JPH10185810A - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

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JPH10185810A
JPH10185810A JP34104796A JP34104796A JPH10185810A JP H10185810 A JPH10185810 A JP H10185810A JP 34104796 A JP34104796 A JP 34104796A JP 34104796 A JP34104796 A JP 34104796A JP H10185810 A JPH10185810 A JP H10185810A
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JP
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humidity
light
photovoltaic
film
humidity sensor
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Application number
JP34104796A
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English (en)
Inventor
Naohiko Kato
直彦 加藤
Tomomi Motohiro
友美 元廣
Tatsumi Hioki
辰視 日置
Hiroshi Ito
伊藤  博
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象である雰囲気のガス成分等による影
響を受けず、また雰囲気に対する熱源ともならない湿度
センサを提供すること。 【解決手段】 Z−cutのLiNbO3 基板10の表
面に、集合路12と分岐路13、14とを有する光導波
路パターンを形成し、分岐路13、14側のX端面に反
射鏡21を形成し、反射マッハツェンダ型干渉計を構成
する。そして、基板10上に、光起電力膜19と電極1
6、17とを形成し、電極16、17が分岐路13、1
4の長さ方向の一部を覆うようにする。集合路12に計
測光を入射し、光起電力膜19に制御光を照射すると、
湿度に依存する光起電力を発生し、電極16、17下の
分岐路13、14で位相変調が起こる。このため、反射
鏡21で反射されて集合路21に戻った計測光は、合波
の際の位相差により強度変調されており、その程度によ
り湿度を検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気の湿度を検出
する湿度センサに関する。さらに詳細には、光集積回路
を利用した湿度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】湿度の計測手段としては古くから乾湿球
湿度計や毛髪湿度計が用いられたが、近年では新種の湿
度センサとして、セラミックス表面の電気抵抗率や有機
高分子膜の誘電率が水分子の吸着量(湿度に依存する)
により変化することを利用するものや、空気の熱伝導率
が湿度により変化することを利用するもの等が登場して
いる。
【0003】このような新種の湿度センサの一例とし
て、特開昭62−75231号公報に記載されたものが
ある。同号公報の湿度センサは、空気の熱伝導率の湿度
による変化を利用するものである。その概略構成は図8
に示すように、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)の基
板90の表面にTi(チタン)熱拡散により光導波路9
2〜95を形成し、光導波路93の部分を放熱層96で
覆うとともにそれ以外の部分を断熱層97で覆ったもの
である。各光導波路92〜95はそれぞれ、IN側に設
けられた入射路92と、この入射路92からY字形に分
岐された平行導波路93および94と、これら平行導波
路93および94が合流してOUT側に至る出射路95
とをなし、マッハツェンダ型干渉計91を構成してい
る。この光導波路における光の屈折率は、温度により異
なる。放熱層96は、Al(アルミニウム)等の熱伝導
率の大きい材質の薄層(蒸着膜等)である。断熱層97
は、耐熱性樹脂等の熱伝導率の小さい材質の薄層であ
る。
【0004】この湿度センサを使用するときは、基板9
0の裏面から一定の熱量を加えつつ、IN側から入射路
92にCW(連続波)レーザ光を入射し、出射路95か
らOUT側に出射されるレーザ光の強度を測定する。こ
の操作をすると、以下の原理により湿度が検知される。
【0005】基板90に加えられた熱は表面側から空気
中に放散されるが、表面側の大部分は断熱層97に覆わ
れているので、この部分からはほとんど放熱できない。
このため熱は放熱層96に覆われている部分のみから放
散され、したがって放熱層96に覆われている部分の温
度t1と断熱層97に覆われている部分の温度t2との間
に差が生じる(t2>t1)。ここで温度t2 は裏面側か
