JP2005211647A - 軟膏付救急用絆創膏 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絆創膏の粘着シートの上面中央部にパッド部を設け、該パッド部のパッド上面に軟膏薬を層着し、前記粘着シートの前記パッド部が貼着されていない部分の上面には離型フィルムを剥離可能に貼着してなる軟膏付救急用絆創膏において、2枚以上のパッドを積層して前記パッド部を形成したことを特徴とする軟膏付救急用絆創膏。
【選択図】図2
Description
この種の救急用絆創膏は、薬液が乾燥状態となっているために、創傷口等の患部を傷める虞があるばかりでなく、創傷口から分泌物が出ない限り、十分な殺菌、治療効果を得ることができない。
薬液封入カプセル体を備えた救急用絆創膏は、上記の課題を改善する目的で提案され、パッドの上面に薬液を封入してなるカプセル体を重ね合わせ、使用時に該カプセル体の上面壁を押圧することによってその上面壁の下面中央に突設した先鋭な突起でカプセル体の底面を構成しているアルミ箔製の薄膜を破壊し、カプセル体の薬液をパッド上に流出、含浸させるようにした構造のものが開発されている(たとえば特許文献1及び2参照)。
また、このような軟膏薬の変質や不測の外圧力による軟膏薬の押し潰しをなくするために、上記カプセル体に軟膏薬を封入すると、軟膏薬はカプセル体内壁面に付着しているので、該カプセル体を押圧変形して底面を構成しているアルミ箔製の薄膜を破壊しても多量の軟膏薬をパッド上に転着することは困難であった。
また、薬液を軟膏薬に変えたとはいえ、軟膏薬をパッド上に単に層着しただけでは、パッド上の軟膏薬がパッドと共に直接皮膚の創傷口に当接することとなるために、治癒が進んだり、創傷面が乾燥すると創傷口とパッドとが付着する場合もあり、使用後剥離した時に傷口を広げたり、傷めてしまい、かえって完治を遅らせる懸念があった。
さらに、軟膏薬の成分がパッド下方に浸透したり、あるいは外側面に移動してはみ出したりすれば、軟膏付絆創膏を創傷面に、簡便にかつ確実に貼付することを困難にするばかりでなく、創傷面に供給されるべき軟膏薬の有効量が減少する問題があった。
1.絆創膏の粘着シートの上面中央部にパッド部を設け、該パッド部のパッド上面に軟膏薬を層着し、前記粘着シートの前記パッド部が貼着されていない部分の上面には離型フィルムを剥離可能に貼着してなる軟膏付救急用絆創膏において、2枚以上のパッドを積層すると共に、パッド間またはパッドと粘着シート間に第一のネットを介在させ、さらに前記パッドおよび第一のネットを、第二のネットで被覆して前記パッド部を形成したことを特徴とする軟膏付救急用絆創膏、
2.下層のパッドの下面と、粘着シートとの間に、第一のネットを介在させたものである上記1の軟膏付救急用絆創膏、
3.2枚以上のパッドの、パッドとパッドとの間に第一のネットを介在させたものである上記1又は2の軟膏付救急用絆創膏、
4.2枚以上のパッドは同質の素材で構成されてあり、パッド間またはパッドと粘着シート間に第一のネットを介在させ、さらに前記パッドおよび第一のネットを、第二のネットで被覆して前記パッド部を形成したことを特徴とする上記1乃至3のいずれか1の軟膏付救急用絆創膏、
5.粘着シート上に、断面ドーム形状のブリスター部を形成してなる軟膏保護カバーを剥離可能に貼着したものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の軟膏付救急用絆創膏、
6.粘着シート上に、断面ドーム形状のブリスター部を形成してなる軟膏保護カバーを剥離可能に貼着したものである上記1乃至5のいずれかの軟膏付救急用絆創膏、
7.軟膏保護カバーが、中央部を上方に向かって緩やかな円弧状に膨出、成形することにより断面ドーム形状のブリスター部に形成してなるものである上記1乃至6のいずれかの軟膏付救急用絆創膏、
