JP2005208631A - 電子写真用現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高画質を維持しながら、クリーニング性を十分に確保することができる電子写真用現像剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 重合法で製造した球形トナーと、重合法で製造し、かつ表面に凹凸を有する非球形トナーとからなる電子写真用現像剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用現像剤に関し、より詳細には、クリーニング性を確保しつつ、より高画質の画像を得ることができる電子写真用現像剤に関する。
近年、重合法により製造される球形度の高いトナーが用いられてきている。
このような球形度の高いトナーは、得られた画像を高画質にするなどのメリットがあるが、その一方、転写後の潜像担持体表面での転写残りトナーが、球形トナーであるがゆえに、クリーニング装置でクリーニングされにくいというデメリットがある。
これに対して、重合トナーを異形化してクリーニング性を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、球形トナーに一定の割合で非球形トナーを混合してクリーニング性を高める方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかし、上記特許文献1の方法では、重合トナーを異形化したトナーを100%使用したり、粉砕法で作製した非球形トナー混合しているので、画質の劣化は免れない。
また、本発明者らの検討において、非球形トナーは、球形トナーに比較して、例えば、二成分系の現像剤においてはキャリアと、一成分系の現像剤においては現像スリーブ等と、付着力が強く、球形トナーが選択的に現像され、非球形トナーが現像器内に残りやすくなり、現像器内の非球形トナーの割合が増加することに起因する現像剤の帯電低下、画質劣化を引き起こすという問題が発生することが判明した。
更には、前述の特許文献2記載のように非球形トナーを球形トナーに混合する場合には、トナーを補給しながら印刷枚数を増やしていくと、クリーニング性が低下するという問題が発生することも判明した。
特開平7−114212号公報 特開平7−49584号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高画質を維持しながら、クリーニング性を十分に確保することができる電子写真用現像剤を提供することを目的とする。
本発明の電子写真用現像剤は、重合法で製造した球形トナーと、重合法で製造し、かつ表面に凹凸を有する非球形トナーとからなることを特徴とする。
また、上記電子写真用現像剤において、非球形トナーの体積中心粒径が、球形トナーの体積中心粒径よりも小さいことが好ましい。
さらに、非球形トナーの帯電量が、球形トナーの帯電量よりも小さいことが好ましい。
また、球形トナー及び非球形トナーの表面に外添剤が固着されており、前記非球形トナーの外添剤量が前記球形トナーの外添剤量よりも多いことが好ましい。
本発明の電子写真用現像剤によれば、非球形トナー、つまり表面に凹凸を有する異形トナーを球形トナーと組み合わせて用いることにより、非球形トナー表面の凹凸によってクリーニング性を十分に確保しながら、球形トナーによる高画質を維持することができる。しかも、非球形トナーは、重合法で製造されているために、表面が粉砕法によるトナーより滑らかであり、球形トナーに近い高品質の画像を得ることができる。
また、非球形トナーの体積中心粒径が、球形トナーの体積中心粒径よりも小さい場合には、球形トナーに比較して、被転写材との接触面積を小さくすることができるため被転写材へ転写しにくくなる。よって、転写後の感光体層上に非球形トナーを多く残存させることができ、非球形トナーに起因するクリーニング性を向上させることができる。
さらに、非球形トナーの帯電量が球形トナーの帯電量よりも小さい場合には、現像剤中にキャリアが含まれている場合においても、キャリアとの付着力を球形トナーと同等にすることができる。あるいは、現像剤中にキャリアが含まれていない場合でも、現像スリーブとの付着力を、球形トナーと同等にすることができる。一般に、現像されやすいトナーと現像されにくいトナーとが生じることにより、現像器内に現像されにくいトナーがたまり続ける選択現像という現象が見られることがあるが、このように、帯電量を制御することにより、帯電性に起因するキャリア等との付着力を制御することができ、球形トナーの選択現像を防止することができる。
また、球形トナー及び非球形トナーの表面に外添剤が固着されており、前記非球形トナーの外添剤量が前記球形トナーの外添剤量よりも多い場合には、キャリアや現像スリーブへの付着力を球形トナーと同等にすることができるため、非球形トナーの選択現像を抑制することができる。
本発明の電子写真用現像剤は、重合法で製造した球形トナーと重合法で製造し表面に凸凹を有する非球形トナーとからなる。
本発明における球形トナーは、重合法で製造したトナーであり、言い換えると、円形度が高いトナーである。重合法とは、いわゆる湿式造粒法を意味し、代表的には、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、界面重合法、シード重合法等が挙げられるが、広義には、懸濁法、溶解懸濁法(例えば、特開平11−52619号公報参照)、転相乳化法(例えば、特開平4−303849号公報及び特開平5−66600号公報参照)等であってもよい。なかでも、製造設備、生産性、上述した円形度を容易に実現できることなどを考慮すると、懸濁重合法及び乳化重合法が好ましい。これらの方法は、当該分野においてそれ自体公知の方法の全てを利用することができる。
