JP2005210017A - 光起電力素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に太陽光発電に好ましく用いることができる実用的な光起電力素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜を前記基板表面に対して斜めの方向に成膜する工程、および上記の化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて一対の電極を付設する工程からなる光起電力素子の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に太陽光発電に有利に用いることができる実用的な光起電力素子及びその製造方法に関する。
半導体に光が照射された場合に起電力を生じる現象は、光起電力効果として知られている。この現象を利用した素子は光起電力素子と呼ばれている。光起電力素子の代表例としては、太陽電池を挙げることができる。太陽電池は、p型半導体とn型半導体とが接合された構成(以下、p−n接合という)を有している。p−n接合に光が照射されると、光のエネルギによりその内部に正孔と電子とが発生する。発生した正孔はp型半導体の側へと移動し、そして電子はn型半導体の側へと移動する。従って、p型半導体には正、そしてn型半導体には負の電圧が発生し、そしてp−n接合に負荷を接続することにより外部に電力を取り出すことができる。太陽電池の一個のp−n接合により発生する電圧は、通常0.5V〜0.6V程度である。
非特許文献1には、基板上にその表面に対して斜めの方向に成膜された特定の半導体材料からなる薄膜に光を照射することにより、非常に高い電圧(起電力)を生じる現象が記載されている。このような現象は、異常光起電効果と呼ばれている。同文献には、異常光起電効果を示す薄膜の材料の例と、この薄膜に照度300×10-3ルクスの光を照射した場合に生ずる電圧の値が記載されている。例えば、CdTe薄膜の場合には約500V、GaAs薄膜の場合には約200V、そしてSi薄膜の場合には約100Vの高い電圧が生じることが記載されている。
Jacques.l.Pankove著,西沢純一他三名訳,「半導体中における光過程」,近代科学者,1974年8月,p.352−360
太陽電池は、その一個のp−n接合により発生する電圧が小さく、そしてp−n接合を形成するために半導体基板あるい半導体薄膜中に不純物を熱拡散する必要があり、その製造工程が複雑であるという問題がある。
また、これまでに異常光起電力効果を示すことが明らかとなっている薄膜は、例えば、CdTe薄膜の場合には有害なCdを含むために、あるいはGaAs薄膜やSi薄膜の場合には、太陽光(特に可視光)に対する感度が低いために、実用的な光起電力素子として応用はされていない。
本発明の目的は、特に太陽光発電に有利に用いることができる実用的な光起電力素子と、その簡単な製造方法とを提供することにある。
本発明は、基板上に、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜を前記基板表面に対して斜めの方向に成膜する工程、および上記の化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて一対の電極を付設する工程からなる光起電力素子の製造方法にある。
本発明の光起電力素子の製造方法の好ましい態様は、下記の通りである。
(1)化合物薄膜を、スパッタ法により、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物からなるターゲットを、その表面が上記基板表面に対して平行となるように、かつ上記基板表面の化合物薄膜形成領域にターゲットの中心軸が含まれないように配置して成膜する。さらに好ましくは、ターゲットの中心軸から基板表面の化合物薄膜形成領域までの距離が、ターゲット直径の0.1乃至2.0倍の範囲にある。
(2)化合物薄膜を、スパッタ法により、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物からなるターゲットを、その表面が上記基板表面に対して傾斜するように配置して成膜する。さらに好ましくは、基板表面とターゲット表面とのなす角度が5乃至45度の範囲にある。
(3)化合物薄膜が、GaS、GaSe、GaTe、InS、もしくはInTeからなる。
本発明はまた、基板、この基板上にその表面に対して斜めの方向に成膜された、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜、及びこの化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて付設された一対の電極からなる光起電力素子にもある。
本発明の光起電力素子の好ましい態様は、下記の通りである。
(1)化合物薄膜が、GaS、GaSe、GaTe、InS、もしくはInTeからなる。
(2)化合物薄膜が、スパッタ法により成膜された膜である。
