JP2005208436A - 車両用表示装置とその駆動方法 - Google Patents

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【課題】 反射手段が閉状態であっても短時間で視認可能な状態に変更できる車両用表示装置とその駆動方法を提供する。
【解決手段】 開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段10を備えた車両用表示装置とその駆動方法であって、反射手段10を第1の速度にて自動的に傾き動作させる処理と、操作者による調整スイッチK2の操作に基づいて前記第1の速度よりも遅い第2の速度にて傾き動作させる処理と、を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用表示装置とその駆動方法に関するものであり、特に、発光型表示器が発した表示光を反射させて虚像を表示する車両用表示装置に関するものである。
従来より、車両用表示装置として、蛍光表示管等の発光型表示器が発した表示光を反射させて虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置が種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。ヘッドアップディスプレイ装置は、図5に示すように、車両のダッシュボード1に配設されており、発光型表示器2が発した表示光Lを反射手段(反射ミラー)3で反射させて虚像Vを表示させるものである。
また、反射手段3は保持部材4に貼着されており、この保持部材4は回動可能な状態でハウジング5に支持され、反射手段3が開閉できる構成になっている。図6に示すように、保持部材4には歯車6が固定されており、この歯車6にはモータ7の回動軸7aに固定された歯車8が噛合されている。反射手段3は保持部材4の回動軸4aを中心にして開閉できるようになっており、ヘッドアップディスプレイ装置を使用しない時には反射手段3を閉じておき、使用する時にモータ7の駆動力により反射手段3を所定の角度位置まで開くことができる。また、運転者の目の高さに応じて反射手段3の角度位置を調整するため、図示しない押ボタンスイッチの操作によってモータ7を駆動し、反射手段3を回動させることができる。
実開昭63−9041号公報
かかるヘッドアップディスプレイ装置においては、使用する際に反射手段3を予め設定された傾き角度に移動することが好ましいが、反射手段3の角度変更は、通常前記スイッチによって調整するためのものであるため、比較的に遅い速度で傾き角度を変化させていた。そのため、反射手段3が閉状態の時から表示を確認できる位置へ移動するまでに時間を要してしまうという問題があった。
そこで本発明の目的とするところは、上述した問題点に着目してなされたものであり、反射手段が閉状態であっても短時間で視認可能な状態に変更できる車両用表示装置とその駆動方法を提供することにある。
本発明の車両用表示装置は、前記課題を解決するため、請求項1に記載したように、開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段と、前記反射手段の傾き角度を変化させる駆動手段と、操作者による操作状態を出力信号として発する入力手段と、前記入力手段からの出力信号を入力するとともに前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、前記制御手段は、前記駆動手段を制御することによって、前記反射手段が予め設定された所望の傾き角度となるように第1の速度にて自動で変化させる処理と、前記入力手段の操作に基づいて前記第1の速度よりも遅い第2の速度にて前記反射手段の傾き角度を変化させる処理と、を行うことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載したように、請求項1に記載の車両用表示装置において、前記反射手段の所望の傾き角度に関する情報を格納する記憶手段を備え、前記制御手段は、前記記憶手段によって予め格納された前記情報に基づいて、前記反射手段の傾き角度が前記第1の速度にて変化し、前記所望の傾き角度になるように前記駆動手段を制御してなることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載したように、請求項1に記載の車両用表示装置において、前記駆動手段よりも速い速度にて前記反射手段を動作させることが可能な開閉用駆動手段を備えてなることを特徴とするものである。
