JP2005209442A - 多方向入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作部材を中立位置に保持した状態での押圧操作の操作性を向上させることができる多方向入力装置の提供。
【解決手段】 操作部材20を傾倒させる方向の力が、摺動部材30に形成された円環状の摺接部30bと底板12aに形成された円環状の凹部12hとの嵌合と、弾性部材31の弾性力とによる抵抗力よりも小さい場合、操作部材20の傾倒が抑制されて中立位置に保持され、操作部材20を傾倒させる方向の力が、前記抵抗力よりも大きい場合、摺接部30bが凹部12hの内周側に形成された凸部12iに乗り上げて、操作部材20に節度感が発生するようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハウジングに対して傾倒操作と押圧操作が可能な操作部材を備え、この操作部材の傾倒操作および押圧操作のそれぞれに対応した信号を出力する多方向入力装置に関する。
従来の多方向入力装置は、ハウジングと、このハウジングに対して傾向操作と押圧操作が可能な操作部材と、この操作部材を中立位置に復帰させる復帰手段と、操作部材の傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、操作部材の押圧操作を検出する押圧検出手段とを備えている。
このように構成される従来の多方向入力装置は、操作部材が傾倒操作されると、この傾倒操作が傾倒検出手段により検出され、傾倒操作に対応した信号が出力される。また、操作部材を傾倒させる操作力が取除かれると、操作部材は、復帰手段により中立位置に復帰する。
また、操作部材が押圧操作されると、この押圧操作が押圧検出手段により検出され、押圧操作に対応した信号が出力される。
特開2000−357433号公報
多方向入力装置は、例えばカーナビゲーションシステムの操作に使用される。カーナビゲーションシステムの画面には、例えば、複数の選択項目と、これらの複数の選択項目のうちのいずれかが選択されていることを示すカーソルとが表示される。このカーナビゲーションシステムを多方向入力装置によって操作する場合、任意の選択項目を選択するために、その任意の選択項目の位置へのカーソルの移動を指示する信号を、操作部材の傾倒操作により入力することが行われ、次いで、任意の選択項目の選択を確定する信号を、中立位置にある状態の操作部材を押圧操作することによって入力するということが行われる。
ところで、多方向入力装置は、カーナビゲーションシステムとともに例えばインストルメントパネルの中央に設置される。このような位置に設置された多方向入力装置を操作する場合、運転席や助手席に座っている操作者は、腕を操作部材まで伸ばしてカーナビゲーションシステムの操作を行う。しかし、腕を伸ばした状態では手指の位置がぶれやすいので、中立位置にある操作部材を押圧操作する際に、手指の位置がぶれて操作部材が中立位置から傾倒した状態で押圧操作されるという操作ミスが発生することがある。
つまり、従来の多方向入力装置では、操作部材が中立位置から傾倒しやすいために、操作部材を中立位置に保持した状態で押圧操作する際に、操作部材を中立位置から傾倒させて押圧操作するという操作ミスが発生しやすかった。
本発明は、上述の実情を考慮してなされもので、その目的は、操作部材を中立位置に保持した状態での押圧操作の操作性を向上させることができる多方向入力装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、ハウジングと、このハウジングに対して傾倒操作と押圧操作が可能な操作部材と、この操作部材を中立位置に復帰させる復帰手段と、前記操作部材の傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、前記操作部材の押圧操作を検出する押圧検出手段とを備える多方向入力装置であって、前記操作部材が前記中立位置から傾倒する際に、節度感を発生させる節度感発生手段を備えることを特徴とする。
このように構成した本発明では、節度感発生手段よって、操作部材を中立位置から傾倒しにくくすることができるとともに、操作部材が中立位置から傾倒したことを報知できる。これらにより、操作部材を中立位置に保持した状態での押圧操作の操作性を向上させることができる。
