JP2005210008A - 太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】原材料のコストが低く、広面積の製品を高速で製造することが可能な太陽電池を提供する。
【解決手段】 太陽電池10は、透明基板1と、透明導電膜2と、スパッタリングによって形成されたp層3及びn層4と、金属電極5とからなる。カバー26内部に透明基板1を導入し、アルゴン中に酸素及び/又は窒素ガスを含有させた混合ガスをカバー26内に導入する。ターゲット電極20A,20Bに一定の周期で交互にパルス状の電圧を印加して、グロー放電Eを形成させる。これにより、ターゲット20a,20bから粒子がスパッタされ、ターゲット20a,20bの上方を右方向に移動する基板1上に付着する。
【選択図】図1
【解決手段】 太陽電池10は、透明基板1と、透明導電膜2と、スパッタリングによって形成されたp層3及びn層4と、金属電極5とからなる。カバー26内部に透明基板1を導入し、アルゴン中に酸素及び/又は窒素ガスを含有させた混合ガスをカバー26内に導入する。ターゲット電極20A,20Bに一定の周期で交互にパルス状の電圧を印加して、グロー放電Eを形成させる。これにより、ターゲット20a,20bから粒子がスパッタされ、ターゲット20a,20bの上方を右方向に移動する基板1上に付着する。
【選択図】図1
Description
本発明は太陽電池に係り、特にpn接合型太陽電池に関する。
I. 従来、太陽電池に用いられている材料としては、シリコン(単結晶Si、多結晶Si及びアモルファスSi)、GaAs、CuInSe及びCdTeを挙げることができる。このうち、シリコン系太陽電池やGaAs系太陽電池は変換効率が高いものの、材料が高価である。一方、CuInSe系やCdTe系の太陽電池は、材料は比較的安価であるもののセレンやカドミウムといった材料が有毒であることから、大量生産されて広範に普及した場合に環境上問題が生じる。
II. 二酸化チタンを利用した色素増感型太陽電池が、安価でクリーンな太陽電池として注目され、種々の提案がなされている(例えば特開2003−123853号)。二酸化チタンはバンドギャップが3.2eV程度であるために可視光には殆ど応答を示さず、紫外光に対してのみ応答を示す材料である。そこで色素増感型太陽電池では、可視光を吸収する有機色素を二酸化チタン表面に吸着させることによって可視光応答性を向上させ、最高で約10%という高い変換効率を実現している。但し、色素増感型太陽電池の有する根本的な問題点として、色素の吸着量によって変換効率が大きく変化してしまうこと、電解質溶液を用いる必要があることからパッケージングが困難であること、等が挙げられる。
III. CuAlO2/ZnOという組合せからなる紫外光対応の透明な太陽電池が提案されている。これはp型透明半導体のCuAlO2とn型透明半導体のZnOを積層したpn接合によって太陽電池特性を発現させている。
特開2003−123853号公報
II. 二酸化チタンを利用した色素増感型太陽電池が、安価でクリーンな太陽電池として注目され、種々の提案がなされている(例えば特開2003−123853号)。二酸化チタンはバンドギャップが3.2eV程度であるために可視光には殆ど応答を示さず、紫外光に対してのみ応答を示す材料である。そこで色素増感型太陽電池では、可視光を吸収する有機色素を二酸化チタン表面に吸着させることによって可視光応答性を向上させ、最高で約10%という高い変換効率を実現している。但し、色素増感型太陽電池の有する根本的な問題点として、色素の吸着量によって変換効率が大きく変化してしまうこと、電解質溶液を用いる必要があることからパッケージングが困難であること、等が挙げられる。
III. CuAlO2/ZnOという組合せからなる紫外光対応の透明な太陽電池が提案されている。これはp型透明半導体のCuAlO2とn型透明半導体のZnOを積層したpn接合によって太陽電池特性を発現させている。
従来のpn接合型太陽電池は、酸化物半導体の代表的な薄膜形成法であるレーザー蒸着法によって作製しているが、この手法では膜堆積速度が非常に遅く、また成膜面積も1cm角以下と非常に小さいため、工業的な用途には適用できない。
本発明は、原材料のコストが低く、広面積の製品を高速で製造することが可能な太陽電池を提供することを目的とする。また、本発明は、その一態様において、耐熱性の低い高分子フィルムを基板として使用可能な太陽電池を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の太陽電池は、p層とn層とを積層したpn接合型太陽電池において、該p層と該n層がスパッタ法で作製した金属の酸化物及び/又は酸化窒化物であることを特徴とするものである。
請求項2の太陽電池は、請求項1において、p層がCuの酸化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物であることを特徴とするものである。
請求項3の太陽電池は、請求項1において、p層がCuの酸化窒化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物であることを特徴とするものである。
請求項4の太陽電池は、請求項1において、n層がTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化物であることを特徴とするものである。
請求項5の太陽電池は、請求項1において、n層がTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化窒化物であることを特徴とするものである。
