように第二の傾動角度(図11参照)にあるときには、光路切替用反射鏡32bによってレーザ光が下側反射鏡32dに向けて反射されるようになっている。
上側出射光ユニット32eは、その内部に反射鏡32gおよび集光レンズ32hを有して構成されており、下側出射光ユニット32fは、その内部に反射鏡32iおよび集光レンズ32jを有して構成されている。そして、ワイヤストリッパ装置1では、上側反射鏡32cにより反射されたレーザ光が上側出射光ユニット32eの反射鏡32gにて集光レンズ32hへ向けて反射され、このレーザ光が集光レンズ32hにて集光されて被加工物である被覆電線70の上側へ照射されるようになっている。また、下側反射鏡32dにより反射されたレーザ光が下側出射光ユニット32fの反射鏡32iにて集光レンズ32jへ向けて反射され、このレーザ光が集光レンズ32jにて集光されて被覆電線70の下側へ照射されるようになっている。
上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fは、図2,図3に示すように、加工スペース20を挟んだ上下に互い対向するようにそれぞれ配置されている。このとき、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとは、後述する加工ステージ22が進退動する方向(Y方向)に沿って互いにずらして配置されている。このように、ワイヤストリッパ装置1では、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとが互いにずれるように配置されており、これにより、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光が下側出射光ユニット32fへ入射することを防止すると共に、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が上側出射光ユニット32eへ入射することを防止するようになっている。そして、この構成により、光学部品配置スペース30に配置されたその他の光学部品にレーザ光が照射されて損傷することを防止することが可能となっている。
なお、図3に示すように、上側出射光ユニット32eの光軸33aと下側出射光ユニット32fの光軸33bとは、加工ステージ22が進退動する方向と直交する方向(X方向)において重なるようになっている。このようにしたのは、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとが、被加工物である被覆電線70の長手方向と直交する方向において同一の軌跡を走行することができるようにするためである。ワイヤストリッパ装置1では、上述のように、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとをずらして配置することにより、被加工物である被覆電線70の長手方向に対して直交する方向にレーザ光を直線状に走行照射させることが可能となっている(図10,図12参照)。
そして、ワイヤストリッパ装置1では、図4に示すように、光学部品配置スペース30と加工スペース20との間に、これらのスペースを仕切るための隔壁部40a,40b,40cが形成されている。隔壁部40aには、上側出射孔41aが形成され、隔壁部40bには、下側出射孔41bが形成されている。そして、本例では、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光が上側出射孔41aを介して被覆電線70の上側に照射されるようになっている(図10参照)。また、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が下側出射孔41bを介して被覆電線70の下側に照射されるようになっている(図12参照)。なお、本例における上側出射孔41aおよび下側出射孔41bは、加工に際し発生した飛散物や蒸気などが加工スペース20から光学部品配置スペース30へ入り込まないように、レーザ光を通過させるのに必要な最小限の孔径により形成されている。
隔壁部40bには、上側出射光ユニット32eの光軸33a上に位置するように第一散乱板42aが設けられており、隔壁部40aには、下側出射光ユニット32fの光軸33b上に位置するように第二散乱板42bが設けられている。そして、本例では、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光が第一散乱板42aによって散乱され、また、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が第二散乱板42bによって散乱されるようになっている。第一散乱板42aおよび第二散乱板42bは、例えば、短冊状のアルミ部材に捻りを加える等により形成された傾斜面を有して構成されており、この傾斜面により入射角度に対して所定の角度を有するようにレーザ光を反射させるようになっている。このとき、図4に示すように、好ましくは、隔壁部40cに向けて反射される。