また、本発明の車両用表示装置の駆動方法は、請求項4に記載したように、開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段を備えた車両用表示装置の駆動方法であって、前記反射手段を第1の速度にて自動的に傾き動作させる処理と、操作者による入力手段の操作に基づいて前記第1の速度よりも遅い第2の速度にて傾き動作させる処理と、を行うことを特徴する。
本発明は、開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射手段に反射させて虚像を表示する車両用表示装置に関し、前記反射手段が閉状態であっても短時間で視認可能な状態に変更できる車両用表示装置とその駆動方法を提供できる。
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態としてヘッドアップディスプレイ装置を例にあげて説明する。図1,2に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置は、反射手段10,第1の駆動手段(開閉用駆動手段)20,第2の駆動手段(駆動手段)30,ハウジング40,検出素子50及び検出素子(検出手段)60、図示しない発光型表示器から主に構成されている。
反射手段10は、反射部材11及びこの反射部材11を保持する保持部材12を有している。反射部材11は、ポリカーボネートからなる樹脂基板に反射層を蒸着形成してなるものであり、発光型表示器が発した表示光Lを反射させる。保持部材12は、略円形状の基部12aと、基部12aの略中央部から突出するように形成されハウジング40に軸支される軸部12bと、反射部材11を貼着する保持部12cと、略扇形状の摺動部12dと、を有している。
摺動部12dには、反射手段10が所定の角度位置まで開いたときに後述するレバーの突出部に対向する凹部12eと、反射手段10が閉じたときに後述するレバーの突出部によって押圧される当接面12fが形成されている。反射手段10は、軸部12bによって、回動可能な状態でハウジング40に支持されている。ハウジング40の上面には、ゴム等の弾性材料からなる弾性部材41が設けられている。反射手段10が閉じた状態では、反射部材11が弾性部材41に当接する。
第1の駆動手段20は、直流モータ21及びこの直流モータ21の駆動力を反射手段10に伝える第1の駆動機構200を有している。第1の駆動機構200は、直流モータ21の回動軸21aに固定されたウォーム24と、このウォーム24に噛合するウォームホイール部材25と、このウォームホイール部材25と同軸に配設されたギヤ部材26と、このギヤ部材26に噛合する歯車23と、を有している。歯車23は、保持部材12の軸部12bと同軸に配置され、保持部材12の基部12aに固定されている。
第2の駆動手段30は、ステッピングモータ31及びこのステッピングモータ31の駆動力を反射手段10に伝える第2の駆動機構300を有している。第2の駆動機構300は、ステッピングモータ31の回動軸31aに固定されたカム32と、横方向にスライド移動可能な状態でハウジング40に支持されたフレーム部材33と、このフレーム部材33がカム32に当接するようにフレーム部材33を引っ張るバネ34と、フレーム部材33に軸支されたレバー35と、レバー35の先端部に設けられたバネ36と、を有している。この場合、カム32は、約270度の間で回転可能に設けられ、回転限度位置において、後述する検出手段60に接触するように設けられる。
フレーム部材33は、バネ34によって右向きに引っ張られており、当接部33aがカム32に接触している。フレーム部材33は、カム32の回動にしたがってスライド移動する。
レバー35は、側面視で略半円形状の突出部35aを有しており、後端部に設けられた軸部35bによって回動可能な状態でフレーム部材33に軸支されている。レバー35は、先端部に設けられたバネ36によって上向きに引っ張られており、突出部35aが保持部材12の摺動部12dに接触している。
検出素子50は、リミットスイッチ等からなるものであり、レバー35の突出部35aが保持部材12の凹部12eに嵌まり、反射手段10が所定の角度位置に開いたことを検出する。
検出素子60は、リミットスイッチ等からなるものであり、カム32が所定の回転位置に達した際にスイッチオンされるように設けられ、カム32が前記所定の回転位置にあることを検出することができる。
次に、反射手段10の開閉について詳述する。ヘッドアップディスプレイ装置を使用しない時には反射手段10を閉じておき、使用する時に第1の駆動手段20によって反射手段10を所定の角度位置まで開くことができる。反射部材10を開くときには、直流モータ21の回動軸21aが回り、直流モータ21の駆動力が第1の駆動機構200を介して保持部材12に伝えられる。保持部材12の摺動部12dは、レバー35の突出部35aに当接しながら左回りに回動し、反射手段10が所定の角度位置まで起き上がったときに、レバー25の突出部35aが保持部材12の凹部12eに嵌まり、反射手段10が位置決めされる。
