JP2005208237A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 感度特性および耐久性のみならず、フィルミング特性にも優れた電子写真感光体およびその製造方法、並びにそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体で、およびその製造方法、並びにそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基含有化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体で、およびその製造方法、並びにそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基含有化合物を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、および画像形成装置に関し、特に、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体、その製造方法およびそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等の電子写真感光体として、結着樹脂(バインダー樹脂)、電荷発生剤、および電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)等からなる有機感光体(OPC)が使用されている。かかる有機感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造が容易であるとともに、感光体材料の選択肢が多様であることから、構造設計の自由度が高いという利点がある。
しかしながら、有機感光体を繰返し使用した場合、残留電位が上昇したり、添加物が感光体上に付着するフィルミングが生じたりして、黒筋等の画像形成不良が生じやすいという問題が見られた。
しかしながら、有機感光体を繰返し使用した場合、残留電位が上昇したり、添加物が感光体上に付着するフィルミングが生じたりして、黒筋等の画像形成不良が生じやすいという問題が見られた。
そこで、導電性支持基体上に、有機感光体層を備えた電子写真感光体であって、下記一般式(25)で示されるシアノビニル化合物を、電荷輸送層内の質量比で0.1〜20%添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
(一般式(25)中、Arは置換または非置換の芳香族基を表し、Xはカルボニル基またはスルホニル基を表す。)
また、下記一般式(26)で表される化合物を加水分解して得られる数平均分子量が1100以上である架橋性オルガノポリシロキサン樹脂と、下記一般式(26)で表される化合物のモノマーと、を混合してなる有機感光体層を備えた電子写真感光体も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
(一般式(26)中、R1は隣接するけい素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、X1は水酸基または加水分解性基を表し、nは1〜4の整数を表す。)
しかしながら、特許文献1および2に記載された有機感光体層を備えた電子写真感光体は、それぞれ単独では電荷輸送剤、および結着樹脂との相溶性が低いために、フィルミング特性が十分に発揮されず、また、感光体の感度に影響を及ぼすという問題が見られた。
そこで、本発明者らは、特定構造を有するシラン化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性が向上し、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、所定の感度を維持しながら、優れたフィルミング特性および耐久性を有するという事実を発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、上述した技術的な問題を解決し、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体、その製造方法およびそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
そこで、本発明者らは、特定構造を有するシラン化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性が向上し、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、所定の感度を維持しながら、優れたフィルミング特性および耐久性を有するという事実を発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、上述した技術的な問題を解決し、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体、その製造方法およびそのような電子写真感光体を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を含む電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、シリル基含有化合物が、分子内にベンゼン環、ナフタレン環、またはヘテロ環の少なくとも一つの環構造を有することが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、シリル基含有化合物が、下記構造式(1)〜(4)で表される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、シリル基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、シリル基含有化合物が、最表面に選択的に存在することが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光体層が、単層型であることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法であって、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする。
(A)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、シリル基含有化合物と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
(A)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、シリル基含有化合物と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
また、本発明のさらに別の態様は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法であって、下記工程(A´)〜(D´)を含むことを特徴とする。
(A´)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C´)シリル基含有化合物を最表面に塗布する工程。
(D´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液、さらにはシリル基含有化合物を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
(A´)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C´)シリル基含有化合物を最表面に塗布する工程。
(D´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液、さらにはシリル基含有化合物を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
また、本発明のさらに別の態様は、上述したいずれかに記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位を配置したことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の電子写真感光体によれば、シラン原子に結合した所定構造の有機基を有するシラン化合物を添加使用することにより、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
すなわち、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができる。したがって、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、結着樹脂との相溶性に優れ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