このように、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光を散乱させるための第一散乱板42aおよび第二散乱板42bを備えているので、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光を第一散乱板42aおよび第二散乱板42bによってそれぞれ散乱させることができる。これにより、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が加工スペース20において乱反射して被加工物に傷を付けたり、乱反射したレーザ光が装置外部へ漏出したりするという不具合を防止することができる。なお、第一散乱板42aおよび第二散乱板42bは、照射されたレーザ光をより確実に散乱させることができるように、その表面が粗い状態となっていても良い。また、第一散乱板42aおよび第二散乱板42bの代わりにレーザ光を吸収する吸収部材を設けても良い。本実施形態に係る第一散乱板42aおよび第二散乱板42bは、上記構成に限らず、その他種々の形状に変形することができることは勿論である。
ここで、図5に示すように、上側反射鏡32cおよび上側出射光ユニット32eは、単一のマウント材50に固定されている。このマウント材50は、スライド範囲Szにおいてワイヤストリッパ装置1のフレーム(不図示)に対して上下方向(Z方向)にスライド可能となっている。そして、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、単一のマウント材50を上下方向にスライドさせることにより、上側出射光ユニット32eの位置を被加工物である被覆電線70の太さ(厚み)に合わせて任意に調節することができるようになっている。これにより、様々な太さ(厚み)の被覆電線70に対しても最適な焦点距離でレーザ光を照射することが可能となる。
また、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、上述のように、マウント材50のスライドに合わせて上側反射鏡32cおよび上側出射光ユニット32eを一体的に移動させることができるので、上側出射光ユニット32eと被覆電線70との距離を容易に調節することができる。さらに、上側出射光ユニット32eと被加工物である被覆電線70との距離を調節するためには、マウント材50をスライドさせるだけで良く、このため、調節時に大掛かりな光路の変更等を強いられることがないので、光軸がずれてしまうことも防止することができる。なお、マウント材50のスライド量の調節は、モータ等によって自動で行う構成であっても良く、また、マイクロゲージ等によって手動で行う構成であっても良い。
そして、本例の加工スペース20には、図6に示すように、被加工物である被覆電線70の長手方向と直交する方向(Y方向)にスライド自在な加工ステージ22が配置されている。加工ステージ22の下側には、Y方向に沿ってラック23が形成されており、この加工ステージ22およびラック23の端部は、隔壁部40cに形成された孔部43を介して光学部品配置スペース30内に挿入されている。光学部品配置スペース30には、ピニオン35およびこのピニオン35を回転駆動させるための加工ステージ駆動用モータ36が配置されており、上記ラック23は、ピニオン35に歯合されている。
そして、ワイヤストリッパ装置1では、加工ステージ駆動用モータ36の回転に伴ってピニオン35が回転することにより、図6に示すスライド範囲Syにおいて加工ステージ22が被覆電線70の長手方向に対して直交する方向(Y方向)に沿ってスライドするようになっている。すなわち、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fを固定した状態で加工ステージ22を進退動させるようになっている。これにより、被覆電線70の長手方向に対して直交する方向(Y方向)に沿って直線状にレーザ光を走行照射させて被覆電線70のレーザ加工を行うことが可能となっている。
ここで、本実施形態に対し、被加工物を固定させた状態で光源を移動させることによりレーザ光の照射位置を変化させた場合には、光学部品の取り付けや駆動に高い精度が要求される。しかしながら、本実施形態のワイヤストリッパ装置1では、上述のように、光源である上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fを固定した状態で被加工物である被覆電線70を移動させることによってレーザ光の照射位置を変化させている。このため、光学部品の取り付けや駆動に必要以上に高い精度が要求されることがなく、光路設計も容易に行うことが可能である。また、ワイヤストリッパ装置1では、上述のように、加工に際し光源を移動させる必要がないので、加工を繰り返し行っても光軸がずれてしまうなどの不具合が生じることがなく、レーザ光の照射精度を高く維持することが可能である。なお、ラック23およびピニオン35によるスライド機構に限らず、ガイドを有するボールネジ駆動のスライド機構が用いられていても良い。
そして、本例における加工ステージ22は、図6に示すように、加工スペース20よりも外方へ突出可能に構成されている。また、加工ステージ22の上側には、被加工物である被覆電線70を固定するためのカセット60が備えられている。このカセット60は、図7に示すように、加工ステージ22に対して着脱自在になっており、本例では、作業者がカセット60を加工ステージ22から取り外した状態で、被加工物である被覆電線70をカセット60に固定することができるようになっている。カセット60は、開口61aを有する凹状の本体部61を有して構成されており、この本体部61の底面61bには、被加工物である複数の被覆電線70を真っ直ぐに載置することができるように溝61cが複数形成されている。この溝61cは、加工ステージ22のスライド方向(Y方向)と直行する方向(X方向)に沿うように形成されている。