例えば、懸濁重合法としては、着色剤、任意に添加剤を分散したモノマー溶液を、この溶液が相溶しない溶媒に分散粒径化して懸濁させ、懸濁状態でモノマーを重合することにより球形トナーを得る方法、乳化重合法としては、ミセル内でモノマーを重合させる方法等が挙げられる。なお、トナーの体積平均粒子径及び円形度等は、製造工程における熱負荷、加える力(攪拌の回転数、回転速度等)の大きさ、原料の種類等、種々の製造条件を適宜選択、組み合わせることにより調整することができる。
重合法で製造した球形トナーは、例えば、形状係数SF−2が130以下、好ましくはより好ましくは120以下、さらに好ましくは115以下のトナーである。
ここで、形状係数SF−2とは、式
形状係数SF−2= (トナー粒子の周長)2/(トナー粒子の投影面積)×(1/4π)×100により現すことができる。なお、粒子投影像は、電子顕微鏡を用いて倍率1000倍〜10000倍に拡大した写真を撮影し、トナー像を無作為にサンプリングする。その画像情報を画像解析装置に導入して解析をことで得ることができる。
本発明における非球形トナーは、重合法で製造し、かつ表面に凹凸を有するトナーである。その形状係数SF−2は130以下が好ましく、後述の選択現像性の観点から球形トナーの形状係数SF−2より若干大きいことが好ましい。ここで、重合法とは、上述したものと同様のものが挙げられる。表面に凹凸を形成する方法としては、例えば、無機微粒子が添加されたモノマー相により重合して球形トナーを形成した後、無機微粒子を化学的に除去することによりこの無機微粒子の粒径に相当する凹部を表面に形成する方法(特開平7−114212号公報参照)等が挙げられる。本発明では、このような重合法で作製した表面に凹凸を有する異形トナーを、重合法で作製した球形トナーに混合することでこれにより、クリーニング性を維持したままで、画質の向上を図ることができる。
なお、この方法においては、無機微粒子の大きさは、トナー自体の大きさ、トナーに表面を処理する外添剤等の粒径等を考慮して適宜調整することができる。例えば、得ようとするトナー粒径の1〜35%程度の粒径、あるいは後述する外添剤の粒径程度が挙げられる。また、モノマー相への無機微粒子の添加量は、モノマー100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましい。これらの方法においては、上述したように、製造工程における熱、力、原料等、特に重合法においては、無機微粒子の粒径、添加量等を適宜調整、組み合わせることにより、非球形トナーの凹凸の大小及び密度等を調整することができる。
なお、球形トナー及び非球形トナーは、通常、その形状が異なるのみであり、両者とも、電子写真用現像剤として通常用いられるような材料によって構成されているもののいずれであってもよい。また、現像剤を構成するいかなるタイプのトナーにも適用することが可能である。例えば、一成分系現像剤としてもよいし、キャリアと混合して二成分系現像剤としてもよい。一成分系現像剤は、結着樹脂と着色剤とを少なくとも有するものであればよく、例えば、結着樹脂に着色剤を分散混合し、必要により帯電制御剤や表面処理剤等の添加剤を外添又は内添したものが挙げられる。また、二成分系現像剤として、これをキャリアと混合してもよい。なお、球形トナーと非球形トナーとは、その組成、つまりトナーを構成する結着樹脂や着色剤等の種類や量等が異なるものであってもよいが、同一であることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体(スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体)、スチレン−メタクリル酸系共重合体(スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体)、スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合体)、ポリ塩化ビニル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニルブチレール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等があげられ、これらが単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
スチレン−アクリル系重合体は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体であり、必要により、その他の単量体が共重合されていてもよい。スチレン系単量体としては、下記式(1):
CH2=C(R1)−Φ……(1)
式中、R1は、水素原子、炭素数4以下の低級アルキル基又はハロゲン原子であり、Φは、ベンゼン環であり、このベンゼン環は、炭素数4以下の低級アルキル基やハロゲン原子等の置換基を有していてよい、で表される単量体、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−クロルスチレン、o−,m−,p−クロロスチレン、ビニルキシレン等を挙げることができ、これらのスチレン系単量体は、単独又は2種以上使用されていてもよい。