本発明の製造方法においては、基板上に、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜を前記の基板表面に対して斜めの方向に成膜し、次いでこの化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて一対の電極を付設することにより光起電力素子を得ている。このように、本発明の製造方法は、薄膜中に不純物を熱拡散する複雑な製造工程を必要としないために、その製造工程が簡単である利点を有している。また、本発明の製造方法により、毒性を示すカドミウムを含まず、光感度の高いカルコゲン元素である硫黄、セレン、あるいはテルルを含む化合物薄膜を備えた、特に太陽光発電に有利に用いることができる実用的な光起電力素子を得ることができる。
先ず、本発明の方法により製造される光起電力素子を、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の光起電力素子の構成例を示す図である。図1(A)は、光起電力素子の平面図であり、そして図1(B)は、図1(A)に記入した切断線I−I線に沿って切断した光起電力素子の断面図である。
図1の光起電力素子11は、基板12、基板12上にその表面に対して斜めの方向に成膜された、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜13、及び化合物薄膜13の表面に互いに間隔をあけて付設された一対の電極14、15から構成されている。
光起電力素子11の化合物薄膜13は、光が照射されると異常光起電効果によりその表面に高い電圧(起電力)を生じる。従って、光起電力素子11の電極14、15の間に負荷を電気的に接続することにより、この負荷に電力を供給することができる。
化合物薄膜13は、上記のように、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物から形成される。化合物薄膜13は、結晶化していることが好ましい。化合物薄膜13は、GaS、GaSe、GaTe、InS、もしくはInTeから形成されていることが好ましく、GaS、GaSe、もしくはGaTeから形成されていることがさらに好ましい。
化合物薄膜13には、カルコゲン元素である硫黄、セレンもしくはテルルが含まれている。一般に、カルコゲン元素は、その光感度が高いことが知られており、光学材料や光センサなどの材料に用いられている。本発明の光起電力素子は、その化合物薄膜13がカルコゲン元素を含むために、光照射に対して効率よく起電力を発生するものと理解される。
化合物薄膜13は、基板12の表面に対して斜めの方向に成膜される。「斜めの方向に成膜される」とは、基板12の表面に到達する化合物薄膜13を形成する化合物の分子が飛来する平均的な方向が、基板表面に対して90度未満(好ましくは5乃至60度の範囲)の角度となるようにして成膜されることを意味する。化合物薄膜13を、基板12の表面に対して斜めの方向に成膜する方法の具体例については、後に詳しく説明する。
図1(B)に示すように、基板12の表面に対して斜めの方向に成膜された化合物薄膜13は、通常、その表面が基板12の表面に対して傾斜する。ただし、化合物薄膜13の表面が傾斜していることは、化合物薄膜が異常光起電力効果を示すための条件ではない(非特許文献1を参照)。
化合物薄膜13は、スパッタ法や電子ビーム蒸着法などの工業的に有利な方法により成膜された膜であることが好ましい。化合物薄膜13は、スパッタ法により成膜された膜であることが特に好ましい。化合物薄膜を結晶化させるために、化合物薄膜13を成膜する際の基板の温度は、400乃至600℃の範囲にあることが好ましい。
化合物薄膜13の厚みは、0.1乃至20μmの範囲にあることが好ましく、0.1乃至5μmの範囲にあることがより好ましく、0.2乃至3μmの範囲にあることがさらに好ましい。なお、化合物薄膜13の表面が傾斜している場合には、「化合物薄膜の厚み」とは、化合物薄膜の厚みの最大値と最小値との平均値を意味する。
上記のように、光起電力素子11の電極14、15の間に負荷を電気的に接続することにより、この負荷に電力を供給することができる。従って、電極14、15の間の電気抵抗が小さい値であるほど、電極14、15の間に接続された負荷に大きな電力を供給することができる。電極14、15の間の電気抵抗を小さな値とするには、化合物薄膜13の厚みや幅(特に、幅)を大きくすればよい。
化合物薄膜13には、通常、その電極側から光が照射される。化合物薄膜13の電極側表面に光を照射する場合には、この表面により多くの光が照射されるように一対の電極14、15を透明とすることが好ましい。なお、「透明」とは、可視光の透過率が60%以上、好ましくは70%以上であることを意味する。
電極14、15の材料の例としては、アルミニウム、銀、銅などの金属材料、および錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの透明導電性材料が挙げられる。