本体部61の底面61bには、上述の上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32f(いずれも図2乃至図6参照)からそれぞれ出射されたレーザ光を通過させるためのスリット孔61dが貫通されており、このスリット孔61dは、加工ステージ22のスライド方向(Y方向)に沿うように長孔状に形成されている。カセット60の端部には、蝶番式の固定部材62が設けられており、本例では、この固定部材62をR方向に回動させて本体部61の開口61aの一部を塞ぐことにより、被加工物である被覆電線70をカセット60に固定することができるようになっている。
なお、固定部材62にも、上述の上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32f(いずれも図2乃至図6参照)からそれぞれ出射されたレーザ光を通過させるための切欠き63が形成されている。この切欠き63は、上記スリット孔61dと対応する位置に形成されると共に、加工ステージ22のスライド方向(Y方向)に沿って延びるように短冊状に形成されている。また、加工ステージ22にも、上述の上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32f(いずれも図2乃至図6参照)からそれぞれ出射されたレーザ光を通過させるためのスリット孔24が形成されている。そして、加工ステージ22上の取付部25には、図7に示す矢印Pの方向に沿って、被加工物である被覆電線70が固定されたカセット60を取り付けることができるようになっている。
このように、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、加工ステージ22が加工スペース20よりも外方へ突出可能に構成されているので、作業者は、加工ステージ22に対してカセット60を容易に着脱することが可能である。また、本例では、加工ステージ22よりカセット60を取り外した状態で被加工物である被覆電線70をカセット60にセットすることができる構成である。従って、加工ステージ22からカセット60を取り外した状態で、被加工物である被覆電線70をカセット60に固定することができるので、加工スペース内にある加工ステージ上に被加工物を直接セットする構成に対し、作業者における被加工物の取扱いも容易となる。
また、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、被加工物である被覆電線70をカセット60に複数固定することができ、これを一括してレーザ加工することができる。これにより、従来に比して生産効率を向上させることが可能となる。さらに、ワイヤストリッパ装置1によれば、上述のように、加工時における被加工物の移動と被加工物の差し替え動作を一連で行うことができるため、被加工物を固定させた状態で光源を移動させてレーザ加工を行う構成に比して、加工時間を短縮することが可能である。なお、本実施形態に係る加工ステージ22およびカセット60の構成は、本発明の一例を示すもので、顧客のニーズに合わせて、その他にも種々改変することができることは勿論である。
そして、図1乃至図3に示すように、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1において、筐体10の上面パネル10bには、吸気孔14が形成されており、この吸気孔14には、光学部品配置スペース30内に外気を吸入する吸気ブロワ15が配設されている。また、図4に示すように、加工スペース20と光学部品配置スペース30とを仕切る隔壁部40a,40bには、排気孔44a,44bがそれぞれ形成されており、これら排気孔44a,44bには、加工スペース20内の空気を外部に排出する排気ブロワ45a,45bがそれぞれ配設されている。これら排気孔44a,44bには、排気ダクト46が配設されており、この排気ダクト46は、図2に示すように、筐体10の背面パネル10cに形成された排気孔16から外部へ向けて延設されている。
そして、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、被加工物である被覆電線70のレーザ加工時に、吸気ブロワ15および排気ブロワ45a,45bを作動させることにより、光学部品配置スペース30を陽圧に保持すると同時に、加工スペース20を陰圧に保持することができるようになっている。このように、加工スペース20よりも光学部品配置スペース30の圧力を高くすることにより、光学部品配置スペース30内に被加工物から発生した加工煙、飛散物、蒸気などが入り込むことを防止でき、光学部品の汚染を防止することが可能である。
また、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、上述のように、加工スペース20を陰圧にすることにより、被加工物である被覆電線70から発生した加工煙、飛散物、蒸気などが加工スペース20から装置の外部へ漏出することを防止することができる。従って、加工スペース20の近傍にて操作を行う作業者が被加工物から発生した加工煙、飛散物、蒸気などを吸込んでしまうことも防止することができる。これにより、作業者は、これら加工煙、飛散物、蒸気などを気にせずに作業を長時間継続することが可能である。特に、被加工物である被覆電線70の被覆材は有機物からなるので、レーザ加工に伴って被覆電線70から有機ガス等が発生する。しかしながら、本実施形態のワイヤストリッパ装置1では、加工スペース20から装置の外部へ加工に際して発生した有機ガス等が漏出することを防止できるので、作業者は、より快適に加工作業を行うことが可能である。