一方、アクリル系単量体としては、下記式(2):
CH2=C(R2)−COO−R3……(2)
式中、R2は、水素原子又は炭素数4以下の低級アルキル基であり、R3は、水素原子、又は、置換乃至未置換の炭素数18以下の炭化水素基である、で表される単量体、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタクリル酸エチル等を挙げることができる。また、上記で例示したもの以外にも、他のエチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物、例えばマレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸及びそれらの酸無水物を挙げることができる。これらのアクリル系単量体は、単独又は2種以上使用されていてもよい。
また、上記スチレン系単量体及びアクリル系単量体以外の単量体としては、以下のものを例示することができる。
下記式(3):
CH2=CH−O−R4……(3)
式中、R4は、炭素数12以下の一価炭化水素基である、で表されるビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等。
下記式(4):
CH2=C(R5)−C(R6)=C−R7……(4)
式中、R5〜R7の各々は、水素原子、炭素数4以下の低級アルキル基又はハロゲン原子である、で表されるジオレフィン、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等。
下記式(5):
CH2=C(R8)(R9)……(5)
式中、R8及びR9は、水素原子又は炭素数8以下のアルキル基である、で表されるモノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1等。
下記式(6):
CH2=CH−OOCR10……(6)
式中、R10は、水素原子又は炭素数4以下の低級アルキル基である、で表されるビニルエステル、例えばギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等。また、上記以外にも、定着樹脂自体が有する電荷制御作用を補強するために、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基等のアニオン性基や、第1級、第2級或いは第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、アミド基、イミノ基、イミド基、ヒドラジノ基、グアニジノ基、アミジノ基等の塩基性窒素含有基などのカチオン性基を含有する単量体を、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などにより、定着樹脂中に組み込むこともできる。
上述したスチレン−アクリル系重合体は、トナーに要求される定着性と検電性とを備えており、一般に、スチレン系単量体(A)とアクリル系単量体(B)とを、A:B=50:50乃至90:10の重量比で含有していることが好ましく、スチレン系単量体及びアクリル系単量体以外の他の単量体の含有量は、20.0重量%以下であるのがよく、更に、該重合体の酸価は25以下であり、ガラス転移温度(Tg)は50乃至75℃の範囲に
あることが望ましい。
ポリエステル樹脂は、それ自体公知の多価アルコールと多価カルボン酸との重縮合によって得られるものを使用することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上のアルコール類を例示することができ、これらの多価アルコールは、1種単独でも2種以上の組合せでも使用することができる。
多価カルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等の二価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体などの三価以上のカルボン酸を上げることができる。これらの多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができるし、また酸無水物或いは部分エステル化物の形でも使用することができる。
また、上述したポリエステル樹脂から成る定着樹脂の酸価は10以下であることが好ましく、更に、ガラス転移温度(Tg)は50乃至75℃の範囲にあることが望ましい。即
ち、酸価が上記範囲よりも高いと、本発明のトナーの正帯電特性が損なわれるおそれがあり、またTgが50℃未満のときは、トナー同士の融着を生じ易くなり、トナーの保存安定性が損なわれる傾向にあり、Tgが75℃よりも高い場合には、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。
結着樹脂は、上述したポリエステル樹脂のみから成っていることが望ましいが、トナー
の正帯電特性(特に帯電安定性)や定着性、耐オフセット性などの諸特性が損なわれない限り、他の熱可塑性樹脂(例えばスチレン樹脂、スチレン−アクリル系樹脂など)やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などを10重量%以下の少量で含有していてもよい。