電極14、15の厚みに特に制限はないが、通常、50μm以下、好ましくは0.5乃至5μmの範囲に設定される。
基板12の代表例としては、ガラス基板などのセラミックス基板、シリコン基板などの半導体基板、金属基板、及び樹脂基板が挙げられる。
次に、本発明の光起電力素子の製造方法について説明する。本発明の光起電力素子の製造方法は、基板上に、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜を前記基板表面に対して斜めの方向に成膜する工程、および上記の化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて一対の電極を付設する工程を順に実施することからなる。
以下に、本発明の光起電力素子の製造方法を、化合物薄膜をスパッタ法により形成する場合を例として、具体的に説明する。
図2は、本発明の光起電力素子の製造方法の一例を示す図である。図2に示すように、先ず、高周波(RF)スパッタ装置のチャンバ28の内部に備えられたターゲットホルダ21にターゲット22を、そして基板ホルダ23に基板12を取り付ける。
化合物薄膜をスパッタ法により成膜する場合、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物から形成されたターゲットを用いることが好ましい。
図2に示すように、ターゲット22は、その表面が基板12の表面に平行となるように、かつ基板12の表面の化合物薄膜形成領域にターゲット22の中心軸が含まれないように配置されている。なお、「基板表面の化合物薄膜形成領域」とは、基板表面に対して斜めの方向に成膜される化合物薄膜が形成される基板表面の領域を意味する。すなわち、ターゲットをその中心軸が基板表面に含まれるように配置して化合物薄膜を成膜し、そして基板表面のターゲット中心軸を含まない領域(化合物薄膜形成領域)に成膜された化合物薄膜部分に一対の電極を付設して光起電力素子を作製することもできる。
ターゲット22の中心軸から基板12の表面の化合物薄膜形成領域までの距離L2 は、ターゲット22の直径の0.1乃至2.0倍の範囲にあることが好ましい。
次に、チャンバ28のバルブ26a、26cが閉じた状態で、バルブ26bを開いて油回転ポンプ24によりチャンバ内の気体を排気し、続いてバルブ26bを閉じ、そしてバルブ26c及び26aを順に開いて油拡散ポンプによりチャンバ内の気体をさらに排気して、チャンバ内の真空度を10-6Torr程度に設定する。
続いてチャンバ28の内部にガス導入管27から成膜の際に用いるスパッタガスを流入させる。スパッタガスとしては、アルゴンガス、水素ガス、窒素ガス、あるいはこれらのガスを含む混合ガスを用いることが好ましく、アルゴンと水素との混合ガスを用いることがさらに好ましい。アルゴンと水素の混合ガスを用いる場合、水素ガスの分圧比(水素ガスの分圧/混合ガスの全圧)は、0.01乃至0.5の範囲にあることが好ましい。
そして、高周波スパッタ法により基板12の表面に対して斜めの方向に化合物薄膜13を成膜する。化合物薄膜13を形成したのち、チャンバ28の内部から基板12を取り出す。
最後に、真空蒸着法やスパッタ法などにより、化合物薄膜13の表面に一対の電極を形成することにより、図1の光起電力素子を作製することができる。一対の電極は、化合物薄膜13の表面の傾斜方向に沿って付設することが好ましい。
なお、電子ビーム蒸着法により化合物薄膜を形成する場合には、蒸着装置の真空チャンバの内部に、化合物薄膜を形成する材料を収容する容器を、その中心軸が基板の表面に平行となるように、かつ基板表面の化合物薄膜形成領域に前記容器の中心軸が含まれないように配置して化合物薄膜を成膜することが好ましい。
次に、本発明の光起電力素子の製造方法の別の一例を、化合物薄膜をスパッタ法により形成する場合を例として、具体的に説明する。
図3は、本発明の光起電力素子の製造方法の別の一例を示す図である。図3に示す光起電力素子の製造方法は、化合物薄膜13を成膜する際のターゲットと基板との位置関係が異なること以外は、図1に示す製造方法と同様にして実施することができる。以下、化合物薄膜13を成膜する際のターゲットと基板との位置関係についてのみ簡単に説明する。
図3に示す製造方法においては、ターゲット22を、その表面が基板12の表面に対して傾斜するように配置する。このようにターゲット22と基板12とを配置することによっても、化合物薄膜13を、基板12の表面に対して斜めの方向に成膜することができる。基板12の表面とターゲット22の表面とのなす角度θは、5乃至60度の範囲にあることが好ましく、5乃至45度の範囲にあることがさらに好ましい。
なお、電子ビーム蒸着法により化合物薄膜を形成する場合には、蒸着装置の真空チャンバの内部に、化合物薄膜を形成する材料を収容する容器を、その中心軸と基板の表面とのなす角度が30乃至85度(特に45乃至85度)の範囲となるように配置して化合物薄膜を成膜することが好ましい。