また、本発明は、前記発明において、前記傾倒検出手段が、前記操作部材が挿入されるとともに、互いに直交した状態で前記ハウジングに回動可能に支持される第1回動部材および第2回動部材と、前記第1回動部材の回動を検出する第1回動検出手段と、前記第2回動部材の回動を検出する第2回動検出手段とを備え、前記復帰手段が、前記操作部材に対してこの操作部材の軸方向に摺動可能に設けられる摺動部材と、前記操作部材と前記摺動部材の間に介在し前記摺動部材を前記ハウジングに圧接させる弾性部材とを備え、前記節度感発生手段が、前記摺動部材と前記ハウジングとの形状とにより構成される係脱手段からなることを特徴とする。
このように構成した本発明では、節度感発生手段が、摺動部材とハウジングとの形状により構成される係脱手段からなる。これにより、第1回動部材および第2回動部材とハウジングとの形状により係脱手段を構成する場合や、第1回動検出手段を構成する部品の形状および第2回動検出手段を構成する部品の形状により係脱手段を構成する場合よりも節度感発生手段の構成を簡単にすることができる。
また、本発明は、前記発明において、前記係脱手段が、前記摺動部材および前記ハウジングのいずれか一方に設けられる凸部と、他方に設けられる凹部からなることを特徴とする。このように構成した本発明では、係脱手段を容易に設けることができる。
また、本発明は、前記発明において、前記凸部を前記摺動部材に形成し、前記凹部をハウジングに形成したことを特徴とする。このように構成した本発明では、摺動部材の強度を低下させずに係脱手段を設けることができる。
また、本発明は、前記発明において、前記凸部を円環状に配置し、前記凹部を円環状に形成したことを特徴とする。このように構成した本発明では、操作部材を中立位置から何れの方向に傾倒させても、節度感を発生させることができる。
以上で説明したように、本発明によれば、節度感発生手段によって、操作部材を中立位置から傾倒しにくくすることができるとともに、操作部材が中立位置から傾倒したことを報知できる。したがって、操作部材を中立位置に保持した状態での押圧操作の操作性を向上させることができる。この結果、操作部材を中立位置に保持した状態で押圧操作を行う際に、操作部材を傾倒させて押圧操作するという操作ミスを低減することができる。
以下で、本発明の多方向入力装置の一実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の多方向入力装置の一実施形態を示す分解斜視図、図2は、本実施形態の縦断面図、図3は、図2のIII‐III断面図、図4は、本実施形態に備えられる係脱手段を示す図であって操作部材が中立位置にあるときの係脱手段の状態を示す断面図、図5は、操作部材が傾倒したときの係脱手段の状態を示す断面図である。
図1〜3に示すように、本実施形態は、ハウジング10と、このハウジング10に対して傾倒操作と押圧操作が可能な操作部材20と、この操作部材20を中立位置に復帰させる復帰手段と、操作部材の傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、操作部材の押圧操作を検出する押圧検出手段50とを備えている。
ハウジング10は、下面で開口するハウジング本体11と、このハウジング本体11の下部に取付けられ、ハウジング本体11の下面を塞ぐ下部蓋体12とを備えている。
ハウジング本体11は、例えば鉄板のプレス加工により成形され、ハウジング10の天井となる上板11aと、第1〜第4側板11b〜11eとを備える平面視形状が矩形の部材である。上板11aの中央には、円形の孔11fを形成してある。第1側板11bには、半円形の切欠き11gを形成してある。第2側板11cには、横孔11hを形成してある。この横孔11hは、第1側板11bの半円形状の切欠き11gに対向させてある。第3側板11dおよび第4側板11eのそれぞれには、横孔11i(図3参照),11jを形成してある。これらの横孔11i,11jは、互いに対向させてある。
また、第1側板11bには、半円形状の切欠き11gと連続する半矩形の切欠き11kと、この半矩形の切欠き11kの上縁部であって半円形の切欠き11gの両側において第1側板11bから外方に延びる2本の舌部11lとを形成してある。
また、第1側板11bおよび第2側板11cのそれぞれの下端には、下方に延びる2本の脚部11mを形成してある。これらの脚部11mは、ハウジング本体11と下部蓋体12とを組付けるためのものである。
また、第3側板11dおよび第4側板11eのそれぞれの下端の両側部には、下方に延びる脚部11nを形成してある。これらの脚部11nは、下部蓋体12の下方に配置される基板(図示せず)に、ハウジング10を取付けるためのものである。