本発明のトナーに内添使用される添加剤としては、ワックス等の離型剤、着色剤、電荷制御剤等が挙げられる。
本発明のトナーに用いられるワックス等の離型剤としては、パラフィンワックス、石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスや、モンタンワックス、カルナバワックス、蜜蝋、木蝋、或いはオレイルパルミトアミド、ステアリルエルカミド、2−ステアロミドエチルステアレート、エチレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド、及びシリコーン油などを挙げることができる。一般的には、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましく、最も好適には、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックスを使用することができる。上記離型剤は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部、特に2〜6重量部の量で使用するのが好ましい。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、以下のようなものが一般的に使用され、結着樹脂100重量部当り2〜20重量部の量で使用することが適当である。
ブラックトナー用着色剤:カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等。
イエロートナー用着色剤:C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー93等のアゾ系顔料;黄色酸化鉄、黄土等の無機系顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料等。
好適なものは、色味等の点で、C.I.ピグメントイエロー12等のベンジジン系顔料である。
マゼンタトナー用着色剤:C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15等。
好適なものは、色味等の点で、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料である。
シアントナー用着色剤:C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86等。
好適なものは、色味等の点で、C.I.ピグメントブルー15等の銅フタロシアニン系顔料である。
本発明では、トナーの帯電電荷を制御するために、ニグロシンベース(CI50415)、オイルブラック(CI26150)、スピロンブラック等の油溶性染料や、金属錯塩染料、第4級アンモニウム塩、ポリイミダゾール塩、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金属石鹸、樹脂酸石鹸、アクリル酸乃至メタクリル酸エステル樹脂等の電荷制御剤が使用される。上記電荷制御剤は、結着樹脂100重量部に対して0.5〜8重量部、特に1〜5重量部の量で使用するのが好ましい。
本発明の電子写真用現像剤は、球形及び非球形トナーのほかに、外添剤が含有されている。つまり、球形トナー及び非球形トナーは、外添剤で表面処理されている。
外添剤としては、例えば、表面処理剤、研磨剤等が挙げられる。なお、通常、球形トナー及び非球形トナーは、両者が全く異なる外添剤で表面処理されていてもよいし、一部異なる外添剤で表面処理されていてもよいし、全く同じ外添剤で表面処理されていてもよい。また、球形トナー及び非球形トナーの一方のみに添加されていてもよいし、双方に添加されていてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜
鉛等の脂肪酸金属塩等の1種又は2種以上を併用して用いることができる。
研磨剤としては、例えば、当該分野で通常用いられているものの全てを使用することができる。具体的には、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の金属酸化物又はこれらをコロイダルシリカ、疎水性シリカ、あるいはシランカップリング剤又はチタンカップリング剤等によって表面処理したもの等が挙げられる。
外添剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜2.5重量部程度、好ましくは0.3〜1.3重量部程度となるように用いることが好ましい。外添剤をトナーに外添する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、トナーと研磨剤とを、ヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー等を用いて混合する方法が挙げられる。この際、混合時間および撹拌速度を適宜調整することが好ましい。