すなわち、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができる。したがって、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、結着樹脂との相溶性に優れ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、シリル基含有化合物が、分子内に所定の環構造を有することにより、表面潤滑性や親和性をさらに向上させることができ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性にさらに優れた電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、シリル基含有化合物が、特定構造を有する化合物であることにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性にさらに優れた電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、シリル基含有化合物の添加量を所定範囲内の値とすることにより、表面潤滑性や親和性と、感度特性や耐久性とのバランスをさらに良好なものとすることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、シリル基含有化合物が、所定箇所に選択的に存在することにより、比較的少量の添加であっても、表面潤滑性や親和性と、感度特性や耐久性とのバランスをさらに良好なものとすることができる。
また、本発明の電子写真感光体によれば、感光体層が単層型であることより、正負いずれの帯電型にも適用可能であるとともに、層構成が簡単であって、生産性にも優れている。
また、本発明の電子写真感光体の製造方法によれば、塗布液を作成する工程において、所定構造を有するシラン化合物を添加使用することにより、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を効率的に得ることができる。
すなわち、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができ、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、結着樹脂との相溶性に優れている。
すなわち、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を添加することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができ、種々の電荷発生剤や電荷輸送剤を併用した場合であっても、結着樹脂との相溶性に優れている。
また、本発明の別な電子写真感光体の製造方法によれば、所定構造を有するシラン化合物を添加使用する工程を別途含むことにより、比較的少量の添加であっても、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を効率的に得ることができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を含む上述したいずれかに記載の電子写真感光体を備えることにより、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れ、鮮明な画像形成が長期間において可能な画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明の電子写真感光体、その製造方法、および画像形成装置に関する実施の形態を、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を含む電子写真感光体である。
第1の実施形態は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を含む電子写真感光体である。
ここで、電子写真感光体には、単層型と積層型とがあるが、本発明の電子写真感光体は、いずれにも適用可能である。ただし、特に正負いずれの帯電性にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を抑制できることから、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の理由から、単層型に適用することがより好ましい。
1.単層型感光体
(1)基本的構成
図1に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
また、かかる感光体層14は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物少なくとも含むとともに、さらに必要に応じてレベリング剤等の添加剤を含むことができる。
(1)基本的構成
図1に示すように、単層型感光体10は、導電性基体12上に単一の感光体層14を設けたものである。
また、かかる感光体層14は、結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物少なくとも含むとともに、さらに必要に応じてレベリング剤等の添加剤を含むことができる。
(2)結着樹脂
(2)−1 種類
各成分を分散させるための結着樹脂は、従来、感光体層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性に優れているばかりか、機械的特性や正孔輸送剤との相溶性にも優れていることから好ましい結着樹脂である。
(2)−1 種類
各成分を分散させるための結着樹脂は、従来、感光体層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、ポリカーボネート樹脂は、透明性や耐熱性に優れているばかりか、機械的特性や正孔輸送剤との相溶性にも優れていることから好ましい結着樹脂である。
(3)正孔輸送剤
(3)−1 種類
本発明の電子写真感光体に好適な種類としては、下記式(5)〜(8)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A〜D)を使用することが好ましい。
この理由は、かかる特定の構造を有する化合物を使用することにより、結着樹脂との相溶性が高まるため、優れた耐久性を得ることができるためである。
(3)−1 種類
本発明の電子写真感光体に好適な種類としては、下記式(5)〜(8)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A〜D)を使用することが好ましい。
この理由は、かかる特定の構造を有する化合物を使用することにより、結着樹脂との相溶性が高まるため、優れた耐久性を得ることができるためである。
また、本発明の電子写真感光体に好適な正孔輸送剤としては、従来、感光体に使用されている種々の正孔輸送剤を併用することも好ましい。
このような正孔輸送剤としては、高い正孔輸送能を有する種々の化合物、例えば下記の一般式(HTM−1〜HTM−11)で表される化合物等があげられる。
このような正孔輸送剤としては、高い正孔輸送能を有する種々の化合物、例えば下記の一般式(HTM−1〜HTM−11)で表される化合物等があげられる。
(式中、Rh1、Rh2、Rh3、Rh4 およびRh5 は同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。g、h、iおよびjは同一または異なって0〜5の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。但し、g、h、i、jまたはkが2以上のとき、各Rh1、Rh2、Rh3、Rh4 およびRh5 は異なっていてもよい。)
(式中、Rh6 、Rh7 、Rh8 およびRh9 は同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。Rh10 はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。m、n、oおよびpは同一または異なって、0〜5の整数を示す。qは0〜6の整数を示す。但し、m、n、o、pまたはqが2以上のとき、各Rh6 、Rh7 、Rh8、Rh9 およびRh10 は異なっていてもよい。)
(式中、Rh11 、Rh12 、Rh13 およびRh14 は同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。r、s、tおよびuは同一または異なって、0〜5の整数を示す。但し、r、s、tまたはuが2以上のとき、各Rh11 、Rh12 、Rh13 およびRh14 は異なっていてもよい。)
(式中、Rh15 およびRh16 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。Rh17、Rh18 、Rh19 およびRh20は同一または異なって、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。)
(式中、Rh21 、Rh22 およびRh23 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh28 は水素原子またはアルキル基を示し、Rh29 、Rh30 およびRh31は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh32 、Rh33 およびRh34 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。)
(式中、Rh35 およびRh36 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアルコキシ基を示す。Rh37およびRh38は同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す。)