下部蓋体12は、樹脂材を成形してなり、下部蓋体12の底板12aと、この底板12aの縁部で立ち上がる第1〜第4側壁12b〜12eとを備えている。第2側壁12cおよび第3側壁12dは、底板12aの縁部に部分的に形成してある。第1側壁12bには、押圧検出手段50が設置される設置部12fを設けてある。第3側壁12dには、ハウジング本体11の第3側板11dに嵌合して第3側板11dおよび第4側板11eを下部蓋体12に対して位置決めする位置決め手段として、第3側壁12dから外方に突出して立ち上がる2つのL字部12gを形成してある。
また、操作部材20は、樹脂材を成形してなり、ハウジング本体11の上板11aの孔11fに挿入される第1棒状部21と、ハウジング10内に配置される第2棒状部22とを有する。第1棒状部21と第2棒状部22は互いに同心にしてある。第1棒状部21は、第2棒状部22よりも小径に形成してあり、図示しないが操作の際に操作者が摘むツマミを取付けてある。第2棒状部22内には、この第2棒状部22の下面で開口する円筒状の中空部22aを形成してある。また、第2棒状部22の周側面には、操作部材20の軸線に直交するA方向への傾倒の軸、すなわち、第1傾倒軸部22bおよび第2傾倒軸部22c(図3参照)を突出させてある。
操作部材20は、第1回動部材40(第2回動部材41については後述する)によって、A方向、B方向およびこれらの方向の中間方向に傾倒可能に支持してある。第1回動部材40は、ハウジング本体11の第1側板11bおよび第2側板11cに、B方向に回動可能に支持してある。この第1回動部材40には、平面視形状が略矩形の環状部40aを形成してあり、この環状部40aに操作部材20の第2棒状部22を挿入してある。環状部40aの短手方向において対向する両壁部のそれぞれには、操作部材20の第2棒状部22に形成される各傾倒軸部22b,22cが挿入される軸孔40b,40cを形成してある。また、環状部40aの長手方向において対向する両壁部のそれぞれには、第1回動部材40のB方向への回動の軸、すなわち、第1回動軸部40dおよび第2回動軸部40eのそれぞれを突出させてある。第1回動軸部40dは、ハウジング本体11の第1側板11bに形成される半円状の切欠き11gに配置してあり、第2回動軸部40eは、ハウジング本体11の第2側板11cに形成される横孔11hに挿入してある。
また、復帰手段は、操作部材20に対してこの操作部材20の軸方向に摺動可能に設けられる摺動部材30と、操作部材20と摺動部材30の間に介在し摺動部材30を下部蓋体12の底板12aに圧接させる弾性部材31とを備えている。
摺動部材30は、操作部材20の第2棒状部22内に形成される円筒状の中空部22aに挿入される円筒状部30aと、円筒状部30aの下部から外方および下方に突出する円環状の部分からなり底板12aに摺接する摺接部30bと、円筒状部30aの上端から突出し弾性部材31が嵌合される嵌合部30cとを有する。摺接部30bの下面は、操作部材20が中立位置にあるとき、操作部材20の軸線から遠い位置ある摺接部30bの下面の部分ほど底板12aとの間隔が大きくなる曲面に形成してある。
弾性部材31は、コイルばねからなり、摺動部材30の嵌合部30cに嵌合して圧縮した状態で、第2棒状部22の中空部22aに収納してある。
また、傾倒検出手段は、互いに直交した状態でハウジング10に回動可能に支持される前記第1回動部材40および第2回動部材41と、第1回動部材40の回動を検出する第1回動検出手段43と、第2回動部材41の回動を検出する第2回動検出手段44とを備えている。
第2回動部材41は、例えばリン青銅板をプレス加工により成形してなり、頂面が平坦な山形に形成される山形部41aと、第2回動部材41のA方向の回動の軸、すなわち第1回動軸部41bおよび第2回動軸部41c(図3参照)とを備えている。山形部41aには、操作部材20の第1棒状部21が挿入されるスリット41dを形成してある。このスリット41dは、山形部41aの長手方向に長く形成してある。第1回動軸部41bおよび第2回動軸部41cはそれぞれ、山形部41aの長手方向における両側部のそれぞれに形成してある。第1回動軸部41bは、ハウジング本体11の第3側板11dに形成される横孔11iに挿入してあり、第2回動軸部41cは、第4側板11eに形成される横孔11jに挿入してある。
第1回動検出手段43および第2回動検出手段44のそれぞれは、例えば可変抵抗器からなり、図2,3に示すように、ケース45と、このケース45にインサート成形により一体化された回路基板46と、この回路基板46上を摺動する摺動子47と、この摺動子47が固定され、ケース45に回転可能に支持される回転体48とを備えている。