請求項6の太陽電池は、請求項1において、p層及び/又はn層をスパッタ成膜する際、複数のカソードを配置し、各カソードに交互に間欠的な電圧を印加することを特徴とするものである。
請求項7の太陽電池は、請求項1において、p層及び/又はn層をスパッタ成膜する際、負に印加されているターゲットに対して、間欠的に正の電圧を印加することによって該ターゲットのチャージアップを抑制することを特徴とするものである。
請求項8の太陽電池は、請求項1において、ターゲットが金属又は合金であり、酸素ガスと窒素ガスの少なくとも一種類を流しながら反応性スパッタリングを行うことによってp層及び/又はn層を成膜することを特徴とするものである。
請求項9の太陽電池は、請求項1において、ターゲットが導電性をもつ金属又は合金の酸化物又は酸化窒化物であり、酸素ガスと窒素ガスの少なくとも一種類を流しながら反応性スパッタリングを行うことによってp層及び/又はn層を成膜することを特徴とするものである。
請求項10の太陽電池は、請求項1ないし9のいずれか1項において、スパッタ時における放電の発光波長をモニタリングすることによって酸素及び/又は窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することを特徴とするものである。
請求項11の太陽電池は、請求項10において、スパッタ時における放電の発光波長をモニタリングすることによって、ターゲットが部分的に酸化及び/又は窒化されている遷移領域となるように酸素ガス及び/又は窒素ガスの供給量を制御することを特徴とするものである。
請求項12の太陽電池は、請求項8ないし11のいずれか1項において、スパッタ時における放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることに加えて、さらに成膜時の窒素流量比、成膜圧力、パルス電圧のパルス幅、パルス電圧のパルス周波数及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることにより、酸素及び窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することを特徴とするものである。
請求項13の太陽電池は、請求項1ないし5のいずれか1項において、組成の異なる複数のターゲットを用いてp層及び/又はn層を成膜することを特徴とするものである。
請求項14の太陽電池は、請求項13において、ターゲットに印加するパルス電圧、パルス幅及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることにより、p層及び/又はn層の組成を制御することを特徴とするものである。
請求項15の太陽電池は、請求項1ないしの14いずれか1項において、スパッタ時に基板を加熱することによりp層及び/又はn層の金属酸化物及び/又は金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とするものである。
請求項16の太陽電池は、請求項1ないし14のいずれか1項において、複数のカソードに印加するパルス電圧のパルス幅、パルス周波数及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数を制御することにより、得られるp層及び/又はn層の金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とするものである。
請求項17の太陽電池は、請求項16において、スパッタ時に基板を加熱することにより、p層及び/又はn層の金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とするものである。
本発明(請求項1)の太陽電池にあっては、p層とn層とが金属の酸化物及び/又は金属の酸化窒化物であるため、原材料のコストが低減される。また、これらp層とn層とはスパッタ法によって作製されるため、広面積の製品を高速で製造することが可能である。
なお、本発明の太陽電池は、p層及びn層をインジウムスズ酸化物(ITO)やフッ素添加酸化スズ(FTO)などの透明電極上に積層し、その上に金属電極を配置することにより形成される。
本発明の太陽電池において、p層としてCuの酸化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物が好適に使用され(請求項2)、また、Cuの酸化窒化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物も好適に使用される(請求項3)。
また、n層としては、Ti、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化物が好適に使用され(請求項4)、また、Ti、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化窒化物も好適に使用される(請求項5)。
請求項6の太陽電池にあっては、p層及び/又はn層をスパッタ成膜する際、複数のカソードを配置し、各カソードに交互に間欠的な電圧を印加するため、安定した高パワーの投入が可能となる。
請求項7の太陽電池にあっては、ターゲットのチャージアップを抑制することができるため、安定なスパッタを行うことができる。
請求項8のようにターゲットとして金属又は合金を用いて反応性スパッタリングを行ってもn層及びp層を成膜することが可能であり、請求項9のようにターゲットとして導電性を有する金属又は合金の酸化物又は酸化窒化物を用いて反応性スパッタリングを行ってn層及びp層を成膜することも可能である。