このように、本発明の製造方法においては、化合物薄膜を基板表面に対して斜めの方向に成膜し、そして化合物薄膜の表面に一対の電極を付設するという簡単な操作によって光起電力素子を作製することができる。以下に、本発明の方法により製造される光起電力素子の別の構成例について説明する。
図4は、本発明の光起電力素子の別の構成例を示す図である。図4(A)は、光起電力素子の平面図であり、そして図4(B)は、図4(A)に記入した切断線II−II線に沿って切断した光起電力素子の断面図である。
図4に示すように、基板42の上には、それぞれ基板42の表面に対して斜めの方向に成膜された化合物薄膜43a、43b、43c、43d、43eが備えられている。そして化合物薄膜のそれぞれには、一対の電極(例えば、化合物薄膜43aには一対の電極44a、45a)が付設され、基板42の上に合計で五個の光起電力素子が形成されている。そして五個の光起電力素子は、電極44、45によって電気的に並列に接続されている。図4の光起電力素子の構成は、基板42の上に五個の光起電力素子が形成され、これらの光起電力素子が電気的に並列に接続されていること以外は図1の光起電力素子と同様である。
このように、例えば、五個の光起電力素子を電気的に並列に接続すると、電極44、45の間の抵抗値が小さくなる。これにより、電極44、45の間に負荷を接続した場合に、より多くの電力を負荷に供給することができる。
図5は、本発明の光起電力素子のさらに別の構成例を示す断面図である。図5に示すように、基板52の上には、それぞれ基板52の表面に対して斜めの方向に成膜された化合物薄膜53a、化合物薄膜53b、そして化合物薄膜53cが順に積層されている。各々の化合物薄膜の表面に付設される電極としては、電極54、55が用いられている。すなわち、図5に示す光起電力素子は、基板52の上に三個の光起電力素子が積層され、これらの光起電力素子が電極54、55により電気的に並列に接続された構成を有している。
図5の光起電力素子は、図4の光起電力素子と同様に、電極54、55の間の抵抗値が小さいため、これらの電極間に接続された負荷に、より多くの電力を供給することができる。
図6は、本発明の光起電力素子のさらに別の構成例を示す断面図である。図6に示すように、基板62の上には、それぞれ基板62の表面に対して斜めの方向に成膜された化合物薄膜63a、そして63bが順に積層されている。化合物薄膜63aの表面には、一対の電極64、65bが付設されている。そして化合物薄膜63bの表面には、一対の電極64、65aが付設されている。すなわち、図6に示す光起電力素子61は、基板62の上に二個の光起電力素子が積層され、これらの光起電力素子が電極64により電気的に直列に接続された構成を有している。
図6の光起電力素子61において、化合物薄膜63a、63bは、基板62の上に基板表面に対して互いに異なる角度で成膜されている。例えば、化合物薄膜63a、63bをスパッタ法により成膜する場合には、化合物薄膜63aは、図6において基板62の左上方に配置されたターゲットを用いて成膜され、そして化合物薄膜63bは、基板62の右上方に配置されたターゲットを用いて成膜される。このように基板62の表面に対する成膜の角度を設定すると、通常、化合物薄膜63a、63bのそれぞれの表面に発生する電圧の極性が逆となる。従って、化合物薄膜63a、63bを電極64によって電気的に直列に接続することにより、光起電力素子61の電極65a、65bの間に発生する電圧は、各々の化合物薄膜にて発生する電圧の合計値となる。
なお、化合物薄膜63bには、その表面近傍にて電圧が発生する。すなわち、化合物薄膜63bの化合物薄膜63a側の面における抵抗値は、化合物薄膜を形成する化合物特有の高い抵抗値を示す。従って、化合物薄膜63a及び63bは、電極64との接続部以外の領域においては互いに電気的に絶縁されている。また、化合物薄膜63a、63bの間に、さらに絶縁材料層を付設してもよい。
図6の光起電力素子61は、その化合物薄膜の側から光を照射することより、図1の光起電力素子の場合よりも高い電圧を得ることができる利点を有している。
光起電力素子は、大気中の水分や酸素の影響により、その電気的特性が変動する場合がある。この電気的特性の変動を抑制するため、光起電力素子を、例えば、ガラス容器の内部に気密的に収容するなどして封止することが好ましい。光起電力素子が収容されている容器内部の空間は、不活性ガス(例、窒素ガス、アルゴンガス)が充填された空間であるか、あるいは真空空間であることがさらに好ましい。
なお、上記のように、本発明の光起電力素子は、その化合物薄膜に光を照射することにより、一対の電極間に接続された負荷に電力を供給することができるため、特に太陽光発電に有利に用いることができる。また、本発明の光起電力素子は、光照射により一対の電極間に発生した電圧を検出することにより、光センサとしても使用することができる。