第1回動検出手段43は、ハウジング本体11の第2側板11cに取付けてある。第1回動検出手段43の回転体48には、第1回動部材40の第2回動軸部40eが取付けてあり、回転体48と第2回動軸部40eが一体的に回転するようにしてある。つまり、第1回動検出手段43では、操作部材20のB方向の傾倒に伴って第1回動部材40が回動すると、第1回動部材40の第2回動軸部40eとともに回転体48が回転し、この回転体48の回転とともに摺動子47が回路基板46上を摺動し、これにより、操作部材20のB方向の傾倒角度が、回路基板46上の摺動子47の位置、すなわち、抵抗値として検出されるようにしてある。
第2回動検出手段44は、ハウジング本体11の第3側板11dに取付けてある。第2回動検出手段44の回転体48には、第2回動部材41の第1回動軸部41bを取付けてあり、回転体48と第1回動軸部41bが一体的に回転するようにしてある。つまり、第2回動検出手段44では、操作部材20のA方向の傾倒に伴って第2回動部材41が回動すると、第2回動部材41の第1回動軸部41bとともに回転体48が回転し、この回転体48の回転とともに摺動子47が回路基板46上を摺動し、これにより、操作部材20のA方向の傾倒角度が、回路基板46上の摺動子47の位置、すなわち、抵抗値として検出されるようにしてある。
また、押圧検出手段50は、図1に示すように、押ボタンスイッチからなり、押ボタン51と、この押ボタン51によりON/OFFするスイッチ回路(図示せず)と、このスイッチ回路が収納されるケース52と、このケース52から下方に突出しこのケース52を下部蓋体の設置部12fを挟持する脚部53とを備えている。なお、この脚部53は、前記スイッチ回路と導通する端子となっている。
設置部12fに設置されたケース52上面には、図2に示すように、ハウジング本体11の第1側板11bに形成される2本の舌部11lを配置して、ケース52の上方への移動を防止してある。また、押ボタン51上面には、第1回動部材40の第1回動軸部40dを配置してあり、これにより、操作部材20が押圧操作されたときに、第1回動部材40を介して押ボタン51が押圧操作されるようにしてある。
特に、本実施形態では、操作部材20が中立位置から傾倒する際に、節度感を発生させる節度感発生手段を備えている。この節度感発生手段は、例えば、摺動部材30とハウジング10の形状により構成にしてあり、摺動部材30およびハウジング10のいずれか一方、例えば摺動部材30に形成される凸部と、他方、すなわちハウジング10に形成される凹部とからなる。
前記凸部は、図2,3に示すように、摺動部材30の円筒状部30aの下部から外方および下方に突出する円環状の部分からなり下部蓋体12の底板12aに摺接する前記摺接部30bからなる。摺接部30bの内周側の縁には、丸みを帯びさせてある。凹部は、底板12aに形成される円環状の凹部12hからなる。この凹部12hの内周側の縁には、丸みを帯びさせてある。また、凹部12hの内周側に形成される凸部12iの上面は、中央が最も高いなだらかな山形に形成してある。
このように構成した本実施形態の動作を次に説明する。
はじめに、操作部材20の傾倒操作に関連する本実施形態の動作を、次の(1)〜(6)で説明する。
(1)操作部材20の中立時
操作部材20が中立位置にあるとき、摺動部材30は、図4に示すように、摺接部30bが下部蓋体12の底板12aの凹部12hに嵌合し、摺接部30bの下端が弾性部材31により底板12aに圧接された状態である。これにより、操作部材30は、中立位置からの傾倒が抑制されている。
(2)操作部材20の傾倒操作開始時
操作部材20が中立位置にある状態で、A方向、B方向およびA方向とB方向の中間方向のいずれかの方向の操作力が操作部材20に与えられたとき、操作部材20は、弾性部材31の弾性力と、摺動部材30の摺接部30bと底板12aの凹部12hの嵌合とによる抵抗力に抗して、操作力の方向へ傾倒し始める。そして、図5に示すように、摺接部30bが凹部12hの内周側に形成された凸部12i上に乗り上げるときに、操作部材30に節度感が発生する。
(3)操作部材20のA方向への傾倒操作時
操作部材20が中立位置にある状態でA方向の操作力が操作部材20に与えられたとき、操作部材20は、第2棒状部22に形成された第1傾倒軸部22bおよび第2傾倒軸部22cを中心にA方向へ、すなわち、第2回動部材41のスリット41dの短手方向へ傾倒する。したがって、第2回動部材41は、第1棒状部21によってA方向に押圧されて、第1回動軸部41bおよび第2回動軸部41cを中心にA方向に回動する。
すると、第2回動検出手段44では、第2回動部材41の第1回動軸部41bとともに回転体48が回転し、この回転体48とともに摺動子47が回路基板46上を摺動する。これにより、操作部材20のA方向の傾倒角度が抵抗値として検出され、操作部材20のA方向の傾倒角度に対応した信号が出力される。