本発明の現像剤においては、非球形トナーは、画質の向上、クリーニング性等を考慮して、球形トナーの体積平均粒子径よりも小さい体積平均粒子径を有していることが好ましい。また、球形トナーの体積平均粒子径との差が大きすぎない、例えば、その差が2μm程度以内、別の観点から、25%程度以内であることが好ましい。このように、体積平均粒子径において差異を小さくすることにより、球形トナーと非球形トナーとの間の現像性、転写性等の差異を小さくし、長期にわたって安定した画像を得ることができる。また、体積平均粒子径の差異を過度に大きくした場合における球形トナーと非球形トナーとの間の現像スリーブへの付着力の差異を生じさせないようにすることができ、選択現象を抑制することができる。球形トナー及び非球形トナーの体積平均粒子径としては、製造の困難性、画像形成装置に用いた場合のクリーニング性、画質の向上等を考慮して、例えば、4〜9μm程度が適当である。ここで、体積平均粒子径は、トナー粒子の粒子像を撮像し得る装置、具体的には、コールター社製のコールターカウンター(TA−2)で測定することができる。
また、非球形トナーは、球形トナーの帯電量よりも小さいことが好ましい。なお、球形トナー及び非球形トナーは、現像剤中においては、そのまま(外添剤の添加なしのまま)で、あるいは外添剤での表面処理等を行った状態で存在するが、外添剤による表面処理を行っていない状態及び/又は外添剤による表面処理を行った状態で、非球形トナーの帯電量が球形トナーの帯電量よりも小さいことが好ましい。一般に、非球形トナーは、トナーの形状が非球形であることに起因して、キャリアや現像スリーブへの付着力が高くなり、選択現像されやすいという性質を有するが、非球形トナーの帯電量を球形トナーの帯電量よりも小さくすることによりキャリア等への付着力を弱め、トナーの形状に起因するキャリア等への付着しやすさ相殺することができ、選択現像をより抑制することが可能となる。
非球形トナーの帯電量は、例えば、5〜35μC/g程度が適当であり、非球形トナーの帯電量が球形トナーの帯電量よりも1〜7μC/g、特に2〜5μC/g程度小さいことが好ましい。上記範囲よりも小さい場合、球形トナーの方が優先的に現像されてクリーニング不良が発生し易い傾向があり、上記範囲よりも大きい場合、非球形トナーの現像量が多くなり過ぎて画質が悪化する傾向がある。
本発明においては、球形トナー及び非球形トナーは、いずれも外添剤で表面処理されていることが好ましい。この場合、非球形トナーの外添剤量が球形トナーの外添剤量よりも多いことが好ましい。これにより、非球形トナーの選択現像をより抑制することができる。例えば、外添剤は、球形トナー100重量部に対しては、0.01〜2.0重量部程度、好ましくは0.1〜1.0重量部程度が適当であり、非球形トナー100重量部に対しては、0.1〜2.0重量部程度、好ましくは0.2〜1.5重量部程度が適当である。非球形トナーの外添剤量は球形トナーの外添剤量の1.2〜3倍程度、特に1.5〜2倍程度にすることが好ましい。上記範囲よりも小さい場合、球形トナーの方が優先的に現像されてクリーニング不良が発生し易い傾向があり、上記範囲よりも大きい場合、非球形トナーの現像量が多くなり過ぎて画質が悪化する傾向がある。
外添剤を球形トナー及び非球形トナーに外添する方法としては、当該分野で公知の方法を利用することができる。例えば、トナーと外添剤とを、ヘンシェルミキサ、V型混合機、ターブラミキサー、ハイブリタイザー等を用いて混合する方法が挙げられる。この際、混合時間および撹拌速度を適宜調整することが好ましい。
なお、非球形トナーの外添剤量を多くする方法としては、球形トナー及び非球形トナーを、別々に、別々の量の外添剤で表面処理し、両者を混合する方法、非球形トナーに対して所定量の外添剤で表面処理をした後、これに表面処理を行っていない球形トナーを加え、さらに所定量の外添剤を加えて両者とも表面処理をする方法等が挙げられる。なお、球形トナーと非球形トナーとは、必ずしも全く同じ外添剤で処理されているものでなくてもよく、一部又は全部が異なる外添剤で処理されていてもよい。
なお、本発明の現像剤においては、球形トナーは非球形トナーよりも、その含有量が多いことが好ましい。ここで含有量が多いとは、用いるトナー原料によって、重量が多くてもよいし、体積が多くてもよいが、個数が多いことが好ましい。いずれの場合においても、球形トナーが全トナーに対して60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、98%以上であることが適当である。このように、球形トナーの含有量が多い場合には、トナーの球形形状に起因して、画質の向上を図ることができる。
また、二成分現像剤を構成するキャリアとして、特に限定されるものではなく種々のものが使用される。
キャリアのコア粒子としては、一般に燒結フェライト、マグネタイト、リチウム、マンガン、あるいは鉄粉等のそれ自体公知の磁性材料からなる。このコア粒子の製造に用いる磁性粉としては、それ自体公知の磁性体粉末の任意のものを用いることができ、例えば、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)等の強磁性の鉄酸化物や、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ネオジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、あるいはこれらの複合物等のフェライト類、あるいは鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケ粉(Ni)等強磁性金属乃至合金類等を単独あるいは組み合わせて用いることができる。例えば、マンガン−マグネシウム系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、銅−亜鉛系フェライト、リチウム系フェライト、等が上げられる。