次に、図8を参照しながら、本発明の一実施形態に係るワイヤストリッパ装置1の電気的な構成について説明する。本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1は、その内部に制御回路17を有して構成されている。この制御回路17は、CPU、ROM、RAMを含むマイクロコンピュータを有して構成されている。制御回路17の入力部には、電源スイッチ12、操作スイッチ13、位置検出センサ18、表示パネル11の各出力部が接続されており、制御回路17の出力部には、表示パネル11、レーザ発振器31、加工ステージ駆動用モータ36、光路切替用モータ34、吸気ブロワ15、排気ブロワ45a,45bが接続されている。
そして、制御回路17は、電源スイッチ12、操作スイッチ13、位置検出センサ18等から送出されたパルス信号(A相,B相)をカウントすることより、表示パネル11、レーザ発振器31、加工ステージ駆動用モータ36、光路切替用モータ34、吸気ブロワ15、排気ブロワ45a,45bを動作させるように構成されている。なお、制御回路17の動作の詳細については後述する。位置検出センサ18は、電源投入時の加工ステージ22の原点位置を検出したり、加工中の加工ステージ22のスライド位置を検出するためのものであり、例えば、加工ステージ駆動用モータ36の回転角度を検出するロータリーエンコーダ等により構成されている。また、本例では、表示パネル11を操作することにより、加工ステージ22の送り量や、送り速度、レーザのビームなどの種々のパラメータを設定できるようになっている。
次に、図9乃至図12を参照しながら、上記構成からなるワイヤストリッパ装置1の動作について説明する。はじめに、上記要領にて、単一のマウント材50を上下方向にスライドさせることにより、上側出射光ユニット32eの位置を被加工物の太さ(厚み)に合わせて任意に調節する(図5参照)。これにより、様々な太さ(厚み)の被加工物に対しても最適な焦点距離でレーザ光を照射することができる。その後、電源スイッチ12(図1参照)を押操作して、ワイヤストリッパ装置1を起動させる。これにより、加工ステージ22が加工スペース20の外方へ突出した状態となる(図6参照)。そして、加工スペース20より外方へ突出した状態にある加工ステージ22からカセット60を取り外し、このカセット60に被加工物である被覆電線70を上記要領にて固定する。
なお、本例では、被覆電線70の一例として同軸ケーブルを用いる。被覆電線70は、図10に示すように、有機系高分子絶縁材料からなる被覆材71により被覆されており、その内側には、金属製のシールド材72が配設されている。また、シールド材72の内側には、芯材73が配設されている。そして、被覆電線70をカセット60に固定した後、このカセット60を加工ステージ22にセットする(図7参照)。このとき、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、加工ステージ22が加工スペース20より外方へ突出するので、作業者は、加工ステージ22に対してカセット60を容易に着脱することが可能である。
そして、加工ステージ22にカセット60を組み付けた後に、操作スイッチ13(図1参照)を押操作する(フットスイッチを操作しても良い)。これにより、操作スイッチ13から制御回路17(以下、図8参照)へ操作信号が出力され、制御回路17から加工ステージ駆動用モータ36に駆動信号が出力される。これにより、図9に示すように、加工ステージ駆動用モータ36がR1方向へ回転し、加工ステージ22がY1方向へスライドする。これと同時に、制御回路17は、レーザ発振器31に作動信号を出力する。これにより、レーザ発振器31からレーザ光が発振される。ここで、ワイヤストリッパ装置1の起動時に、光路切替用反射鏡32bは、図9に示すように、反射鏡32aからのレーザ光が光路切替用反射鏡32bによって上側反射鏡32cに向けて反射されるように、第一の傾動角度にある。従って、レーザ発振器31から発振されたレーザ光は、反射鏡32a、光路切替用反射鏡32b、上側反射鏡32c、上側出射光ユニット32eを介して鉛直方向下側へ向けて出射される。
そして、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光Laは、上側出射孔41a(図4参照)および切欠き63を通過して被加工物である被覆電線70の上側に照射される。これにより、図10に示すように、被覆電線70の被覆材71のうち上側の部位が昇華されて除去され、内部のシールド材72が露出した状態となる。なお、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光Laのうち、被覆電線70に照射されずに加工ステージ22の下方へ向けて出射されたレーザ光は、スリット孔61dおよびスリット孔24を通過した後、第一散乱板42a(図4参照)によって散乱される。これにより、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光Laが加工スペース20において乱反射して被覆電線70に傷を付けたり、乱反射したレーザ光が装置外部へ漏出したりするという不具合を防止することができる。