(4)操作部材20のB方向への傾倒操作時
操作部材20が中立位置にある状態でB方向の操作力が操作部材20に与えられたとき、操作部材20は、第1回動部材40とともにこの第1回動部材40の第1回動軸部40dおよび第2回動軸部40eを中心にB方向に傾倒する。
すると、第1回動検出手段43では、第1回動部材40の第2回動軸部40eとともに回転体48が回転し、この回転体48とともに摺動子47が回路基板46上を摺動する。これにより、操作部材20のB方向の傾倒角度が抵抗値として検出され、操作部材20のB方向の傾倒角度に対応した信号が出力される。
(5)操作部材20のA方向とB方向の中間方向への傾倒操作時
操作部材20が中立位置にある状態で、A方向とB方向の中間方向の操作力が操作部材20に与えられたとき、操作部材20は、第2棒状部22に形成された第1傾倒軸部22bおよび第2傾倒軸部22cを中心にA方向に傾倒し、同時に、第1回動部材40とともにこの第1回動部材40の第1回動軸部40dおよび第2回動軸部40eを中心にB方向に傾倒することによって、中間方向に傾倒する。
すると、第1回動検出手段43では、操作部材20の中間方向の傾倒角度を構成するB方向の角度成分が、抵抗値として検出されてB方向の角度成分に対応する信号が出力される。同時に、第2回動検出手段44では、操作部材20の中間方向の傾倒角度を構成するA方向の角度成分が抵抗値として検出されてA方向の角度成分に対応する信号が出力される。
(6)操作部材20の中立位置への復帰時
操作部材20が傾倒した状態で操作部材20に操作力が与えられなくなると、弾性部材31が伸長し、この伸長する弾性部材31により摺動部材30が第2棒状部22の中空部22aから押し出される。すると、摺動部材30は、摺接部30bの下面が曲面になっていることと、底板12aの凹部12hの内周側に位置する凸部12iの上面が山形になっていることとにより、中立位置に復帰し、これに伴って、操作部材20が中立位置へ復帰する。
次に、操作部材20の押圧操作に関連する本実施形態の動作を、次の(7),(8)で説明する。
(7)操作部材20の押圧操作時
操作部材20が中立位置にある状態で操作部材20に下方向の操作力が与えられたとき、操作部材20に与えられた操作力が、操作部材20の第1傾倒軸部22bおよび第2傾倒軸部22cを介して、第1回動部材40に与えられる。すると、第1回動部材40の第1回動軸部40dが下方に移動し、第1回動軸部40dにより押ボタン51が押圧操作されて、スイッチ回路がONする。つまり、操作部材20の押圧操作が押圧検出手段50(押ボタンスイッチ)により検出され、操作部材20の押圧操作に対応した信号が出力される。
(8)操作部材20の傾倒の抑制および報知
操作部材20が中立位置にある状態で操作部材20が押圧操作されるとき、操作部材20に与えられる操作力に下方向以外の方向の力の成分、すなわち、操作部材20を傾倒させる方向の力が与えられることがある。
前記傾倒させる方向の力が、摺動部材30の摺接部30bと底板12aの凹部12hとの嵌合と、弾性部材31の弾性力とによる抵抗力よりも小さい場合、操作部材20の傾倒が抑制されて中立位置に保持されるので、操作部材20が中立位置にある状態で押圧操作が行われる。
前記傾倒させる方向の力が、摺動部材30の摺接部30bと底板12aの凹部12hとの嵌合と、弾性部材31の弾性力とによる抵抗力よりも大きい場合、摺動部材30の摺接部30bが凹部12hの内周側に形成された凸部12iに乗り上げる。このとき、操作部材20に節度感が発生し、操作部材20が傾倒したことが報知される。
本実施形態によれば、次の効果を得られる。
本実施形態では、摺接部30bと凹部12hからなる節度感発生手段によって、操作部材20を中立位置から傾倒しにくくすることができるとともに、操作部材20が中立位置から傾倒したことを報知できる。したがって、操作部材20を中立位置に保持した状態での押圧操作の操作性を向上させることができる。この結果、操作部材20を中立位置に保持した状態で押圧操作を行う際に、操作部材20を傾倒させて押圧操作するという操作ミスを低減することができる。
また、本実施形態では、節度感発生手段が、摺動部材30とハウジング10との形状により構成される係脱手段からなる。これにより、第1回動部材40および第2回動部材41とハウジング10との形状により係脱手段を構成する場合や、第1回動検出手段43を構成する部品の形状および第2回動検出手段44を構成する部品の形状により係脱手段を構成する場合よりも節度感発生手段の構成を簡単にすることできる。