らの加熱量のみに依存するが、温度t1 は加熱量と空気
の熱伝導率との2つに依存する。空気の熱伝導率は湿度
により異なるので結局、温度差(t2−t1)は湿度に依
存することになる。そして、温度t1、t2はそれぞれ平
行導波路93、94の温度であるから、両平行導波路9
3、94の伝播光の位相差が湿度に依存することにな
る。両平行導波路93、94の伝播光は出射路95に合
波する際に干渉してその位相差により強度変調されるの
で、出射光の強度を測定すれば湿度がわかるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の公報に記載された湿度センサには、以下に説明
する問題点があった。
【0007】第1に、雰囲気ガス成分による検出結果の
依存性の問題がある。すなわち空気の熱伝導率は、湿度
のみならず成分組成によっても左右されるので、出射路
95からの出射光強度は、湿度の情報だけでなく成分組
成の情報をも含んでいるのである。このため、成分組成
が通常の空気と異なる可能性がある雰囲気内で使用する
場合には、雰囲気ガス成分によって出射光強度を校正し
ないと正しい湿度が得られない。
【0008】第2に、検出に加熱を伴うことによる問題
がある。すなわち、基板90の裏面側に加えられた熱は
表面側の放熱層96に覆われている部分から空気中に放
散され、雰囲気温度を上昇させるのである。このため、
雰囲気の温度管理をしている用途に使うと余計な温度要
因となる。またこのような熱源自体を嫌う用途には使え
ない。
【0009】本発明は、従来の湿度センサが有する前述
の問題点を解決するためになされたものである。すなわ
ちその課題とするところは、測定対象である雰囲気のガ
ス成分による影響を受けず、また雰囲気に対する熱源と
もならない湿度センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
[1]この課題の解決を目的としてなされた本発明は、
伝播光を導く光導波路と、前記光導波路の一部をなすと
ともに電気光学効果により伝播光を変調する変調部とを
有し、前記変調部での伝播光の変調の程度が湿度に影響
されることを利用する湿度センサであって、制御光を受
光すると湿度に応じた光起電力を発生する光起電力膜
と、前記光起電力に基づく電圧を前記変調部に印加する
電圧印加手段とを備えたことを特徴として特定される。
【0011】この湿度センサは、光導波路に伝播光を入
射するとともに光起電力膜に制御光を照射して使用す
る。光起電力膜に制御光を照射すると、光起電力膜には
雰囲気の湿度に応じた光起電力が生ずる。するとその起
電力に基づく電圧が、電圧印加手段により変調部に印加
される。この電圧は、雰囲気の湿度に応じたものであ
る。変調部は電気光学効果を有しているので、印加され
た電圧によりその光学的性質が変化する。その変化の程
度は印加された電圧に依存するので結局、雰囲気の湿度
により異なることとなる。したがって、光導波路に入射
された伝播光が変調部を通過する際に受ける変調の程度
は、雰囲気の湿度に依存する。このため、伝播光が変調
部で受けた変調の程度を検出することにより、雰囲気の
湿度をセンシングすることができる。
【0012】ここにおいて、光起電力膜が発生する光起
電力は、照射された制御光と雰囲気の湿度との2つに依
存し、雰囲気の温度や周辺の電磁界による影響は受けな
い。このため、光起電力膜に照射する制御光をあらかじ
め定めた一定(波長、強度)のものとしておけば、発生
する光起電力は湿度にのみ依存することになる。変調部
での光学的性質の変化も同様に湿度にのみ依存する。ま
たこの湿度センサは、光(伝播光および制御光)のみの
授受を受けるので、電線を接続する必要がなく、この点
でも周辺電磁界による影響を受けにくい。したがって、
光導波路に入射する伝播光もあらかじめ定めた一定(波
長、強度)のものとしておくことにより、雰囲気の温度
や周辺の電磁界による外乱を受けない高精度な湿度検出
がなされる。
【0013】[2]また、前記[1]に記載する湿度セ
ンサにおいては、前記光導波路の一部に2つ以上の分岐
路に分岐させた分岐区間が設けられており、前記変調部
が前記分岐路の1つに設けられているとともに伝播光に
位相変調を起こさせるものであり、前記分岐区間を経由
して合波した伝播光の強度により湿度を検出することと
することが望ましい。
【0014】この湿度センサでは、光導波路に入射され
た伝播光は、分岐区間においてはコヒーレンスを保った
まま2以上の分岐路に分岐される。そしてこの分岐区間
の分岐路の1つの伝播光が、変調部を通る際に位相変調
を受ける。その位相変調の程度は前記のように湿度に依
存しているので、位相変調を受けた伝播光と、他の分岐
路を経由した位相変調を受けていない伝播光との間に
は、位相変調の程度に応じた位相差がある。このため、
両伝播光が合波する際に、干渉により位相差の程度に応
じた強度変調が起こる。したがって、合波した伝播光の
強度を検出することにより、温度や電磁界等による外乱
を受けない高精度な湿度検出を行うことができる。
【0015】[3]あるいは、[1]に記載する湿度セ