反応性スパッタリングを行う場合、請求項10のようにスパッタ時における放電の発光波長をモニタリングすることによって酸素及び/又は窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することにより、所望の組成及び結晶構造を有するp層及びn層を得ることができる。さらに、請求項11のようにターゲットが部分的に酸化及び/又は窒化されている遷移領域となるように酸素ガス及び/又は窒素ガスの供給量を制御することによって、より正確に所望の組成及び結晶構造を有するp層及びn層を得ることができる。
請求項12の通り、スパッタ時における放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることに加えて、さらに成膜時の窒素流量比、成膜圧力、パルス電圧のパルス幅、パルス電圧のパルス周波数、電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることによって酸素及び窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することより、一層正確に所望の組成及び結晶構造を有するp層及びn層を得ることができる。
請求項13のように、組成の異なる複数のターゲットを用いてp層及び/又はn層を成膜することにより、p層及び/又はn層に複数の異種金属を導入することができ、これにより太陽電池の特性を一層向上させることができる。この場合にあっても、請求項14のように、ターゲットに印加するパルス電圧、パルス幅、電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることにより、p層及び/又はn層の組成を制御することが好ましい。
請求項15のようにスパッタ時に基板を加熱することにより、又は請求項16のように複数のカソードに印加するパルス電圧のパルス幅及びパルス周波数、並びに電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数を制御することにより、又は請求項17のようにこれらの両方を実施することにより、p層及び/又はn層の金属酸化物又は金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は実施の形態に係る太陽電池の模式的な断面図である。太陽電池10は、透明基板1と、この透明基板1上に設けられた透明導電膜2と、この透明導電膜2上にスパッタリングによって形成されたp層3及びn層4と、このn層4上に設けられた金属電極5とからなる。
透明基板1としては、例えばケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができる。また、アクリル等の種々のプラスチック基板等を使用することもできる。またPETなどの高分子フィルム基材も用いることができる。基板の厚さは0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス板は、化学的に、或いは熱的に強化させたものが好ましい。
透明導電膜2としては、導電性金属酸化物薄膜や金属等の導電性材料からなる基板が用いられる。導電性金属酸化物の好ましい例としては、In2O3:Sn(ITO)、SnO2:Sb、SnO2:F、ZnO:Al、ZnO:F、CdSnO4を挙げることができる。
p層3は、金属の酸化物又は金属の酸化窒化物であり、好ましくはCuの酸化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物、AgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物、Cuの酸化窒化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物であり、例えばCuOやCu2Oを始め、これに他元素をドープした、CuAlO2、CuGaO2、CuScO2、CuCrO2、CuInO2、CuYO2、AgInO2などである。
n層4も金属の酸化物又は金属の酸化窒化物であり、好ましくはTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化物又はTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化窒化物であり、例えばTiO2,ZnO,SnO2などである。
金属電極5としては、白金、Al、Cu、Ti、Ni等が使用できる。
本実施の形態では、デュアルカソード方式マグネトロンスパッタリング法を用いた反応性スパッタリングにより、p層3及びn層4を形成する。
図2はデュアルカソード方式マグネトロンスパッタリング法を説明するための概略図であり、図3は図2のターゲット電極にグロー放電が生じた状態を説明する図である。支持体20a上にターゲット21aを設けてなるターゲット電極20Aと、その下方に配置された磁石22aとから構成されるスパッタリング部、及び支持体20b上にターゲット21bを設けてなるターゲット電極20Bと、その下方に配置された磁石22bとから構成されるスパッタリング部が隣接して設置され、これらのスパッタリング部に、スイッチングユニット24を介して、交流電源25が接続されている。
これらターゲット電極20A,20Bはカバー26によって覆われている。カバー26は排気口28を介してポンプ(図示略)に接続されており、ガス導入口27を介してガス供給源(図示略)に接続されている。