また、本実施形態では、摺動部材30の円筒状部30aの下部から外方および下方に突出する円環状の部分からなり下部蓋体12の底板12aに摺接する摺接部30bと、下部蓋体12の底板12aに形成される円環状の凹部12hとにより係脱手段を構成した。これにより、容易に係脱手段を設けることができる。
また、本実施形態では、係脱手段の凹部として、ハウジング10の底板12aに円環状の凹部12hを形成し、係脱手段の凸部を、摺動部材30の摺接部30bとした。これにより、摺接部30bの強度を低下させずに係脱手段を設けることができる。
また、本実施形態では、係脱手段の凸部および凹部を円環状に形成した。これにより、A方向、B方向および中間方向の何れの方向に操作部材20を傾倒させても、節度感を発生させることができる。
なお、本実施形態では、節度感発生手段を係脱手段とし、この係脱手段を、摺動部材30の凸部(摺接部30b)と、下部蓋体12の底板12aに形成される凹部12hとから構成したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、摺接部30bに十分な強度をもたせることができるならば、摺動部材30に凹部を形成し、ハウジング10に凸部を形成して係脱手段を構成してもよい。
また、係脱手段は、摺動部材30とハウジング10との形状により構成するものに限らず、第1回動部材40および第2回動部材41とハウジング10との形状により構成してもよいし、第1回動検出手段43を構成する部品の形状および第2回動検出手段44を構成する部品の形状により係脱手段を構成してもよい。
また、本実施形態では、係脱手段の凸部(摺接部30b)を円環状に形成したが、本発明はこれに限るものではなく、複数の凸部を円環状に配置したものでもよい。
本発明の多方向入力装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 本実施形態の縦断面図である。 図2のIII‐III断面図である。 本実施形態に備えられる係脱手段を示す図であって操作部材が中立位置にあるときの係脱手段の状態を示す断面図である。 操作部材が傾倒したときの係脱手段の状態を示す断面図である。
符号の説明
10 ハウジング
11 ハウジング本体
12 下部蓋体(ハウジング)
12a 底板
12h 凹部(係脱手段の凹部)[節度感発生手段]
20 操作部材
30 摺動部材(復帰手段)
30b 摺接部(係脱手段の凸部)[節度感発生手段]
31 弾性部材(復帰手段)
40 第1回動部材(傾倒検出手段)
41 第2回動部材(傾倒検出手段)
43 第1回動検出手段(傾倒検出手段)
44 第2回動検出手段(傾倒検出手段)
50 押圧検出手段

Claims (5)

  1. ハウジングと、このハウジングに対して傾倒操作と押圧操作が可能な操作部材と、この操作部材を中立位置に復帰させる復帰手段と、前記操作部材の傾倒操作を検出する傾倒検出手段と、前記操作部材の押圧操作を検出する押圧検出手段とを備える多方向入力装置であって、
    前記操作部材が前記中立位置から傾倒する際に、節度感を発生させる節度感発生手段を備えることを特徴とする多方向入力装置。
  2. 請求項1記載の発明において、
    前記傾倒検出手段が、前記操作部材が挿入されるとともに、互いに直交した状態で配置され前記ハウジングに回動可能に支持される第1回動部材および第2回動部材と、前記第1回動部材の回動を検出する第1回動検出手段と、前記第2回動部材の回動を検出する第2回動検出手段とを備え、
    前記復帰手段が、前記操作部材に対してこの操作部材の軸方向に摺動可能に設けられる摺動部材と、前記操作部材と前記摺動部材の間に介在し前記摺動部材を前記ハウジングに圧接させる弾性部材とを備え、
    前記節度感発生手段が、前記摺動部材と前記ハウジングとの形状により構成される係脱手段からなることを特徴とする多方向入力装置。
  3. 請求項2記載の発明において、
    前記係脱手段が、前記摺動部材および前記ハウジングのいずれか一方に設けられる凸部と、他方に設けられる凹部からなることを特徴とする多方向入力装置。
  4. 請求項3記載の発明において、
    前記凸部を前記摺動部材に形成し、前記凹部をハウジングに形成したことを特徴とする多方向入力装置。
  5. 請求項3または4記載の発明において、
    前記凸部を円環状に配置し、前記凹部を円環状に形成したことを特徴とする多方向入力装置。
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