ンサにおいては、前記光導波路の一部に2つ以上の分岐
路に分岐させた分岐区間が設けられており、前記変調部
が前記分岐路の2つ以上に設けられているとともにそれ
ぞれの伝播光に異なる位相変調を起こさせるものであ
り、前記分岐区間を経由して合波した伝播光の強度によ
り湿度を検出することとしてもよい。
【0016】この湿度センサでは、光導波路に入射され
た伝播光は、[2]の場合と同様に分岐区間においては
コヒーレンスを保ったまま2以上に分岐され、そして分
岐区間経由後に合波される。そしてこの分岐区間の分岐
路の2つ以上の伝播光が、変調部を通る際にそれぞれ異
なる位相変調を受ける。位相変調の程度が前記のように
湿度に依存しているので、各分岐路における位相変調の
相違の程度も、湿度に依存している。このため、合波し
た伝播光の干渉による強度変調は、湿度に依存したもの
となる。したがって合波した伝播光の強度を検出するこ
とにより、温度や電磁界等による外乱を受けない高精度
な湿度検出を行うことができる。
【0017】[4]そして、[3]に記載する湿度セン
サにおいては、前記分岐区間の分岐路の数が2であり、
前記電圧印加手段が各分岐路の変調部に互いに逆向きの
電圧を印加するものであることが実施に当たり最も典型
的な形態である。
【0018】ここにおいて各分岐路の変調部に印加され
る互いに逆向きの電圧は、光起電力膜が発生する光起電
力に基づくものであることはいうまでもない。この場
合、両分岐路の変調部で互いに逆向きの位相変調が起こ
るので、合波の際の両伝播光間の位相差が2倍となる。
このため、湿度の変化に対する合波伝播光の強度変化の
ゲインが大きくなり、高精度な湿度検出がなされる。
【0019】[5]また、[1]ないし[4]のいずれ
かに記載する湿度センサにおいて、前記光導波路の伝播
光を入射側へ反射する反射鏡を有し、前記変調部が、前
記光導波路の入射側と前記反射鏡との間に設けられてい
ることとすることができる。
【0020】この湿度センサでは、光導波路に入射した
伝播光は、変調部を通過した後反射鏡で反射され、光導
波路を逆向きに進行する。このため再び変調部を通過
し、出射する。したがって、伝播光を湿度センサに入射
させる光路の途中にハーフミラー等のビームスプリッタ
を配置して入射伝播光と出射伝播光とを分波すると、出
射伝播光の変調成分を検出して湿度センシングを行うこ
とができる。この湿度センサでは、入射伝播光を供給す
る手段と、出射伝播光を測定する手段とを同じ側に配置
できるので、これらを含めた全体をコンパクトにまとめ
られる利点がある。また、伝播光が光導波路に入射して
から出射するまでに2回変調部を通過するので、光起電
力に基づく変調の程度も倍加され、高精度な湿度検出を
行うことができる。
【0021】ただし、[2]ないし[4]のような分岐
区間を有する湿度センサに反射鏡を設ける場合には、分
岐区間内に反射鏡を設ける必要がある。また、分岐点か
ら反射鏡までの変調部における位相変調がない場合の光
路長が各分岐路とも等しくなるようにするのが望まし
い。この場合には、各分岐路に分岐された導波光は、変
調部にて位相変調を受けてから([2]の場合分岐路に
よっては受けないものもある)反射鏡で反射され、逆進
して再び変調部で位相変調を受けてから合波して出射す
る。したがって、各分岐路の導波光に対する変調部での
位相変調が往路と復路とで2回繰り返されるので、分岐
路間の位相差が倍加された状態で合波され、高精度な湿
度検出を行うことができる。
【0022】[6]そして、[1]ないし[5]のいず
れかに記載する湿度センサにおいては、前記光起電力膜
が、異常光起電力効果を有する半導体を含むことが望ま
しい。
【0023】この湿度センサでは、光起電力膜に制御光
を入射すると、その中に含まれている半導体が異常光起
電力効果により数10V程度に達する起電力を発生し、
この起電力に基づく電圧が電圧印加手段により変調部に
印加され、これにより伝播光の変調が行われる。ここ
で、半導体により発生される起電力が湿度依存性を有し
ているので、変調部に印加される電圧にも湿度依存性が
あり、さらには変調部での変調の程度にも湿度依存性が
ある。このため湿度の検出が可能である。
【0024】なお、異常光起電力効果により生じる起電
力に湿度依存性がある理由は詳らかでないが、一応次の
ように推察される。すなわち、大気は水蒸気を成分ガス
として含んでいるので、大気と接している光起電力膜の
表面には水分子が吸着している。この状態での光起電力
膜は、膜本体と表面の吸着水分子層とが並列接続された
状態となっていると考えることができる。このため、異
常光起電力効果のような光起電力膜の表面付近で起こる
現象に対しては、表面の吸着水分子層が一種のバイパス
路となり、生じた電圧により電流が流れ、この電流に伴
う電圧降下のため、外部から観測される電圧を下げるも
のと考えられる。そして、水分子の吸着量は湿度(相対
湿度)に依存し高湿度であるほど多いので、湿度が高い
ほど吸着水分子層の抵抗率が低くなると考えられる。こ
のため、湿度が高いほど吸着水分子層の存在による電圧
降下が著しいので、電圧が湿度に依存するものと考えら
れる。