反射手段10が閉じられるときには、直流モータ21の回動軸21aが回り、直流モータ21の駆動力が第1の駆動機構200を介して保持部材12に伝わり、保持部材12の摺動部12dが、レバー35の突出部35aに当接しながら右回りに回動する。反射手段10が完全に閉じられたときは、レバー35の突出部35aによって摺動部12dの当接面12fが押圧され、反射手段10に付勢力Fが与えられる。反射手段10は、ハウジング40に固定された弾性部材41に押付けられる(図3参照)。
次に、反射手段10の角度調整について詳述する。反射手段10が所定の角度位置まで開いているときは、後述する押ボタンスイッチを操作することによって、反射手段10の角度Aを調整することができる。反射部材10の角度Aを大きくする場合には、ステッピングモータ31の回動軸31aと共にカム32が左に回り、フレーム部材33及びレバー35が左にスライド移動し、保持部材12が右回りに回動する。
また、反射部材10の角度Aを小さくする場合には、ステッピングモータ31の回動軸31aと共にカム32が右に回り、フレーム部材33及びレバー35が右にスライド移動し、保持部材12が左回りに回動する。
図4は、第1,第2の駆動手段20,30を制御するための電気的構成を示すブロック図である。
開閉スイッチK1および調整スイッチ(入力手段)K2は、操作者の指先によって操作可能な押しボタンスイッチからなり、押し圧操作によって、出力信号を発するものである。
検出素子60は、リミットスイッチ等からなるものであり、カム32が前記所定の回転位置に達すると、出力信号を発するものである。
制御手段K3は、マイクロコンピュータを適用でき、処理動作のプログラムが記憶されたROMと、演算値を一時的に記憶するRAMと、前記プログラムを実行するためのCPUと、各スイッチK1,K2、検出素子60、後述する記憶手段や各機構の駆動系に対して電気的な接続関係をなすための入出力インターフェイス回路と、によって主に構成される。制御手段K3は、各スイッチK1,K2や検出素子60からの出力信号に基づいて、後述する駆動手段を制御するための制御手段を発するものである。
記憶手段K4は、EEPROM等が適用でき、予め設定される各種設定値を記憶することができる。記憶手段K4は、例えば、調整スイッチK2によって運転者の目線位置に応じた調整を行った後、その状態における反射手段10の傾き角度の情報について格納できる。
第1の駆動手段20は、直流モータ21を駆動源として動作するものであり、制御手段K3からの出力信号に基づいて、直流モータ21のオン/オフが切り替えられる。この場合、制御手段K3は、開閉スイッチK1の操作状態に基づいて、反射手段10が開方向、または閉方向に動作するように、第1の駆動手段20を制御する。この場合、第1の駆動手段20は、第2の駆動手段30によって動作する傾き速度よりも速い速度にて反射手段10を傾けることができるように構成される。
第2の駆動手段30は、ステッピングモータ31を駆動源として動作するものであり、制御手段K3からの出力信号に基づいて、ステッピングモータ31のオン/オフの切り替えや回転速度などが制御される。この場合、制御手段K3は、開閉スイッチK1や他の機器からの出力信号に応じて、第2の駆動手段30を動作させることができ、例えば、開閉スイッチK1によって、反射手段10が開いた後、記憶手段K4にて格納された反射手段の傾き角度に関する情報に基づいて自動的に位置調整することができる。この際、制御手段K3は、ステッピングモータ31の仕様範囲内で、比較的に速い速度(第1の速度)にて反射手段10が傾くように、第2の駆動手段K3を制御する。
また、制御手段K3は、調整スイッチK2の操作状態に基づいて、前記速度よりも遅い速度(第2の速度)にて反射手段10が傾くように、第2の駆動手段30を制御する。この場合、第2の駆動手段30は、前記第1の速度に対して2分の1程度の速度にて反射手段10が傾くように制御される。
なお、制御手段K3は、検出素子60によって定まるカム32の回転位置を原点として、第2の駆動手段30の回転角度によって、反射手段10を所定の角度に傾けることができる。また、検出素子60を使用せずに、カム32の回転可能な角度よりも大きな角度回転させる制御信号を出力し、回転の限界位置にて空転させた後、その位置を原点としてカム32を回転させることによって、多少位置ずれした場合であっても、初期の位置にリセットし、反射手段10を所定の角度に傾けることができる。