(式中、Rh39 、Rh40 、Rh41 、Rh42 、Rh43 およびRh44 は同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基または置換基を有してもよいアリール基を示す。αは1〜10の整数を示し、v、w、x、y、zおよびβは同一または異なって0〜2の整数を示す。但し、v、w、x、y、zまたはβが2のとき、各Rh39 、Rh40 、Rh41 、Rh42 、Rh43 およびRh44 は異なっていてもよい。)
(式中、Rh45 、Rh46 、Rh47 およびRh48は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、Φ−1〜Φ−3は下記式で表される構造である。)
また、本発明においては、上記例示の正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−11)とともに、またはこれに代えて、従来公知の正孔輸送物質、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等の一種単独または二種以上の組み合わせを添加することが好ましい。
(3)−2 添加量
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜150重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が150重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を20〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
正孔輸送剤の添加量に関し、結着樹脂100重量部に対して、10〜150重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる正孔輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる正孔輸送剤の添加量が150重量部を超えた値になると、正孔輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、かかる正孔輸送剤の添加量を20〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4) 電子輸送剤
(4)−1 種類
本発明に用いられる電子輸送剤としては、ジフェノキノン誘導体およびピレン誘導体を含む化合物が好ましい。この理由は、電子輸送剤として、このような電子受容性に優れた化合物を使用することにより、電荷発生剤との相溶性が優れたものになることから、感度特性や耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
(4)−1 種類
本発明に用いられる電子輸送剤としては、ジフェノキノン誘導体およびピレン誘導体を含む化合物が好ましい。この理由は、電子輸送剤として、このような電子受容性に優れた化合物を使用することにより、電荷発生剤との相溶性が優れたものになることから、感度特性や耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
(4)−2 具体例
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(9)〜(16)で表わされる化合物(ETM−A〜ETM−H)が挙げられる。
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(9)〜(16)で表わされる化合物(ETM−A〜ETM−H)が挙げられる。
また、本発明に用いられる電子輸送剤としては、従来公知の他の電子輸送剤を感光体層に併用させることも好ましい。このような電子輸送剤としては、高い電子輸送能を有する種々の化合物、例えば下記の一般式(ETM−1〜ETM−15)で表される化合物等があげられる。
(式中、Re1、Re2、Re3、Re4およびRe5は同一または異なって、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいフェノキシ基またはハロゲン原子を示す。)
(式中、Re6はアルキル基、Re7は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基を示す。γは0〜5の整数を示す。但し、γが2以上のとき、各Re7は互いに異なっていてもよい。)
(式中、Re8およびRe9は同一または異なって、アルキル基を示す。δは1〜4の整数を示し、εは0〜4の整数を示す。但し、δおよびεが2以上のとき、各Re8およびRe9は異なっていてもよい。)
(式中、Re10 はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子を示す。ζは0〜4、ηは0〜5の整数を示す。但し、ηが2以上のとき、各Re10 は異なっていてもよい。)
(式中、Re11 はアルキル基を示し、σは1〜4の整数を示す。但し、σが2以上のとき、各Re11 は異なっていてもよい。)
(式中、Re12 およびRe13 は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキルオキシカルボニル基、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基またはシアノ基を示す。Xは酸素原子、=N−CN基または=C(CN)2 基を示す。)
(式中、Re14 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基または置換基を有してもよいフェニル基を示し、Re15 はハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、アルコキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、シアノ基またはニトロ基を示す。λは0〜3の整数を示す。但し、λが2以上のとき、各Re15 は互いに異なっていてもよい。)
(式中、θは1〜2の整数を示す。)
(式中、Re16 およびRe17 は同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基を示す。νおよびξは0〜3の整数を示す。但し、νまたはξが2以上のとき、各Re16およびRe17 は互いに異なっていてもよい。)
(式中、Re18 およびRe19 は同一または異なって、フェニル基、縮合多環式基または複素環式基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
(式中、Re20 はアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基またはフェニル基を示し、πは1〜2の整数を示す。但し、πが2のとき、各Re20 は互いに異なっていてもよい。)
(式中、Re21 は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアラルキル基を示す。)
(式中、Re22 はハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、アルコキシカルボニル基、N−アルキルカルバモイル基、シアノ基またはニトロ基を示す。μは0〜3の整数を示す。但し、μが2以上のとき、各Re22 は互いに異なっていてもよい。)
(式中、Re23、Re24 、Re25 、Re26 、Re27 、Re28 およびRe29 は同一または異なってアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基を示す。χおよびφは同一または異なって0〜4の整数を示す。)
(式中、Re30 およびRe31 は同一または異なってアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基を示す。τおよびψは同一または異なって0〜4の整数を示す。)
また、本発明においては、上記例示のほかに従来公知の電子輸送物質、すなわち例えばベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
また、これらの電子輸送剤のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
また、これらの電子輸送剤のうち、電界強度が5×105v/cmにおける電子移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である化合物がより好ましい。
(4)−3 添加量
また、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電子輸送剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる複数の電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。より具体的には、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)電荷発生剤
(5)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
(5)−1 種類