【0025】[7]さらに、[6]に記載する湿度セン
サにおいて、前記光起電力膜が、導電体と異常光起電力
効果を有する半導体との複合材で構成されていることと
することができる。
【0026】この湿度センサでは、光起電力膜に含まれ
ている導電体は、光起電力膜自体の抵抗率を下げる効果
を有している。このため、光起電力膜全体(半導体+導
電体)に占める導電体の比率が高いほど、光起電力膜自
体の抵抗率が低くなる。また、発生する光起電力は小さ
くなる。一方、導電体の比率が低いほど逆の特性が得ら
れる。したがって光起電力膜における導電体と半導体と
の配合比率により、湿度センサの特性を調節することが
できる。すなわち、導電体の比率を高くした湿度センサ
では、光起電力膜自体が低抵抗であることから、湿度の
変化に対する伝播光の変調の程度が比較的小さいので低
湿度から高湿度に至る広いダイナミックレンジ(対応可
能な湿度範囲)を得ることができ、また湿度変化に対す
る検出値の応答性にも特に優れている。一方、半導体の
比率を高くした湿度センサでは、絶対的な光起電力が大
きい一方で外部から観測される電圧の湿度による影響が
著しいので、低湿度領域で高精度な特性が得られる。
【0027】[8]そして、[6]または[7]に記載
する湿度センサにおいては、前記半導体としてCdTe
(テルル化カドミウム)を用いることができる。
【0028】この湿度センサでは、光起電力膜に含まれ
ている半導体がCdTeであり、顕著な異常光起電力効
果を有しているので、優れた湿度検出特性が得られる。
このほかに使用可能な半導体材料としては、GaAs
(砒化ガリウム)、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニ
ウム)、PbS(硫化鉛)、ZnSe(セレン化亜
鉛)、ZnS(硫化亜鉛)、ZnTe(テルル化亜
鉛)、InP(リン化インジウム)、Sb2Te3(3テ
ルル化2アンチモン)、等がある。これらは、異常光起
電力効果を有する半導体であって、スパッタリング、蒸
着等の物理的成膜法により基板上に成膜可能なものであ
る。
【0029】[9]また、[7]に記載する湿度センサ
においては、前記導電体としてCdSを用いることがで
きる。
【0030】この湿度センサでは、光起電力膜が、導電
体であるCdSと異常光起電力効果を有する半導体との
複合材であるので、CdSと半導体との配合比率によ
り、湿度センサの特性を調節することができる。このほ
かに使用可能な導電体としては、In23(3酸化2イ
ンジウム)、SnO2(2酸化スズ) 、その他各種金属
元素等がある。これらは、導電体であってスパッタリン
グ、蒸着等の物理的成膜法により基板上に、半導体とと
もにその配合比率を調整しつつ成膜可能なものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態
を、図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態に係
る湿度センサは、基板上に形成された光導波路での湿度
に応じた位相変調を利用するものである。
【0032】[素子構成]本実施の形態に係る湿度セン
サ1は、図1の平面図に示すように、表面に光導波路で
ある集合路12および分岐路13、14が形成されたZ
−cutのLiNbO3 基板10を中心に構成されてい
る。そして、基板10の表面(Z面)上には、電極1
6、17と光起電力膜19とが形成されている。電極1
6、17は、それぞれ分岐路13、14の長さ方向の一
部を覆っているとともに、光起電力膜19の両端に接続
されている。また、基板10の分岐路13、14側のX
端面には、反射鏡21が形成されている。
【0033】かかる温度センサ1において分岐路13、
14は、基板10のLiNbO3 結晶にTi熱拡散を施
して形成されたものであり、集合路12からE点にてY
字形に分岐された形状となっている。これらは、基板1
0のX軸と平行に設けられている(分岐路13、14の
うちE点付近を除く)。これら各光導波路の幅Wは、い
ずれも7μmとされており、後述する伝播光をシングル
モードで伝播できるようになっている。そして分岐路1
3、14の間隔D1は、24.5μmである。また、E点
から反射鏡21までの分岐路13、14の光路長は互い
に等しい。これらの各光導波路12、13、14を形成
するTiドープLiNbO3 は、電気光学効果を有して
おり、電界が印加されると屈折率が変化する性質を有し
ている。このような、集合路12と、これから分岐され
た分岐路13、14とを有し、分岐路13、14が反射
鏡21に面している光導波路により構成される干渉計
を、「反射マッハツェンダ型干渉計」ということとす
る。
【0034】電極16、17は、スパッタリングにより
形成されたAlの薄膜であり、分岐路13、14を覆う
部分の長さL(X方向)は14mmとされている。ま
た、電極16、17が光起電力膜19に接する位置での
間隔D2 は、1mmである。なお、図1は各部の寸法に
関してはデフォルメされており、実際のものと相似では
ない。また、図1には現れていないが電極16、17