かかるヘッドアップディスプレイ装置によれば、開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段10と、反射手段10の傾き角度を変化させる第2の駆動手段30と、操作者による操作状態を出力信号として発する調整スイッチK2と、調整スイッチK2からの出力信号を入力するとともに第2の駆動手段30を制御する制御手段K3と、を備えた車両用表示装置であって、制御手段K3は、第2の駆動手段を制御することにより、反射手段10が予め設定された所望の傾き角度となるように第1の速度(速い速度)にて自動で変化させる処理と、調整スイッチK2の操作があった場合、第1の速度よりも遅い第2の速度(遅い速度)にて反射手段10の傾き角度を変化させる処理とが用意されてなることによって、反射手段10が閉状態であっても短時間で視認可能な状態に変更できるとともに、反射手段10の傾きを調整する際には微妙な傾きを操作することができるように、ゆっくりと反射手段10を傾き動作させることができる車両用表示装置となる。
また、反射手段10の所望の傾き角度に関する情報を格納する記憶手段K4を備え、制御手段K3は、記憶手段K4によって予め格納された前記情報に基づいて、反射手段10の傾き角度が比較的速い速度(第1の速度)にて変化し、前記所望の傾き角度になるように第2の駆動手段30を制御してなることによって、操作者が好む反射手段10の傾き角度(所望の傾き角度)に再び調整することなく、自動的にかつ迅速に前記傾き角度を得ることが可能となる。
また、第2の駆動手段よりも速い速度にて反射手段10を動作させることが可能な第1の駆動手段を備えてなることによって、開閉動作をより迅速に行うことが可能となる。
なお、上述した実施の形態では、制御手段K3は、開閉スイッチK1の操作に基づいて反射手段10を開閉するものを例に挙げたが、例えば、車両のイグニション、照度センサなどからの信号を入力し、この信号に基づいて反射手段10が所望の傾き角度になるように第1の駆動手段20および第2の駆動手段30を制御することもでき、操作者が操作しなくとも自動的に反射手段10を開閉し、位置調整することができる。
また、上述した実施の形態の反射手段10は、反射部材11を有するものであったが、コンバイナと称される半透過性の反射部材を用いても良い。また、上述の実施の形態のモータは直流モータ21,ステッピングモータ31であったが、例えばサーボモータであっても良い。また、上述の実施の形態は、ウォームギヤを用いるものであったが、例えばラック,ピニオンを用いても良い。
本発明の実施形態を示す側面図。 同上実施形態の反射手段が開いた状態を示す側面図。 同上実施形態の反射手段が閉じた状態を示す側面図。 同上実施形態の電気的構成を示すブロック図。 従来例を示すヘッドアップディスプレイの概略構成図。 同上従来例を示す側面図。
符号の説明
10 反射手段
30 第2の駆動手段(駆動手段)
K2 調整手段
K3 制御手段

Claims (4)

  1. 開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段と、前記反射手段の傾き角度を変化させる駆動手段と、操作者による操作状態を出力信号として発する入力手段と、前記入力手段からの出力信号を入力するとともに前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、
    前記制御手段は、前記駆動手段を制御することによって、前記反射手段が予め設定された所望の傾き角度となるように第1の速度にて自動で変化させる処理と、前記入力手段の操作に基づいて前記第1の速度よりも遅い第2の速度にて前記反射手段の傾き角度を変化させる処理と、を行うことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記反射手段の所望の傾き角度に関する情報を格納する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段によって予め格納された前記情報に基づいて、前記反射手段の傾き角度が前記第1の速度にて変化し、前記所望の傾き角度になるように前記駆動手段を制御してなることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記駆動手段よりも速い速度にて前記反射手段を動作させることが可能な開閉用駆動手段を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  4. 開閉可能な状態で支持され表示器が発した表示光を反射させる反射手段を備えた車両用表示装置の駆動方法であって、
    前記反射手段を第1の速度にて自動的に傾き動作させる処理と、操作者による入力手段の操作に基づいて前記第1の速度よりも遅い第2の速度にて傾き動作させる処理と、を行うことを特徴する車両用表示装置の駆動方法。
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