このとき、上述のように、上側出射光ユニット32eから被覆電線70にレーザ光Laを照射させて、被覆電線70の被覆材71を昇華させることに伴って有機ガスが発生する。しかしながら、本例では、上記加工ステージ22のスライドおよびレーザ光の照射と同時に、制御回路17から吸気ブロワ15および排気ブロワ45a,45b(以下、図4参照)に作動信号が出力され、吸気ブロワ15および排気ブロワ45a,45bが作動する。そして、図中矢印で示すように、吸気ブロワ15によって光学部品配置スペース30に外気が吸入され、光学部品配置スペース30が陽圧に保持される。これと同時に、排気ブロワ45a,45bによって加工スペース20が陰圧に保持される。
これにより、光学部品配置スペース30内の空気は、上側出射孔41aおよび下側出射孔41b(図4参照)を介して、加工スペース20に流入する。また、加工スペース20内の空気は、加工煙、飛散物、蒸気などを含んだ状態で、排気孔44a,44b、排気ダクト46、排気孔16を介して外部へ排出される。このように、ワイヤストリッパ装置1によれば、加工スペース20よりも光学部品配置スペース30の圧力が高くなるので、加工に際して発生した加工煙、飛散物、蒸気などが光学部品配置スペース30内に入り込むことを防止でき、光学部品の汚染を防止することができる。
また、上述のように、加工スペース20を陰圧にすることにより、加工に際して発生した加工煙、飛散物、蒸気などが加工スペース20から装置の外部へ漏出することを防止できる。これにより、加工スペース20の近傍にて操作を行う作業者が加工に際して発生した加工煙、飛散物、蒸気などを吸込んでしまうことを防止することが可能となる。従って、レーザ加工に伴って被加工物から加工煙、飛散物、蒸気などが発生しても、作業者は、これら加工煙、飛散物、蒸気などを気にせずに作業を長時間継続することが可能である。特に、上述のように、レーザ加工に伴って被加工物から有機ガスが発生するが、本実施形態のワイヤストリッパ装置1では、加工スペース20から装置の外部へ有機ガス等が漏出することを防止できるので、作業者はより快適に作業を行うことが可能である。
そして、加工ステージ22がY1方向に最もスライド(この場合のスライド量はパラメータ設定による)した状態になると、この状態となったことが位置検出センサ18(以下、図8参照)からのパルス信号(A相,B相)に基づいて制御回路17において認識され、制御回路17から加工ステージ駆動用モータ36および光路切替用モータ34に駆動方向切替信号が出力される。これにより、図11に示すように、加工ステージ駆動用モータ36がR2方向へ反転し、加工ステージ22がY2方向へスライドする。これと同時に、光路切替用モータ34が回転し、光路切替用反射鏡32bは、図11に示すように、反射鏡32aからのレーザ光が光路切替用反射鏡32bによって下側反射鏡32dに向けて反射されるように、第二の傾動角度となる。
そして、レーザ発振器31から発振されたレーザ光は、反射鏡32a、光路切替用反射鏡32b、下側反射鏡32d、下側出射光ユニット32fを介してから鉛直方向上側へ向けて出射される。そして、図12に示すように、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光Lbは、下側出射孔41b(図4参照)、スリット孔24、スリット孔61dを通過して被覆電線70の下側に照射される。これにより、被覆電線70の被覆材71のうち下側の部位が昇華されて除去され、内部のシールド材72が完全に露出した状態となる。なお、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光Lbのうち、被覆電線70に照射されずに加工ステージ22の上方へ向けて出射されたレーザ光は、切欠き63を通過した後、第二散乱板42b(図4参照)によって散乱される。これにより、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光Lbが加工スペース20において乱反射して被覆電線70に傷を付けてしまったり、乱反射したレーザ光が装置外部へ漏出したりするという不具合を防止することができる。
また、上述のように、本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1では、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとが、加工ステージ22が進退動する方向(Y方向)に沿って互いにずらして配置されている。従って、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光Laが下側出射光ユニット32fへ入射されることを防止できると共に、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光Lbが上側出射光ユニット32eへ入射されることを防止することができる。これにより、光学部品配置スペース30に配置されたその他の光学部品にレーザ光が照射されて損傷することを防止することが可能となる。
そして、加工ステージ22がY2方向に最もスライドした状態になると、この状態となったことが位置検出センサ18からのパルス信号(A相,B相)に基づいて制御回路17において認識され、制御回路17から加工ステージ駆動用モータ36および光路切替用モータ34に駆動停止信号が出力される。これにより、加工ステージ22がY2方向に最もスライドした状態、すなわち、加工スペース20より外方へ突出した状態となる。そして、作業者は、加工スペース20より外方へ突出した状態にある加工ステージ22からカセット60を取り外し、このカセット60から加工された被覆電線70を取り出すことができる。このように、本例では、加工時における被加工物の移動と被加工物の差し替え動作が一連で行なわれるため、被加工物を固定させた状態で光源を移動させてレーザ加工を行う構成に比して、加工時間を短縮することができる。