は、基板10上にSiO2のバッファ層を介して形成さ
れている。この電極16、17は、分岐路13、14の
一部に電界を印加することによりその部分の屈折率を変
化させ、これによりその部分を伝播する伝播光に位相変
調を起こさせるためのものである。
【0035】光起電力膜19は、スパッタリングにより
形成されたCdTe1-xxの薄膜であり、異常光起電力
効果を有しており、光の照射を受けることにより起電力
を起こし、電極16、17間に電圧を生じさせるもので
ある。その電圧は、照射された光の内容(波長、強度)
と、電極間隔D2 と、雰囲気の湿度とに依存する。この
うち電極間隔D2 は前記のように固定値(1mm)であ
り、照射される光は後述するように一定の制御光である
から、結局、電極16、17間の電圧に影響する因子は
雰囲気の湿度のみとなる。すなわち光起電力膜19は、
湿度に依存する電圧を電極16、17に印加するための
ものである。
【0036】反射鏡21は、蒸着により基板10のX端
面に形成されたAu(金)の薄膜であって、分岐路1
3、14を伝播してきた伝播光を反射して入射側に返す
役割を有している。
【0037】[計測システム]上記の素子構成を有する
湿度センサ1を用いて湿度測定するためのシステムは、
図2に示すように、湿度センサ1に対し計測用光源31
と、制御用光源32と、光検出器33と、オシロスコー
プ35とを接続して構成されている。このうち湿度セン
サ1は、湿度測定をしようとする雰囲気内に配置しなけ
ればならないが、他のものは必ずしも当該雰囲気内に配
置する必要はない。
【0038】計測用光源31は、InGaAsPの半導
体レーザ発振器(波長1.3μm)である。このレーザ
光に対する半波長電圧は、前記の電極寸法では約5Vで
ある。計測用光源31から発射されるレーザ光は、湿度
センサ1の集合路12に入射する伝播光として用いられ
るものである。そしてこの伝播光は、分岐路13、14
のうち電極16、17に覆われた部分で変調を受けるこ
とにより、光起電力膜19での湿度に依存する起電力の
信号を計測可能な光の形で取り出すものであり、計測光
としての役割を有している。このため計測用光源31
は、偏波面保存ファイバ(PMF)40により湿度セン
サ1の集合路12の端部に接続されており、発生したレ
ーザ光を集合路12に入射できるようになっている。
【0039】このPMF40は、計測用光源31から集
合路12に入射するレーザ光(往路光)の伝達経路であ
るとともに、湿度センサ1内で反射鏡21により反射さ
れ集合路12から出射したレーザ光の伝達経路(復路
光)でもある。このためPMF40には、ビームスプリ
ッタ37が設けられ、往路光と復路光とが分離されるよ
うになっている。すなわちビームスプリッタ37は、ハ
ーフミラー等を用いて、計測用光源31からの往路光は
そのまま透過するとともに、湿度センサ1からの復路光
は反射して光検出器33に振り向けるようにしたもので
ある。これにより、復路光の強度を光検出器33で電圧
信号に変換し、オシロスコープ35で波高、波形その他
の信号解析をすることが可能となっている。
【0040】制御用光源32は、GaAsの半導体レー
ザ発振器(波長0.83μm)である。制御用光源32
から発射されるレーザ光は、湿度センサ1の光起電力膜
19に照射される制御光として用いられるものである。
すなわち制御光は、光起電力膜19に光起電力効果によ
り電圧を起こさせ、電極16、17の下部の分岐路1
3、14に電気光学効果により屈折率の変化を起こさせ
る役割を有している。このため制御用光源32は、マル
チモード光ファイバ(MMF)39により湿度センサ1
の光起電力膜19に接続されており、発生したレーザ光
を光起電力膜19に照射できるようになっている。
【0041】[計測動作]湿度センサ1およびそれを含
む図2のシステムの動作を説明する。まず、光起電力膜
19への制御光の照射を行わずに、計測用光源31から
集合路12への計測光の入射のみを行った場合に起こる
現象を説明する。
【0042】計測用光源31でCW光を発生させるとそ
のCW光は、ビームスプリッタ37を透過してPMF4
0を経由して湿度センサ1の集合路12に入力され、基
板10の光導波路(TiドープLiNbO3 )を伝播す
るシングルモードの伝播光となる。この伝播光は集合路
12を図1中右向きに進行し、E点にて分岐路13、1
4に分岐され、コヒーレンスを保ちつつそれぞれさらに
右向きに進行する。
【0043】そして反射鏡21で反射され、分岐路1
3、14を左向きに戻り、E点に至って集合路12に合
波する。ここで、E点から反射鏡21までの分岐路1
3、14の光路長が等しいので、E点で分岐してから反
射鏡21で反射されてE点で合波するまでの分岐路1
3、14の光路長も等しく、このため分岐路13、14
の戻り伝播光は同位相で合波する。したがって、この間
の光損失を無視すれば、合波後の戻り伝播光の強度は分
岐前の伝播光の強度と同一であることになる。この合波
した戻り伝播光は、集合路12を図1中左向きに進行し
てPMF40に出射され、ビームスプリッタ37で反射
されて入射光と分離される。そして光検出器33で電圧