磁性体の粒子形状は特に制限されず、球状、立方体状、不定形等の任意の形状でよい。
コア粒子を被覆する樹脂コートに用いる樹脂としては、たとえば(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)、不飽和ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ふっ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデン等)、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等が挙げられる。上記樹脂は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また樹脂コートには、必要に応じて、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩等の、樹脂コートの特性を調整するための添加剤を、少量、含有させることもできる。
コア粒子に樹脂をコートする方法としては、たとえば機械的混合法、噴霧法、浸漬法、流動層法、転動層法等の方法が、いずれも採用可能である。
樹脂コート用の溶媒としては、たとえばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等が挙げられる。
キャリアは、一般に電子顕微鏡法による粒径で表して20〜200μmの粒子径を有することが適当である。見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によって適宜調整することができ、一般に2.4〜3.0g/cm3の範囲が適当である。なお、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤中のトナー濃度は1〜20重量%程度が適当である。
本発明における現像剤は、電子写真技術を用いた装置の全てにおいて用いることができる。例えば、潜像担持体を備えた画像形成装置等に有効に利用することができる。画像形成装置としては、通常、潜像担持体として感光体ドラムが回転可能に配設されており、その回転方向に沿って、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング装置等とが順次配置されて構成される。
本発明の現像剤は、潜像担持体として、アルミニウム、ニッケル、クロム等の金属等の導電性基体ローラ上に、任意に阻止層を設け、セレン、酸化亜鉛、硫化セレン、非晶質シリコンなどの感光層を設けた無機感光体ドラムを用いた画像形成装置に用いることが好ましい。さらに、非晶質シリコンによる感光層を備えたものがより好ましい。非晶質シリコンとしては、a−Si、a−SiC、a−SiO、a−SiON等が挙げられる。非晶質シリコンによる感光層を備える潜像担持体を用いた場合には、非球形トナーに外添された研磨剤の作用を利用するのに有利であり、画像流れ等の画像の不具合を防止することができる。
また、本発明の現像剤を有利に利用することができる画像形成装置として、潜像担持体表面を研磨する研磨手段を備えたものが好ましい。例えば、クリーニング装置には、通常、潜像担持体の表面に残存したトナーや紙粉等を除去する磁気ブラシ、ファーブラシ等のクリーニング部材を備えているが、これらとともに、研磨剤及び/又はトナーを潜像担持体の表面に摺擦させて研磨するための弾性ブレード、研磨ローラ等を備えるものが好まし
い。
これらは、当該分野で公知のものを利用することができる。
以下に本発明の電子写真用現像剤を詳細に説明する。
球形トナーの製造(懸濁重合法)
スチレン80重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート20重量部、カーボンブラック(MA-100:三菱化学製)5重量部及び低分子量ポリプロピレンワックス(ユ−メックス100TS:三洋化成製)3重量部、電荷制御剤(ボントロンN−07:オリエント化学工業製)3重量部、ジビニルベンゼン(架橋剤)1重量部の混合溶液に、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を2重量部加えた。これを精製水400重量部に加え、さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム5重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部とを加えた。得られた懸濁液を、TKホモミキサ(特殊機化工業社製)を用いて、回転数7000rpmで20分間攪拌し、窒素雰囲気下、70℃、100rpmで10時間重合反応させ、形状係数SF−1が108、形状係数SF−2が105、体積平均粒径8μmの球形トナーAを得た。
球形トナーを得た。
また、重合度が80%程度進行した時点で、TKホモミキサの回転数を4500rpmとして重合を完結させることにより、形状係数SF−1が115、形状係数SF−2が109、体積平均粒径8μmの球形トナーBを得た。
非球形トナーの製造(懸濁重合法)
カーボンブラック5重量部と第三リン酸カルシウム粉末(平均粒径1.5μm)10重量部及びスチレン80重量部、2-エチルヘキシルメタクリレート20重量部、カーボン
ブラック5重量部、低分子量ポリプロピレン3重量、電荷制御剤(ボントロンN−07)2重量部、ジビニルベンゼン(架橋剤)1重量部をボールミルで十分に混合した。