カバー26内部に透明基板1を導入し、ポンプによってカバー26内を真空にした後、アルゴン中に酸素及び/又は窒素ガスを含有させた混合ガスをカバー26内に導入する。そして、ターゲット電極20A,20Bに一定の周期で交互にパルス状の電圧を印加して、グロー放電E(図3参照)を形成させる。これにより、ターゲット21a,21bから粒子がスパッタされ、この粒子がターゲット21a,21bの上方を右方向に移動する基板1上に付着する。この際、ターゲット21a,21b又はスパッタされた粒子は酸素ガス及び/又は窒素ガスによって酸化及び/又は窒化される。これにより、p層3及びn層4が形成する。
スパッタによってプラズマ中に存在する金属の発光波長と発光量をモニタリングし、金属の密度を算出する。そして、この金属の密度に基づいて、導入する酸素・窒素量を制御する。この制御方法をPEMコントロール(Plasma Emission Monitor Control)と称する。また、スパッタ時に、パルス電圧のパルス幅や成膜時の全ガス圧力を適切な値に制御する。
この方法では、ターゲット電極20A,20Bに一定の周期で交互にパルス状の電力を印加することから、大電流をターゲット電極20A,20Bに流し、安定した高速成膜を低温にて行うことができる。このため、次のような利点がある。即ち、低温で、高速に膜が形成されるため、透明導電膜2として特に耐熱性に優れた材料を使用する必要がなく、所望の材料を使用することができる。また、透明基板1についても、通常ガラスが用いられるが、このガラスのような耐熱性を持っていない他の材料(例、プラスチック)を使用することもできる。交互にパルス状の電力を印加することから、異常放電を大幅に抑制でき、安定した長時間の放電が可能となり、ダメージの少ない高品質の膜が作製可能となる。
酸素や窒素の導入量が過剰になると、ターゲット21a,21bの表面が完全に酸化され、成膜速度が非常に遅くなる。このような酸素や窒素の導入量が過剰な領域を「反応性スパッタ領域」と称する。一方、酸素や窒素の導入量が少な過ぎると、ターゲット表面が酸化されずに成膜が行われ、その結果、成膜中の酸素量や窒素量が不足する。このような領域を「金属的スパッタ領域」と称する。本実施の形態では、PEMコントロールを行っているため、プラズマ中の金属の密度に基づいて適切な量の酸素や窒素を導入することができる。これにより、上記2領域の中間領域である「遷移領域」でのスパッタが可能となる。その結果、適切な量の酸素及び窒素を含有した膜を高速で成膜することができる。
n層4は、太陽電池としての用途に使用されるため透明である必要はなく、むしろ可視光を吸収する材料であることが望ましい。そこで可視光応答性を向上させる一つの方法として、ドーピングによるエネルギーギャップのコントロールが提案できる。その一例として、n層としてTiO2へ窒素をドーピングしたものを使用することが考えられる。TiO2に窒素を導入することによりエネルギーギャップを3.2eVから2.5eV以下に減少させることができ、これによって可視光に対する応答性が大幅に向上する。しかしながら、従来の反応性スパッタ法では、膜中への有効な窒素の導入が困難であった。本実施の形態のデュアルカソード方式マグネトロンスパッタ法では、高速成膜を実現することにより、窒素を有効に膜中に取り込むことが可能となり、これにより、エネルギーギャップの減少を実現することができる。なお、成膜中の窒素の含有量が増加し過ぎると、窒化酸化チタンのエネルギーギャップが小さくなって可視光に対する応答性は増加する一方で、格子欠陥などが過度に導入されて電池特性の低下が生じるが、本実施の形態によれば成膜中の窒素含有量を最適な値とすることができる。また、アニオンの置換だけでなくカチオンの置換によってもエネルギーギャップのコントロールが可能である。
本実施の形態において、成膜時に基板側を加熱することにより、作製される膜の結晶性と結晶系を制御することができる。また、複数のカソードに印加するパルス電圧のパルス形状やパルス幅、さらには電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数を変化させることによっても結晶系を制御することができる。例えば、酸化窒化チタンはアモルファス相、アナターゼ相、ルチル相、ブルッカイト相の結晶構造が存在することが確認されているが、成膜時の基板の加熱温度やパルス形状を制御することによって得られる膜の結晶構造を制御することができ、望ましい結晶系での成膜が可能となる。
本実施の形態においては、各ターゲット電極に交互にパルス状の負の電圧が印加されるが、これに加え、間欠的に正の電圧を印加するようにしてもよい。この場合、負の電圧によってターゲットに蓄積された荷電が正の電圧により解消されるため、スパッタリング中にターゲットの縁部に酸化物等の絶縁膜が形成することが抑えられる。
本実施の形態では、1個の基板1を1個のターゲット電極20Aによって成膜する構成になっているが、異なった組成を持つ二つ以上のターゲット電極に一定の周期で交互にパルス状の電圧を印加することによって、合金の酸化窒化物を成膜してもよい。この場合、異なるターゲット電極にそれぞれ異なったパルス電圧やパルス数を印加することによって、最終的に堆積される膜の組成を制御することができ、その結果、太陽電池特性を一層向上させることができる。
本実施の形態では反応性スパッタリングを行ったが、ターゲットとして金属の酸化物、窒化物又は酸化窒化物を採用し、酸素ガス及び窒素ガスを供給することなくスパッタリングを行って成膜してもよい。
1 透明基板
2 透明導電膜
3 p層
4 n層
5 金属電極
10 太陽電池
20a,20b 支持体
20A,20B ターゲット電極