信号に変換され、その電圧信号がオシロスコープ35に
入力される。したがってオシロスコープ35では、入射
光とほぼ同一の強度のCW光が観測される。
【0044】次に、制御用光源32から光起電力膜19
への制御光の照射により起こる現象を説明する。制御用
光源32で一定の強度のCW光を発生させるとそのCW
光は、MMF39を経由して湿度センサ1の光起電力膜
19に照射される。このため光起電力膜19には起電力
が生じ、その両端の電圧が電極16、17に印加され
る。この電圧は、通常の光起電力の場合よりかなり高い
100V程度に達するので、異常光起電力と呼ばれる。
このとき電極16、17の電位は、基準電位に対して偏
差が等しく符号が逆であるため、電極16、17の下部
の分岐路13、14には互いに逆向きの電界が印加され
る。したがって、分岐路13、14の当該区間には屈折
率の変化が互いに逆向きに生ずる。すなわち、分岐路1
3の当該区間にて屈折率が増加する場合には分岐路14
の当該区間では屈折率が減少し、分岐路13の当該区間
にて屈折率が減少する場合には分岐路14の当該区間で
は屈折率が増加する。
【0045】このように光起電力膜19の起電力により
電極16、17の下部の分岐路13、14に屈折率の差
異が生じている状態で計測用光源31の計測光を集合路
12に入射すると、次のような現象が生じる。すなわ
ち、伝播光が分岐路13、14の当該区間を通過する際
に、屈折率が変化していることにより、伝播光が位相変
調を受ける。この位相変調は伝播光の往き(反射前)と
戻り(反射後)との両方で起こる。ただし、分岐路13
と分岐路14とでは変調の大きさが等しく向きが逆であ
る。すなわち、一方の分岐路では位相が早まり他方の分
岐路では位相が遅れる。このため、分岐路13、14か
らE点に戻って合波する際に両伝播光の位相は必ずしも
一致せず、合波光の強度はそれらの位相差に依存する値
となる。この結果、光起電力膜19の起電力により合波
光の強度が変調されることとなる。この強度変調の程度
は、ビームスプリッタ37で入射光と分離された合波光
の強度を光検出器33で電圧信号に変換し、オシロスコ
ープ35で測定することにより計測される。
【0046】ここにおいて、光起電力膜19が生じる起
電力は、照射された制御光の波長、および強度、そして
雰囲気の湿度の3つの因子に依存する。そして前記のよ
うに制御光は波長、強度とも一定なので、光起電力を左
右する因子は実質的には湿度のみである。したがって、
オシロスコープ35で計測される合波光の強度は、湿度
の変動が反映された分岐路13、14間の位相差に依存
し、湿度を引数とするサイン関数で表される。このた
め、オシロスコープ35での合波光の強度により、光起
電力膜19の周辺の湿度を検知することができる。
【0047】[素子の製造]次に、湿度センサ1の製造
工程を図3により簡単に説明する。最初に、Z−cut
のLiNbO3 基板10の表面にTi熱拡散により、マ
ッハツェンダ型干渉計を構成する光導波路パターン84
が形成される(図3の(a))。この光導波路パターン
84は、両端の集合路12、12と中央の分岐路13、
14とを有している。これらは分岐点付近を除いて基板
10のX方向と平行に形成され、X方向に光を伝播する
ように構成されている。この光導波路パターン84が形
成された基板10は、X方向に半分に切断され(図3の
(b))、そしてその切断端面85にAuが蒸着されて
反射鏡21が形成される(図3の(c))。かくして反
射マッハツェンダ型干渉計を構成する光導波路パターン
が基板10の表面に形成される。なお、切断した他方の
基板10についても、同様に切断端面に反射鏡を形成し
て反射マッハツェンダ型干渉計とすることができる。
【0048】この反射マッハツェンダ型干渉計を表面に
有する基板10の表面全面に、バッファ層であるSiO
2 層をスパッタリングにより成膜し、そしてその上にス
パッタリングとエッチングとにより所定形状のAlの薄
膜(電極16、17)とCdTe1-xxの薄膜(光起電
力膜19)とを形成すると、図2のシステム構成により
湿度検出ができる湿度センサ1が得られる。
【0049】ここで、光起電力膜19であるCdTe
1-xxのスパッタ成膜は、RFマグネトロンスパッタ法
により行う。具体的には図4に示すように、CdTeと
CdSとの2つのターゲット物質を用い、これらを基板
10における光の導波方向(E点の付近を除く、すなわ
ちX方向である)に対して垂直な面内で垂線から対称に
傾斜させて配置して同時にスパッタリングを行う。この
ときの傾斜角α、βは30〜80°の範囲内の角度と
し、スパッタガスとしてはAr(アルゴン)を用い、ガ
ス圧は0.33Pa程度の低圧とする。また、基板10
の温度は室温が望ましいが、300℃以下なら加熱して
もよい。
【0050】このスパッタリングにより基板10上に形
成されるCdTe1-xxの薄膜は、100nm程度の結
晶粒サイズの多結晶であり、CdTeリッチな結晶粒と
CdSリッチな結晶粒とが混在した複合状態となってい
る。このうちCdTeリッチな結晶粒が異常光起電力効
果を有する半導体である。一方、CdSリッチな結晶粒