その後、第三リン酸カルシウムに対して1重量%のアルミニウム系カップリング剤を添加して30分攪拌した。さらに、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)2重量部を加え、これを精製水400重量部に加え、さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム5重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部とを加えた。これをTKホモミキサ(特殊機化工業社製)を用いて、回転数7000rpmで20分間攪拌し、窒素雰囲気下、70℃、100rpmで10時間重合反応させ、非球形トナーを得た。
次に塩酸酸性下で洗浄して、第三リン酸カルシウム粉末を溶解させた後、精製水で数回洗浄して乾燥させて、形状係数SF−1が117、形状係数SF−2が129、及び体積平均粒径7.0μmの非球形トナーaを得た。
また、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウムの添加量を2.5重量部とし、TKホモミキサの回転数を7800rpmとする以外、上記と同様にして、形状係数SF−1が112、形状係数SF−2が114、体積平均粒径7.0μmの非球形トナーbを得た。さらに懸濁安定剤として第三リン酸カルシウムの添加量を2重量部とし、TKホモミキサの回転数を7800rpmとする以外、上記と同様にして、形状係数SF−1が113、形状係数SF−2が111、体積平均粒径7.0μmの非球形トナーcを得た。
現像剤の製造
得られた球形トナーと非球形トナーに対して、トナー100重量部に対して外添剤としてシリカ微粒子(REA200)がそれぞれ0.3wt%、0.4wt%、となるように、非球形または球形トナとシリカ微粒子をヘンシェルミキサに投入し、混合した(3000rpm、2分間)。
得られた外添剤で表面処理された球形トナーと非球形トナーを80:20の比率でヘンシェルミキサに投入し、混合した(3000rpm、2分間)。このようにして得たトナートを後述の京セラミタ製のプリンタ(FS-8008N)に使用のキャリアに対してトナー濃度が5重量%となるようにボールミルで20分混合して、表1に示す。電子写真用現像剤をそれぞれ得た。
実施例1〜4、比較例1及び2
表1に示す各電子写真用現像剤について、クリーニング性、画像濃度、かぶり濃度、ドット再現性、文字中抜けの評価を行った。その結果を表1にあわせて示す。以下の評価は1万枚の5%の印字率の標準パターンの印刷後に行った。
(クリーニング性の評価)
表1におけるクリーニング性は、京セラミタ製のプリンタ(FS-8008N)を用い、
ブレード圧接角:26°、
ブレード圧接力:2.6mm、
ゴム厚:2.5mm、
食込み量:1.05mm、
ドラム周速(359.9mm/sec)の設定で評価した。
クリーニングブラシはFS-8008Nと同じ設定とした。
0.7mg/cm2程度のトナー量のベタ帯を潜像担持体上に形成し、そのベタ帯を転写した後、クリーニングブレードを有するクリーニング装置のところまで移動させた。続いて、クリーニング装置により潜像担持体表面をクリーニングした。現像剤の使用初期において評価を行った。
クリーニングブレードの当接位置より潜像担持体の回転方向の下流側であって、クリーニングブレードによってクリーニングされた部分の潜像担持体表面に、セロハン粘着テープを貼りつけ、この粘着テープを剥離して白紙の表面に貼りつけた。
その後、白紙に貼り付けた粘着テープにおけるトナーの濃度を、反射濃度計(東京電色社製のTC−6D)を用いて測定した。
潜像担持体表面にトナーが全く残留していない場合の濃度は、0.10〜0.14であり、濃度が0.2以上になるとトナーが残留しているものと判定した。
画像濃度の評価
通常の複写機用普通紙にプリンタの通常の条件設定でベタ画像を含む画像を出力し、反射濃度計(東京電色社製のTC−6D)を用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
A:1.40以上
B:1.30以上、1.40未満
C:1.00以上、1.30未満
D:1.00未満
かぶり濃度の評価
通常の複写機用普通紙に通常の条件設定でベタ画像を含む画像を出力し、印字の無い部分の画像濃度を反射濃度計(東京電色社製のTC−6D)を用いて測定した。評価基準は以下の通りである。
A:0.005未満
B:0.005以上、0.008未満
C:0.008以上、0.011未満
D:0.011以上
ドット再現性の評価
潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像を出力し、そのドット再現性を以下の評価基準で評価した。
A:欠損5個以下/100個
B:欠損6〜8個/100個
C:欠損9〜13個/100個
D:欠損14個以上/100個
文字中抜けの評価
「電」文字パターンを普通紙(128g/m2)に出力した際の文字中の抜けを目視で評価した。
A:中抜けはほとんど発生せず。
B:軽微な中抜けが見られる。
C:若干の中抜けが見られる。
D:顕著な中抜けが見られる。