21a,21b ターゲット
22a,22b 磁石
24 スイッチングユニット
25 交流電源
26 カバー
27 ガス導入口
28 排気口
2 透明導電膜
3 p層
4 n層
5 金属電極
10 太陽電池
20a,20b 支持体
20A,20B ターゲット電極
21a,21b ターゲット
22a,22b 磁石
24 スイッチングユニット
25 交流電源
26 カバー
27 ガス導入口
28 排気口
Claims (17)
- p層とn層とを積層したpn接合型太陽電池において、該p層と該n層がスパッタ法で作製した金属の酸化物及び/又は酸化窒化物であることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、p層がCuの酸化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化物であることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、p層がCuの酸化窒化物、CuにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物、又はAgにAl、Ga、Sc、Cr、In、Yの少なくとも一つをドープした金属の酸化窒化物であることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、n層がTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化物であることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、n層がTi、Zn及びSnの少なくとも一つを含む金属の酸化窒化物であることを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、p層及び/又はn層をスパッタ成膜する際、複数のカソードを配置し、各カソードに交互に間欠的な電圧を印加することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、p層及び/又はn層をスパッタ成膜する際、負に印加されているターゲットに対して、間欠的に正の電圧を印加することによって該ターゲットのチャージアップを抑制することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、ターゲットが金属又は合金であり、酸素ガスと窒素ガスの少なくとも一種類を流しながら反応性スパッタリングを行うことによってp層及び/又はn層を成膜することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1において、ターゲットが導電性をもつ金属又は合金の酸化物又は酸化窒化物であり、酸素ガスと窒素ガスの少なくとも一種類を流しながら反応性スパッタリングを行うことによってp層及び/又はn層を成膜することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1ないし9のいずれか1項において、スパッタ時における放電の発光波長をモニタリングすることによって酸素及び/又は窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項10において、スパッタ時における放電の発光波長をモニタリングすることによって、ターゲットが部分的に酸化及び/又は窒化されている遷移領域となるように酸素ガス及び/又は窒素ガスの供給量を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項8ないし11のいずれか1項において、スパッタ時における放電の発光波長と発光強度をモニタリングすることに加えて、さらに成膜時の窒素流量比、成膜圧力、パルス電圧のパルス幅、パルス電圧のパルス周波数及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることにより、酸素及び窒素のp層及び/又はn層中の含有量を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、組成の異なる複数のターゲットを用いてp層及び/又はn層を成膜することを特徴とする太陽電池。
- 請求項13において、ターゲットに印加するパルス電圧、パルス幅及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数の少なくとも一つを変化させることにより、p層及び/又はn層の組成を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1ないしの14いずれか1項において、スパッタ時に基板を加熱することによりp層及び/又はn層の金属酸化物及び/又は金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項1ないし14のいずれか1項において、複数のカソードに印加するパルス電圧のパルス幅、パルス周波数及び電圧を印加するターゲットを変更するスイッチング周波数を制御することにより、得られるp層及び/又はn層の金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とする太陽電池。
- 請求項16において、スパッタ時に基板を加熱することにより、p層及び/又はn層の金属酸化窒化物の結晶性と結晶系を制御することを特徴とする太陽電池。
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