本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型またはX型)、チタニルフタロシアニン(α型またはY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、およびクロロガリウムフタロシアニン(II型)からなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の種類を特定することにより、正孔輸送剤および電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性および安定性等がより優れた電子写真感光体を提供することができるためである。
(5)−2 具体例
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(17)〜(20)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)を使用することがより好ましい。
これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(17)〜(20)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)を使用することがより好ましい。
また、従来公知の電荷発生剤を単独使用したり、併用したりすることも好ましい。かかる電荷発生剤の種類としては、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤等の一種単独または二種以上の混合物が挙げられる。
また、上述した電荷発生剤のうち、特に半導体レーザ等の光源を備えたレーザビームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置に使用する場合には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンのいずれかを少なくともひとつが含まれていることが好ましい。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を備えた静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置に使用する場合には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えばペリレン系顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
一方、ハロゲンランプ等の白色の光源を備えた静電式複写機等のアナログ光学系の画像形成装置に使用する場合には、可視領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えばペリレン系顔料やビスアゾ顔料等が好適に用いられる。
(5)−3 添加量
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤外ないし近赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができない場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、電荷発生剤の添加量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる複数の電荷発生剤の添加量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、かかる複数の電荷発生剤の添加量が40重量部を超えた値になると、赤外ないし近赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができない場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の添加量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、本発明で用いられる電荷発生剤のうち、式(18)で表される化合物(CGM―
B)を用いる場合には、下記式(21)で表される分散補助剤(例えば、C.IPigmentOrange16)を添加してもよい。
この理由は、かかる電荷発生剤(CGM−B)と分散補助剤(C.IPigmentOrange16)をあわせて用いることにより、塗工溶液中でのCGM−Bの分散性を向上させ、塗工溶液のポットライフを長くすることができるためである。
なお、式(18)で表される分散補助剤を使用する場合、その添加量を、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の添加量が30重量部未満の値になると、CGM−Bの塗工溶液中での分散性が不十分になり、感光体として適正な膜か製造されないためである。一方、かかる分散補助剤が200重量部を超えると、かかる電荷発生剤の量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができなくなるためである。
B)を用いる場合には、下記式(21)で表される分散補助剤(例えば、C.IPigmentOrange16)を添加してもよい。
この理由は、かかる電荷発生剤(CGM−B)と分散補助剤(C.IPigmentOrange16)をあわせて用いることにより、塗工溶液中でのCGM−Bの分散性を向上させ、塗工溶液のポットライフを長くすることができるためである。
なお、式(18)で表される分散補助剤を使用する場合、その添加量を、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の添加量が30重量部未満の値になると、CGM−Bの塗工溶液中での分散性が不十分になり、感光体として適正な膜か製造されないためである。一方、かかる分散補助剤が200重量部を超えると、かかる電荷発生剤の量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度特性、電気特性、および安定性等を向上させることができなくなるためである。
(6)シリル基含有化合物
(6)−1 種類
結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を含有する化合物を含むことを特徴とする。なお、シリル基を構成する3つのアルキル基は、それぞれ同一であっても、あるいは異なっていても良い。
また、かかるシリル基含有化合物において、シリル基を分子末端に有することが好ましい。この理由は、シリル基の存在位置を制限することにより、比較的少量の添加によっても表面改質ができ、表面潤滑性や親和性を効率的に向上させることができるためである。
また、かかるシリル基含有化合物としては、分子内にベンゼン環、ナフタレン環、またはヘテロ環の少なくとも一つの環構造を有することが好ましい。この理由は、このような環構造を有することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができるためである。
ここで、シリル基含有化合物の好適な具体例として、下記構造式(1)〜(4)で表される少なくとも一つの化合物を挙げることができる。
(6)−1 種類
結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を含有する化合物を含むことを特徴とする。なお、シリル基を構成する3つのアルキル基は、それぞれ同一であっても、あるいは異なっていても良い。
また、かかるシリル基含有化合物において、シリル基を分子末端に有することが好ましい。この理由は、シリル基の存在位置を制限することにより、比較的少量の添加によっても表面改質ができ、表面潤滑性や親和性を効率的に向上させることができるためである。
また、かかるシリル基含有化合物としては、分子内にベンゼン環、ナフタレン環、またはヘテロ環の少なくとも一つの環構造を有することが好ましい。この理由は、このような環構造を有することにより、表面潤滑性や親和性を向上させることができ、所定の感度を維持しながら、フィルミング特性および耐久性に優れた電子写真感光体を得ることができるためである。
ここで、シリル基含有化合物の好適な具体例として、下記構造式(1)〜(4)で表される少なくとも一つの化合物を挙げることができる。
(6)−2 添加量
また、シリル基含有化合物の添加量を、単層型の場合には感光体の全体量に対して、積層型の場合には表面層の全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるシリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、著しくフィルミング特性や画像特性が低下する場合があるためである。一方、かかるシリル基含有化合物の添加量が20重量%を超えると、再び画像特性が低下したり、耐久性が低下したりする場合があるためである。
したがって、シリル基含有化合物の添加量を、単層型の場合には感光体の全体量に対して、積層型の場合には表面層の全体量に対して、0.5〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、シリル基含有化合物の添加量を、単層型の場合には感光体の全体量に対して、積層型の場合には表面層の全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるシリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、著しくフィルミング特性や画像特性が低下する場合があるためである。一方、かかるシリル基含有化合物の添加量が20重量%を超えると、再び画像特性が低下したり、耐久性が低下したりする場合があるためである。