8.ブリスター部が、平面矩形状に形成されてあり、その長辺側の両側壁部を下端から上方に向かって互いに接近する方向に傾斜した起立壁部を形成しているものである上記1乃至7のいずれかの軟膏付救急用絆創膏、
9.軟膏保護カバーが、上面に軟膏薬を装着しているパッド部を長方形状の粘着シート上に、四方周壁部が上記軟膏薬を層着したパッドの厚みより高く形成している平面矩形上のブリスター部を中央部に膨出、形成してなり、剥離可能に貼着して上記ブリスター部により上記パッド部を被覆したものである上記1乃至8のいずれかの軟膏付救急用絆創膏、
10.ブリスター部が、その天井壁部にその長さ方向に平行な突条を上方に向かって膨出、形成しているものである上記1乃至10のいずれかの軟膏付救急用絆創膏、
に関するものである。
さらに、請求項2記載の発明によれば、下層のパッド部の下面と粘着シートとの間に介在させ、第二のネットでパッド部を被覆する構成とすることにより、軟膏薬の成分が下層パッドの下方にまで浸透しても粘着テープまでの浸透をネットの2重構造で遮断することが可能となるばかりでなく、粘着テープとの接触あるいは化学反応を有効に抑制するガードフィルムとしての機能も発揮する。
本発明においては、軟膏保護カバーを、中央部を上方に向かって緩やかな円弧状に膨出、成形することにより断面ドーム形状のブリスター部に形成してなるものとすることにより、あるいはさらにブリスター部を平面矩形状に形成し、その長辺側の両側壁部を下端から上方に向かって互いに接近する方向に傾斜した起立壁部を形成しているものとすることにより、あるいはさらに軟膏保護カバーを、上面に軟膏薬を装着しているパッド部を長方形状の粘着シート上に、四方周壁部が上記軟膏薬を層着したパッドの厚みより高く形成している平面矩形上のブリスター部を中央部に膨出、形成し、剥離可能に貼着して上記ブリスター部により上記パッド部を被覆したものとすることにより、さらにはまたブリスター部を、その天井壁部にその長さ方向に平行な突条を上方に向かって膨出、形成したものとすることにより、前記の利点のほか、携行時の不測の押し潰しなどに強固に阻止することができる。
さらに、この粘着シート2の上面中央部には、後に詳述する軟膏薬4を担持するパッド部5の下面を粘着剤層3に貼着させている。
2枚以上積層している上層パッド51、下層パッド52は、それぞれガーゼ、脱脂綿、その他の織布、不織布、軟質プラスチック繊維あるいはこれらの積層体などを素材とし、矩形状であり、その幅は上記粘着シート2の幅よりも小幅に且つ長さも短く形成されている。
各パッド51、52は、異質の素材を使用し、軟膏薬4の成分の浸透抑制に強弱を与えることも可能であるが、同一素材の繊維を使用しても、パッドを2枚以上とし、そのパッド間に界面を設けることにより、軟膏薬4流動性成分の毛細管現象による浸透を抑制することが判明しており、むしろ同一素材を使用する方が高品質を維持したまま安価に製造できるので工業生産上も有利である。
この軟膏保護カバー8は非通気性でかつ適度な剛性を有する塩化ビニル樹脂等の透明な合成樹脂製薄肉シートよりなり、上記粘着シート2と同一幅でかつ該粘着シート2よりも長さの短い矩形状に形成されている。さらに、この軟膏保護カバー8の長さ方向の中央部の一定幅と一定長さ部分を上方に向かって緩やかな円弧状に膨出、成形することによって下端が全面的に開口した断面ドーム形状のブリスター部81に形成している。
さらに、このブリスター部81の開口下端における長辺側においてはその両側を開口端の長縁辺から上方に向かって互いに接近する方向に傾斜した断面三日月形状の起立壁部に形成している。
また、該ブリスター部81の天井壁部84の高さは軟膏薬4を層着しているパッド部5の厚みよりも僅かに大きく形成されてあり、従ってブリスター部81の開口端内に収納されているパッド部5上の粘着剤層3とブリスター部81の天井壁部84の下面との間には隙間が存在していて粘着剤層3はブリスター部81の天井壁部84の下面に付着しないように構成している。