このとき、制御回路17によって加工ステージ22の移動が停止されると同時に、制御回路17からレーザ発振器31に作動停止信号が出力される。これにより、レーザ発振器31からのレーザ光の発振が停止される。なお、加工ステージ22がY2方向に最もスライドした状態ではなく、その手前の位置を通過した段階で、制御回路17からレーザ発振器31に作動停止信号が出力され、レーザ発振器31からのレーザ光の発振が停止される構成であっても良い。
また、制御回路17内にタイマ機構を設け、このタイマ機構により、加工ステージ22がY2方向に最もスライドした状態で停止してから所定時間経過後に、制御回路17から吸気ブロワ15および排気ブロワ45a,45bに作動停止信号が出力されて、吸気ブロワ15および排気ブロワ45a,45bの動作が停止される構成であっても良い。このように構成すると、加工が終了した後であっても加工スペース20内に残存する有機ガス等を確実に外部に排出させることできるので好適である。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、加工スペース20よりも光学部品配置スペース30の圧力を高くすることができるので、光学部品配置スペース30内に被加工物から発生した加工煙、飛散物、蒸気などが入り込むことを防止でき、光学部品の汚染を防止することができる。これにより、被加工物に照射するレーザ光の品質を長期間安定した状態に保つことができる。
(ロ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、上述のように、加工スペース20を陰圧にすることにより、被加工物である被覆電線70から発生した加工煙、飛散物、蒸気などが加工スペース20から装置の外部へ漏出することを防止することができる。従って、作業者は、これら加工煙、飛散物、蒸気などを気にせずに作業を長時間継続することが可能となる。また、レーザ加工に伴って被覆電線70から有機ガス等が発生した場合でも、この有機ガス等が装置外部へ漏出することを防止できるので、作業者は、より快適に加工作業を行うことが可能である。
(ハ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置によれば、上側出射光ユニット32eと下側出射光ユニット32fとが、加工ステージ22が進退動する方向(Y方向)に沿って互いにずらして配置されているので、上側出射光ユニット32eから出射されたレーザ光が下側出射光ユニット32fへ入射することを防止すると共に、下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が上側出射光ユニット32eへ入射することを防止することができる。これにより、光学部品配置スペース30に配置されたその他の光学部品にレーザ光が照射されて損傷することを防止することが可能となる。
(ニ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光を第一散乱板42aおよび第二散乱板42bによってそれぞれ散乱させることができるので、上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fから出射されたレーザ光が加工スペース20において乱反射して被加工物に傷を付けたり、乱反射したレーザ光が装置外部へ漏出したりするという不具合を防止することができる。
(ホ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、加工ステージ22が加工スペース20よりも外方へ突出可能に構成されているので、作業者は、加工ステージ22に対してカセット60を容易に着脱することが可能である。また、加工ステージ22からカセット60を取り外した状態で、被加工物である被覆電線70をカセット60に固定することができるので、加工スペース内にある加工ステージ上に被加工物を直接セットする構成に対し、作業者における被加工物の取扱いも容易となる。
(ヘ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、被加工物である被覆電線70をカセット60に複数固定することができ、これを一括してレーザ加工することができるので、従来に比して生産効率を向上させることが可能である。また、加工時における被加工物の移動と被加工物の差し替え動作を一連で行うことができるため、被加工物を固定させた状態で光源を移動させてレーザ加工を行う構成に比して、加工時間を短縮することが可能である。
(ト)本実施形態のワイヤストリッパ装置1によれば、光源である上側出射光ユニット32eおよび下側出射光ユニット32fを固定した状態で被加工物である被覆電線70を移動させることによってレーザ光の照射位置を変化させているので、光学部品の取り付けや駆動に必要以上に高い精度が要求されることがなく、光路設計も容易に行うことが可能である。また、加工に際し光源を移動させる必要がないので、加工を繰り返し行っても光軸がずれてしまうなどの不具合が生じることがなく、レーザ光の照射精度を高く維持することが可能である。