したがって、シリル基含有化合物の添加量を、単層型の場合には感光体の全体量に対して、積層型の場合には表面層の全体量に対して、0.5〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図3および図4を参照して、シリル基含有化合物の添加量と、フィルミング特性や画像特性との関係を説明する。
図3の横軸には、シリル基含有化合物の添加量(重量%)を採って、対数により示しており、縦軸には、フィルミング特性として、後述する実施例1〜4および比較例1の電子写真感光体を用いて、A4紙の連続印刷をそれぞれ1万枚行った後の感光体表面に付着した単位面積あたりの紙紛の数(個数/mm2)を示している。
かかる図3から、シリル基含有化合物の添加量が0.1〜20重量%の範囲内であるとき、感光体に付着した紙紛が20〜30個/mm2と少ない値を示し、良好なフェルミング特性を有していることがわかる。
一方、シリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、感光体に付着した紙紛の数として、150個/mm2という高い値を示しており、フィルミング特性が低下していることがわかる。
また、図4の横軸には、シリル基含有化合物の添加量(重量%)を採って示しており、縦軸には、画像特性として、画像評価の相対値を示している。すなわち、後述する実施例1〜4および比較例1の電子写真感光体を用いて、A4紙の連続印刷をそれぞれ1万枚行った後の画像評価を下記基準に準じて行い、画像評価◎を5、○を3、△を1、×を0として算出した相対値である。
かかる図4から、シリル基含有化合物の添加量が0.1〜20重量%の範囲内であるとき、画像評価の相対値が3〜5を示し、良好な画像特性を示していることがわかる。
一方、シリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、画像評価の相対値が0になり、画像特性が低下していることがわかる。
◎:黒点の発生が全く無い。
○:黒点の発生がほとんど無い。
△:黒点の発生が少々有り。
×:黒点の顕著な発生が有り。
図3の横軸には、シリル基含有化合物の添加量(重量%)を採って、対数により示しており、縦軸には、フィルミング特性として、後述する実施例1〜4および比較例1の電子写真感光体を用いて、A4紙の連続印刷をそれぞれ1万枚行った後の感光体表面に付着した単位面積あたりの紙紛の数(個数/mm2)を示している。
かかる図3から、シリル基含有化合物の添加量が0.1〜20重量%の範囲内であるとき、感光体に付着した紙紛が20〜30個/mm2と少ない値を示し、良好なフェルミング特性を有していることがわかる。
一方、シリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、感光体に付着した紙紛の数として、150個/mm2という高い値を示しており、フィルミング特性が低下していることがわかる。
また、図4の横軸には、シリル基含有化合物の添加量(重量%)を採って示しており、縦軸には、画像特性として、画像評価の相対値を示している。すなわち、後述する実施例1〜4および比較例1の電子写真感光体を用いて、A4紙の連続印刷をそれぞれ1万枚行った後の画像評価を下記基準に準じて行い、画像評価◎を5、○を3、△を1、×を0として算出した相対値である。
かかる図4から、シリル基含有化合物の添加量が0.1〜20重量%の範囲内であるとき、画像評価の相対値が3〜5を示し、良好な画像特性を示していることがわかる。
一方、シリル基含有化合物の添加量が0.1重量%未満の値になると、画像評価の相対値が0になり、画像特性が低下していることがわかる。
◎:黒点の発生が全く無い。
○:黒点の発生がほとんど無い。
△:黒点の発生が少々有り。
×:黒点の顕著な発生が有り。
(7)添加剤
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
また、感光体層には、上記各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光体層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
(8)構造
また、単層型感光体における感光体層の厚さは、通常、5〜100μmの範囲内の値であり、好ましくは10〜50μmの範囲内の値である。
そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス、あるいはカーボンブッラク等の導電性微粒子を分散してなるプラスッチク材料等があげられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。さらに、感光体層を形成する場合には、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を適当な溶剤とともに、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合した後塗布して乾燥させればよい。
また、単層型感光体における感光体層の厚さは、通常、5〜100μmの範囲内の値であり、好ましくは10〜50μmの範囲内の値である。
そして、このような感光体層が形成される導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス、あるいはカーボンブッラク等の導電性微粒子を分散してなるプラスッチク材料等があげられる。
また、導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。さらに、感光体層を形成する場合には、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を適当な溶剤とともに、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合した後塗布して乾燥させればよい。
また、単層型感光体10の構成に関して、図1(b)に示すように、導電性基体12と感光体層14との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されていてもよい。また、図1(c)に示すように、感光体層14の表面には、保護層18が形成されていてもよい。
2.積層型感光体
(1)基本的構造
図2(a)に示すように、積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、電荷輸送剤等の少なくとも1種と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製される。
(1)基本的構造
図2(a)に示すように、積層型感光体20は、導電性基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、電荷輸送剤等の少なくとも1種と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製される。
また、上記構造とは逆に、図2(b)に示すように、導電性基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、結着剤等については、単層型感光体と同様の内容とすることができる。
ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図2(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、結着剤等については、単層型感光体と同様の内容とすることができる。
また、積層型感光体は、上記電荷発生層および電荷輸送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤(電子輸送剤及び正孔輸送剤)の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。例えば、導電性基体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した場合において、電荷輸送剤として、スチルベン誘導体のような正孔輸送剤を使用した場合には、感光体は負帯電型となる。この場合、電荷発生層に、電子輸送剤を含有させることも好ましい。そして、積層型の電子写真感光体であれば、感光体の残留電位が大きく低下しており、感度を向上させることができる。
なお、積層型感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
なお、積層型感光体における感光体層の厚さに関しては、電荷発生層が0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜3μm程度であり、電荷輸送層が2〜100μm、好ましくは5〜50μm程度である。
3.変形例
第1の実施形態の変形例として、シリル基含有化合物が、最表面に選択的に存在することが好ましい。
すなわち、感光体層の表面付近にシリル基含有化合物を選択的に多く添加するか、あるいはマイグレーションさせて、感光体層の表面付近におけるシリル基含有化合物の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、感光体層の内部におけるシリル基含有化合物の含有量よりも、表面付近におけるシリル基含有化合物の含有量を多くすることが好ましい。