は、異常光起電力効果を有しないが、導電率が高く、C
dTe1-xx薄膜全体としての導電性を付与する役割を
果たすと考えられる。
【0051】このスパッタリングの際、各ターゲットへ
の投入電力を調整することにより、形成されるCdTe
1-xx膜の組成(膜全体としての平均組成)を制御でき
る。例えば、CdTeターゲットへの投入電力を30W
とし、CdSターゲットへの投入電力を40Wとする
と、x=0.22の膜組成が得られる。また、CdTe
ターゲットへの投入電力とCdSターゲットへの投入電
力とをともに30Wとすると、x=0.15の膜組成が
得られる。このように、両ターゲットへの投入電力の相
対比と、得られた薄膜におけるTeとSとの原子数比と
の間には正の相関関係がある。
【0052】この膜組成は膜の電気的特性に影響し、湿
度センサ1としての湿度の検出特性を定めるものであ
る。膜組成(S成分)と電気的特性(光起電圧VOCおよ
び内部抵抗ρ)との関係は図5のグラフに示すように、
S成分が多い(xが大きい)ほど光起電圧VOC、内部抵
抗ρとも小さくなっている。すなわち、S成分が多い
(xが大きい)ほど、光起電力膜19の光起電力が小さ
くなる一方で導電率が大きくなり、ダイナミックレンジ
の広い湿度センサ1が得られる。これに対しS成分が少
ない(xが小さい)ほど、光起電力膜19の光起電力が
大きくなる一方で導電率が小さくなり、低湿度領域で高
感度な湿度センサ1が得られる。したがって、目的とす
る検出特性が得られるように膜組成を設定し、その膜組
成が得られるように各ターゲットへの投入電力を決定す
ればよい。
【0053】[効果等]以上詳細に説明したように本実
施の形態によれば、異常光起電力効果を有する光起電力
膜19が制御光の照射を受けて発生した湿度に依存する
電圧を、電極16、17を介して光導波路である分岐路
13、14に印加し、電気光学効果により光導波路の伝
播光に位相変調を起こさせるようにしたので、雰囲気の
ガス成分、温度や周辺の電磁界による影響を受けない高
精度な湿度測定を行うことができる湿度センサ1が実現
されている。そして、光起電力膜19の光起電圧により
分岐路13、14に印加される電界が互いに逆向きであ
り、各導波光が逆向きに位相変調を受けるので、各導波
光が合波した光の強度を検出することにより湿度測定が
できるものである。
【0054】そしてこの湿度センサ1は測定に際し、レ
ーザ光の授受のみを受け、電気信号のやりとりや加熱を
受けないので、湿度測定しようとする雰囲気に電気的、
熱的影響を与えず、また雰囲気から電気的、熱的影響を
受けることもない。また、反射鏡21を備えて反射マッ
ハツェンダ型干渉計を構成しているので、湿度センサ1
に対する計測光の入射および出射を1本のPMF40に
て行うことができ、ファイバ数の減少、センサ周りのコ
ンパクト化が実現されている。また、分岐路13、14
の導波光が電極16、17の下部を往路と復路との2回
通過するので、位相変調の度合いが倍加され、より高感
度な湿度検出を行うことができる。また、毛髪等の吸湿
体の伸縮によるものと異なり、湿度の変化に対する応答
性が優れている。
【0055】さらに、光起電力膜19が、異常光起電力
効果を有する半導体であるCdTeリッチな結晶粒と、
導電体であるCdSリッチな結晶粒との複合体であるた
め、TeとSとの膜全体での原子数比により、その特性
を調整でき、目的に合わせた湿度の検出特性を有する湿
度センサ1を得ることができる。
【0056】なお、本発明は前記実施の形態に何ら限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種
々の改良、変形が可能であることはもちろんである。し
たがって、寸法等について示した具体的数値や各部分の
材質等は、単なる例示にすぎない。
【0057】例えば、前記実施の形態では、基板10と
してLiNbO3 基板を用い、これにTiの熱拡散を施
して光導波路を形成したが、これに限らず、電気光学効
果を有する光導波路を形成可能ないかなる素材に置き換
えても、本発明の要旨を逸脱するものではない。また、
光起電力膜19の材質も、CdTe1-xxに限らず、C
dTeを異常光起電力効果を有する他の半導体に置き換
えることができ、またCdSを他の導電体に置き換える
ことができる。
【0058】また、基板10上の分岐路13、14に対
し逆向きの電界が印加され逆向きの位相変調が掛かるよ
うにしたが、一方の分岐路にのみ電界が印加され位相変
調が掛かるようにしても湿度検出は可能である。また、
分岐路13、14での電気光学効果として、位相以外の
因子(振幅、偏光面、波長等)を変調させてこれを検出
するものも考えうる。
【0059】
【実施例】
[光起電圧の湿度依存性]湿度センサ1の試験体とし
て、光起電力膜19(CdTe1-xx)のTeとSとの
原子数比を変化させた2水準のものを作成し、光起電圧
の湿度依存性を調査した。作成した試験体は、x(S成
分の原子数比)=0.22のもの(図6の(A))と、
同0.15のもの(図6の(B))との2種類である。
これらの試験体により雰囲気の相対湿度を変化させつ