図3において、パッド部5Aは、2枚のパッド51とパッド52との間に第一のネット71aを介在させ、下層パッド52と粘着テープ1との間にはさらに他の第一のネット71bを介在させてあり、さらに上層パッド51、第一のネット71a、下層パッド52および他の第一のネットの下面両側部に亘って、第二のネット72を被覆して該ネット72の両側面をパッド部5の両側面に熱溶着によって一体に固着してあり、このネット72上から上記軟膏薬4を一定量第二ネット72の網目62a(図示せず)を通じてパッド部5の上面に塗布することにより薄く層着している。従って、軟膏薬4は第二ネット72の網目に保持された状態となり、パッド5上を平面方向に流動する虞はない。
図4のパッド部5Bは、上層パッド51、下層パッド52と2枚のパッドを積層し、平面形状がパッド51、52とほぼ同一で、軟膏薬4の成分の浸透を抑制する第一のネット71を、下層パッド52と粘着シート2との間に介在させる構成としている。上層パッド51、下層パッド52、該第一のネット71の下面両側部に亘って第二のネット72を被覆して該ネット72の両側面をパッド部5Bの両側面に熱溶着によって一体に固着してあり、このネット72上から上記軟膏薬4を一定量ネット72の網目6a(図示せず)を通じてパッド部5Bの上面に塗布することにより薄く層着している。このように形成しているパッド部5Bを備えた救急用絆創膏のその他の構造は、上記実施例と同様であるので、同一部分に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
パッド部5Cは、上層パッド51と下層パッドとの間に第一のネット71を介在させるときは、軟膏薬浸透抑制性のフィルム6を粘着シート2と下層パッド52との間に介在させる構成とすることもでき、軟膏薬4の成分の浸透性を確実に抑制し、かつ下層パッドのクッション性、粘着剤2との接触回避も十分に図ることができることを示している。
2 粘着シート
3 粘着剤層
4 軟膏薬
5 パッド部
51 上層パッド
52 下層パッド
6 軟膏薬4成分浸透抑制性のフィルム
81 ブリスター部
91 第一の離型フィルム
92 第二の離型フィルム
Claims (5)
- 絆創膏の粘着シートの上面中央部にパッド部を設け、該パッド部のパッド上面に軟膏薬を層着し、前記粘着シートの前記パッド部が貼着されていない部分の上面には離型フィルムを剥離可能に貼着してなる軟膏付救急用絆創膏において、2枚以上のパッドを積層すると共に、パッド間またはパッドと粘着シート間に第一のネットを介在させ、さらに前記パッドおよび第一のネットを、第二のネットで被覆して前記パッド部を形成したことを特徴とする軟膏付救急用絆創膏。
- 下層のパッドの下面と、粘着シートとの間に、第一のネットを介在させたものである請求項1記載の軟膏付救急用絆創膏。
- 2枚以上のパッドの、パッドとパッドとの間に第一のネットを介在させたものである請求項1又は2記載の軟膏付救急用絆創膏。
- 2枚以上のパッドは同質の素材で構成されてあり、パッド間またはパッドと粘着シート間に第一のネットを介在させ、さらに前記パッドおよび第一のネットを、第二のネットで被覆して前記パッド部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の軟膏付救急用絆創膏。
- 粘着シート上に、断面ドーム形状のブリスター部を形成してなる軟膏保護カバーを剥離可能に貼着したものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の軟膏付救急用絆創膏。
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