さらに、図1(d)および図2(c)に示すように、感光体層の最表面に、シリル基含有化合物を比較的多く含む表面層25を設けることも好ましい。
例えば、シリル基含有化合物と、結着樹脂とを含み、そのうちシリル基含有化合物の含有量が0.1〜20重量%となるような表面層を設けることも好ましい。その場合、表面層の厚さを0.1〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
第1の実施形態の変形例として、シリル基含有化合物が、最表面に選択的に存在することが好ましい。
すなわち、感光体層の表面付近にシリル基含有化合物を選択的に多く添加するか、あるいはマイグレーションさせて、感光体層の表面付近におけるシリル基含有化合物の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、感光体層の内部におけるシリル基含有化合物の含有量よりも、表面付近におけるシリル基含有化合物の含有量を多くすることが好ましい。
さらに、図1(d)および図2(c)に示すように、感光体層の最表面に、シリル基含有化合物を比較的多く含む表面層25を設けることも好ましい。
例えば、シリル基含有化合物と、結着樹脂とを含み、そのうちシリル基含有化合物の含有量が0.1〜20重量%となるような表面層を設けることも好ましい。その場合、表面層の厚さを0.1〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法であって、下記工程(A)〜(C)を含む電子写真感光体の製造方法である。
(A)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、シリル基含有化合物と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
第2の実施形態は、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法であって、下記工程(A)〜(C)を含む電子写真感光体の製造方法である。
(A)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、シリル基含有化合物と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
1.単層型感光体の製造方法
単層型の感光体層を形成するにあたり、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を溶媒に添加して単層型用塗布液を作成する工程(A)と、作成した単層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程(B)と、かかる単層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥する工程(C)と、を含むことが好ましい。
単層型の感光体層を形成するにあたり、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、電荷発生剤と、を溶媒に添加して単層型用塗布液を作成する工程(A)と、作成した単層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程(B)と、かかる単層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥する工程(C)と、を含むことが好ましい。
(1)塗布液作成工程
結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を溶媒に添加して、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、固形分濃度が10〜30重量%の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。
結着樹脂と、電荷発生剤と、電子輸送剤と、正孔輸送剤と、を溶媒に添加して、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し、塗布液とすることが好ましい。
より具体的には、固形分濃度が10〜30重量%の塗布液を作成することが好ましい。この理由は、塗布液の固形分濃度は10重量%未満の値になると、被膜欠陥を生じるおそれがあるためであり、一方、塗布液の固形分濃度は30重量%を超えると、層むらが生じやすくなり、感光体として均一な厚さを有する薄膜を形成することが困難となる場合があるためである。
また、塗布液を作成するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能である。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、電子輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
さらに、電子輸送剤や電荷発生剤等の分散性や、感光体層表面における平滑性を良くするために、塗布液を作成する際に、界面活性剤やレベリング剤等を添加することも好ましい。
(3)塗布工程
また、塗布工程を実施するにあたり、導電性基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、バリア層を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
また、塗布工程を実施するにあたり、導電性基体上に、塗布液を直接的に塗布することも好ましいし、あるいは、バリア層を介して間接的に塗布することも好ましい。
また、塗布方法としては、均一な厚さの感光体層を形成するために、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いることが好ましい。
(4)乾燥工程
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
また、塗布工程の後、乾燥工程において、高温乾燥機や減圧乾燥機等を用いて、例えば、60℃〜150℃の乾燥温度で乾燥させることが好ましい。この理由は、かかる乾燥温度が60℃未満の値になると、乾燥時間が過度に長くなって、均一な厚さを有する感光体層を効率的に形成することが困難になる場合があるためである。一方、かかる乾燥温度が150℃を超えると、感光体が熱分解する場合があるためである。
2.積層型感光体の製造方法
(1)製造方法
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、複数の積層型用塗布液を作成して、それぞれ塗布および乾燥させる必要があるが、基本的には、単層型感光体の製造方法に準じて、作成することができる。
以下、積層型感光体層の製造方法に関し、単層型感光体の製造方法と異なる点を中心に説明する。
(1)製造方法
本発明の積層型感光体層の製造方法に関し、複数の積層型用塗布液を作成して、それぞれ塗布および乾燥させる必要があるが、基本的には、単層型感光体の製造方法に準じて、作成することができる。
以下、積層型感光体層の製造方法に関し、単層型感光体の製造方法と異なる点を中心に説明する。
(2)塗布液作成工程
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、溶媒と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶媒と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。
なお、塗布液作成工程に使用する装置や、固形分濃度等の条件については、単層型感光体の製造方法に準じることができる。
塗布液作成工程は、例えば、結着樹脂と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、溶媒と、からなる電荷輸送層用塗布液、および結着樹脂と、電荷発生剤と、溶媒と、からなる電荷発生層用塗布液と、をそれぞれ作成する工程である。
なお、塗布液作成工程に使用する装置や、固形分濃度等の条件については、単層型感光体の製造方法に準じることができる。
(3)塗布工程および乾燥工程
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、複数層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、第1塗布工程および第1乾燥工程により、図2(a)に示すように、基体12の上に、電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程および第2乾燥工程により、電荷発生層24の上に、電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、塗布工程および乾燥工程の条件については、単層型感光体の製造方法に準じることができる。
第1塗布工程および第1乾燥工程と、第2塗布工程および第2乾燥工程とを設けて、複数層からなる感光体層を形成することが好ましい。例えば、第1塗布工程および第1乾燥工程により、図2(a)に示すように、基体12の上に、電荷発生層24を形成し、次いで、第2塗布工程および第2乾燥工程により、電荷発生層24の上に、電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