つ、図2の配置において電極16、17間の光起電圧を
直接測定した結果を図6に示す。
【0060】図6に示すように、S成分0.22(A)
の試験体においては、相対湿度の変化に対する光起電圧
の傾斜がより緩やかであるが、相対湿度0〜100%の
ほぼ全域にわたり測定可能である。すなわちダイナミッ
クレンジが広い。これに対しS成分がより少ない0.1
5(B)の試験体においては、相対湿度が約70%を超
えると測定が困難になるが、相対湿度40%以下の領域
で特に感度が優れている。
【0061】S成分によりこのような検出特性の差異が
生じる理由は完全には解明されていないが、一応次のよ
うに推察される。まず、S成分が少ない場合には、光起
電力膜19が有する異常光起電力効果が大きいため、表
面の吸着水分子膜の影響が小さい領域(相対湿度が低い
領域)で光起電圧が大きく、このためこの領域での測定
感度が高いものと考えられる。一方、光起電力膜19自
体の抵抗が大きいことから、表面の吸着水分子膜の影響
が大きい領域(相対湿度が高い領域)では吸着水分子膜
を流れる電流による電圧降下が顕著で、測定が困難にな
ると考えられる。
【0062】次にS成分が多い場合には逆に、光起電力
膜19が有する異常光起電力効果が小さいため、表面の
吸着水分子膜の影響が小さい領域(相対湿度が低い領
域)でも光起電圧がさほど大きくなく、このため測定感
度がさほど高くないものと考えられる。一方、光起電力
膜19自体の抵抗が小さいことから、表面の吸着水分子
膜の影響が大きい領域(相対湿度が高い領域)でも吸着
水分子膜を流れる電流による電圧降下が小さく測定が十
分可能で、このため広いダイナミックレンジが得られる
と考えられる。
【0063】[湿度変化に対する応答性]S成分0.2
2の試験体を用いて応答性の試験を行った結果を図7の
グラフに示す。図7に示すように、相対湿度を10%か
ら50%に上昇させると、出力される合波光の強度はそ
の後約30秒で収束している。また、相対湿度を50%
から10%に低下させた場合には、出力される合波光の
強度はその後1分強で収束している。この応答時間は、
十分実用可能なものである。なお、湿度上昇時よりも下
降時の方が収束時間が長い理由は、上昇時の水分子の吸
着よりも下降時の離脱の方が時間がかかるためと考えら
れる。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、異常光起電力効果と電気光学効果とを利用する
ことにより、測定対象である雰囲気のガス成分や温度、
あるいは周辺電磁界による影響を受けず、また雰囲気に
対する熱源等ともならない湿度センサが提供されてお
り、広いダイナミックレンジでの高精度な湿度検出が可
能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る湿度センサの構成を説明する
平面図である。
【図2】図1の湿度センサにより湿度測定を行うシステ
ムの配置図である。
【図3】図1の湿度センサ製造過程の概略を説明する図
である。
【図4】光起電力膜であるCdTe1-xxのスパッタリ
ングによる形成を説明する図である。
【図5】光起電力膜の特性の組成依存性を説明するグラ
フである。
【図6】光起電力の湿度依存性を説明するグラフであ
る。
【図7】湿度センサの応答性を説明するグラフである。
【図8】従来の湿度センサの概略を説明する図である。
【符号の説明】
1 湿度センサ 12 光導波路(集合路) 13 光導波路(分岐路) 14 光導波路(分岐路) 16 電極 17 電極 19 光起電力膜
フロントページの続き (72)発明者 日置 辰視 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 伊藤 博 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝播光を導く光導波路と、前記光導波路
    の一部をなすとともに電気光学効果により伝播光を変調
    する変調部とを有し、前記変調部での伝播光の変調の程
    度が湿度に影響されることを利用する湿度センサにおい
    て、 制御光を受光すると湿度に応じた光起電力を発生する光
    起電力膜と、 前記光起電力に基づく電圧を前記変調部に印加する電圧
    印加手段とを備えたことを特徴とする湿度センサ。
JP34104796A 1996-12-20 1996-12-20 湿度センサ Pending JPH10185810A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005210017A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Yoshinori Oyama 光起電力素子
JP2008514926A (ja) * 2004-09-27 2008-05-08 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. フォトニック結晶干渉計

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