なお、表1に示したトナーの形状係数SF−1、形状係数SF−2及び体積平均粒径は以下のようにして求めた。形状係数SF−1及び形状係数SF−2は次のようにして測定した。日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いて倍率1000倍〜10000倍に拡大した写真を撮影し、トナー像を100個無作為にサンプリングする。その画像情報はインターフエースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、前述の式より算出して得られる値を本発明における粒子の形状係数SF−1およびSF−2と定義した。体積平均粒径はコールターカウンターTA−II型((コールター社製)により100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することによって行った。
Figure 2005208631
表1の結果から、本発明の球形トナーと非球形トナーとの組み合わせにより、良好なクリーニング性を得ることができるとともに、球形トナーに起因して、高画質の画像を得ることができることが確認された。なお、表1に示すように、球形トナー100%では、高画質が得られるものの、クリーニング性において十分な効果が得られず、非球形トナー100%では、クリーニング性が良好であったが、画質に劣化が見られた。
実施例5及び6
前記した球形トナーAの製造において、電荷制御剤の使用量を3重量部から4重量部とし対外はトナーAと同様に製造して形状係数SF−1が109、形状係数SF−2が106、体積平均粒径8μmの球形トナーDを得た。また球形トナーBの製造において、電荷制御剤の使用量を3重量部から4重量部とし対外はトナーAと同様に製造して形状係数SF−1が106、形状係数SF−2が107、体積平均粒径8μmの球形トナーDを得た。
得られた球形トナーと非球形トナーに、トナー100重量部に対して外添剤としてシリカ微粒子(REA200)がそれぞれ0.3wt%、0.4wt%、となるように、非球形または球形トナとシリカ微粒子をヘンシェルミキサに投入し、混合した(3000rpm、2分間)。
得られた外添剤で表面処理された球形トナーと非球形トナーを80:20の比率で表2に示す組み合わせでヘンシェルミキサに投入し、混合した(3000rpm、2分間)。このようにして得たトナートを後述の京セラミタ製のプリンタ(FS-8008N)に使用のキャリアに対してトナー濃度が5重量%となるようにボールミルで20分混合して、表1に示す。電子写真用現像剤をそれぞれ得た。表2に示したトナーの帯電量は個々のトナーとの京セラミタ製のプリンタ(FS-8008N)に使用のキャリアに対してトナー濃度が5重量%となるようにボールミルで20分混合して作成した現像剤の値である。トナーの帯電量はQMメータ(TREK社製、MODEL 210HS)を用いて測定した。
Figure 2005208631
なお、表2に示した各電子写真用現像剤について、クリーニング性、画像濃度、かぶり濃度、ドット再現性、文字中抜けに加えて選択現像製も評価を行った。その結果を表3にあわせて示す。
(選択現像性)
現像器中からサンプル現像剤を採取し、SEMにて500倍で観察及び撮影を行った。SEM写真をスキャナーでPCに読み込み、画像解析ソフト(WIN ROOF ミタニ社製)にて、任意の100個のトナー中に含まれる球形トナーの個数を計測して、球形トナーの含有割合を求めた。これを、耐刷評価初期時と耐刷評価後に行い、(耐刷後値)/
(初期値)が90%以上であればA、85%以上であればB、85%未満であればCと判定した。なお、耐刷評価は5%の標準原稿を1万枚出力することで行った。
Figure 2005208631
表3の結果から、非球形トナーの帯電量が球形トナーの帯電量の差が大きいほど球形トナーが現像剤中に残留しにくくなり、クリーニグ性が向上する傾向があることが判明した。
実施例1と2の非球形トナーに対する外添剤であるシリカ微粒子(REA200)の添加量を、トナー100重量部に対して0.4部から0.7部に変更して、実施例7及び8として評価した。評価は各電子写真用現像剤について、クリーニング性、画像濃度、かぶり濃度、ドット再現性、文字中抜け、選択現像製を評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2005208631
表4の結果から、非球形トナーの外添量が球形トナーのそれよりも多くするに従って、選択現像性が向上しクリーニング性が良好になる傾向にあることが判明した。
本発明の電子写真用現像剤は、電子写真法を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の全てにおいて適用することが可能である。

Claims (4)

  1. 重合法で製造した球形トナーと、重合法で製造しかつ表面に凹凸を有する非球形トナーとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  2. 非球形トナーの体積中心粒径が、球形トナーの体積中心粒径よりも小さい請求項1に記載の電子写真用現像剤。
  3. 非球形トナーの帯電量が、球形トナーの帯電量よりも小さい請求項1又は2に記載の電子写真用現像剤。
  4. 球形トナー及び非球形トナーの表面に外添剤が固着されており、前記非球形トナーの外添剤量が前記球形トナーの外添剤量よりも多い請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真用現像剤。

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