なお、塗布工程および乾燥工程の条件については、単層型感光体の製造方法に準じることができる。
3.変形例
また、第2の実施形態の変形例として、下記工程(A´)〜(D´)を含む電子写真感光体の製造方法が挙げられる。
(A´)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C´)シリル基含有化合物を最表面に塗布する工程。
(D´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液、さらにはシリル基含有化合物を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
すなわち、図1(d)および図2(c)に示すように、感光体層の表面に、シリル基含有化合物を比較的多く含む表面層25を設けることが好ましい。
また、第2の実施形態の変形例として、下記工程(A´)〜(D´)を含む電子写真感光体の製造方法が挙げられる。
(A´)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C´)シリル基含有化合物を最表面に塗布する工程。
(D´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液、さらにはシリル基含有化合物を塗布した導電性基材を乾燥させる工程
すなわち、図1(d)および図2(c)に示すように、感光体層の表面に、シリル基含有化合物を比較的多く含む表面層25を設けることが好ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第1の実施形態の電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、画像形成を行うことを特徴とした画像形成装置である。なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態の電子写真感光体(以下、単に、感光体と称する場合がある。)を備えるとともに、電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程をそれぞれ配置し、画像形成を行うことを特徴とした画像形成装置である。なお、この画像形成装置の例では、電子写真感光体として、単層型感光体を用いた場合を想定して説明する。
1.画像形成装置
(1)構成
第3の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図5に示すような画像形成装置である複写機30を好適に使用することができる。かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
(1)構成
第3の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、図5に示すような画像形成装置である複写機30を好適に使用することができる。かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット33において、光源33aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子33bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部31bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部31aに送られる。この画像形成部31aには、像担持体である感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電器42、露光器43、現像器44、及び転写ローラ45、並びにクリーニング装置46が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
一方、給紙部31bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部31aに送られる。この画像形成部31aには、像担持体である感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電器42、露光器43、現像器44、及び転写ローラ45、並びにクリーニング装置46が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
これらの構成部品のうち、感光体ドラム41は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器42により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器43により感光体ドラム41に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム41の表面において静電潜像が形成される。この静電潜像に基づき、現像器44によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム41の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム41と転写ローラ45とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット47に搬送されて、定着プロセスが行われる。
定着後の用紙Sは、排紙ユニット32に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ32aに送られた後、後処理が行われる。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ32aの下側に設けられた排紙トレイ32bに排紙される。なお、中間トレイ32a及び排紙トレイ32bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
そして、上述したように転写が行われた後、感光体ドラム41に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置46で除去される。すなわち、感光体ドラム41がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
そして、上述したように転写が行われた後、感光体ドラム41に残留する残留トナー(及び紙粉)については、クリーニング装置46で除去される。すなわち、感光体ドラム41がクリーニングされる一方、残留トナーについては、廃トナーコンテナ(図示せず)に回収されることになる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(1)電子写真感光体の作成
超音波分散機内に、結着樹脂として、式(22)で表される粘度平均分子量50,000の共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、電荷発生剤として、式(17)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を2.4重量部と、正孔輸送剤として、式(5)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A)を60重量部と、電子輸送剤として、式(9)で表されるキノン誘導体(ETM−A)を30重量部と、式(1)で表されるシリル基含有化合物を1重量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部と、を収容した。
次いで、超音波分散機を用いて30分間混合分散して、単層型感光体層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚15μmの単層型感光体層を有する電子写真感光体を得た。
(1)電子写真感光体の作成
超音波分散機内に、結着樹脂として、式(22)で表される粘度平均分子量50,000の共重合ポリカーボネート樹脂(Resin−A)を100重量部と、電荷発生剤として、式(17)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を2.4重量部と、正孔輸送剤として、式(5)で表されるスチルベン誘導体(HTM−A)を60重量部と、電子輸送剤として、式(9)で表されるキノン誘導体(ETM−A)を30重量部と、式(1)で表されるシリル基含有化合物を1重量部と、溶媒としてのテトラヒドロフラン800重量部と、を収容した。
次いで、超音波分散機を用いて30分間混合分散して、単層型感光体層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚15μmの単層型感光体層を有する電子写真感光体を得た。
(2)フィルミング評価
得られた電子写真感光体の画像評価を実施した。すなわち、得られた電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ株式会社製、Creage8331改造機)に搭載し、A4紙の連続印刷を1万枚行った。その後、感光体の表面に付着した紙粉(個数/mm2)を、顕微鏡観察により測定した。得られた結果を表1に示す。
得られた電子写真感光体の画像評価を実施した。すなわち、得られた電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ株式会社製、Creage8331改造機)に搭載し、A4紙の連続印刷を1万枚行った。その後、感光体の表面に付着した紙粉(個数/mm2)を、顕微鏡観察により測定した。得られた結果を表1に示す。