(チ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、マウント材50のスライドに合わせて上側反射鏡32cおよび上側出射光ユニット32eを一体的に移動させることができるので、上側出射光ユニット32eと被覆電線70との距離を容易に調節することができる。さらに、上側出射光ユニット32eと被加工物である被覆電線70との距離を調節するためには、マウント材50をスライドさせるだけで良く、このため、調節時に大掛かりな光路の変更等を強いられることがないので、光軸がずれてしまうことも防止することが可能である。
(リ)本実施形態に係るワイヤストリッパ装置1によれば、レーザ発振器31を鉛直方向に対して傾斜させて配置しているので、レーザ発振器31を横臥させた場合に比して装置の床面積を小さくすることが可能である。また、レーザ発振器31を鉛直方向に対して傾斜させることにより、レーザ発振器31を直立させた場合に比して装置の全高を低いものとすることができる。従って、レーザ発振器31を直立させた場合と同一の全高で本装置を構成する場合には、レーザ発振器31を直立させた場合と比較して、より出力の大きいレーザ発振器を搭載することが可能である。さらに、予め装置の全高を最大許容寸法に設定しておけば、後に、出力の小さなレーザ発振器から出力の大きなレーザ発振器への載せ換えも、装置の全高寸法の変更等を強いられることなく容易に行うことが可能である。また、レーザ発振器31を鉛直方向に対して傾斜させて配置することにより、レーザ発振器31内にダスト等が流入しても、このダストがレーザ発振器31の出射窓あるいは反射ミラー上に停滞することを防止することが可能である。
上記各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記一対の出射光ユニットは、前記加工ステージの進退動する方向に沿って互いにずらして配置されたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(2)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記加工スペースには、前記一対の出射光ユニットから出射されたレーザ光を散乱するための散乱部材又は前記一対の出射光ユニットから出射されたレーザ光を吸収するための吸収部材が設けられたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(3)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記加工ステージには、該加工ステージに対して着脱自在に構成されると共に、前記被覆電線を固定するためのカセットが設けられ、前記被覆電線は、前記カセットを介して前記加工ステージに載置されることを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(4)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記加工ステージは、前記加工スペースよりも外方へ突出可能に構成されたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(5)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記一対の出射光ユニットのうち、少なくとも一方の出射光ユニットは、前記被覆電線との距離を調節可能に構成されたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(6)請求項3に記載のワイヤストリッパ装置において、前記光学部品は、レーザ光を前記一対の出射光ユニットにそれぞれ導く一対の反射鏡をさらに備え、前記一対の出射光ユニットのうち少なくとも一方の出射光ユニットと、前記一対の反射鏡のうち前記一方の出射光ユニットにレーザ光を導く反射鏡とは、単一のマウント材に配設され、該マウント材は、前記被覆電線との距離を調節可能に構成されたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
(7)請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のワイヤストリッパ装置において、前記レーザ発振器は、鉛直方向に対して傾斜するように配置されたことを特徴とするワイヤストリッパ装置。
1 ワイヤストリッパ装置、10 筐体、10a 正面パネル、10b 上面パネル、10c 背面パネル、11 表示器、12 電源スイッチ、13 操作スイッチ、14 吸気孔、15 吸気ブロワ、16 排気孔、17 制御回路、18 位置検出センサ、20 加工スペース、21 保護窓、22 加工ステージ、23 ラック、24 スリット孔、25 取付部、30 光学部品配置スペース、31 レーザ発振器、32a 反射鏡、32b 光路切替用反射鏡、32c 上側反射鏡、32d 下側反射鏡、32e 上側出射光ユニット、32f 下側出射光ユニット、32g 反射鏡、32h 集光レンズ、32i 反射鏡、32j 集光レンズ、34 光路切替用モータ、35 ピニオン、36 加工ステージ駆動用モータ、40a,40b,40c 隔壁部、41a 上側出射孔、41b 下側出射孔、42a 第一散乱板、42b 第二散乱板、43 孔部、44a,44b 排気孔、45a,45b 排気ブロワ、46 排気ダクト、50 マウント材、60 カセット、61a 開口、61b 底面、61c 溝、61d スリット孔、61 本体部、62 固定部材、63 切欠き、70 被覆電線、71 被覆材、72 シールド材、73 芯材