図2に示す構成の高周波スパッタ装置のターゲットホルダ21に、純度が99.9%のGaSeターゲット(直径:76mm)を取り付けた。次に、石英ガラス基板(サイズ:20mm×20mm×0.4mm)をフッ酸により洗浄し、これを基板ホルダ23に取り付けた。ターゲットの中心軸から基板までの距離(ターゲットの中心軸から基板表面の化合物薄膜形成領域までの距離)L2 は、25mm(ターゲット直径の約0.3倍)に設定した。ターゲットの表面と基板の表面との距離L3 は85mmである。
次に、チャンバ28の内部の空気を、油回転ポンプ24、次いで油拡散ポンプ25にて排気することによりチャンバ内の真空度を10-6Torrに設定し、次いでガス導入管27を通じてチャンバ内に真空度が0.75PaとなるまでArガスを流入し、そして基板ホルダ23に備えられたヒータにより基板をその温度が600℃になるまで加熱した。そして高周波スパッタ装置により、石英ガラス基板の上に、厚さが約1μmのGaSe薄膜を成膜した。そしてGaSe薄膜が形成された基板を、スパッタ装置のチャンバ28の内部から取り出した。
得られた基板のGaSe薄膜の表面に、メタルマスクを配置した。メタルマスクの上から、真空蒸着法により厚さが2μmのアルミニウム薄膜を成膜した。成膜後にメタルマスクを基板から取り除くことにより、GaSe薄膜の表面に一対のアルミニウム電極を形成した。このようにして、図1に示す構成の光起電力素子を作製した。光起電力素子の一対の電極間の距離(図1:L1 )は1mmに設定した。
作製した光起電力素子のGaSe薄膜側の表面に、薄膜表面から約20cmの距離をあけて配置された30Wのクセノンショートアークランプを用いて光を照射し、素子の一対の電極間に発生する電圧値をエレクトロメータにより測定した。その結果、作製した光起電力素子の一対の電極間には、約200Vの電圧が発生した。
本発明の光起電力素子の構成例を示す図である。 本発明の光起電力素子の製造方法の一例を示す図である。 本発明の光起電力素子の製造方法の別の一例を示す図である。 本発明の光起電力素子の別の構成例を示す図である。 本発明の光起電力素子のさらに別の構成例を示す断面図である。 本発明の光起電力素子のさらに別の構成例を示す断面図である。
符号の説明
11 光起電力素子
12 基板
13 化合物薄膜
14、15 電極
21 ターゲットホルダ
22 ターゲット
23 基板ホルダ
24 油回転ポンプ
25 油拡散ポンプ
26a、26b、26c バルブ
27 ガス導入管
28 チャンバ
41 光起電力素子
42 基板
43a、43b、43c、43d、43e 化合物薄膜
44、45 電極
44a、45a 化合物薄膜43aに付設される電極
44e、45e 化合物薄膜43eに付設される電極
51 光起電力素子
52 基板
53a、53b、53c 化合物薄膜
54、55 電極
61 光起電力素子
62 基板
63a、63b 化合物薄膜
64、65a、65b 電極

Claims (9)

  1. 基板上に、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜を前記基板表面に対して斜めの方向に成膜する工程、および該化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて一対の電極を付設する工程からなる光起電力素子の製造方法。
  2. 化合物薄膜を、スパッタ法により、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物からなるターゲットを、その表面が上記基板表面に対して平行となるように、かつ上記基板表面の化合物薄膜形成領域にターゲットの中心軸が含まれないように配置して成膜する請求項1に記載の光起電力素子の製造方法。
  3. ターゲットの中心軸から基板表面の化合物薄膜形成領域までの距離が、ターゲット直径の0.1乃至2.0倍の範囲にある請求項2に記載の光起電力素子の製造方法。
  4. 化合物薄膜を、スパッタ法により、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物からなるターゲットを、その表面が上記基板表面に対して傾斜するように配置して成膜する請求項1に記載の光起電力素子の製造方法。
  5. 基板表面とターゲット表面とのなす角度が5乃至45度の範囲にある請求項4に記載の光起電力素子の製造方法。
  6. 化合物薄膜が、GaS、GaSe、GaTe、InS、もしくはInTeからなる請求項1に記載の光起電力素子の製造方法。
  7. 基板、該基板上にその表面に対して斜めの方向に成膜された、アルミニウム、ガリウムもしくはインジウムと、硫黄、セレンもしくはテルルとを含む化合物薄膜、および該化合物薄膜の表面に互いに間隔をあけて付設された一対の電極からなる光起電力素子。
  8. 化合物薄膜が、GaS、GaSe、GaTe、InS、もしくはInTeからなる請求項7に記載の光起電力素子。
  9. 化合物薄膜が、スパッタ法により成膜された膜である請求項7もしくは8に記載の光起電力素子。
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