(3)画像評価
得られた電子写真感光体の画像評価をフィルミング評価と同様に実施した。すなわち、得られた電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ株式会社製、Creage8331改造機)に搭載し、A4紙の連続印刷を1万枚行い、下記基準に準じて、画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:黒点の発生が全く無い。
○:黒点の発生がほとんど無い。
△:黒点の発生が少々有り。
×:黒点の顕著な発生が有り。
得られた電子写真感光体の画像評価をフィルミング評価と同様に実施した。すなわち、得られた電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ株式会社製、Creage8331改造機)に搭載し、A4紙の連続印刷を1万枚行い、下記基準に準じて、画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
◎:黒点の発生が全く無い。
○:黒点の発生がほとんど無い。
△:黒点の発生が少々有り。
×:黒点の顕著な発生が有り。
[実施例2〜4]
実施例2〜4においては、実施例1で使用した式(1)で表されるシラン化合物の添加量を5〜20重量%の範囲に変えて添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、フィルミング評価および画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
実施例2〜4においては、実施例1で使用した式(1)で表されるシラン化合物の添加量を5〜20重量%の範囲に変えて添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、フィルミング評価および画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
[実施例5〜7]
実施例5〜7においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物のかわりに、式(2)〜(4)で表されるシラン化合物をそれぞれ5重量%添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、フィルミング評価および画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
実施例5〜7においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物のかわりに、式(2)〜(4)で表されるシラン化合物をそれぞれ5重量%添加したほかは、実施例1と同様に単層型感光体を作成して、フィルミング評価および画像評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1および2]
比較例1においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物を全く添加せず、比較例2においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物のかわりに、式(23)で表されるシラン化合物をそれぞれ5重量%添加したほかは、それぞれ実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
比較例1においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物を全く添加せず、比較例2においては、実施例1の式(1)で表されるシラン化合物のかわりに、式(23)で表されるシラン化合物をそれぞれ5重量%添加したほかは、それぞれ実施例1と同様に単層型感光体を作成して、評価した。
以上、詳述したように、本発明によれば、感光体層に、シリル基含有化合物を含むことにより、感度特性および耐久性のみならず、フィルミング特性にも優れた電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置が得られるようになった。
したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
したがって、本発明の電子写真感光体は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における低コスト化、高速化、高性能化等に寄与することが期待される。
10:単層型感光体
12:導電性基体
14:感光体層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:最表面層
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
33a:光源
33b:光学素子
34:原稿給送ユニット
34a:原稿載置トレイ
34b:原稿給送機構
34c:原稿排出トレイ
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光源
44:現像器
45:転写ローラ
46:クリーニング装置
12:導電性基体
14:感光体層
16:バリア層
18:保護層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:最表面層
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
33a:光源
33b:光学素子
34:原稿給送ユニット
34a:原稿載置トレイ
34b:原稿給送機構
34c:原稿排出トレイ
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光源
44:現像器
45:転写ローラ
46:クリーニング装置
Claims (9)
- 結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、を含む感光体層を備えた電子写真感光体であって、
前記感光体層に、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記シリル基含有化合物が、分子内にベンゼン環、ナフタレン環、またはヘテロ環の少なくとも一つの環構造を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記シリル基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記シリル基含有化合物が、最表面に選択的に存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 前記感光体層が、単層型であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法において、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(A)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、シリル基含有化合物と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を塗布した導電性基材を乾燥させる工程 - 結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、(−Si(R)3)(Rは炭素数1〜6のアルキル基)で表されるシリル基を有するシリル基含有化合物と、を含む単層型感光体層あるいは積層型感光体層を備えた電子写真感光体の製造方法において、下記工程(A´)〜(D´)を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(A´)結着樹脂と、電荷輸送剤と、電荷発生剤と、溶媒と、を混合分散して単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を作成する工程
(B´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液を導電性基材上に塗布する工程
(C´)シリル基含有化合物を最表面に塗布する工程。
(D´)単層型用塗布液、あるいは複数の積層型用塗布液、さらにはシリル基含有化合物を塗布した導電性基材を乾燥させる工程 - 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体を備えるとともに、当該電子写真感光体の周囲に、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を実施するための部位を配置したことを特徴とする画像形成装置。
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JP2008083619A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-10 | Kyocera Mita Corp | 電子写真感光体および画像形成装置 |
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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